JP2009123381A - 固体高分子型燃料電池の電解質膜構造体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電解質膜の耐久性が向上した電解質膜構造体およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】固体高分子型燃料電池の電解質膜構造体1における電解質膜2の外周部2xの少なくとも一部に厚さ方向に延びる複数の貫通孔20を形成し、この外周部2xの両面を樹脂材料からなるフレーム部材5で覆うとともに、フレーム部材5を貫通孔20に入り込ませる。
【選択図】図2
【解決手段】固体高分子型燃料電池の電解質膜構造体1における電解質膜2の外周部2xの少なくとも一部に厚さ方向に延びる複数の貫通孔20を形成し、この外周部2xの両面を樹脂材料からなるフレーム部材5で覆うとともに、フレーム部材5を貫通孔20に入り込ませる。
【選択図】図2
Description
本発明は、固体高分子型燃料電池用の電解質膜およびその周辺構造体を含む電解質膜構造体とその製造方法に関する。
従来から知られている固体高分子型燃料電池として、電解質膜と、電解質膜の両面にそれぞれ積層されている一対の触媒電極層と、各触媒電極層の上層にそれぞれ積層されている一対のガス拡散層とを持つものがある。この種の固体高分子型燃料電池は、電解質膜と触媒電極層とガス拡散層とからなる膜−電極接合体(所謂MEA、Membrane Electrode Assembly)を複数持つのが一般的である。そして、複数の膜−電極接合体は、セパレータを介して配列するのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
一般的な固体高分子型燃料電池における膜−電極接合体100は、図8に示すように、電解質膜102と、電解質膜102の両面にそれぞれ積層されている一対の触媒電極層103と、それぞれの触媒電極層103の上層に積層されている一対のガス拡散層104とを持つ。各触媒電極層103および各ガス拡散層104は、電解質膜102の内周部102yにのみ積層されている。したがって、電解質膜102の外周部102xは露出している。この膜−電極接合体100は、セパレータ190に挟持されている。そして、膜−電極接合体100の外周部の表面(すなわち電解質膜102の外周部102xの表面)とセパレータ190との間にはガスケット191が介在している。このガスケット191によって、セパレータ190と電解質膜102との隙間がシールされている。
ところで、図8に示す従来の膜−電極接合体100では、電解質膜102のなかで触媒電極層103とガス拡散層104とが積層されている領域(すなわち電解質膜102の内周部102y)は、触媒電極層103とガス拡散層104とによって補強されている。また、電解質膜102の外周部102xのなかでガスケット191に接している領域102zは、ガスケット191によって補強されている。しかし、領域102yと領域102zとの間の領域102wはむき出しであり、何ら補強されていない。
固体高分子型燃料電池は、発電時には、触媒電極層103に水素あるいは酸素を含む反応ガスを供給する。このため発電時には、電気化学反応によって触媒電極層103で水が生成し、電解質膜102が湿潤する。一方、非発電時には、反応ガスの供給が停止し水の生成もまた停止する。このため非発電時には電解質膜102が乾燥する。したがって、燃料電池における膜−電極接合体100には、供給ガスの圧力変化や、電解質膜102の湿潤・乾燥の繰り返しなどによる応力が作用する。この応力は、補強されていない領域102wに集中し易い。
電解質膜102の耐久性を向上させるために、領域102wに接着剤や樹脂などを積層して補強することも考えられる。しかし電解質膜102は、上述したように湿潤と乾燥とを繰り返すために、体積変化が大きい。このため、領域102wを覆う接着剤や樹脂は、この領域102wから剥離し易い。したがって、膜−電極接合体100に接着剤や樹脂などが積層されてなる電解質膜構造体においても、電解質膜102の耐久性の更なる向上が求められている。
特開2006−172816号公報
