JP5418784B2 - 燃料電池用シール構造体及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、燃料電池における多孔質のガス拡散層に、各燃料電池セルに形成される流路をシールするためのガスケットを一体に設けた燃料電池用シール構造体及びその製造方法に関するものである。
燃料電池は、図8に示されるように、電解質膜(イオン交換膜)の両面に一対の電極層を設けた膜−電極複合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)及びその厚さ方向両側に積層された多孔質のガス拡散層(GDL:Gas Diffusion Layer)からなる発電体と、カーボンあるいは金属からなるセパレータとを交互に配置して積層し、燃料ガス又は酸化ガスを、ガス拡散層を介して膜−電極複合体へ流通させるための多数の溝を前記セパレータに形成したものが一般的である。そして近年は、セパレータに溝を形成する代わりに、発電体とセパレータの間に多孔質の第二ガス拡散層を挟み込んで、この第二ガス拡散層を燃料ガス又は酸化ガスの流路とした構造としたものも知られている。図8は、このような燃料電池の一部を示す説明図である。
すなわち図8に示される燃料電池は、電解質膜の両面に一対の電極層を設けた膜−電極複合体111及びその厚さ方向両側に積層された多孔体からなる第一ガス拡散層112を備える発電体110と、更にその厚さ方向両側に積層された多孔体からなる第二ガス拡散層(以下、ガス拡散層という)120とを備える単セル100を、セパレータ200と交互に配置して積層することにより構成されている。ガス拡散層120は、発電体110での発電のための燃料ガス又は酸化ガスを流通させるガス流通手段として機能するものである。
燃料電池においては、燃料ガスや酸化ガス、その反応によって生成した水や余剰ガスなどをシールする必要がある。このためガス拡散層120には、ゴム系材料からなるガスケット121が設けられ、セパレータ200に密接される。このガスケット121は、その成形に際してゴム系の液状の成形材料の一部をガス拡散層120の端部に浸透させた状態で硬化させたものであり、このためガス拡散層120に形成された含浸部122を介してガス拡散層120に一体的に接合された構造となっている。
しかしながら、多孔体からなるガス拡散層120の気孔率にはバラツキがあるため、図8に示される燃料電池は、液状の成形材料を用いてガスケット121を成形する際に、ガス拡散層120への成形材料の浸透を適切に制限することが難しい。このため、成形材料の充填圧力や粘度等を一定にしても、ガス拡散層120の気孔率等によっては、含浸部122の領域が必要以上に大きくなり、その分、ガス拡散層120におけるガス流通領域、言い換えれば発電体110における発電領域が狭まってしまうおそれがある。
そこで従来、ガスケット121をガス拡散層120と一体に成形する際に、このような含浸部122の領域を適切に制限するため、図9に示されるような方法が知られている。すなわちこの方法では、金型300にガス拡散層120となる多孔質板120’をセットして型締めする際に、前記金型300の内面に形成された押圧突起301で多孔質板120’の一部を圧縮することによって、多孔質板120’の端部と隣接する位置に沿って気孔率が減少した絞り部120aを形成する。
そして次に、多孔質板120’の端部と金型300の内面との間に画成されたガスケット成形用キャビティ302に、材料注入ゲート303を通じて液状の成形材料を充填すると共に、その一部を多孔質板120’の端部に浸透させ、この状態で前記成形材料を架橋硬化させることによって、図8に示されるガスケット121が多孔質板120’(ガス拡散層120)に一体的に成形される。そして、予め多孔質板120’に形成された絞り部120aでは圧縮によって気孔率が減少し、成形材料が浸透しにくくなっているため、成形材料の浸透領域(図8に示される含浸部122)が必要以上に大きくなるのを有効に防止することができるのである(例えば下記の特許文献1参照)。
特開2007−26847号公報
