JP5419265B2 - 熱圧着用シリコーンゴムシート及びその製造方法 - Google Patents

熱圧着用シリコーンゴムシート及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、積層板やフレキシブルプリント基板の成形時、或いは液晶パネル等に接続された電極とフレキシブルプリント基板のリード電極とを、異方導電性接着剤を介して電気的及び機械的に接続するときなどに使用される熱圧着用シリコーンゴムシートに関し、特に、熱を伝えると共に均一に圧力をかける目的で使用される、熱伝導性と表面離型性に優れると共に周囲の装置部品や被圧着物に貼り付かない熱圧着用シリコーンゴムシート、及びその製造方法に関する。
近年、携帯電話、携帯用コンピューター、コンピューター用モニター、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ナビゲーションシステム、携帯テレビ、薄型テレビ等のディスプレイとして、液晶パネルを用いることが増えている。この液晶パネルの製造に際しては、液晶を駆動させるために、液晶パネルの透明リード電極と駆動用LSIが搭載されたフレキシブルプリント基板(FPC)のリード電極とを、異方導電性接着剤を介在させて熱圧着し、電気的及び機械的に接続することが行われている。
この場合、加圧・加熱ツールとFPCの間に挟んで、加圧・加熱ツールから異方導電性接着剤に熱を伝えると共に、前記電極全体に均一な圧力を加えるために熱圧着用シートが用いられている。この熱圧着用シートとしては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂フィルムを用いる場合もあるが、フッ素樹脂フィルムより圧力を均一にかけることのできる、低弾性で柔軟性があると同時に熱伝導性のよいシリコーンゴムシートを使用することが一般的になっている。
しかしながら、シリコーンゴムシートは、フッ素樹脂フィルムの場合よりシート表面に粘着性があり、シートが加圧・加熱ツールやFPCに密着して貼り付き易い。したがって、圧着工程の作業性が著しく低下するだけでなく、圧着後のFPCを剥がす際にシートが劣化し、耐久性が悪くなりやすいという欠点があった。また、熱圧着用シートは、熱圧着時にはみ出した異方導電性接着剤と直接接触することがあるため、この異方導電性接着剤に対して非接着であることが必要となるが、従来の熱圧着用シリコーンゴムシートは、異方導電性接着剤に対しての非接着性が十分ではないために、耐久性が不十分であるという問題があった。
熱圧着用シリコーンゴムシートとして、例えば、シリコーンゴムに窒化ホウ素を配合しガラスクロスで補強したもの(特許文献1)、シリコーンゴムに窒化ホウ素と導電性物質を配合し、ガラスクロスで補強して帯電防止性を付与したもの(特許文献2)、シリコーンゴムにセラミックや金属などの良熱伝導性物質を配合したもの(特許文献3)、或いは、シリコーンゴムに水分を除いた揮発分が0.5%以下であるカーボンブラックを配合し耐熱性を改良したもの(特許文献4)等が知られている。しかしながら、これらの熱圧着用シリコーンゴムシートにおいては、シート表面の粘着性の問題や、異方導電性接着剤に対する非接着性についての問題が改善されていない。
このような問題を改善するために、シリコーンゴムシートの表面にタルクなどの鱗片状の粉をムラなく打粉し、水で洗浄することにより余分な粉を除去した熱圧着用シリコーンゴムシートが提案されている(特許文献5)。しかしながらこのシートの場合には、シート表面の粘着性は改善されるものの、異方導電性接着剤に対する非接着性についての問題は改善されていない。
そこで、前記シート表面の粘着性の問題と異方導電性接着剤に対する非接着性についての問題を解決するために、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂フィルムとシリコーンゴムシートを別々に準備し、これら2種類のシートを重ねて使用することも行なわれているが、この方法の場合には、2種類のシートを必要とするためにコストが高くなる上、該2種類のシートを供給する装置がそれぞれ別々に必要となるため、製造装置のコストアップにも繋がるという欠点があった。
また、シリコーンゴムシートと耐熱性樹脂フィルムを積層・複合化することにより、シート表面の粘着性をなくすとともに、強度に優れた熱圧着用シリコーンゴム複合シートも提案されている(特許文献6〜8)。しかしながら、このシートを使用した場合には、シリコーンゴムが耐熱性樹脂フィルムと接着しているので、シリコーンゴム単体より柔軟性が低下する。このため加圧時に均一に圧力がかかりにくくなるので加圧力を大きくする必要があるが、被圧着体の強度に限界があるため問題となる場合がある上、耐熱性樹脂フィルムが比較的高価であって、コストアップに繋がるという欠点があった。
これらの課題を解決するために、熱伝導性ゴムシートの片面又は両面にシリコーン樹脂層を積層して離型性を付与したり、熱伝導性ゴムシートの少なくとも片面に充填剤を含まないゴム組成物からなるゴム系離型層を積層することにより、表面離型性に優れると共に異方導電性接着剤に接着せず、耐久性にも優れる上均一に加圧力を伝えることができる、柔軟性を兼ね備えた安価な熱圧着用シリコーンゴムシートが提案されている(特許文献9、10、11)。しかしながらこれらの提案に従って単純に離型層をコートしただけでは、シート表面の粘着性の問題を解決することはできなかった。
更に、一般的なナイフコート、コンマコート、バーコート、ディップコートなどによってシリコーンパウダーを充填した離型層を積層して表面に凹凸形状を形成し、表面に滑り性が付与された熱圧着用シリコーンゴムシートも提案されている(特許文献12)。
しかしながら、離型層にシリコーンパウダーを充填して熱圧着用シリコーンゴムシートの表面に滑り性を持たせた場合には、シリコーンパウダー自体にシリコーン特有の粘着性が若干残っているため、形成された離型層の滑り性が十分でない場合があった。また、シリコーンパウダーは、ほぼ100%がシリコーンポリマーからなるため、その熱伝導率は低い。したがって、シリコーンパウダーを離型層に充填した場合には、離型層の異方導電性接着剤に対する離型性が非常に良好である一方、ヒートツールから異方導電性接着剤に対する熱伝導性が十分でないという欠点があった。
特開平5−198344号公報 特開平6−36853号公報 特開平6−289352号公報 特開平7−11010号公報 特開平10−219199号公報 特開平8−174765号公報 特開2001−18330号公報 特開平7−214728号公報 特開2001−232712号公報 特開2003−236988号公報 特開2004−273669号公報 特開2005−297234号公報
そこで本発明者等は、熱伝導性と表面離型性に優れると共に周囲の装置部品や被圧着物に貼り付かない熱圧着用シリコーンゴムシートについて鋭意検討した結果、シリコーンゴムに、好ましくは、水分を除いた揮発分が0.5%以下であるカーボンブラックを配合した従来の熱圧着用シリコーンゴムシートの表面に、該熱圧着用シリコーンゴムシートとは異なる組成からなる特定のシリコーンゴム層を積層した場合には、良好な結果が得られることを見出し、本発明に到達した。
したがって本発明の第1の目的は、表面離型性に優れ、装置部品や被圧着物への貼り付きがない上、異方導電性接着剤に接着せず、耐久性及び熱伝導性能に優れると共に、均一に加圧力を伝えることができる、柔軟性を兼ね備えた安価な熱圧着用シリコーンゴムシートを提供することにある。
本発明の第2の目的は、一定の組成を有する従来の熱圧着用シリコーンゴムシートの欠点を改善し、表面離型性に優れるのみならず、装置部品や被圧着物への貼り付きがない上異方導電性接着剤に接着せず、耐久性及び熱伝導性能に優れると共に均一に加圧力を伝えることができ、しかも柔軟性を兼ね備えた熱圧着用シリコーンゴムシートとすることのできる、安価な熱圧着用シリコーンゴムシートの製造方法を提供することにある。
即ち本発明は、熱伝導性を有する硬化した第一のシリコーンゴム層の少なくとも一方の表面に、無機熱伝導性粉末を含有し前記第一のシリコーンゴム層の成分とは異なる成分からなる第二のシリコーンゴム層の硬化物が積層されてなり、全体の厚みが0.1〜10mmである熱圧着用シリコーンゴムシートであって、前記第二のシリコーンゴム硬化物層の熱伝導率が0.20W/mK以上、JIS K 6253 デュロメーター硬さ試験 タイプA硬度が20以上、表面の中心線平均粗さRaが0.4〜10.0μmであると共に、その厚さをXμm、該層に含有される前記無機熱伝導性粉末の最大粒径をYμmとしたとき、これらX及びYの間に、0 <(Y-X)≦(2Y/3) の関係が成立することを特徴とする熱圧着用シリコーンゴムシート、及び、その製造方法である。
本発明における前記第一のシリコーンゴム層は、下記(A)〜(E)成分を含有するシリコーンゴム層であり、前記第二のシリコーンゴム層は下記(F)〜(J)成分を含有するシリコーンゴム層である。
第一のシリコーンゴム層:
(A):平均重合度が200以上のオルガノポリシロキサン 100質量部、
(B):水分を除いた揮発分が0.5質量%以下であるカーボンブラック、
(C):BET比表面積が50m2/g以上である微粉末シリカ、
(但し、(B),(C)成分の合計配合量は0〜150質量部である。)
(D):金属、前記(C)成分以外の無機酸化物、無機窒化物、無機炭化物から選択される少なくとも一種の粒子を0〜1,600質量部、
(但し、(B)及び(C)成分の合計配合量が0〜30質量部の場合、(D)成分の配合量は100超〜1600質量部であり、(B)及び(C)成分の合計配合量が30超〜150質量部の場合の(D)成分の配合量は0〜500質量部である。)
(E):硬化有効量の硬化剤。
第二のシリコーンゴム層:
(F):オルガノポリシロキサン 100質量部、
(G):球状粒子又は涙滴形状の粒子である、下記(H)及び(I)成分以外の無機熱伝導性粉末:10〜80質量部、
(H):水分を除いた揮発分が0.5質量%以下であるカーボンブラック、
(I):BET比表面積が50m2/g以上である微粉末シリカ、
(但し、(H)及び(I)成分の合計配合量は0〜30質量部である。)
(J):硬化有効量の硬化剤。
本発明においては、前記(G)成分の無機熱伝導性粉末が、モース硬度が5以下の無機熱伝導性粉末であることが好まし。これらの無機熱伝導性粉末は、球状溶融シリカ、球状アルミナ、球状ガラス、球状アルミニウムから選択される少なくとも一種であることが好ましく、その平均粒子径は0.5〜30μmであり最大粒径が70μm以下であることが好ましい。
