JP5418403B2 - 車両構造 - Google Patents

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本発明は、車両構造に関し、さらに詳しくは、車両の外殻を構成する車両構成部材の内側パネルよりもさらに車室内側に内側部材が配置された車両構造に関する。
特許文献1には、フロントピラーインナーパネルに取り付けたトリムのトリムプレートの裏側に、針状の細長リブを多数本一体形成した自動車のトリム構造が示されている。この特許文献1のトリム構造では、トリムプレートに加わった衝撃力を、リブの傾斜変形により吸収できるようになっている。
ところで、特許文献1に記載のように、ピラーとその車室内側のトリムプレートを有する構成では、これらの間の音が、トリムプレートの端部から車室内に漏れるおそれがある。
特開平7−117596号公報
本発明は上記事実を考慮し、車両構成部材とその車室内側に配置される内側部材との間隙と車室内とのの音の伝達を抑制できる車体構造を得ることを課題とする。
請求項1に記載の発明では、車両の外殻を構成すると共に一部が車室内側に位置する内側パネルとされた車両構成部材と、前記内側パネルよりも前記車室内側で内側パネルを覆うと共に、内側パネルとの間に間隙を構成する内側部材と、前記内側部材の端部から延出されて延出端が前記内側パネルとの間に隙間をあけるように形成され、前記間隙と前記車室内との間の音の通過経路に配置された膨張型消音室と、該膨張型消音室の音の通過方向の両側に配置され音の通過する断面積が膨張型消音室よりも狭い入口部及び出口部と、を構成する延出片と、を有する。
この車両構造では、内側パネルよりも車室内側で、内側パネルが内側部材によって覆われており、内側部材と内側パネルとの間に間隙が構成されている。また、内側部材の端部からは延出片が延出されている。そして、延出片は、延出端が内側パネルとの間に隙間をあけるように形成されており、間隙と車室内との間の音の通過経路に配置された膨張型消音室と、この膨張型消音室の音の通過方向の両側に配置されて音の通過する断面積が膨張型消音室よりも狭い入口部及び出口部とを構成している。すなわち、本発明では、いわゆる膨張型消音器が設けられていることになる。これにより、車両構成部材とその車室内側に配置される内側部材との間隙と車室内との音の伝達を抑制すること(以下、これを「消音」という)ができる。
特に、延出片は、内側部材の端部から延出されており、内側パネルと内側部材との間隙から外部へ伝達される音の移動方向の下流部分に、膨張型消音器が配置されていることになる。たとえば、内側部材の中央部から延出片を延出させた構成と比較して、より確実に消音効果を発揮させることができる。
なお、延出片は、内側部材から2つ延出されていれば、それぞれの延出片の延出端と内側パネルとの隙間に、上記した入口部及び出口部が構成される。これに対し、延出片の1つを内側部材が兼ねる構成としてもよい。この場合には、延出片を兼ねている内側部材と内側パネルとの間に、入口部又は出口部が構成される。
また、延出片を3つ以上形成してもよい。この場合には、上記した音の移動方向の上流端側の延出片と内側パネルとの隙間には入口部が構成され、下流端側の延出片と内側パネルとの隙間には出口部が構成されるが、中間の延出片と内側パネルとの隙間は、上流側の膨張型消音室から見たときの出口部と、下流側の膨張型消音室から見たときの入口部とを兼ねることになる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記内側部材が、前記内側パネルに沿って連続した形状とされ、前記延出片が、前記内側部材の前記端部の長手方向に沿って連続して形成されることで、前記膨張型消音室が前記長手方向に沿って連続した形状とされている。
したがって、内側部材により、内側パネルを連続して覆うことができる。また、延出片が、内側部材の端部の長手方向に沿って連続して形成されており、膨張型消音室もこの長手方向に沿って連続した形状とされているので、内側部材の長手方向に沿った連続して消音効果を有する構造となる。
