JP5584278B2 - 固体電解質形燃料電池 - Google Patents
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Description
この固体酸化物形燃料電池は、例えば板状の固体電解質体の各面に燃料極と空気極とを備えた燃料電池セルを、多数積層してスタックを形成し、燃料極に燃料ガスを供給するとともに、空気極に酸化剤ガス(例えば空気)を供給し、燃料及び酸素を固体電解質体を介して化学反応させることによって電力を発生させるものである。
更に、隔離セパレータと燃料電池セルとの接合部において、隔離セパレータに凹部や凸部を設けて、接合部が酸化剤ガスや燃料ガスのどちらか一方と触れないようにする構造が開示されている(特許文献3参照)。
本発明では、隔離セパレータは、セル本体の周縁部の表裏両面に接合されているので、接合部にかかる応力が分散され、よって、接合の信頼性が向上する。特に2枚の隔離セパレータをセル本体を挟むように配置することにより、上下どちらの方向(厚み方向)の応力にも抵抗できるため、つまり、一方の隔離セパレータに対して剥離方向に応力が加わる場合は、他方の隔離セパレータには密着方向に応力が加わることになるため、セルの信頼性が向上するという顕著な効果を奏する。
つまり、本発明では、燃料極側の隔離セパレータによって、燃料極側のガス導入室とガス排出室とを分離するので、セル内に導入された燃料ガスの全てが一旦燃料極を通過することになるため、燃料ガスが燃料極を素通りすることがない。よって、燃料ガスが有効利用されるので(燃料利用率が向上するので)、発電出力が向上する。
本発明では、隔離セパレータは、セル本体の周縁部の表裏両面に接合されているので、接合部にかかる応力が分散され、よって、接合の信頼性が向上する。特に2枚の隔離セパレータをセル本体を挟むように配置することにより、上下どちらの方向(厚み方向)の応力にも抵抗できるため、つまり、一方の隔離セパレータに対して剥離方向に応力が加わる場合は、他方の隔離セパレータには密着方向に応力が加わることになるため、セルの信頼性が向上するという顕著な効果を奏する。
また、本発明では、固体電解質体に接合される一方の隔離セパレータの接合代が、他方の隔離セパレータの接合代より小さい。
つまり、本発明では、セル本体に2枚の隔離セパレータが接合されているので、固体電解質体に接合される一方の隔離セパレータ(例えば燃料極支持構造では空気極側の隔離セパレータ)の接合代を小さくできる。これにより、例えば発電性能に寄与する空気極の面積を広くできるため、発電性能が向上する。
(3)請求項3の発明では、前記隔離セパレータの少なくとも一方に、応力を緩和する撓み部を設けたことを特徴とする。
つまり、隔離セパレータに応力が加わった場合には、撓み部にて変形することにより(即ち隔離セパレータの可動範囲が広くなり)接合部にかかる応力を緩和できるので、接合の信頼性が向上する。
及びCaZrO3系セラミック等が挙げられる。
O2系セラミック等のセラミックのうちの少なくとも1種との混合物などが挙げられる。
また、Pt、Au、Ag、Pd、Ir、Ru、Rh、Ni及びFe等の金属が挙げられる。これらの金属は1種のみでもよいし、2種以上の金属の合金でもよい。更に、これらの金属及び/又は合金と、上記セラミックの各々の少なくとも1種との混合物(サーメットを含む)が挙げられる。また、Ni及びFe等の金属の酸化物と、上記セラミックの各々の少なくとも1種との混合物などが挙げられる。
r、Sm、Sr、Ba、Co、Fe及びMn等を含有する複酸化物(La1-XSrXCoO3系複酸化物、La1-XSrXFeO3系複酸化物、La1-XSrXCo1-YFeYO3系複酸化
物、La1-XSrXMnO3系複酸化物、Pr1-XBaXCoO3系複酸化物及びSm1-XSrXCoO3系複酸化物等)が挙げられる。
4Cr5Fe1Y2O3)等が挙げられる。