また、前記第二のシリコーンゴム層の厚さが1〜50μmであり、(G)成分の最大粒径が70μm以下であることが好ましく、特に、前記第二のシリコーンゴム層の厚さが5〜40μmであり、(G)成分の最大粒径が50μm以下であることが好ましい。更に、前記第二のシリコーンゴム層を形成する組成物中の(G)、(H)及び(I)成分の含有量の合計が、組成物全体の50質量%以下であることが好ましく、前記第二のシリコーンゴム層表面の中心線平均粗さRaが0.4μm≦Ra≦10.0μmであると共に、最大高さRmaxが50μm以下であることが好ましい。また、本発明の熱圧着用シリコーンゴムシートは、150℃で3時間加熱した時の揮発分が0.2質量%以下であることが好ましい。
本発明の熱圧着用シリコーンゴムシートは、前記第一のシリコーンゴム組成物をシート状に成形してなるシート体の片面又は両面に、前記第一のシリコーンゴム組成物とは組成の異なる前記第二のシリコーンゴム組成物を、前記XとYの関係式が成り立つような厚さでシート状に成形し、該第二のシリコーンゴム組成物を、前記第二のシリコーンゴム組成物と共に加熱・硬化させ、第二のシリコーンゴム組成物シート体の硬化物層表面に、中心線平均粗さRaが0.5μm≦Ra≦10.0μmの範囲であって、最大高さRmaxが50μm以下の凹凸を形成させることことによって製造することができる。この場合、前記第一のシリコーンゴム組成物のシート体は、前記第二のシリコーンゴム組成物を成形する前に、単独で硬化させておいても良い。
本発明の熱圧着用シリコーンゴムシートは、第一のシリコーンゴム層である従来の熱圧着シリコーンゴムシート上に、シリコーンゴムが本来持っている異方導電性接着剤に対する非接着性を維持すると共に熱伝導性を付与することのできる量の無機熱伝導性粉末を含有する第二のシリコーンゴム層を積層して表面離型層とするものであるので、第一のシリコーンゴム層を硬化させた後又は硬化させる前に、一般的なナイフコート、コンマコート、バーコート、ディップコートなどによって第二のシリコーンゴム層を積層した後、そのまま加硫することにより簡便に前記第二の離型層表面に凹凸形状を形成することができる。これによって、マイカやタルクなどを打粉することなく、シリコーン特有の密着性の問題を回避することができるので、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の樹脂フィルムを重ねて使用する必要がなく、熱圧着用シート単体での使用が可能となるという利点がある。
本発明の熱圧着用シリコーンゴムシートは、下記(A)〜(E)成分を含有するシリコーンゴム組成物の硬化物からなる第一のシリコーンゴム層の少なくとも一方の面に、該第一のシリコーンゴム層とは組成の異なる、後記する第二のシリコーンゴム層が積層された複層のシリコーンゴム層からなるシリコーンゴムシートである。
(A):平均重合度が200以上のオルガノポリシロキサン 100質量部、
(B):水分を除いた揮発分が0.5質量%以下であるカーボンブラック、
(C):BET比表面積が50m2/g以上である微粉末シリカ、
(但し、(B),(C)成分の合計配合量は0〜150質量部である。)
(D):金属、前記(C)成分以外の無機酸化物、無機窒化物、無機炭化物から選択される少なくとも一種を0〜1,600質量部、
(但し、(B)及び(C)成分の合計配合量が0〜30質量部の場合には、(D)成分の配合量が100超〜1600質量部であり、(B)及び(C)成分の合計配合量が30超〜150質量部の場合には、(D)成分の配合量が0〜500質量部である。)
(E):硬化有効量の硬化剤
上記(A)成分である平均重合度200以上のオルガノポリシロキサンは、平均組成式がR1aSiO(4-a)/2(aは1.95〜2.05の正数)で表されるものであることが好ましい。但し、上式中のR1は置換又は非置換の一価炭化水素基を表す。R1の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロへキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;あるいはこれらの水素原子が部分的に塩素原子、フッ素原子などで置換されたハロゲン化炭化水素基等が挙げられる。本発明においては、R1の0.001〜5モル%、特に0.01〜1モル%がアルケニル基であることが好ましい。
上記オルガノポリシロキサンとしては、主鎖がジメチルシロキサン単位からなるもの、又はこのジメチルポリシロキサンの主鎖に、ビニル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基などを導入したものが好ましい。但し、分子鎖末端がトリオルガノシリル基又は水酸基で封鎖されたものであることが好ましい。上記トリオルガノシリル基としては、トリメチルシリル基、ジメチルビニルシリル基、トリビニルシリル基などが例示される。
上記(A)成分であるオルガノポリシロキサンの平均重合度は200以上であることが必要であるが、特に3,000〜20,000であることが好ましい。重合度が200未満では、硬化後の機械的強度が劣り、脆くなる。なお、(A)成分であるオルガノポリシロキサンの25℃における粘度は10Pa・s以上であることが好ましい。
本発明で使用する(B)成分の、水分を除いた揮発分が0.5質量%以下であるカーボンブラックは、前記第一のシリコーンゴム層の耐熱性及び熱伝導性を向上させるばかりでなく、機械的強度を向上させると共に、シリコーンゴムシートを導電化して帯電防止性をも付与するものである。カーボンブラックはシリコーンゴムの耐熱性を向上させることができるが、一般にシリコーンゴムの耐熱性は、シリコーンゴム組成物中のpH、水分あるいは不純物の影響を受けるために、使用するカーボンブラック中の不純物及び揮発分を考慮する必要がある。カーボンブラックの揮発分は、その表面に化学的に吸着している酸素化合物(カルボキシル、キノン、ラクトン、ヒドロキシル等の酸性成分)の重量に該当する。この酸素化合物は、加熱されるとカーボンブラックの表面から気化してシリコーンゴムの耐熱性に悪影響を与える。本発明においては、水分を除いた揮発分が0.5質量%以下のカーボンブラックを使用することが必要であり、好ましくは0.4質量%以下のカーボンブラックを用いることにより、300℃以上の高温下でも熱圧着シリコーンゴムシートとして使用可能な耐熱性を実現することができる。
なお、本発明における揮発分の測定方法としては、JIS K 6221の“ゴム用カーボンブラック試験方法”に記載されている方法を用いる。具体的には、るつぼの中にカーボンブラックを規定量入れ、950℃で7分間加熱した後の揮発減量を測定するものである。
カーボンブラックは、その製造方法により、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック等に分類されるが、水分を除いた揮発分が0.5質量%以下のカーボンブラックとしては、例えば特開平1−272667号公報の第3頁、第36〜40行目に記載されたアセチレンブラックや導電性カーボンブラック等が好適である。
比表面積が大きいカーボンブラックほどシリコーンゴム層の耐熱性を向上させ、高温時の機械的強度の低下を抑制する効果が大きいため、本発明においては、BET比表面積が30m2/g以上のカーボンブラックを使用することが好ましく、特に50m2/g以上のものが好ましく、100m2/g以上のものを使用することが最も好ましい。なお、本発明におけるBET比表面積の上限値は500m2/gであり、特に300m2/g以下とすることが好ましい。30m2/g未満では、耐熱性及び補強性の付与が十分ではなく、500m2/gを超えると成形前のコンパウンドが固くなりすぎて、成形できなくなる。
本発明で使用する(C)成分の、BET比表面積が50m2/g以上である微粉末シリカは、シリコーンゴムの補強成分として機能するものである。この微粉末シリカは、親水性のものでも疎水性のものでもよいが、補強性の面からは、BET比表面積が50〜800m2/gであることが好ましく、特に100〜500m2/gのものが好ましい。比表面積が50m2/g未満では、補強効果を十分に得ることができない。
本発明で使用する(B)成分及び(C)成分は、共にシリコーンゴムを補強する役割を有する。耐熱性は、主として(B)成分である水分を除いた揮発分が0.5質量%以下であるカーボンブラックを配合することにより向上し、室温における強度は、主として(C)成分であるBET比表面積が50m2/g以上である微粉末シリカを配合することにより向上する。従って、これら2種類の補強成分の使用量は、本発明の熱圧着シリコーンゴムシートの使用温度に応じて、適宜調整することができる。ここで、(B)成分と(C)成分の合計の配合量は、(A)成分100質量部に対して0〜150質量部であり、10〜120質量部であることが好ましく、20〜100質量部の範囲で使用することが最も好ましい。150質量部より多いと配合が困難になる上、成形加工性が悪くなる。
本発明で使用する(D)成分は、金属、(C)成分以外の無機酸化物、無機窒化物、無機炭化物の中から選択される少なくとも1種であり、本発明のシリコーンゴムシートに熱伝導性を付与するものである。これらの具体例としては、金属では銀粉、銅粉、鉄粉、ニッケル粉、アルミニウム粉など、無機酸化物では亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、珪素(比表面積が(C)以外のもの)、鉄等の酸化物、無機窒化物ではホウ素、アルミニウム、珪素等の窒化物、無機炭化物では珪素、ホウ素等の炭化物が例示される。
本発明で使用する(D)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して0〜1,600質量部であり、特に0〜1,000質量部の範囲で使用することが好ましい。1,600質量部より多くすると配合が困難になる上、成形加工性が悪くなる。
本発明で使用する(B)成分、(C)成分、及び(D)成分の合計配合量は、(A)成分100質量部に対して10〜1,600質量部であり、20〜1,200質量部であることが好ましく、特に30〜1,000質量部の範囲で使用することが好ましい。(B)成分、(C)成分、及び(D)成分の合計配合量が10質量部未満であると、熱伝導率が低下するので熱圧着シリコーンゴムシートとして十分な性能を得ることができない。一方、1,600質量部を超えると、配合及び混練が困難になる上、加工性が悪くなる。
なお、本発明の熱圧着用シリコーンゴムシートのゴム強度や耐熱性を重視する場合には、(B)成分であるカーボンブラックや(C)成分である微粉末シリカの配合部数を、(D)成分に対して相対的に多くすることが好ましい。具体的には(A)成分100質量部に対して、(B)成分と(C)成分の合計の配合量を30超〜150質量部とし、(D)成分を0〜500質量部、好ましくは0〜200質量部、さらに好ましくは0〜50質量部とする。また、熱伝導性を重視する場合には、(D)成分である熱伝導付与剤の配合部数を(B)成分や(C)成分に対して相対的に多くすることが好ましい。具体的には、(A)成分100質量部に対し、(B)成分と(C)成分の合計の配合量を0〜30質量部、(D)成分を100超〜1600質量部、好ましくは110〜500質量部、さらに好ましくは120〜400質量部とする。
