JP2007329083A - 燃料電池 - Google Patents

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Seiji Sano
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Hiromichi Sato
博道 佐藤
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裕 堀田
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Abstract

【課題】燃料電池の発電効率の低下を抑制することを可能とする。
【解決手段】燃料電池は、電解質層と電極層とを含む発電体と、発電に用いられるガスを流通させるための流路を内部に有し、発電体にガスを供給する拡散層と、拡散層にガスを供給するセパレータと、発電体の端面に沿って形成されたシール部と、を備える。拡散層は、燃料電池の積層方向に直交する方向に沿った拡散層内部から外部へのガスの流出を抑制する流出抑制部と、発電体に対向する側の表面が拡散層中央部と比較して発電体に対してより遠くに位置するような形状の拡散層周縁部と、を含む。シール部は、セパレータとの間で燃料電池の内部から外部へのガスの漏洩を抑制するシールを構成する有効シール部と、燃料電池の積層時に拡散層周縁部の発電体に対向する側の表面から積層方向に沿った力を受けて変形し、拡散層周縁部と接触するように構成された変形シール部と、を含む。
【選択図】図5

Description

本発明は、燃料電池に関し、特に発電性能の低下を抑制可能な燃料電池に関する。
近年、水素と酸素との電気化学反応を利用して発電する燃料電池が注目されている。燃料電池は、例えば、膜・電極接合体(以下「MEA(Membrane Electrode Assembly)」とも呼ぶ)と拡散層とセパレータとが、MEAの両面に拡散層が配置され、拡散層のMEAに対向する側とは反対側の面にセパレータが配置されるように、積層された構成を有する。MEAは、例えば、電解質層の一方の表面にカソード電極層が配置され他方の表面にアノード電極層が配置された構成を有する。拡散層は、例えば、多孔質の材料によって形成される。
燃料電池の拡散層には、セパレータを介して、酸素を含む空気と水素を含む燃料ガスとが供給される。燃料電池に供給される空気および燃料ガスは、反応ガスとも呼ばれる。燃料電池の拡散層に供給された反応ガスは、拡散層内を流通しつつMEAに供給され、MEAにおける発電に利用される。発電に利用されなかった反応ガスは、拡散層およびセパレータを介して燃料電池の外部へと排出される。
燃料電池の内部から外部への反応ガスの漏洩を防止するために、MEAおよび拡散層の周囲を取り囲むようにシール部材が設けられることがある(例えば特許文献1)。
特開2002−231274号公報 特開2004−119121号公報
上記従来の燃料電池では、シール部材と拡散層とが積層方向に沿って干渉することによってシールが不完全となったり面圧のばらつきが発生したりすることを防止するために、シール部材と拡散層とは所定の間隔を設けて配置される。この結果、シール部材と拡散層との間に空間が形成される。そのため、燃料電池に供給された反応ガスの一部が、拡散層の端面やMEAの積層面を介して当該空間に漏洩し、発電に利用されないまま外部へと排出される場合があった。反応ガスの一部が発電に利用されないまま排出されると、燃料電池の発電効率が低下するおそれがある。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、燃料電池の発電効率の低下を抑制することを可能とする技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の燃料電池は、
電解質層と前記電解質層の両面に配置された電極層とを含む発電体と、
前記発電体における発電に用いられるガスを流通させるための流路を内部に有し、前記発電体に前記ガスを供給する拡散層と、
前記拡散層に前記ガスを供給するセパレータと、
前記発電体の端面に沿って形成されたシール部と、を備え、
前記燃料電池は、前記発電体と前記拡散層と前記セパレータとが、前記発電体の両面に前記拡散層が配置されると共に、前記拡散層の前記発電体に対向する側とは反対側の面に前記セパレータが配置されるように、積層された構成を有し、
前記拡散層は、
前記燃料電池の積層方向に直交する方向に沿った前記拡散層内部から外部への前記ガスの流出を抑制する流出抑制部と、
前記拡散層の周縁に沿って形成された拡散層周縁部であって、前記発電体に対向する側の表面が、前記拡散層の前記拡散層周縁部以外の部分である拡散層中央部と比較して、前記発電体に対してより遠くに位置するような形状の拡散層周縁部と、を含み、
前記シール部は、
前記セパレータとの間で、前記燃料電池の内部から外部への前記ガスの漏洩を抑制するシールを構成する有効シール部と、
前記燃料電池の積層時に、前記拡散層周縁部の前記発電体に対向する側の表面から前記積層方向に沿った力を受けて変形し、前記拡散層周縁部と接触するように構成された変形シール部と、を含む。
この燃料電池では、流出抑制部により、燃料電池の積層方向に直交する方向に沿った拡散層内部から外部へのガスの流出が抑制される。また、発電体の端面に沿って形成されたシール部の有効シール部により、燃料電池の内部から外部へのガスの漏洩が抑制される。さらに、変形シール部が、燃料電池の積層時に、拡散層周縁部の発電体に対向する側の表面から積層方向に沿った力を受けて変形し、拡散層周縁部と接触するため、拡散層周縁部とシール部との間を介した拡散層とシール部との間の空間へのガスの漏洩が抑制される。従って、この燃料電池では、燃料電池の発電効率の低下を抑制することができる。
また、この燃料電池では、拡散層周縁部の発電体に対向する側の表面が、拡散層中央部と比較して、発電体に対してより遠くに位置している。そのため、拡散層周縁部と変形シール部とが接触することによって当該接触部分において面圧のばらつきが発生したり、シールが不完全となったりする恐れが抑制される。
上記燃料電池において、
前記拡散層周縁部は、前記拡散層の形成に用いる部材の一部を前記積層方向に沿って圧縮することにより形成されるとしてもよい。
この構成によれば、拡散層周縁部を効率よく形成することができると共に、拡散層周縁部の少なくとも一部を流出抑制部として機能させることができるため、燃料電池の製造の効率化を図ることができる。
また、上記燃料電池において、
