JP5418023B2 - 蓋接合方法 - Google Patents

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本発明は、摩擦攪拌によって筒状体に蓋を接合する蓋接合方法に関する。
金属部材同士を接合する方法として、摩擦攪拌接合(FSW=Friction Stir Welding)が知られている。摩擦攪拌接合とは、回転ツールを回転させつつ金属部材同士の突合部に沿って移動させ、回転ツールと金属部材との摩擦熱により突合部の金属を塑性流動させることで、金属部材同士を固相接合させるものである。特許文献1には、金属部材同士を上下に重ね合わせた後、金属部材の表面側から回転ツールを挿入して当該金属部材同士の界面に対して摩擦攪拌接合を行う技術が開示されている。
例えば、筒状を呈する筒状体に、この筒状体の開口部を覆う蓋板を接合する際に、従来の接合方法を利用することができる。筒状体の開口側の端面に蓋板を載置した後、蓋板の表面側から回転ツールを押し込み、筒状体の端面と蓋板の裏面との界面に対して摩擦攪拌接合を行って一体成形することができる。
しかし、従来の接合方法によると、摩擦攪拌の終了位置から蓋板に対して垂直方向上方に回転ツールを引き抜くため、蓋板の表面に攪拌ピンの外形と同等の形状からなる抜き穴が形成される。蓋板に当該抜き穴が残存すると、気密性及び水密性を低下させるだけでなく、製品の品質も低下させる要因になる。また、蓋板に抜き穴が残存していると、製品の意匠上も好ましくない。
そこで、特許文献2には、摩擦攪拌接合を行う接合部分の外側に予め延設部(捨て肉部)を設け、摩擦攪拌接合後に当該延設部に回転ツールを移動させて回転ツールを引き抜いた後、延設部を切除する技術が開示されている。かかる接合方法によれば、接合された製品に回転ツールの抜け穴が残存することがない。
特許第3409674号公報(図5等) 特許第3262757号公報(図2等)
ところが、筒状体の開口部を覆う蓋板を接合する際に、特許文献2のように蓋板の外縁に延設部を設けて摩擦攪拌接合を行うと、筒状体の端面と蓋板の裏面とで形成された界面から回転ツールを延設部側に移動させた際に、回転ツールの押圧力で延設部(蓋板)を突き破ってしまうという問題があった。回転ツールが蓋板を突き破ると、回転ツールの先端が筒状体に接触するなどして、接合された製品に疵がついてしまう可能性がある。
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、蓋板の表面に回転ツールの抜け穴が残存することがなく、作業性の良い蓋接合方法を提供すること課題とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明は、筒状体の端面に、この筒状体の開口の少なくも一部を覆う蓋板を載置して、前記蓋板の表面から回転ツールのショルダ部の下端面が前記蓋板の表面よりも下方に位置するように押し込み、この回転ツールの攪拌ピンの先端を前記端面と前記蓋板の裏面との界面付近に位置させながら前記筒状体と前記蓋板とを摩擦攪拌接合によって固定する蓋接合方法であって、前記蓋板に、前記筒状体の外周面よりも外側に延設された延設部を設けるとともに、この延設部に前記攪拌ピンを離脱させる抜き取り位置を設定し、前記蓋板の表面から前記攪拌ピンを差し込み、前記筒状体と前記蓋板とを摩擦攪拌接合によって固定した後、差し込み量を徐々に減らしつつ前記界面から前記抜き取り位置まで前記回転ツールを移動させ、前記攪拌ピンを前記抜き取り位置にて前記蓋板から離脱させる接合工程と、前記延設部を切除する延設部切削工程と、前記蓋板の表面を切除する表面切削工程と、を含み、前記接合工程の後、前記延設部切削工程及び前記表面切削工程を実行し、前記延設部切削工程では、前記蓋板のうち、前記筒状体の外周面から突出している部位を切除し、前記表面切削工程では、前記蓋板の表面から所定の厚さで切削加工することにより、前記接合工程における前記回転ツールのショルダ部の押し込みによって生成した溝およびバリ等を切除することを特徴とする。