本発明で使用する(E)成分の硬化剤は、通常シリコーンゴムの硬化に使用されている公知の硬化剤の中から適宜選択することができる。これらの硬化剤は、ラジカル反応に使用される場合には、例えば、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)へキサン、ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物であり、(A)成分のオルガノポリシロキサンが1分子中にアルケニル基を2個以上有する場合には、付加反応硬化剤として、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個以上含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン及び白金系触媒、(A)成分のオルガノポリシロキサンがシラノール基を2個以上含有する場合に対しては、縮合反応硬化剤として、アルコキシ基、アセトキシ基、ケトオキシム基、プロペノキシ基等の加水分解性の基を2個以上有する有機ケイ素化合物等が挙げられる。本発明においては、ラジカル反応及び/又は付加反応で硬化させることが好ましい。
本発明で使用する硬化剤の添加量は通常のシリコーンゴムの場合と同様であり、硬化に有効な量であればよいが、ラジカル反応の場合には、有機過酸化物を(A)成分100質量部に対して0.1〜10質量部使用することが好ましく、付加反応の場合には、オルガノハイドロジェンポリシロキサンのSiH基が(A)成分のアルケニル基に対して0.5〜5モルとなる量及び白金系触媒が(A)成分に対して1〜2,000ppmとなる量使用することが好ましい。
本発明における第一のシリコーンゴム層を形成する上記第一のシリコーンゴム組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、非反応性オルガノポリシロキサン、末端がヒドロキシシリルジメチル基で封鎖されたオルガノポリシロキサン等の、粘度及び硬さを調節するための希釈剤、クレイ、炭酸カルシウム、けいそう土等の充填剤、コバルトブルー等の無機顔料や有機染料等の着色剤、炭酸亜鉛、炭酸マンガン、ベンガラ、酸化チタン、酸化セリウム等の、耐熱性及び難燃性向上剤、白金族金属系触媒等の難燃性向上剤、低分子シロキサンエステル、シラノール等の分散剤、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等の接着付与剤、ゴムコンパウンドのグリーン強度を上げることのできるテトラフルオロポリエチレン粒子などを、その他の成分として添加してもよい。
本発明の熱圧着用シリコーンゴムシートにおける第二のシリコーンゴム層は、主として第一のシリコーンゴム層表面の離型性を改善し、これによって異方導電性接着剤との接着を防止することを目的として設けられる表面離型層である。この第二のシリコーンゴム層の組成は、前記第一のシリコーンゴム層の組成と異なり、下記(F)成分、(G)成分、(J)成分、及び必要に応じて(H)及び/又は(I)成分を含有するシリコーンゴム組成物であって、硬化物としての熱伝導率が0.25W/mK以上であることが必要である。
このような構成をとることにより、シリコーンゴムが本来持っている異方導電性接着剤に対する非接着性を維持し、本発明の熱圧着用シリコーンゴムシートに熱伝導性を付与することができる。
(F):オルガノポリシロキサン 100質量部、
(G):球状粒子又は涙滴形状の粒子である、下記(H)及び(I)成分以外の無機熱伝導性粉末:10〜80質量部、
(H):水分を除いた揮発分が0.5質量%以下であるカーボンブラック、
(I):BET比表面積が50m2/g以上である微粉末シリカ、
(但し、(H)及び(I)成分の合計配合量は0〜30質量部である。)
(J):硬化有効量の硬化剤
上記(F)成分のオルガノポリシロキサンとしては、例えば、一般式R2 bSiO(4-b)/2で表されるものが挙げられる。ここでR2は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基などのアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基などのアリール基;ベンジル基、2−フェニルエチル基などのアラルキル基;あるいはこれらの基の炭素原子に結合している水素原子の一部又は全部を、ハロゲン原子、シアノ基などで置換したクロロメチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基などから選択される同一又は異種の、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜8の非置換又は置換一価炭化水素基である。ケイ素原子に結合した置換基R2は、基本的に上記したいずれの基であってもよいが、アルケニル基としてはビニル基、その他の置換基としてはメチル基又はフェニル基であることが好ましく、特に耐溶剤性が必要な場合には、トリフルオロプロピル基が好ましい。また、bは1.9〜2.4の正数である。
このオルガノポリシロキサンは、主鎖が直鎖状のジオルガノポリシロキサンであることが最も好ましいが、分子中にR2SiO3/2単位(R2は上記と同様)、SiO2単位などの分岐構造を一部含有するものであってもよい。その平均重合度は、10〜20,000であることが好ましい。平均重合度が10未満では、硬化物の機械的強度が、熱圧着用シリコーンゴムシートとしての使用に十分耐えられるものとならない場合があり、20,000を超えると成形性が悪くなる場合がある。
本発明の熱圧着シリコーンゴムシートにおいては、第二のシリコーンゴム層の機械的強度を向上させるために、上記(F)成分であるオルガノポリシロキサン成分として、主鎖が直鎖状であるジオルガノポリシロキサンに加えてシリコーンレジンを使用してもよい。上記シリコーンレジンとしては、R2 3SiO0.5単位(M単位)とSiO2単位(Q単位)、又は、M単位とQ単位及びR2SiO1.5単位(T単位)及び/又はR2 2SiO単位(D単位)(R2は上記と同様)とからなる、MQレジン、MTQレジン、MDQレジン又はMDTQレジンが挙げられる。本発明においてはこれらのレジンのいずれのものを使用してもよいが、基本的にはM単位とQ単位を主成分とすることが好ましい。また、必要に応じて(CH2=CH)(CH32SiO0.5単位や(CH2=CH)(CH3)SiO単位を含む、ビニル基含有シリコーンレジンを使用することもできる。具体的には、(CH33SiO0.5単位、(CH2=CH)(CH32SiO0.5単位及びSiO2単位からなるレジンや、(CH33SiO0.5単位、(CH2=CH)(CH3)SiO単位及びSiO2単位からなるレジンを使用することが好ましい。
この(F)成分中のシリコーンレジンの含有量は、第二のシリコーンゴム組成物全体の20質量%以下であることが好ましく、特に0〜10質量%であることが好ましい。20質量%を超えると、異方導電性接着剤に対する表面離型性が悪くなる場合がある。
本発明で使用する(G)成分である無機熱伝導性粉末は、第二のシリコーンゴム層の表面が平滑になることにより引き起こされる密着性の問題を防ぐと共に、第二のシリコーンゴム層の熱伝導率を高めるために使用されるものである。即ち、無機熱伝導性粉末の充填により、第二のシリコーンゴム層の表面に簡便に凹凸形状を付け粗面化することができるので、マイカやタルクなどを打粉することなく、密着性の問題を回避することができる。
勿論、無機熱伝導性粉末を充填せずに、第二のシリコーンゴム層表面を粗面化する方法もあるが、無機熱伝導性粉末を充填した場合には、一般的なナイフコート、コンマコート、バーコート、ディップコートなどの簡便なコーティングによる積層方法によって、容易に粗面化することが可能となるので、これによって製品コストを下げることができる。
本発明で使用する上記無機熱伝導性粉末は、形状が球状又は涙滴形状のものであることが必要であり、更に、モース硬度が5以下の比較的柔らかい材質のものであることが好ましい。ミクロに見ると、本発明の第二のシリコーンゴム層表面には無機熱伝導粉末がゴム表面から突出している部分があるため、粉末が角のある不定形状である場合には離型層表面が鑢状の粗面となるので、モース硬度が5を超えると、異方導電性接着剤の圧着装置のシリコーンゴムシートをフィードする機構部が磨耗するという問題がある。粉末が球状であれば、モース硬度が5を超えていても上記の問題は発生しない。
モース硬度が5以下の無機熱伝導性粉末としては、例えば、炭酸カルシウム:モース硬度3、水酸化アルミニウム:モース硬度3、六方晶窒化ホウ素:モース硬度2、黒鉛:モース硬度2、酸化亜鉛:モース硬度4〜5、マイカ:モース硬度2〜3、タルク:モース硬度1、アルミニウム:モース硬度2.9、銀:モース硬度2.7、金:モース硬度2.5、銅:モース硬度3.0などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。前記したように、本発明においては形状が球状の無機熱伝導性粉末であればモース硬度に関係なく適宜使用することができるが、特に、球状溶融シリカ、球状アルミナ、球状ガラス、球状アルミニウム等を使用することが好ましい。
本発明で使用する無機熱伝導性粉末の平均粒子径は、0.5〜30μmであることが好ましいが、特に1〜25μmであることが好ましい。平均粒子径が0.5μm未満であるとシリコーンゴム層表面が平滑面に近くなるので密着の問題を引き起こすことがあり、30μmより大きいと、表面の凹凸形状が大きくなりすぎるので、熱圧着シートとして、均一に圧力を伝達することができなくなる場合がある。なお、本明細書における平均粒径は、レーザー光回折散乱法により測定した平均粒径である。
本発明で使用する無機熱伝導性粉末の最大粒径は70μm以下であることが好適であるが、特に50μm以下であることが好ましい。最大粒径が70μmより大きいと、表面の凹凸形状が大きくなりすぎるので、圧着シートとして均一に圧力を伝達することができなくなる場合がある。
上記無機熱伝導性粉末の配合量は、(F)成分であるオルガノポリシロキサン100質量部に対して10〜80質量部であることが必要であるが、15〜80質量部であることが好ましく、特に20〜70質量部であることが好ましい。10質量部未満では、シリコーンゴム層表面が平滑面に近くなって密着の問題を引き起こすと共に、シリコーンゴム層の熱伝導率が本発明の熱圧着用シリコーンゴムシートの第二のシリコーンゴム層の0.20W/mK未満となるので、ヒートツールからの熱をFPCに効率良く伝達することができない。一方、100質量部を超えると異方導電性接着剤に対する離型性が十分でなくなる。