請求項3に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記間隙において、前記内側部材の前記端部の一方と他方との中央に配置された吸音材、を有する。
このように、間隙に吸音材を配置することで、間隙における音を吸音材で吸収することができる。特に、吸音材は、内側部材の端部の一方(一端部)と他方(他端部)との中央に配置されている。すなわち、間隙において、一端部及び他端部が振動の節となり、その中央部分が振動の腹となる音に対し、腹の部分で振動を吸収する。したがって、上記した中央以外の箇所に吸音材を配置した構造と比較して、より高い吸音効果が得られる。
請求項4に記載の発明では、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記間隙に前記車両を構成する車両構成部材の一部が収容されて被収容部材とされ、前記延出片が、前記被収容部材よりも前記端部側において前記内側部材から延出されている。
すなわち、間隙を有効に利用して、車両構成部材の一部を被収容部材として収容できる。延出片は、被収容部材よりも一端部側において内側部材から延出されているので、被収容部材と延出片との不用意な干渉を抑制できる。
請求項5に記載の発明では、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発明において、前記隙間の前記断面積に対する前記膨張型消音室の前記断面積の比率である膨張率が20以上とされている。
このように、膨張率、すなわち、隙間の断面積に対する膨張型消音室の断面積の比率である膨張率を20以上とすることで、消音効果を確実に発揮させることが可能となる。なお、このように確実な消音効果を得る観点からは、膨張率の上限は特に制限されない。
請求項6に記載の発明では、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の発明において、前記車両構成部材が前記内側パネルとしてピラーインナーパネルを備えたピラーであり、前記内側部材が、前記ピラーインナーパネルよりも前記車室内側に配置されたピラーガーニッシュである。
したがって、ピラーガーニッシュにより、車室の内装を構成することができる。また、ピラーとピラーガーニッシュとの間隙から車室内に伝わる音に対し、この音の伝達を抑制することが可能になる。たとえば、エンジンノイズ、ロードノイズ、風切音等のノイズが車室内に伝わることを抑制できる。
本発明は上記構成としたので、車両構成部材とその車室内側に配置される内側部材との間隙から車室内への音の伝達を抑制できる。
本発明の車両構造が適用される車両の外観形状を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態の車両構造であるフロントピラー構造をフロントピラーの長手方向と直交する断面で示す断面図である。 (A)は本発明の第1実施形態のフロントピラー構造を膨張型消音器の近傍で拡大して示す断面図であり、(B)は第1実施形態に係る膨張型消音器をモデル化して示す説明図である。 本発明の第2実施形態の車両構造であるフロントピラー構造をフロントピラーの長手方向と直交する断面で示す断面図である。 フロントピラー構造における吸音材の位置を示す説明図であり、(A)は本発明の第2実施形態の場合、(B)は比較例の場合である本発明の第1実施形態の車両前部構造を模式的に示す斜視図である。 本発明の第3実施形態の車両構造であるフロントピラー構造をフロントピラーの長手方向と直交する断面で示す断面図である。 (A)は本発明の第3実施形態のフロントピラー構造を膨張型消音器の近傍で拡大して示す断面図であり、(B)は第3実施形態に係る膨張型消音器をモデル化して示す説明図である。 本発明の第4実施形態の車両構造であるフロントピラー構造をフロントピラーの長手方向と直交する断面で示す断面図である。 (A)は本発明の第4実施形態のフロントピラー構造を膨張型消音器の近傍で拡大して示す断面図であり、(B)は第4実施形態に係る膨張型消音器をモデル化して示す説明図である。 本発明の第5実施形態の車両構造であるフロントピラー構造をフロントピラーの長手方向と直交する断面で示す断面図である。 