JP6245292B2 - 自動車の遮音構造 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば車両の床面から車内へ伝わる騒音を遮音するような自動車の遮音構造に関する。
走行中の自動車における車外で生じる騒音としては、路面とタイヤとの摺動による騒音、内燃機関や変速機から放射される騒音、あるいは車外を流動する走行風によって生じる騒音などがある。
このような車外で生じた騒音が、例えば車両の床面を構成するフロアパネルを介して透過音として車内へ伝達された場合、透過音によって乗員に対する快適性が低下するおそれがある。このため、自動車には、透過音を抑制できる高い遮音性が求められている。
そこで、例えば、特許文献1では、車両の床面を構成する鋼製車両床板に対して、ウレタン層と、下部マス層と、低弾性ウレタン層と、上部マス層と、カーペットとを、車両下方からこの順番で重ね合わせた遮音構造が開示されている。
これにより、特許文献1は、2自由度系の遮音構造を構成することができ、1自由度系の遮音構造よりも高い遮音性を確保できるとされている。
また、特許文献2では、車両下方に凹設した凹部を有するフロアパネルに対して、凹部に配置されるスペーサと、吸音フェルト材と、遮音シート体と、吸音フェルト材と、表皮材とを、車両下方からこの順番で重ね合わせた多層構造のカーペットが敷設されている。
これにより、特許文献2では、フロアパネルに凹部を有する場合であっても、踏込み荷重に対する沈み込み量を一様にできるとともに、車外で生じた騒音に対しても良好な遮音性を確保できるとされている。
しかしながら、特許文献1、及び特許文献2のように、吸音部材や遮音部材を複数重ね合わせた多層遮音構造の場合、遮音にかかる部品点数が多くなるため、車両の重量やコストが増加するおそれがあった。
特開2003−104135号公報 特開2008−285026号公報
本発明は、上述の問題に鑑み、部品点数の増加を抑えた簡素な構成で、車内へ透過する透過音を抑制できる自動車の遮音構造を提供することを目的とする。
この発明は、自動車の車内と車外とを隔てる隔壁部材と、該隔壁部材に対して車内側に所定間隔を隔てて配置された内装部材と、前記隔壁部材、及び前記内装部材の間に介在する吸音部材とを備えた自動車の遮音構造であって、前記隔壁部材が、車外騒音の透過に対して不利な遮音性不利部分と、該遮音性不利部分の周囲に隣接するとともに、前記遮音性不利部分に比べて遮音性が有利な遮音性有利部分とで構成され、該遮音性有利部分が、前記車内と前記車外とを隔てるパネル部材と、前記パネル部材の車内側に接合されて閉断面形状をなすクロスメンバとで構成され、該クロスメンバが、前記パネル部材に対して車内側へ離間した平面を有するとともに、自動車の内外方向における前記吸音部材の長さよりも長い内外方向の長さを有する形状に形成され、前記内装部材が、前記吸音部材に当接する内装当接部と、前記クロスメンバの平面に装着固定される内装装着部と、前記内装当接部、及び前記内装装着部に対して略鉛直に配置されるとともに、前記クロスメンバの側面に対して5mm以上離間した位置で、前記内装当接部及び前記内装装着部を連結する内装側壁部とで構成され、前記クロスメンバの前記平面と前記内装部材の前記内装装着部との間が、5.5cc/(cm^2・s)以下の通気度で略密閉された構成とし、前記隔壁部材と前記内装部材との間に、自動車の内外方向における長さが10mm以上20mm以下に形成されるとともに、前記遮音性不利部分、及び前記遮音性有利部分に接触して、前記遮音性不利部分、及び前記遮音性有利部分の前記パネル部材を覆う前記吸音部材と、前記吸音部材、及び前記クロスメンバに隣接するとともに、前記吸音部材、前記内装装着部、前記内装側壁部、及び前記クロスメンバで包囲された所定空間とを備えたことを特徴とする。
上記隔壁部材は、例えば、ダッシュパネルや床面などの車体下面、ドアやフェンダーなどの車体側面、あるいはボンネットやルーフなど車体上面を構成する部材とすることができる。
上記内装部材は、例えば、フロアカーペットのような柔軟性を有する部材、あるいは合成樹脂製のトリムのような剛性を有する部材などとすることができる。
上記吸音部材は、例えば、発泡ウレタン製、繊維材を絡めて形成したフェルト製などとすることができる
上記内外方向は、車外と車内とを結ぶ所定の方向であって、例えば、車両上下方向、車両前後方向、あるいは車幅方向などとすることができる。
上記クロスメンバの断面形状は、パネル部材とで閉断面形状をなす断面形状であればよく、例えば、断面略ハット状のクロスメンバ、あるいは断面略ハット状の内部がハニカム構造に形成されたクロスメンバなどとすることができる。
この発明により、部品点数の増加を抑えた簡素な構成で、車内へ透過する透過音を抑制することができる。
具体的には、隔壁部材の遮音性有利部分と内装部材との間に所定空間が介在するため、自動車の遮音構造は、遮音性有利部分を介して内装部材に伝達される空気振動を、所定空間の空気バネ効果によって抑制することができる。
さらに、隔壁部材の遮音性不利部分と内装部材との間に吸音部材を配置したことにより、自動車の遮音構造は、遮音性不利部分を介して内装部材に伝達される空気振動を、吸音部材の吸音効果によって抑制することができる。
