JP2010053763A - ダクト - Google Patents

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Abstract

【課題】 気体導入口または気体導出口から放射される騒音を効果的に低減することができるダクトを提供すること。
【解決手段】 ダクトは、多孔質のベース材を圧縮成形して形成された第1ダクト形成部材11と第2ダクト形成部材12とから構成されている。形成部材11には、共鳴減衰部材としての段部11bが形成されている。段部11bは、その断面形状が略直角三角形状となるように形成部材11に対して一体的に設けられている。このように、形成部材11に段部11bを設けることにより、形成部材11と形成部材12とから形成されるダクト本体部内を伝播する音波の内周面上における反射方向を変更することにより、ダクト本体部内を伝播する(往復する)音波の気柱共鳴を減衰させることができる。これにより、空気導入口10aから放射される騒音を効果的に低減することができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、気体を導入する気体導入口と、この気体導入口から導入した気体を導通させるダクト本体部と、このダクト本体部を導通した気体を導出する気体導出口とを備えたダクトに関する。
近年、この種のダクトは各種分野で広く用いられており、特に、車両分野においては、エンジンに空気を導入するための吸気ダクトや車室内を空調するための空調ダクトなどが採用されている。ところで、一般的に、ダクトを用いて形成される気体の導通経路上に騒音源が存在すると、ダクト内を導通する気体を媒質として騒音源からの音が伝播し、ダクトの気体導入口または気体導出口から大きな騒音が放射されることがよく知られている。具体的に、上述した吸気ダクトや空調ダクトにおいては、騒音源であるエンジンやブロアの作動に伴う音がダクト内に伝播して気体導入口または気体導出口から放射されると、大きな騒音として知覚される。このため、従来から、ダクトの気体導入口または気体導出口から放射される騒音を低減するための提案が盛んになされている。
例えば、下記特許文献1には、消音器としてのレゾネータを設けた吸気装置が示されている。この従来の吸気装置は、吸気通路を形成する吸気ダクトの周壁に開口部が形成されており、この開口部を覆うようにレゾネータを構成するケーシングが設けられている。これにより、吸気通路内を流れる吸気によって発生する騒音が開口部とケーシング内の容積によって形成されるレゾネータによって音の干渉を生じ、騒音を低減するようになっている。
また、例えば、下記特許文献2には、スリットレゾネータを用いた空調装置のダクトが示されている。この従来の空調装置のダクトは、流入筒と、流出筒と、これら流入筒と流出筒とを連結するとともに拡張室として機能するケースとを備えている。そして、流入筒、流出筒およびケースはスリットレゾネータを構成し、ケース内で流入筒から流出筒に向けて気体が流れるときには、騒音がケース内に伝播して拡大されるようになっている。これにより、特定周波数の騒音を消音または低減するようになっている。
また、例えば、下記特許文献3には、熱可塑性樹脂バインダを含む不織布から圧縮成形によって成形された吸気ダクトが示されている。この従来の吸気ダクトは、圧縮成形において、圧縮率の大きな硬質部と圧縮率の小さな軟質部をそれぞれ所定の位置や大きさに成形することにより、吸気ダクト自体の振動に伴って発生する騒音を低減するようになっている。
さらに、例えば、下記特許文献4には、ダクト本体内に全長の異なる第1空気流通路と第2空気流通路が画成された車両用ダクトが示されている。この車両用ダクトにおいては、第1空気流通路と第2空気流通路の全長が異なるため、発生した騒音がそれぞれの通路を伝播することにより互いに干渉しあい騒音を低減するようになっている。
特開2004−285876号公報 特開2006−335125号公報 特開平11−343939号公報 特開2004−196180号公報