本発明で使用する、水分を除いた揮発分が0.5質量%以下である(H)成分のカーボンブラックは、前記第二のシリコーンゴム層の耐熱性及び熱伝導性を向上させるばかりでなく、機械的強度を向上させると共に、第二のシリコーンゴム層を導電化して本発明の熱圧着用シリコーンゴムシートに帯電防止性を付与するものである。第二のシリコーンゴム層の(H)成分である上記カーボンブラックも、前記第一のシリコーンゴム層の(B)成分であるカーボンブラックと同様に、耐熱性の理由から、揮発分が0.5質量%以下であることが必要であり、特に0.4質量%以下のカーボンブラックを使用することが好ましい。このようなカーボンブラックとしては、例えば、特開平1−272667号公報の第3頁、第36〜40行目に記載されたアセチレンブラックや導電性カーボンブラック等が好適である。
比表面積が大きいカーボンブラックほど耐熱性を向上させ、高温時の機械的強度の低下を抑制する効果が大きいために、本発明においては、BET比表面積が30m2/g以上のカーボンブラックを使用することが好ましいが、特に50m2/g以上のものを使用することが好ましく、100m2/g以上のものを使用することが最も好ましい。
本発明で使用する、BET比表面積が50m2/g以上である(I)成分の微粉末シリカは、第二のシリコーンゴム層の補強成分として使用するものである。その具体例としては、親水性又は疎水性のヒュームドシリカ(乾式シリカ)や沈降シリカ(湿式シリカ)、結晶性シリカ、及び石英などが挙げられる。これらは単独で用いることも2種以上を組み合わせて用いることもできる。本発明に用いられる微粉末シリカは、補強性の点からBET比表面積が50m2/g以上であることが必要であるが、通常は、50〜800m2/g、特に100〜500m2/g程度のものを使用することが好ましい。比表面積が50m2/g未満では、補強効果を十分に得ることができない。
このようなシリカのうち、市販されている親水性のシリカとしては、Aerosil130,200,300(日本アエロジル社又はDegussa社製の商品名)、CabosilMS−5,MS−7(Cabot社製の商品名)、RheorosilQS−102,103(トクヤマ(株)製の商品名)、NipsilLP(日本シリカ製の商品名)等が挙げられる。また、疎水性シリカとしては、AerosilR−812,R−812S,R−972,R−974(Degussa社製の商品名)、RheorosilMT−10(トクヤマ(株)製の商品名)、NipsilSSシリーズ(日本シリカ製の商品名)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明においては、第二のシリコーンゴム層の機械的強度と異方導電性接着剤に対しての非接着性を両立させるために、予め表面処理された疎水性シリカを使用するか、材料混練時にオルガノシラザン化合物からなる表面処理剤を添加して、親水性のシリカ粒子表面を疎水化処理することが好ましい。
上記した疎水性シリカは、本質的にはジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン又はその混合物などの表面処理剤を用いて、或いはこれら表面処理剤と水とを用いて、親水性の微粉末シリカを熱処理して得たシリカである。即ち、その表面が、(CH33SiO1/2基、(CH32SiO2/2基、CH3SiO3/2基、好ましくは(CH32SiO2/2基とCH3SiO3/2基で処理され、疎水化されたシリカであればよい。本発明においては、特にCH3SiO3/2基で処理されたものを使用することが好ましい。このようにして表面処理された疎水性シリカは、通常、シリカ全体に対して0.5質量%以上の炭素を含有する。
前記オルガノシラザン化合物からなる表面処理剤としては、例えば、(CH33SiNHSi(CH33、(CH33SiNHSi(CH32NHSi(CH33、(CH32(CF3CH2CH2)SiNHSi(CF3CH2CH2)(CH32等の、アルキル基、アリール基、置換アルキル基等を有するヘキサオルガノシラザン、オクタオルガノトリシラザン等の炭素官能性基(例えば、アルケニル基)を有しないオルガノシラザン化合物、(CH32(CH2=CH)SiNHSi(CH32NHSi(CH=CH2)(CH32、(CH33SiNHSi(CH3)(CH2=CH)[OSi(CH32]nNHSi(CH33、CH2=CHSi[NHSi(CH333等のビニル基等のアルケニル基含有オルガノシラザン化合物等を挙げることができる。
本発明においては、これらのオルガノシラザン化合物のうち、炭素官能性基を有しないオルガノシラザン化合物のみを用いても、アルケニル基含有オルガノシラザン化合物のみを用いてもよいし、両者を併用してもよい。特に、最も汎用されるヘキサメチルジシラザン(CH33SiNHSi(CH33を使用することによって、安価且つ簡便に本発明の効果を得ることができる。
材料混練時に表面処理を行う場合には、前記した(F)成分としてのオルガノポリシロキサンに(I)成分としての親水性シリカを添加した混合物を混合機中で加熱混練するときに、オルガノシラザン化合物を加えると共に必要に応じて少量の水を加えて加熱処理すればよい。この処理によってシリカ表面のシラノールが処理されるので、このようにして処理されたシリカを含有する、第二のシリコーンゴム層となる組成物を硬化して得られる本発明の熱圧着用シリコーンゴムは、離型耐久性の優れたものになる。
前記オルガノシラザン化合物の配合量は、(I)成分としての微粉末シリカ100質量部に対して1〜100質量部であることが好ましく、特に1〜50質量部であることが好ましい。1質量部未満であるとシリカ表面の処理度が十分でなく、異方導電性接着剤に対する離型性が不十分となる場合がある。また、100質量部より多くしてもこれらの効果に大きな改良が見られないばかりか、硬化後のシリコーンゴムの機械的強度に悪影響を及ぼす上、実際の使用に当って、これらシラザンが反応する際に生ずるアンモニアによる危険性が大きくなる場合もある。
本発明においては、疎水性の微粉末シリカを更にオルガノシラザン化合物で表面処理してもよい。この場合の処理方法は、前記親水性シリカを混練時に表面処理する場合と同様である。この処理によってシリカ表面に存在するシラノールの処理度が更に上がるので、このようにして処理されたシリカを含有する第二のシリコーンゴム層の組成物を硬化して得られる本発明の熱圧着用シリコーンゴムは、更に離型耐久性の優れたものになる。
本発明で使用する(H)成分及び(I)成分は、ともにシリコーンゴムを補強する役割を有する。水分を除いた揮発分が0.5質量%以下である(H)成分のカーボンブラックの方が、(I)成分であるBET比表面積が50m2/g以上の微粉末シリカよりも耐熱性向上への寄与は大きいが、室温での強度への寄与は(I)成分の場合より小さい。これら2種類の補強成分は、本発明の熱圧着シリコーンゴムシートの使用温度に応じて、適宜調整して用いることができる。また、(H)成分であるカーボンブラックと(I)成分である微粉末シリカの合計の配合量は、本発明の熱圧着用シリコーンゴムシートの使用条件によって適宜調整することができるが、(F)成分であるオルガノポリシロキサン100質量部に対して0〜30質量部であることが必要であり、0〜20質量部であることが好ましく、特に0〜10質量部であることが好ましい。30質量部を超えると離型性が十分でなくなり、異方導電性接着剤と接着し易くなる。
ただし、前記(G)成分である無機熱伝導性粉末と(H)成分であるカーボンブラック及び(I)成分である微粉末シリカを含めた無機充填材の配合量は、離型性の面からは添加量を少なくした方がよく、第二のシリコーンゴム層を形成する組成物全体の50質量%以下、特に10〜40質量%とすることが好ましい。
(J)成分の硬化剤は、通常シリコーンゴムの硬化に使用されている公知の硬化剤の中から適宜選択することができる。これらの硬化剤の例としては、ラジカル反応に使用されるジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)へキサン、ジクミルパーオキサイドなどの有機過酸化物、(F)成分のオルガノポリシロキサンが1分子中にアルケニル基を2個以上有する場合に対しては、付加反応硬化剤として、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個以上含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン及び白金系触媒、(F)成分のオルガノポリシロキサンがシラノール基を2個以上含有する場合に対しては、縮合反応硬化剤である、アルコキシ基、アセトキシ基、ケトオキシム基、プロペノキシ基などの加水分解性の基を2個以上有する有機ケイ素化合物等が例示される。
上記硬化剤の添加量は、通常のシリコーンゴムの場合と同様に硬化有効量とすればよいが、ラジカル反応の場合には、(F)成分100質量部に対して有機過酸化物を0.1〜10質量部使用することが好ましく、付加反応の場合には、(F)成分のアルケニル基に対してオルガノハイドロジェンポリシロキサンのSiH基が0.4〜4モルとなる量及び白金系触媒が1〜2,000ppmとなる量使用することが好ましい。
第二のシリコーンゴム層を形成する上記第二のシリコーンゴム組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、非反応性オルガノポリシロキサン、末端がヒドロキシシリルジメチル基で封鎖されたオルガノポリシロキサン等の、粘度及び硬さを調節するための希釈剤、コバルトブルー等の無機顔料、有機染料等の着色剤、炭酸亜鉛、炭酸マンガン、ベンガラ、酸化チタン、酸化セリウム等の、耐熱性及び難燃性向上剤、白金族金属系触媒等の難燃性向上剤、低分子シロキサンエステル、シラノール等の分散剤、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等の接着付与剤、ゴムコンパウンドのグリーン強度を上げるテトラフルオロポリエチレン粒子などを、その他の成分として添加してもよい。
前記第一のシリコーンゴム組成物及び第二のシリコーンゴム組成物の調製は、それぞれ各成分をプラネタリーミキサー、ニーダー、二本ロール、三本ロール、バンバリーミキサー等の混合機を用いて混練りすればよいが、硬化剤は使用する直前に添加することが好ましい。
ここで、上記第一のシリコーンゴム組成物及び第二のシリコーンゴム組成物を硬化させる際の硬化条件は、公知の条件の中から適宜選定すれば良いが、加熱硬化条件は、60〜200℃、特に80〜150℃で30秒〜60分間、特に1分〜30分間とすることが好ましい。