この際、吸音部材は、車外と車内とを結ぶ所定の方向である内外方向に対して交差する方向に空気振動を拡散することができる。そして、吸音部材に隣接して所定空間が配置されているため、自動車の遮音構造は、吸音部材で偏向されて所定空間に伝達された空気振動を、所定空間の空気バネ効果によって抑制することができる。
これにより、自動車の遮音構造は、遮音性不利部分を介して内装部材に伝達される空気振動を、吸音部材の吸音効果と、吸音部材による空気振動の拡散と、所定空間の空気バネ効果との相乗効果によって安定して抑制することができる。
このため、自動車の遮音構造は、遮音性不利部分に対応する範囲の透過損失の向上を図ることができるとともに、遮音性有利部分に対応する範囲の透過損失との差を小さくすることができる。
従って、自動車の遮音構造は、部品点数の増加を抑えた簡素な構成で、車内へ透過する透過音を抑制でき、特に隔壁部材の遮音性不利部分に対応する範囲の遮音性を向上することができる。
またこの発明、前記隔壁部材の前記遮音性有利部分を、前記車内と前記車外とを隔てるパネル部材と、該パネル部材に対して車内側へ離間した平面を有するとともに、前記パネル部材に接合されて閉断面形状をなすクロスメンバとで構成したことを特徴とする。
の発明により、自動車の遮音構造は、クロスメンバのマス効果と、クロスメンバ及びパネル部材で包囲された内部空間の空気バネ効果とによって、内装部材に伝達される空気振動を抑制することができる。
これにより、自動車の遮音構造は、部品点数の増加を抑えた簡素な構成で、隔壁部材の遮音性有利部分に対応する範囲の遮音性を向上することができる。
またこの発明、前記クロスメンバが、自動車の内外方向において、前記吸音部材の長さよりも長い形状に形成され、前記内装部材が、前記吸音部材に当接する内装当接部と、前記クロスメンバに装着固定される内装装着部と、前記内装当接部及び前記内装装着部を連結するとともに、前記クロスメンバに対して5mm以上離間した内装側壁部とで構成されたことを特徴とする。
の発明により、自動車の遮音構造は、部品点数の増加を抑えた簡素な構成で、車内へ透過する透過音をより抑制することができる。
具体的には、内外方向における吸音部材の長さよりも長い長さを有するクロスメンバと、クロスメンバに対して離間した内装側壁部を有する内装部材とにより、自動車の遮音構造は、吸音部材に隣接する所定空間を車内側へ拡張することができる。
このため、自動車の遮音構造は、内装部材の内装側壁部がクロスメンバに密着する構成に比べて、隔壁部材、内装部材、及びクロスメンバで包囲された空間の体積を大きく確保することができる。
そして、隔壁部材、内装部材、及びクロスメンバで包囲された空間の体積が大きいほど、隔壁部材と内装部材とで生じる共鳴透過現象の共鳴透過周波数を低くできることが出願人によって確認されている。つまり、自動車の遮音構造は、共鳴透過現象の共鳴透過周波数を低くできるとともに、共鳴透過周波数よりも高周波側における透過損失の向上を図ることができる。
さらに、例えば、吸音部材がクロスメンバに密着し、吸音部材の車内側に所定空間が隣接する場合、自動車の遮音構造は、共鳴透過周波数域における透過損失の低下を、吸音部材によって抑制することができる。
従って、自動車の遮音構造は、所定空間の体積を大きくしたことで、部品点数の増加を抑えた簡素な構成で、車内へ透過する透過音をより抑制することができる。
またこの発明、前記内装側壁部を、前記内装当接部、及び前記内装装着部に対して略鉛直に配置したことを特徴とする
この発明により、自動車の遮音構造は、内装部材とクロスメンバとによって略矩形に包囲された所定空間を形成することができる。
これにより、自動車の遮音構造は、内装当接部、及び内装装着部に交差するように内装側壁部を配置した場合に比べて、より大きな体積の所定空間を確保できるとともに、所定空間の空気ばね効果をより大きくすることができる。このため、自動車の遮音構造は、遮音性有利部分を介して内装部材に伝達される空気振動をより確実に抑制することができる。
加えて、内装装着部と遮音性有利部分とが対向するため、自動車の遮音構造は、内装装着部と遮音性有利部分との間隔を大きく確保でき、内装装着部と遮音性有利部分とで生じる共鳴透過現象の共鳴透過周波数をより低くすることができる。これにより、自動車の遮音構造は、遮音性有利部分に対応する範囲の遮音性をより向上することができる。
従って、自動車の遮音構造は、内装当接部、及び内装装着部に対して略鉛直に内装側壁部を配置したことにより、車内へ透過する透過音をより安定して抑制することができる。
またこの発明の態様として、前記隔壁部材を、自動車の車体底部とし、前記内装部材を、フロアカーペットとして、前記所定空間内に、通気性、及び弾性を有するとともに、前記吸音部材に敷設されたスペーサを備え、該スペーサが、前記自動車の内外方向における前記所定空間の長さよりも短い内外方向の長さを有する形状である
上記スペーサは、例えば、弾性を有する多孔質の発泡ウレタンなどすることができ、内装部材に当接しない状態で配置される、あるいは内装部材に当接する状態で配置することができる。
この発明により、自動車の遮音構造は、フロアカーペットのクッション性の確保と、車内へ透過する透過音の抑制とを両立することができる。
