JP2009176611A - セルモジュールおよびセルモジュールの製造方法 - Google Patents

セルモジュールおよびセルモジュールの製造方法 Download PDF

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文成 雫
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Abstract

【課題】燃料電池スタックを製造する工程を簡素化する技術を提供する。
【解決手段】燃料電池スタックを構成するセルモジュールであって、電解質膜と、電解質膜の両面に電極触媒層が配置されて成る発電体と、発電体の両面に配置され、各電極触媒層に、反応ガスを供給する一対の多孔体流路形成部材と、一対の多孔体流路形成部材の一方に当接して配置されるセパレータと、発電体の外周に設けられるシール部材と、を備え、発電体と、一対の多孔体流路形成部材と、セパレータと、シール部材とは、一体的に固定して成ることを特徴とするセルモジュール。
【選択図】図2

Description

この発明は、セルモジュールに関する。
従来の燃料電池には、電解質膜の両面に電極を接合して成る膜電極接合体(以下、MEA(membrane-electrode assembly)ともいう。)を、セパレータを介在させて複数積層したスタック構造を有する燃料電池がある(以下、「燃料電池スタック」ともいう。)。燃料電池スタックでは、MEAとセパレータとの間から、反応ガスが漏洩するのを防止するために、シール部材が設けられている。そのシール部材は、MEAと一体的に形成されて、シール部材一体型MEAという部品として提供されることが多い(例えば、特許文献1参照。)。上記のようなシール部材一体型MEAを用いて、燃料電池スタックを製造する場合には、位置決め用の治具を用いて、シール部材一体型MEAとセパレータとを、相互にずれないように積層している。
特開2007−188834号公報
しかしながら、燃料電池スタックとしては、数百枚のシール部材一体型MEAを備えるものが多い。シール部材一体型MEAとセパレータとを、合わせて、数百枚を積層する場合には、製造工程において、手数がかかり、さらに、たとえ、治具を用いていても、枚数が多いと、相互にずれが生じやすいという問題があった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、燃料電池スタックを製造する工程を簡素化する技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1] 燃料電池スタックを構成するセルモジュールであって、
電解質膜と、前記電解質膜の両面に電極触媒層が配置されて成る発電体と、
前記発電体の両面に配置され、前記各電極触媒層に、反応ガスを供給する一対の多孔体流路形成部材と、
前記一対の多孔体流路形成部材の一方に当接して配置されるセパレータと、
前記発電体の外周に設けられるシール部材と、
を備え、
前記発電体と、前記一対の多孔体流路形成部材と、前記セパレータと、前記シール部材とは、一体的に固定して成ることを特徴とするセルモジュール。
適用例1のセルモジュールによれば、発電体と、一対の多孔体流路形成部材と、セパレータと、シール部材とは、一体的に固定して成るため、セルモジュールを複数積層して成る燃料電池スタックを製造する場合に、発電体とセパレータとが別体になっている場合と比べて、製造工程を簡素化することができる。また、製造工程が簡素化されることにより、製造公差を低減させることができる。
[適用例2] 適用例1に記載のセルモジュールにおいて、
前記発電体と、前記一対の多孔体流路形成部材と、前記セパレータは、前記シール部材と、接着されていることを特徴とするセルモジュール。
適用例2のセルモジュールでは、例えば、シール部材を射出成形する際に、発電体、一対の多孔体流路形成部材、セパレータとシール部材を接着することにより、容易に、発電体と、一対の多孔体流路形成部材と、セパレータと、シール部材とを、一体的に固定することができる。
[適用例3] 適用例1または2に記載のセルモジュールにおいて、
前記多孔体流路形成部材は、
前記多孔体流路形成部材の周縁から所定の距離を空けて、気孔率が低い低気孔率部が設けられることを特徴とするセルモジュール。
例えば、射出成形によりシール部材を形成するときに、多孔体流路形成部材の周縁から内側に向かって、シール部材が浸入する場合があるが、適用例3のセルモジュールによれば、多孔体流路形成部材の低気孔率部より内側に、シール部材が浸入しにくくなるため、反応ガスの流通が悪化するのを抑制することができる。
[適用例4] 適用例1ないし3のいずれか一つに記載のセルモジュールにおいて、
前記シール部材と、前記セパレータとが接着される部分には、前記シール部材と、前記セパレータとの接着性を向上させる第1の接着性向上層が設けられることを特徴とするセルモジュール。
第1の接着性向上層を設けることにより、シール部材とセパレータとを、所定の接着強度で接着させることができる。
[適用例5] 適用例1ないし4のいずれか一つに記載のセルモジュールにおいて、
前記多孔体流路形成部材の、前記シール部材が含浸された含浸部と、前記セパレータとが接触する部分には、前記含浸される前記シール部材と、前記セパレータとの接着性を向上させる第2の接着性向上層が設けられることを特徴とするセルモジュール。
第2の接着性向上層を設けることにより、多孔体流路形成部材と、セパレータと、をシール部材を介して、所定の接着強度で接着させることができる。
[適用例6] 適用例5に記載のセルモジュールにおいて、
前記第1の接着性向上層と前記第2の接着性向上層は、同一の材料より成ることを特徴とするセルモジュール。
第1の接着性向上層と第2の接着性向上層を、同一の材料にすることにより、セルモジュールの製造工程を簡易化することができる。
[適用例7] 適用例1ないし6のいずれか一つに記載のセルモジュールにおいて、
前記セパレータは、
前記反応ガスを、前記多孔体流路形成部材に供給する反応ガス供給口を備え、
前記シール部材は、
前記多孔体流路形成部材の周縁から内側に向かって、前記反応ガス供給口と当接する位置まで含浸されることを特徴とするセルモジュール。
