JP5419262B2 - タイルカーペットの製造方法及びその製造方法で製造されたタイルカーペット - Google Patents

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本発明は、表面パイル層と、裏貼層を積層するタイルカーペットの製造方法、さらに詳しくは、ラテックスによるプレコート加工を施すことなく、カーペットの抜糸強度、耐毛羽立ち性(ファズ強度)など、パイル繊維を保持する耐久性を確保できるタイルカーペットの製造方法及びその製造方法で製造されたタイルカーペットに関する。
従来からのタイルカーペットの表面パイル層に用いられるタフテッドカーペットの製造方法において、特許文献1においては、1次基布にパイルが植設された生機の裏面にプレコート加工を施し、パイルの抜脱を十分に防止する効果と通気性を十分に得るために、合成樹脂エマルジョンの形態で塗布後、乾燥する方法が採られている。
また、特許文献2では、ミニサイズのカーペットにおいて、パイル糸をタフティングした基布に、ラテックスを介して、低融点の融着用合成繊維を含有させたニードルパンチング布を貼り合わせ、これを加熱して融着用合成繊維を融着させることにより、パイルの抜脱を防止し、ニードルパンチング布を硬化させることにより、寸法安定性を有するカーペットを得る方法が開示されている。
さらに、特許文献3においては、タフテッドカーペットのパイル糸の抜糸強度、毛羽立ちなど、パイル繊維を保持する耐久性を確保する製造方法として、タフテッドカーペットのバックステッチ側に、ゴムシートや合成樹脂シートからなる裏貼層を貼り合わせる前に、プレコートと称して一次水系接着樹脂をバックステッチ側にコーティング、乾燥という工程を経て、パイル糸を予め固定する方法が開示されている。
しかし、特許文献1〜3のいずれも、一次接着樹脂として合成樹脂エマルジョンを塗布後、乾燥するプレコート加工を必要としている。そのため、煩雑な工程と大きなエネルギーを必要としていた。また、さらに、二次接着樹脂を塗布して接着樹脂層を形成し裏貼層と貼り合わせていた。このため接着樹脂を二度塗りすることになり、手間がかかり、さらにエネルギーを必要とする加工方法となっていた。
特開2005−273272号公報 登録実用新案第3042597号公報 特開平10−85117号公報
本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、タイルカーペットの表面パイル層を構成するタフテッドカーペットに、煩雑な加工を施さずに、パイル糸の十分な抜糸強度、耐毛羽立ち性(ファズ強度)を付与することができ、さらに、裏貼層を同時に貼り合せることのできる、手間がかからず、大きなエネルギーを必要としないタイルカーペットの製造方法及びその製造方法で製造されたタイルカーペットを提供することを目的とする。
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意検討の結果、タイルカーペットの表面パイル層を構成するタフテッドカーペットのバックステッチ側に、凹凸のエンボス加工を施したオレフィンシートをエンボス加工面を接合面にして貼り合せ、該オレフィンシートの凸部分をバックステッチの繊維束(縫い目)に内部に押し込んだ後に溶融圧接した後に冷却固化することにより、前記オレフィンシートを構成していた樹脂がバックステッチ側に浮いた繊維束(縫い目)の繊維間内部に浸透し、繊維束(縫い目)の繊維同士が固定され、パイル糸の十分な抜糸強度、耐毛羽立ち性(ファズ強度)を付与するかとが可能となり、さらに同時に裏貼層を貼り合せることのできる、手間がかからず、大きなエネルギーを必要としないタイルカーペットの製造方法とすることができることを見出し本発明に到達した。前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]表面パイル層と、裏貼層からなるタイルカーペットの製造方法において、前記表面パイル層がタフテッドカーペットで構成され、該タフテッドカーペットのバックステッチ側に凹凸のエンボス加工を施したオレフィンシートをエンボス加工面を接合面にして積層、圧接し、前記オレフィンシートの凸部分をバックステッチの繊維束(縫い目)に押し込んだ後に、前記オレフィンシートを溶融させ、さらに、前記オレフィンシート裏面に裏貼層を積層し、圧接した後に冷却固化し、繊維束(縫い目)の繊維同士を固定し、前記オレフィンシートを接着剤層として、前記表面パイル層と前記裏貼層を積層したことを特徴とするタイルカーペットの製造方法。