ところで、一般的に、ダクト内に音が進入すると、この音(音波)は、導通する気体を媒質として音速でダクト内を往復する。そして、ダクトの開口端においては、音波の一部が反射され、この反射された音波が特定の周波数で増幅・減衰されて共鳴するようになる。特に、ダクト内での共鳴は気柱共鳴と呼ばれ、この気柱共鳴によりダクトから放射される音が騒音として知覚される。このため、ダクトから放射される騒音を効果的に消音または低減するには、ダクト内における気柱共鳴を抑制することが重要であり、上記特許文献1,2に開示された装置(ダクト)のように、消音器(レゾネータ)の容量を大きくすることが有効とされる。すなわち、容量の大きな消音器(レゾネータ)を採用することにより、ダクト内を伝播する騒音(音波)を良好に干渉させたり、周波数を変化させたりすることができ、その結果、特定の周波数における気柱共鳴を抑制して騒音を効果的に低減させることができる。
しかしながら、特に、車両においては、エンジンルーム内のスペースが限られていることに加え、近年エンジンルーム内に組み付けられる補器類等のユニット化が進み、吸気ダクトや空調ダクトなどはこれらユニット間に生じる狭いスペースを利用して組み付けられることが多い。このため、大容量の消音器(レゾネータ)を設けるためのスペースを確保することが難しくなっている。したがって、ダクトには、別途消音器(レゾネータ)を設けることなく、上記特許文献3,4に開示された吸気ダクト(車両用ダクト)のように、ダクトが騒音を効果的に低減する機能を備えていることが望まれている。
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、気体導入口または気体導出口から放射される騒音を効果的に低減することができるダクトを提供することにある。
本発明の特徴は、気体を導入する気体導入口と、この気体導入口から導入した気体を導通させるダクト本体部と、このダクト本体部を導通した気体を導出する気体導出口とを備えたダクトにおいて、前記ダクト本体部を形成する内周面上にて、前記導通する気体を媒質として発生する気柱共鳴を減衰させる共鳴減衰部材を設けたことにある。
この場合、前記共鳴減衰部材は、前記ダクト本体部内を伝播する音波の前記内周面上における反射方向を変更して前記気柱共鳴を減衰させるとよい。
また、前記共鳴減衰部材を、例えば、前記ダクト本体部の内周面上に形成した段差とするとよい。そして、この場合、前記段差は、例えば、前記ダクト本体部内を導通する気体の導通方向における断面形状が三角形であるとよく、より具体的には、前記三角形は略直角三角形であり、この略直角三角形の斜辺が前記ダクト本体部内を導通する気体の導通方向における上流側に形成されるとよい。
これらによれば、ダクト本体部の内周面上に設けた共鳴減衰部材は、ダクト本外部内を導通する気体を媒質として発生する気柱共鳴を減衰させることができる。具体的には、共鳴減衰部材は、ダクト本体部内を伝播する音波の内周面上における反射方向を変更することにより、ダクト本体部内を伝播する(往復する)音波の気柱共鳴を減衰させることができる。このように、共鳴減衰部材がダクト本体部内に発生する気柱共鳴を減衰させることにより、ダクト本体部内を伝播する音波を減衰させることができ、その結果、気体導入口または気体導出口から外部に放射される音すなわち騒音を効果的に低減することができる。
ここで、共鳴減衰部材として、ダクト本体部の内周面上に形成した段部、より具体的には、断面形状が三角形状の段部を採用することができるため、極めて容易にかつコンパクトにダクト本体部の内周面上に形成することができる。そして、ダクト本体部の内周面上に段部を形成することにより、伝播する音波をより確実に反射することができ、ダクト本体部内に発生した気柱共鳴を減衰させる、言い換えれば、ダクト本体部内を伝播する音波を効果的に減衰させることができる。
このように、ダクト本体部の内周面上に形成した段部、より具体的には、断面形状が三角形状の段部はダクト本体部内を伝播する音波を確実に反射してダクト本体部内に発生する気柱共鳴を減衰させることができる。したがって、気体導入口または気体導出口から外部に放射される騒音をより効果的に、より確実に低減することができる。
