JP2013182791A - 燃料電池セル及び燃料電池スタック - Google Patents
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Abstract
【解決手段】インターコネクタ(以下、IC)3a,3bと、電解質4の両面に電極面5a,5bが形成されているセル本体6と、反応ガス室7a,7bと、ガス供給部8a,8bと、排気部9a,9bとを有し、反応ガス室7a,7bの一方は、排気部9a,9bとは反対側の縁にガスシール部材11を介してセル本体6上に載置されるシール壁10を備えており、さらに反応ガス室7a,7bに対応するガス供給部8a,8bは、シール壁10近傍のガス流出口15からセル本体6に向けて且つそれと交差する向きに反応ガスを流出させるようになっている燃料電池セル1であって、セル本体6とガス流出口15との間にガス流出口15から流出する反応ガスを受け且つその反応ガスの流れを排気部方向又はシール壁10の壁面に沿う方向に変化させるシール保護手段17を設けるようにした。
【選択図】 図1
Description
そして、少なくとも一方の反応ガス室104aは、インターコネクタ100aから突設されると共にガスシール部材107を介してセル本体103上に載置されるシール壁108を排気部106aとは反対側の縁に備えている。
さらにこの反応ガス室104aに対応するガス供給部105aは、シール壁108の近傍に開設されたガス流出口109からセル本体103に向けて且つ該セル本体103とほぼ直交状に交差する向きに反応ガスを流出させるようになっている(例えば特許文献1参照)。
上記の目的を達成するため本発明は、
一対のインターコネクタと、
前記インターコネクタ間に位置し、電解質の上下両面に電極面が形成されている平板状のセル本体と、
前記各インターコネクタとそれぞれの前記電極面との間に形成された反応ガス室と、
前記各反応ガス室にそれぞれの反応ガスを供給するガス供給部と、
発電後の反応ガスを排出するために前記各反応ガス室に設けられた排気部と、を有し、
前記反応ガス室の少なくとも一方は、前記排気部とは反対側の縁に、ガスシール部材を介して前記セル本体上に載置されるシール壁を備えており、
さらにこの反応ガス室に対応する前記ガス供給部は、前記シール壁の近傍に開設されたガス流出口から前記セル本体に向けて且つ該セル本体と交差する向きに反応ガスを流出させるようになっている燃料電池セルであって、
前記セル本体と前記ガス流出口との間に、該ガス流出口から前記セル本体と交差する向きに流出する反応ガスを受け且つ該反応ガスの流れを前記排気部方向又は前記シール壁の壁面に沿う方向に変化させるようにしたシール保護手段を設けた燃料電池セルを提供する。
一対のインターコネクタと、
前記インターコネクタ間に位置し、電解質の上下両面に電極面が形成されている平板状のセル本体と、
前記各インターコネクタとそれぞれの前記電極面との間に形成された反応ガス室と、
前記各反応ガス室にそれぞれの反応ガスを供給するガス供給部と、
発電後の反応ガスを排出するために前記各反応ガス室に設けられた排気部と、を有し、
前記反応ガス室の少なくとも一方は、前記排気部とは反対側の縁に、ガスシール部材を介して前記セル本体上に載置されるシール壁を備えており、
さらにこの反応ガス室に対応する前記ガス供給部は、前記シール壁の近傍に開設されたガス流出口から前記セル本体に向けて且つ該セル本体と交差する向きに反応ガスを流出させるようになっている燃料電池セルであって、
前記セル本体と前記ガス流出口との間に、該ガス流出口から前記セル本体と交差する向きに流出する反応ガスを受け且つ該反応ガスの流れを前記排気部方向及び前記シール壁の壁面に沿う方向に変化させるようにしたシール保護手段を設けた燃料電池セルを提供する。
また、前記シール保護手段は、前記シール壁における反応ガス室側の壁面に沿う部位を有する適用例1又は2に記載の燃料電池セルを提供する。
また、前記シール保護手段は、前記セル本体に対して交差する方向に流れる前記反応ガスを受けて、その流れの向きを前記排気部方向に変える傾斜部を有するものである適用例1又は2に記載の燃料電池セルを提供する。