具体的には、車体床面とフロアカーペットとの間に所定空間が介在すると、フロアカーペットのクッション性が部分的に低くなる。このため、フロアカーペットを乗員が踏みつけた際、所定空間に対応する範囲のフロアカーペットが型崩れして、乗員に違和感を与えるおそれがあった。
そこで、通気性、及び弾性を有するスペーサを所定空間に備えたことで、自動車の遮音構造は、フロアカーペットを乗員が踏みつけた際、スペーサによってフロアカーペットを弾性支持することができる。これにより、自動車の遮音構造は、フロアカーペットの型崩れを防止するとともに、乗員に違和感を与えることを防止することができる。
さらに、所定空間にスペーサを配置することで、自動車の遮音構造は、所定空間の空気ばね効果、及びスペーサの吸音効果によって、遮音性有利部分に対応する範囲における遮音性を向上することができる。
従って、自動車の遮音構造は、所定空間に配置したスペーサにより、フロアカーペットのクッション性の確保と、車内へ透過する透過音の抑制とを両立することができる。
本発明により、部品点数の増加を抑えた簡素な構成で、車内へ透過する透過音を抑制できる自動車の遮音構造を提供することができる。
自動車における車体底部の平面視を示す平面図。 図1中のA−A矢視断面図。 密閉空間の体積と共鳴透過現象の共鳴透過周波数との関係を説明する説明図。 本実施形態における遮音構造の効果を説明する説明図。 参考例における車体底部のA−A矢視断面図。 別の実施形態における車体底部のA−A矢視断面図。
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
なお、図1は自動車1における車体底部2の平面図を示し、図2は図1中のA−A矢視断面図を示し、図3は密閉空間S1の体積と共鳴透過現象の共鳴透過周波数との関係を説明する説明図を示し、図4は本実施形態における遮音構造の効果を説明する説明図を示している。
また、図中において、矢印Fr及びRrは車両前後方向を示しており、矢印Frは車両前方を示し、矢印Rrは車両後方を示している。さらに、矢印Rh及びLhは車幅方向を示しており、矢印Rhは車両右方向を示し、矢印Lhは車両左方向を示している。加えて、図2中の上方を車両上方とし、図中の下方を車両下方とする。
自動車1の車外で生じた騒音が、車外と車内とを隔てる車体底部2を介して、車内へ透過することを抑制する自動車1の遮音構造について、図1から図4を用いて詳しく説明する。
まず、自動車1の車体底部2は、図1に示すように、例えば、車両前後方向に延びる左右一対のサイドシル3と、自動車1の床面であるフロアパネル4と、フロアパネル4の上面に配設した二組のクロスメンバ5とで構成している。
サイドシル3は、詳細な図示を省略するが、車幅方向に沿った縦断面における断面形状が、閉断面形状をなすように形成している。
フロアパネル4は、左右一対のサイドシル3の間における車幅方向略中央において、車両前後方向に延びるフロアトンネル部4aを有する形状に形成している。なお、本実施形態におけるフロアパネル4は、車両前部に位置するダッシュパネル部4bから車両後部に位置するリヤフロアパネル部4cに至る範囲における床面を構成するパネル部材とする。
二組のクロスメンバ5は、フロアトンネル部4aを挟んで左右のサイドシル3を連結する左右一対を一組として、車両前後方向に所定間隔を隔てた位置に配設している。
より詳しくは、二組のクロスメンバ5のうち、車両前方側のクロスメンバ5は、車両前後方向におけるサイドシル3の略中央と略同位置において、フロアトンネル部4aを挟んで左右のサイドシル3を連結している。
一方、車両後方側のクロスメンバ5は、車両前後方向におけるサイドシル3の後端近傍と略同位置において、フロアトンネル部4aを挟んで左右のサイドシル3を連結している。
このクロスメンバ5は、図1及び図2に示すように、車両前後方向に沿った縦断面における断面形状が断面略ハット状で、車幅方向に延びる形状に形成している。さらに、クロスメンバ5の上面5aには、樹脂クリップ6が嵌合する嵌合孔(図示省略)を開口形成している。
このような車体底部2に対する遮音構造は、図2に示すように、車体底部2、車体底部2におけるフロアパネル4の上面に敷設された吸音部材7、吸音部材7の上面に敷設されたフロアカーペット8、及びクロスメンバ5とフロアカーペット8との間に介在する吸音スペーサ9で構成している。
吸音部材7は、車体底部2におけるサイドシル3、及びクロスメンバ5を除く部分、すなわちフロアパネル4の上面を覆う大きさで形成されている。
一方、フロアカーペット8は、車体底部2を一体的に覆う大きさで、車体底部2の凹凸に対応する立体形状に形成している。このフロアカーペット8は、少なくともサイドシル3の上面、及びクロスメンバ5の上面5aに対して、樹脂クリップ6を用いて装着固定されている。
引き続き、自動車1の遮音構造について説明するが、説明を容易にするため、図1及び図2に示すように、二組のクロスメンバ5で囲われた範囲における遮音構造を、車両前後方向に沿った縦断面における断面形状で説明する。なお、車幅方向に沿った縦断面における断面形状は、吸音部材7、及びフロアカーペット8がフロアトンネル部4aに沿った形状に形成されている点、並びにフロアカーペット8がサイドシル3の上面に装着固定される点を除いて、車幅方向に沿った縦断面における断面形状と略同一構造のため、その詳細な説明を省略する。