本発明の第6実施形態の車両構造であるフロントピラー構造をフロントピラーの長手方向と直交する断面で示す断面図である。 本発明の第7実施形態の車両構造であるフロントドア構造をフロントドアの一部として鉛直方向の断面で示す断面図である。 (A)は本発明の第7実施形態のフロントドア構造を膨張型消音器の近傍で拡大して示す断面図であり、(B)は第7実施形態に係る膨張型消音器をモデル化して示す説明図である。 自動車に用いられているエプトシーラの遮音性能の理論計算値を周波数と透過損失との関係として示すグラフである。 本発明の第1実施形態における膨張型消音器における膨張率と透過損失との関係を示すグラフである。 膨張型消音器における周波数と透過損失との関係を示すグラフである。
<第1実施形態>
図1には、本発明の第1実施形態のフロントピラー構造12が適用された車両10が示されている。また、図2には、このフロントピラー構造12が、図1における2−2線断面(フロントピラー14の長手方向と直交する断面)にて示されている。フロントピラー構造12は、本発明の車体構造の一例である。
図2に示すように、本発明に係る車両構成部材としてのフロントピラー14は、車両10の内側(車室内側)に位置するピラーインナーパネル18と、車両10の外側に位置するピラーアウターパネル16と、を有している。さらに、このフロントピラー14では、ピラーリインフォースメント20が内部に配置されている。ピラーリインフォースメント20により、フロントピラー14が補強されている。ピラーインナーパネル18が、本発明の内側パネルに該当する。
ピラーインナーパネル18及びピラーアウターパネル16はいずれも略長尺状に形成されており、フロントピラー14の長手方向と直交する方向の一端部14A(図2では左上側端部)には、長手方向に沿って延在する接合フランジ22Aが形成されている。同様に、長手方向と直交する方向の他端部14B(図2では右下側端部)からも、長手方向に沿って延在する接合フランジ22Bが形成されている。これらの接合フランジ22A、22Bで、ピラーリインフォースメント20の一端部20A及び他端部20Bをそれぞれ部分的に挟み込み、この挟み込む部分(パネルが三重に重なった部分)を溶接等により接合することで、中空筒状(但し、内部にピラーリインフォースメント20が配置されている)フロントピラー14が構成されている。なお、以下では、フロントピラー14の一端部14Aと他端部14Bとを結ぶ方向をフロントピラー14の幅方向とし、矢印W1で示すこととする。
フロントピラー14には、ウインドシールドガラス24との間に配置されて、フロントピラー14とウインドシールドガラス24との隙間を塞ぐモールディング26が取り付けられている。さらに、フロントピラー14には、車体の出入口を閉塞した状態のフロントドア30に密着することで、フロントピラー14とフロントドア30との隙間を塞ぐオープニングウエザストリップ32が取り付けられている。
ピラーインナーパネル18のさらに車室内側には、本発明における内側部材としてのフロントピラーガーニッシュ34が配置されている。フロントピラーガーニッシュ34は、フロントピラー14を車室内側で覆っており、車室の内装を構成している。また、第1実施形態に係るフロントピラーガーニッシュ34は、図2から分かるように、断面視にて、所定位置で屈曲あるいは湾曲されたピラーガーニッシュ本体36を有しており、このピラーガーニッシュ本体36とピラーインナーパネル18との間に間隙38が構成されている。
間隙38には、ワイヤーハーネス42、ドレン44、カーテンエアバッグ装置46等の部材の一部が収容されている。すなわち、これらの各部材において、間隙38に収容された部分が、本発明に係る被収容部材40となっている。
ピラーガーニッシュ本体36の一端部36A(図2では左上側端部)は、ウインドシールドガラス24から離間している。ピラーガーニッシュ本体36の他端部36B(図2では右下側端部)は、オープニングウエザストリップ32と接触している。
ピラーガーニッシュ本体36からは、被収容部材40よりも一端部36A側において、ピラーインナーパネル18に向けて2枚のリブ48A、48Bが突出されている。リブ48A、48Bは、本発明に係る延出片に該当する。