また、前記シール保護手段は、前記ガスシール部材と一体である適用例1〜4の何れか1つの適用例に記載の燃料電池セルを提供する。
また、前記ガスシール部材は、弾性部材で形成されていて前記シール壁と前記セル本体との間に圧潰状態で介装されるものであり、
また、前記シール保護手段は、前記弾性部材の一部を前記反応ガス室側へはみ出させた部分で形成されるものである適用例5に記載の燃料電池セルを提供する。
また、前記シール壁と前記シール保護手段が別体である適用例1〜4の何れか1つの適用例に記載の燃料電池セルを提供する。
また、適用例1〜7の何れか1つの適用例に記載の燃料電池セルを複数個積層して固定してなる燃料電池スタックを提供する。
以下に、本発明の実施の形態1を図1〜図4を参照しつつ説明する。
実施形態1の燃料電池セル1は、前記した4タイプの中の固体酸化物形(SOFC)のものである。この燃料電池セル1は、図1に示したように、円の中心に軸方向に貫通する中通路2を設けた円盤形であって、上下一対のインターコネクタ3a,3bと、そのインターコネクタ3a,3b間に位置すると共に電解質4の上下両面に電極面5a,5bが形成されているセル本体6と、各インターコネクタ3a,3bとそれぞれの電極面5a,5bとの間に形成された反応ガス室7a,7bと、各反応ガス室7a,7bにそれぞれの反応ガスを供給するガス供給部8a,8bと、発電後の反応ガスを排出するために各反応ガス室7a,7bに設けられた排気部9a,9bと、を有する。
前記インターコネクタ3a,3bは、前記中通路2形成用の円孔を有するドーナツ板形状であって、導電性を有するフェライト系ステンレス等で形成されている。
前記セル本体6は、前記中通路2形成用の円孔を有するドーナツ板形状に形成されたZrO2系セラミック製の電解質4と、空気室7a側の面に形成された空気極5aと、燃料室7b側の面に形成された燃料極5bと、を備えている。
前記電解質4は、ZrO2系セラミックの他、LaGaO3系セラミック、BaCeO3系セラミック、SrCeO3系セラミック、SrZrO3系セラミック、CaZrO3系セラミック等で形成される。
前記空気極5aの材質は、例えば各種の金属、金属の酸化物、金属の複酸化物等を用いることができる。前記金属としてはPt、Au、Ag、Pb、Ir、Ru及びRh等の金属又は2種以上の金属を含有する合金が挙げられる。さらに、金属の酸化物としては、La、Sr、Ce、Co、Mn及びFe等の酸化物(La2O3、SrO、Ce2O3、Co2O3、MnO2及びFeO等)が挙げられる。また、複酸化物としては、少なくともLa、Pr、Sm、Sr、Ba、Co、Fe及びMn等を含有する複酸化物(La1−XSrXCoO3系複酸化物、La1−XSrXFeO3系複酸化物、La1−XSrXCo1−yFeO3系複酸化物、La1−XSrXMnO3系複酸化物、Pr1−XBaXCoO3系複酸化物及びSm1−XSrXCoO3系複酸化物等)が挙げられる。
前記燃料極5bの材質は、Ni及びFe等の金属と、Sc、Y等の希土類元素のうちの少なくとも1種により安定化されたジルコニア等のZrO2系セラミック、CeO2系セラミック等のセラミックのうちの少なくとも1種との混合物が挙げられる。また、燃料極5bの材質は、Pt、Au、Ag、Pb、Ir、Ru、Rh、Ni及びFe等の金属でもよく、これらの金属は1種のみでもよいし、2種以上の合金にしてもよい。さらに、これらの金属及び/又は合金と、上記セラミックの各々の少なくとも1種との混合物(サーメットを含む。)が挙げられる。また、Ni及びFe等の金属の酸化物と、上記セラミックの各々の少なくとも1種との混合物等が挙げられる。
前記空気室7aは、上のインターコネクタ3aの前記中通路2側が、円筒状のシール壁10と、該シール壁10とセル本体6(具体的には電解質4)の間に介装したガスシール部材11とで塞がれており、反対の外周側が外部(実際には、図示しない空気用排気経路)に開放された空気用の排気部9aになっている。なお、実施形態のシール壁10は、インターコネクタ3aと別成形して溶接等により接合したものを示したが、インターコネクタ3aと一体に成形にしてもよい。