硬化後の第二のシリコーンゴム層における、JIS K 6253 デュロメーター硬さ試験 タイプA硬度は20以上であり、特に30〜95であることが好ましい。硬度が20未満であると、圧着時に、被圧着部材と密着しやすくなるので好ましくない。
本発明の熱圧着用シリコーンゴムシートにおいては、その両側(第二のシリコーンゴム層或いはこれと第一のシリコーンゴム層)の表面に凹凸形状を設け、粗面化することにより、密着防止剤としてのマイカやタルクなどの打粉をすることなく、シリコーンゴム特有の密着性を消失させることが可能となる。これによって、シリコーンゴムシート製造時の取り扱い性の問題や、実際の使用時における各部材との密着の問題などを回避することができる。
第二のシリコーンゴム層表面における凹凸形状の程度は、中心線平均粗さRaで0.4〜10.0μmであり、特に0.5〜5.0μmの範囲であることが好ましく、最大高さRmaxが50μm以下、特に40μm以下であることが好ましい。Raが0.4μm未満では凹凸形状による密着性回避の効果が十分ではなく、Raが10.0μmより大きかったり、Rmaxが50μmより大きかったりすると、圧着時の圧力の伝わり方が不均一になるので好ましくない。
第二のシリコーンゴム層表面の凹凸形状は、無機熱伝導性粉末の粒径、材質、充填量、層厚や成形条件等により変化するため、最適な無機熱伝導性粉末を選択すると共に、最適な配合及び成形条件を適宜選択する必要がある。
本発明の熱圧着用シリコーンゴムシートは、前記第二のシリコーンゴム層の厚さが1〜50μmであり、第一のシリコーンゴム層の片面又は両面に第二のシリコーンゴム層を積層させたシリコーンゴムシート全体の厚さが0.1〜10mmであることが好ましく、特に、第二のシリコーンゴム層の厚さが5〜40μmであり、前記第一のシリコーンゴム層の片面又は両面に第二のシリコーンゴム層を積層させたシリコーンゴムシート全体の厚さが0.1〜5mmであることが好ましい。
第二のシリコーンゴム層の厚さが1μm未満であると、十分な離型性が発現されない場合があり、また離型耐久性も十分に得られない。一方、50μmを超えると熱伝導性が悪くなる場合がある。また、シリコーンゴムシート全体の厚さが0.1mm未満では、被圧着体に十分追従できないので圧力のかかり方が不均一になる場合があり、10mmを超えると熱伝導性が悪くなる場合がある。
本発明の熱圧着用シリコーンゴムシートにおいては、第二のシリコーンゴム層の厚さをXμm、該層に含有される無機熱伝導性粉末の最大粒径をYμmとしたとき、XとYの間には下記(1)式の関係が成り立つ。この関係式は、第二のシリコーンゴム層の厚さは、該層に含有される無機熱伝導性粉末の最大粒径より薄く、且つ、最大粒径の3分の1以上であることを意味する。
0 <(Y-X)≦(2Y/3) ・・・(1)
第二のシリコーンゴム層の厚さが最大粒径以上になると、シリコーンゴム層表面が平滑面に近くなるので密着の問題を引き起こす。一方、第二のシリコーンゴム層の厚さが最大粒径の3分の1より薄くなると、無機熱伝導性粉末がゴム層から脱落し易くなり、離型耐久性が十分でなくなる。
本発明の熱圧着用シリコーンゴムシートにおいては、第二のシリコーンゴム層の厚さが1〜50μmであって無機熱伝導性粉末の最大粒径が70μm以下であることが好ましく、特に、第二のシリコーンゴム層の厚さが5〜40μmであって無機熱伝導性粉末の最大粒径が50μm以下であることが好ましい。
本発明の熱圧着用シリコーンゴムシートを成形する方法としては、以下のような方法があるが本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)第一のシリコーンゴム組成物を、中心線平均粗さ:Raが0.4μm≦Ra≦5.0μm、最大高さ:RmaxがRmax≦50μmであるようにエンボス加工されたキャリアフィルム上にカレンダー成形又は押し出し成形し、次いで加熱硬化させた後、その上に、第二のシリコーンゴム組成物をトルエン等の溶剤に溶解して液状化した塗工液を、ナイフコート、コンマコート、バーコート、ディップコートなどの方法でコーティング成形し、そのまま大気中で溶剤を除去し、加熱硬化する方法。この場合、第二のシリコーンゴム組成物の粘度が低い場合には、トルエン等の溶剤に溶解せずに、そのままコーティングし成形してもよい。
(2)第一のシリコーンゴム組成物をトルエン等の溶剤に溶解して液状化し、上記と同様にエンボス加工されたキャリアフィルム上にコーティングして成形し、溶剤を除去した後加熱硬化させる。次いでその上に、第二のシリコーンゴム組成物をトルエン等の溶剤に溶解して液状化した塗工液を、ナイフコート、コンマコート、バーコート、ディップコートなどの方法でコーティングして成形し、そのまま大気中で溶剤を除去した後加熱硬化する方法。この場合、第二のシリコーンゴム組成物の粘度が低い場合には、トルエン等の溶剤に溶解せずにそのままコーティングし成形してもよい。
(3)第一のシリコーンゴム組成物をトルエン等の溶剤に溶解して液状化し、上記と同様にエンボス加工されたキャリアフィルム上にコーティングして成形し、溶剤分を除去して未硬化のままとしておく。次いでその上に、第二のシリコーンゴム組成物をトルエン等の溶剤に溶解して液状化した塗工液を、ナイフコート、コンマコート、バーコート、ディップコートなどの方法でコーティングして成形し、そのまま大気中で溶剤を除去した後、両層を同時に加熱硬化させる方法。この場合、第二のシリコーンゴム組成物の粘度が低い場合には、トルエン等の溶剤に溶解せずにそのままコーティング成形してもよい。
本発明においては、第一のシリコーンゴム層と第二のシリコーンゴム層間の接着を強固にするために、適宜プライマー処理などの方法を用いてもよい。また、第一のシリコーンゴム層の両面に第二のシリコーンゴム層を設け、3層構造とすることもできる。この場合、2層ある第二のシリコーンゴム層の材質は、互いに異なるものであっても、同じものであってもよい。
本発明の熱圧着用シリコーンゴムシートは、ガラス転移温度が200℃以上である樹脂からなるクロス、又はガラスクロスからなる補強材を用いて補強してもよい。
本発明の熱圧着用シリコーンゴムシートは、150℃で3時間加熱した時の揮発分が0.2質量%以下であることが好ましく、特に0.1質量%以下であることが好ましい。揮発分が0.2質量%を超えると、揮発した成分が電極端子などの上に凝集して導通不良などの問題となる場合がある。このように150℃で3時間加熱した時の揮発分が0.2質量%以下となるようにするためには、高温でシリコーンゴムシートを熱処理することが好ましい。具体的には、乾燥機や連続加熱炉の中で、150℃以上の温度で熱処理することが好ましい。
以下、実施例及び比較例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。なお、以下の記載において、比表面積はBET法(N2ガス吸着)により測定した値を意味し、平均粒径はレーザー回折・散乱法により測定した値を意味する。又揮発分は、150℃で3時間加熱した後、室温に戻してから測定した減少質量を意味する。
ジメチルシロキサン単位99.85モル%及びメチルビニルシロキサン単位0.15モル%からなる、平均重合度が8,000のメチルビニルポリシロキサン100質量部、良熱伝導性充填剤として酸化アルミニウム粉末(アルミナAL−45:昭和電工(株)製の商品名)400質量部、比表面積が200m2/gのシリカ微粉末(アエロジル200:日本アエロジル(株)製の商品名)30質量部、及び下記式(2)で示されるα,ω−ジヒドロキシメチルポリシロキサン5質量部を、ニーダーを用いて均一に混練りした後、150℃で2時間熱処理してシリコーンゴムコンパウンドを製造した。
Figure 0005419265
冷却後、得られたシリコーンゴムコンパウンド100質量部に、比表面積が140m2/gの酸化セリウム粉末0.5質量部と、硬化剤として有機過酸化物(C−23:信越化学工業(株)製の商品名)1.5質量部を、二本ロールを用いて添加混合した後、カレンダー成形機を用いて厚さが0.20mmとなるように分出しした。ついで、分出しした成形物を、中心線表面粗さRaが0.7μmの片面エンボス加工された厚さ125μmのPETフィルムに、エンボス面が転写するように重ね合わせた後、160℃の加熱炉の中を5分間通して硬化させ、本発明の熱圧着用シリコーンゴムシートに使用する、第一のシリコーンゴム層を作製した。
ジメチルシロキサン単位99.85モル%及びメチルビニルシロキサン単位0.15モル%からなる、平均重合度が8,000のメチルビニルポリシロキサン75質量部;ジメチルシロキサン単位99.5モル%及びメチルビニルシロキサン単位0.5モル%からなる平均重合度8,000のメチルビニルポリシロキサン20質量部;ジメチルシロキサン単位90.25モル%及びメチルビニルシロキサン単位9.75モル%からなる平均重合度が8,000のメチルビニルポリシロキサン5質量部の混合物に、平均粒径15μmで最大粒径が35μmの球状溶融シリカ(モース硬度7)60質量部を添加し、ニーダーを用いて、60℃で1時間均一に混練りした。更に、比表面積が140m2/gの酸化セリウム粉末0.5質量部を添加し、室温で1時間混練りして、第二のシリコーンゴム層の原料となるコンパウンドを作製した。
得られたシリコーンゴムコンパウンドに、コンパウンド中のメチルビニルポリシロキサンの合計量に対して塩化白金酸を白金質量で30ppm、反応抑制剤としてエチニルシクロヘキサノールを、メチルビニルポリシロキサン100質量部に対して0.1質量部、更に下記式(3)で表されるメチルハイドロジェンポリシロキサン5質量部を順次二本ロールで混合しながら加え、均一組成の第二のシリコーンゴム組成物を作製した。
この組成物を150℃で5分間加熱・硬化させ、更に200℃で4時間ポストキュアーさせた。硬化後の組成物のJIS K 6253に基づくデュロメーター硬さ試験によるタイプA硬度は48であり、熱伝導率は0.28W/mKであった。
Figure 0005419265
上記第二のシリコーンゴム組成物をトルエン中に溶解して濃度が18質量%となるように調整し、第一のシリコーンゴム層上に、ナイフコーターを用いて厚さが25μmとなるようにコーティング成形した。得られたコーティング成形物を、50℃の加熱炉の中を5分間通過してトルエンを除去し、次いで150℃の加熱炉の中を5分間通して、第二のシリコーンゴム組成物を硬化させた。得られた2層構造のシリコーンゴムシートを、PETフィルムから剥離し、200℃で4時間ポストキュアーして本発明の熱圧着用シリコーンゴムシートを作製した。
得られた熱圧着用シリコーンゴムシートにおける第二のシリコーンゴム層の厚さは25μm、第一のシリコーンゴム層と第二のシリコーンゴム層を合わせたシリコーンゴムシート全体の厚さは0.225mmであった。
この2層構造のシリコーンゴムシートにおける第一のシリコーンゴム層の表面粗さRaは0.8μm、Rmaxが5.8μmであり、第二のシリコーンゴム層の表面粗さRaは3.5μm、Rmaxが35μmであった。