まず、車体底部2は、図2に示すように、車外で発生した騒音の透過に対して不利な部分である遮音性不利部分X1と、遮音性不利部分X1に比べて遮音性が高い部分である遮音性有利部分Y1とに区別される。
遮音性不利部分X1は、図2に示すように、車体底部2におけるクロスメンバ5の間に位置するフロアパネル4であって、フロアパネル4のマス効果による透過音の抑制が期待できる部分である。
一方、遮音性有利部分Y1は、図2に示すように、フロアパネル4及びクロスメンバ5で閉断面をなす部分である。この遮音性有利部分Y1は、フロアパネル4のマス効果に加えて、クロスメンバ5のマス効果、並びにフロアパネル4及びクロスメンバ5で形成された閉断面における内部空間の空気バネ効果などによる透過音の抑制が期待できる部分である。
吸音部材7は、所定の通気性を有するとともに、吸音性及び弾性を有する部材であって、例えば、繊維材を絡めたフェルトなどで形成されている。この吸音部材7は、図2に示すように、二組のクロスメンバ5で囲われたフロアパネル4の上面に敷設している。換言すると、吸音部材7は、遮音性有利部分Y1におけるフロアパネル4、及びクロスメンバ5の接合部分に車両前後方向の両端部分が敷設されるように、遮音性不利部分X1に敷設している。
より詳しくは、吸音部材7は、二組のクロスメンバ5の間と略同等の車両前後方向の長さを有するとともに、クロスメンバ5における車両上下方向の長さよりも薄肉の厚みを有する略平板状に形成している。なお、吸音部材7の厚みとしては、10mm以上20mm以下が望ましく、本実施形態では10mmとしている。
また、フロアカーペット8は、図2に示すように、クロスメンバ5に対応する部分が車両上方に隆起した立体形状に形成している。さらに、フロアカーペット8は、サイドシル3、クロスメンバ5に対して樹脂クリップ6を用いて装着固定された状態において、車両前後方向に沿った縦断面、及び車幅方向に沿った縦断面の断面形状が、車体底部2とで閉断面形状をなす形状に形成している。
より詳しくは、フロアカーペット8は、図2に示すように、吸音部材7の上面に敷設されるカーペット底部81と、カーペット底部81の縁辺から車両上方に隆起したカーペット隆起部82とで一体形成している。
カーペット底部81は、遮音性不利部分X1における車両前後方向の長さと略同等の車両前後方向長さを有する形状に形成している。
カーペット隆起部82は、カーペット底部81の縁端から車両上方へ延設した側壁部分82aと、側壁部分82aから延設するとともに、クロスメンバ5の上面5aに敷設される上面部分82bとで構成している。このカーペット隆起部82は、車体底部2に装着した状態において、吸音部材7とクロスメンバ5の側面とで、車両上下方向に長い略矩形の閉断面形状をなす形状に形成している。
側壁部分82aは、クロスメンバ5の側面5bに対して所定間隔を隔てるとともに、クロスメンバ5の側面5bに対して略平行となるようにカーペット底部81から延設している。
上面部分82bは、遮音性有利部分Y1の上面と対面するように側壁部分82aの上端から略水平方向へ延設するとともに、クロスメンバ5の上面5aに当接可能に形成している。この上面部分82bには、樹脂クリップ6が挿通する開口孔(図示省略)を開口形成している。
上述した構成のフロアカーペット8は、図3(a)に示すように、車体底部2に装着した状態において、車体底部2とで内部に空気層を有する略密閉された密閉空間S1を形成している。
そして、自動車1の遮音構造は、図2に示すように、遮音性有利部分Y1に対応する範囲に、吸音部材7と、クロスメンバ5の側面5bと、フロアカーペット8の上面部分82b及び側壁部分82aとで包囲された内部中空の遮音空間S2を形成している。
この遮音空間S2は、クロスメンバ5の上面5aとフロアカーペット8の上面部分82bとの間における通気度が5.5cc/(cm^2・s)以下で、かつ吸音部材7の上面とフロアカーペット8との間における通気度が5.5cc/(cm^2・s)以上、吸音部材7の通気度以下となるように略密閉された空間である。
また、吸音スペーサ9は、図2に示すように、フロアカーペット8のカーペット隆起部82と、クロスメンバ5の側面5bと、吸音部材7とで囲われた包囲部分である遮音空間S2内において、吸音部材7の上面に載置している。
この吸音スペーサ9は、例えば、発泡ウレタンなどの合成樹脂製で、通気性、及び弾性を有する略角柱状に形成している。さらに、吸音スペーサ9は、吸音部材7に載置された状態において、吸音部材7、カーペット隆起部82の内面、及びクロスメンバ5の側面5bに密着する大きさに形成している。
そして、吸音スペーサ9は、吸音部材7の上面とフロアカーペット8との間における通気度が、クロスメンバ5の上面5aとフロアカーペット8の上面部分82bとの間における通気度以上、吸音部材7の通気度以下、すなわち5.5cc/(cm^2・s)以上、吸音部材7の通気度以下となるように構成されている。
次に、上述した構成の自動車1の遮音構造における効果について、図3及び図4を用いて説明する。