図3にも詳細に示すように、リブ48A、48Bはいずれも厚みが略一定で、ピラーガーニッシュ本体36の長手方向に沿って下端から上端まで連続する長尺状に形成されている。リブ48A、48Bの突出端は、ピラーインナーパネル18との間に所定の僅かな隙間50A、50Bが構成されるように、ピラーインナーパネル18に対し接触しない突出長とされている。本実施形態では、隙間50A、50Bの隙間長D1(リブ48A、48Bの突出端からピラーインナーパネル18までの長さ)は等しくされている。なお、以下において、複数のリブを特に区別する必要がないときは、「リブ48」として説明する。同様に、複数の隙間を特に区別する必要がないときは、「隙間50」として説明する。
2枚のリブ48A、48Bは平行に突出されており、これらのリブ48A、リブ48B、フロントピラーガーニッシュ34及びピラーインナーパネル18で囲まれた空間が、後述するように膨張型消音室52となっている。なお、本実施形態では、リブは2枚なので、膨張型消音室52は1つである。また、膨張型消音室52は、本実施形態では、フロントピラーガーニッシュ34の上端側及び下端側で開放されているが、たとえば、リブ48A、リブ48Bの上端部及び下端部を屈曲させることで、膨張型消音室52がフロントピラーガーニッシュ34の上端側及び下端側で閉塞されていてもよい。
ここで、図3(A)に示すように、間隙38、すなわち、ピラーインナーパネル18とフロントピラーガーニッシュ34との間から、車室58内へ伝達する音の通過経路SPを考える。このとき、音の通過部分の断面積は、隙間50Aで狭くなり、リブ48A、48Bの間の膨張型消音室52で一旦広くなるが、隙間50Bで再度狭くなっている。すなわち、隙間50Aが本願発明における入口部、隙間50Bが本願発明における出口部に相当し、音の通過経路SPに、膨張型消音器54が配置されていることになる。換言すれば、間隙38と車室58内との間の音の通過経路SPに膨張型消音室52が配置され、この膨張型消音室52の音の通過方向の両側(上流側及び下流側)では、音の通過する断面積が膨張型消音室52よりも狭い入口部及び出口部とが配置されるように、リブ48A、リブ48Bが延出されていることになる。しかも、膨張型消音器54は、間隙38から車室58(図2参照)内への音の移動方向の下流部分に位置している。
図3(B)には、本実施形態の膨張型消音器54がモデル化して示されている。この消音器モデル56では、隙間50A、50B及び膨張型消音室52に対応する部分の断面積をそれぞれ、S1、S2としている。また、膨張型消音室52の長さ(音の通過方向に沿った長さ)をlとしている。このとき、音の周波数をf、音速をcとすると、透過損失TLは、

と表される。この透過損失TLは、膨張型消音器54を音が透過するときの遮音性能を表す指標の1つである。なお、図3(A)から分かるように、本実施形態の膨張型消音室52の形状では、矢印SP方向に沿ってその断面積S2が変化しているが、この場合には断面積の平均値を上記のS2とすればよい。具体的には、膨張型消音室52の容積を上記の長さlで割ればよい。
次に、本実施形態のフロントピラー構造12の作用を説明する。
間隙38には、エンジン音やロードノイズ、風切音等の各種の音が外部から入るため、この音は、フロントピラーガーニッシュ34とピラーインナーパネル18との間隙38から車室58内に伝わり、いわゆる音漏れが生じるおそれがある。
本実施形態のフロントピラー構造12では、ピラーガーニッシュ本体36に2枚のリブ48A、48Bを設けたことで、間隙38から車室58内への音の通過経路SPに、膨張型消音室52を備えた膨張型消音器54が存在している。したがって、間隙38から車室58内への音の伝達、すなわち、車室58内への音漏れが抑制される。
特に、リブ48A、48Bは、ピラーガーニッシュ本体36の長手方向に沿って下端から上端まで連続する長尺状に形成されているため、膨張型消音室52もピラーガーニッシュ本体36の長手方向に沿って下端から上端まで連続して構成されていることになる。すなわち、ピラーガーニッシュ本体36の長手方向に沿った広い範囲で、音漏れを抑制することが可能である。
<第2実施形態>