本発明は上記事情を考慮してなされたものであり、耐久性に優れる固体高分子型燃料電池の電解質膜構造体およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の固体高分子型燃料電池の電解質膜構造体は、固体高分子からなる電解質膜と、電解質膜の内周部の両面にそれぞれ積層されている一対の触媒電極層と、それぞれの触媒電極層に積層されている一対のガス拡散層と、樹脂材料からなり電解質膜の外周部の両面を覆うフレーム部材と、を持ち、電解質膜の外周部の少なくとも一部には、厚さ方向に延びる複数の貫通孔が形成され、フレーム部材は、貫通孔に入り込んでいることを特徴とする。
本発明の固体高分子型燃料電池の電解質膜構造体は、下記の(1)を備えることが好ましい。
(1)上記フレーム部材は、上記電解質膜の一方の面を覆う第1のフレーム部と、上記電解質膜の他方の面を覆う第2のフレーム部と、貫通孔に入り込んでいる第3のフレーム部とを持ち、第1のフレーム部と第2のフレーム部とは第3のフレーム部によって連結されている。
(2)上記フレーム部材は、上記電解質膜の外周端面を覆うとともに第1のフレーム部と第2のフレーム部とを連結する第4のフレーム部を持つ。
(1)上記フレーム部材は、上記電解質膜の一方の面を覆う第1のフレーム部と、上記電解質膜の他方の面を覆う第2のフレーム部と、貫通孔に入り込んでいる第3のフレーム部とを持ち、第1のフレーム部と第2のフレーム部とは第3のフレーム部によって連結されている。
(2)上記フレーム部材は、上記電解質膜の外周端面を覆うとともに第1のフレーム部と第2のフレーム部とを連結する第4のフレーム部を持つ。
上記課題を解決する固体高分子型燃料電池の電解質膜構造体の製造方法は、上記(1)を備える本発明の固体高分子型燃料電池の電解質膜構造体を製造する方法であって。上記貫通孔を持つ上記電解質膜の内周部の両面にそれぞれ上記触媒電極層を積層し、それぞれの上記触媒電極層に上記ガス拡散層を積層して、上記電解質膜と上記触媒電極層と上記ガス拡散層とを持つ中間積層体を得る中間積層体形成工程と、中間積層体形成工程で得られた中間積層体を成形型に載置して、溶融した上記樹脂材料を材料とし上記第1のフレーム部と上記第2のフレーム部と上記第3のフレーム部とを持つ上記フレーム部材を中間積層体に一体成形して上記電解質膜構造体を形成する電解質膜構造体形成工程と、電解質膜構造体形成工程後に上記電解質膜構造体を冷却する冷却工程と、を備え、電解質膜積層体形成工程において、溶融した上記樹脂材料をそれぞれの上記貫通孔に入り込ませ、冷却工程において、フレーム部材を冷却収縮させることで上記第1のフレーム部と上記第2のフレーム部とを近接方向に進行させて、上記第1のフレーム部と上記第2のフレームとを上記電解質膜に圧接させることを特徴とする。
本発明の固体高分子型燃料電池の電解質膜構造体(以下、単に電解質膜構造体と略する)は、電解質膜の外周部をフレーム部材で覆ったことで、電解質膜のなかで触媒電極層およびガス拡散層で補強されていない部分を補強できる。また、フレーム部材の一部が電解質膜の貫通孔に入り込んでいることで、フレーム部材と電解質膜とを機械的に一体化できる。このためフレーム部材と電解質膜との剥離を抑制できるため、電解質膜構造体に優れた耐久性を付与できる。
上記(1)を備える本発明の電解質膜構造体によると、第1のフレーム部と第2のフレーム部とを第3のフレーム部によって連結することで、フレーム部材を電解質膜に対して3次元的に固定できる。よって、フレーム部材と電解質膜との剥離をさらに抑制でき、電解質膜構造体にさらに優れた耐久性を付与できる。
上記(2)を備える本発明の電解質膜構造体によると、第1のフレーム部と第2のフレーム部とを第4のフレーム部によっても連結する。このため、フレーム部材と電解質膜との剥離をさらに抑制でき、電解質膜構造体にさらに優れた耐久性を付与できる。さらに、この場合には、電解質膜の外周端面を第4のフレーム部で覆うことで、電解質膜の内周−外周方向のガスの漏出(あるいはガスの侵入)を第4のフレーム部によって干渉できる。このため、電解質膜構造体に優れたガスシール性を付与できる。
本発明の電解質膜構造体の製造方法は、冷却工程におけるフレーム部材の収縮によって、フレーム部材と電解質膜とを容易に圧接させ得る。このため、本発明の電解質膜構造体の製造方法によると、耐久性に優れた電解質膜構造体を容易かつ安価に製造できる。
以下、図面を基に本発明の固体高分子型燃料電池の電解質膜構造体およびその製造方法を説明する。