選ばれる金属酸化物を少量(数質量%)添加したロウ材を採用でき、ガラスとしては、CaO−Al2O3−SiO2を主成分とする結晶化ガラスなどを採用できる。
燃料ガスとしては、水素、還元剤となる炭化水素、水素と炭化水素との混合ガス、及びこれらのガスを所定温度の水中を通過させ加湿した燃料ガス、これらのガスに水蒸気を混合させた燃料ガス等が挙げられる。炭化水素は特に限定されず、例えば、天然ガス、ナフサ、石炭ガス化ガス等が挙げられる。この燃料ガスとしては水素が好ましい。これらの燃料ガスは1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。また、50体積%以下の窒素及びアルゴン等の不活性ガスを含有していてもよい。
図1に示す様に、本実施例の固体電解質形燃料電池1は、燃料ガス(例えば水素)と酸化剤ガス(例えば空気(詳しくは空気中の酸素))との供給を受けて発電を行う装置であり、図示しない断熱容器に収容されている。
れている。
このように、両隔離セパレータをセル本体39の両側から接合する構造により、固体電解質形燃料電池1の積層方向に応力が加わった場合でも、接合部分が剥離しにくくなっている。
前記ボルト7〜21は、上述した様に、固体電解質形燃料電池1を積層方向に押圧して固体電解質形燃料電池セル3及び燃料ガス予熱部5を拘束するために用いる部材であり、その構造から2種類のボルト7〜21が使用されている。
b)次に、固体電解質形燃料電池1のガス流路について説明する。
(1)空気の流路(空気の流れを実線の矢印で示す)
図3(a)に示す様に、空気用のボルト7の上方から供給された空気は、そのボルト7の軸中心に形成された中心孔59に導入され、各固体電解質形燃料電池セル3の側方にあけられた連通路61等を介してセル内の空気流路31側に導入される。
図3(b)に示す様に、燃料用のボルト11の下方から供給された燃料ガスは、そのボルト11の軸中心に形成された中心孔67Aに導入され、燃料ガス予熱部5の連通路69から内部空間56に供給される。尚、燃料用のボルト11の中心孔67は、下方の中心孔67Aと上方の中心孔67Bとからなり、燃料ガス予熱部5と固体電解質形燃料電池スタック4との間にて閉塞されている。
次に、各セル内の燃料ガス流路23の燃料ガスは、同様な他の連通路77を介して、燃料用のボルト11の中心孔67Bに排出され、その上方よりスタック外に排出される。
まず、例えばSUS430からなる板材を打ち抜いて、セル間セパレータ33、空気極フレーム41、隔離セパレータ45、49、中間フレーム47、燃料極フレーム51、遮蔽プレート81、83、枠体85、スペーサ58を製造した。
更に、固体電解質形燃料電池セル3のセル本体39を、定法に従って製造した。具体的には、燃料極25のグリーンシート上に、固体電解質体27の材料を印刷し、その上に空気極29の材料を印刷し、その後焼成してセル本体39を製造した。
c)次に、本実施例の効果について説明する。
本実施例は、隔離セパレータに応力緩和用の撓み部として波状のリブを設けたものである。
本実施例は、燃料極側隔離セパレータとセル本体の接合部分に固体電解質からなる接合層を備えたものである。
本実施例では、空気極側隔離セパレータ121が緻密な固体電解質体115に接合されるだけでなく、燃料極側隔離セパレータ123も緻密な固体電解質接合層125に接合されているので、接合強度が高いという利点がある。
本実施例は、空気極側隔離セパレータの接合代を実施例3より小さくしたものである。
図5(e)、(f)に要部を示す様に、本実施例の固体電解質形燃料電池131では、前記実施例3と同様に、燃料極133と固体電解質体135と空気極137からなるセル本体139を備えるとともに、空気極側隔離セパレータ141と燃料極側セパレータ143とを備えている。また、燃料極側セパレータ143は、固体電解質接合層145に接合されている。
本実施例は、中間フレームに燃料ガスを排出する連通路を設けたものである。