また、より具体的に、段部の断面形状として略直角三角形状を採用することができる。この場合、この直角三角形の斜辺をダクト本体部内を導通する気体の導通方向における上流側に形成することができる。このような段部の断面形状を採用することによって、ダクト本体部内にて気体が導通するときの圧力損失を低減してスムーズな導通を可能とすることができるとともに、ダクト本体部内を伝播する音波を確実に反射してダクト本体部内に発生する気柱共鳴を減衰させ、気体導入口または気体導出口から外部に放射される騒音を効果的に低減することができる。
また、前記共鳴減衰部材を、前記ダクト本体部の軸線方向または周方向に沿って複数配置するとよい。これによれば、ダクト本体部の内周面上に複数の共鳴減衰部材を配置することができるため、ダクト本体部内を伝播する音波をより確実に反射してダクト本体部内に発生する気柱共鳴を減衰させることができる。したがって、気体導入口または気体導出口から外部に放射される騒音を効果的に低減することができる。
また、前記ダクト本体部および前記共鳴減衰部材は、樹脂材料から形成されるとよく、より好ましくは、前記樹脂材料は、多孔質の樹脂材料(例えば、不織布や繊維状の通気性を有するマットなど)であり、前記ダクト本体部および前記共鳴減衰部材は、前記多孔質の樹脂材料を圧縮成形することによって形成されるとよい。さらに、この場合、前記共鳴減衰部材は、前記ダクト本体部の内周面に対して一体的に成形されるとよい。
これらによれば、ダクト本体部および共鳴減衰部材を樹脂材料から一体的に形成することができるため、ダクト本体部および共鳴減衰部材を容易に形成することができる。特に、樹脂材料を多孔質の樹脂材料とするとともに、共鳴減衰部材を圧縮成形によって形成することによって圧縮成形された部分の密度が大きくなり、ダクト本体部内を伝播する音波を反射しやすくすることができる。その結果、音波をより確実に反射させることができて、ダクト本体部内に発生する気柱共鳴をより効率よく減衰させることができる。したがって、気体導入口または気体導出口から外部に放射される騒音を効果的に低減することができる。
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係り、車両のエンジンが吸入する空気を導通させるための吸気系を形成する吸気ダクト10を示している。この吸気ダクト10は、一端側が車両外部に面していて空気を導入する気体導入口としての幅広状の空気導入口10aと、この空気導入口10aから導入した空気を導通させるダクト本体部10bと、ダクト本体部10bを導通した空気を図示しないエアクリーナを介して騒音源としての図示しないエンジンに対して導出する気体導出口としての矩形状の空気導出口10cとを備えている。なお、吸気ダクト10は、図1に示すように、空気導入口10aによって形成される面と空気導出口10cによって形成される面とがダクト本体部10bを介して略直角に配置されるとともに、空気導入口10aを基準としたときに空気導出口10cが下方に位置する3次元形状に成形されている。
そして、この吸気ダクト10は、図2に示すように、下面側を形成する断面略コの字状の第1ダクト形成部材11と上面側を形成する断面略コの字状第2ダクト形成部材12とから構成されている。これら第1ダクト形成部材11と第2ダクト形成部材12は、それぞれ、多孔質の樹脂材料としての2枚の不織布(例えば、PET、PPなどから成る不織布)間に樹脂フィルム(例えば、PEなど)を挟んだ後述するシート状のベース材から形成されている。
第1ダクト形成部材11は、図2に示すように、立壁部11aが形成されており、この立壁部11aは、図3に内面側を示すように、第1ダクト形成部材11の略中央部分にて周状に開口するように形成されている。第2ダクト形成部材12は、図3に示すように、略中央部分にて第1ダクト形成部材11に形成された立壁部11aの開口内に進入可能に周状に形成された立壁部12aが形成されている。
