JP5233310B2 - セルモジュールおよびセルモジュールの製造方法 - Google Patents

セルモジュールおよびセルモジュールの製造方法 Download PDF

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この発明は、燃料電池スタックを構成するセルモジュールに関する。
従来の燃料電池には、電解質膜の両面に電極触媒層を接合して成る膜電極接合体(以下、MEA(membrane-electrode assembly)ともいう。)と、反応ガスを拡散すると共に電極触媒層に供給するためのガス拡散層と、アノードガスとカソードガスを分離すると共に、各電極で発電された電気を集電するセパレータと、MEAとセパレータとの間から、反応ガスが漏洩するのを防止するためのシール部材を備え、それらを複数積層したスタック構造を有する燃料電池がある(以下、「燃料電池スタック」ともいう。)。燃料電池スタックを構成する場合に、従来は、これらの構成部品を、順次、積層していたため、燃料電池スタックを製造する場合には、多くの手間と時間がかかっていた。そこで、セパレータと、ガス拡散層と、シール部材と、を一体成形して成る燃料電池用構成部品が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
国際公開第WO02/001658号パンフレット
このように、セパレータと、ガス拡散層と、シール部材と、を一体成形して成る燃料電池用構成部品を製造する場合に、セパレータと、ガス拡散層を積層する工程において、互いの面方向の位置がずれる場合がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、複数の部材を積層して成る、燃料電池構成部品を製造する際に、各部材の面方向に位置ずれが生じるのを抑制する技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、例えば、以下の形態として実現可能である。燃料電池スタックを構成するセルモジュールは、電解質膜と、前記電解質膜の両面に電極触媒層が配置されて成る発電体と、前記発電体の一方の面側に配置されるセパレータと、前記発電体の外周に設けられるシール部材と、前記発電体の両面に配置され、前記各電極触媒層に、反応ガスを供給する一対の多孔体流路形成部材と、前記セパレータと、前記発電体と、前記多孔体流路形成部材との、面方向の相対位置を決める位置決め部と、を備え、前記位置決め部は、前記セパレータに形成される突起であり、前記発電体と前記一対の多孔体流路形成部材とには、前記位置決め部と係合する係合部が形成され、前記発電体と、前記一対の多孔体流路形成部材と、前記セパレータと、前記シール部材とが、一体的に固定されていることを特徴とする。本発明は、そのほか、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1] 燃料電池スタックを構成するセルモジュールであって、
電解質膜と、前記電解質膜の両面に電極触媒層が配置されて成る発電体と、
前記発電体の一方の面側に配置されるセパレータと、
前記発電体の外周に設けられるシール部材と、
前記セパレータと、前記発電体との、面方向の相対的位置を決める位置決め部と、
を備え、
前記発電体と、前記セパレータと、前記シール部材とは、一体的に固定して成ることを特徴とするセルモジュール。
適用例1のセルモジュールによれば、位置決め部を備えるため、セパレータと、発電体との、面方向の相対的位置を、容易に合わせることができる。そのため、セパレータと、発電体の面方向にずれが生じるのを抑制することができる。
また、セルモジュール自体が、位置決め部を備えるため、セルモジュールを製造する際に、位置決め用の治具を用いる必要がなくなるため、治具を用意する工程、費用等を低減させることができる。
さらに、発電体と、セパレータと、シール部材とは、一体的に固定して成るため、セルモジュールを複数積層して成る燃料電池スタックを製造する場合に、発電体と、セパレータと、シール部材とが別体になっている場合と比べて、製造工程を簡素化することができる。また、製造工程が簡素化されることにより、製造公差を低減させることができる。
[適用例2] 適用例1に記載のセルモジュールであって、
前記発電体の両面に配置され、前記各電極触媒層に、反応ガスを供給する一対の多孔体流路形成部材を、さらに備え、
前記位置決め部は、前記セパレータと、前記発電体と、前記多孔体流路形成部材との、面方向の相対的位置を決め、
前記発電体と、前記一対の多孔体流路形成部材と、前記セパレータと、前記シール部材とは、一体的に固定して成ることを特徴とするセルモジュール。
このようにすると、セルモジュールが、反応ガスを拡散させて供給するために多孔体流路形成部材を備える場合に、位置決め部によって、容易に、多孔体流路形成部材の位置も決めることができる。そのため、セパレータと、発電体と、多孔体流路形成部材との面方向にずれが生じるのを抑制することができる。
[適用例3] 適用例1または2に記載のセルモジュールにおいて、
前記位置決め部は、
前記セパレータに形成される突起であることを特徴とするセルモジュール。
このようにすると、セルモジュールを製造する際に、セルモジュールの突起に沿わせて、発電体や多孔体流路形成部材を配置することによりそれらの位置が決まるため、容易に位置を決めることができる。また、位置決め部が突起であるので、たとえば、金属製のセパレータに対して、プレス加工によって突起を作ったり、棒状の突起を、セパレータに接合したりして、位置決め部を容易に作ることができる。
[適用例4] 適用例3に記載のセルモジュールにおいて、
前記発電体には、
前記位置決め部と係合する係合部が形成されていることを特徴とするセルモジュール。
このようにすると、発電体には、位置決め部に係合する係合部が形成されているため、突起状の位置決め部に、係合部を係合させることにより、容易に、互いの面方向の相対的位置を決めることができる。なお、係合部は、例えば、発電体が四角形状を成す場合に、その角を三角形、四角形に切り落としたり、その角付近に円形の貫通孔を設けることにより形成することができる。また、凸状の位置決め部に対して嵌合する凹状に形成してもよい。