シール部材が、多孔体流路形成部材の周縁から内側に向かって、反応ガス供給口と当接する位置まで含浸されると、シール部材により、多孔体流路形成部材とセパレータとが接着されるため、反応ガス供給口よりも外側に、反応ガスが流出するのを抑制することができる。したがって、反応効率の低減を抑制することができる。
[適用例8] 適用例1ないし7のいずれか一つに記載のセルモジュールにおいて、
前記セパレータは、
前記発電体のアノード側の電極触媒層側に配置される前記多孔体流路形成部材に当接するように配置されることを特徴とするセルモジュール。
燃料電池スタックの運転中には、電解質膜の酸(例えば、フッ素)が燃料電池内に存在する水に溶け出して、酸性水ができることがある。その酸性水が、シール部材に接すると、シール部材が劣化するおそれがある。アノード側では、カソード側に比べて、酸性水が濃縮されて、酸性が強くなる傾向にあり、劣化が懸念される。これに対し、適用例8のセルモジュールは、セパレータがアノード側に配置されて固定されているため、アノード側の酸性水が、シール部材に接触しにくく、シール部材の劣化を抑制することができる。
[適用例9] 適用例1ないし8のいずれか一つに記載のセルモジュールであって、
前記セルモジュールが複数積層されて成る前記燃料電池スタックが、車両に積層される場合には、前記燃料電池スタックの積層面が、前記車両の床面に対して略垂直になるように配置されることを特徴とするセルモジュール。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、セルモジュール、そのセルモジュールを複数積層して成る燃料電池スタック、その燃料電池スタックを備える燃料電池システム、その燃料電池システムを搭載した移動体、およびセルモジュールの製造方法等の形態で実現することができる。
A.第1の実施例:
A1.実施例の構成:
A1−1.燃料電池スタックの構成:
図1は、本発明の第1の実施例としてのセルモジュール100を複数積層して成る燃料電池スタック10Aの構成を示す説明図である。燃料電池スタック10Aは、アノードガスとしての水素とカソードガスとしての空気とを用いて発電を行う固体高分子型の燃料電池であり、図1に示すように、一端からエンドプレート12、絶縁板14、集電板16、複数のセルモジュール100、集電板18、絶縁板20、エンドプレート22の順に積層されて構成される。
そして、テンションプレート(図示しない)を、ボルト(図示しない)によって、エンドプレート12、エンドプレート22に締結することにより、燃料電池スタック10Aは、セルモジュール100の積層方向(図中の前後方向)に、所定の押圧力がかかった状態で保持されている。なお、集電板16、18には、それぞれ出力端子16o、18oが設けられており、燃料電池スタック10Aで発電した電力を出力可能となっている。
エンドプレート12には、各セルモジュール100にアノードガスを供給するための供給口122、各セルモジュール100から排出されるアノード排ガスを燃料電池スタック10A外に排出するための排出口124、各セルモジュール100にカソードガスを供給するための供給口126、各セルモジュール100から排出されるカソード排ガスを燃料電池スタック10A外に排出するための排出口128が設けられている。各供給口122、126および、排出口124、128には、それぞれ、配管(図示しない)が接続され、各配管を介して、アノードガス、カソードガスが、燃料電池スタック10Aに供給され、また燃料電池スタック10Aから排出される。なお、本実施例の燃料電池スタック10Aは、積層面が車両の床面に対して略垂直になるように配置される。すなわち、図中に示す上下方向は、車両の床面に対して略垂直な上下方向を表している。
A1−2.セルモジュールの構成:
図2は、セルモジュール100の平面構成を示す平面図であり、図3は、セルモジュール100の図2におけるA−A切断面の概略構成を示す断面図である。図2は、セルモジュール100を、カソード側多孔体340側から見て示している。セルモジュール100は、図2、3に示すように、平面形状が略長方形状を成すセパレータ200のアノード対向プレート220(後に詳述する)側にアノード側多孔体320、MEA(Membrane‐Electrode Assembly:膜電極接合体)400、カソード側多孔体340の順に積層され、アノード側多孔体320、MEA400、カソード側多孔体340の外周に、枠状に、シールガスケット500が形成されている。本実施例におけるセパレータ200が請求項におけるセパレータに、アノード側多孔体320およびカソード側多孔体が請求項における多孔体流路形成部材に、MEA400が請求項における発電体に、それぞれ相当する。
セルモジュール100の周縁部、すなわち、シールガスケット500が設けられている部分には、複数の貫通孔が設けられている。図2に示すように、略長方形を成すセルモジュール100の上辺に沿って、カソードガスとしての空気を流通させるための、カソードガス供給用貫通孔106が、3つ形成されており、セルモジュール100の下辺に沿って、カソード排ガスを流通させるための、カソード排ガス排出用貫通孔108が、3つ形成されている。セルモジュール100の左上の角には、アノードガスとしての水素を供給するためのアノードガス供給用貫通孔102、右下の角には、アノード排ガスを排出するためのアノード排ガス排出用貫通孔104が、それぞれ一つずつ形成されている。そして、セルモジュール100の左右の辺に沿って、燃料電池スタック10A内に、冷却水を流通させるための冷却水用貫通孔110、112が、それぞれ一つずつ設けられている。これらの貫通孔は、シールガスケット500と、セパレータ200とにそれぞれ形成されている各貫通孔(後述する)によって、構成されている。
各貫通孔およびカソード側多孔体340の周囲には、凸部が形成され、セルモジュール100を複数積層した場合に、その凸部が、セパレータ200に押圧されることにより、シール性が確保される。凸部により形成されるシールラインSLを、図2、3において、破線で示している。