また、この熱圧着用シリコーンゴムシートを150℃で3時間加熱したときの揮発分は0.08質量%であった。
第二のシリコーンゴム層に使用した球状溶融シリカの添加量を30質量部とし、層厚を20μmとしたこと以外は、実施例1と全く同様にして、第一のシリコーンゴム層と第二のシリコーンゴム層を合わせたシリコーンゴムシート全体の厚さが0.220mmである、本発明の熱圧着用シリコーンゴムシートを作製した。
第二のシリコーンゴム層のデュロメーター硬さ試験によるタイプA硬度は40であり、熱伝導率は0.22W/mKであった。
この2層構造のシリコーンゴムシートにおける第一のシリコーンゴム層の表面粗さRaは0.8μm、Rmaxが5.8μmであり、第二のシリコーンゴム層の表面粗さRaは2.8μm、Rmaxが33μmであった。
また、この熱圧着用シリコーンゴムシートを150℃で3時間加熱したときの揮発分は0.09質量%であった。
実施例1と同様の手法により、厚さが0.2mmの第一のシリコーンゴム層を作製した。
次に、ジメチルシロキサン単位99.85モル%及びメチルビニルシロキサン単位0.15モル%からなる、平均重合度が8,000のメチルビニルポリシロキサン75質量部;ジメチルシロキサン単位99.5モル%及びメチルビニルシロキサン単位0.5モル%からなる平均重合度8,000のメチルビニルポリシロキサン20質量部;ジメチルシロキサン単位90.25モル%及びメチルビニルシロキサン単位9.75モル%からなる、平均重合度が8,000のメチルビニルポリシロキサン5質量部の混合物に、比表面積が300m2/gであるシリカ微粉末(アエロジル300:日本アエロジル(株)製の商品名)5質量部、並びに前記式(2)で示されるα,ω−ジヒドロキシメチルポリシロキサン2質量部を、ニーダーを用いて均一に混練りし、150℃で2時間熱処理した。
混合物を室温まで冷却した後、更に平均粒径が15μmで最大粒径が35μmの球状溶融シリカ(モース硬度7)30質量部を添加し、60℃で1時間均一に混練りした。次いで比表面積が140m2/gの酸化セリウム粉末0.5質量部を添加し、室温で1時間混練りし、第二のシリコーンゴム層の原料となるコンパウンドを作製した。
このコンパウンドに、コンパウンド中のメチルビニルポリシロキサンの合計量に対して塩化白金酸を白金質量で30ppm、反応抑制剤としてエチニルシクロヘキサノールをメチルビニルポリシロキサン100質量部に対して0.1質量部、最後に前記式(3)で表されるメチルハイドロジェンポリシロキサン5質量部を、順次二本ロールで混合しながら加え、均一組成の第二のシリコーンゴム組成物を作製した。
この組成物を150℃で5分間加熱して硬化させ、更に200℃で4時間ポストキュアーした後のJIS K 6253に基づくデュロメーター硬さ試験によるタイプA硬度は44であり、熱伝導率は0.23W/mKであった。
この第二のシリコーンゴム組成物を実施例1と同様にして成形し、第一のシリコーンゴム層と第二のシリコーンゴム層を合わせたシリコーンゴムシート全体の厚さが0.225mmである、本発明の熱圧着用シリコーンゴムシートを作製した。
得られた2層構造の熱圧着用シリコーンゴムシートにおける第一のシリコーンゴム層の表面粗さRaは0.8μm、Rmaxが5.8μmであり、第二のシリコーンゴム層の表面粗さRaは3.0μm、Rmaxが35μmであった。
また、この熱圧着用シリコーンゴムシートを150℃で3時間加熱したときの揮発分は0.08質量%であった。
第二のシリコーンゴム層で使用した球状溶融シリカの添加量を30質量部とし、平均粒径23nm、水分を除いた揮発分が0.10質量%でBET比表面積が130m2/gのアセチレンブラック5質量部を添加し、層厚を20μmとしたこと以外は実施例1と全く同様にして、第一のシリコーンゴム層と第二のシリコーンゴム層を合わせた、本発明の熱圧着用シリコーンゴムシートを作製した。
得られた熱圧着用シリコーンゴムシート全体の厚さは0.220mmであった。
また、第二のシリコーンゴム層のデュロメーター硬さ試験によるタイプA硬度は44であり、熱伝導率は0.23W/mKであった。
この2層構造の圧着用シリコーンゴムシートにおける第一のシリコーンゴム層の表面粗さRaは0.8μm、Rmaxが5.8μmであり、第二のシリコーンゴム層の表面粗さRaは3.2μm、Rmaxが36μmであった。
また、圧着用シリコーンゴムシートを150℃で3時間加熱したときの揮発分は0.12質量%であった。
第二のシリコーンゴム層に使用した球状溶融シリカの替わりに、平均粒径が10μmで最大粒径が45μmの球状アルミナ(モース硬度9)80質量部を添加したこと以外は、実施例1と全く同様にして本発明の熱圧着用シリコーンゴムシートを作製した。得られた熱圧着用シリコーンゴムシートの第一のシリコーンゴム層と第二のシリコーンゴム層を合わせたシリコーンゴムシート全体の厚さは0.225mmであった。
第二のシリコーンゴム層のデュロメーター硬さ試験によるタイプA硬度は47であり、熱伝導率は 0.27W/mKであった。
この2層構造の熱圧着用シリコーンゴムシートにおける第一のシリコーンゴム層の表面粗さRaは0.8μm、Rmaxが5.8μmであり、第二のシリコーンゴム層の表面粗さRaは2.7μm、Rmaxが41μmであった。
また、この2層構造の熱圧着用シリコーンゴムシートを150℃で3時間加熱したときの揮発分は0.10質量%であった。
第二のシリコーンゴム層で使用した球状溶融シリカの代わりに、アトマイズ法により作製した平均粒径が10μmで最大粒径が32μmの、角の無い涙滴形状のアルミニウム粉末(モース硬度2.9)60質量部を添加したこと、及び層厚を15μmとしたこと以外は、実施例1と全く同様にして、第一のシリコーンゴム層と第二のシリコーンゴム層を合わせたシリコーンゴムシート全体の厚さが0.215mmの、本発明の熱圧着用シリコーンゴムシートを作製した。
第二のシリコーンゴム層のデュロメーター硬さ試験によるタイプA硬度は48であり、熱伝導率は0.31W/mKであった。
この2層構造の熱圧着用シリコーンゴムシートにおける第一のシリコーンゴム層の表面粗さRaは0.8μm、Rmaxが5.8μmであり、第二のシリコーンゴム層の表面粗さRaは2.5μm、Rmaxが28μmであった。
また、この2層構造の熱圧着用シリコーンゴムシートを150℃で3時間加熱したときの揮発分は0.10質量%であった。
[比較例1](G成分を使用しない例)
実施例1と同様にして、厚さ0.2mmの第一のシリコーンゴム層を作製した。
次に、分子鎖両末端がビニルジメチルシリル基で封鎖され、平均重合度が180のジメチルポリシロキサン85質量部;分子鎖両末端がビニルジメチルシリル基で封鎖され、平均重合度が510のジメチルポリシロキサン10質量部;並びに、ジメチルシロキサン単位が90.25モル%及びメチルビニルシロキサン単位が9.75モル%からなる平均重合度が8,000のメチルビニルポシロキサン5質量部に、BET比表面積が約300m2/gの親水性シリカ(アエロジル300:日本アエロジル(株)製商品名)5質量部を加え、更にヘキサメチルジシラザン1質量部と水0.5質量部を加えたものを、プラネタリーミキサーを用いて1時間室温にて混合した。
得られた混合物を、160℃で4時間加熱処理した。
次いで、直鎖状のジメチルポリオルガノシロキサンに、架橋した分子構造を有する平均粒径5μmのシリコーンゴムパウダー30質量部、及び比表面積が140m2/gの酸化セリウム粉末0.5質量部を添加し、室温で1時間混合した後、3本ロールで更に混合した。
更に、上記シリコーンパウダー以外のジメチルポリシロキサンに対して塩化白金酸を白金質量で50ppm、反応抑制剤であるエチニルシクロヘキサノールを前記シリコーンパウダー以外のジメチルポリシロキサン100質量部に対して0.2質量部、最後に前記式(3)で表されるメチルハイドロジェンポリシロキサンを前記ジメチルポリシロキサン100質量部に対して8質量部を順次混合しながら加え、均一組成の第二のシリコーンゴム組成物を作製した。
得られた組成物を150℃で5分間加熱して硬化させ、更に200℃で4時間ポストキュアーした。ポストキュアー後のJIS K 6253に基づくデュロメーター硬さ試験によるタイプA硬度は40であり、熱伝導率は0.18W/mKであった。
上記第二のシリコーンゴム組成物をトルエン中に溶解して、40質量%となるように調整し、第一のシリコーンゴム層上に、ナイフコーターにより厚さ15μmとなるようにコーティング成形した。次いでそのまま50℃の加熱炉の中を5分間通過させてトルエンを除去した。得られた成形物を150℃の加熱炉の中を5分間通して、架橋反応により硬化させた。
次いで2層構造のシリコーンゴムシートをPETフィルムから剥離し、200℃で4時間ポストキュアーして熱圧着用シリコーンゴムシートを作製した。得られた第二のシリコーンゴム層は、厚さが15μmであって、第一のシリコーンゴム層と第二のシリコーンゴム層を合わせたシリコーンゴムシート全体の厚さは0.215mmであった。
この2層構造の熱圧着用シリコーンゴムシートにおける第一のシリコーンゴム層の表面粗さRaは0.8μm、Rmaxが5.8μmであり、第二のシリコーンゴム層の表面粗さRaは0.9μm、Rmaxが7.2μmであった。
また、この熱圧着用シリコーンゴムシートを150℃で3時間加熱したときの揮発分は0.12質量%であった。
[比較例2](Y−Xが負になる例)
第二のシリコーンゴム層で使用した球状溶融シリカを、平均粒径が4μmで最大粒径が20μmの球状溶融シリカとしたこと以外は、実施例1と全く同様にして、第一のシリコーンゴム層と第二のシリコーンゴム層を合わせたシリコーンゴムシート全体の厚さが0.225mmである、熱圧着用シリコーンゴムシートを作製した。
第二のシリコーンゴム層のデュロメーター硬さ試験によるタイプA硬度は49であり、熱伝導率は0.27W/mKであった。
この2層構造のシリコーンゴムシートにおける第一のシリコーンゴム層の表面粗さRaは0.8μm、Rmaxが5.8μmであり、第二のシリコーンゴム層の表面粗さRaは1.5μm、Rmaxが12μmであった。また、この熱圧着用シリコーンゴムシートを150℃で3時間加熱したときの揮発分は0.09質量%であった。
[比較例3](Y−Xが2Y/3より大きくなる例)
第二のシリコーンゴム層の球状溶融シリカを、平均粒径が30μm、最大粒径が100μmの球状溶融シリカとしたこと以外は、実施例1と全く同様にして、第一のシリコーンゴム層と第二のシリコーンゴム層を合わせたシリコーンゴムシート全体の厚さが0.225mmの熱圧着用シリコーンゴムシートを作製した。
第二のシリコーンゴム層のデュロメーター硬さ試験によるタイプA硬度は46であり、熱伝導率は 0.30W/mKであった。
この2層構造の熱圧着用シリコーンゴムシートにおける第一のシリコーンゴム層の表面粗さRaは0.8μm、Rmaxが5.8μmであり、第二のシリコーンゴム層の表面粗さRaは5.8μm、Rmaxが78μmであった。