前記拡散層周縁部は、前記拡散層中央部の端面に沿って配置されたシール材により構成されるとしてもよい。
この構成によっても、拡散層周縁部を効率よく形成することができると共に、拡散層周縁部の少なくとも一部を流出抑制部として機能させることができるため、燃料電池の製造の効率化を図ることができる。
また、上記燃料電池において、
前記変形シール部は、前記積層前に、前記積層方向に略直交する平板形状であって、前記積層方向に沿って前記発電体側に空間が形成されるような形状に形成されるとしてもよい。
この構成によれば、変形シール部を、燃料電池の積層時に拡散層周縁部の発電体に対向する側の表面から積層方向に沿った力を受けて変形し拡散層周縁部と接触するように構成することができる。
また、上記燃料電池において、
前記変形シール部は、前記シール部の他の部分よりも低剛性なシール材料を用いて形成されるとしてもよい。
この構成によれば、当該他の部分のシール性能に影響を与えることなく、変形シール部を、燃料電池の積層時に拡散層周縁部の発電体に対向する側の表面から積層方向に沿った力を受けて変形し拡散層周縁部と接触するように構成することができる。
また、上記燃料電池において、
前記セパレータの前記拡散層に対向する面は平坦形状であるとしてもよい。
この構成によれば、比較的ガス流の制御が困難な燃料電池においても、拡散層とシール部との間に形成される空間への反応ガスの漏洩を抑制することができるため、発電効率の低下を抑制することができる。
また、上記課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の燃料電池の製造方法は、
(a)電解質層と前記電解質層の両面に配置された電極層とを含む発電体と、前記発電体における発電に用いられるガスを流通させるための流路を内部に有し、前記発電体に前記ガスを供給する拡散層と、前記拡散層に前記ガスを供給するセパレータと、を準備する工程と、
(b)前記発電体の端面に沿ってシール部を形成する工程と、
(c)前記発電体と前記拡散層と前記セパレータとを、前記発電体の両面に前記拡散層が配置されると共に、前記拡散層の前記発電体に対向する側とは反対側の面に前記セパレータが配置されるように、積層する工程と、を備え、
前記工程(a)は、前記燃料電池の積層方向に直交する方向に沿った前記拡散層内部から外部への前記ガスの流出を抑制する流出抑制部と、前記拡散層の周縁に沿って形成された拡散層周縁部であって、前記発電体に対向する側の表面が、前記拡散層の前記拡散層周縁部以外の部分である拡散層中央部と比較して、前記発電体に対してより遠くに位置するような形状の拡散層周縁部と、を含む前記拡散層を準備する工程であり、
前記工程(b)は、前記セパレータとの間で、前記燃料電池の内部から外部への前記ガスの漏洩を抑制するシールを構成する有効シール部と、前記工程(c)の際に、前記拡散層周縁部の前記発電体に対向する側の表面から前記積層方向に沿った力を受けて変形し、前記拡散層周縁部と接触するように構成された変形シール部と、を含む前記シール部を形成する工程である。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、燃料電池、燃料電池の製造方法、燃料電池用単セル、燃料電池を備えた移動体等の態様で実現することができる。
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
B.第2実施例:
C.第3実施例:
D.第4実施例:
E.変形例:
A.第1実施例:
図1および図2は、本発明の第1実施例としての燃料電池100の断面構成を概略的に示す説明図である。また、図3および図4は、本発明の第1実施例としての燃料電池100の平面構成を概略的に示す説明図である。図1(a)は、図3および図4における1−1切断面に沿った燃料電池100の断面構成を示しており、図1(b)は、図1(a)におけるX1部を拡大して示している。図2(a)は、図3および図4における2−2切断面に沿った燃料電池100の断面構成を示しており、図2(b)は、図2(a)におけるX2部を拡大して示している。図3は、図1および図2における上側から見たセパレータ300の平面構成を示している。図3において、二点鎖線で囲んだ領域PAは、単セル200(より詳細には後述のカソード側第1拡散層230)と接する領域を表している。図4は、図1および図2における上側から見た単セル200の平面構成を示している。
燃料電池100は、例えば酸化ガスとしての空気と水素リッチな燃料ガスとを用いて発電を行う装置である。本実施例の燃料電池100は、固体高分子型の燃料電池である。燃料電池100は、図1および図2に示すように、単セル200とセパレータ300とが交互に積層された構成を有している。図1および図2では、燃料電池100に含まれる単セル200およびセパレータ300の内の一部を抜き出して示しており、他の単セル200およびセパレータ300は図示を省略している。なお、本明細書では、燃料電池100の各部材を積層する方向、すなわち、図1および図2における上下方向を、「燃料電池100の積層方向」または単に「積層方向」と呼ぶ。
単セル200は、図1(a)および図2(a)に示すように、発電体210と、発電体210を両側から挟むように配置されたアノード側の第1の拡散層220およびカソード側の第1の拡散層230と、を有している。以下の説明では、アノード側の第1の拡散層220を単に「アノード側第1拡散層220」と呼び、カソード側の第1の拡散層230を単に「カソード側第1拡散層230」と呼ぶものとする。また、アノード側第1拡散層220およびカソード側第1拡散層230を、まとめて「第1拡散層220および230」とも呼ぶものとする。第1拡散層220および230は、内部空隙率が高く気体が内部を流通する際の圧力損失が小さい金属製多孔体やカーボン製多孔体を用いて構成されており、発電体210における発電に用いられる反応ガス(空気および燃料ガス)を流通させる多孔体流路として機能する。
アノード側第1拡散層220は、図1(b)および図2(b)に示すように、アノード側第1拡散層220の周縁に沿って形成されたアノード側第1拡散層周縁部224と、アノード側第1拡散層周縁部224以外の部分であるアノード側第1拡散層中央部222と、により構成されている。同様に、カソード側第1拡散層230は、カソード側第1拡散層230の周縁に沿って形成されたカソード側第1拡散層周縁部234と、カソード側第1拡散層周縁部234以外の部分であるカソード側第1拡散層中央部232と、により構成されている。以下の説明では、アノード側第1拡散層周縁部224およびカソード側第1拡散層周縁部234を、まとめて「第1拡散層周縁部224および234」とも呼ぶ。また、アノード側第1拡散層中央部222およびカソード側第1拡散層中央部232を、まとめて「第1拡散層中央部222および232」とも呼ぶ。