(実施例)
実施例の電解質膜構造体は上記(1)および(2)を備える。実施例の電解質膜構造体を模式的に表す上面透視図を図1に示す。実施例の電解質膜構造体を図1中A−A位置で切断した様子を模式的に表す断面図を図2に示す。図2の要部拡大図を図3に示す。実施例の電解質膜構造体の製造方法を模式的に説明する説明図を図4〜図7に示す。以下、実施例における上、下とは、図2に示す上、下を指す。
実施例の電解質膜構造体は上記(1)および(2)を備える。実施例の電解質膜構造体を模式的に表す上面透視図を図1に示す。実施例の電解質膜構造体を図1中A−A位置で切断した様子を模式的に表す断面図を図2に示す。図2の要部拡大図を図3に示す。実施例の電解質膜構造体の製造方法を模式的に説明する説明図を図4〜図7に示す。以下、実施例における上、下とは、図2に示す上、下を指す。
実施例の電解質膜構造体1は、図2に示すように、電解質膜2と、一対の触媒電極層3と、一対のガス拡散層4と、フレーム部材5と、を持つ。
電解質膜2は、固体高分子材料からなるプロトン伝導性のイオン交換膜である。実施例の電解質膜構造体1における電解質膜2は、パーフルオロカーボンスルホン酸を備えるフッ素系樹脂からなり、湿潤状態で良好な電気伝導性を示す。図1〜図3に示すように、電解質膜2の外周部2xには、複数の貫通孔20が形成されている。各貫通孔20は、電解質膜2の外周に沿って配列している。また、各貫通孔20は電解質膜2の内周−外周方向に2列に配列している。各貫通孔20は、丸孔状をなし、電解質膜2の厚さ方向に延び、電解質膜2の上面2aと下面2bとにそれぞれ開口している。また、各貫通孔20はほぼ等間隔で配列している。
図2〜図3に示すように、触媒電極層3は、電解質膜2の両面にそれぞれ積層されている。詳しくは、電解質膜2の上面2aには第1の触媒電極層30が積層され、電解質膜2の下面2bには第2の触媒電極層32が積層されている。第1の触媒電極層31および第2の触媒電極層32は、電解質膜2の内周部2yにのみ積層され、電解質膜2の外周部2xには積層されていない。実施例の電解質膜構造体1における第1の触媒電極層31および第2の触媒電極層32は、ともに白金を主材料としてなる。白金は電気化学反応を促進する触媒である。
図2〜図3に示すように、ガス拡散層4は、触媒電極層3に積層されている。詳しくは、第1の触媒電極層31の上面2aには第1のガス拡散層41が積層され、第2の触媒電極層32の上面2aには第2のガス拡散層42が積層されている。実施例の電解質膜構造体1における第1のガス拡散層41および第2のガス拡散層42は、ともにカーボン繊維を主材料としてなりペーパー状をなす導電性の多孔質材料である。カーボンクロスは導電性の多孔質材料である。第1のガス拡散層41および第2のガス拡散層42は、第1の触媒電極層31および第2の触媒電極層32と同様に、電解質膜2の内周部2yにのみ積層され、電解質膜2の外周部2xには積層されていない。したがって、電解質膜2と触媒電極層3とガス拡散層4とからなる中間積層体において、電解質膜2の外周部2xは露出し、電解質膜2の外周部2xに形成されている貫通孔20もまた露出している。
フレーム部材5は、熱可塑性樹脂材料であるポリプロピレンを材料としてなる。図2〜図3に示すように、フレーム部材5は、第1のフレーム部51と、第2のフレーム部52と、第3のフレーム部53と第4のフレーム部54とからなる。第1のフレーム部51は電解質膜2の外周部2xの上面2aを覆う。第2のフレーム部52は電解質膜2の外周部2x下面2bを覆う。第3のフレーム部53は各貫通孔20に入り込み、第1のフレーム部51の下面と第2のフレーム部52の上面とを連結している。第4のフレーム部54は電解質膜2の外周端面2cを覆うとともに、第1のフレーム部51の外周端部と第2のフレーム部52の外周端部とを連結している。第1のフレーム部51の上面51aと第1のガス拡散層41の上面41aとは面一であり、第2のフレーム部52の下面52bと第2のガス拡散層42の下面42bともまた面一である。