図4には、本発明の第2実施形態のフロントピラー構造112が示されている。第2実施形態において、第1実施形態と同一の構成要素、部材等については、同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
第2実施形態のフロントピラー構造112では、間隙38内に位置するように、ピラーガーニッシュ本体36に吸音材114が取り付けられている。吸音材114は、たとえばフェルトやスポンジ等の多孔質材料で構成されており、気体分子の振動エネルギーを、ピラーインナーパネル18やフロントピラーガーニッシュ34よりも効果的に吸収できる部材である。
吸音材114は、複数のリブのうち、もっとも幅方向中央寄りのリブ48Aと、フロントピラーガーニッシュ34の他端部34B側を結ぶ線分L1の垂直二等分線L2上に位置している。図4から分かるように(さらに、図5(A)にも模式的に示すように)、間隙38において、リブ48A及び他端部34Bを節とし、これらの中央部分を腹とする共鳴RSの振動を想定すると、吸音材114は共鳴RSの振動における腹の位置に配置されていることになる。
上記以外は、第2実施形態のフロントピラー構造112は、第1実施形態のフロントピラー構造12と同一の構成とされている。
したがって、第2実施形態のフロントピラー構造112においても、第1実施形態のフロントピラー構造12と同一の作用効果を奏するが、さらに、第2実施形態のフロントピラー構造112では、間隙38内で生じた共鳴RSに対し、この共鳴RSのエネルギーを吸収することで、吸音効果を高めることができる。
特に、吸音材114を、共鳴RSの振動の腹の位置に配置している。この腹の位置は、空気振動の粒子速度が最大となっているため、図5(B)に示したように吸音材114を、共鳴RSの振動の腹以外の位置に配置した構成と比較して、共鳴のエネルギーを吸収する(熱エネルギーとして散逸させる)効果が高い。したがって、より効果的に共鳴RSに対する吸音効果を発揮させることができる。
<第3実施形態>
図6には、本発明の第3実施形態のフロントピラー構造212が示されている。第3実施形態においても、第1実施形態と同一の構成要素、部材等については、同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
第3実施形態のフロントピラー構造212では、図7(A)にも詳細に示すように、ピラーガーニッシュ本体36から、4枚のリブ214A、214B、214C、214Dが突出されている。リブ214A、214B、214C、214Dはいずれも、その突出端と、ピラーインナーパネル18との間に所定の僅かな隙間216A、216B、216C、216Dが構成されている。4枚のリブ214A、214B、214C、214Dは平行に突出されており、これらのリブの間に3つの膨張型消音室218A、218B、218Cが構成されている。
したがって、第3実施形態のフロントピラー構造212において、隙間216Aが本発明における入口部、隙間216Dが本発明における出口部となっているが、隙間216Bは、膨張型消音室218Aに対する出口部と、膨張型消音室218Bに対する入口部を兼ねている。同様に、隙間216Cは、膨張型消音室218Bに対する出口部と、膨張型消音室218Cに対する入口部を兼ねている。
このような構成とされた第3実施形態のフロントピラー構造212では、図7(B)にもモデル化して示すように、3つの膨張型消音室218A、218B、218Cを備えた膨張型消音器220が構成されている。この消音器モデル222から分かるように、膨張型消音室の数が第1実施形態よりも多いので、間隙38から車室58内への音の伝達を抑制する効果が高くなる。なお、膨張型消音室の数は3つに限られず、複数(2つ以上)とすれば、膨張型消音室が1つの構造と比較して、上記した音の伝達を抑制する効果は高くなる。
このように、ピラーガーニッシュ本体36から突出するリブの数は、少なくとも1つの膨張型消音室を構成できれば特に限定されない。間隙38には、被収容部材40(図6では図示省略、図2参照)が収容されているが、スペース的に可能な範囲で、より多くのリブを設ければ、膨張型消音室の数も多くできる。