図1(b)および図2(b)に示すように、第1拡散層中央部222および232は、発電体210に対向する表面が発電体210の表面に接触している。一方、第1拡散層周縁部224および234は、発電体210に対向する表面が発電体210の表面に接触していない。すなわち、第1拡散層周縁部224および234は、発電体210に対向する表面が、第1拡散層中央部222および232と比較して、発電体210に対してより遠くに位置するような形状に形成されている。なお、周縁部か中央部かに関わらず、第1拡散層220および230のセパレータ300に対向する表面は、セパレータ300の表面に接触している。
発電体210は、図1(b)および図2(b)に示すように、イオン交換膜によって形成された電解質層212と、電解質層212を両側から挟むように配置されたアノード側触媒電極層214およびカソード側触媒電極層215と、を有している。アノード側触媒電極層214およびカソード側触媒電極層215は、触媒担持カーボンを含んでいる。なお、電解質層212とアノード側触媒電極層214およびカソード側触媒電極層215との積層体は、「MEA(Membrane Electrode Assembly)」または「膜・電極接合体」とも呼ばれる。
さらに、本実施例では、発電体210は、アノード側触媒電極層214の電解質層212と対向する面とは反対側の面に配置されたアノード側の第2の拡散層216と、カソード側触媒電極層215の電解質層212と対向する面とは反対側の面に配置されたカソード側の第2の拡散層217と、を有している。以下の説明では、アノード側の第2の拡散層216を単に「アノード側第2拡散層216」と呼び、カソード側の第2の拡散層217を単に「カソード側第2拡散層217」と呼ぶものとする。また、アノード側第2拡散層216およびカソード側第2拡散層217を、まとめて「第2拡散層216および217」とも呼ぶものとする。第2拡散層216および217は、内部空隙率が高く気体が内部を流通する際の圧力損失が小さい金属製多孔体やカーボン製多孔体を用いて構成されている。なお、本実施例のように構成された発電体210は、「MEGA」とも呼ばれる。
セパレータ300は、図1(b)および図2(b)に示すように、カソード側第1拡散層230に対向するカソード対向プレート310と、アノード側第1拡散層220に対向するアノード対向プレート330と、カソード対向プレート310およびアノード対向プレート330に狭持された中間プレート320と、が積層された3層構造を有している。セパレータ300を構成する3枚のプレート(カソード対向プレート310、アノード対向プレート330、中間プレート320)は、金属製の略四角形平面の薄板である。
燃料電池100は、図1(a)に示すように、発電に用いられる空気を供給する空気供給路640と、利用されなかった空気を排出する空気排出路650と、を備えている。セパレータ300には、図1および図3に示すように、空気供給路640から供給された空気を単セル200に導くと共に、単セル200から排出された空気を空気排出路650へと導くための流路が形成されている。すなわち、セパレータ300は、空気供給路640が貫通する貫通口342と、空気を空気供給路640から内部へと導くための空気流路344と、空気流路344とカソード側第1拡散層230の表面とを連通するためにカソード対向プレート310に形成された空気供給口346と、を有している。また、セパレータ300は、空気排出路650が貫通する貫通口352と、空気を空気排出路650へと導くための空気流路354と、空気流路354とカソード側第1拡散層230の表面とを連通するためにカソード対向プレート310に形成された空気排出口356と、を有している。図1において矢印で示したように、空気供給路640に供給された空気は、貫通口342、空気流路344、空気供給口346を経てカソード側第1拡散層230内部に流入する。その後、空気は、カソード側第1拡散層230内部を通過しつつ発電体210における発電に利用され、利用されなかった空気は、空気排出口356、空気流路354、貫通口352を経て空気排出路650に排出される。
同様に、燃料電池100は、図2(a)に示すように、発電に用いられる燃料ガスを供給する燃料供給路660と、利用されなかった燃料ガスを排出する燃料排出路670と、を備えている。セパレータ300には、図2および図3に示すように、燃料供給路660から供給された燃料ガスを単セル200に導くと共に、単セル200から排出された燃料ガスを燃料排出路670へと導くための流路が形成されている。すなわち、セパレータ300は、燃料供給路660が貫通する貫通口362と、燃料ガスを燃料供給路660から内部へと導くための燃料流路364と、燃料流路364とアノード側第1拡散層220の表面とを連通するためにアノード対向プレート330に形成された燃料供給口366と、を有している。また、セパレータ300は、燃料排出路670が貫通する貫通口372と、燃料ガスを燃料排出路670へと導くための燃料流路374と、燃料流路374とアノード側第1拡散層220の表面とを連通するためにアノード対向プレート330に形成された燃料排出口376と、を有している。図2において矢印で示したように、燃料供給路660に供給された燃料ガスは、貫通口362、燃料流路364、燃料供給口366を経てアノード側第1拡散層220内部に流入する。その後、燃料ガスは、アノード側第1拡散層220内部を通過しつつ発電体210における発電に利用され、利用されなかった燃料ガスは、燃料排出口376、燃料流路374、貫通口372を経て燃料排出路670に排出される。
さらに、セパレータ300には、燃料電池100を冷却する冷却媒体が流通する流路が形成されている。すなわち、セパレータ300は、冷却媒体を供給する図示しない冷却媒体供給路が貫通する貫通口382(図3)と、冷却媒体を排出する図示しない冷却媒体排出路が貫通する貫通口392(図3)と、2つの貫通口382および392を連通する冷却媒体流路384(図3および図1(a))と、を有している。冷却媒体供給路に供給された冷却媒体は、貫通口382、冷却媒体流路384、貫通口392を経て、冷却媒体排出路に排出される。