空気室7aと上のインターコネクタ3aの間には上下を仕切る隔壁12が設けられていて、その隔壁12の上層が空気供給部8aになっている。この空気供給部8aは、外周側を囲う外筒壁13に多数の供給口14,14…を開設してそこから内部に空気を流入させ、さらに隔壁12のシール壁10側に開設した縦孔状のガス流出口15からセル本体6に向けて空気を流出させるようになっている。
前記燃料室7bは、前記中通路2に連通する燃料供給部8bと、反対の外周側を外部(実際には、図示しないが燃料用排気経路)に開放させた排気部9bを備えている。したがって、中通路2に燃料ガスを流すと、図1に破線で示した矢印のように燃料供給部8bから燃料室7bに入り、そこから排気部9bを通って外部に抜ける。
空気室7aの内部には、セル本体6と前記ガス流出口15との間に、該ガス流出口15からセル本体6と交差する向きに流出する空気を受け且つ該空気の流れを前記排気部9a方向又はシール壁10の壁面に沿う方向或は排気部9a方向及びシール壁10の壁面に沿う方向に変化させるシール保護手段17が設けられている。
なお、シール壁10と一体のシール保護手段17は、レーザー加工やエッチング加工によって形成することができる。
実施形態2の燃料電池セル1は、図5に示したように、シール保護手段17をシール壁10とは別体に形成して該シール壁10又はセル本体6の空気極5aに、例えば溶接又はロウ付で接合したものである。この形態のシール保護手段17の材質は、シール壁10又は空気極5aに溶接又はロウ付等の接合手段で接合可能な金属又はそのような金属を接合面に有するセラミックである。
上記以外の構成については実施形態1と同じであるため説明を省略する。
実施形態3の燃料電池セル1は、図6に示したように、シール保護手段17とガスシール部材11とを一体にしたものである。このガスシール部材11は、マイカ、バーミキュライト、アルミナフェルト等の弾性部材で形成されており、図6においてシール壁10とセル本体6の電解質4の間で圧潰されている部分がガスシール部材11であり、空気室7a側にはみ出ている部分がシール保護手段17である。
このガスシール部材11とシール保護手段17の一体品は、圧潰前において厚さ一様であり、ガスシール部材11をシール壁10とセル本体6の電解質4の間に挟んで圧潰すると、シール保護手段17の根元に相当する部位17pがシール壁10の動きに引き込まれて変形し、その部位17pがシール壁10の壁面に沿う。一方、空気室7a側にはみ出たシール保護手段17の先端側は、ほぼ元の厚さを保っている。したがって、シール保護手段17の上面には実施形態1,2のような傾斜部17aが存在しない。
なお、実施形態3のシール保護手段17について、装着前に図3のような傾斜部17aを設け、その傾斜部17aで実施形態1と同様の作用が発揮されるようにしてももちろんよい。
なお、図8のようにセル本体6(具体的には電解質4)の周縁コーナー部に面取り部6cを形成すれば、圧潰時にガスシール部材11が変形して該面取り部6cを覆うため、シール幅が大きくなってシール性が向上する。
また、実施形態1〜3は、シール保護手段17を空気室7aに設けるようにしたが、空気室7aと燃料室7bの構成を入れ替えて、シール保護手段17を燃料室7bに設けるようにしてもよい。
また、実施形態の傾斜部17aは、直線状又は凸形に湾曲する形状にしたが、ガス流出口15からセル本体6に向かって階段状に下る形状や、凹形に湾曲する形状にしてもよい。
また、実施形態では、ガス流出口15をセル本体6に向かう縦孔状に形成したが、該ガス流出口15に排気部9a側に向かう傾きを設けるようにしてもよい。そうした場合には反応ガスがガス流出口15の傾きで排気部9a方向に向かうため、シール保護手段17の効果をより確実にすることができる。
3a,3b …インターコネクタ
4 …電解質
5a …電極面(空気極)
5b …電極面(燃料極)
6 …セル本体
7a …反応ガス室(空気室)