しかしながら、多孔質板120’として金属多孔体のような剛性の高い材質のものを用いた場合は、上記従来の方法のような、金型300の内面に形成された押圧突起301では型締めによる絞り部120aの形成が困難であり、このため多孔質板120’への成形材料の浸透を絞り部120aによって確実に制限することができず、図10に示されるように、含浸部122の領域が必要以上に拡がってしまう問題があった。
特に、ガスケット成形用キャビティ302から多孔質板120’への成形材料の浸透は、キャビティ302の延長方向に沿って適当な間隔で多数設けられた各注入ゲート303を中心にして拡がるため、含浸部122の領域は平面形状が波紋状に形成され、バラつきが大きくなって発電性能のバラつきとして悪影響を及ぼすおそれがある。
本発明は、以上のような点に鑑みてなされたものであって、その技術的課題は、剛性の高い多孔質板にガスケット成形材料の含浸部を介してガスケットを一体に成形した燃料電池用シール構造体において、前記成形材料の浸透を適切に制限することにある。
上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、請求項1の発明に係る燃料電池用シール構造体の製造方法は、薄板に、無数の微細貫通空隙を有するガスケット成形領域と、無数の微細貫通空隙を有するガス流通領域と、これら双方の領域の間に沿って延び前記微細貫通空隙の存在しない浸透制限領域を形成することによって多孔質板とし、この多孔質板を金型内にセットして型締めすることによって前記浸透制限領域に前記金型の内面を密接させ、前記ガスケット成形領域と前記金型の内面との間に画成されるガスケット成形用キャビティに液状の成形材料を充填すると共にその一部を前記ガスケット成形領域に浸透させ、硬化させるものである。
この製造方法において、ガスケット成形用キャビティに充填された液状の成形材料は硬化によってガスケットとなるものであり、この成形材料の一部が、多孔質板のガスケット成形領域に形成された無数の微細貫通空隙に浸透された状態で硬化した部分はガスケットと連続した含浸部となるものであり、多孔質板のガス流通領域は、無数の微細貫通空隙によって燃料電池におけるガス流路となるものであり、多孔質板の浸透制限領域は、金型で型締めすることによってガスケット成形用キャビティから液状の成形材料がガス流通領域へ浸透するのを遮断して含浸部の不必要な拡大を防止するものである。
請求項2の発明に係る燃料電池用シール構造体の製造方法は、請求項1に記載の方法において、ガスケット成形領域及びガス流通領域の無数の微細貫通空隙をエッチング加工により形成し、浸透制限領域をエッチングのマスクパターンによる非エッチング領域として形成するものである。
請求項3の発明に係る燃料電池用シール構造体の製造方法は、請求項1に記載の方法において、多孔質板を他の多孔質板と積層し、ガスケット成形用キャビティに充填した液状の成形材料を、前記他の多孔質板におけるガスケット成形領域と対応する領域にも浸透させるものである。
請求項4の発明に係る燃料電池用シール構造体の製造方法は、請求項1に記載の方法において、多孔質板が金属からなるものである。
請求項5の発明に係る燃料電池用シール構造体は、請求項1〜4のいずれかに記載された方法により製造されるものであって、多孔質板と、この多孔質板に一体に成形されたガスケットを備え、前記多孔質板が、ガスケットが接合されると共に無数の微細貫通空隙に前記ガスケットの材料の一部が接合された含浸部と、無数の微細貫通空隙を有するガス流通領域と、前記含浸部とガス流通領域の間に沿って延び前記微細貫通空隙の存在しない浸透制限領域からなるものである。
請求項1の発明に係る燃料電池用シール構造体の製造方法によれば、多孔質板にガスケットが含浸部を介してしっかり接合され、しかも、前記多孔質板のガス流通領域へ成形材料が浸透するのを、微細貫通空隙の存在しない浸透制限領域によって遮断するので、含浸部の拡大によってガス流通領域ひいては発電領域が狭まってしまうのを確実に防止することができ、ガス流通領域が浸透制限領域によって規定されるので、安定した発電性能を得ることができる。