MEA400は、図3(a)に示すように、電解質膜420の両面に、それぞれ、アノード440、カソード460が接合されて成る。なお、本実施例において、電解質膜420としては、フッ素系樹脂により形成された高分子電解質膜を、用いている。アノード440およびカソード460としては、触媒として白金および白金合金を担持したカーボン担体より形成された触媒層に、カーボンクロスより成る拡散層(図示しない)が積層されて成るものを、用いている。なお、MEA400を構成すると、拡散層が多孔体320、340と対向するように、アノード440、カソード460は、電解質膜420に接合されている。
シールガスケット500は、シリコンゴムを用いて射出成型により形成されている。シールガスケット500を成形する際には、シリコンゴムを、アノード440、カソード460およびアノード側多孔体320、カソード側多孔体340内部の空隙に含浸させ、いわゆるアンカー効果によりシールガスケット500と、MEA400および多孔体320、340とを結合している。そして、後述するように、シールガスケット500とセパレータ200とは、プライマ層600を介して接着されている。このようにして、セルモジュール100は、各構成部品がシール部材を介して接着されて、一体化されている。なお、シリコンゴムに代えて、EPDM(Ethylene-Propylene diene terpolymer:エチレン・プロピレン・ジエン共重合体)、フッ素ゴム、PIB(Polyisobutyrene:ポリイソブチレン)等の、低温特性およびガスシール性のよい樹脂を用いてもよい。
セパレータ200は、図3(a)に示すように、アノード側多孔体320と当接するアノード対向プレート220と、カソード側多孔体340と当接するカソード対向プレート240と、アノード対向プレート220およびカソード対向プレート240に狭持された中間プレート260と、が積層された3層構造を有している。セパレータ200を構成する3枚のプレート(アノード対向プレート220、カソード対向プレート240、中間プレート260)は、略長方形を成すステンレス鋼製の薄板であり、金属接合や樹脂接合することによって作製される。ステンレス鋼の代わりに、チタンやアルミニウム等、他の金属を用いるものとしてもよい。なお、これらの各プレートは、後述するように、冷却水に晒されるので、耐食性の高い金属を用いることが好ましい。
図4は、アノード対向プレート220の平面構成を概略的に示す平面図である。図示するように、アノード対向プレート220の周縁部には、上記したアノードガス供給用貫通孔102、アノード排ガス排出用貫通孔104、カソードガス供給用貫通孔106、カソード排ガス排出用貫通孔108、冷却水用貫通孔110、112を構成する、アノードガス供給用貫通孔102a、アノード排ガス排出用貫通孔104a、カソードガス供給用貫通孔106a、カソード排ガス排出用貫通孔108a、冷却水用貫通孔110a、112aが形成されている。
さらに、複数のアノードガス供給口222h、アノード排ガス排出口224hが、アノード対向プレート220の上下辺に沿って、カソードガス供給用貫通孔106a、カソード排ガス排出用貫通孔108aよりも内側に形成されている。図に矢印で示すように、アノードガス供給口222hから、アノード側多孔体320にアノードガスとしての水素が供給され、アノード排ガス排出口224hから、アノード排ガスが排出される。本実施例におけるアノードガス供給口222hが、請求項における反応ガス供給口に相当する。
図5は、中間プレート260の平面構成を概略的に示す平面図である。図示するように、中間プレート260には、上記したアノード対向プレート220に形成されている貫通孔と同様の、アノードガス供給用貫通孔102m、アノード排ガス排出用貫通孔104m、カソードガス供給用貫通孔106m、カソード排ガス排出用貫通孔108mが形成されている。
さらに、アノードガス供給用貫通孔102mから複数のアノードガス供給口222hに水素が流れるように、アノードガス供給用貫通孔102mと複数のアノードガス供給口222hとを接続するアノードガス供給用接続部102j、が形成されている。同様に、アノード排ガス排出用貫通孔104mと複数のアノード排ガス排出口224hとを接続するアノード排ガス排出用接続部104jが、形成されている。
また、3つのカソードガス供給用貫通孔106mから、後述する複数のカソードガス供給口246hに空気が流れるように、カソードガス供給用貫通孔106mと複数のカソードガス供給口246hとを接続するカソードガス供給用接続部106j、が形成されている。同様に、後述する複数のカソード排ガス排出口248hから、3つのカソード排ガス排出用貫通孔108mにカソード排ガスが流れるように、複数のカソード排ガス排出口248hとカソード排ガス排出用貫通孔108mとを接続するカソード排ガス排出用接続部108j、が形成されている。
また、発電によって燃料電池スタック10Aの温度が上昇するのを抑制するために、MEA400全体を冷却するように、セパレータ200内に冷却水を流す、冷却水流路110pが、形成されている。
図6は、カソード対向プレート240の平面構成を概略的に示す平面図である。図示するように、カソード対向プレート240には、上記したアノード対向プレート220に形成されている貫通孔と同様の、アノードガス供給用貫通孔102c、アノード排ガス排出用貫通孔104c、カソードガス供給用貫通孔106c、カソード排ガス排出用貫通孔108c、冷却水用貫通孔110c、112cが形成されている。
さらに、複数のカソードガス供給口246h、カソード排ガス排出口248hが、カソード対向プレート240の上下辺に沿って、カソードガス供給用貫通孔106a、カソード排ガス排出用貫通孔108aよりも内側に形成されている。形成されている。図に矢印で示すように、カソードガス供給口246hから、カソード側多孔体340にカソードガスとしての空気が供給され、カソード排ガスが、カソード排ガス排出口248hを介して排出される。
図7は、セパレータ200の平面構成を概略的に示す平面図である。セパレータ200は、先に説明したように、アノード対向プレート220と、中間プレート260と、カソード対向プレート240とを接合することによって形成されている。ここでは、アノード対向プレート220側から見た様子を示している。図から分かるように、アノード対向プレート220と、中間プレート260と、カソード対向プレート240を積層した際に、各貫通孔が重なって、セパレータ200を貫通する各貫通孔が形成される。