7b …反応ガス室(燃料室)
8a …ガス供給部(空気供給部)
8b …ガス供給部(燃料供給部)
9a,9b …排気部
10 …シール壁
11 …ガスシール部材
15 …ガス流出口
17 …シール保護手段
17a …傾斜部
17p …シール保護手段17のシール壁10に沿う部位
18 …燃料電池スタック
19 …弾性部材
Claims (8)
- 一対のインターコネクタと、
前記インターコネクタ間に位置し、電解質の上下両面に電極面が形成されている平板状のセル本体と、
前記各インターコネクタとそれぞれの前記電極面との間に形成された反応ガス室と、
前記各反応ガス室にそれぞれの反応ガスを供給するガス供給部と、
発電後の反応ガスを排出するために前記各反応ガス室に設けられた排気部と、を有し、
前記反応ガス室の少なくとも一方は、前記排気部とは反対側の縁に、ガスシール部材を介して前記セル本体上に載置されるシール壁を備えており、
さらにこの反応ガス室に対応する前記ガス供給部は、前記シール壁の近傍に開設されたガス流出口から前記セル本体に向けて且つ該セル本体と交差する向きに反応ガスを流出させるようになっている燃料電池セルであって、
前記セル本体と前記ガス流出口との間に、該ガス流出口から前記セル本体と交差する向きに流出する反応ガスを受け且つ該反応ガスの流れを前記排気部方向又は前記シール壁の壁面に沿う方向に変化させるようにしたシール保護手段を設けたことを特徴とする燃料電池セル。 - 一対のインターコネクタと、
前記インターコネクタ間に位置し、電解質の上下両面に電極面が形成されている平板状のセル本体と、
前記各インターコネクタとそれぞれの前記電極面との間に形成された反応ガス室と、
前記各反応ガス室にそれぞれの反応ガスを供給するガス供給部と、
発電後の反応ガスを排出するために前記各反応ガス室に設けられた排気部と、を有し、
前記反応ガス室の少なくとも一方は、前記排気部とは反対側の縁に、ガスシール部材を介して前記セル本体上に載置されるシール壁を備えており、
さらにこの反応ガス室に対応する前記ガス供給部は、前記シール壁の近傍に開設されたガス流出口から前記セル本体に向けて且つ該セル本体と交差する向きに反応ガスを流出させるようになっている燃料電池セルであって、
前記セル本体と前記ガス流出口との間に、該ガス流出口から前記セル本体と交差する向きに流出する反応ガスを受け且つ該反応ガスの流れを前記排気部方向及び前記シール壁の壁面に沿う方向に変化させるようにしたシール保護手段を設けたことを特徴とする燃料電池セル。 - 前記シール保護手段は、前記シール壁における反応ガス室側の壁面に沿う部位を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池セル。
- 前記シール保護手段は、前記セル本体に対して交差する方向に流れる前記反応ガスを受けて、その流れの向きを前記排気部方向に変える傾斜部を有するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池セル。
- 前記シール保護手段は、前記ガスシール部材と一体であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の燃料電池セル。
- 前記ガスシール部材は、弾性部材で形成されていて前記シール壁と前記セル本体との間に圧潰状態で介装されるものであり、
また、前記シール保護手段は、前記弾性部材の一部を前記反応ガス室側へはみ出させた部分で形成されるものであることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池セル。 - 前記シール壁と前記シール保護手段が別体であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の燃料電池セル。
- 請求項1〜7の何れか1項に記載の燃料電池セルを複数個積層して固定してなることを特徴とする燃料電池スタック。
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