請求項2の発明に係る燃料電池用シール構造体の製造方法によれば、請求項1による効果に加え、エッチング加工による多孔質板の製作過程で、無数の微細貫通空隙を有するガスケット成形領域及びガス流通領域と、微細貫通空隙の存在しない浸透制限領域を同時に形成することができる。
請求項3の発明に係る燃料電池用シール構造体の製造方法によれば、請求項1による効果に加え、他の多孔質板もガスケットを介して多孔質板と一体化されるため、燃料電池の部品数を減少させることができる。
請求項4の発明に係る燃料電池用シール構造体の製造方法によれば、金属からなる多孔質板は剛性が高いため、燃料電池として積層したときの歪や損傷を有効に防止することができ、また、剛性が高いために金型による型締めの際に成形材料の浸透を制限するための部分的な圧縮が困難であるにも拘らず、請求項1による効果を実現することができる。
請求項5の発明に係る燃料電池用シール構造体によれば、ガスケットと多孔質板が互いにしっかり接合されると共に、多孔質板からのガスの透過漏れのない構造となり、しかも含浸部の不必要な拡大が防止されているので所要の発電領域が確保された構造とすることができる。
本発明に係る燃料電池用シール構造体の第一の形態を示す平面図である。 図1のII−II線断面図である。 図1及び図2の燃料電池用シール構造体を得るための、本発明に係る燃料電池用シール構造体の製造方法の第一の形態において、多孔質板を製作する工程を示す説明図である。 本発明に係る燃料電池用シール構造体の製造方法の第一の形態において、ガスケットを成形する工程を示す説明図である。 本発明に係る燃料電池用シール構造体の第一の形態の、燃料電池への組み込み例を示す説明図である。 本発明に係る燃料電池用シール構造体の第二の形態の、燃料電池への組み込み例を示す説明図である。 図6の燃料電池用シール構造体を得るための、本発明に係る燃料電池用シール構造体の製造方法の第二の形態において、ガスケットを成形する工程を示す説明図である。 従来技術に係る燃料電池用シール構造体の、燃料電池への組み込み例を示す説明図である。 従来技術に係る燃料電池用シール構造体の製造方法の好ましい実施の形態において、発電体と第二ガス拡散層との積層体を金型内にセットし型締めした状態を示す説明図である。 従来技術において、含浸部が拡大した状態を示す説明図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。まず図1は、本発明に係る燃料電池用シール構造体1の第一の形態を示す平面図、図2は、図1のII−II線断面図である。
図1及び図2に示される燃料電池用シール構造体1において、参照符号10は燃料電池におけるガス拡散層として用いられるメッシュ状の多孔質板で、導電性を有し剛性の高い金属からなる。この多孔質板10には、その外周縁や不図示の開口縁などに沿って、ゴム状弾性材料(ゴム材料又はゴム状弾性を有する合成樹脂材料)からなるガスケット20が一体に成形されている。
多孔質板10は、無数の微細貫通空隙を有する微細メッシュ状のガスケット成形領域11と、無数の微細貫通空隙を有する微細メッシュ状のガス流通領域12と、これら双方の領域11,12の間に沿って延び微細貫通空隙の存在しない適当な幅の浸透制限領域13を有し、前記ガスケット成形領域11は、その微細貫通空隙にガスケット20のゴム状弾性材料の一部が浸透して硬化することによって含浸部20aとなっており、すなわちガスケット20は含浸部20aを介して、多孔質板10に一体的に接合されている。
ガスケット20は、多孔質板10におけるガスケット成形領域11を被覆するように形成されたベース部21と、その片側から隆起した主リップ22と、その反対側から隆起し主リップ22より断面の小さな副リップ23を有し、後述するように、不図示のセパレータや膜−電極複合体に対して適宜圧縮状態で密接されることによって、前記膜−電極複合体に供給される燃料ガスや酸化ガスが外部へ漏洩するのを防止するものである。
図3及び図4は、図1及び図2に示される上述の燃料電池用シール構造体1を得るための、本発明に係る燃料電池用シール構造体の製造方法の第一の形態を示すものであり、このうち図3は、多孔質板を製作する工程を示す説明図、図4は、ガスケットを成形する工程を示す説明図である。