実施例の電解質膜構造体1は、電解質膜2の外周部2x(すなわち、電解質膜2のなかで触媒電極層3およびガス拡散層4で補強されていない部分)をフレーム部材5で覆ったことで、電解質膜2を補強できる。また、フレーム部材5の一部(第3のフレーム部53)が電解質膜2の貫通孔20に入り込んでいることで、フレーム部材5と電解質膜2とは機械的に一体化されている。このためフレーム部材5と電解質膜2とは剥離し難い。換言すると、フレーム部材5と電解質膜2とは、第3のフレーム部53と貫通孔20とのアンカー効果によって剥離し難い。このため、実施例の電解質膜構造体1は耐久性に優れる。
また、フレーム部材5のなかで電解質膜2の外周部2xの上面2aを覆う部分(第1のフレーム部51)と電解質膜2の外周部2xの下面2bを覆う部分(第2のフレーム部52)とは、第3のフレーム部53と第4のフレーム部54とによって連結されている。このためフレーム部材5は電解質膜2に対して三次元的に固定されている。このためフレーム部材5と電解質膜2とはより一層剥離し難い。
さらに、貫通孔20と、貫通孔20に入り込んでいる第3のフレーム部53と、が均一に配列していることで、フレーム部材5と電解質膜2とは均一に一体化する。よって、フレーム部材5と電解質膜2とはより一層剥離し難い。
さらに、貫通孔20と、貫通孔20に入り込んでいる第3のフレーム部53と、は電解質膜2の内周−外周方向に複数列で配列している。このことによってもフレーム部材5と電解質膜2とは均一に一体化し、フレーム部材5と電解質膜2とはより一層剥離し難い。
さらに、電解質膜2の外周端面2cは第4のフレーム部54で覆われているため、電解質膜2の内周−外周方向のガスの漏出(あるいはガスの侵入)は第4のフレーム部54によって干渉される。このため、実施例の電解質膜構造体1は、ガスシール性に優れる。
ところで、一般的な固体高分子型燃料電池はスペーサを挟んで配列する複数の電解質膜構造体を持つ。このため、電解質膜構造体の厚さが不均一であると、複数の電解質膜構造体を配列する工程が煩雑である。実施例の電解質膜構造体1では、第1のフレーム部51の上面51aと第1のガス拡散層41の上面41aとは面一であり、第2のフレーム部52の下面52bと第2のガス拡散層42の下面42bともまた面一である。このため、電解質膜構造体1の肉厚を一定にでき、複数の電解質膜構造体1を配列する工程を容易に行い得る利点がある。
実施例の電解質膜構造体1の製造方法を以下に説明する。
(1.中間積層体形成工程)
(1−1)パーフルオロカーボンスルホン酸を備えるフッ素系樹脂を材料とするシート状の電解質膜材(図略)を準備し、所定形状に切断した。そして切断された電解質膜材の外周部に孔あけ加工を施して、複数の貫通孔20を持つ電解質膜2を得た。
(1−1)パーフルオロカーボンスルホン酸を備えるフッ素系樹脂を材料とするシート状の電解質膜材(図略)を準備し、所定形状に切断した。そして切断された電解質膜材の外周部に孔あけ加工を施して、複数の貫通孔20を持つ電解質膜2を得た。
(1−2)白金を担持させたカーボン粉を準備し、パーフルオロカーボンスルホン酸を備えるフッ素系樹脂とこの触媒担持カーボンとを混合して触媒ペーストを調製した。この触媒ペーストを上記の(1−1)工程で得た電解質膜2の内周部2yの上面2aに塗布することで、電解質膜2の内周部2yの上層に第1の触媒電極層31を積層した。同様に、触媒ペーストを電解質膜2の内周部2yの下面2bに塗布することで、電解質膜2の内周部2yの上層に第2の触媒電極層32を積層した。
(1−3)第1の触媒電極層31に対応する形状にカーボンクロスを切断して、第1のガス拡散層材(図略)を準備した。第2の触媒電極層32に対応する形状にカーボンクロスを切断して、第2のガス拡散層材(図略)を準備した。第1のガス拡散層材を第1の触媒電極層31の上層に積層し、第2のガス拡散層材を第2の触媒電極層32の下層に積層するとともに、第1のガス拡散層材、第1の触媒電極層31、電解質膜2、第2の触媒電極層32および第2のガス拡散層材をプレス接合によって一体化した。以上(1−1)〜(1−3)の工程によって、電解質膜2と一対の触媒電極層3と一対のガス拡散層4とを持つ中間積層体60を得た。(図4)
(2.電解質膜構造体形成工程)