[2]表面パイル層と、裏貼層からなるタイルカーペットの製造方法において、前記表面パイル層がタフテッドカーペットで構成され、該タフテッドカーペットのバックステッチ側に凹凸のエンボス加工を施したオレフィンシートをエンボス加工面を接合面にして積層、圧接し、前記オレフィンシートの凸部分をバックステッチの繊維束(縫い目)に押し込んだ後に、前記オレフィンシートを溶融させ、さらに、前記オレフィンシート裏面に裏貼層を積層し、圧接した後に冷却固化し、繊維束(縫い目)の繊維同士を固定し、前記表面パイル層と前記裏貼層を積層したことを特徴とするタイルカーペットの製造方法。
[3]前記表面パイル層を構成するタフテッドカーペットのバックステッチ側に凹凸のエンボス加工を施したオレフィンシートをエンボス加工面を接合面にして積層し、プレスローラーで圧接、または、振動機能を有するプレスローラーで振動を与えながら圧接し、前記オレフィンシートの凸部分をバックステッチの繊維束(縫い目)の内部に押し込んだことを特徴とする、前項1または2に記載のタイルカーペットの製造方法。
[4]前項1乃至前項3のいずれかの製造方法で製造されたタイルカーペット。
[1]の発明では、タイルカーペットの製造方法において、タイルカーペットの表面パイル層を構成するタフテッドカーペットのバックステッチ側に、凹凸のエンボス加工を施したオレフィンシートをエンボス加工面を接合面にして積層、圧接し、前記オレフィンシートの凸部分をバックステッチの繊維束(縫い目)に押し込むことにより、前記凸部分の剛性によって、前記オレフィンシートを構成していた樹脂がバックステッチ側に浮いた繊維束(縫い目)の繊維間内部に入り込み、さらに、その後に溶融圧接することにより、前記オレフィンシートを構成していた樹脂が繊維束(縫い目)の繊維間内部に浸透し、冷却固化により繊維束(縫い目)の繊維同士を固定するので、手間がかからず、大きなエネルギーを必要としない加工方法で、十分な耐毛羽立ち性(ファズ強度)や抜糸強度のあるタフテッドカーペットで構成された表面パイル層を有するタイルカーペットとすることができる。
[2]の発明では、タイルカーペットの製造方法において、タイルカーペットの表面パイル層を構成するタフテッドカーペットのバックステッチ側に凹凸のエンボス加工を施したオレフィンシートをエンボス加工面を接合面にして積層、圧接し、前記オレフィンシートの凸部分をバックステッチの繊維束(縫い目)に押し込むことにより、前記凸部分の剛性によって、前記オレフィンシートを構成していた樹脂がバックステッチ側に浮いた繊維束(縫い目)の繊維間内部に入り込み、さらに、その後に溶融圧接することにより、前記オレフィンシートを構成していた樹脂が繊維束(縫い目)の繊維間内部に浸透し、冷却固化により繊維束(縫い目)の繊維同士を固定するので、十分な耐毛羽立ち性(ファズ強度)や抜糸強度のあるタフテッドカーペットとすることができる。さらに、前記オレフィンシートの溶融後、圧接時に、オレフィンシート裏面に裏貼層を同時に貼り合わせをしているので、従来のようなプレコート、接着という二度の工程を経ずに、前記オレフィンシートを接着剤層として、一度の工程で、手間がかからず、大きなエネルギーを必要としない、前記タフテッドカーペットと前記裏貼層が積層されたタイルカーペットの製造方法とすることができる。
[3]の発明では、前記オレフィンシートを、プレスローラーで圧接、または、振動機能を有するプレスローラーで振動を与えながら圧接し、前記オレフィンシートの凸部分をバックステッチの繊維束(縫い目)に内部に押し込むことにより、前記オレフィンシートの凸部分を、バックステッチの繊維束(縫い目)の内部深くに押し込むことが可能となり、十分なパイル糸抜糸強度、耐毛羽立ち性(ファズ強度)を付与するタイルカーペットの製造方法とすることができる。
[4]の発明では、前項1乃至前項3で製造されたタイルカーペットであるので、加工性が良く、経済性に優れる加工方法で、十分な抜糸強度、耐毛羽立ち性(ファズ強度)を有するタイルカーペットとすることができ、タフテッドカーペットと裏貼層が積層も、手間がかからず、大きなエネルギーを必要としない製造方法で製造されたタイルカーペットとなる。