このように、セパレータ300は、単セル200に対向する表面が平坦形状に形成されており、表面に反応ガスの流路としての溝を有していない。セパレータ300における上述した空気、燃料ガス、冷却媒体が流通する流路の形成は、セパレータ300を構成する3枚のプレート(カソード対向プレート310、アノード対向プレート330、中間プレート320)に、所定の打ち抜き加工を施すことによって行われる。そのため、本実施例の燃料電池100では、セパレータ300の製造の容易化・低コスト化を図ることができる。
発電体210の周囲には、図1および図2に示すように、発電体210の端面に沿って配置されたシール部510が設けられている。シール部510は、単セル200に供給された反応ガス(燃料ガスおよび空気)の外部への漏洩を抑制するとともに、発電体210の端面を介したアノード側とカソード側との間における反応ガスの流通(いわゆるクロスリーク)を抑制するガスケットとして機能する。なお、本明細書では、面状部材の厚さ方向に平行な表面を「端面」と呼び、面状部材の厚さ方向に直交する表面を「積層面」と呼ぶものとする。
シール部510は、例えばゴム系のシール材料を用いた射出成形により形成される。シール部510の形成の際には、シール部510を形成するためのシール材料を発電体210の内部に含浸させ、いわゆるアンカー効果によりシール部510と発電体210とを結合する。図1(b)および図2(b)では、発電体210の内部に含浸したシール材料を、シール部510を示すハッチングと同じハッチングを付して示している。
シール部510は、発電体210を構成する各層の端面全体を覆うように形成されている。また、シール部510は、凸型断面形状のリップ部512をアノード側とカソード側との両側に有している。リップ部512は、本発明における有効シール部に相当する。リップ部512は、セパレータ300の表面(積層面)に密着している。
シール部510は、図4に示すように、発電体210の周囲を取り囲むように配置されている。図4には、シール部510として、シール部510のリップ部512とセパレータ300との当接部(シールラインSL)を示している。図4にはアノード側のシール部510のみが示されているが、カソード側も同様に、シール部510が発電体210の周囲を取り囲むように配置されている。
このように、シール部510が発電体210の周囲を取り囲むように配置され、シール部510のリップ部512がセパレータ300の表面に密着しているため、燃料電池100内部から外部への反応ガスの漏洩が抑制される。また、シール部510が発電体210の端面全体を覆っている上に、発電体210の端部の内部にシール材料が含浸しているため、クロスリークが抑制される。
本実施例では、シール部510の形成の際に、シール材料を発電体210の内部に良好に含浸させるために、発電体210の端面に向けてのみならず、発電体210の端部の積層面に向けても射出を行っている。そのためシール部510は、発電体210の端部の積層面を覆う平板断面形状の被覆部514を有している。
シール部510の被覆部514と、第1拡散層220および230の第1拡散層中央部222および232とは、図1(b)および図2(b)に示すように、所定の間隔を設けて配置される。そのため、寸法誤差等があった場合にも、被覆部514と第1拡散層中央部222および232とが積層方向に沿って干渉することがなく、このような干渉を原因とするシールの不具合や面圧のばらつきによる発電性能の低下が防止される。
また、シール部510は、アノード側およびカソード側において、被覆部514と積層方向に沿って並行するように形成された平板断面形状の変形シール部516を有している。変形シール部516は、リップ部512と同様に、発電体210の周囲に沿って連続した形状に形成されている。本実施例では、変形シール部516は、シール部510と同じ材料を用いて、シール部510の他の部分と一体として形成される。アノード側およびカソード側の変形シール部516は、それぞれ、第1拡散層周縁部224および234と接触している。変形シール部516の詳細については、後述する。
図5は、第1実施例における燃料電池100の製造方法を概念的に示す説明図である。図5(a)には、発電体210と第1拡散層220および230とセパレータ300との積層が行われる前の各部材の状態を示している。
各部材の積層前には、第1拡散層220および230の周縁に沿って、第1拡散層周縁部224および234が形成される。本実施例では、第1拡散層周縁部224および234は、第1拡散層220および230を構成する材料に積層方向に沿った圧縮加工を施すことにより形成される。そのため、第1拡散層周縁部224および234は、内部の空隙が潰されて内部空隙率がきわめて低くなっており、内部における反応ガスの流通が抑制される構造となっている。すなわち、第1拡散層周縁部224および234は、第1拡散層220および230の目留めとしても機能する。なお、圧縮加工が施されない部分が第1拡散層中央部222および232となる。
また、各部材の積層前には、発電体210にシール部510が形成される。このときのシール部510の断面形状は、リップ部512の位置における積層方向に沿った厚さが、発電体210と第1拡散層220および230との厚さの合計よりも大きい形状となっている。また、シール部510には、積層方向に略直交する平板断面形状の変形シール部516が、変形シール部516と被覆部514との間に所定の大きさの空間が設けられるような位置に形成されている。
ここで、アノード側第1拡散層220および変形シール部516の形状および位置は、変形シール部516のアノード側第1拡散層220に対向する表面から発電体210の表面までの距離dsと、アノード側第1拡散層周縁部224の厚さtpとの合計が、アノード側第1拡散層中央部222の厚さtcよりも大きくなるように、設定されている。カソード側についても同様に、カソード側第1拡散層230および変形シール部516の形状および位置は、変形シール部516のカソード側第1拡散層230に対向する表面から発電体210の表面までの距離dsと、カソード側第1拡散層周縁部234の厚さtpとの合計が、カソード側第1拡散層中央部232の厚さtcよりも大きくなるように、設定されている。
また、変形シール部516と第1拡散層周縁部224および234とは、積層方向に沿って、変形シール部516の少なくとも一部が第1拡散層周縁部224および234の少なくとも一部と重複するような位置関係となっている。