図5に示すように、2つのフレーム材(第1フレーム材71、第2フレーム材72)を準備した。第1フレーム材71および第2フレーム材72はほぼ同形状をなす。詳しくは、第1フレーム材71および第2フレーム材72は、矩形の平板の中心部分が矩形にくりぬかれた枠状をなす。第2フレーム材72を成形型の下型82に配置し、第2フレーム材72の上に中間積層体60形成工程で得られた中間積層体60を配置した。中間積層体60の第2のガス拡散層42および第2の触媒電極層32は、第2フレーム材72の枠内に入り込んだ。次いで、第1フレーム材71を上型81に配置した。この状態で、上型81と下型82とを加熱しつつ、上型81を下型82に向けて進行させて型締めした。このとき、中間積層体60の第1のガス拡散層41および第1の触媒電極層31は、第1フレーム材71の枠内に入り込んだ。そして、第1フレーム材71および第2フレーム材72は加熱されて溶融し、下型82の型面と上型81の型面と中間積層体60の表面とで区画したキャビティに充填された。詳しくは、キャビティは、下型82の型面、第2のガス拡散層42の外周端面、第2の触媒電極層32の外周端面、電解質膜2の外周部2xの下面2b、電解質膜2の貫通孔20の内面、電解質膜2の外周部2xの上面2a、第1の触媒電極層31の外周端面、第1のガス拡散層41の外周端面、および上型81の型面で区画されている。このキャビティはフレーム部材5の形状に対応している。したがって、溶融した第1フレーム材71および第2フレーム材72がこのキャビティに充填(あるいは部分的に充填)されることで、フレーム部材5が中間積層体60に一体成形された(図6)。この電解質膜構造体形成工程によって、電解質膜構造体1が形成された。
(2.電解質膜構造体形成工程)
図5に示すように、2つのフレーム材(第1フレーム材71、第2フレーム材72)を準備した。第1フレーム材71および第2フレーム材72はほぼ同形状をなす。詳しくは、第1フレーム材71および第2フレーム材72は、矩形の平板の中心部分が矩形にくりぬかれた枠状をなす。第2フレーム材72を成形型の下型82に配置し、第2フレーム材72の上に中間積層体60形成工程で得られた中間積層体60を配置した。中間積層体60の第2のガス拡散層42および第2の触媒電極層32は、第2フレーム材72の枠内に入り込んだ。次いで、第1フレーム材71を上型81に配置した。この状態で、上型81と下型82とを加熱しつつ、上型81を下型82に向けて進行させて型締めした。このとき、中間積層体60の第1のガス拡散層41および第1の触媒電極層31は、第1フレーム材71の枠内に入り込んだ。そして、第1フレーム材71および第2フレーム材72は加熱されて溶融し、下型82の型面と上型81の型面と中間積層体60の表面とで区画したキャビティに充填された。詳しくは、キャビティは、下型82の型面、第2のガス拡散層42の外周端面、第2の触媒電極層32の外周端面、電解質膜2の外周部2xの下面2b、電解質膜2の貫通孔20の内面、電解質膜2の外周部2xの上面2a、第1の触媒電極層31の外周端面、第1のガス拡散層41の外周端面、および上型81の型面で区画されている。このキャビティはフレーム部材5の形状に対応している。したがって、溶融した第1フレーム材71および第2フレーム材72がこのキャビティに充填(あるいは部分的に充填)されることで、フレーム部材5が中間積層体60に一体成形された(図6)。この電解質膜構造体形成工程によって、電解質膜構造体1が形成された。
(3.冷却工程)
電解質膜構造体形成工程で得られた電解質膜構造体1を、成形型から取り出して冷却した。図7に示すように、このときフレーム部材5は収縮した。各貫通孔20に入り込んでいる第3のフレーム部53が収縮することで、電解質膜2の上面2aを覆う第1のフレーム部51と、電解質膜2の下面2bを覆う第2のフレーム部52とが互いに近接する方向に引き寄せられ、電解質膜2に上下方向の圧縮力が作用した。そして、この圧縮力によってフレーム部材5は電解質膜2に圧接した。
電解質膜構造体形成工程で得られた電解質膜構造体1を、成形型から取り出して冷却した。図7に示すように、このときフレーム部材5は収縮した。各貫通孔20に入り込んでいる第3のフレーム部53が収縮することで、電解質膜2の上面2aを覆う第1のフレーム部51と、電解質膜2の下面2bを覆う第2のフレーム部52とが互いに近接する方向に引き寄せられ、電解質膜2に上下方向の圧縮力が作用した。そして、この圧縮力によってフレーム部材5は電解質膜2に圧接した。