まず、車体底部2とフロアカーペット8とで形成された密閉空間S1の体積と、共鳴透過現象の共鳴透過周波数との関係について、図3を用いて説明する。なお、図3(a)に示すように、車体底部2とフロアカーペット8との間には、吸音部材7を配置せず空気層のみが介在するものとする。
また、図3(b)に示すように、フロアパネル4の上面とカーペット底部81の下面との間隔を10mmとし、クロスメンバ5の側面5bと、フロアカーペット8における側壁部分82aの内面との間隔を間隔Lとして、間隔Lの異ならせることで、密閉空間S1の体積を異ならせている。
このような状態において、自動車1の車外で生じた騒音に相当する放射音をフロアパネル4の車両下方から放射した際、車内へ透過した透過音を計測して透過損失を算出した結果を図3(c)に示す。なお、図3(c)は、横軸が周波数で、縦軸が透過損失を示し、透過損失が大きいほど車内の静寂性が高いものとする。
まず、間隔Lが0mmの場合、すなわち、クロスメンバ5の側面5bとフロアカーペット8の側壁部分82aとが密着している場合、図3(c)中の細い破線で示すように、500Hzよりも高い周波数f1において、共鳴透過現象による透過損失の低下が確認できる。
そして、間隔Lが5mmの場合、図3(c)中の実線で示すように、共鳴透過現象の共鳴透過周波数が、周波数f1よりも低い周波数f2に移動するだけでなく、透過損失にも僅かな向上が確認できる。
さらに、間隔Lが20mmの場合、図3(c)中の太線で示すように、共鳴透過現象の共鳴透過周波数が、周波数f1、及び周波数f2よりも低く、かつ500Hzよりも低い周波数f3に移動している。
加えて、周波数f3よりも高い周波数域における透過損失が、間隔Lが0mmの場合の透過損失、及び5mmの場合の透過損失に比べて向上していることが確認できる。
よって、車体底部2とフロアカーペット8とで形成された密閉空間S1の体積が大きいほど、共鳴透過現象の共鳴透過周波数が低くなることが確認できた。
このような効果を奏する形状のフロアカーペット8と車体底部2との間に、吸音部材7、及び吸音スペーサ9を配置した状態において、車外で生じた騒音がフロアパネル4を介して車内へ透過した際の透過損失を計測した結果を図4に示す。なお、クロスメンバ5の側面5bとフロアカーペット8の側壁部分82aとが密着した状態の結果を比較例として細い破線で示している。
上述した構成の遮音構造としたことで、自動車1の遮音構造は、図4に示すように、比較例における共鳴透過周波数である周波数f1に比べて、共鳴透過現象の共鳴透過周波数f4が低く、かつ共鳴透過周波数f4における透過損失の低下が抑制された結果を得ることができた。さらに、共鳴透過周波数域を除く周波数域において、比較例の透過損失に比べて透過損失の向上が見られ、比較例に比べて良好な結果を得ることができた。
以上のような構成の自動車1の遮音構造は、部品点数の増加を抑えた簡素な構成で、車内へ透過する透過音を抑制することができる。
具体的には、車体底部2の遮音性有利部分Y1とフロアカーペット8との間に遮音空間S2が介在するため、自動車1の遮音構造は、遮音性有利部分Y1を介してフロアカーペット8に伝達される空気振動を、遮音空間S2の空気バネ効果によって抑制することができる。
さらに、車体底部2の遮音性不利部分X1とフロアカーペット8との間に吸音部材7を配置したことにより、自動車1の遮音構造は、遮音性不利部分X1を介してフロアカーペット8に伝達される空気振動を、吸音部材7の吸音効果によって抑制することができる。
この際、吸音部材7は、車両上下方向に対して交差する方向に空気振動を拡散することができる。そして、吸音部材7に隣接して遮音空間S2が配置されているため、自動車1の遮音構造は、吸音部材7で偏向されて遮音空間S2に伝達された空気振動を、遮音空間S2の空気バネ効果によって抑制することができる。
これにより、自動車1の遮音構造は、遮音性不利部分X1を介してフロアカーペット8に伝達される空気振動を、吸音部材7の吸音効果と、吸音部材7による空気振動の拡散と、遮音空間S2の空気バネ効果との相乗効果によって安定して抑制することができる。
このため、自動車1の遮音構造は、遮音性不利部分X1に対応する範囲の透過損失の向上を図ることができるとともに、遮音性有利部分Y1に対応する範囲の透過損失との差を小さくすることができる。
従って、自動車1の遮音構造は、部品点数の増加を抑えた簡素な構成で、車内へ透過する透過音を抑制でき、特に車体底部2の遮音性不利部分X1に対応する範囲の遮音性を向上することができる。
また、フロアパネル4と、フロアパネル4に接合されて閉断面形状をなすクロスメンバ5とで、車体底部2の遮音性有利部分Y1を構成したことにより、自動車1の遮音構造は、クロスメンバ5のマス効果と、クロスメンバ5及びフロアパネル4で包囲された内部空間の空気バネ効果とによって、フロアカーペット8に伝達される空気振動を抑制することができる。
これにより、自動車1の遮音構造は、部品点数の増加を抑えた簡素な構成で、車体底部2の遮音性有利部分Y1に対応する範囲の遮音性を向上することができる。
また、クロスメンバ5に対して所定間隔だけ離間した側壁部分82aを有するフロアカーペット8により、自動車1の遮音構造は、部品点数の増加を抑えた簡素な構成で、車内へ透過する透過音をより抑制することができる。