また、アノード対向プレート220、中間プレート260、カソード対向プレート240を重ねることによって、図示するように、アノードガス供給用貫通孔102と、アノードガス供給用接続部102jと、アノードガス供給口222hとが繋がって、アノードガス(水素)の供給路が形成される。同様に、アノード排ガスの排出路、カソードガス(空気)の供給路、カソード排ガスの排出路が形成される。
図8は、本実施例のアノード側多孔体320の平面構成を説明するための平面図である。図8では、セパレータ200のアノード対向プレート220の上に、アノード側多孔体320が積層された状態を示している。なお、セパレータ200のアノードガス供給口222hおよびアノード排ガス排出口224hを破線で示している。図8に示すように、カソード側多孔体340は、平面略長方形の平板状を成し、耐食性を有するステンレス鋼の粉末を用いて作成された発砲焼結金属から成る。
図示するように、アノード側多孔体320には、アノード側多孔体320の各辺から所定の距離を空けて、各辺に沿って枠状の目止め部322が設けられている。図8および図3(b)に示すように、目止め部322のうち、アノード側多孔体320の上下辺に沿って形成される部分は、それぞれ、アノードガス供給口222hおよびアノード排ガス排出口224hの外側に、配置される。目止め部322は、シールガスケット500と同一のシリコンゴムを用いて、スクリーン印刷により形成される。なお、シールガスケット500と同一のシリコンゴムの代わりに、他のゴムやプラスチック等の樹脂を用いても良い。本実施例における目止め部322が、請求項における低気孔率部に相当する。
図9は、本実施例のカソード側多孔体340の平面構成を、説明するための平面図である。図9では、カソード側多孔体340におけるカソード対向プレート240に対する目止め部342の配置を明瞭に示すために、セパレータ200のカソード対向プレート240の上に、カソード側多孔体340を重ねて表示している(すなわち、セルモジュール100を積層した状態を、カソード側多孔体340側からカソード対向プレート240を見て示している。)。なお、セパレータ200のカソードガス供給口246hおよびカソード排ガス排出口248hを破線で示している。図9に示すように、カソード側多孔体340は、平面略長方形の平板状を成し、アノード側多孔体320と同様の発砲焼結金属から成る。なお、図3(b)に示すように、カソード側多孔体340は、アノード側多孔体320よりも外形が小さく形成されている。
図示するように、カソード側多孔体340には、カソード側多孔体340の各辺から所定の距離を空けて、各辺に沿って枠状の目止め部342が設けられている。図8に示すように、目止め部342のうち、カソード側多孔体340の上下辺に沿って形成される部分は、それぞれ、カソードガス供給口246hおよびカソード排ガス排出口248hの外側に、配置される。本実施例における目止め部342が、請求項における低気孔率部に相当する。
このように、アノード側多孔体320、カソード側多孔体340には、それぞれ、目止め部322、342が設けられているため、セルモジュール100の製造時(後述する)、シールガスケット500を射出成形するときに、シールガスケット500の原料である流動性を有する液状のシリコンゴムが、アノードガス供給口222h、アノード排ガス排出口224hよりも内側にまで、アノード側多孔体320に侵入するのを抑制することができる。同様に、カソードガス供給口246h、カソード排ガス排出口248hよりも内側にまで、シリコンゴムがカソード側多孔体340に侵入するのを抑制することができる。これにより、流動性の高いシリコンゴムを用いた場合であっても、反応ガスの給排口が、シリコンゴムによって、封止されたり、反応ガスの流路を形成する多孔体の内の空隙が塞がれることを、抑制することができ、反応ガスの流通を確保することができる。
図3(b)に示すように、シールガスケット500とアノード対向プレート220との間、およびアノード側多孔体320(シリコンゴムが含浸されている箇所および目止め部322が形成されている箇所)とアノード対向プレート220との間には、プライマ層600が形成されている。プライマ層600により、シリコンゴムとステンレス鋼の接着性が向上され、シールガスケット500とアノード対向プレート220とが、所定の接着強度で接着されると共に、アノード側多孔体320とアノード対向プレート220とが所定の接着強度で接着される。これにより、MEA400と、アノード側多孔体320と、カソード側多孔体340と、セパレータ200と、シールガスケット500とが、一体化されて固定されたセルモジュール100が作製される。本実施例におけるプライマ層600が、請求項における第1の接着性向上層および第2の接着性向上層に相当する。
A2.セルモジュールの製造方法:
次に、本実施例のセルモジュール100の製造方法について、図10ないし13に基づいて、説明する。図10は、セルモジュール100の製造工程を示すフローチャート、図11は、セルモジュール100の製造工程におけるステップS102を説明するための説明図、図12は、セルモジュール100の製造工程におけるステップS104を説明するための説明図、図13は、セルモジュール100の製造工程におけるステップS106を説明するための説明図である。
セルモジュール100の製造工程を説明するに先立って、シールガスケット500を射出成形するための金型1000および射出装置1500について、図12に基づいて説明する。図12に示すように、金型1000は、上型1100、下型1200、下型コア型1300を備える。上型1100には、ゲート1110が形成されている。ゲート1110は、型締めされた金型1000内に樹脂材料を注入するための樹脂注入口である。図示するように、上型1100には、シールガスケット500のシールラインSLを形成する凹凸部が形成されている。一方、下型コア型1300には、セパレータ200が嵌るような長方形状の凹部が形成されている。
下型1200は静止固定されており、上型1100が下型1200に向かって移動して、上型1100と下型1200が型閉じされる。上型1100と下型1200とが、任意の圧力で型締めされる。