フレーム部材5は、冷却工程において収縮して電解質膜2に圧接する。また、固体高分子型燃料電池の動作によって電解質膜2が膨潤すると、フレーム部材5と電解質膜2はさらに強く圧接する。このため、実施例の電解質膜構造体1の製造方法によると、フレーム部材5と電解質膜2とを圧接させるための他の部材を要することなく、フレーム部材5と電解質膜2とのシール性に優れる電解質膜構造体1を製造できる。フレーム部材5と電解質膜2とのシール性に優れる電解質膜構造体1において、電解質膜2はフレーム部材5によって十分に補強される。このため、実施例の電解質膜構造体の製造方法によると、耐久性に優れた電解質膜構造体1を製造できる。
なお、電解質膜2の材料、触媒電極層3の材料、およびガス拡散層4の材料は、実施例で挙げた材料に限定されない。これらは固体高分子型燃料電池用の膜−電極接合体に一般に用いられる材料を用いればよい。
また、フレーム部材5の材料は樹脂材料であればよく、熱可塑性の樹脂材料であっても良いし、熱硬化性の樹脂材料であっても良いが、実施例の製造方法のように、予め所定形状に成形したフレーム材71、72を溶融させてフレーム部材5を成形するためには、熱可塑性の樹脂材料を用いるのが良い。この場合、フレーム部材5(フレーム材71、72)の材料は、電解質膜2の材料よりも溶融温度(または軟化温度)が低い材料であるのが好ましい。なお、電解質膜構造体1の耐久性を考慮すると、フレーム部材5の材料の溶融温度(または軟化温度)は燃料電池の動作温度以上であるのが好ましい。さらに、フレーム部材5の材料は、電解質膜2よりも強度の高い材料であるのが好ましい。さらに、フレーム部材5の材料は、ガスシール性や絶縁性に優れた材料であるのが好ましい。これらの特性を満足するフレーム部材5の材料としては、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、フッ素系樹脂から選ばれる少なくとも一種を用いるのがよい。
ガス拡散層4の外周端面および触媒電極層3の外周端面と、フレーム部材5の内周端面との距離は、5mm以下であるのが好ましい。両者の距離がこの範囲であれば、電解質膜2における露出部分(補強されていない部分)が小さいために、電解質膜構造体1の耐久性が特に向上する。電解質膜構造体1の耐久性を考慮すると、ガス拡散層4の外周端面および触媒電極層3の外周端面と、フレーム部材5の内周端面とは、隣接しているか一部重なり合っているのがより好ましい。
電解質膜2の貫通孔20の形状は、特に限定されない。貫通孔20は、例えば、丸孔状、スリット状等の種々の形状にできる。
なお、実施例の電解質膜構造体1では、第1のフレーム部51の上面51aと第1のガス拡散層41の上面41aとを面一にし、第2のフレーム部52の下面52bと第2のガス拡散層42の下面42bとを面一にしたが、第1のフレーム部51の上面51aおよび第2のフレーム部52の下面52bは平面状をなさなくても良い。例えば、第1のフレーム部51の上面51aおよび第2のフレーム部52の下面52bに突起形状または陥没形状の係合部を設け、この係合部と対応する被係合部をスペーサに設ける場合には、フレーム部材5にスペーサとの位置決め機能を付与できる。
さらに、実施例の電解質膜構造体1では、第4のフレーム部54によって電解質膜2の外周端面2cを覆うとともに第1のフレーム部51と第2のフレーム部52とを連結したが、本発明の電解質膜構造体1は第4のフレーム部54を持たなくても良い。この場合にも、第3のフレーム部53と貫通孔20とのアンカー効果によって、フレーム部材5と電解質膜2とを十分に固定できる。また、本発明の電解質膜構造体1では、第3のフレーム部53は貫通孔20に部分的に入り込むだけであっても良い。すなわち、第1のフレーム部51と第2のフレーム部52とは連結されていなくても良い。この場合には、第1のフレーム部51と第2のフレーム部52とが連結されている場合よりもフレーム部材5と電解質膜2との結合強度が小さくなる。しかし、第3のフレーム部53によってフレーム部材5と電解質膜2とが三次元的に一体化されるため、フレーム部材5と電解質膜2との剥離は抑制され、電解質膜構造体1には十分な耐久性が付与される。
実施例の電解質膜構造体1の製造方法ではフレーム部材5をプレス成形したが、フレーム部材5はインサート成形などの方法で成形しても良い。
1:電解質膜構造体 2:電解質膜 3:触媒電極層
4:ガス拡散層 5:フレーム部材 20:貫通孔