また、第1ダクト形成部材11の内面には、形成された立壁面11aの周囲に、エンジンの吸気に伴ってダクト本体部10b内に伝播し、空気導入口10aから放射される吸入騒音を低減する、言い換えれば、エンジンから発せられた音(音波)の伝播によってダクト本体部10b内に発生する気柱共鳴を減衰させる共鳴減衰部材としての段部11bが形成されている。段部11bは、図4に示すように、断面形状が略直角三角形状に形成されるものであり、この三角形における斜辺がエンジンに向けて導通する空気の流れ(気流)の上流側に形成されている。なお、各段部11bは、その成形深さと成形間隔とが、例えば、1mm程度の深さで10mm程度の間隔となるように形成されるとよい。
そして、第1ダクト形成部材11と第2ダクト形成部材12は、それぞれ、ベース材を圧縮成形することにより所定の形状に成形される。このため、まず、第1ダクト形成部材11および第2ダクト形成部材12を形成するためのベース材を作製する。これは、吸気ダクト10に要求される性能、すなわち、空気をエンジンに導入することはいうまでもなく、エンジンの吸入騒音の低減および耐久性を達成するために、所定の性能を有するベース材を作製し、第1ダクト形成部材11および第2ダクト形成部材12を成形する必要があるからである。具体的には、ベース材を形成する不織布は、主として吸気ダクト10の吸音性能を発揮する主材(PETなど)と、主として吸気ダクト10の耐久性(例えば、撥水性能など)を確保するバインダー(PPなど)とを重ね合わせて作製される。なお、不織布が有する通気性の度合いを表す指標として、目付を、例えば、500g/m2程度にする。そして、作製した2枚の不織布間にダクト本体部10bの管壁面からの放射音を低減させるためのフィルム(PEなど)を挟んでベース材を作製する。
次に、上記のように予め作製したベース材を予備加熱した後、第1ダクト形成部材11および第2ダクト形成部材12を上述した所定の形状に成形する成形型を利用してプレスし、圧縮成形する。このとき、ベース材を圧縮して第1ダクト形成部材11および第2ダクト形成部材12の管壁部分(一般部分)の厚さを3mm程度とするとともに、立壁部11aおよび立壁部12aを同時に成形する。また、第1ダクト形成部材11においては、ベース材の圧縮により、その内面側に凹状の段部11bも同時に成形する。
ここで、第1ダクト形成部材11に一体的に成形される立壁部11aと第2ダクト形成部材12に一体的に成形される立壁部12aとは、後述するように第1ダクト形成部材11と第2ダクト形成部材12とが組み合わされたときに、吸気ダクト10の3次元的な形状を長期間にわたり維持する機能、所謂、補強リブとしての機能を発揮する。
すなわち、第1ダクト形成部材11と第2ダクト形成部材12、言い換えれば、吸気ダクト10を形成するベース材は2枚の不織布とフィルムから形成されており、このベース材を用いて所定の寸法を有するように外形形状を成形したのみでは、例えば、時間の経過や熱の影響などによって、形状を長期間維持できない可能性がある。このため、圧縮成形によって成形される立壁部11a,12aは、補強リブとして機能し、成形後の第1ダクト形成部材11と第2ダクト形成部材12、言い換えれば、吸気ダクト10の戻り変形を最小限に抑えることができる。
そして、上述した圧縮成形後に製品部分以外の部分の除去加工を施し、第1ダクト形成部材11と第2ダクト形成部材12とを、例えば、超音波振動溶着、熱板溶着や接着剤を用いた接着などによって一体的に固着する。これにより、空気導入口10a、ダクト本体部10bおよび空気導出口10cを備えて、車両の吸気系を構成する吸気ダクト10が得られる。
次に、上記のように構成した吸気ダクト10の吸入騒音低減効果について、図5に基づいて説明する。吸気ダクト10には、上述したように、吸入騒音を低減するために段部11bが形成される。このため、この段部11bによる吸入騒音低減効果を比較するために、段部11bを成形していない吸気ダクト(以下、この吸気ダクトを比較吸気ダクトという)を作製し評価を実施した。以下、この評価について詳細に説明する。なお、比較吸気ダクトは吸気ダクト10に比して段部11bが形成されていない点でのみ異なるものであるため、以下の説明においては、吸気ダクト10に付した符号を代表して用いることとする。