下型コア型1300は、上型1100および下型1200の型締めとは別に上型1100に向かって独立に加圧され、上型1100と型閉じされる。上型1100と下型1200、および、上型1100と下型コア型1300とが型締めされると、上型1100に形成されている凹凸部を含むキャビティが、上型1100と下型コア型1300との間に形成される。
射出装置1500はシールガスケット500の原料である流動性を有する液状のシリコンゴム52を金型1000に注入する装置である。射出装置1500は、液状のシリコンゴム52を射出するためのノズル1510を備える。射出装置1500には、一定温度に溶融された液状のシリコンゴム52が格納されており、型締めされた金型1000のキャビティに、ゲート1110を介して液状のシリコンゴム52を注入する。本実施例におけるシリコンゴム52が、請求項におけるシール部材原料に相当する。
セルモジュール100の製造工程について、図10ないし図13に基づいて説明する。まず、セパレータ200のアノード対向プレート220側の外周部(図11において、ハッチングを付して示す。)に、プライマを塗布し、プライマ層600を形成する(ステップS102)。プライマとしては、シリコンゴムをステンレス鋼製のセパレータ200に架橋接着させる(後述する)場合に、シリコンゴムとステンレス鋼との接着性を向上させるものであればよい。例えば、下塗り(金属面)と上塗り(ゴム接着面)との2層で構成されてもよい。
続いて、セパレータ200のアノード対向プレート220の上に、アノード側多孔体320、MEA400、カソード側多孔体340の順に積層して、その積層体を、図12に示すように、金型1000の下型コア型1300の凹部にセパレータ200が嵌るように、セットする(ステップS104)。なお、本実施例では、アノード側多孔体320には、目止め部322、カソード側多孔体340には目止め部342が、それぞれ、既に形成されているものを用いている。上記したように、目止め部322、342は、シールガスケット500と同一のシリコンゴムを用いて、スクリーン印刷により形成されるが、スプレーノズルからシリコンゴムを射出して多孔体320、340にシリコンゴムを含浸させることによって形成してもよい。また、シリコンゴムの代わりに、エポキシ樹脂、アルキド樹脂を用いてもよい。本実施例におけるアノード側多孔体320が、請求項における第1の多孔体流路形成部材に、カソード側多孔体340が、請求項における第2の多孔体流路形成部材に、それぞれ相当する。
そして、上記したように金型1000を型締めし(図13)、射出装置1500から液状のシリコンゴム52を金型1000のキャビティーに注入する(ステップs106)。
本実施例では、熱硬化性のシリコンゴム52を用いているため、加熱処理を施し液状のシリコンゴム52を硬化させる(ステップS108)。ステップS106において、液状のシリコンゴムを金型1000のキャビティに流しこんだときに、アノード440、カソード460、アノード側多孔体320、カソード側多孔体340内部の空隙に、シリコンゴム52が含浸される。そして、ステップS108においてシリコンゴム52が硬化されることにより、いわゆるアンカー効果によりシールガスケット500と、MEA400および多孔体320、340とが接着される。
また、ステップS108においてシリコンゴム52が硬化されるときに、架橋接着により、シールガスケット500とセパレータ200とが接着される。同様に、アノード側多孔体320に含浸されたシリコンゴム52によって、架橋接着によりアノード側多孔体320とセパレータ200とが接着される。なお、ステップS102において、セパレータ200にはプライマ層600が形成されているため、シールガスケット500とセパレータ200、およびアノード側多孔体320とセパレータ200とは、所定の接着強度で接着されている。
キャビティ内のシリコンゴム52が充分に硬化された後、金型1000の型開きをして取り出すと(ステップS110)、MEA400および多孔体320、340の周囲にシールガスケット500が形成され、各構成部品がシールガスケット500を介して接着され、一体化されて成るセルモジュール100が形成される。
A3.実施例の効果:
本実施例のセルモジュール100は、MEA400、アノード側多孔体320、カソード側多孔体340、セパレータ200、およびシールガスケット500が接着されて、一体化されている。そのため、燃料電池スタック10Aを製造する場合には、任意の枚数のセルモジュール100を積層すればよい。従って、従来のシールガスケット一体型MEAと、セパレータとを交互に積層する場合と比べて、燃料電池スタックを製造する場合に、積層する部品の数を減らすことができ、工程を簡素化することができるようになる。また、燃料電池スタックを製造する場合に、積層する部品の数を減らすことによって、積層時の各部品間のズレを低減させることができ、燃料電池スタック全体としての公差を減らすことができるようになる。
また、従来は、シールガスケット一体型MEAと、セパレータとは接着されていなかったため、シールガスケット一体型MEAと、セパレータとの間の僅かな隙間を介して、アノードガス供給口222hの外側にアノードガスが流れ出て、電極反応に用いられることなく、アノード排ガス排出口224hから排出されるという問題があった。これに対し、本実施例のセルモジュール100は、図3(b)、図12に示すように、アノード対向プレート220において、アノードガス供給口222hおよびアノード排ガス排出口224hの間際まで、プライマ層600が形成されている。そのため、アノード対向プレート220の、アノードガス供給口222hおよびアノード排ガス排出口224hより外側は、シールガスケット500およびアノード側多孔体と、十分な接着強度で接着されている。したがって、アノードガス供給口222hを介してアノード440に供給されるアノードガス(水素)が、ほぼ全て、アノード側多孔体320に供給されて、効率よく発電に用いられるようになるため、発電効率の低下を抑制することができる。