[適用例5] 適用例1ないし4のいずれか1つに記載のセルモジュールであって、
前記発電体は、
平面略長方形状を成し、その4つの角のうち、3つの角付近に、それぞれ係合部が形成されていることを特徴とするセルモジュール。
このようにすると、発電体の表裏、上下左右等の配置が定まるため、セルモジュールを製造する際に、発電体の表裏、上下左右等を間違えて、発電体を配置することを低減することができる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、セルモジュール、そのセルモジュールを複数積層して成る燃料電池スタック、その燃料電池スタックを備える燃料電池システム、その燃料電池システムを搭載した移動体、およびセルモジュールの製造方法等の形態で実現することができる。
A.第1の実施例:
A1.実施例の構成:
A1−1.セルモジュールの構成:
図1は、セルモジュール100の平面構成を示す平面図であり、図2は、セルモジュール100の図1におけるA−A切断面の概略構成を示す断面図である。図1は、セルモジュール100を、カソード側多孔体340側から見て示している。セルモジュール100は、図1、2に示すように、平面形状が略長方形状を成すセパレータ200のアノード対向プレート220(後に詳述する)側にアノード側多孔体320、MEA(Membrane‐Electrode Assembly:膜電極接合体)400、カソード側多孔体340の順に積層され、アノード側多孔体320、MEA400、カソード側多孔体340の外周に、枠状に、シールガスケット500が形成されている。後述するように、セルモジュール100は、シールガスケット500が、セパレータ200、アノード側多孔体320、MEA400、カソード側多孔体340それぞれと接着されることにより、一体的に固定されている。以下、アノード側多孔体320、カソード側多孔体340を、合わせて、単に、「多孔体320、340」とも呼ぶ。本実施例におけるセパレータ200が請求項におけるセパレータに、アノード側多孔体320およびカソード側多孔体が請求項における多孔体流路形成部材に、MEA400が請求項における発電体に、それぞれ相当する。
セルモジュール100の周縁部、すなわち、シールガスケット500が設けられている部分には、複数の貫通孔が設けられている。図1に示すように、略長方形を成すセルモジュール100の上辺に沿って、カソードガスとしての空気を流通させるための、カソードガス供給用貫通孔106が、3つ形成されており、セルモジュール100の下辺に沿って、カソード排ガスを流通させるための、カソード排ガス排出用貫通孔108が、3つ形成されている。セルモジュール100の左上の角には、アノードガスとしての水素を供給するためのアノードガス供給用貫通孔102、右下の角には、アノード排ガスを排出するためのアノード排ガス排出用貫通孔104が、それぞれ一つずつ形成されている。そして、セルモジュール100の左右の辺に沿って、燃料電池スタック10A内に、冷却水を流通させるための冷却水用貫通孔110、112が、それぞれ一つずつ設けられている。これらの貫通孔は、シールガスケット500と、セパレータ200とにそれぞれ形成されている各貫通孔(後述する)によって、構成されている。
A1−2.セパレータの構成:
セパレータ200は、図2に示すように、アノード側多孔体320と当接するアノード対向プレート220と、カソード側多孔体340と当接するカソード対向プレート240と、アノード対向プレート220およびカソード対向プレート240に狭持された中間プレート260と、が積層された3層構造を有している。セパレータ200を構成する3枚のプレート(アノード対向プレート220、カソード対向プレート240、中間プレート260)は、略長方形を成すステンレス鋼製の薄板であり、金属接合や樹脂接合することによって作製される。ステンレス鋼の代わりに、チタンやアルミニウム等、他の金属を用いるものとしてもよい。なお、これらの各プレートは、後述するように、冷却水に晒されるので、耐食性の高い金属を用いることが好ましい。
図3は、アノード対向プレート220の平面構成を概略的に示す平面図である。図示するように、アノード対向プレート220の周縁部には、上記したアノードガス供給用貫通孔102、アノード排ガス排出用貫通孔104、カソードガス供給用貫通孔106、カソード排ガス排出用貫通孔108、冷却水用貫通孔110、112を構成する、アノードガス供給用貫通孔102a、アノード排ガス排出用貫通孔104a、カソードガス供給用貫通孔106a、カソード排ガス排出用貫通孔108a、冷却水用貫通孔110a、112aが形成されている。
また、複数のアノードガス供給口222h、アノード排ガス排出口224hが、アノード対向プレート220の上下辺に沿って、カソードガス供給用貫通孔106a、カソード排ガス排出用貫通孔108aよりも内側に形成されている。図に矢印で示すように、アノードガス供給口222hから、アノード側多孔体320にアノードガスとしての水素が供給され、アノード排ガス排出口224hから、アノード排ガスが排出される。
さらに、図示するように、アノード対向プレート220には、位置決め部228が、3箇所設けられている。位置決め部228は、ステンレス鋼製のプレートにプレス加工を施すことによって、図2に示すように突起状に形成されている。図1に示すように、位置決め部228は、セルモジュール100を構成した場合に、カソード側多孔体340の右上、右下、左下の角に相当する箇所に配置されている。また、図3に示すように、位置決め部228は、アノードガス供給口222h、アノード排ガス排出口224hよりも、外周寄りに配置されている。位置決め部228がこのように配置されているため、位置決め部228によって、アノードガスの流通が妨げられるおそれを低減することができる。
図4は、中間プレート260の平面構成を概略的に示す平面図である。図示するように、中間プレート260には、上記したアノード対向プレート220に形成されている貫通孔と同様の、アノードガス供給用貫通孔102m、アノード排ガス排出用貫通孔104m、カソードガス供給用貫通孔106m、カソード排ガス排出用貫通孔108mが形成されている。