具体的には、車両上下方向における吸音部材7の長さよりも長い長さを有するクロスメンバ5と、クロスメンバ5に対して離間した側壁部分82aを有するフロアカーペット8とにより、自動車1の遮音構造は、吸音部材7に隣接する遮音空間S2を車内側へ拡張することができる。
このため、自動車1の遮音構造は、フロアカーペット8の側壁部分82aがクロスメンバ5に密着する構成に比べて、密閉空間S1の体積を大きく確保することができる。
そして、密閉空間S1の体積が大きいほど、車体底部2とフロアカーペット8とで生じる共鳴透過現象の共鳴透過周波数を低くできることが出願人によって確認されている。つまり、自動車1の遮音構造は、共鳴透過現象の共鳴透過周波数を低くできるとともに、共鳴透過周波数よりも高周波側における透過損失の向上を図ることができる。
さらに、吸音部材7がクロスメンバ5に密着し、吸音部材7の車内側に遮音空間S2が隣接するため、自動車1の遮音構造は、共鳴透過周波数域における透過損失の低下を、吸音部材7によって抑制することができる。
従って、自動車1の遮音構造は、遮音空間S2の体積を大きくしたことで、部品点数の増加を抑えた簡素な構成で、車内へ透過する透過音をより抑制することができる。
また、カーペット隆起部82の側壁部分82aを、カーペット底部81、及びカーペット隆起部82の上面部分82bに対して略鉛直に配置したことにより、自動車1の遮音構造は、フロアカーペット8とクロスメンバ5とによって略矩形に包囲された遮音空間S2を形成することができる。
これにより、自動車1の遮音構造は、カーペット底部81、及びカーペット隆起部82の上面部分82bに交差するようにカーペット隆起部82の側壁部分82aを配置した場合に比べて、より大きな体積の遮音空間S2を確保できるとともに、遮音空間S2の空気ばね効果をより大きくすることができる。このため、自動車1の遮音構造は、遮音性有利部分Y1を介してフロアカーペット8に伝達される空気振動をより確実に抑制することができる。
加えて、カーペット隆起部82の上面部分82bと遮音性有利部分Y1とが対向するため、自動車1の遮音構造は、カーペット隆起部82の上面部分82bと遮音性有利部分Y1との間隔を大きく確保でき、カーペット隆起部82の上面部分82bと遮音性有利部分Y1とで生じる共鳴透過現象の共鳴透過周波数をより低くすることができる。これにより、自動車1の遮音構造は、遮音性有利部分Y1に対応する範囲の遮音性をより向上することができる。
従って、自動車1の遮音構造は、カーペット底部81、及びカーペット隆起部82の上面部分82bに対して略鉛直にカーペット隆起部82の側壁部分82aを配置したことにより、車内へ透過する透過音をより安定して抑制することができる。
また、遮音空間S2内に吸音スペーサ9を配置したことにより、自動車1の遮音構造は、フロアカーペット8のクッション性の確保と、車内へ透過する透過音の抑制とを両立することができる。
具体的には、車体床面とフロアカーペット8との間に遮音空間S2が介在すると、フロアカーペット8のクッション性が部分的に低くなる。このため、フロアカーペット8を乗員が踏みつけた際、遮音空間S2に対応する範囲のフロアカーペット8が型崩れして、乗員に違和感を与えるおそれがあった。
そこで、通気性、及び弾性を有する吸音スペーサ9を遮音空間S2に備えたことで、自動車1の遮音構造は、フロアカーペット8を乗員が踏みつけた際、吸音スペーサ9によってフロアカーペット8を弾性支持することができる。これにより、自動車1の遮音構造は、フロアカーペット8の型崩れを防止するとともに、乗員に違和感を与えることを防止することができる。
さらに、遮音空間S2に吸音スペーサ9を配置することで、自動車1の遮音構造は、遮音空間S2の空気ばね効果、及び吸音スペーサ9の吸音効果によって、遮音性有利部分Y1に対応する範囲における遮音性を向上することができる。
従って、自動車1の遮音構造は、遮音空間S2に配置した吸音スペーサ9により、フロアカーペット8のクッション性の確保と、車内へ透過する透過音の抑制とを両立することができる。
<参考例>
上述した実施例1に対して、車体底部の構成が異なる自動車1の遮音構造をについて図5を用いて詳しく説明する。なお、上述した実施例1と同じ構成は、同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
また、上述の実施例1と同様、説明を容易にするために、車両前後方向に沿った縦断面における断面形状で説明する。なお、車幅方向に沿った縦断面における遮音構造は、車両前後方向に沿った縦断面の遮音構造と略同一構成のため、その詳細な説明を省略する
また、図5は参考例における車体底部10のA−A矢視断面図を示している。
まず、参考例における車体底部10は、フロアパネル4の下面に対して、車両上方が開口した断面略ハット状のクロスメンバ11が接合されている。
なお、クロスメンバ11は、実施例1における樹脂クリップ6が嵌合する嵌合孔が開口形成されていない点を除いて、実施例1と略同一形状のため、その詳細な説明を省略する。
さらに、車体底部10の遮音性不利部分X2は、図5に示すように、実施例1と同様に、車体底部10におけるクロスメンバ11の間に位置するフロアパネル4である。
一方、遮音性有利部分Y2は、図5に示すように、実施例1と同様に、フロアパネル4及びクロスメンバ11で閉断面をなす部分である。