また、燃料電池スタック10Aの運転中には、電解質膜420のフッ素が燃料電池内に存在する水に溶け出すことがある。このようにフッ素が溶け出して酸性になった水(以下、酸性水ともいう。)が、シリコンゴム製のシールガスケットに接すると、シールガスケットが劣化するおそれがある。カソード側では、電極反応の際に水が生成されるが、アノード側では、水は生成されず、さらに、燃料電池システムにおいて、アノードガスを循環させて再利用する場合があるため、アノード側では、カソード側に比べて、酸性水が濃縮されて、酸性が強くなる傾向にある。そのため、アノード側では、特に、酸性水によるシールガスケットの劣化が問題となる。これに対し、本実施例のセルモジュール100は、上記の通り、アノード対向プレート220の、アノードガス供給口222hおよびアノード排ガス排出口224hより外側は、シールガスケット500およびアノード側多孔体と、十分な接着強度で接着されている。そのため、アノード側の酸性水が、シールガスケット500に接するおそれはほとんどない。したがって、シールガスケット500の酸性水による劣化を低減させることができる。
また、本実施例のセルモジュール100は、アノード対向プレート220とシールガスケット500とが、プライマ層600を介して化学的に接着されているため、アノードガスの漏洩を抑制することができる。一方、シールガスケット500のカソード対向プレート240と対向する側には、凸部が設けられており、凸部がカソード対向プレート240に押圧されることによって、物理的にシール性が確保され、カソードガスの漏洩を抑制することができる。
また、本実施例のセルモジュール100の製造方法では、予め目止め部322が形成されているアノード側多孔体320、および予め目止め部342が形成されているカソード側多孔体340を用いている。そのため、シリコンゴム52を射出成形する場合に、アノードガス供給口222h、アノード排ガス排出口224h、カソードガス供給口246h、カソード排ガス排出口248hよりも内側には、シリコンゴム52が、浸入しない。したがって、反応ガスの給排が妨げられず、発電効率の低下を抑制できる。
B.第2の実施例:
B1.実施例の構成:
図14は、本実施例のセルモジュール100Bの構成を示す説明図である。本実施例のセルモジュール100Bは、図示するように、第1の実施例のセルモジュール100の構成に加え、さらに、導電性撥水フィルム700を備える。そのため、第1の実施例のセルモジュール100と同一の構成には、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図14(a)に示すように、導電性撥水フィルム700は、外形が略長方形状を成すフィルムである。導電性撥水フィルム700には、上下辺に沿ってスリット702、704が設けられている。導電性撥水フィルム700は、カーボンペーストを含浸させた、多孔質状のPTFE(Polytetrafluoroethylene:4フッ化エチレン樹脂)フィルムであり、透水性、透気性、導電性を有する。なお、PTFEに代えて、ETFE(4フッ化エチレン・エチレン共重合樹脂)、PFA(Tetrafluoroethylene perfluoroalkoxy vinyl ether copolymer:4フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂)、PVDF(Polyvinylidene fluoride:フッ化ビニリデン樹脂)等の他の樹脂を用いた、透水性、透気性、導電性を有する多孔質状のフィルムを、用いてもよい。
図14(a)に示すように、導電性撥水フィルム700を、カソード側多孔体340の上に積層すると、導電性撥水フィルム700は、カソード側多孔体340の周囲に形成されているシールラインSLの内側に、嵌った状態になる(図14(b))。
図15は、図14におけるB−B切断面を示す断面図である。セルモジュール100Bが複数積層されて成る10Bの一部を示している。図示するように、セルモジュール100Bを積層すると、セパレータ200のカソード対向プレート240と導電性撥水フィルム700が当接する。そして、導電性撥水フィルム700に形成されるスリット704が、カソード排ガス排出口248hの配置されている位置と一致する。また、導電性撥水フィルム700に形成されるスリット702が、カソードガス供給口246hの配置されている位置と一致する(図示しない)。導電性撥水フィルム700にスリット702、704が設けられているため、導電性撥水フィルム700によって、カソードガスの供給およびカソード排ガスの排出は阻害されにくい。また、導電性撥水フィルム700によって、シールガスケット500とセパレータ200とにより形成される空間(後述する)が埋められる。
B2.実施例の効果:
本実施例のセルモジュール100Bの効果について、第1の実施例のセルモジュール100と比較して説明する。図16は、第1の実施例のセルモジュール100を複数積層して成る燃料電池スタック10Aの一部を示す断面図である。図16に示すように、セルモジュール100を積層すると、シールガスケット500の凸部がカソード対向プレート240に押圧されて、シール性が確保され、カソードガスの漏洩を抑制することができる。しかしながら、凸部を形成すると、シールガスケット500の形状により、シールガスケット500とカソード対向プレート240との間に空間Rが形成される。セルモジュール100を複数積層して成る燃料電池スタック10Aが、図16に示すように、積層面が床面(例えば、車両の)に垂直に配置されると、燃料電池スタック10Aの運転中に、カソード460で生成された生成水が、重力により、シールガスケット500とカソード対向プレート240との間の僅かな隙間を通って、空間Rに溜まる場合がある。上記したように、生成水に、電解質膜420中のフッ素が溶け出して、生成水が酸性水になる場合がある。そうすると、酸性水が空間Rに溜まることにより、シールガスケット500が劣化する恐れがある。