さらに、アノードガス供給用貫通孔102mから複数のアノードガス供給口222hに水素が流れるように、アノードガス供給用貫通孔102mと複数のアノードガス供給口222hとを接続するアノードガス供給用接続部102j、が形成されている。同様に、アノード排ガス排出用貫通孔104mと複数のアノード排ガス排出口224hとを接続するアノード排ガス排出用接続部104jが、形成されている。
また、3つのカソードガス供給用貫通孔106mから、後述する複数のカソードガス供給口246hに空気が流れるように、カソードガス供給用貫通孔106mと複数のカソードガス供給口246hとを接続するカソードガス供給用接続部106j、が形成されている。同様に、後述する複数のカソード排ガス排出口248hから、3つのカソード排ガス排出用貫通孔108mにカソード排ガスが流れるように、複数のカソード排ガス排出口248hとカソード排ガス排出用貫通孔108mとを接続するカソード排ガス排出用接続部108j、が形成されている。
また、発電によって燃料電池スタック10Aの温度が上昇するのを抑制するために、MEA400全体を冷却するように、セパレータ200内に冷却水を流す、冷却水流路110pが、形成されている。
図5は、カソード対向プレート240の平面構成を概略的に示す平面図である。図示するように、カソード対向プレート240には、上記したアノード対向プレート220に形成されている貫通孔と同様の、アノードガス供給用貫通孔102c、アノード排ガス排出用貫通孔104c、カソードガス供給用貫通孔106c、カソード排ガス排出用貫通孔108c、冷却水用貫通孔110c、112cが形成されている。
さらに、複数のカソードガス供給口246h、カソード排ガス排出口248hが、カソード対向プレート240の上下辺に沿って、カソードガス供給用貫通孔106c、カソード排ガス排出用貫通孔108cよりも内側に形成されている。図に矢印で示すように、カソードガス供給口246hから、カソード側多孔体340にカソードガスとしての空気が供給され、カソード排ガスが、カソード排ガス排出口248hを介して排出される。
図6は、セパレータ200の平面構成を概略的に示す平面図である。セパレータ200は、先に説明したように、アノード対向プレート220と、中間プレート260と、カソード対向プレート240とを接合することによって形成されている。ここでは、アノード対向プレート220側から見た様子を示している。図から分かるように、アノード対向プレート220と、中間プレート260と、カソード対向プレート240を積層した際に、各貫通孔が重なって、セパレータ200を貫通する各貫通孔が形成される。
また、アノード対向プレート220、中間プレート260、カソード対向プレート240を重ねることによって、図示するように、アノードガス供給用貫通孔102と、アノードガス供給用接続部102jと、アノードガス供給口222hとが繋がって、アノードガス(水素)の供給路が形成される。同様に、アノード排ガスの排出路、カソードガス(空気)の供給路、カソード排ガスの排出路が形成される。
A1−3.MEAの構成:
MEA400は、図2に示すように、電解質膜420の両面に、それぞれ、アノード440、カソード460が接合されて成る。平面形状は、長方形状の4つの角のうち、3つの角を、四角形状に切り落として、切欠部408が形成された形状を成す。その大きさは、図2に示すように、アノード側多孔体320よりも大きく、カソード側多孔体340よりも小さい。すなわち、アノード側多孔体320、MEA400、カソード側多孔体340の順に上に積層した場合に、それぞれの周端が階段状になるように形成されている。そして、アノード440とカソード460は、同一の大きさ・形状であるが、電解質膜420は、アノード440とカソード460より大きく形成されており、周縁がアノード440とカソード460よりはみ出した状態で積層されて形成されている。
図7は、アノード側多孔体320、MEA400、およびカソード側多孔体340の切欠部付近を拡大して示す部分拡大図である。図7では、アノード側多孔体320、MEA400、およびカソード側多孔体340にそれぞれ形成される切欠部を明瞭に図示するために、セパレータ200上に、アノード側多孔体320、MEA400、カソード側多孔体340が、その順に積層された状態を示している。上記したように、アノード側多孔体320、MEA400、カソード側多孔体340の順に、大きさが小さくなる。また、MEA400において、電解質膜420がアノード440、カソード460よりはみ出しているため、アノード440側から見ると、カソード460は、電解質膜420に隠れて見えない。図7において、アノード440は、電解質膜420に隠れているため、破線の引き出し線で、符号を示している。
図7に示すように、MEA400には、右上、右下の角に、四角形状の切欠部408が、それぞれ形成されている。詳しくは、電解質膜420に切欠部428が、アノード440に切欠部448が、カソード460に切欠部468が、それぞれ形成されている。なお、図示していないが、左下の角にも、同様の四角形状の切欠部408が形成されている。切欠部408は、図7に示すように、セパレータ200に形成された位置決め部228に係合される。本実施例における切欠部408が、請求項における係合部に相当する。
なお、本実施例において、電解質膜420としては、フッ素系樹脂により形成された高分子電解質膜を、用いている。アノード440およびカソード460としては、触媒として白金および白金合金を担持したカーボン担体より形成された触媒層に、カーボンフェルトより成る拡散層(図示しない)が積層されて成るものを、用いている。なお、MEA400を構成すると、拡散層が多孔体320、340と対向するように、アノード440、カソード460は、電解質膜420に接合されている。実施例において、MEA400は拡散層を備えるが、MEAは、拡散層を備えていなくてもよい。
A1−4.多孔体流路形成部材の構成:
カソード側多孔体340は、図1に示すように、平面形状が、上記したMEA400と同様の形状であり、長方形の3つの角(右上、右下、および左下の角)に、四角形状の切欠部348が形成された形状を成している。アノード側多孔体320は、図2、7に示すように、カソード側多孔体340より外形が大きい。そして、長方形の右上および右下の角(図7に示す)と、左下の角(図示しない)に、四角形状の切欠部328が形成された形状を成している。カソード側多孔体340の切欠部348と、アノード側多孔体320の切欠部328とは、図7に示すように、アノード側多孔体320とMEA400とカソード側多孔体340とを積層すると、上記したMEA400の切欠部408と重なって、セパレータ200に形成される位置決め部228に係合するように形成されている。
