JP5067528B2 - 燃料電池用シール構造体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池スタックの各燃料電池セル間に形成される流路をシールするためのガスケットと、前記燃料電池セルの発電体における厚さ方向両側のGDLが一体化されたガスケット一体部品を製造する方法に関するものである。
燃料電池は、電解質膜(イオン交換膜)の両面に一対の電極層を設けたMEA(Membrane Electrode Assembly:膜−電極複合体)の厚さ方向両側にGDL(Gas Diffusion Layer:ガス拡散層)を配置した発電体、あるいは電解質膜の両面に、多孔質のガス拡散電極層を配置したMEAからなる発電体を、セパレータで挟持して燃料電池セルとし、更にこの燃料電池セルを多数積層した、スタック構造を有する。そして、酸化ガス(空気)が、各セパレータの一方の面に形成された酸化ガス流路から、一方のGDLを介して発電体のカソード側に供給され、燃料ガス(水素)が、各セパレータの他方の面に形成された燃料ガス流路から、他方のガス拡散層を介して発電体のアノード側に供給され、水の電気分解の逆反応である電気化学反応、すなわち水素と酸素から水を生成する反応によって、電力を発生するものである。
このため、各燃料電池セルには、燃料ガスや酸化ガス、上述の電気化学反応により生成された水や、余剰空気等をシールするためのガスケットが例えば発電体に一体的に設けられ、燃料電池セルシールとしての燃料電池用シール構造体が構成される。図11及び図12は、従来の燃料電池用シール構造体の一例を示す断面図である。
この燃料電池用シール構造体において、参照符号100は、電解質膜111及びその両面に設けられた一対の電極層112,112からなるMEA110と、その両側に設けられたGDL120,120からなる発電体である。この発電体100には、ゴム状弾性材料からなるガスケット200が一体的に成形されている。
図11に示される燃料電池用シール構造体は、発電体100に開設したスルーホール100aを通じて、成形用ゴム材料を賦形させることにより、それぞれシールリップ201を有するガスケット200,200を、発電体100の厚さ方向両側に、前記スルーホール100a内で成形用ゴム材料が硬化した部分202を介して互いに連結された形状に成形したものである。また、この成形に際して、低粘度又は液状である前記成形用ゴム材料の一部を、カーボン繊維等の多孔質体からなるGDL120,120に含浸させることによって、このGDL120,120に、ガスケット200,200と連続したゴム含浸部121,121を形成し、GDL120,120からの透過漏れのない構造としている(例えば下記の特許文献1参照)。
特開2003−7328号公報
しかしながら、図11に示される構造のものは、スタックとしての組立状態において両側のセパレータ300,300によってガスケット200,200に作用する圧縮荷重が、GDL120,120にも作用するため、このGDL120,120に、過度の負荷がかかるおそれがある。
そこで、図12に示される燃料電池用シール構造体は、セパレータ300によるガスケット200の圧縮荷重が、GDL120,120に作用することがないように、ガスケット200を、発電体100の平面延長方向を向いた端面100aに沿って無端状に延びる基部203と、その両側に形成されたシールリップ201,201を有する形状に成形したものである。カーボン繊維等の多孔質体からなるGDL120,120の周縁部には、低粘度又は液状の成形用ゴム材料を用いてガスケット200を成形する際に、この成形用ゴム材料の一部を含浸させたゴム含浸部121,121が形成されており、このゴム含浸部121,121を介してガスケット200がGDL120,120にしっかり接合されると共に、GDL120,120からの透過漏れのない構造としている。
しかしながら、カーボン繊維等の多孔質体からなるGDL120の気孔率にはバラツキがあるため、図12に示される構造のものは、低粘度又は液状の成形用ゴム材料を用いて金型でガスケット200を成形する際に、GDL120,120の周縁部への成形用ゴム材料の含浸を、適切に制限することが難しい。このため、成形用ゴム材料の充填圧力や粘度等を一定にしても、GDL120,120の気孔率等によっては、ゴム含浸部121,121の幅Wが必要以上に大きくなり、その分、MEA110における発電領域が狭まってしまうおそれがあった。