すなわち、図1及び図2に示される燃料電池用シール構造体1の製造においては、まず図3に示されるように、金属多孔体からなる多孔質板10を製作する。
多孔質板10は、例えば厚さが0.1〜0.5mm程度のチタンあるいはステンレス等の金属板に、公知のフォトエッチング等のエッチング加工を行うによって製作される。すなわち、前記金属板の表面に感光性物質を塗布し、この感光性物質の層を、透光部又は遮光部からなるフォトマスクを介して露光させてから現像液に浸して現像することによって、前記金属板の表面に前記フォトマスクと対応するマスクパターンを有するフォトレジストを形成し、さらに、前記金属板を腐食可能なエッチング液を用いてエッチングを行うことによって、前記マスクパターンと対応する無数の微細貫通空隙10aを有する多孔質板10となる。
このエッチング加工において、金属板のうち、フォトレジストによるマスクパターンから露出した部分はエッチング液に腐食されて微細貫通空隙10aとなり、フォトレジストによって保護された部分はエッチング液に腐食されずに残る。そして多孔質板10におけるガスケット成形領域11及びガス流通領域12は、このような微細貫通空隙10aが適当な密度で無数に形成された部分であり、浸透制限領域13は、所定の幅(例えば1mm程度)にわたって微細貫通空隙10aが形成されていない部分である。したがって、これらガスケット成形領域11、ガス流通領域12及び浸透制限領域13は、フォトマスクのマスクパターンによって任意にレイアウトすることができる。なお、エッチング終了後は、多孔質板10の表面のフォトレジストは適当な溶剤によって除去する。
次に、このようにして製作された多孔質板10を、図4に示されるように、ガスケット成形用の金型30内にセットする。金型30は、例えば分割型31,32からなり、両分割型31,32間における所定位置には、多孔質板10を位置決め配置することができ、図示の型締め状態において、多孔質板10におけるガスケット成形領域11との間にガスケット成形用キャビティ33が画成されるようになっている。
詳しくは、ガスケット成形用キャビティ33は、図2に示されるガスケット20と対応する断面形状であって、すなわち、多孔質板10におけるガスケット成形領域11に位置してガスケット20のベース部21と対応するベース成形部33aと、ガスケット20の主リップ22と対応する主リップ成形部33bと、その反対側にあってガスケット20の副リップ23と対応する副リップ成形部33cからなる。また、一方の分割型31には、ガスケット成形用キャビティ33へ液状の成形用ゴム材料を充填するための複数の注入ゲート34が、このガスケット成形用キャビティ33の延長方向に適当な間隔で設けられて、ベース成形部33aに開口しており、さらに多孔質板10における浸透制限領域13を他方の分割型32との間で密接状態に挟持するための押さえ部31aが形成されている。
すなわち、多孔質板10を図4に示されるように金型30にセットして型締めすることによって、この多孔質板10におけるガスケット成形領域11に沿ってガスケット成形用キャビティ33が画成されると共に、多孔質板10における浸透制限領域13が一方の分割型31の押さえ部31aと他方の分割型32との間で密接状態に挟持される。そしてこの型締めの圧力は、多孔質板10におけるガスケット成形領域11及びガス流通領域12には作用しない。
そしてこの型締め状態で、注入ゲート34からガスケット成形用キャビティ33内へ、液状の成形用ゴム材料を充填する。この場合、液状の成形用ゴム材料としては、液状エチレンプロピレンゴム(EPDM)、液状フッ素ゴム、液状シリコーンゴム、液状アクリルゴムなどが挙げられるが、燃料電池における発電機能に悪影響を及ぼす溶出ガスなどを発生しないものであれば特に限定しない。
ここで、多孔質板10におけるガスケット成形領域11には無数の微細貫通空隙10aが存在するため、ガスケット成形用キャビティ33内へ充填される液状の成形用ゴム材料の一部は、充填圧力によってこのガスケット成形領域11の微細貫通空隙10aを埋めるように浸透する。