本実施例において、アノード側多孔体320、カソード側多孔体340としてエキスパンドメタルを用いている。アノード側多孔体320とカソード側多孔体340とは、同様のエキスパンドメタルを用いているため、カソード側多孔体340としてのエキスパンドメタルを例に挙げて、その構成を説明する。
図8は、カソード側多孔体340として用いられるエキスパンドメタルの一部を拡大して示す斜視図である。カソード側多孔体340は、図8に示すように、網目形状が六角形を成すエキスパンドメタルである。エキスパンドメタルは、金属板をエキスパンド製造機によって千鳥状に切れ目を入れながら押し広げて、六角形状の網目を形成することによって製造される、メッシュ状の金属板である。図示するように、六角形状の網目を構成する壁面のうち、yz平面に平行に形成される壁面Sの、z軸方向プラス側の角は、角を潰す加工が施されて、面Fが形成されている。一方、z軸方向マイナス側の角は、そのような加工が施されておらず、角Cが形成されている。
なお、本実施例では、網目形状が六角形のエキスパンドメタルを用いているが、その他、ひし形等、種々の形状の網目形状のエキスパンドメタルを用いることができる。また、本実施例では、ステンレス鋼板を用いているが、その他、鉄製鋼板、アルミニウム、銅、チタン等の金属板、またそれらの合金板を用いてもよい。
図9は、図8におけるD−D切断面を示す断面図である。図9では、カソード側多孔体340がセルモジュール100に配置される場合の、MEA400の接触面とセパレータ200の接触面とを、破線で示している。図示するように、カソード側多孔体340は、その六角形状の網目を構成する壁面Sが、MEA400およびセパレータ200と、斜めに接するように配置される。上記したように、壁面Sには、面Fが形成されており、セパレータ200は、全ての面Fを含むように形成される仮想面USと接触するように、カソード側多孔体340に当接している。このように、セパレータ200が面Fと接触するように配置すると、壁面Sの角を潰す加工しない場合と比べて、カソード側多孔体340と、セパレータ200との接触面積を大きくすることができるため、MEA400とカソード対向プレート240間の電子移動の際の抵抗を小さくすることができる。一方、全ての壁面Sの角Cを含むように形成される仮想面DSと接触するように、MEA400は配置されている。
図10は、図1におけるA−A切断面の一部を拡大して示す断面図である。上記したように、MEA400は、全ての角Cを含む仮想面DSと接触するように配置されている。図示するように、カソード460は、カソード側触媒層462とカソード側拡散層464とから成る。上記したように、カソード側拡散層464はカーボンフェルトより成るため、クッション性があり、柔らかい。そのため、図10に示すように、カソード側多孔体340をカソード側拡散層464上に積層すると、カソード側拡散層464の角Cが、カソード側拡散層464にめり込むような状態になる。そのため、カソード側拡散層464の角Cが、カソード側拡散層464にめり込んだ分、カソード側拡散層464とカソード側多孔体340との接触面積が大きくなる。従って、カソード側多孔体340と、セパレータ200との接触面積を大きくすることができるため、MEA400とカソード対向プレート240間の電子移動の際の抵抗を小さくすることができる。
カソードガスとしての空気は、図10に太矢印で示すように、エキスパンドメタルの網目を超えて、図の左から右に向かって流れつつ、拡散されてカソード460に供給される。
A1−5.シールガスケットの構成:
シールガスケット500は、図1、2に示すように、アノード側多孔体320、MEA400、カソード側多孔体340の外周に、枠状に形成されている。図1に示すように、シールガスケット500にも、上記したセパレータに形成される反応ガスの給排用の貫通孔と同様の貫通孔が形成されると共に、各貫通孔およびカソード側多孔体340の周囲には、凸部が形成され、セルモジュール100を複数積層した場合に、その凸部が、セパレータ200に押圧されることにより、シール性が確保される。凸部により形成されるシールラインSLを、図1、2において、破線で示している。
シールガスケット500は、シリコンゴムを用いて射出成型により形成されている。具体的には、セルモジュール100を製造する場合には、まず、セパレータ200、アノード側多孔体320、MEA400、カソード側多孔体340の順に積層して、金型にセットする。そして、型締めし、シールガスケットの形状のキャビティに、シリコンゴムを射出した後、硬化させることにより完成する。なお、本実施例におけるアノード側多孔体320が、請求項における第1の多孔体流路形成部材に、カソード側多孔体340が、請求項における第2の多孔体流路形成部材に、それぞれ相当する。
シールガスケット500を射出成形する際には、シリコンゴムが、アノード440、カソード460およびアノード側多孔体320、カソード側多孔体340内部の空隙に含浸されるため、いわゆるアンカー効果によりシールガスケット500と、MEA400および多孔体320、340とが結合(接着)される。また、シールガスケット500とセパレータ200とは、プライマ層(図示しない)を介して架橋接着により接着される。シールガスケット500とセパレータ200との間にプライマ層を設けることにより、シールガスケット500とセパレータ200を所定の接着強度で、接着させることができる。
このように、シールガスケット500を射出成形することによって、シールガスケット500が、セパレータ200、アノード側多孔体320、MEA400、カソード側多孔体340のそれぞれと、接着されて、セルモジュール100は、一体化されて固定されている。なお、シリコンゴムに代えて、EPDM(Ethylene-Propylene diene terpolymer:エチレン・プロピレン・ジエン共重合体)、フッ素ゴム、PIB(Polyisobutyrene:ポリイソブチレン)等の、低温特性およびガスシール性のよい樹脂を用いてもよい。