<第4実施形態>
図8には、本発明の第4実施形態のフロントピラー構造312が示されている。第4実施形態においても、第1実施形態と同一の構成要素、部材等については、同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
第4実施形態のフロントピラー構造312では、1枚のリブ314Aのみがピラーガーニッシュ本体36から突出され、ピラーインナーパネル18との間に所定の僅かな隙間316Aが構成されている。また、ピラーガーニッシュ本体36の一端部36Aが、ウインドシールドガラス24との間に所定の隙間316Bを構成するように、ピラーガーニッシュ本体36の形状が決められている。そして、第4実施形態のフロントピラー構造312では、ピラーガーニッシュ本体36の一端部36Aとリブ314Aとの間に、膨張型消音室318が構成されている。すなわち、図9(B)にもモデル化して示すように、このような膨張型消音室318を備えた膨張型消音器320が構成されていることになる。実質的に、ピラーガーニッシュ本体36の一部(一端部36A)が、膨張型消音器320を構成するためのリブを兼ねていることになる。
したがって、第4実施形態のフロントピラー構造312においても、間隙38から車室58内への音の伝達を抑制する効果を奏する。しかも、第1実施形態と同様に1つの膨張型消音室318が構成されているが、ピラーガーニッシュ本体36から突出するリブの数は少なくて済むという効果も奏する。
なお、これに対し、第1〜第3実施形態のように、リブをピラーガーニッシュ本体36とは別に形成すると、ピラーガーニッシュ本体36及びリブの形状をそれぞれ独立して決めることができ、設計(形状)の自由度が高くなる、という効果がある。
また、第3実施形態のフロントピラー構造212のように、複数の膨張型消音室を備えた構造において、複数のリブの1つが、ピラーガーニッシュ本体36によって兼用されている構成としてもよい。
<第5実施形態>
図10には、本発明の第5実施形態のフロントピラー構造412が示されている。第5実施形態においても、第1実施形態と同一の構成要素、部材等については、同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
第5実施形態のフロントピラー構造412では、ピラーガーニッシュ本体36から、被収容部材40よりも他端部36B側において、2枚のリブ414A、414Bが突出されている。リブ414A、414Bの突出端とピラーインナーパネル18との間に隙間416AA、416Bが構成されている。そして、これら2枚のリブ414A、414Bの間に膨張型消音室418が構成されている。すなわち、第5実施形態では、被収容部材40よりも他端部36B側に、膨張型消音器420が存在していることになる。
したがって、第5実施形態のフロントピラー構造412では、間隙38から、他端部36B側のオープニングウエザストリップ32を透過して車室58内に入る音の伝達を抑制することができる。
<第6実施形態>
図11には、本発明の第6実施形態のフロントピラー構造512が示されている。第6実施形態のフロントピラー構造512では、ピラーガーニッシュ本体36の一端部36A側に膨張型消音器54が設けられ、さらに、第5実施形態のように、他端部36B側にも膨張型消音器420が設けられた構成である。これにより、間隙38から車室58内への音の伝達をさらに効果的に抑制できる。
なお、上記各実施形態を適宜組み合わせて、本発明に係るフロントピラー構造としてもよい。たとえば、吸音材114を、第3〜第6の各実施形態に適用してもよい。
また、上記では、本発明の車両構造として、フロントピラー構造を上げたが、たとえばセンターピラーやリアピラー等に、上記と同様の構造を適用して、本発明の車両構造としてもよい。
さらに、本発明の車両構造としては、これらのピラーの構造に限定されない。
<第7実施形態>
図12には、本発明の車両構造の第7実施形態としてのフロントドア構造612が示されている。図12は、図1に示す車両10における13−13線断面図である。なお、図1では便宜上、第1実施形態のフロントピラー構造12と第7実施形態のフロントドア構造612の双方を備えた構成を図示しているが、これら双方が1台の車両10に適用されている必要はない。