またこのとき、多孔質板10におけるガスケット成形領域11からガス流通領域12へ向けて浸透しようとする成形用ゴム材料は、微細貫通空隙の存在しない浸透制限領域13において遮断され、また、この浸透制限領域13は適当な面圧で金型30の内面(一方の分割型31の押さえ部31aと他方の分割型32の内面)に密接されているので、ガスケット成形用キャビティ33内の成形用ゴム材料が、浸透制限領域13と金型30の内面の間からガス流通領域12側へ漏洩して浸透することもない。
金型30内に充填された成形用ゴム材料は、加熱によって架橋硬化させる。すなわち、成形用ゴム材料がガスケット成形用キャビティ33内で硬化することによって、その内面形状と対応する断面形状に成形されて図2に示されるガスケット20となり、多孔質板10におけるガスケット成形領域11に浸透した状態で硬化した部分(図2に示される含浸部20a)を介して多孔質板10と一体化される。架橋硬化後は分割型31,32を離間させて型開きを行い、成形品としてのシール構造体1を取り出す。
図5は、このようにして製造されたシール構造体1の、燃料電池への組み込み例を示す説明図である。
この組み込み例において、参照符号2は、電解質膜及びその両面に設けた触媒電極層からなる膜−電極複合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)2aの厚さ方向両側に多孔質体からなるガス拡散層(GDL:Gas Diffusion Layer)2bを積層一体化した発電体である。上述した実施の形態のシール構造体1は、この発電体2の厚さ方向両側に、ガスケット20の主リップ22が発電体2側を向くように配置され、さらにその両側に、カーボンあるいは導電性金属からなるセパレータ3が積層されることによって、燃料電池セルが構成される。
そしてこの燃料電池セルにおいて、発電体2の外周部は、その両側のシール構造体1におけるガスケット20の主リップ22によって密接挟持され、ガスケット20の副リップ23は、セパレータ3に密接される。また、膜−電極複合体2aにおける一方の触媒電極層(例えばアノード)とこれに対向した一方のセパレータ3との間には、一方のシール構造体1における多孔質板10の、無数の微細貫通空隙10aを有するガス流通領域12によって例えば燃料ガス流路が形成され、膜−電極複合体2aにおける他方の触媒電極層(例えばカソード)とこれに対向した他方のセパレータ3との間には、他方のシール構造体1における多孔質板10の、無数の微細貫通空隙10aを有するガス流通領域12によって例えば酸化剤ガス流路が形成される。そしてこれら燃料ガス流路及び酸化剤ガス流路は、各シール構造体1のガスケット20によってシールされる。
したがって、上述の構成を備える燃料電池セルでは、燃料ガス(水素)が、一方のシール構造体1における多孔質板10のガス流通領域12からなる燃料ガス流路及び発電体2における一方のガス拡散層2bを介して膜−電極複合体2aのアノード側に供給され、酸化剤ガス(空気)が、他方のシール構造体1における多孔質板10のガス流通領域12からなる酸化剤ガス流路及び発電体2における他方のガス拡散層2bを介して膜−電極複合体2aのカソード側に供給され、水の電気分解の逆反応、すなわち水素と酸素から水を生成する反応によって電力を発生する。そして各燃料電池セルによる起電力は低いものであるが、多数の燃料電池セルを積層して電気的に直列に接続することにより、必要な起電力が得ることができる。
そしてシール構造体1は、その製造に際して、多孔質板10に設けた浸透制限領域13によってガスケット20の含浸部20aの不要な拡大が防止されたものであるため、ガス流通領域12が狭まってしまうのを確実に防止でき、しかもこの含浸部20aの縁部は、浸透制限領域13に沿って精度良く形成されているので、含浸部20aの領域のバラつきによる発電性能のバラつきも確実に防止することができる。
次に図6は、本発明に係る燃料電池用シール構造体の第二の形態の、燃料電池への組み込み例を示す説明図、図7は、図6に示される燃料電池用シール構造体を得るための、本発明に係る燃料電池用シール構造体の製造方法の第二の形態において、ガスケットを成形する工程を示す説明図である。