それに対し、本実施例のセルモジュール100Bは、導電性撥水フィルム700を備え、図15に示すように、導電性撥水フィルム700により、空間Rが埋められている。図15に示すように、導電性撥水フィルム700のスリット704を介して、カソード排ガスが排出されるため、スリット704の近傍は、カソード排ガスにより乾燥され、水の濃度が薄い。一方、導電性撥水フィルム700のうち、空間Rを埋めている部分は、重力により水が溜まりやすいため、スリット704の近傍に比べて、水濃度が高い。従って、導電性撥水フィルムの面内において、スリット704から下に向かって、水濃度が高くなる。導電性撥水フィルム700は、互いに連通する多孔質状であるため、濃度勾配が生じると、毛細管現象により、空間Rに溜まる水は吸い上げられて、スリット704およびカソード排ガス排出口248hを介して排出される。従って、シールガスケット500とカソード対向プレート240との間に水が溜まりにくくなるため、酸性水によるシールガスケット500の劣化を抑制することができる。
C.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(1)上記した実施例において、セルモジュール100を製造する際に、シールガスケット500を射出成形することによって、MEA400と、アノード側多孔体320と、カソード側多孔体340と、セパレータ200と(以下、これらをまとめて、セルモジュールの構成部材ともいう)、をシールガスケット500にて接着して、一体化させて固定しているが、セルモジュールの構成部材を一体化させて固定する方法は、この方法に限定されない。例えば、各構成部材を、接着剤によって接着させてもよいし、各構成部材を嵌め合わせ構造(互いに嵌合する凹部と凸部を組み合わせる構造)にして、固定してもよいし、その他、公知の種々の方法で固定してもよい。このようにしても、セルモジュールを積層する際の工程を簡素化でき、製造公差を小さくする効果を得ることができる。
(2)また、上記した実施例において、アノード側多孔体320、カソード側多孔体340には、それぞれ、目止め部322、342が形成されているが、目止め部322、342は、形成されていなくてもよい。例えば、シールガスケット500の原料として、流動性の小さい原料を用いた場合等は、多孔体320、340の内部に向かって、シールガスケット500が浸入する量が少なくなるため、目止め部322、342が形成されていなくても、アノードガス、カソードガスの給排を妨げることがほとんどないからである。
(3)上記した実施例において、アノード側多孔体320、カソード側多孔体340に、スクリーン印刷によって目止め部322、342を形成して、気孔率を小さくしているが、気孔率を調整する方法はこれに限定されない。例えば、スラリー発泡法にて多孔体を形成する際に、気孔率を小さくしたい領域には、発泡剤の含有量が他の領域よりも少ないスラリーを利用して、多孔体を形成してもよい。また、気孔率を小さくしたい領域を、他の領域よりも隆起させて形成した後に、隆起している部分をプレスすることにより気孔をつぶして、気孔率を小さくしてもよい。このようにしても、上記した実施例と同様に、シールガスケット500の原料であるシリコンゴム52が、多孔体に浸入する範囲を調節することができる。
(4)上記した実施例において、プライマ層600を、アノード対向プレート220の、アノードガス供給口222h、アノード排ガス排出口224hの間際まで、形成しているが、少なくともアノード対向プレート220の、シールガスケット500と接触する領域に、プライマ層600が形成されればよい。このようにしても、MEA400と、多孔体320、340は、シールガスケット500のアンカー効果により接着されて一体化されているため、シールガスケット500とセパレータ200がプライマ層600により所定の接着強度で接着されれば、MEA400と、多孔体320、340と、シールガスケット500と、セパレータ200とは、一体化されて固定される。また、シールガスケット500とセパレータ200がプライマ層600により所定の接着強度で接着されれば、シールガスケット500が酸性水に曝され難くなるため、シールガスケット500の劣化を抑制することができる。
(5)また、上記した実施例において、アノード対向プレート220の周縁を一周するように、プライマ層600が形成されているが、プライマ層600が形成される領域は、上記した実施例に限定されない。例えば、燃料電池スタックを配置する場合に、下側になる領域(図11において、下辺に沿って縁辺からアノード排ガス排出口224hの下までの領域)だけにプライマ層600を形成してもよい。上記したように、酸性水は重力により、下側に溜まる傾向にあるため、このようにしても、酸性水によるシールガスケット500の劣化を抑制することができる。
(6)さらに、シールガスケット500の射出成形による直接架橋接着により、アノード対向プレート220とシールガスケット500とが、十分な接着強度を持って接着される場合には、プライマ層600を形成しなくてもよい。このようにしても、上記した実施例と同様の効果を得ることができる。
(7)上記した実施例において、セパレータ200は、アノード側多孔体320側に接着されているが、カソード側多孔体340側に接着されてもよい。このようにしても、上記した実施例と同様の効果を得ることができる。
(8)上記した実施例において、アノード440およびカソード460としては、触媒として白金および白金合金を担持したカーボン担体より形成された触媒層に、カーボンクロスより成る拡散層(図示しない)が積層されて成るものを、用いているが、拡散層を備えない構成にしてもよい。
本発明の第1の実施例としてのセルモジュール100を複数積層して成る燃料電池スタック10Aの構成を示す説明図である。 セルモジュール100の平面構成を示す平面図である。 セルモジュール100の図2におけるA−A切断面の概略構成を示す断面図である。 アノード対向プレート220の平面構成を概略的に示す平面図である。 中間プレート260の平面構成を概略的に示す平面図である。 カソード対向プレート240の平面構成を概略的に示す平面図である。 セパレータ200の平面構成を概略的に示す平面図である。 第1の実施例のアノード側多孔体320の平面構成を説明するための平面図である。 第1の実施例のカソード側多孔体340の平面構成を説明するための平面図である。 セルモジュール100の製造工程を示すフローチャートである。 セルモジュール100の製造工程におけるステップS102を説明するための説明図である。 セルモジュール100の製造工程におけるステップS104を説明するための説明図である。 セルモジュール100の製造工程におけるステップS106を説明するための説明図である。 第2の実施例のセルモジュール100Bの構成を示す説明図である。 図14におけるB−B切断面を示す断面図である。 第1の実施例のセルモジュール100を複数積層して成る燃料電池スタック10Aの一部を示す断面図である。