本発明のタイルカーペットの製造方法は、タイルカーペットの表面パイル層を構成するタフテッドカーペットの、パイル糸の十分な耐毛羽立ち性(ファズ強度)や抜糸強度を得るために、コーティング、乾燥という煩雑で大きなエネルギーを必要とする工程を経なくても、前記タフテッドカーペットのバックステッチ側に凹凸のエンボス加工を施したオレフィンシートをエンボス加工面を接合面にして積層し、前記オレフィンシートの凸部分をバックステ
ッチの繊維束(縫い目)に押し込み、冷却固化したことにより、繊維束(縫い目)の繊維同士が固定されるので、十分な耐毛羽立ち性(ファズ強度)や抜糸強度が得られ、さらに前記オレフィンシートが接着剤層となり、タフテッドカーペットと裏貼層を同時に接着できることを見出し、本発明に到達したものである。
本発明を図面に基づいて説明する。図1に示すように、タイルカーペット(1)は表面パイル層(2)と、裏貼層(3)からなる。
本発明におけるタイルカーペット(1)の表面パイル層(2)はタフティング機により基布(4)にパイル糸(5)を植設したタフテッドカーペット原反を用い、タフテッドカーペット原反の形態としては、カットパイル、ループパイル、カットアンドループ等どのような形態でも応用できる。
従来のタイルカーペットは、図2に示すように、タフティング機によって、基布(4)にパイル糸(5)を植え込んでタフテッドカーペット原反を作成し、十分なパイル糸(5)の抜糸強度と耐毛羽立ち性(ファズ強度)を得るために、煩雑で、大きなエネルギーを必要とするプレコート加工を施して一次接着樹脂層(6)を形成し、さらに、該表皮層のバックステッチ(9)側に二次接着樹脂層(7)を形成して、裏貼層を積層しタイルカーペット(1)としている。
本発明における第一の発明では、前記従来方法のように、煩雑で、大きなエネルギーを必要とするコーティング、乾燥という工程を要するプレコート加工を用いる事無く、手間がかからず、大きなエネルギーを必要としない加工方法で、十分な耐毛羽立ち性(ファズ強度)や抜糸強度のあるタフテッドカーペットで構成された表面パイル層を有するタイルカーペット(1)を得ることができる。
即ち、図3に示すように、本発明のタイルカーペット(1)に用いるタフテッドカーペットの加工方法は、タフテッドカーペット(2)のバックステッチ(9)側に凹凸のエンボス加工を施したオレフィンシート(8)をエンボス加工面を接合面にして積層し、前記オレフィンシート(8)の凸部分をバックステッチ(9)の繊維束(縫い目)に押し込んだ後に溶融圧接及び冷却固化し、繊維束(縫い目)の繊維同士を固定するものである。前記凹凸のエンボス加工を施したオレフィンシート(8)は、室温下では、剛性を有し、前記オレフィンシート(8)の凸部分をタフテッドカーペットのバックステッチ(9)の繊維間内部に食い込ませることができる。前記オレフィンシート(8)の凸部分を繊維間内部に侵入させた状態で、加熱ヒーターで前記オレフィンシート(8)を溶融し、前記オレフィンシート(8)を構成するオレフィンを繊維間内部に浸透させ、その後に冷却固化させることにより繊維束(縫い目)の繊維同士を固定したタフテッドカーペットを作成することができる。
本発明における前記オレフィンシート(8)としては、特に限定されるものではないが、例えばポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂などが挙げられるが、焼却する場合に有害ガスの発生がなく、加工性及び経済性の面からポリエチレン樹脂で構成するのが好ましい。例えば、ポリエチレン樹脂をTダイ押出し機にて、フィルム状に押出すと同時に、エンボスロールにて片面に突起形状を付与させることにより、凹凸のエンボス加工を施したオレフィンシートを作成することができる。前記オレフィンシート(8)の厚みとしては100μ〜600μが好ましく、接着性の観点から300μ〜500μがより好ましい。また、凸部分の高さとしては70μ以上が好ましく、凸部分先端の面積としては250μ以下が好ましい。この高さと面積であれば、前記オレフィンシート(8)の凸部分をタフテッドカーペットのバックステッチ(9)の繊維間内部に食い込ませることができる。
本発明の特徴として、溶融前の状態で、前記オレフィンシート(8)の剛性のある凸部分を前記タフテッドカーペットのバックステッチ(9)の繊維束(縫い目)に内部に押し込む必要がある。図3に示すように、前記タフテッドカーペットのバックステッチ(9)側に凹凸のエンボス加工を施したオレフィンシート(8)をエンボス加工面を接合面にして積層した後に、プレスローラーにより、バックステッチ(9)の繊維束(縫い目)に内部に深く押し込むことができる。