図6(a)、(b)に要部を示す様に、本実施例の固体電解質形燃料電池151では、前記実施例3と同様に、燃料極153と固体電解質体155と空気極157からなるセル本体159を備えるとともに、空気極側隔離セパレータ161と燃料極側隔離セパレータ163とを備えている。また、燃料極側隔離セパレータ163は、固体電解質接合層165に接合されている。
本実施例は、燃料極の裏面(固体電解質体と反対側の面)に、枠状に固体電解質接合層を設けるとともに、その枠内にも、部分的に固体電解質層を設けたものである。
本実施例は、空気極側隔離セパレータの接合代を小さくしたものである。
図6(e)、(f)に要部を示す様に、本実施例の固体電解質形燃料電池211では、前記実施例6と同様に、燃料極213と固体電解質体215と空気極217からなるセル本体219を備えている。また、空気極側隔離セパレータ221と、燃料極側セパレータ223と、固体電解質接合層225と、中間フレーム227の連通路229と、固体電解質層231を備えている。
(1)例えば、本発明は、空気極支持構造の固体電解質形燃料電池にも適用できる。この場合には、固体電解質体に一方の(ガス流路を遮断する)隔離セパレータを接合し、空気極に他方の隔離セパレータを接合する構成を採用できる。
3…固体電解質形燃料電池セル
4…固体電解質形燃料電池スタック
7、9、11、13、15、17、19、21…ボルト
23…燃料ガス流路
25、93、113、133、153、183…燃料極
27、95、115、135、155、185…固体電解質体
29、97、117、137、157、187…空気極
31…空気流路
33…セル間セパレータ
39、99、119、139、159、189…セル本体
45、101、121、141、161、191…空気極側隔離セパレータ
49、103、123、143、163、193…燃料極側隔離セパレータ
55、57…接合部
105、107…撓み部
125、145、165、195…固体電解質接合層
171…ガス導入室
173…ガス排出室
201…固体電解質層
Claims (3)
- 固体電解質体と、該固体電解質体の一面に設けられ、燃料ガスに接する燃料極と、該固体電解質体の他面に設けられ、酸化剤ガスに接する空気極とを有するセル本体を備えた固体電解質形燃料電池セルを、ガスの流通を遮断するセル間セパレータを介して、複数積層した固体電解質形燃料電池であって、
前記固体電解質形燃料電池セルのセル本体の周縁部の表裏両面にそれぞれ接合部を設け、該両接合部にてそれぞれ隔離セパレータを接合するとともに、該両隔離セパレータのうち少なくとも一方は、前記固体電解質体に接合しており、前記燃料極側と前記空気極側とのガス流通を遮断する隔離セパレータであり、
且つ、前記燃料極側の隔離セパレータによって、前記燃料極側のガス導入室とガス排出室とが分離されたことを特徴とする固体電解質形燃料電池。 - 固体電解質体と、該固体電解質体の一面に設けられ、燃料ガスに接する燃料極と、該固体電解質体の他面に設けられ、酸化剤ガスに接する空気極とを有するセル本体を備えた固体電解質形燃料電池セルを、ガスの流通を遮断するセル間セパレータを介して、複数積層した固体電解質形燃料電池であって、
前記固体電解質形燃料電池セルのセル本体の周縁部の表裏両面にそれぞれ接合部を設け、該両接合部にてそれぞれ隔離セパレータを接合するとともに、該両隔離セパレータのうち一方は、前記固体電解質体に接合しており、前記燃料極側と前記空気極側とのガス流通を遮断する隔離セパレータであり、該両隔離セパレータのうち他方は、前記燃料極又は前記空気極に接合している隔離セパレータであり、
且つ、前記固体電解質体に接合される一方の隔離セパレータの接合代が、他方の隔離セパレータの接合代より小さいことを特徴とする固体電解質形燃料電池。 - 前記隔離セパレータの少なくとも一方に、応力を緩和する撓み部を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の固体電解質形燃料電池。
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