本願発明者は、吸入騒音低減効果を確認するために、吸気ダクト10および比較吸気ダクトを実際の車両に搭載し、エンジンの回転数を連続的に変化させたときに、空気導入口10a側から放射される吸入騒音(具体的には爆発1次成分)の音圧レベルを測定した。この測定結果を図5に示す。なお、図5に示すグラフにおいては、音圧レベルが高いほど吸入騒音として大きい音が発生していることを示し、音圧レベルが低いほど吸入騒音として小さい音が発生していることを示す。また、図5においては、吸気ダクト10の音圧レベルを実線により示し、比較吸気ダクトの音圧レベルを破線により示す。
図5に示すように、測定された吸入騒音の音圧レベルは、エンジンの回転数の増加に伴って増大する傾向にあるものの、吸気ダクト10および比較吸気ダクトともに効果的に低減されており良好である。このように、吸気ダクト10および比較吸気ダクトがともに音圧レベルを効果的に低減している理由としては、これらダクトが多孔質の樹脂材料としての不織布を用いて形成されているためであると考えられる。
すなわち、空気導入口10a側から放射される吸入騒音は、エンジンによる断続的な空気の吸入に伴ってダクト本体部10b内に伝播(往復)した音(音波)が増幅または減衰されることによって、ダクト本体部10b内に気柱共鳴が発生することに起因していると考えられる。ここで、吸気ダクト10および比較吸気ダクトは多孔質の不織布を用いて形成されている。このため、ダクト本体部10b内を伝播する音波の一部は不織布層内に進入することによって減衰する、言い換えれば、ダクト本体部10b内に伝播した音が吸音される。このように、不織布を用いて成形した吸気ダクト10および比較吸気ダクトにおいては、ダクト本体部10b内を伝播する音波を減衰することができるため、空気導入口10a側から放射される吸入騒音の音圧レベルが低減されると考えられる。
また、別の観点から、ダクト本体部10bの内周面上に対しては、空気導通方向における上流側に斜辺を有する直角三角形状の段部11bが凹状に形成される。また、比較吸気ダクトの内周面上に対しては、段部11bが形成されない。このため、吸気ダクト10と比較吸気ダクトは、ダクト本体部10b内の空気を整流として導通させることができる。そして、このように導通する空気の流れが整流化されることにより、ダクト本体部10b内に導入された空気が空気導出口10cに向けてスムーズに流れるようになる。その結果、スムーズな空気の流れが空気導入口10aに向けた音波の伝播に対して抵抗となって、ダクト本体部10b内に生じる気柱共鳴(定在波)を減衰することができ、空気導入口10aから放射される吸入騒音が低減されるとも考えられる。
ところで、図5からも明らかなように、特に、エンジン回転数が増大した領域(例えば、3000rpm以上)で、吸気ダクト10の音圧レベルは、比較吸気ダクトの音圧レベルに比して低い、言い換えれば、吸入騒音がより低減されている。このことは、段部11bが形成されているか否かに起因するものであると考える。以下、段部11bによる吸入騒音の低減効果について考察する。
上述したように、空気導入口10a側から放射される吸入騒音は、ダクト本体部10b内に伝播した音(音波)が気柱共鳴の発生によって増幅または減衰されることによるものであると考えられる。したがって、図6に示すように、ダクト本体部10b内における音波は音速で伝播(往復)を繰り返すものと考えられ、その結果、気柱共鳴によって増幅されて空気導入口10aから吸入騒音として知覚される。