本発明は、以上のような点に鑑みてなされたものであって、その技術的課題とするところは、発電体の周縁部に沿って、その端面に接合された状態でガスケットを一体的に設けた燃料電池用シール構造体の製造において、発電体の厚さ方向両側を構成する多孔質体へのガスケット成形用ゴム材料の含浸による発電領域の減少を適切に制限すると共に、製造上のロバスト性を向上させることにある。
上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、請求項1の発明に係る燃料電池用シール構造体の製造方法は、燃料電池セルの発電体にその平面延長方向を向いた端面に沿ってガスケットを一体的に設けた燃料電池用シール構造体の製造において、前記発電体の厚さ方向両側部分を構成する多孔質体のうち、前記端面から所定幅の領域に、低粘度又は液状のゴム又は樹脂からなる目止め材を含浸して架橋硬化させることにより含浸部を形成する工程と、その後、前記発電体の端面に前記平面延長方向に対する係合面を持った凹部を所定間隔で形成する工程と、前記発電体を金型内にセットしてこの金型の内面を前記含浸部に密接させ、前記端面と前記金型の内面との間に画成されたキャビティに成形用ゴム材料を充填して架橋硬化させる工程とを備える。
また、請求項2の発明に係る燃料電池用シール構造体の製造方法は、請求項1における成形用ゴム材料の含浸・架橋硬化と、発電体の端面に凹部を形成する順番とを逆にしたものであり、すなわち、発電体の端面に発電体の平面延長方向に対する係合面を持った凹部を所定間隔で形成する工程と、その後、前記発電体の厚さ方向両側部分を構成する多孔質体のうち、前記端面から所定幅の領域に、低粘度又は液状のゴム又は樹脂からなる目止め材を含浸して架橋硬化させることにより含浸部を形成する工程と、前記発電体を金型内にセットしてこの金型の内面を前記含浸部に密接させ、前記端面と前記金型の内面との間に画成されたキャビティに成形用ゴム材料を充填して架橋硬化させる工程とを備える。
なお、ここでいう発電体とは、電解質膜の両面に一対の電極層を設けたMEAの厚さ方向両側に多孔質体からなるGDLを配置した発電体、あるいは電解質膜の両面に多孔質体からなるガス拡散電極層を配置した発電体を含むものである。
これらの方法によれば、発電体の厚さ方向両側部分を構成する多孔質体のうち、この発電体の端面から所定幅の領域に、予め低粘度又は液状のゴム又は樹脂からなる目止め材を含浸して架橋硬化させることによって、この部分は、多孔質体の連続気孔がゴム又は樹脂で目止めされた含浸部となる。このため、前記発電体を金型内にセットして型締めする際に、前記含浸部に、発電体の端面と金型内面との間に画成されるキャビティを密封するのに必要・十分な型締め力を与えることができ、その後のガスケット成形工程において、キャビティ内に充填された成形用ゴム材料の漏出や、多孔質体への浸透が防止される。
また、発電体の端面には、発電体の平面延長方向に対する係合面を持った凹部が予め形成されているため、キャビティ内に充填された成形用ゴム材料は、前記凹部に流れ込んだ部分が架橋硬化する過程でこの凹部と密着係合状態となり、これによって、ガスケットが成形と同時に発電体と一体化される。
請求項1又は2の発明によれば、発電体に、その端面に形成した凹部との密着係合によってしっかり接合されたガスケットを有する燃料電池用シール構造体を得ることができる。そして、発電体における多孔質体には、ガスケットの成形前に、予め液状のゴム又は樹脂からなる目止め材を含浸するので、発電体の端面から一定の幅の含浸部を容易に形成することができ、しかもガスケットの成形過程でキャビティから発電領域側へ漏れようとする成形用ゴム材料が、前記含浸部によって堰き止められるので、発電領域が成形用ゴムの浸透によって狭まってしまうのを有効に防止することができる。また、ガスケットの成形過程では多孔質体に成形用ゴム材料を含浸させる目的でキャビティへの充填圧を高圧にする必要がないため、製造過程での各種の制御に必要な不確定要素を減少させて、ロバスト性を向上させることができる。