すなわち、先に説明した第一の形態では、ガスケット20を多孔質板10に一体成形したものであるが、図6に示される第二の形態では、シール構造体1は、電解質膜及びその両面に設けた触媒電極層からなる膜−電極複合体2aの厚さ方向両側にガス拡散層2bを積層一体化した発電体2と、この発電体2の厚さ方向両側に配置した多孔質板10を積層して、その積層体における外周縁や不図示の開口縁などに沿って、ゴム状弾性材料からなるガスケット20を一体に成形したものである。そしてこの積層体の両側に、カーボンあるいは導電性金属からなるセパレータ3が積層されることによって、燃料電池セルが構成される。
ガスケット20は、両側の多孔質板10におけるガスケット成形領域11を被覆するように形成されたベース部21と、その両側から隆起した主リップ22を有し、ベース部21は、ガスケット成形領域11と、発電体2において前記ガスケット成形領域11と対応する領域には、ガスケット20のゴム状弾性材料の一部が浸透して硬化することによって含浸部20aが形成されており、すなわちガスケット20は含浸部20aを介して、多孔質板10及び発電体2からなる積層体に一体的に接合されている。
このシール構造体1の成形も、基本的には第一の形態と同様であって、チタンあるいはステンレス等の金属板に、公知のフォトエッチング等のエッチング加工を行うことによって製作された多孔質板10を、電解質膜及びその両面に設けた触媒電極層からなる膜−電極複合体2aの厚さ方向両側にガス拡散層2bを積層一体化した発電体2の厚さ方向両側に積層し、その積層体を、図7に示されるように、ガスケット成形用の金型30内にセットする。なお、この形態においてガス拡散層2bは請求項3に記載された他の多孔質板に相当するものである。
金型30は、例えば分割型31,32からなり、両分割型31,32間における所定位置には、前記積層体を位置決め配置することができ、図示の型締め状態において、両側の多孔質板10におけるガスケット成形領域11との間にガスケット成形用キャビティ33A,33Bが画成されるようになっている。
すなわち、図7に示される型締め状態において、発電体2とその両側の多孔質板10からなる積層体の厚さ方向両側には、各多孔質板10におけるガスケット成形領域11に沿って厚さ方向に対称形状のガスケット成形用キャビティ33A,33Bが画成されると共に、多孔質板10における浸透制限領域13が一方の分割型31の押さえ部31aと他方の分割型32との間で密接状態に挟持される。
多孔質板10におけるガスケット成形領域11には無数の微細貫通空隙10aが存在しており、発電体2におけるガス拡散層2bも多孔質であるため、注入ゲート34からガスケット成形用キャビティ33A内へ、液状の成形用ゴム材料を充填すると、この成形用ゴム材料の一部は、充填圧力によってガスケット成形領域11の微細貫通空隙10a及びガス拡散層2bの微細空隙を埋めるように浸透する。
この場合、発電体2における膜−電極複合体2aを、図示の例のようにガスケット成形領域11に達しない大きさとするか、あるいは膜−電極複合体2aのうちガスケット成形領域11に達した部分に材料流通孔を開設しておけば、注入ゲート34から一方の分割型31側のキャビティ33A内へ充填された液状の成形用ゴム材料が、ガスケット成形領域11の積層体を厚さ方向へ浸透して他方の分割型32側のキャビティ33B内へ達するようにすることができる。あるいは、一方の分割型31側のキャビティ33A内へ充填された液状の成形用ゴム材料が、ガスケット成形領域11の外周を廻り込んで他方の分割型32側のキャビティ33B内へ達するようにしても良い。
そしてこの形態でも、多孔質板10におけるガスケット成形領域11からガス流通領域12へ向けて浸透しようとする成形用ゴム材料は、微細貫通空隙10aの存在しない浸透制限領域13において遮断され、また、この浸透制限領域13は適当な面圧で金型30の内面(一方の分割型31の押さえ部31aと他方の分割型32の内面)に密接されているので、ガスケット成形用キャビティ33内の成形用ゴム材料が、浸透制限領域13と金型30の内面の間からガス流通領域12側へ漏洩して浸透することもない。