A2.実施例の効果:
本実施例のセルモジュール100において、セパレータ200のアノード対向プレート220には、突起状の位置決め部228が形成されている。そして、MEA400、アノード側多孔体320、カソード側多孔体340には、それぞれ、切欠部408、328、348が形成されている。そのため、セルモジュール100の製造時、セパレータ200の上に、アノード側多孔体320、MEA400、カソード側多孔体340を積層する際に、位置決め部228に、各切欠部408、328、348が係合するようにして積層すると、アノード側多孔体320、MEA400、カソード側多孔体340のセパレータ200に対する上下左右方向の移動(すなわち、面方向の移動)が制限される。したがって、各構成部品の面方向の位置が容易に決められる。そのため、各構成部品の面方向にずれが生じるのを抑制することができる。したがって、セパレータ200の上に、アノード側多孔体320、MEA400、カソード側多孔体340を積層する際に、それらの位置を目分量で合わせる等の製造者の煩わしさが低減できる。
また、位置決め部228が、セパレータ200に設けられているため、MEA400、アノード側多孔体320、カソード側多孔体340の積層位置をそろえるために、位置決め用の治具を用いる必要がなくなるため、治具を用意する工程、費用等を低減させることができる。
また、上記したように、カソード側多孔体340は、壁面Sの仮想面US側は、面Fが形成され、壁面Sの仮想面DS側は、角Cが形成されている。すなわち、カソード側多孔体340は、仮想面US側と、仮想面DS側とで、形状が異なっている。換言すると、カソード側多孔体340には、表裏がある。本実施例において、カソード側多孔体340には、切欠部348が、位置決め部288に係合されるように、3箇所形成されているため、カソード側多孔体340を、180度回転したり、裏返すと、セパレータ200上に積層した場合に、位置決め部288に係合されない切欠部328がある。そのため、カソード側多孔体340の表裏、上下左右を間違えることなく、積層することができる。
なお、本実施例において、MEA400のアノード440とカソード460とは、同一の構成から成るが、アノード440とカソード460とを、異なる構成にする場合がある。そのような場合にも、本実施例のように、3箇所に切欠部408を設けていれば、アノード440とカソード460とを、間違えて配置することがなくなる。したがって、セルモジュール100を製造する際に、表裏を確認してから配置したり、表裏を識別する印をつけたりする煩わしさを軽減することができる。
B.第2の実施例:
B1.実施例の構成:
図11は、本実施例のセルモジュール100Aの平面構成を示す平面図であり、図12は、セルモジュール100Aの図11におけるB−B切断面の概略構成を示す断面図である。図11は、セルモジュール100Aを、カソード側多孔体340A側から見て示している。セルモジュール100Aは、図11、12に示すように、第1の実施例と同様に、平面形状が略長方形状を成すセパレータ200Aのアノード対向プレート220A(後に詳述する)側にアノード側多孔体320A、MEA400A、カソード側多孔体340Aの順に積層され、アノード側多孔体320A、MEA400A、カソード側多孔体340Aの外周に、枠状に、シールガスケット500Aが形成されている。本実施例のセルモジュール100Aと、第1の実施例のセルモジュール100とが異なる点は、本実施例のセルモジュール100Aを構成するMEA400A、アノード側多孔体320A、カソード側多孔体340Aの平面形状と、セパレータ200Aの構成である。
B1−2.セパレータの構成:
図12に示すように、セパレータ200Aは、アノード側多孔体320Aと当接するアノード対向プレート220Aと、カソード側多孔体340Aと当接するカソード対向プレート240Aと、アノード対向プレート220Aおよびカソード対向プレート240Aに狭持された中間プレート260Aと、が積層された3層構造を有している。本実施例におけるカソード対向プレート240Aおよび中間プレート260Aは、第1の実施例におけるカソード対向プレート240および中間プレート260と同一であるため、その構成の説明は省略する。
アノード対向プレート220Aが第1の実施例と異なる点は、位置決め部228Aが、アノード対向プレート220Aをプレス加工して設けられたのではなく、別部材として設けられている点である。位置決め部228Aは、略円柱状を成し、一端に、アノード対向プレート220Aに接合するための突起が設けられている。そして、アノード対向プレート220Aに設けられる接合穴229A(図11)に、その突起を嵌め込むことにより、位置決め部228Aはアノード対向プレート220Aに接合される。図11に示すように、位置決め部228Aは、カソード側多孔体340の外周に、3箇所設けられている。なお、本実施例において、位置決め部228Aは、アノード対向プレート220Aと同一のステンレス鋼を用いているが、その他の金属を用いてもよいし、樹脂等を用いてもよい。
B1−3.MEAの構成:
図12に示すように、MEA400Aは、第1の実施例におけるMEA400と同様に、電解質膜420Aの両面に、それぞれ、アノード440A、カソード460Aが接合されて成る。本実施例におけるMEA400Aが、第1の実施例におけるMEA400と異なる点は、図12に示すように、アノード440Aが、カソード460Aと同じ大きさであり、電解質膜420Aよりも小さい点と、図11に示すように、平面略長方形状を成すMEA400Aの、4つの角のいずれにも、切欠部408が形成されていない点である。すなわち、本実施例におけるMEA400Aは、長方形の4辺のうちの3辺を、それぞれ、位置決め部228Aに沿わせることにより、MEA400Aの、セパレータ200Aに対する面方向の位置が決まるように、位置決め部228Aが配置されている。
B1−4.多孔体流路形成部材の構成:
カソード側多孔体340Aは、図11に示すように、平面形状が、上記したMEA400Aと同様の、略長方形状を成す。アノード側多孔体320は、図12に示すように、カソード側多孔体340Aと同一の大きさ・形状を成している。図11、12に示すように、カソード側多孔体340A、アノード側多孔体320Aも、MEA400Aと同様に、長方形の4辺の内、3辺を、それぞれ位置決め部228Aに沿わせることにより、カソード側多孔体340A、アノード側多孔体320Aの、セパレータ200Aに対する面方向の位置が決まる。
B2.実施例の効果:
本実施例のセルモジュール100Aにおいて、セパレータ200Aのアノード対向プレート220Aには、突起状の位置決め部228Aが形成されている。そのため、セルモジュール100Aの製造時、セパレータ200Aの上に、アノード側多孔体320A、MEA400A、カソード側多孔体340Aを積層する際に、位置決め部228Aに、それぞれの各辺を沿わせるようにして積層すると、位置決め部228Aによって、アノード側多孔体320A、MEA400A、カソード側多孔体340Aのセパレータ200Aに対する面方向(上下左右方向)の移動が制限される。したがって、各構成部品の面方向の位置が容易に決められるため、各構成部品の面方向にずれが生じるのを抑制することができる。したがって、セパレータ200Aの上に、アノード側多孔体320A、MEA400A、カソード側多孔体340Aを積層する際に、それらの位置を目分量で合わせる等の製造者の煩わしさが低減できる。
また、位置決め部228Aは、一端に突起部が設けられており、その突起部を、アノード対向プレート220Aに設けられた接合穴229Aに嵌め込むことにより、容易に、位置決め部228Aを、アノード対向プレート220Aに接合することができる。
C.第3の実施例:
C1.実施例の構成:
図13は、本実施例のセルモジュール100Bの平面構成を示す平面図であり、図14は、セルモジュール100Bの図13におけるC−C切断面の概略構成を示す断面図である。図13は、セルモジュール100Bを、カソード側多孔体340B側から見て示している。セルモジュール100Bは、図13、14に示すように、第1の実施例におけるアノード側多孔体320、MEA400、カソード側多孔体340に代えて、アノード側多孔体320B、MEA400B、カソード側多孔体340Bを用いる以外は、第1の実施例と同様の構成を成すため、同一の符号を付して、セパレータ200とシールガスケット500の説明は、省略する。
C1−1.MEAの構成:
MEA400Bは、図14に示すように、電解質膜420Bの一方の面に、アノード側触媒層442、アノード側拡散層444が順に積層され、電解質膜420Bの他方の面に、カソード側触媒層462、カソード側拡散層464が順に積層され、接合されて成る。本実施例におけるMEA400Bが、第1の実施例と異なる点の1つ目は、電解質膜420Bの外周に、電解質膜420Bの周縁を補強するための補強フィルム480Bが設けられている点である。補強フィルム480Bは、電解質膜420Bよりも剛性が高いフィルムから成る。電解質膜420は、あまり剛性がないため、電解質膜420の周縁部分が、アノード側拡散層444、カソード側拡散層464に挟まれると、電解質膜420の周縁付近が破損したりして、電気的短絡が生じるおそれがある。本実施例では、電解質膜420の周縁を枠状に囲む補強フィルム480Bが形成されており、補強フィルム480B上に、アノード側拡散層444B、カソード側拡散層464Bの端部が配置されるため、電気的短絡が生じる可能性を低減させることができる。
また、本実施例におけるMEA400Bが、第1の実施例と異なる点の2つ目は、セパレータ200の位置決め部228が貫通される、円形状の切欠部488Bが補強フィルム480Bに設けられている点である。第1の実施例においては、位置決め部228に係合される切欠部は、四角形状であり、電解質膜420、アノード440、およびカソード460それぞれに形成されている。補強フィルム480Bに設けられる切欠部488Bにセパレータ200に設けられる位置決め部228を通すと、MEA400Bのセパレータ200に対する面方向(上下左右方向)の移動が制限され、MEA400Bのセパレータ200に対する面方向の相対位置を決めることができる。
C1−2.多孔体流路形成部材の構成:
本実施例のカソード側多孔体340Bが、第1の実施例のカソード側多孔体340と異なる点は、切欠部348Bの形状が四角形状ではなく、図13に示すように、円形状である点である。カソード側多孔体340Bの切欠部348Bは、上記したMEA400Bの補強フィルム480Bに設けられる切欠部488Bと同一形状であり、MEA400Bの上に積層した場合に、切欠部348Bと切欠部488Bとが重なるように配置されている。アノード側多孔体320Bは、カソード側多孔体340Bと同一の大きさ・形状を成すと共に、カソード側多孔体340Bの切欠部348Bと同様の円形状の切欠部328Bが設けられている。すなわち、カソード側多孔体340B、アノード側多孔体320Bに設けられる切欠部348B、328Bにセパレータ200に設けられる位置決め部228を通すと、カソード側多孔体340B、アノード側多孔体320Bのセパレータ200に対する面方向(上下左右方向)の移動が制限され、カソード側多孔体340B、アノード側多孔体320Bのセパレータ200に対する面方向の相対位置を決めることができる。
C2.実施例の効果:
本実施例のセルモジュール100Bにおいて、第1の実施例と同様に、セパレータ200のアノード対向プレート220には、突起状の位置決め部228が形成されている。そして、MEA400B、アノード側多孔体320B、カソード側多孔体340Bには、それぞれ、略円形状を成す、切欠部488B、328B、348Bが形成されている。そのため、セルモジュール100Bの製造時、セパレータ200の上に、アノード側多孔体320B、MEA400B、カソード側多孔体340Bを積層する際に、略円形状を成す、各切欠部488B、328B、348Bに、位置決め部228を通すようにして積層すると、アノード側多孔体320B、MEA400B、カソード側多孔体340Bのセパレータ200に対する面方向(上下左右方向)の移動が制限される。そのため、各構成部品の面方向の位置が容易に決められるため、第1の実施例と同様に、各構成部品の面方向にずれが生じるのを抑制することができる。したがって、セパレータ200の上に、アノード側多孔体320B、MEA400B、カソード側多孔体340Bを積層する際に、それらの位置を目分量で合わせる等の製造者の煩わしさが低減できる。