また、この熱圧着用シリコーンゴムシートを150℃で3時間加熱したときの揮発分は0.09質量%であった。
[比較例4](G成分が少なすぎる例)
第二のシリコーンゴム層の球状溶融シリカ添加量を5質量部としたこと以外は、実施例1と全く同様にして、第一のシリコーンゴム層と第二のシリコーンゴム層を合わせたシリコーンゴムシート全体の厚さが0.225mmの熱圧着用シリコーンゴムシートを作製した。
第二のシリコーンゴム層のデュロメーター硬さ試験によるタイプA硬度は40であり、熱伝導率は0.19W/mKであった。
この2層構造の熱圧着用シリコーンゴムシートにおける第一のシリコーンゴム層の表面粗さRaは0.8μm、Rmaxが5.8μmであり、第二のシリコーンゴム層の表面粗さRaは0.9μm、Rmaxが23μmであった。また、この熱圧着用シリコーンゴムシートを150℃で3時間加熱したときの揮発分は0.08質量%であった。
[比較例5](第二のシリコーンゴム層の硬度が柔らかすぎる例)
実施例1で使用した第二のシリコーンゴム層の原料となるコンパウンドに用いたポリシロキサンである、ジメチルシロキサン単位99.85モル%及びメチルビニルシロキサン単位0.15モル%からなる、平均重合度が8,000のメチルビニルポリシロキサン75質量部;ジメチルシロキサン単位99.5モル%及びメチルビニルシロキサン単位0.5モル%からなる平均重合度8,000のメチルビニルポリシロキサン20質量部;ジメチルシロキサン単位90.25モル%及びメチルビニルシロキサン単位9.75モル%からなる平均重合度が8,000のメチルビニルポリシロキサン5質量部の混合物に代えて、ジメチルシロキサン単位99.85モル%及びメチルビニルシロキサン単位0.15モル%からなる、平均重合度が8,000のメチルビニルポリシロキサン100質量部を使用すると共に、(3)で表されるメチルハイドロジェンポリシロキサンの使用量を1質量部としたこと以外は実施例1と同様にして、第一のシリコーンゴム層と第二のシリコーンゴム層を合わせたシリコーンゴムシート全体の厚さが0.225mmの熱圧着用シリコーンゴムシートを作製した。
第二のシリコーンゴム層のデュロメーター硬さ試験によるタイプA硬度は15であり、熱伝導率は0.27W/mKであった。
また、この2層構造の熱圧着用シリコーンゴムシートにおける第一のシリコーンゴム層の表面粗さRaは0.8μm、Rmaxが5.8μmであり、第二のシリコーンゴム層表面粗さRaは0.9μm、Rmaxが23μmであった。また、この2層構造の熱圧着用シリコーンゴムシートを150℃で3時間加熱したときの揮発分は0.08質量%であった。
[比較例6](G成分を含まず、Raが小さすぎる例)
実施例1と同様にして、厚さ0.2mmの第一のシリコーンゴム層を作製した。
次に、分子鎖両末端がビニルジメチルシリル基で封鎖され、平均重合度が180のジメチルポリシロキサン85質量部;分子鎖両末端がビニルジメチルシリル基で封鎖され、平均重合度が510のジメチルポリシロキサン10質量部;及び、ジメチルシロキサン単位が90.25モル%でメチルビニルシロキサン単位が9.75モル%からなる平均重合度が8,000のメチルビニルポシロキサン5質量部の混合物に、BET比表面積が約300m2/gの親水性シリカ(アエロジル300:日本アエロジル(株)製商品名)10質量部を加え、更にヘキサメチルジシラザン1質量部と水0.5質量部を加えた混合物を、プラネタリーミキサーを用いて1時間室温にて混合した。
得られた混合物を、160℃で4時間加熱処理した。次いで、前記したジメチルポリシロキサンの合計量100質量部に対して、塩化白金酸を白金質量で50ppm、反応抑制剤であるエチニルシクロヘキサノールを0.2質量部、最後に、前記式(3)で表されるメチルハイドロジェンポリシロキサン8質量部を順次混合しながら加え、均一組成の第二のシリコーンゴム組成物を作製した。
得られた組成物を150℃で5分間加熱して硬化させ、更に200℃で4時間ポストキュアーした。ポストキュアー後のJIS K 6253に基づくデュロメーター硬さ試験によるタイプA硬度は25であり、熱伝導率は0.19W/mKであった。
上記第二のシリコーンゴム組成物をトルエン中に溶解して、40質量%となるように調整し、第一のシリコーンゴム層上に、ナイフコーターを用いて厚さが25μmとなるようにコーティング成形した。次いでそのまま50℃の加熱炉の中を5分間通過させてトルエンを除去した。得られた成形物を150℃の加熱炉の中に5分間通して架橋反応させ、硬化させた。
次いで2層構造のシリコーンゴムシートをPETフィルムから剥離し、200℃で4時間ポストキュアーして熱圧着用シリコーンゴムシートを作製した。得られた第二のシリコーンゴム層は、厚さが15μmであり、第一のシリコーンゴム層と第二のシリコーンゴム層を合わせたシリコーンゴムシート全体の厚さは0.225mmであった。
この2層構造の熱圧着用シリコーンゴムシートにおける、第一のシリコーンゴム層の表面粗さRaは0.8μm、Rmaxが5.8μmであり、第二のシリコーンゴム層の表面粗さRaは0.2μm、Rmaxが4.1μmであった。また、この2層構造の熱圧着用シリコーンゴムシートを150℃で3時間加熱したときの揮発分は、0.05質量%であった。
[比較例7](G成分が多すぎて、Raが大きすぎる例)
第二のシリコーンゴム層で使用した球状溶融シリカ、平均粒径が30μm、最大粒径が75μmのものに変更すると共にその添加量を120質量部と増量し、水分を除いた揮発分が0.10質量%でBET比表面積が130m2/gのアセチレンブラック20質量部を添加したこと以外は実施例1と全く同様にして、第一のシリコーンゴム層と第二のシリコーンゴム層を合わせた、2層構造の熱圧着用シリコーンゴムシートを作製した。得られた熱圧着用シリコーンゴムシート全体の厚さは0.225mmであった。
また、第二のシリコーンゴム層のデュロメーター硬さ試験によるタイプA硬度は56であり、熱伝導率は0.37W/mKであった。
この2層構造の圧着用シリコーンゴムシートにおける、第一のシリコーンゴム層の表面粗さRaは0.8μm、Rmaxが5.8μmであり、第二のシリコーンゴム層の表面粗さRaは11.5μm、Rmaxは95μmであった。また、この圧着用シリコーンゴムシートを150℃で3時間加熱したときの揮発分は0.08質量%であった。
[比較例8](H及びI成分の合計配合量が多すぎる例)
実施例1と同様にして、厚さが0.2mmの第一のシリコーンゴム層を作製した。
次に、ジメチルシロキサン単位99.85モル%及びメチルビニルシロキサン単位0.15モル%からなる、平均重合度が8,000のメチルビニルポリシロキサン75質量部;ジメチルシロキサン単位99.5モル%及びメチルビニルシロキサン単位0.5モル%からなる平均重合度8,000のメチルビニルポリシロキサン20質量部;ジメチルシロキサン単位90.25モル%及びメチルビニルシロキサン単位9.75モル%からなる、平均重合度が8,000のメチルビニルポリシロキサン5質量部の混合物に、比表面積が300m2/gであるシリカ微粉末(アエロジル300:日本アエロジル(株)製の商品名)20質量部、及び前記式(2)で示されるα,ω−ジヒドロキシメチルポリシロキサン2質量部を、ニーダーを用いて均一に混練りし、150℃で2時間熱処理した。
混合物を室温まで冷却した後、水分を除いた揮発分が0.10質量%でBET比表面積が130m2/gのアセチレンブラック20質量部を添加し、60℃で1時間均一に混練りした。次いで比表面積が140m2/gの酸化セリウム粉末0.5質量部を添加し、室温で1時間混練りして、第二のシリコーンゴム層の原料となるコンパウンドを作製した。
このコンパウンドに、コンパウンド中のメチルビニルポリシロキサンの合計量100質量部に対して塩化白金酸を白金質量で30ppm、反応抑制剤としてエチニルシクロヘキサノールを0.1質量部、最後に前記式(3)で表されるメチルハイドロジェンポリシロキサン5質量部を、順次二本ロールで混合しながら加え、均一組成の第二のシリコーンゴム組成物を作製した。
得られた組成物を150℃で5分間加熱して硬化させ、更に200℃で4時間ポストキュアーした後のJIS K 6253に基づくデュロメーター硬さ試験によるタイプA硬度は44であり、熱伝導率は0.38W/mKであった。
この第二のシリコーンゴム組成物を実施例1の場合と同様にして成形し、第一のシリコーンゴム層と第二のシリコーンゴム層を合わせたシリコーンゴムシート全体の厚さが0.225mmである、2層構造の熱圧着用シリコーンゴムシートを作製した。
得られた2層構造の熱圧着用シリコーンゴムシートにおける、第一のシリコーンゴム層の表面粗さRaは0.8μm、Rmaxが5.8μmであり、第二のシリコーンゴム層の表面粗さRaは3.8μm、Rmaxは39μmであった。また、この熱圧着用シリコーンゴムシートを150℃で3時間加熱したときの揮発分は0.08質量%であった。
実施例及び比較例で得られた熱圧着用シリコーンゴムシートを、以下の方法により評価した。結果を表1に示す。
1.圧着装置によるフィード性評価
実施例1〜6及び比較例1〜8で作製された熱圧着用シリコーンゴムシートを圧着装置に装着し、実際の熱圧着工程と同様の操作により熱圧着用シリコーンゴムシートの位置を移動させてフィードを行い、フィード用のガイドバーに引っかかるかどうかを確認し、フィード性を評価した。
即ち、熱圧着用シリコーンゴムシートは、異方導電性接着剤を使用した圧着工程において、圧着装置の中に長尺の巻物として装着され、毎回、又はある程度の回数毎にシートの位置をずらして供給される。このシートの位置をずらす場合、シートは、ステンレスなどでできた何本かのガイドバーを擦りながら移動することになる。このとき、シート表面に粘着性があると、ガイドバーに引っかかって移動できないという問題が起こるかどうかを評価した。
フィード性評価の仕方は以下の通りである。
〇:問題なし
×:ガイドバーに引っかかってフィードできず
2.非接着性評価
熱圧着用シートは、熱圧着時に、はみ出した異方導電性接着剤に直接接触することがあるので、以下の方法により、異方導電性接着剤に対する非接着性を評価した。
実施例1〜6及び比較例1〜8で作製した熱圧着用シリコーンゴムシートの下に、異方導電性接着剤からなる厚さ22μmの異方導電膜を直接配し、その下に100μm厚のポリイミドフィルムをはさむように圧着機に設置した。その際、熱圧着用シリコーンゴムシートは、第一のシリコーンゴム層が加熱・加圧ツール側を向き、第二のシリコーンゴム層が異方導電性接着剤側を向くように配置した。設置後、240℃に加熱した加圧ツールを用い、6MPaの押し圧力で20秒間圧着した。
1回の圧着毎に、異方導電性膜を新しいものに替える一方、熱圧着用シリコーンゴムシートの方はそのまま同じ物を使用してこの圧着を繰り返し、異方導電性接着剤が熱圧着用シリコーンゴムシートに接着するまでの回数を測定した。