なお、発電体2におけるガス拡散層2bには浸透制限領域は存在しないが、このガス拡散層2bはきわめて薄いものであり、しかも多孔質板10における浸透制限領域13の間で、ある程度の型締め圧力を受けているため、ガス拡散層2bにおいて成形用ゴム材料がガス流通領域12側へ浸透することも有効に抑制される。
金型30内に充填された成形用ゴム材料は、加熱によって架橋硬化して、図6に示されるガスケット20となり、多孔質板10のガスケット成形領域11及びその間のガス拡散層2bに浸透した状態で硬化した部分(図6に示される含浸部20a)を介して、発電体2及び多孔質板10からなる積層体と一体化される。架橋硬化後は分割型31,32を離間させて型開きを行い、成形品としてのシール構造体1を取り出す。
なお、上述した実施の形態のほかにも、例えば多孔質板10と、ガス拡散層2bの積層体にガスケット20を一体成形することなども考えられる。そしてこの場合も、多孔質板10はエッチング加工によって無数の微細貫通空隙を有するガスケット成形領域11と、無数の微細貫通空隙を有するガス流通領域12と、これら双方の領域11,12の間に沿って延び微細貫通空隙の存在しない適当な幅の浸透制限領域13を有するものとし、ガスケット20を、前記ガスケット成形領域11と、このガスケット成形領域11に対応するガス拡散層2bの領域に形成した含浸部20aを介して、多孔質板10に一体的に接合された構成とする。
1 燃料電池用シール構造体
10 多孔質板
10a 微細貫通空隙
11 ガスケット成形領域
12 ガス流通領域
13 浸透制限領域
20 ガスケット
20a 含浸部
30 金型
31a 押さえ部
33,33A,33B ガスケット成形用キャビティ
2 発電体
2b ガス拡散層(他の多孔質板)
3 セパレータ

Claims (5)

  1. 薄板に、無数の微細貫通空隙を有するガスケット成形領域と、無数の微細貫通空隙を有するガス流通領域と、これら双方の領域の間に沿って延び前記微細貫通空隙の存在しない浸透制限領域を形成することによって多孔質板とし、この多孔質板を金型内にセットして型締めすることによって前記浸透制限領域に前記金型の内面を密接させ、前記ガスケット成形領域と前記金型の内面との間に画成されるガスケット成形用キャビティに液状の成形材料を充填すると共にその一部を前記ガスケット成形領域に浸透させ、硬化させることを特徴とする燃料電池用シール構造体の製造方法。
  2. ガスケット成形領域及びガス流通領域の無数の微細貫通空隙をエッチング加工により形成し、浸透制限領域をエッチングのマスクパターンによる非エッチング領域として形成することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用シール構造体の製造方法。
  3. 多孔質板を他の多孔質板と積層し、ガスケット成形用キャビティに充填した液状の成形材料を、前記他の多孔質板におけるガスケット成形領域と対応する領域にも浸透させることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用シール構造体の製造方法。
  4. 多孔質板が金属からなることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用シール構造体の製造方法。
  5. 多孔質板と、この多孔質板に一体に成形されたガスケットを備え、前記多孔質板が、ガスケットが接合されると共に無数の微細貫通空隙に前記ガスケットの材料の一部が接合された含浸部と、無数の微細貫通空隙を有するガス流通領域と、前記含浸部とガス流通領域の間に沿って延び前記微細貫通空隙の存在しない浸透制限領域からなることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法により製造された燃料電池用シール構造体。
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