この点に関し、吸気ダクト10においては、ダクト本体部10b内に形成される空気の導通路に段部11bが形成されている。そして、図6に示すように、形成された段部11bは、直角三角形の垂辺や斜辺により、ダクト本体部10b内を伝播する音波を反射して音波の反射方向(進行方向)を変更することができる。すなわち、吸気ダクト10においては、段部11bがダクト本体部10b内を伝播する音波を反射して進行方向を変更することによって、ダクト本体部10b内における音波の移動距離が変化、言い換えれば、音波の周波数が変化し、その結果、発生した気柱共鳴を減衰させて空気導入口10aから放射される吸入騒音を低減することができる。
なお、段部11bは、管壁部分(一般部分)がより圧縮されて凹状に形成される。このため、段部11bは、管壁部分(一般部分)に比してその密度が大きくなっている。したがって、段部11bは、管壁部分(一般部分)に比して、音波をより良好に反射することができる。
一方、段部11bを形成していない比較吸気ダクトは、不織布によって音波を減衰できるものの、ダクト本体部10b内を伝播(往復)する音波を反射して進行方向を変更することによって発生した気柱共鳴を減衰させることができない。このため、比較吸気ダクトにおいては、内壁面を形成する不織布によって一部減衰(吸音)された音波がそのまま放射されると考えられ、その結果、吸気ダクト10に比して音圧レベルが高くなっていると考えられる。
以上の説明からも理解できるように、この実施形態に係る吸気ダクト10によれば、ダクト本体部10b(より詳しくは、第1ダクト形成部材11)の内周面上に設けた段部11bは、ダクト本外部10b内を導通する空気を媒質として発生する気柱共鳴を減衰させることができる。具体的には、段部11bは、ダクト本体部10b内を伝播する音波の内周面上における反射方向を変更することにより、ダクト本体部10b内を伝播する(往復する)音波の気柱共鳴を減衰させることができる。このように、段部11bがダクト本体部10b内に発生する気柱共鳴を減衰させることにより、ダクト本体部10b内を伝播する音波を減衰させることができ、その結果、空気導入口10aから外部に放射される吸入騒音を効果的に低減することができる。
また、段部11bの断面形状として、略直角三角形状を採用することができる。この場合、この直角三角形の斜辺をダクト本体部10b内を導通する空気の導通方向における上流側に形成することができる。このような段部11bの断面形状を採用することによって、ダクト本体部10b内にて空気が導通するときの圧力損失を低減してスムーズな導通を可能とすることができる。
本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更により実施することが可能である。
例えば、上記実施形態においては、第1ダクト形成部材11にのみ段部11bを形成して実施した。しかしながら、第2ダクト形成部材12にも段部を形成して実施することも可能である。この場合には、ダクト本体部10bの内周面上に段部を形成することができるため、より効果的に、空気導入口10aから放射される吸入騒音を低減することができる。
また、上記実施形態においては、第1ダクト形成部材11に断面形状が略直角三角形状の段部11bを形成して実施した。この場合、ダクト本体部10b内における音波の反射方向を変更することができれば、段部11bの形状はいかなるものであってもよい。具体的には、断面形状を、例えば、矩形状としたり、二等辺三角形状としたり、空気の導通方向の下流側に斜辺を有する直角三角形状としたりすることが可能である。これらによっても、ダクト本体部10b内を伝播する音波の反射方向を変更することにより、ダクト本体部10b内を伝播する(往復する)音波の気柱共鳴を減衰させることができ、上記実施形態と同様の効果が得られる。
また、上記実施形態においては、不織布を主要構成材料とするベース材を圧縮成形することによって、第1ダクト形成部材11に段部11bを一体的に形成するように実施した。しかし、断面形状が略直角三角形とされて段部11bに相当する部材をベース材を用いて成形しておき、この部材を、ベース材を圧縮成形によって段部を有しない第1ダクト形成部材に組み付けて(貼り付けて)実施することも可能である。このように、段部11bに相当する部材を組み付け可能に構成することによって、例えば、空気導入口から放射される吸入騒音の低減効果を適宜調整することができる。