さらに、バックステッチ(9)の繊維束(縫い目)に多くの樹脂を含浸させる必要がある場合は、振動機能を有するプレスローラーで振動を与えながら圧接することにより、前記オレフィンシート(8)の凸部分を前記タフテッドカーペットのバックステッチ(9)の繊維束(縫い目)に、さらに深く押し込むことができる。深く押し込むことにより、多くの量の樹脂がバックステッチ(9)の繊維束(縫い目)内に入り、パイル糸の材質、太さ等に関わらず、十分な抜糸強度、耐毛羽立ち性(ファズ強度)を付与することができる。
次に、タイルカーペット加工機を用い、PVC(ポリ塩化ビニル)等からなる裏貼層を構成する組成物ゾルを所定の速度で移動する易剥離剤コーティングガラスベルトの上に塗布し、前記タフテッドカーペットからなる表面パイル層(2)を積層し、次いでロール圧着し一体化させて、前記裏貼層(3)をキュアさせるゲル化が達成されるのに十分な温度と時間を与えた後に、冷却工程を経てタイルカーペットが得られる。
あるいは、タフテッドカーペットからなる表面パイル層(2)をラミネート加工機を用いて接着剤層を介して裏貼層(3)と貼り合わせてタイルカーペット(1)を製造することもできる。
本発明における前記裏貼層(3)としては、タイルカーペット(1)の寸法安定性を確保し、タイルカーペット(1)にクッション性を付与する役割を果たすものであれば、特に限定されるものではなく、PVC(ポリ塩化ビニル)等の合成樹脂シートや天然ゴムシート、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、MBR(メチルメタクリレート−ブタジエンゴム)等の合成ゴムシート、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリオレフィン系繊維等の合成繊維等または羊毛、木綿等の天然繊維等を単一または複数混合した不織布を用いることができる。
ラミネート加工機を用いて貼り合わせる場合は、接着樹脂としては、タフテッドカーペットの形態によって異なるが、例えば樹脂としてはアクリル系、ウレタン系、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等の樹脂が挙げられる。また、接着樹脂の形態としては、エマルジョンタイプ、粉体タイプ、ペーストタイプ等どのようなタイプの接着樹脂であっても使用することができる。
さらに、本発明における第二の発明では、図4に示すように、前記オレフィンシート(8)の凸部分をバックステッチ(9)の繊維束(縫い目)に押し込んだ後に溶融し、圧接する直前に、裏貼層(3)をオレフィンシート(8)裏面に積層することにより、繊維束(縫い目)の繊維同士を固定すると同時に、タフテッドカーペットからなる表面パイル層(2)と裏貼層(3)を一度の工程で貼り合わせることができる。
本発明における第二の発明で製造されたタイルカーペット(1)は、裏面にオレフィンシート(8)が貼り合わされた、タフテッドカーペットからなる表面パイル層(2)と、裏貼層(3)からなり、前記オレフィンシート(8)で構成される層はパイル糸(5)の十分な抜糸強度と耐毛羽立ち性(ファズ強度)を得る機能と、タフテッドカーペットからなる表面パイル層(2)と、裏貼層(3)を強力な接着力で貼り合わせる機能を有することになる。
従来からのタイルカーペット(1)の製造方法では、プレコートと称して一次接着樹脂をバックステッチ(9)側に薄く塗布して、パイル糸を予め固定してから二次接着樹脂を塗布して接着樹脂層を形成し裏貼層と貼り合わせていた。このため接着樹脂を二度塗りすることになり、手間がかかり、大きなエネルギーを必要としていたが、本発明では、前記オレフィンシート(8)の溶融後、圧接時に、オレフィンシート(8)裏面に裏貼層(3)を同時に貼り合わせをしているので、従来のようなプレコートをする必要がなくなり、接着樹脂を二度塗りすることのない、手間がかからず、大きなエネルギーを必要としないタイルカーペット(1)の製造方法とすることができる。