以下、本発明に係る燃料電池用シール構造体の製造方法の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る燃料電池用シール構造体の製造方法を実施する発電体1の一部を示すもので、(A)は断面図、(B)は平面図である。すなわち、図1に示される発電体1は、電解質膜11の両面に一対の電極層12を設けたMEA10の厚さ方向両側に、GDL20を配置したものである。なお、GDL20は、請求項1又は2に記載された「多孔質体」に相当するものであって、カーボン繊維等からなる。
図2は、本発明に係る燃料電池用シール構造体の製造方法において、発電体1のGDL20に含浸部21を形成した状態を示すもので、(A)は断面図、(B)は平面図である。すなわち、発電体1の厚さ方向両側部分を構成するGDL20には、予め、発電体1の平面延長方向を向いた端面1aから所定幅Wの領域に、低粘度又は液状のゴム又は樹脂からなる目止め材を含浸して架橋硬化させることにより含浸部21を形成する。この工程には、例えば前記目止め材を貯留した液槽に、発電体1を所定深さまで浸漬することによって含浸させる方法や、スクリーン印刷又はディスペンサー押し出しにより前記目止め材を塗布・含浸させる方法などを採用することができ、このため、発電体1の端面1aから一定の幅Wの含浸部21を容易に形成することができる。
上述した目止め材としては、GDL20の連続気孔に浸透可能で、MEA10における発電機能に悪影響を及ぼす溶出ガスなどを発生しないものが好ましく、例えば、低粘度又は液状のフッ素ゴム、EPDM、シリコーンゴム、アクリルゴムなどのゴム材、あるいは低粘度又は液状のエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂などの樹脂材が使用可能である。
このようにしてGDL20の周縁部に形成された含浸部21では、GDL20の繊維間の間隙等による連続気孔がゴム又は樹脂で埋められ、目止めされた構造となっている。
図3は、本発明に係る燃料電池用シール構造体の製造方法において、GDL20に含浸部21を形成し、発電体1の端面1aに凹部1bを形成した状態を示すもので、(A)は断面図、(B)は平面図である。すなわち、GDL20の周縁部に含浸部21を形成した発電体1の端面1aには、平面延長方向に対する係合面1cを持った多数の凹部1bを所定間隔で切欠形成する。図示の例では、各凹部1bは蟻溝状であって、その両内側面が、溝開口端部側ほど間口が狭まるように互いに略対称に傾斜した係合面1cとなっている。
この凹部1bは、治具を用いて一度に打ち抜くといった方法によって、容易に形成することができ、凹部1bの深さDは、含浸部21の幅Wよりも小さいものとなっている。
図4は、本発明に係る燃料電池用シール構造体の製造方法において、ガスケットを成形する工程を示す説明図である。すなわち、上述のようにしてGDL20の周縁部に含浸部21を形成すると共に端面1aに多数の凹部1bを形成した発電体1は、金型4内にセットされる。すなわち、金型4は互いに接離される上型41と下型42からなるものであって、互いに対向されるその内面には、発電体1の周縁部、言い換えればGDL20の周縁の含浸部21を型締めによって挟持可能な挟持面41a,42aが形成され、その外周側へ延びる内面41b,42bと、発電体1の端面1aとの間でキャビティ43が画成されるようになっている。上型41には、キャビティ43へ向けてゲート44が開設されている。
キャビティ43は、後述の図5に示されるガスケット3を成形する空間であって、すなわち、ガスケット3の基部33と対応する形状の基部成形部431と、ガスケット3のシールリップ32,32と対応する形状のシールリップ成形部432,432とからなる。そして、発電体1を、金型4内にセットして図4に示されるように型締めすると、発電体1のGDL20における含浸部21が、上型41及び下型42の挟持面41a,42a間で型締め力(圧縮力)を受け、すなわち金型内面である挟持面41a,42aと含浸部21が、適当な面圧で密接された状態となる。
次に、図4に示される型締め状態で、不図示の成形機からゲート44を通じて、成形用ゴム材料を、キャビティ43内へ充填する。ここで使用可能な成形用ゴム材料も、MEA10における発電機能に悪影響を及ぼす溶出ガスなどを発生しないものが好ましく、例えば低粘度又は液状のフッ素ゴム、EPDM、シリコーンゴム、アクリルゴムなどが使用可能である。成形方法としては、液状の成形用ゴム材料によるLIM成形や、低粘度の成形用ゴム材料によるSIM成形あるいは圧縮成形が採用される。