第7実施形態のフロントドア構造612では、ドアアウターパネル616とドアインナーパネル618とが接合され、さらにドアインナーパネル618よりも車室58内側に、ドアトリム620が取り付けられて、フロントドア614が構成されている。ドアトリム620とドアインナーパネル618の間には、間隙622が構成されている。
図13(A)にも詳細に示すように、ドアトリム620の下端部に設けられたフランジ部620Bには、ドアインナーパネル618に向かって2枚のリブ624A、624Bが突出されている。リブ624A、624Bの突出端とドアインナーパネル618の間には、隙間626A、626Bが構成されている。リブ624A、624Bの間には、膨張型消音室628が構成されている。
したがって、第7実施形態のフロントドア構造612では、図13(B)にもモデル化して示すように、ドアトリム620の下端部に設けられたフランジ部620B側に、膨張型消音室628を備えた膨張型消音器630が配置されていることになる。そして、第7実施形態のフロントドア構造612では、ドアトリム620の下方から間隙622内に伝達される音を、膨張型消音器630によって吸音できる。
なお、第7実施形態において、ドアトリム620の下端部(フランジ部620B)だけでなく、上端部や、車両前方側端部、車両後方側端部等に膨張型消音器を設けてもよい。
本発明の車両構造としては、第7実施形態のフロントドア構造612以外にも、リアドア構造やバックドア構造に適用できる。さらに、これらドア構造だけでなく、インストルメントパネル構造等にも適用可能である。
本発明の車両構造において、膨張型消音室の断面積S2及び隙間50Aの断面積S1は、膨張型消音器に必要とされる消音性能を満たせばよい。ここで、図14には、自動車に用いられているエプトシーラの遮音性能の理論計算値が示されている。エプトシーラは、たとえば、自動車の車体(ドア周り等を含む)において吸音材として使用される発泡樹脂あるいは発泡ゴムの部材である。そして、板状に形成されたエプトシーラの場合には、最小板厚として5mm程度が確保されることが多い。図14に示すグラフは、このように5mmの板厚とされたエプトシーラにおける透過損失と周波数との関係を示すものである。一般に、車両の騒音対策としては、音の周波数が1〜12500Hz程度の範囲が考慮されることが多いが、たとえば周波数が10000Hzの場合には、透過損失は25dB確保できていることが分かる。したがって、本発明においても、最小板厚のエプトシーラと同程度の透過損失(25dB)を少なくとも確保しておくことが望まれる。
図15には、第1実施形態に係る膨張型消音器54の膨張率と透過損失の関係が示されている。ここでいう膨張率とは、隙間50Aの断面積S1に対する膨張型消音室52の断面積S2の比率(S2/S1)である。このグラフから、透過損失として25dB以上確保するためには、膨張率が20以上であればよいことが分かる。
なお、本発明では、隙間50Aと膨張型消音室52とで、ピラーガーニッシュ本体36の長手方向に沿った長さは同じであるので、この膨張率は、隙間50Aの隙間長D1に対する膨張型消音室52の幅W2(図3(A)参照)と同じになる。たとえば、膨張型消音室52の幅W2が40mmの場合には、隙間50Aの隙間長D1は2mm以下とすれば、上記の膨張率を20以上にできる。
また、膨張型消音室の長さlは、想定される周波数範囲において必要十分な吸音性能が得られるように設定される。ここで、図16には、上記した数式(1)において、S1、S2及びlの値を固定し、f(周波数)を変化させたときのTL(透過損失)の変化の様子が示されている(縦軸の透過損失の値は、S1、S2等に応じて変化するものであり、ここでは議論の本質ではないので省略している)。透過損失は、一定周期で上に凸となる関数であり、このグラフにおいて二点鎖線ZPで示すように、透過損失が0となる周波数(以下「特定周波数」という)が一定周期で現れる。そして、特定周波数は、式(1)からも分かるように、lの値を大きくするほど、小さくなる。