第二の発明において用いる前記裏貼層(3)は、第一の発明と同じく、PVC(ポリ塩化ビニル)等の合成樹脂シートや天然ゴムシート、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、MBR(メチルメタクリレート−ブタジエンゴム)等の合成ゴムシート、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリオレフィン系繊維等の合成繊維等または羊毛、木綿等の天然繊維等を単一または複数混合した不織布を用いることができるが、厚みとしては、加工性の観点から10mm以下が望ましい。
また、前記裏貼層(3)の材質、表面状態等により、前記オレフィンシート(8)と前記裏貼層(3)の接着性を強くする必要がある場合は、図6に示すように、前記オレフィンシート(8)を溶融させる前に、熱可塑性樹脂パウダー(10)を散布することで、タフテッドカーペットからなる表面パイル層(2)と裏貼層が強力に接着しているタイルカーペット(1)の製造方法とすることができる。
前記熱可塑性樹脂パウダー(10)としてポリエチレン、ポリプロピレンから選ばれる少なくとも一種の熱可塑性のポリオレフィン系樹脂パウダー(7)を用いるのが好ましく、接着強度をより向上し、使用後にリサイクル利用しやすいものとなる。このポリオレフィン系樹脂パウダーの中でも特に好ましいのはポリエチレンパウダーであり、この場合には上記利点に加えてコストを一段と低減できる。前記熱可塑性樹脂パウダーの粒径は90〜10000μmとし、該パウダーの散布量は5〜500g/m とするのが、好ましい。粒径及び散布量をこのような範囲に設定することにより、強力な接着性で積層されたタイルカーペット(1)を確実に製造できる。
最後に所定形状、例えば500mm角の正方形に裁断すれば、最終製品としてのタイルカーペットが得られる。
以下、本発明の実施例について説明する。なお、本発明におけるタイルカーペットのパイル糸の抜糸強度と耐毛羽立ち性(ファズ強度)の測定は以下のようにして行った。<抜糸強度>JIS L 1021の規定に準じ、パイル糸の抜糸強度(N)を測定した。25N以上を合格とした。<耐毛羽立ち性(ファズ強度)> 耐毛羽立ち性は、テーバー型摩耗試験機(JIS L 1096.17.3に規定)に準じた。針布状摩耗輪を使用し、それぞれの摩耗輪に片輪300gの荷重をかけ試験台を20回回転して試験片を引掻き、そのパイル糸の毛羽立ち状態を目視により評価した。毛羽立ちの非常に少ないものを(◎)、毛羽立ちの少ないものを(○)、毛羽立ちがある程度あるものを(△)、毛羽立ちが多いものを(×)とした。
タフテッドカーペット原反として、ナイロン糸を用い、パイル長10mm、ステッチ30/10cm、目付800g/mとし、基布はポリエステルスパンボンド不織布(目付100g/m)を使用したカットパイルカーペットを用意した。
また、凹凸のエンボス加工を施したオレフィンシートとして、ポリエチレン樹脂をTダイ押出し機にて、厚み300μのフィルム状に押出すと同時に、エンボスロールにて片面に突起形状を付与させることにより、凸部分の高さ80μ、凸部分先端の面積200μの凹凸のエンボス加工を施したオレフィンシートを用意した。
また、裏貼層として、厚み8mmのPVCシートを用意した。
<実施例1>図3に示すタフテッドカーペット加工ラインにおいて、まず、タフテッドカーペットのバックステッチ(9)側に、凹凸のエンボス加工を施したオレフィンシートをエンボス加工面を接合面にして重ねて、プレスローラーとゴムプレスローラーの間を通過させ、オレフィンシートの凸
部分をバックステッチ(9)の繊維束(縫い目)に押し込んだ。次に、加熱ヒーターにより、前記オレフィンシートを溶融し繊維間内部に浸透させ、クーリングプレスローラーとゴムプレスローラーの間を通過させ、繊維束(縫い目)の繊維同士を固定しタフテッドカーペットを作成した。次にタイルカーペット加工機を用い、PVC(ポリ塩化ビニル)からなる組成物ゾルを700g/m塗布し、裏貼層と積層しタイルカーペットを得た。このタイルカーペットの、抜糸強度は31Nで、耐毛羽立ち性(ファズ強度)は、○で、いずれも合格と判定された。
<実施例2>図4に示すタイルカーペット加工ラインにおいて、加熱ヒーターにより、オレフィンシートを溶融し繊維間内部に浸透させた直後に、裏貼層を重ね合わせ、クーリングプレスローラーとゴムプレスローラーの間を通過させ、一度の工程でタフテッドカーペットと裏貼層を貼り合わせたこと以外は実施例1と全く同様にしてタイルカーペットを製造した。このタイルカーペットの、抜糸強度は33Nで、耐毛羽立ち性(ファズ強度)は、◎で、いずれも合格と判定された。