また、発電体1のGDL20の周縁部は、繊維間の間隙等による連続気孔がゴム又は樹脂で目止めされた含浸部21となっているので、キャビティ43内の低粘度又は液状の成形用ゴム材料がGDL20へ浸透することはなく、前記含浸部21が上型41及び下型42の挟持面41a,42aに適当な面圧で密接されているので、この密接面間からの成形用ゴム材料の漏れも防止される。しかも、挟持面41a,42a間でGDL20を挟持する場合と異なり、圧縮率の制約を緩和することができ、成形用ゴム材料をGDL20へ含浸させる目的でキャビティ43への成形用ゴム材料の充填圧を高圧にする必要がない。
また、発電体1の端面1aには、溝肩側ほど間口が狭まるように互いに略対称に傾斜した係合面1cを有する蟻溝状の凹部1bが所定間隔で多数切欠形成されているので、キャビティ43内に充填された成形用ゴム材料の一部は、各凹部1bに流れ込んで架橋硬化する。
図5は、本発明によって製造された燃料電池用シール構造体を示すもので、(A)は断面図、(B)は平面図である。すなわち、図4に示されるキャビティ43内に充填された成形用ゴム材料が架橋硬化したら、上型41と下型42を離間することによって型開きを行い、製品(燃料電池用シール構造体)を取り出す。この燃料電池用シール構造体は、図5に示されるように、電解質膜11及びその両面の電極層12からなるMEA10の両側にGDL20が設けられた発電体1と、その平面延長方向を向いた端面1aに沿って一体的に成形されたゴム状弾性材料からなるガスケット3とを備える。
詳しくは、ガスケット3は、発電体1の平面延長方向を向いた端面1aに沿って無端状に延びる基部31と、そこから厚さ方向両側へ突出したシールリップ32を有する形状であって、図4のキャビティ43内で成形された部分である。このガスケット3と発電体1は、発電体1の端面1aに形成された蟻溝状の多数の凹部1bと、この凹部1b内で架橋硬化することによって成形された多数の突部33において、互いに密着されている。そして、各凹部1bにおける傾斜した係合面1cは、これに密接された突部33の被係合面33aに対して、発電体1の平面延長方向への係合力を発揮するので、ガスケット3と発電体1は、この凹部1bと突部33においてしっかり密着係合された状態で接合されている。
図6は、上述のようにして製造された燃料電池用シール構造体と、燃料電池用セパレータとの関係を示す断面図である。すなわち、この燃料電池用シール構造体は、図6に一点鎖線で示されるセパレータ5と共に燃料電池セルを構成するもので、組立状態において、ガスケット3のシールリップ32が、両側のセパレータ5に適当に圧縮された状態で密接することにより、燃料ガスや酸化ガス等に対するシール機能を奏する。そして、このガスケット3は、発電体1の平面延長方向を向いた端面1aに沿ってその外周を延びるように設けられているので、シールリップ32の圧縮による反力がGDL20に過度な負荷となって直接作用するようなことはない。
また、多孔質体であるGDL20の周縁部は、連続気孔が目止めされた含浸部21となっており、しかもその外周側がガスケット3で包囲されているので、密封対象のガス等が、GDL20の内部をその平面延長方向へ移動して外部へ浸透漏れするのを防止できる。
なお、上述の製造方法では、発電体1のGDL20の周縁部に目止め材を含浸して含浸部21を形成してから、発電体1の端面1aに蟻溝状の凹部1bを形成したが、これとは逆に、発電体1の端面1aに蟻溝状の凹部1bを形成してから、GDL20の周縁部に目止め材を含浸して含浸部21を形成しても良い。
図7は、本発明における他の形態による製造方法として、GDL20への含浸部の形成前に、発電体1の端面1aに凹部1bを形成した状態を示すもので、(A)は断面図、(B)は平面図である。すなわちこの方法においては、まず図1に示される発電体1の端面1aに、発電体1の平面延長方向に対する係合面1cを持った多数の凹部1bを所定間隔で切欠形成する。図示の例では、各凹部1bは蟻溝状であって、その両内側面が、溝肩側ほど間口が狭まるように互いに略対称に傾斜した係合面1cとなっている。
そして、凹部1bの形成後は、先に説明した図3に示されるように、発電体1の厚さ方向両側部分を構成するGDL20のうち、発電体1の平面延長方向を向いた端面1aから、凹部1bの深さDよりも大きい所定幅Wの領域に、低粘度又は液状のゴム又は樹脂からなる目止め材を含浸して架橋硬化させることにより含浸部21を形成する。その後の工程は、先に説明した方法と同様である。