また、上記実施形態においては、不織布を主要構成材料とするベース材を圧縮成形することによって、第1ダクト形成部材11および第2ダクト形成部材12すなわち吸気ダクト10を形成するように実施した。しかし、吸気ダクトは、多孔質の樹脂材料であればいかなる材料を用いて形成してもよい。
また、上記実施形態においては、多孔質の樹脂材料を用いて吸気ダクト10を形成するように実施した。しかし、多孔質の樹脂材料以外の樹脂材料を用いて、例えば、射出成形やブロー成形などによって吸気ダクトを形成するように実施することも可能である。
さらに、上記実施形態においては、本発明に係るダクトを、車両の吸気系を形成する吸気ダクト10に適用して実施した。しかし、例えば、車両の空調ダクトに適用して実施することも可能である。また、例えば、建物の排気ダクトや換気ダクトに本発明に係るダクトを適用して実施することも可能である。これらの場合においても、ダクト本体部内に発生する気柱共鳴を減衰させることにより、ダクト本体部内を伝播する音波を減衰させることができ、気体導入口または気体導出口から放射される音を低減することができる。
本発明の実施形態に係る吸気ダクトを示す概略的な斜視図である。 図1の吸気ダクトの構成を説明するための分解図である。 図1の吸気ダクトを構成する第1ダクト形成部材および第2ダクト形成部材を説明するための図である。 図3の第1ダクト形成部材に形成された段部を説明するための断面図である。 吸気ダクトと比較吸気ダクトを車両に搭載し、エンジンの回転数を変化させたときに空気導入口から放射される吸入騒音の音圧レベルを示すグラフである。 音波の伝播に対して段部によって付与される抵抗(反射)を説明するための概略図である。
符号の説明
10…吸気ダクト、10a…空気導入口、10b…ダクト本体部、10c…空気導出口、11…第1ダクト形成部材、11a…立壁部、11b…段部、12…第2ダクト形成部材、12a…立壁部

Claims (9)

  1. 気体を導入する気体導入口と、この気体導入口から導入した気体を導通させるダクト本体部と、このダクト本体部を導通した気体を導出する気体導出口とを備えたダクトにおいて、
    前記ダクト本体部を形成する内周面上にて、前記導通する気体を媒質として発生する気柱共鳴を減衰させる共鳴減衰部材を設けたことを特徴とするダクト。
  2. 請求項1に記載したダクトにおいて、
    前記共鳴減衰部材は、
    前記ダクト本体部内を伝播する音波の前記内周面上における反射方向を変更して前記気柱共鳴を減衰させることを特徴とするダクト。
  3. 請求項2に記載したダクトにおいて、
    前記共鳴減衰部材を、前記ダクト本体部の内周面上に形成した段差としたことを特徴とするダクト。
  4. 請求項3に記載したダクトにおいて、
    前記段差は、前記ダクト本体部内を導通する気体の導通方向における断面形状が三角形であることを特徴とするダクト。
  5. 請求項4に記載したダクトにおいて、
    前記三角形は略直角三角形であり、この略直角三角形の斜辺が前記ダクト本体部内を導通する気体の導通方向における上流側に形成されることを特徴とするダクト。
  6. 請求項2に記載したダクトにおいて、
    前記共鳴減衰部材を、前記ダクト本体部の軸線方向または周方向に沿って複数配置したことを特徴とするダクト。
  7. 請求項1に記載したダクトにおいて、
    前記ダクト本体部および前記共鳴減衰部材は、樹脂材料から形成されることを特徴とするダクト。
  8. 請求項7に記載したダクトにおいて、
    前記樹脂材料は多孔質の樹脂材料であり、前記ダクト本体部および前記共鳴減衰部材は、前記多孔質の樹脂材料を圧縮成形することによって形成されることを特徴とするダクト。
  9. 請求項7に記載したダクトにおいて、
    前記共鳴減衰部材は、前記ダクト本体部の内周面に対して一体的に成形されることを特徴とするダクト。
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