その後、図5(a)に示した各部材は積層されて締結される。各部材が積層された状態を図5(b)に示す。図5(b)は、図1(a)と同様の状態を表した図である。上述したように、リップ部512の位置におけるシール部510の厚さは、発電体210と第1拡散層220および230との厚さの合計よりも大きいため、燃料電池100を構成する各部材が積層されると、シール部510のリップ部512は、セパレータ300により圧縮されてセパレータ300の積層面に密着する。これにより、燃料電池100の内部から外部への反応ガスの漏洩を抑制するシールが構成される。なお、シール部510は、リップ部512とセパレータ300とにより構成されるシールに要求される耐圧性能に応じた硬度(反力)を有する材料、例えばシリコーンやフッ素、EPDM等のゴムを用いて形成される。
また、上述したように、アノード側において、変形シール部516の表面から発電体210の表面までの距離dsとアノード側第1拡散層周縁部224の厚さtpとの合計は、アノード側第1拡散層中央部222の厚さtcよりも大きいため、各部材の積層の際には、アノード側第1拡散層中央部222の表面が発電体210に接触する前に、変形シール部516とアノード側第1拡散層周縁部224の発電体210に対向する表面とが干渉する。変形シール部516と被覆部514との間には空間が設けられているため、変形シール部516は、アノード側第1拡散層周縁部224から積層方向に沿った力を受けて変形する。この変形は、変形シール部516のアノード側第1拡散層周縁部224と接触する部分において、距離dsが小さくなるような変形である。カソード側においても同様に、カソード側第1拡散層中央部232の表面が発電体210に接触する前に、変形シール部516とカソード側第1拡散層周縁部234の発電体210に対向する表面とが干渉し、変形シール部516が、カソード側第1拡散層周縁部234から積層方向に沿った力を受けて変形する。
その後、第1拡散層中央部222および232の表面が発電体210に接触し、図5(b)に示す状態の燃料電池100が完成する。このとき、アノード側およびカソード側の変形シール部516は、それぞれ、第1拡散層周縁部224および234に接触(密着)した状態となる。また、第1拡散層周縁部224および234の位置における燃料電池100の厚さは、第1拡散層中央部222および232の位置における燃料電池100の厚さと略同一となる。
本実施例では、燃料電池100をこのように製造することにより、第1拡散層220および230の端面とシール部510のリップ部512との間に形成される空間(以下「拡散層周囲空間SS」と呼ぶ)への反応ガスの漏洩を抑制することができる。具体的には、第1拡散層周縁部224および234が、内部における反応ガスの流通が抑制される構造となっているため、第1拡散層周縁部224および234を介した、積層方向と直交する方向に沿った第1拡散層220および230の内部から拡散層周囲空間SSへの反応ガスの漏洩(図5(b)に破線の矢印F1で示す)が抑制される。また、アノード側およびカソード側の変形シール部516が、それぞれ、第1拡散層周縁部224および234に接触しているため、第1拡散層中央部222および232の端面や第2拡散層216および217の表面から流出した反応ガスの拡散層周囲空間SSへの漏洩(図5(b)に破線の矢印F2で示す)も抑制される。
反応ガスが拡散層周囲空間SSに漏洩し、拡散層周囲空間SSを通過してそのまま燃料電池100の外部へ排出されると、この分の反応ガスは発電に利用されない。その結果、燃料電池100の発電効率は低下してしまう。本実施例の燃料電池100では、拡散層周囲空間SSへの反応ガスの漏洩を抑制することができるため、発電効率の低下を抑制することができる。
また、本実施例の燃料電池100では、シール部510の被覆部514と、第1拡散層220および230の第1拡散層中央部222および232の端面と、の間に所定の間隔が設けられている。そのため、被覆部514と第1拡散層中央部222および232との積層方向に沿った干渉を原因とするシールの不具合や面圧のばらつきによる発電性能の低下が防止される。
なお、例えば液状ガスケット等の充填シールを用いて積層後にシールを行う従来のシール方法では、拡散層周囲空間SSのような小さな隙間にシール材を配置することは困難である。本実施例の燃料電池100では、積層後にシール形成作業を行う必要が無いため、拡散層周囲空間SSのような小さな隙間におけるシールを確実に構成することができると共に、部品点数の削減や組み付け作業の作業性向上を図ることができる。
また、本実施例の燃料電池100では、セパレータ300の単セル200に対向する表面が平坦形状に形成されており、セパレータ300は反応ガスの流路としての溝を有していない。そのため、反応ガスは、溝流路の代わりに第1拡散層220および230の内部を流通することとなる。第1拡散層220および230の内部を反応ガスの流路として利用する場合には、溝流路を利用する場合と比較して、ガス流の制御が困難である。そのため、第1拡散層220および230の内部を反応ガスの流路として利用する場合には、拡散層周囲空間SSへの反応ガスの漏洩がより大きな問題となる。本実施例の燃料電池100では、セパレータ300の単セル200に対向する表面が平坦形状に形成されている場合でも、拡散層周囲空間SSへの反応ガスの漏洩を抑制することができるため、発電効率の低下を抑制することができる。
B.第2実施例:
図6は、第2実施例における燃料電池の製造方法を概念的に示す説明図である。第2実施例では、アノード側第1拡散層220aおよびカソード側第1拡散層230aの構成が、図5に示した第1実施例とは異なっている。燃料電池のその他の構成は、第1実施例と同様である。
第2実施例においても、各部材の積層前に、第1拡散層220aおよび230aの周縁に沿って、第1拡散層周縁部224aおよび234aが形成される。第2実施例では、多孔体材料を用いて形成された第1拡散層中央部222aおよび232aの端面に沿って、樹脂を用いて第1拡散層周縁部224aおよび234aが形成される。第1拡散層周縁部224aおよび234aの形成に用いられる樹脂は、熱可塑性樹脂(例えばポリエーテルエーテルケトンやポリエーテルスルホン)であってもよいし、熱硬化性樹脂(例えばエポキシ樹脂、フェノール、尿素樹脂)であってもよい。本実施例では、第1拡散層中央部222aおよび232aの端面全体を覆うように第1拡散層周縁部224aおよび234aを形成することにより、第1拡散層中央部222aおよび232aの端面を介した積層方向に直交する方向に沿った反応ガスの漏洩が抑制される。すなわち、第1拡散層周縁部224aおよび234aは、第1拡散層220aおよび230aの目留めとしても機能する。