また、本実施例におけるMEA400Bは、電解質膜420Bの外周が、電解質膜420Bよりも剛性が高い補強フィルム480Bによって補強されている。そして、補強フィルム480B上に、アノード側拡散層444B、カソード側拡散層464Bの端部が配置されている。従って、剛性の低い電解質膜420Bの端部が、アノード側拡散層444B、カソード側拡散層464Bによって破損するおそれが低減されるため、電気的短絡が生じるのを低減させることができる。
D.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(1)上記した実施例において、位置決め部228は、カソード側多孔体340の3つの角付近に設けられるが、位置決め部228の配置および個数は、上記した実施例に限定されず、位置決め部288によって、セパレータ200に対する、MEA400、多孔体320、340の面方向の移動が制限されればよい。例えば、図15は、変形例1のセパレータ200Cを示す平面図である。図15では、セパレータ200C上に、アノード側多孔体320C、MEA400C、カソード側多孔体340Cを、その順に積層した状態を示している。図示するように、変形例1の位置決め部228Cは、カソード側多孔体340Cの2つの対角付近に設けられている。このようにしても、位置決め部228Cに、略長方形状を成すカソード側多孔体340C、MEA400C、アノード側多孔体320Cの角を沿わせるようにして配置すれば、略長方形を成すアノード側多孔体320C、MEA400C、カソード側多孔体340Cは、それぞれの各辺が、位置決め部228Cのいずれかに接触して、面方向の移動が制限されるため、各構成部品の面方向にずれが生じるのを抑制することができる。
(2)上記した実施例において、位置決め部228は、略長方形を成すカソード側多孔体340の4つの角のうち、3つの角付近に設けられるが、少なくとも、1つの角付近に設けられればよい。1つの角付近に、位置決め部228を1つ設けると、MEA400の辺や、角や、切欠部408を、位置決め部288に、沿わせることによって、MEA400の面方向(上下左右方向)のいずれかの方向の移動が制限されるため、セパレータ200に対する、MEA400の大まかな位置が決まる。さらに、対角の2つの角付近に、位置決め部228を設ける場合には、MEA400の辺や、角や、切欠部408を、位置決め部288に沿わせると、MEA400の面方向(上下左右方向)の移動が制限されるため、セパレータ200に対するMEA400の位置が決まる。さらに、3つの角付近に、位置決め部228を設けると、位置決めの精度が増し、また、上記したように、MEA400の向きや表裏も決まるため、好適である。
(3)また、上記した実施例において、位置決め部228は、略長方形を成すカソード側多孔体340の角付近に形成されるものを示したが、角付近に限定されず、MEA400や、多孔体320、340の縁辺付近の少なくとも1部に設けてもよい。そうすれば、MEA400や、多孔体320、340に切欠部が形成されていない場合には、MEA400や、多孔体320、340の所定の辺を、位置決め部288に沿わせるようにして、セパレータ200に積層すれば、面方向(上下左右の方向)のいずれかの方向の移動が制限されるため、各構成部材の相互の面方向の位置ずれを抑制することができる。また、MEA400や、多孔体320、340の縁辺付近に切欠部を設けて、切欠部を位置決め部228に係合させることによって、各構成部材の相互の面方向の位置ずれを抑制するようにしてもよい。
(4)さらに、位置決め部288を、MEA400等の縁辺付近ではなく、セパレータ200の、多孔体320、340と当接する領域内に設けてもよい。このようにする場合には、MEA400や、多孔体320、340の、所定の位置に位置決め部288と係合する切欠部を形成し、切欠部を位置決め部228に係合させてセパレータ200に積層すれば、MEA400や、多孔体320、340の、セパレータ200に対する面方向の移動が制限されるため、各構成部材の相互の面方向の位置ずれを抑制することができる。
(5)また、上記した実施例において、位置決め部228は、面方向の断面が略円形状を成す突起状に形成されているが、その形状は、上記した実施例に限定されず、MEA400の各辺や、角、切欠部と接することにより、MEA400の面方向の移動を制限するような、種々の形状を採用することができる。例えば、図15に示すように、角を挟むように、2つの突起を設けるようにしてもよい。また、角に係合するような、鉤状に形成してもよい。また、第1の実施例における切欠部348が係合するような、四角形状にしてもよい。
(6)また、上記した実施例において、カソード側多孔体340等に形成される切欠部348等の形状として、四角形状のものと、円形状のものを示したが、その形状は、上記した実施例に限定されず、位置決め部228に接することにより、MEA400、多孔体320、340の面方向の移動が制限される形状であればよい。例えば、図16は、変形例2のカソード側多孔体340Dを示す平面図である。図16において、セパレータ200上に、アノード側多孔体320D、MEA400D、カソード側多孔体340Dが、その順に積層された状態を示している。図示するように、カソード側多孔体340Dには、3つの角付近に、三角形状を成す切欠部348Dが形成されている。このようにしても、各切欠部348Dを、位置決め部228に沿わせるようにして配置すれば、第1の実施例と同様に、各構成部品の面方向にずれが生じるのを抑制することができる。
(7)上記した実施例において、多孔体流路形成部材として、エキスパンドメタルを用いるものを示したが、その他、発泡焼結金属、パンチングメタル等、種々の多孔体を用いることができる。
(8)上記した実施例では、射出成形によりシールガスケット500を形成することにより、セパレータ200、アノード側多孔体320、MEA400、カソード側多孔体340が、それぞれ、シールガスケット500と接着されて、一体的に固定されて成るセルモジュール100が製造されているが、セルモジュール100の製造方法は、上記した実施例の方法に限定されない。例えば、シールガスケットを単体で製造しておいて、セパレータ200、アノード側多孔体320、MEA400、カソード側多孔体340を、それぞれ、シールガスケット500と接着剤等を用いて接着することによって、一体的に固定するようにしてもよい。また、セルモジュール100を構成する構成部材を、公知の固定手段によって、一体的に固定してもよい。