ここで、上記したように、一般的な一車両の騒音対策としては、音の周波数が1〜12500Hz程度の範囲が考慮される。したがって、特定周波数が12500Hz以上となるようにlの値を小さく設定し、周波数12500Hzで透過損失が0にはならないようにすればよい。
なお、かかる観点からは、lの値を小さくし、透過損失が極大値(図16のグラフにおいて一点鎖線MPで示す)を取るときの周波数が12500Hzを超えてしまっても問題はない(周波数12500Hzで透過損失が0にはならない)。しかし、透過損失が極大値を取るときの周波数が12500Hzを大きく超えると、想定している周波数範囲(0〜12500Hz)では透過損失が全般的に低くなってしまう。したがって、0〜12500Hzの周波数範囲で高い透過損失を全般的に得るためには、透過損失が極大値を取るときの周波数が12500Hz以下となるように、lの値を大きく設定することが好ましい。
10 車両
12 フロントピラー構造
14 フロントピラー(車両構成部材)
16 ピラーアウターパネル
18 ピラーインナーパネル(内側パネル)
24 ウインドシールドガラス
30 フロントドア
34 フロントピラーガーニッシュ
36 ピラーガーニッシュ本体(内側部材)
38 間隙
40 被収容部材
48 リブ(延出片)
50 隙間
52 膨張型消音室
54 膨張型消音器
58 車室
112 フロントピラー構造
114 吸音材
212 フロントピラー構造
214 リブ
216 隙間
218 膨張型消音室
220 膨張型消音器
312 フロントピラー構造
314A リブ
316 隙間
318 膨張型消音室
320 膨張型消音器
412 フロントピラー構造
414 リブ
416 隙間
418 膨張型消音室
420 膨張型消音器
512 フロントピラー構造
612 フロントドア構造
614 フロントドア
616 ドアアウターパネル
618 ドアインナーパネル
620 ドアトリム
622 間隙
624A リブ
626A 隙間
628 膨張型消音室
630 膨張型消音器

Claims (6)

  1. 車両の外殻を構成すると共に一部が車室内側に位置する内側パネルとされた車両構成部材と、
    前記内側パネルよりも前記車室内側で内側パネルを覆うと共に、内側パネルとの間に間隙を構成する内側部材と、
    前記内側部材の端部から延出されて延出端が前記内側パネルとの間に隙間をあけるように形成され、前記間隙と前記車室内との間の音の通過経路に配置された膨張型消音室と、該膨張型消音室の音の通過方向の両側に配置され音の通過する断面積が膨張型消音室よりも狭い入口部及び出口部と、を構成する延出片と、
    を有する車両構造。
  2. 前記内側部材が、前記内側パネルに沿って連続した形状とされ、
    前記延出片が、前記内側部材の前記端部の長手方向に沿って連続して形成されることで、前記膨張型消音室が前記長手方向に沿って連続した形状とされている請求項1に記載の車両構造。
  3. 前記間隙において、前記内側部材の前記端部の一方と他方との中央に配置された吸音材、
    を有する請求項1又は請求項2に記載の車両構造。
  4. 前記間隙に前記車両を構成する車両構成部材の一部が収容されて被収容部材とされ、
    前記延出片が、前記被収容部材よりも前記端部側において前記内側部材から延出されている請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の車両構造。
  5. 前記隙間の前記断面積に対する前記膨張型消音室の前記断面積の比率である膨張率が20以上とされている請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の車両構造。
  6. 前記車両構成部材が前記内側パネルとしてピラーインナーパネルを備えたピラーであり、
    前記内側部材が、前記ピラーインナーパネルよりも前記車室内側に配置されたピラーガーニッシュである請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の車両構造。
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