第1拡散層周縁部224aおよび234aの断面形状は、第1拡散層中央部222aおよび232aの層厚を有する矩形形状から発電体210に対向する側を斜めに削ったような三角形形状である。すなわち、第1拡散層周縁部224aおよび234aのセパレータ300に対向する表面は、第1拡散層中央部222aおよび232aのセパレータ300に対向する表面を含む平面内に含まれる。一方、第1拡散層周縁部224aおよび234aの発電体210に対向する表面は、第1拡散層中央部222aおよび232aの発電体210に対向する表面と比較して、発電体210に対してより遠くに位置している。
第2実施例では、第1拡散層周縁部224aおよび234aと変形シール部516とは、積層方向に沿って、変形シール部516の少なくとも一部が第1拡散層周縁部224aおよび234aの少なくとも一部と重複するような位置関係となっている。
第2実施例では、図6(a)に示した各部材が積層されて締結される。各部材が積層された状態を図6(b)に示す。第2実施例においても、第1実施例と同様に、各部材の積層の際には、アノード側第1拡散層中央部222aの表面が発電体210に接触する前に、変形シール部516とアノード側第1拡散層周縁部224aの発電体210に対向する表面とが干渉する。変形シール部516は、アノード側第1拡散層周縁部224aから積層方向に沿った力を受けて変形する。カソード側においても同様に、カソード側第1拡散層中央部232aの表面が発電体210に接触する前に、変形シール部516とカソード側第1拡散層周縁部234aの発電体210に対向する表面とが干渉し、変形シール部516が、カソード側第1拡散層周縁部234aから積層方向に沿った力を受けて変形する。
その後、第1拡散層中央部222aおよび232aの表面が発電体210に接触し、図6(b)に示す状態の燃料電池が完成する。このとき、アノード側およびカソード側の変形シール部516は、それぞれ、第1拡散層周縁部224aおよび234aに接触(密着)した状態となる。また、第1拡散層周縁部224aおよび234aの位置における燃料電池の厚さは、第1拡散層中央部222aおよび232aの位置における燃料電池の厚さと略同一となる。
第2実施例においても、第1拡散層220aおよび230aとシール部510のリップ部512との間に形成される拡散層周囲空間SSへの反応ガスの漏洩を抑制することができる。具体的には、樹脂により形成された第1拡散層周縁部224aおよび234aの存在により、積層方向と直交する方向に沿った第1拡散層220aおよび230aの内部から拡散層周囲空間SSへの反応ガスの漏洩(図6(b)に破線の矢印F1で示す)が抑制される。また、アノード側およびカソード側の変形シール部516が、それぞれ、第1拡散層周縁部224aおよび234aに接触しているため、第2拡散層216および217の表面から流出した反応ガスの拡散層周囲空間SSへの漏洩(図6(b)に破線の矢印F2で示す)も抑制される。そのため、第2実施例の燃料電池においても、発電効率の低下を抑制することができる。
C.第3実施例:
図7は、第3実施例における燃料電池の製造方法を概念的に示す説明図である。第3実施例では、シール部510bの構成が、図5に示した第1実施例とは異なっている。燃料電池のその他の構成は、第1実施例と同様である。
第3実施例においても、各部材の積層前に、発電体210にシール部510bが形成される。シール部510bは、変形シール部518を有している。第3実施例では、変形シール部518の形成方法や形状が、第1実施例における変形シール部516(図5(a))とは異なっている。
第3実施例では、図7(a)に示すように、変形シール部518が、シール部510bの他の部分(以下「シール部510b本体」とも呼ぶ)の材料よりも低剛性の低反力シール材料(例えばポリアミド系熱可塑性エラストマー)を用いて形成される。変形シール部518は、被覆部514の上に直接積層するように配置され、その断面形状は、略矩形形状となっている。変形シール部518は、シール部510b本体の成型の際に同時に成型されてもよいし、シール部510b本体の成型の後に後貼りされてもよい。
アノード側第1拡散層220および変形シール部518の形状および位置は、変形シール部518のアノード側第1拡散層220に対向する表面から発電体210の表面までの距離dsと、アノード側第1拡散層周縁部224の厚さtpとの合計が、アノード側第1拡散層中央部222の厚さtcよりも大きくなるように、設定されている。カソード側についても同様に、カソード側第1拡散層230および変形シール部518の形状および位置は、変形シール部518のカソード側第1拡散層230に対向する表面から発電体210の表面までの距離dsと、カソード側第1拡散層周縁部234の厚さtpとの合計が、カソード側第1拡散層中央部232の厚さtcよりも大きくなるように、設定されている。また、変形シール部518と第1拡散層周縁部224および234とは、積層方向に沿って、変形シール部518の少なくとも一部が第1拡散層周縁部224および234の少なくとも一部と重複するような位置関係となっている。
第3実施例では、図7(a)に示した各部材が積層されて締結される。各部材が積層された状態を図7(b)に示す。第3実施例においても、第1実施例と同様に、各部材の積層の際には、アノード側第1拡散層中央部222の表面が発電体210に接触する前に、変形シール部518とアノード側第1拡散層周縁部224の発電体210に対向する表面とが干渉する。変形シール部518は、低反力シール材料を用いて形成されているため、アノード側第1拡散層周縁部224から積層方向に沿った力を受けて変形する。このとき、シール部510の他の部分(例えば被覆部514)が変形することはないため、シール部510のシール性能に影響が及ぶことはない。カソード側においても同様に、カソード側第1拡散層中央部232の表面が発電体210に接触する前に、変形シール部518とカソード側第1拡散層周縁部234の発電体210に対向する表面とが干渉し、変形シール部518が、カソード側第1拡散層周縁部234から積層方向に沿った力を受けて変形する。
その後、第1拡散層中央部222および232の表面が発電体210に接触し、図7(b)に示す状態の燃料電池が完成する。このとき、アノード側およびカソード側の変形シール部518は、それぞれ、第1拡散層周縁部224および234に接触(密着)した状態となる。また、変形した変形シール部518は、第1拡散層中央部222および232と被覆部514との間に形成された空間内に流入した状態となる。第1拡散層周縁部224および234の位置における燃料電池の厚さは、第1拡散層中央部222および232の位置における燃料電池の厚さと略同一となる。
なお、変形シール部518の形状および材料は、変形シール部518の部分における燃料電池の面圧が0.2MPa以上とならないように、設定される。