また、凹部1bの形状は、発電体1の平面延長方向に対する係合面1cを有するものであれば、蟻溝状以外の形状であっても良い。図8は、その形状例を示すもので、(A)は断面図、(B)は平面図である。
すなわち、図8に例示された凹部1bは、鉤形に形成されたものであって、内面に、発電体1の平面延長方向に対する係合面1cが段差状に形成されており、凹部1bの深さDは、含浸部21の幅Wよりも小さいものとなっている。そしてこの場合も、凹部1bは、発電体1のGDL20の周縁部に目止め材を含浸して含浸部21を形成した後で形成しても良いし、あるいは凹部1bを形成してから、GDL20の周縁部に目止め材を含浸して含浸部21を形成しても良い。
その後、先に説明した図4のような成形工程によって、ガスケットを一体成形する。この成形工程において、発電体1に形成された凹部1bと、これに成形用ゴム材料の一部が流れ込んで架橋硬化することにより成形された多数の鉤状の突部33は、互いに密着される。そして各凹部1bにおける段差状の係合面1cは、これに対応して形成された突部33の被係合面33aに対して、発電体1の平面延長方向への係合力を発揮するので、ガスケット3と発電体1は、この凹部1bと突部33においてしっかり密着係合された状態で接合される。
次に図9及び図10は、本発明の製造方法を、MEA10のみからなる発電体1にガスケットを一体化する方法に適用した例を示すもので、(A)は断面図、(B)は平面図である。すなわち図9及び図10に示される発電体1は、電解質膜11の両面に、例えばGDLなどに使われるカーボン繊維等の多孔質体の少なくとも電解質膜接触面に電極用触媒を担持したガス拡散電極層13を積層状態に設けたもので、この場合も、基本的には先に説明した方法と同様の工程で、燃料電池用シール構造体を製造することができる。
詳しくは、発電体1(MEA10)の厚さ方向両側部分を構成する多孔質体からなるガス拡散電極層13のうち、発電体1の端面1aから所定幅Wの領域に、低粘度又は液状のゴム又は樹脂からなる目止め材を含浸して架橋硬化させることによって含浸部131を形成してから、発電体1の端面1aに発電体1の平面延長方向に対する係合面1cを持った多数の凹部1bを所定間隔で形成するか、あるいはその逆に、発電体1の端面1aに発電体1の平面延長方向に対する係合面1cを持った多数の凹部1bを所定間隔で形成してから、発電体1の端面1aから所定幅Wの領域に、低粘度又は液状のゴム又は樹脂からなる目止め材を含浸して架橋硬化させることによって含浸部131を形成する。
このようにしてガス拡散電極層13の周縁部に形成された含浸部131では、ガス拡散電極層13の連続気孔がゴム又は樹脂で埋められ、目止めされた構造となっている。なお、この場合の含浸部131の形成にも、例えば液状の目止め材を貯留した液槽に、発電体1を所定深さまで浸漬することによって含浸させる方法や、スクリーン印刷又はディスペンサー押し出しにより前記目止め材を塗布・含浸させる方法などを採用することができ、したがって、発電体1の端面1aから一定の幅Wの含浸部21を容易に形成することができる。
なお、図9に示される凹部1bは蟻溝状であって、その両内側面が、溝肩側ほど間口が狭まるように互いに略対称に傾斜した係合面1cとなっている。また、図10に示される凹部1bは鉤形に形成されたものであって、内面に、係合面1cが段差状に形成されている。
次に、上述の工程によって含浸部131及び凹部1bが形成された発電体1を不図示の金型内にセットして、先に説明した成形工程と同様、金型の内面間に含浸部131を密接挟持させ、発電体1と前記金型の内面との間に画成されたキャビティに低粘度又は液状の成形用ゴム材料を充填して架橋硬化させる。
そしてこの成形工程では、キャビティに充填された低粘度又は液状の成形用ゴム材料の漏れが、含浸部131及びこの含浸部131と金型内面との密接部において有効に遮断されるため、ガス拡散電極層13への成形用ゴム材料の浸透や漏れによって発電領域が狭まってしまうのを有効に防止することができる。そして、金型内面間でガス拡散電極層13を挟持する場合と異なり、圧縮率の制約を緩和することができ、成形用ゴム材料をガス拡散電極層13へ含浸させる目的でキャビティへの成形用ゴム材料の充填圧を高圧にする必要がない。