このような車体底部10に対する遮音構造は、図5に示すように、遮音性不利部分X2に敷設された吸音部材12と、遮音性有利部分Y2に載置された密閉連結部13と、吸音部材12、及び密閉連結部13に敷設されたフロアカーペット14と、フロアパネル4の嵌合孔(図示省略)に嵌合するとともに、密閉連結部13及びフロアカーペット14をフロアパネル4に固定する樹脂クリップ15で構成している。
吸音部材12は、上述した実施例1と同様の構成のため、その詳細な説明を省略する。なお、吸音部材12は、図5に示すように、遮音性有利部分Y2の上面に車両前後方向の両端部分が敷設されるようにして、遮音性不利部分X2に敷設している。
密閉連結部13は、図5に示すように、車両前後方向に沿った遮音性有利部分Y2の長さによりも短い車両前後方向の長さを有するとともに、吸音部材12と略同等の厚みを有する形状に形成されている。
この密閉連結部13は、気密性の高い材質で、例えば合成ゴム製、あるいは金属などで形成されるとともに、遮音性有利部分Y2に沿った形状に形成されているものとする。なお、密閉連結部13には、樹脂クリップ15が挿通する挿通孔(図示省略)が開口形成されている。
フロアカーペット14は、図5に示すように、フロアパネル4に対向する略平板状に形成されている。このフロアカーペット14は、樹脂クリップ15によって、密閉連結部13と一体的にフロアパネル4に装着固定されている。
そして、参考例における自動車1の遮音構造には、フロアパネル4とフロアカーペット14との間において、吸音部材12、及び密閉連結部13で包囲された内部中空の遮音空間S3が形成されている。
以上のような構成の自動車1の遮音構造は、遮音性不利部分X2を介してフロアカーペット14に伝達される空気振動を、吸音部材7の吸音効果と、吸音部材7による空気振動の拡散と、遮音空間S3の空気バネ効果との相乗効果によって安定して抑制することができる。
従って、自動車1の遮音構造は、上述した実施例1と同様に、部品点数の増加を抑えた簡素な構成で、車内へ透過する透過音を抑制でき、特に車体底部10の遮音性不利部分X2に対応する範囲の遮音性を向上することができる。
また、フロアパネル4と、フロアパネル4に接合されて閉断面形状をなすクロスメンバ11とで車体底部10の遮音性有利部分Y2を構成したことにより、自動車1の遮音構造は、クロスメンバ11のマス効果と、クロスメンバ11及びフロアパネル4で包囲された内部空間の空気バネ効果とによって、フロアカーペット14に伝達される空気振動を抑制することができる。
これにより、自動車1の遮音構造は、部品点数の増加を抑えた簡素な構成で、車体底部10の遮音性有利部分Y2に対応する範囲の遮音性を向上することができる。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の隔壁部材は、実施形態の車体底部2,10に対応し、
以下同様に、
内装部材は、フロアカーペット8,14に対応し
定空間は、遮音空間S2,S3に対応し、
パネル部材は、フロアパネル4に対応し
外方向は、車両上下方向に対応し、
内装当接部は、フロアカーペット8のカーペット底部81に対応し、
内装装着部は、フロアカーペット8の上面部分82bに対応し、
内装側壁部は、フロアカーペット8の側壁部分82aに対応し、
スペーサは、吸音スペーサ9に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
例えば、上述した実施例1において、フロアカーペット8のカーペット隆起部82と、クロスメンバ5の側面5bと、吸音部材7とで囲われた包囲部分に、吸音スペーサ9を配置したが、これに限定せず、吸音スペーサ9を不要にしてもよい。この場合、フロアカーペット8の型崩れを防止するために、吸音スペーサ9にかえて弾性を有する弾性スペーサを配置してもよい。
また、フロアカーペット8の側壁部分82aと、吸音部材7と、クロスメンバ5の側面5bとで囲われた包囲部分が、断面略矩形の閉断面形状となるようにカーペット隆起部82を形成したが、これに限定せず、別の実施形態におけるA−A矢視断面図を示す図6のように、側壁部分82aと、吸音部材7と、クロスメンバ5の側面5bとで囲われた包囲部分が、断面略三角形の閉断面形状となるように、カーペット隆起部を形成してもよい。
また、フロアトンネル部4aに沿った形状に形成された吸音部材7、及びフロアカーペット8としたが、これに限定せず、例えば、フロアトンネル部4a、一方のサイドシル3、及び一組のクロスメンバ5で囲われたフロアパネル4に対応する形状の吸音部材7としてもよい。
この場合、フロアカーペット8におけるフロアトンネル部4aの側面に対向する部分が、フロアトンネル部4aの側面と離間した形状する。これにより、フロアトンネル部4aの側面とフロアカーペット8との間に内部中空の空間を構成することができるため、上述した実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、吸音部材7の上面とフロアカーペット8との間における通気度が、所望される通気度になるように吸音スペーサ9を構成としたが、これに限定せず、吸音部材7の上面とフロアカーペット8との間における密閉度が、所望される密閉度となるように吸音スペーサ9を構成してもよい。なお、ここでの密閉度とは、全体の面積に対して空隙を除いた面積が占める割合とする。