第3実施例においても、第1拡散層220および230とシール部510のリップ部512との間に形成される拡散層周囲空間SSへの反応ガスの漏洩を抑制することができる。具体的には、第1実施例と同様に、第1拡散層周縁部224および234が、内部における反応ガスの流通が抑制される構造となっているため、第1拡散層周縁部224および234を介した、積層方向と直交する方向に沿った第1拡散層220および230の内部から拡散層周囲空間SSへの反応ガスの漏洩(図7(b)に破線の矢印F1で示す)が抑制される。また、アノード側およびカソード側の変形シール部518が、それぞれ、第1拡散層周縁部224および234に接触しているため、第1拡散層中央部222および232の端面や第2拡散層216および217の表面から流出した反応ガスの拡散層周囲空間SSへの漏洩(図7(b)に破線の矢印F2で示す)も抑制される。そのため、第3実施例の燃料電池においても、発電効率の低下を抑制することができる。
なお、第3実施例では、変形シール部518が第1拡散層中央部222および232と被覆部514との間に形成された空間内に流入し、この空間における圧力損失が大きくなっているため、図7(b)に矢印F2で示した反応ガスの漏洩をより効果的に抑制することができる。
D.第4実施例:
図8は、第4実施例としての燃料電池の断面構成を概略的に示す説明図である。図8に示す燃料電池100cの断面構成は、第1実施例において図1に示した断面の位置に相当する位置の断面構成である。すなわち、図3における1−1切断面に沿った燃料電池100cの断面構成である。第4実施例の燃料電池100cは、単セル200cの構成が、第1実施例における単セル200(図1)の構成とは異なっている。燃料電池100cのその他の構成は、第1実施例の燃料電池と同様である。
第4実施例の燃料電池100cの単セル200cは、図8(a)に示すように、発電体210cと、発電体210cを両側から挟むように配置されたアノード側第2拡散層216cおよびカソード側第2拡散層217cとにより構成されている。また、発電体210cは、図8(b)に示すように、電解質層212と、電解質層212を両側から挟むように配置されたアノード側触媒電極層214cおよびカソード側触媒電極層215cとにより構成されている。第4実施例の燃料電池100cは、図1および図2に示す第1実施例の燃料電池100が備えるアノード側第1拡散層220およびカソード側第1拡散層230を備えていない。
第4実施例の燃料電池100cにおいても、第1実施例の燃料電池100と同様に、発電体210cの周囲に、シール部510が設けられている。シール部510は、変形シール部516を有している。
また、第2拡散層216cおよび217cは、第1実施例における第1拡散層220および230と同様に、第2拡散層周縁部244および254と、第2拡散層中央部242および252と、から構成されている。第2拡散層周縁部244および254は、第2拡散層216cおよび217cを構成する材料に積層方向に沿った圧縮加工を施すことにより形成される。
第4実施例の燃料電池100cの製造方法は、第1実施例における第1拡散層220および230が第2拡散層216cおよび217cに対応している点を除き、図5に示した第1実施例における燃料電池の製造方法と同様である。すなわち、発電体210cにシール部510が形成された後に、発電体210cと、第2拡散層216cおよび217cと、セパレータ300とが積層される。各部材の積層の際には、変形シール部516が、第2拡散層周縁部244および254から積層方向に沿った力を受けて変形する。各部材の積層が完了すると、アノード側およびカソード側の変形シール部516は、それぞれ、第2拡散層周縁部244および254に接触(密着)した状態となる。そのため、第4実施例の燃料電池100cにおいても、拡散層周囲空間SSへの反応ガスの漏洩を抑制することにより、発電効率の低下を抑制することができる。
E.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
E−1.変形例1:
上記各実施例における変形シール部(516および518)の構成は、あくまで一例である。変形シール部は、燃料電池の積層時に、第1拡散層周縁部224および234(または第2拡散層周縁部244および254)(以下これらをまとめて「拡散層周縁部」とも呼ぶ)の発電体210に対向する表面から積層方向に沿った力を受けて変形し、拡散層周縁部に接触するように構成されていれば、任意の構成を採用可能である。例えば、変形シール部の断面形状は、平板形状や矩形形状である必要はない。
また、上記各実施例では、変形シール部が発電体210の周囲に沿って連続的に形成されているが、変形シール部が発電体210の周囲に沿って部分的に(断続的に)形成されるとしてもよい。ただし、変形シール部を発電体210の周囲に沿って連続的に形成すれば、反応ガスの漏洩をより良好に抑制することができる。
E−2.変形例2:
上記各実施例における拡散層周縁部の構成は、あくまで一例である。拡散層周縁部は、発電体210に対向する側の表面が、拡散層周縁部以外の部分(拡散層中央部)と比較して、発電体210に対してより遠くに位置するように構成されていれば、任意の構成を採用可能である。例えば、図1に示す第1実施例の拡散層周縁部と同様の断面形状を有する拡散層周縁部を、圧縮加工によらず、切削加工や複数部材の接合加工等によって形成するとしてもよい。この場合には、別途、拡散層周縁部の内部における反応ガスの流通を抑制するための処理(例えば樹脂を用いた目留め処理)を行ってもよい。また、例えば、拡散層周縁部の発電体210に対向する側の表面は、図1に示す第1実施例のように積層方向に直交する平面状である必要はなく、積層方向に直交しない平面状であってもよいし、曲面状であってもよい。
E−3.変形例3:
上記各実施例では、各部材の形状や部材間の位置関係について、アノード側とカソード側とで同一であるとして説明したが、各部材の形状や部材間の位置関係は、アノード側とカソード側とで独立して設定されていればよく、アノード側とカソード側とで同一である必要はない。
E−4.変形例4:
上記各実施例では、セパレータ300は3層の金属板を積層した構成であり、その形状は表面が平坦な形状であるとしているが、セパレータ300の構成は他の任意の構成とすることが可能であり、またセパレータ300の形状は他の任意の形状とすることが可能である。また、上記各実施例では、セパレータ300を金属を用いて形成するとしているが、例えばカーボンといった他の材料を用いることも可能である。
