JP6193780B2 - 燃料電池 - Google Patents
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Description
このSOFCでは、発電単位として、例えば固体電解質膜の一方の側に燃料ガスに接する燃料極を設けるとともに、他方の側に酸化剤ガス(空気)と接する酸化剤極(空気極)を設けた燃料電池セル(発電セル)が使用されている。さらに、所望の電圧を得るために、インターコネクタを介して複数の発電セルを積層した燃料電池(燃料電池スタック)が開発されている。
前記燃料電池の前記単セルは、例えば、電解質層と該電解質層を隔てて(該電解質層を間に挟むように)配置された空気極層及び燃料極層とを有し、前記トラップ部は、例えば、前記電解質層、前記空気極層、及び前記燃料極層のうちのいずれかと同じ材料を含むことができる。この場合、触媒電極や三相界面の発電反応場を汚染する物質をトラップする効率が一層向上する。
前記トラップ部は、例えば、前記熱交換部内流路の内壁に形成された層とすることができる。この場合、燃料ガス流路又は酸化剤ガス流路におけるガスの差圧を小さくすることができる。
<第1の実施形態>
1.燃料電池1の概略構成
燃料電池1の概略構成を、図1〜図3に基づき説明する。燃料電池1は、固体酸化物形燃料電池であり、燃料ガス(例えば水素)と酸化剤ガス(例えば空気)との供給を受けて発電を行う装置である。
単セル3の構成を図4、図5に基づき説明する。単セル3は、いわゆる燃料極支持膜形タイプの板状の発電セルであり、電解質層35と、電解質層35を隔てて(該電解質層35を間に挟むように)配置された空気極37及び燃料極33とを有している。単セル3において、燃料ガス流路31側には、板状の燃料極(アノード)33が配置されるとともに、燃料極33の図4上側の表面には、電解質層35が形成されている。電解質層35は、薄膜の固体電解質体である。その電解質層35の空気流路39側の表面には、薄膜の空気極(カソード)37が形成されている。なお、燃料極33と電解質層35と空気極37とをセル本体41と称する。なお、燃料極33は燃料極層の一実施形態であり、空気極37は空気極層の一実施形態である。
更に、燃料極フレーム49は、中心に開口部85を備えた例えばフェライト系ステンレスからなる枠状の板材であり、セパレータ47と同様に、各挿通孔61、63、64、65、67が形成されるとともに、3辺に沿って各貫通長孔91〜93が形成されている。
熱交換器7の構成を、図6、図7に基づき説明する。熱交換器7は、板状の空気用部材267と、板状の燃料ガス用部材271とを積層したものである。空気用部材267のうち、燃料ガス用部材271に対向する面267Aには、空気の流路となる第1溝265が形成されている。また、面267Aのうち、第1溝265の周囲には、第1溝265よりも板厚が厚い部分である枠部277が設けられており、その枠部277には、挿通孔61〜68が形成されている。
すなわち、トラップ部35の材料としては、電解質層35の材料であるYSZ、ScSZ、SDC、GDC、ペロブスカイト系酸化物等の材料や、空気極37の材料であるペロブスカイト系酸化物(La1-xSrxCoO3系複合酸化物、La1-xSrxFeO3系複合酸化物、La1-xSrxCo1-yFeyO3系複合酸化物、La1-xSrxMnO3系複合酸化物、Pr1-xBaxCoO3系複合酸化物、Sm1-xSrxCoO3系複合酸化物)等を含む材料等が使用できる。
すなわち、トラップ部35の材料としては、電解質層35の材料であるYSZ、ScSZ、SDC、GDC、ペロブスカイト系酸化物等の材料や、燃料極33の材料であるNiとセラミックとのサーメットなどを含む材料等が使用できる。
4.ガスの流路
本実施形態におけるガスの流路について、図1〜図3、図8、図9に基づいて説明する。
図1、図2に示すように、空気は、空気管24内に導入される。導入された空気は、空気管24内を、燃料電池スタック5の積層方向(図2における下方向)に流れ、熱交換器7に至る。空気管24は、空気用部材267の挿通孔63内で、図示しない開口部を有しており、空気管24内の空気は、その開口部から、挿通孔63、第1導入溝265Bを経て、中央溝265Aに導入される。上述したように、中央溝265Aのうち、第1導入溝265B側の一部には、トラップ部301が設けられているので、中央溝265Aに導入される空気は、トラップ部301を通過する。
その後、この貫通長孔74に案内された空気は、空気管25を通って、図5の上方に導かれ、外部に排出される。
図1、図3に示すように、燃料ガスは、燃料ガス管21に導入される。導入された燃料ガスは、燃料ガス管21内を、燃料電池スタック5の積層方向(図3における下方向)に流れ、熱交換器7に至る。燃料ガス管21は、燃料ガス用部材271の挿通孔61内で、図示しない開口部を有しており、燃料ガス管21内の燃料ガスは、その開口部から、挿通孔61、第2導入溝269Bを経て、中央溝269Aに導入される。上述したように、中央溝269Aのうち、第2導入溝269B側の一部には、トラップ部302が設けられているので、中央溝269Aに導入される燃料ガスは、トラップ部302を通過する。