符号の説明
10A…燃料電池スタック
12、22…エンドプレート
14、20…絶縁板
16、18…集電板
16o、18o…出力端子
52…シリコンゴム
100、100B…セルモジュール
102…アノードガス供給用貫通孔
102a…アノードガス供給用貫通孔
102c…アノードガス供給用貫通孔
102j…アノードガス供給用接続部
102m…アノードガス供給用貫通孔
104…アノード排ガス排出用貫通孔
104a…アノード排ガス排出用貫通孔
104c…アノード排ガス排出用貫通孔
104j…アノード排ガス排出用接続部
104m…アノード排ガス排出用貫通孔
106…カソードガス供給用貫通孔
106a…カソードガス供給用貫通孔
106c…カソードガス供給用貫通孔
106j…カソードガス供給用接続部
106m…カソードガス供給用貫通孔
108…カソード排ガス排出用貫通孔
108a…カソード排ガス排出用貫通孔
108c…カソード排ガス排出用貫通孔
108j…カソード排ガス排出用接続部
108m…カソード排ガス排出用貫通孔
110…冷却水用貫通孔
110a…冷却水用貫通孔
110c…冷却水用貫通孔
110p…冷却水流路
122…供給口
124…排出口
126…供給口
128…排出口
1510…ノズル
200…セパレータ
220…アノード対向プレート
222h…アノードガス供給口
224h…アノード排ガス排出口
240…カソード対向プレート
246h…カソードガス供給口
248h…カソード排ガス排出口
260…中間プレート
320…アノード側多孔体
322、342…目止め部
340…カソード側多孔体
420…電解質膜
440…アノード
460…カソード
500…シールガスケット
600…プライマ層
700…導電性撥水フィルム
702、704…スリット
1000…金型
1100…上型
1110…ゲート
1200…下型
1300…下型コア型
1500…射出装置
R…空間
SL…シールライン

Claims (10)

  1. 燃料電池スタックを構成するセルモジュールであって、
    電解質膜と、前記電解質膜の両面に電極触媒層が配置されて成る発電体と、
    前記発電体の両面に配置され、前記各電極触媒層に、反応ガスを供給する一対の多孔体流路形成部材と、
    前記一対の多孔体流路形成部材の一方に当接して配置されるセパレータと、
    前記発電体の外周に設けられるシール部材と、
    を備え、
    前記発電体と、前記一対の多孔体流路形成部材と、前記セパレータと、前記シール部材とは、一体的に固定して成ることを特徴とするセルモジュール。
  2. 請求項1に記載のセルモジュールにおいて、
    前記発電体と、前記一対の多孔体流路形成部材と、前記セパレータは、前記シール部材と、接着されていることを特徴とするセルモジュール。
  3. 請求項1または2に記載のセルモジュールにおいて、
    前記多孔体流路形成部材は、
    前記多孔体流路形成部材の周縁から所定の距離を空けて、気孔率が低い低気孔率部が設けられることを特徴とするセルモジュール。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一つに記載のセルモジュールにおいて、
    前記シール部材と、前記セパレータとが接着される部分には、前記シール部材と、前記セパレータとの接着性を向上させる第1の接着性向上層が設けられることを特徴とするセルモジュール。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一つに記載のセルモジュールにおいて、
    前記多孔体流路形成部材の、前記シール部材が含浸された含浸部と、前記セパレータとが接触する部分には、前記含浸される前記シール部材と、前記セパレータとの接着性を向上させる第2の接着性向上層が設けられることを特徴とするセルモジュール。
  6. 請求項5に記載のセルモジュールにおいて、
    前記第1の接着性向上層と前記第2の接着性向上層は、同一の材料より成ることを特徴とするセルモジュール。
  7. 請求項1ないし6のいずれか一つに記載のセルモジュールにおいて、
    前記セパレータは、
    前記反応ガスを、前記多孔体流路形成部材に供給する反応ガス供給口を備え、
    前記シール部材は、
    前記多孔体流路形成部材の周縁から内側に向かって、前記反応ガス供給口と当接する位置まで含浸されることを特徴とするセルモジュール。
  8. 請求項1ないし7のいずれか一つに記載のセルモジュールにおいて、
    前記セパレータは、
    前記発電体のアノード側の電極触媒層側に配置される前記多孔体流路形成部材に当接するように配置されることを特徴とするセルモジュール。
  9. 請求項1ないし8のいずれか一つに記載のセルモジュールであって、
    前記セルモジュールが複数積層されて成る前記燃料電池スタックが、車両に積層される場合には、前記燃料電池スタックの積層面が、前記車両の床面に対して略垂直になるように配置されることを特徴とするセルモジュール。
  10. 燃料電池スタックを構成するセルモジュールの製造方法であって、
    (a)電解質膜と前記電解質膜の両面に電極触媒層が配置されて成る発電体の外周に設けられるシール部材と、セパレータとの接着性を向上させる接着性向上層を、前記セパレータに形成する工程と、
    (b)前記セパレータ、第1の多孔体流路形成部材、前記発電体、第2の多孔体流路形成部材の順に積層すると共に、金型にセットする工程と、
    (c)前記発電体の外周に、前記シール部材の原料と成る流動性を有する液状のシール部材原料を流し込んだ後、硬化させる工程と、
    を備え、
    前記セパレータと、前記第1の多孔体流路形成部材と、前記発電体と、前記第2の多孔体流路形成部材とを、前記シール部材によって接着させて一体的に形成することを特徴とするセルモジュールの製造方法。
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