E−5.変形例5:
上記各実施例では、燃料電池100は、単セル200とセパレータ300とが交互に積層された構成を有しているとしているが、燃料電池100を単セル200とその両側に配置したセパレータ300とによって構成することも可能である。
本発明の第1実施例としての燃料電池100の断面構成を概略的に示す説明図である。 本発明の第1実施例としての燃料電池100の断面構成を概略的に示す説明図である。 本発明の第1実施例としての燃料電池100の平面構成を概略的に示す説明図である。 本発明の第1実施例としての燃料電池100の平面構成を概略的に示す説明図である。 第1実施例における燃料電池100の製造方法を概念的に示す説明図である。 第2実施例における燃料電池の製造方法を概念的に示す説明図である。 第3実施例における燃料電池の製造方法を概念的に示す説明図である。 第4実施例としての燃料電池の断面構成を概略的に示す説明図である。
符号の説明
100...燃料電池
200...単セル
210...発電体
212...電解質層
214...アノード側触媒電極層
215...カソード側触媒電極層
216...アノード側第2拡散層
217...カソード側第2拡散層
220...アノード側第1拡散層
222...アノード側第1拡散層中央部
224...アノード側第1拡散層周縁部
230...カソード側第1拡散層
232...カソード側第1拡散層中央部
234...カソード側第1拡散層周縁部
242...アノード側第2拡散層中央部
244...アノード側第2拡散層周縁部
252...カソード側第2拡散層中央部
254...カソード側第2拡散層周縁部
300...セパレータ
310...カソード対向プレート
320...中間プレート
330...アノード対向プレート
342...貫通口
344...空気流路
346...空気供給口
352...貫通口
354...空気流路
356...空気排出口
362...貫通口
364...燃料流路
366...燃料供給口
372...貫通口
374...燃料流路
376...燃料排出口
382...貫通口
384...冷却媒体流路
392...貫通口
510...シール部
512...リップ部
514...被覆部
516...変形シール部
518...変形シール部
640...空気供給路
650...空気排出路
660...燃料供給路
670...燃料排出路

Claims (7)

  1. 燃料電池であって、
    電解質層と前記電解質層の両面に配置された電極層とを含む発電体と、
    前記発電体における発電に用いられるガスを流通させるための流路を内部に有し、前記発電体に前記ガスを供給する拡散層と、
    前記拡散層に前記ガスを供給するセパレータと、
    前記発電体の端面に沿って形成されたシール部と、を備え、
    前記燃料電池は、前記発電体と前記拡散層と前記セパレータとが、前記発電体の両面に前記拡散層が配置されると共に、前記拡散層の前記発電体に対向する側とは反対側の面に前記セパレータが配置されるように、積層された構成を有し、
    前記拡散層は、
    前記燃料電池の積層方向に直交する方向に沿った前記拡散層内部から外部への前記ガスの流出を抑制する流出抑制部と、
    前記拡散層の周縁に沿って形成された拡散層周縁部であって、前記発電体に対向する側の表面が、前記拡散層の前記拡散層周縁部以外の部分である拡散層中央部と比較して、前記発電体に対してより遠くに位置するような形状の拡散層周縁部と、を含み、
    前記シール部は、
    前記セパレータとの間で、前記燃料電池の内部から外部への前記ガスの漏洩を抑制するシールを構成する有効シール部と、
    前記燃料電池の積層時に、前記拡散層周縁部の前記発電体に対向する側の表面から前記積層方向に沿った力を受けて変形し、前記拡散層周縁部と接触するように構成された変形シール部と、を含む、燃料電池。
  2. 請求項1記載の燃料電池であって、
    前記拡散層周縁部は、前記拡散層の形成に用いる部材の一部を前記積層方向に沿って圧縮することにより形成される、燃料電池。
  3. 請求項1記載の燃料電池であって、
    前記拡散層周縁部は、前記拡散層中央部の端面に沿って配置されたシール材により構成される、燃料電池。
  4. 請求項1記載の燃料電池であって、
    前記変形シール部は、前記積層前に、前記積層方向に略直交する平板形状であって前記積層方向に沿って前記発電体側に空間が形成されるような形状に形成される、燃料電池。
  5. 請求項1記載の燃料電池であって、
    前記変形シール部は、前記シール部の他の部分よりも低剛性なシール材料を用いて形成される、燃料電池。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の燃料電池であって、
    前記セパレータの前記拡散層に対向する面は平坦形状である、燃料電池。
  7. 燃料電池の製造方法であって、
    (a)電解質層と前記電解質層の両面に配置された電極層とを含む発電体と、前記発電体における発電に用いられるガスを流通させるための流路を内部に有し、前記発電体に前記ガスを供給する拡散層と、前記拡散層に前記ガスを供給するセパレータと、を準備する工程と、
    (b)前記発電体の端面に沿ってシール部を形成する工程と、
    (c)前記発電体と前記拡散層と前記セパレータとを、前記発電体の両面に前記拡散層が配置されると共に、前記拡散層の前記発電体に対向する側とは反対側の面に前記セパレータが配置されるように、積層する工程と、を備え、
    前記工程(a)は、前記燃料電池の積層方向に直交する方向に沿った前記拡散層内部から外部への前記ガスの流出を抑制する流出抑制部と、前記拡散層の周縁に沿って形成された拡散層周縁部であって、前記発電体に対向する側の表面が、前記拡散層の前記拡散層周縁部以外の部分である拡散層中央部と比較して、前記発電体に対してより遠くに位置するような形状の拡散層周縁部と、を含む前記拡散層を準備する工程であり、
    前記工程(b)は、前記セパレータとの間で、前記燃料電池の内部から外部への前記ガスの漏洩を抑制するシールを構成する有効シール部と、前記工程(c)の際に、前記拡散層周縁部の前記発電体に対向する側の表面から前記積層方向に沿った力を受けて変形し、前記拡散層周縁部と接触するように構成された変形シール部と、を含む前記シール部を形成する工程である、燃料電池の製造方法。
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