その後、この貫通長孔101に案内された燃料ガスは、燃料ガス管22を通って、図5の上方に導かれ、外部に排出される。
(1)燃料電池1は、単セル3に空気を供給する酸化剤ガス流路のうち、単セル3よりも上流側にトラップ部301を備える。そのため、空気中に含まれる汚染物質をトラップ部301でトラップし、単セル3の空気極37における汚染を抑制できる。
6.燃料電池1の製造方法
燃料電池1の製造方法を説明する。まず、フェライト系ステンレスの板材から上述した形状のインターコネクタ43、セパレータ47、及び燃料極フレーム49を形成する。また、マイカ又はバーミュライトで、上述した形状のガスシール部45を形成する。
<第2の実施形態>
1.燃料電池1の構成
本実施形態の燃料電池1の構成は、基本的には前記第1の実施形態と同様であるが、熱交換器7の構成において相違する。以下では、その相違点を中心に説明する。
(1)本実施形態の燃料電池1は、前記第1の実施形態と略同様の効果を奏する。
(2)本実施形態では、トラップ層401〜404を用いることにより、酸化剤ガス流路及び燃料ガス流路の差圧を小さくすることができる。
<第3の実施形態>
1.燃料電池1の構成
本実施形態の燃料電池1の構成は、基本的には前記第1の実施形態と同様であるが、熱交換器7の構成において相違する。以下では、その相違点を中心に説明する。
(1)本実施形態の燃料電池1は、前記第1の実施形態と略同様の効果を奏する。
(2)本実施形態では、トラップ部301が中央溝265Aの全体をカバーすることにより、空気中に含まれる汚染物質をトラップする効果が一層高い。
<第4の実施形態>
1.燃料電池1の構成
本実施形態の燃料電池1の構成は、基本的には前記第1の実施形態と同様であるが、熱交換器7の構成において相違する。以下では、その相違点を中心に説明する。
(1)本実施形態の燃料電池1は、前記第1の実施形態と略同様の効果を奏する。
(2)本実施形態では、トラップユニットを備えることにより、空気及び燃料ガスに含まれる汚染物質をトラップする効果が一層高い。
<その他の実施形態>
(1)前記第1〜第4の実施形態において、トラップ部(トラップ層)は、空気流路(中央溝265A内)のみに設けてもよいし、燃料ガス流路(中央溝269A)のみに設けてもよい。
(3)前記第1の実施形態において、トラップ部301、302の位置は、他の位置であってもよい。例えば、トラップ部301の位置は、中央溝265Aのうち、第1排出溝265C側の位置であってもよい。また、トラップ部302の位置は、中央溝269Aのうち、第2排出溝269C側の位置であってもよい。
(5)前記第1〜第4の実施形態における構成の全部又は一部を適宜組み合わせてもよい。
(8)前記第1〜第4の実施形態の燃料電池1において、熱交換部7の位置は、燃料電池スタックにおける端部(エンドプレート6と図面上最も上側の単セル3との間、又は、エンドプレート8と図面上最も下側の単セル3との間)であってもよいし、単セル3のスタックにおける中央付近であってもよい。
Claims (6)
- 積層された複数の板状の単セルと、
隣接する2つの前記単セル間、及び前記複数の単セルのうち前記積層の方向における端に位置する単セルの外側の少なくとも一方に設けられた熱交換部と、
前記単セルに燃料ガスを供給する燃料ガス流路と、
前記単セルに酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス流路と、
を備える燃料電池であって、
前記燃料ガス流路及び前記酸化剤ガス流路の少なくとも一方は、前記単セルよりも上流側において、前記熱交換部を通過する熱交換部内流路を含み、
前記熱交換部内流路に、前記燃料ガス及び前記酸化剤ガスの少なくとも一方に含まれる汚染物質を吸着するトラップ部が設けられていることを特徴とする燃料電池。 - 前記単セルは、電解質層と該電解質層を隔てて配置された空気極層及び燃料極層とを有し、
前記トラップ部は、前記電解質層、前記空気極層、及び前記燃料極層のうちのいずれかと同じ材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。 - 前記熱交換部内流路のうち、少なくとも上流側に前記トラップ部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池。
- 前記トラップ部は、前記熱交換部内流路の少なくとも一部に充填されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池。
- 前記トラップ部は、前記熱交換部内流路の内壁に形成された層であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池。
- 前記燃料ガス流路及び前記酸化剤ガス流路の少なくとも一方は、前記熱交換部よりも上流側において、前記汚染物質を吸着するトラップユニットを備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料電池。
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