(9)上記した実施例において、反応ガスをMEAに供給するための流路として、多孔体を用いているが、反応ガスを供給するための流路の形状は、上記した実施例に限定されず、例えば、溝形状、ディンプル形状等、種々の形状を採用することができる。
(10)上記した実施例において、位置決め部288として、セパレータ200に突起状に形成されるものを例示しているが、例えば、MEAや多孔体に位置決め部を設けるようにしてもよい。MEAに位置決め部を設ける場合には、第3の実施例に示す補強フィルム480Bを貫通する棒状の位置決め部を形成し、一方、セパレータ200、多孔体に位置決め部を挿通可能な挿通孔を設けて、各挿通孔に位置決め部を挿通するようにしてもよい。また、多孔体に位置決め部を設ける場合には、例えば、カソード側多孔体に突起状の位置決め部を形成し、一方、MEA、アノード側多孔体、セパレータに、それぞれ、位置決め部を挿通可能な挿通孔を設ける。そして、セパレータ、アノード側多孔体、MEAを、挿通孔が重なるように、積層して、重なった各挿通孔に、位置決め部を挿通するようにしてもよい。このようにしても、セパレータ、アノード側多孔体、MEA、カソード側多孔体が、面方向に相互に位置ずれが生じるのを低減することができる。
また、例えば、セパレータに凹部、発電体に凸部を設け(例えば、第3の実施例における補強フィルムと同様の補強フィルムに、凸部を形成する)、発電体の凸部を、セパレータの凹部に嵌合させることにより、位置決めをするようにしてもよい。この場合には、凹部および凸部が、位置決め部に相当する。このようにしても、発電体のセパレータに対する面方向の移動が抑制されるため、相互の面方向の位置ずれを抑制することができる。
セルモジュール100の平面構成を示す平面図である。 セルモジュール100の図1におけるA−A切断面の概略構成を示す断面図である。 アノード対向プレート220の平面構成を概略的に示す平面図である。 中間プレート260の平面構成を概略的に示す平面図である。 カソード対向プレート240の平面構成を概略的に示す平面図である。 セパレータ200の平面構成を概略的に示す平面図である。 アノード側多孔体320MEA400およびカソード側多孔体340の切欠部付近を拡大して示す部分拡大図である。 カソード側多孔体340として用いられるエキスパンドメタルの一部を拡大して示す斜視図である。 図8におけるD−D切断面を示す断面図である。 図1におけるA−A切断面の一部を拡大して示す断面図である。 第2の実施例のセルモジュール100Aの平面構成を示す平面図である。 セルモジュール100Aの図11におけるB−B切断面の概略構成を示す断面図である。 第3の実施例のセルモジュール100Bの平面構成を示す平面図である。 セルモジュール100Bの図13におけるC−C切断面の概略構成を示す断面図である。 変形例1のセパレータ200Cを示す平面図である。 変形例2のカソード側多孔体340Dを示す平面図である。
符号の説明
10A…燃料電池スタック
100、100A、100B…セルモジュール
102、102a、102c、102m…アノードガス供給用貫通孔
102j…アノードガス供給用接続部
104、104a、104c、104m…アノード排ガス排出用貫通孔
104j…アノード排ガス排出用接続部
106、106a、106c、106m…カソードガス供給用貫通孔
106j…カソードガス供給用接続部
108、108a、108c、108m…カソード排ガス排出用貫通孔
108j…カソード排ガス排出用接続部
110、110a、110c…冷却水用貫通孔
110p…冷却水流路
200、200A、200C…セパレータ
220、220A…アノード対向プレート
222h…アノードガス供給口
224h…アノード排ガス排出口
229A…接合穴
240、240A…カソード対向プレート
246h…カソードガス供給口
248h…カソード排ガス排出口
260、260A…中間プレート
288、228A、228C…位置決め部
320、320A、320B、320C、320D…アノード側多孔体
328、328B、348、348B、348D、408、428、448、468、488B…切欠部
340、340A、340B、340C、340D…カソード側多孔体
400、400A、400B、400C、400D…MEA
420、420A、420B…電解質膜
440、440A…アノード
442…アノード側触媒層
444、444B…アノード側拡散層
460…カソード、460A…カソード
462…カソード側触媒層
464、464B…カソード側拡散層
480B…補強フィルム
500、500A…シールガスケット
S…壁面
SL…シールライン
US…仮想面
DS…仮想面

Claims (2)

  1. 燃料電池スタックを構成するセルモジュールであって、
    電解質膜と、前記電解質膜の両面に電極触媒層が配置されて成る発電体と、
    前記発電体の一方の面側に配置されるセパレータと、
    前記発電体の外周に設けられるシール部材と、
    前記発電体の両面に配置され、前記各電極触媒層に、反応ガスを供給する一対の多孔体流路形成部材と、
    前記セパレータと、前記発電体と、前記多孔体流路形成部材との、面方向の相対位置を決める位置決め部と、
    を備え、
    前記位置決め部は、前記セパレータに形成される突起であり、
    前記発電体と前記一対の多孔体流路形成部材とには、前記位置決め部と係合する係合部が形成され、
    前記発電体と、前記一対の多孔体流路形成部材と、前記セパレータと、前記シール部材と、一体的に固定されていることを特徴とするセルモジュール。
  2. 請求項1に記載のセルモジュールであって、
    前記発電体は、
    平面略長方形状を成し、その4つの角のうち、3つの角付近に、それぞれ係合部が形成されていることを特徴とするセルモジュール。
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