<実施例3>図4に示すタイルカーペット加工ラインにおいて、振動機能を有するプレスローラーで、振動を与えながらオレフィンシートの凸部分をバックステッチ(9)の繊維束(縫い目)に押し込んだこと以外は実施例1と全く同様にしてタイルカーペットを製造した。このタイルカーペットの、抜糸強度は36Nで、耐毛羽立ち性(ファズ強度)は、◎で、いずれも合格と判定された。
<実施例4>図5に示すタイルカーペット加工ラインにおいて、オレフィンシートを溶融させる前に、粒径は7000μm、散布量は200g/m熱可塑性樹脂パウダーを散布したこと以外は実施例1と全く同様にしてタイルカーペットを製造した。このタイルカーペットの、抜糸強度は38Nで、耐毛羽立ち性(ファズ強度)は、◎で、いずれも合格と判定された。
<参考例1>タフテッドカーペットのバックステッチ(9)側に、プレコート加工にて、接着樹脂(スチレン−ブタジエンゴム)をDRY150g/m塗布して、パイル糸と基布を予め固定したタフテッドカーペットを作成したこと以外は実施例1と全く同様にしてタイルカーペットを製造した。このタイルカーペットの、抜糸強度は39Nで、耐毛羽立ち性(ファズ強度)は、◎で、いずれも合格と判定された。しかし、プレコート加工、タイルカーペット加工と、2工程の加工に手間がかかり、さらにエネルギーを必要とする加工方法となっていた。
<比較例1>オレフィンシートに凹凸のエンボス加工を施さず、フラットな表面のまま、タフテッドカーペットのバックステッチ(9)側に重ねて、プレスローラーとゴムプレスローラーの間を通過させたこと以外は実施例1と全く同様にしてタイルカーペットを製造した。このタイルカーペットの、抜糸強度は21Nで、耐毛羽立ち性(ファズ強度)は、△で、いずれも不合格と判定された。
第一の発明における一実施形態に係るタイルカーペットの概略断面図である。 従来の製造方法で作られたタイルカーペットの概略断面図である。 第一の発明における一実施形態に係るタフテッドカーペットの加工ラインを示す概略図である。 第二の発明における一実施形態に係るタイルカーペットの加工ラインを示す概略図である。 この発明のもうひとつの一実施形態に係るタイルカーペットの加工ラインを示す概略図である。
1・・・タイルカーペット 2・・・表面パイル層 3・・・裏貼層 4・・・基布 5・・・パイル糸 6・・・一次接着樹脂層 7・・・二次接着樹脂層 8・・・オレフィンシート9・・・バックステッチ10・・・熱可塑性樹脂パウダー11・・・加熱ヒーター12・・・プレスローラー13・・・ゴムプレスローラー14・・・クーリングプレスローラー

Claims (3)

  1. 表面パイル層と、裏貼層からなるタイルカーペットの製造方法において、前記表面パイル層がタフテッドカーペットで構成され、該タフテッドカーペットのバックステッチ側に凹凸のエンボス加工を施したオレフィンシートをエンボス加工面を接合面にして積層し、プレスローラーで圧接、または、振動機能を有するプレスローラーで振動を与えながら圧接し、前記オレフィンシートの凸部分をバックステッチの繊維束(縫い目)に押し込み、前記オレフィンシートを溶融圧接した後に冷却固化し、繊維束(縫い目)の繊維同士を固定した後に、裏貼層と積層したことを特徴とするタイルカーペットの製造方法。
  2. 表面パイル層と、裏貼層からなるタイルカーペットの製造方法において、前記表面パイル層がタフテッドカーペットで構成され、該タフテッドカーペットのバックステッチ側に凹凸のエンボス加工を施したオレフィンシートをエンボス加工面を接合面にして積層し、プレスローラーで圧接、または、振動機能を有するプレスローラーで振動を与えながら圧接し、前記オレフィンシートの凸部分をバックステッチの繊維束(縫い目)に押し込んだ後に、前記オレフィンシートを溶融させ、さらに、前記オレフィンシート裏面に裏貼層を積層し、圧接した後に冷却固化し、繊維束(縫い目)の繊維同士を固定し、前記表面パイル層と前記裏貼層を積層したことを特徴とするタイルカーペットの製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の製造方法で製造されたタイルカーペット。
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