例えば、クロスメンバ5の上面5aとフロアカーペット8の上面部分82bとの間における密閉度が97.1%以上の場合、吸音部材7の上面とフロアカーペット8との間における密閉度が、84.4%より大きく97.1%未満となるように吸音スペーサ9を構成してもよい。
また、吸音部材7の上面とフロアカーペット8との間における通気度が、クロスメンバ5の上面5aとフロアカーペット8の上面部分82bとの間における通気度以上、吸音部材7の通気度以下となるように吸音スペーサ9で調整したが、これに限定せず、吸音部材7の上面とフロアカーペット8との間における通気度が、クロスメンバ5の上面5aとフロアカーペット8の上面部分82bとの間における通気度以上、吸音部材7の通気度以下なるのであれば、適宜の手段で調整してもよい。例えば、クロスメンバ5とフロアカーペット8との間隔を調整することで、吸音部材7の上面と遮音空間S2との間における通気度を所望される通気度に調整してもよい。
また、上述した参考例において、フロアパネル4とフロアカーペット14との間に、吸音部材12、遮音空間S3、及び密閉連結部13が介在する構成としたが、これに限定せず、遮音空間S3に通気性、及び弾性を有するスペーサを配置してもよい。
また、上述した実施例1及び参考例において、車体底部2,10における遮音構造として説明したが、これに限定せず、例えば、ドアやフェンダーなどの車体側面における遮音構造、あるいはボンネットやルーフなど車体上面における遮音構造であってもよい。
この際、フロアカーペット8,14にかえて、合成樹脂製のトリムのような剛性を有する部材で、車外と車内を隔てる隔壁部材を覆う構成としてもよい。このような構成であっても、上述した実施形態と同様の効果を奏することができる。なお、トリムの場合、参考例における密閉連結部13に替えて、トリムから突設した部分で、隔壁部材とトリムとの間を閉塞するようにしてもよい。
また、断面略ハット状のクロスメンバ5,11としたが、これに限定せず、フロアパネル4とで閉断面形状をなす形状であれば、適宜の形状としてもよい。例えば、内部がハニカム構造のクロスメンバであってもよい。
1…自動車
2…車体底部
3…サイドシル
4…フロアパネル
5…クロスメンバ
7…吸音部材
8…フロアカーペット
9…吸音スペーサ
10…車体底部
11…クロスメンバ
12…吸音部材
13…密閉連結部
14…フロアカーペット
81…カーペット底部
82b…上面部分
82a…側壁部分
S2…遮音空間
S3…遮音空間
X1…遮音性不利部分
X2…遮音性不利部分
Y1…遮音性有利部分
Y2…遮音性有利部分

Claims (2)

  1. 自動車の車内と車外とを隔てる隔壁部材と、
    該隔壁部材に対して車内側に所定間隔を隔てて配置された内装部材と、
    前記隔壁部材、及び前記内装部材の間に介在する吸音部材とを備えた自動車の遮音構造であって、
    前記隔壁部材が、
    車外騒音の透過に対して不利な遮音性不利部分と、
    該遮音性不利部分の周囲に隣接するとともに、前記遮音性不利部分に比べて遮音性が有利な遮音性有利部分とで構成され、
    該遮音性有利部分が、
    前記車内と前記車外とを隔てるパネル部材と、
    前記パネル部材の車内側に接合されて閉断面形状をなすクロスメンバとで構成され、
    該クロスメンバが、
    前記パネル部材に対して車内側へ離間した平面を有するとともに、自動車の内外方向における前記吸音部材の長さよりも長い内外方向の長さを有する形状に形成され、
    前記内装部材が、
    前記吸音部材に当接する内装当接部と、
    前記クロスメンバの平面に装着固定される内装装着部と、
    前記内装当接部、及び前記内装装着部に対して略鉛直に配置されるとともに、前記クロスメンバの側面に対して5mm以上離間した位置で、前記内装当接部及び前記内装装着部を連結する内装側壁部とで構成され、
    前記クロスメンバの前記平面と前記内装部材の前記内装装着部との間が、
    5.5cc/(cm^2・s)以下の通気度で略密閉された構成とし、
    前記隔壁部材と前記内装部材との間に、
    自動車の内外方向における長さが10mm以上20mm以下に形成されるとともに、前記遮音性不利部分、及び前記遮音性有利部分に接触して、前記遮音性不利部分、及び前記遮音性有利部分の前記パネル部材を覆う前記吸音部材と
    記吸音部材、及び前記クロスメンバに隣接するとともに、前記吸音部材、前記内装装着部、前記内装側壁部、及び前記クロスメンバで包囲された所定空間とを備えた
    自動車の遮音構造。
  2. 前記隔壁部材を、自動車の車体底部とし、
    前記内装部材を、フロアカーペットとして、
    前記所定空間内に、通気性、及び弾性を有するとともに、前記吸音部材に敷設されたスペーサを備え、
    該スペーサが、
    前記自動車の内外方向における前記所定空間の長さよりも短い内外方向の長さを有する形状である
    請求項1に記載の自動車の遮音構造。
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