この方法によって製造された燃料電池用シール構造体は、電解質膜11及びその両面のガス拡散電極層13,13からなるMEA10のみによる発電体1と、その平面延長方向を向いた端面1aに沿って一体的に成形されたゴム状弾性材料からなるガスケット3とを備えるものであって、ガスケット3は、その基部31が、発電体1に形成された凹部1bと、これに上述した成形の過程で成形用ゴム材料の一部が流れ込んで架橋硬化して成形された多数の突部33がしっかり密着係合された状態で、ガス拡散電極層13に接合される。
本発明に係る燃料電池用シール構造体の製造方法を実施する発電体の一部を示すもので、(A)は断面図、(B)は平面図である。 本発明の製造方法において、発電体のGDLに含浸部を形成した状態を示すもので、(A)は断面図、(B)は平面図である。 本発明の製造方法において、GDLに含浸部を形成し、発電体の端面に凹部を形成した状態を示すもので、(A)は断面図、(B)は平面図である。 本発明の製造方法において、ガスケットを成形する工程を示す説明図である。 本発明によって製造された燃料電池用シール構造体を示すもので、(A)は断面図、(B)は平面図である。 本発明によって製造された燃料電池用シール構造体を、燃料電池用セパレータとの関係で示す断面図である。 本発明における他の形態として、GDLへの含浸部の形成前に、発電体の端面に凹部を形成した状態を示すもので、(A)は断面図、(B)は平面図である。 本発明の製造方法において、発電体の端面に形成された凹部の他の形状例を示すもので、(A)は断面図、(B)は平面図である。 本発明の製造方法を、MEAからなる発電体にガスケットを一体化する方法に適用した例を示すもので、(A)は断面図、(B)は平面図である。 本発明の製造方法を、MEAからなる発電体にガスケットを一体化する方法に適用した他の例を示すもので、(A)は断面図、(B)は平面図である。 従来の燃料電池用シール構造体の一例を示す断面図である。 従来の燃料電池用シール構造体の他の例を示す断面図である。
符号の説明
1 発電体
1a 端面
1b 凹部
1c 係合面
10 MEA
11 電解質膜
12 電極層
13 ガス拡散電極層(多孔質体)
20 GDL(多孔質体)
21,131 含浸部
3 ガスケット
31 基部
32 シールリップ
33 突部
33a 被係合面
4 金型
41 上型
42 下型
43 キャビティ
44 ゲート

Claims (2)

  1. 燃料電池セルの発電体(1)にその平面延長方向を向いた端面(1a)に沿ってガスケット(3)を一体的に設けた燃料電池用シール構造体の製造において、
    前記発電体(1)の厚さ方向両側部分を構成する多孔質体(20,13)のうち、前記端面(1a)から所定幅(W)の領域に、低粘度又は液状のゴム又は樹脂からなる目止め材を含浸して架橋硬化させることにより含浸部(21,131)を形成する工程と、
    その後、前記発電体(1)の端面(1a)に前記平面延長方向に対する係合面(1c)を持った凹部(1b)を所定間隔で形成する工程と、
    前記発電体(1)を金型(4)内にセットしてこの金型(4)の内面を前記含浸部(21,131)に密接させ、前記端面(1a)と前記金型(4)の内面との間に画成されたキャビティ(43)に成形用ゴム材料を充填して架橋硬化させる工程と、
    を備えることを特徴とする燃料電池用シール構造体の製造方法。
  2. 燃料電池セルの発電体(1)にその平面延長方向を向いた端面(1a)に沿ってガスケット(3)を一体的に設けた燃料電池用シール構造体の製造において、
    前記発電体(1)の端面(1a)に前記平面延長方向に対する係合面(1c)を持った凹部(1b)を所定間隔で形成する工程と、
    その後、前記発電体(1)の厚さ方向両側部分を構成する多孔質体(20,13)のうち、前記端面(1a)から所定幅(W)の領域に、低粘度又は液状のゴム又は樹脂からなる目止め材を含浸して架橋硬化させることにより含浸部(21,131)を形成する工程と、
    前記発電体(1)を金型(4)内にセットしてこの金型(4)の内面を前記含浸部(21,131)に密接させ、前記端面(1a)と前記金型(4)の内面との間に画成されたキャビティ(43)に成形用ゴム材料を充填して架橋硬化させる工程と、
    を備えることを特徴とする燃料電池用シール構造体の製造方法。
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