2x:電解質膜の外周部 2y:電解質膜の内周部
51:第1のフレーム部 52:第2のフレーム部 53:第3のフレーム部
54:第4のフレーム部 60:中間積層体
4:ガス拡散層 5:フレーム部材 20:貫通孔
2x:電解質膜の外周部 2y:電解質膜の内周部
51:第1のフレーム部 52:第2のフレーム部 53:第3のフレーム部
54:第4のフレーム部 60:中間積層体
Claims (4)
- 固体高分子からなる電解質膜と、
該電解質膜の内周部の両面にそれぞれ積層されている一対の触媒電極層と、
それぞれの該触媒電極層に積層されている一対のガス拡散層と、
樹脂材料からなり該電解質膜の外周部の両面を覆うフレーム部材と、を持ち、
該電解質膜の該外周部の少なくとも一部には、厚さ方向に延びる複数の貫通孔が形成され、
該フレーム部材は、該貫通孔に入り込んでいることを特徴とする固体高分子型燃料電池の電解質膜構造体。 - 前記フレーム部材は、前記電解質膜の一方の面を覆う第1のフレーム部と、前記電解質膜の他方の面を覆う第2のフレーム部と、貫通孔に入り込んでいる第3のフレーム部とを持ち、該第1のフレーム部と該第2のフレーム部とは該第3のフレーム部によって連結されている請求項1に記載の固体高分子型燃料電池。
- 前記フレーム部材は、前記電解質膜の外周端面を覆うとともに第1のフレーム部と第2のフレーム部とを連結する第4のフレーム部を持つ請求項1または請求項2に記載の固体高分子型燃料電池の電解質膜構造体。
- 請求項2に記載の固体高分子型燃料電池の電解質膜構造体を製造する方法であって、
前記貫通孔を持つ前記電解質膜の内周部の両面にそれぞれ前記触媒電極層を積層し、それぞれの前記触媒電極層に前記ガス拡散層を積層して、前記電解質膜と前記触媒電極層と前記ガス拡散層とを持つ中間積層体を得る中間積層体形成工程と、
該中間積層体形成工程で得られた該中間積層体を成形型に載置して、溶融した前記樹脂材料を材料とし前記第1のフレーム部と前記第2のフレーム部と前記第3のフレーム部とを持つ前記フレーム部材を該中間積層体に一体成形して前記電解質膜構造体を形成する電解質膜構造体形成工程と、
該電解質膜構造体形成工程後に前記電解質膜構造体を冷却する冷却工程と、を備え、
該電解質膜積層体形成工程において、溶融した前記樹脂材料をそれぞれの前記貫通孔に入り込ませ、
該冷却工程において、該フレーム部材を冷却収縮させることで前記第1のフレーム部と前記第2のフレーム部とを近接方向に進行させて、前記第1のフレーム部と前記第2のフレームとを前記電解質膜に圧接させることを特徴とする固体高分子型燃料電池の電解質膜構造体の製造方法。
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JP2007293314A JP2009123381A (ja) | 2007-11-12 | 2007-11-12 | 固体高分子型燃料電池の電解質膜構造体およびその製造方法 |
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JP (1) | JP2009123381A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102010020184A1 (de) | 2009-05-21 | 2010-12-02 | Fanuc Ltd. | Servomotor-Steuergerät zum Steuern einer periodischen Hin- und Herbewegung |
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WO2014147926A1 (ja) | 2013-03-21 | 2014-09-25 | パナソニック株式会社 | 固体高分子型燃料電池の単セルモジュール及び固体高分子型燃料電池 |
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-
2007
- 2007-11-12 JP JP2007293314A patent/JP2009123381A/ja active Pending
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