3.耐久性評価
実施例1〜6、比較例1〜8で作製した熱圧着用シリコーンゴムシートの下に、50μmピッチの銅電極を設けた2枚のFPCで、厚さが22μmの異方導電性膜を、圧着時に2枚のFPCの間からがはみ出さないようにはさんだものを、上下の銅電極の位置を合わせて置いてから圧着機に設置し、340℃に加熱した加圧ツールを用い、4MPaの押し圧力で20秒間圧着した。本試験では、異方導電性接着剤と熱圧着シートとの接着評価を前記したように別に評価するため、圧着時に2枚のFPCの間から異方導電性接着剤がはみ出さないような構造とした。また、熱圧着用シリコーンゴムシートは、2層構造のシートの場合、加圧ツール側に第一のシリコーンゴム層が、FPC側に第二のシリコーンゴム層が配置するようにセットした。この圧着を繰り返し、FPCへのシートの密着状態、及び均一な圧力で異方導電性接着剤を加熱硬化できなくなるまでの回数を測定した。この回数は、上下のFPCにそれぞれ設けられた銅電極同士の導通により確認した。
4.圧着昇温評価
実施例1〜6、比較例1〜8で作製した熱圧着用シリコーンゴムシートの下に、25μmのポリイミドフィルム2枚の間に異方導電性接着剤で直径50μmの熱電対を固定したものを設置し、圧着機にて300℃に加熱した加圧ツールで、4MPaの押し圧力で20秒間圧着した。20秒間圧着後の温度を測定し、熱圧着用シリコーンゴムシートの熱伝導性能を評価した。温度が高いほど熱伝導性能が良好であることを意味する。
Figure 0005419265
表1の結果から、本発明の熱圧着用シリコーンゴムシートは、シリコーン特有の密着の問題がなく、異方導電性接着剤に対する非接着性、ゴム自体の耐久性及び熱伝導性も良好であることが確認された。また、本発明の上記の効果は、第二のシリコーンゴム層の組成物中に無機熱伝導性粉末を充填し、これを従来のコーティング方式によって塗布し、第二のシリコーンゴム層表面に簡便に凹凸形状を形成させることによって、容易に得られることが確認された。
これに対し、比較例1のように、第二のシリコーンゴム層へシリコーンパウダーを添加して無機熱伝導性粉末を使用しなかった場合には、従来のコーティング方式でその表面に簡便に凹凸形状を形成することができ、異方導電性接着剤に対する非接着性も良好であるものの、表面に若干粘着性があるために、圧着装置でのフィード性に問題があり、熱伝導性能も悪いことが確認された。
また、比較例2、3のように、第二のシリコーンゴム層の厚さと無機熱伝導性粉末の最大粒径の関係とが本発明の要件を満たしていない場合には、シート表面に粘着性が残ったり、異方導電性接着剤に対する非接着性や圧着耐久性が悪くなったりすることが確認された。
更に、比較例1、4や6のように第二のシリコーンゴム層中に無機熱伝導性粉末を配合しない場合や、配合量が少なすぎた場合には、熱伝導率が低くなり、加熱・加圧ツールからの熱をACFにうまく伝えることができないことが確認された。
また、比較例5のように第二のシリコーンゴム層の硬度が低く柔らかすぎる場合には、シート表面に粘着性が残るためシートの装置内でのフィードに問題があり、比較例6や7のように第二のシリコーンゴム層表面の粗さが適度な範囲でない場合には、シート表面に粘着性が残ったり、異方導電性接着剤に対する非接着性や圧着耐久性が悪くなったりすることが確認された。
更に、比較例8のように第二のシリコーンゴム層中のH成分とI成分の合計量が多すぎると、圧着耐久性は確保できるものの、異方導電性接着剤に対する非接着性が極端に悪くなることが確認された。
本発明の熱圧着用シリコーンゴムシートは、非粘着性に優れているので、マイカやタルクなどを打粉しなくても、加熱・加圧ツールなどの周囲の装置部品、FPCなど被圧着物に貼り付かないだけでなく、熱圧着時にはみ出した異方導電性接着剤に接着することもない、離型耐久性及び熱伝導性能に優れた熱圧着用シリコーンゴムシートであるので、異方導電性接着剤を用いたフレキシブルプリント基板等のリード電極の接続に極めて有用である。

Claims (10)

  1. 熱伝導性を有する硬化した第一のシリコーンゴム層の少なくとも一方の表面に、無機熱伝導性粉末を含有し前記第一のシリコーンゴム層の配合組成とは異なる第二のシリコーンゴム層の硬化物を積層してなり、前記第一のシリコーンゴム層が、下記(A)〜(E)の成分を含有してなるシリコーンゴム組成物を成形・硬化させた層、前記第二のシリコーンゴム層が、下記(F)〜(J)の成分を含有してなるシリコーンゴム組成物を成形・硬化させた層であり、全体の厚みが0.1〜10mmである熱圧着用シリコーンゴムシートであって、前記第二のシリコーンゴム硬化物層の熱伝導率が0.20W/mK以上、JIS K 6253 デュロメーター硬さ試験 タイプA硬度が20以上、表面の中心線平均粗さRaが0.4〜10.0μmであると共に、その厚さをXμm、該層に含有される前記無機熱伝導性粉末の最大粒径をYμmとしたとき、Xが1以上50以下で有ると共に、X及びYの間に、0 <(Y-X)≦(2Y/3) の関係が成立することを特徴とする熱圧着用シリコーンゴムシート;
    前記第一のシリコーンゴム層:
    (A):平均重合度が200以上のオルガノポリシロキサン:100質量部、
    (B):水分を除いた揮発分が0.5質量%以下であるカーボンブラック、
    (C):BET比表面積が50m2/g以上である微粉末シリカ、
    (但し、(B)及び(C)成分の合計配合量は0〜150質量部である。)
    (D):金属、前記(C)成分以外の無機酸化物、無機窒化物、無機炭化物から選択される少なくとも一種の粒子:0〜1,600質量部、
    (但し、(B)及び(C)成分の合計配合量が0〜30質量部の場合、(D)成分の配合量は100超〜1600質量部であり、(B)及び(C)成分の合計配合量が30超〜150質量部の場合、(D)成分の配合量は0〜500質量部である。)
    (E):硬化有効量の硬化剤。
    前記第二のシリコーンゴム層:
    (F):オルガノポリシロキサン:100質量部、
    (G):球状粒子又は涙滴形状の粒子である、下記(H)及び(I)成分以外の無機熱伝導性粉末:10〜80質量部、
    (H):水分を除いた揮発分が0.5質量%以下であるカーボンブラック、
    (I):BET比表面積が50m2/g以上である微粉末シリカ、
    (但し、(H)及び(I)成分の合計配合量は0〜30質量部である。)
    (J):硬化有効量の硬化剤。
  2. 前記(G)成分である無機熱伝導性粉末のモース硬度が5以下である請求項1に記載された熱圧着用シリコーンゴムシート。
  3. 前記(G)成分である無機熱伝導性粉末が、球状溶融シリカ、球状アルミナ、球状ガラス、球状アルミニウムの中から選択される少なくとも一種である、請求項1に記載された熱圧着用シリコーンゴムシート。
  4. 前記(G)成分である無機熱伝導性粉末の平均粒子径が0.5〜30μmであると共に最大粒径が70μm以下である、請求項1〜3の何れかに記載された熱圧着用シリコーンゴムシート。
  5. 前記第二のシリコーンゴム層の厚さが1〜50μmであり、前記(G)成分である無機熱伝導性粉末の最大粒径が70μm以下である、請求項1〜4の何れかに記載された熱圧着用シリコーンゴムシート。
  6. 前記第二のシリコーンゴム層の厚さが5〜40μmであり、前記(G)成分である無機熱伝導性粉末の最大粒径が50μm以下である、請求項1〜5の何れかに記載された熱圧着用シリコーンゴムシート。
  7. 前記第二のシリコーンゴム層を形成する組成物中の、(G)、(H)及び(I)成分の合計含有量が組成物全体の50質量%以下である、請求項1〜6の何れかに記載された熱圧着用シリコーンゴムシート。
  8. 前記第二のシリコーンゴム層の表面における中心線平均粗さRaが関係式0.4μm≦Ra≦10.0μmを満たすと共に、最大高さRmaxが50μm以下である、請求項1〜7の何れかに記載された熱圧着用シリコーンゴムシート。
  9. 全体を150℃で3時間加熱した時の揮発分が0.2質量%以下である、請求項1〜8の何れかに記載された熱圧着用シリコーンゴムシート。
  10. 第一のシリコーンゴム組成物をシート状に成形し、この成形物を硬化させる前又は硬化させてなるシート体の片面又は両面に、前記第一のシリコーンゴム組成物とは組成が異なると共に無機熱伝導性粉末が組成物中に分散されてなる、硬化後の熱伝導率が0.20W/mK以上の第二のシリコーンゴム組成物を、硬化後の厚さをXμm、無機熱伝導性粉末の最大粒径をYμmとしたとき、下記(1)式の関係が成り立つと共に、表面の中心線平均粗さRaが関係式0.5μm≦Ra≦10.0μmを満足し、最大高さRmaxが50μm以下の凹凸形状を有するように様に形成する熱圧着用シリコーンゴムシートの製造方法であって、前記第一のシリコーンゴム組成物のシート体が既に硬化している場合には前記第二のシリコーンゴム組成物を単独で硬化させ、前記第一のシリコーンゴム組成物が未硬化の場合には第一及び第二のシリコーンゴム組成物を同時に加熱・硬化させることを特徴とする熱圧着用シリコーンゴムシートの製造方法;
    (1)式:
    0 <(Y-X)≦(2Y/3);
    但し、前記第一のシリコーンゴム組成物が、
    (A):平均重合度が200以上のオルガノポリシロキサン100質量部、
    (B):水分を除いた揮発分が0.5質量%以下であるカーボンブラック、
    (C):BET比表面積が50m2/g以上である微粉末シリカ、
    (但し、(B)及び(C)成分の合計配合量は0〜150質量部である。)
    (D):金属、前記(C)成分以外の無機酸化物、無機窒化物、無機炭化物から選択される少なくとも一種:0〜1,600質量部、
    (但し、(B)及び(C)成分の合計配合量が0〜30質量部の場合、(D)成分の配合量が100超〜1600質量部であり、(B)及び(C)成分の合計配合量が30超〜150質量部の場合、(D)成分の配合量が0〜500質量部である。)
    及び
    (E):硬化有効量の硬化剤
    とからなり、
    第二のシリコーンゴム組成物が、
    (F):オルガノポリシロキサン100質量部、
    (G):球状粒子又は涙滴形状の粒子である、下記(H)及び(I)成分以外の無機熱伝導性粉末:10〜80質量部、
    (H):水分を除いた揮発分が0.5質量%以下であるカーボンブラック、
    (I):BET比表面積が50m2/g以上である微粉末シリカ、
    (但し、(H)及び(I)成分の合計配合量は0〜30質量部である。)
    及び
    (J):硬化有効量の硬化剤
    とからなる。
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