かかる蓋接合方法によれば、蓋板に回転ツールの攪拌ピンを離脱させる抜き取り位置を設定した延設部を設け、摩擦攪拌接合後に、当該延設部を切除するため、接合された製品に回転ツールの抜け穴が残存することがない。また、摩擦攪拌接合後は、界面から抜き取り位置まで前記回転ツールを移動させながら差し込み量を徐々に減らしていくため、回転ツールが蓋板を突き破ることがない。
また、前記延設部に前記攪拌ピンを差し込む差し込み位置を設定し、前記接合工程では、前記回転ツールを差し込む際に、前記回転ツールの差し込み量を徐々に増やしつつ、前記差し込み位置から前記界面方向へ前記回転ツールを移動させることが好ましい。
かかる蓋接合方法によれば、回転ツールを差し込む際に、攪拌ピンの先端が界面に達する前に蓋板を貫通するのを防ぐことができる。
また、前記攪拌ピンの先端を前記筒状体の端面に接触させた状態で摩擦攪拌接合を行うことが好ましい。かかる蓋接合方法によれば、界面を確実に接合することができる。
また、前記筒状体の端面は、第一端面と第一端面に対して段差のある第二端面を備えており、前記第一端面側及び前記第二端面側のいずれか一方の開口を覆うように前記蓋板を載置することが好ましい。かかる蓋接合方法によれば、筒状体の端面に段差があり、かつ、開口部の一部が覆われた製品を形成することができる。
本発明によれば、作業性が良いため接合された製品に疵がつきにくく、また、蓋板の表面に回転ツールの抜き穴が残らない製品を形成することができる。
第一実施形態に係る構造体を示した分解斜視図である。 第一実施形態に係る構造体を示した図であって、(a)は、平面図、(b)は、(a)のI-I断面図である。 第一実施形態に係る回転ツールを示した側面図である。 第一実施形態に係る接合工程を示した平面図であって、(a)は、差し込み位置、(b)は、中間位置、(c)は、抜き取り位置を示す。 第一実施形態に係る接合工程を示した断面図であって、(a)は、差し込み位置、(b)は、中間位置、(c)は、抜き取り位置を示す。 第一実施形態に係る切削工程を示した図であって、(a)は、平面図、(b)は、(a)のII-II断面図である。 第二実施形態に係る構造体を示した図であって、(a)は、分解斜視図、(b)は、断面図である。 第二実施形態に係る接合工程を示した図であって、(a)は、斜視図、(b)は、模式断面図である。
[第一実施形態]
本発明の第一実施形態に係る蓋接合方法について図面を適宜参照して詳細に説明する。まず、図1に示すように、本実施形態によって形成される構造体1を構成する各部材について説明する。説明における上下前後左右は、図1の矢印にしたがう。
構造体1は、図1に示すように、筒状体2と筒状体2の開口の一部を覆う蓋板3とを有する。筒状体2は、平面視略矩形環状を呈し、上下方向に開口する筒状部材である。筒状体2は、端面4、外周面5及び内周面6をそれぞれ備えている。筒状体2の上部の前側は、端面4から所定の高さで切り欠かれている。これにより、端面4は、第一端面4aと、第一端面4aよりも低い位置に形成された第二端面4bと、を有する。第一端面4a及び第二端面4bに対して垂直な面を立面4cとする。筒状体2は、アルミニウム又はアルミニウム合金等摩擦攪拌可能な部材から形成されている。筒状体2の板厚は、特に制限されないが、本実施形態では2mmに設定する。筒状体2のうち、第一端面4a側(後側)に係る部分を筒状後部2aとし、第二端面4b側(前側)に係る部分を筒状前部2bとする。筒状体2は、本実施形態では平面視矩形としたが、他の形状であってもよい。
蓋板3は、図1及び図2に示すように、筒状前部2bの開口を覆う部材であって、筒状体2の第二端面4bに載置される。蓋板3は、表面3a、裏面3b及び側面3cを備えた板状部材である。第二端面4bに、蓋板3を載置すると、蓋板3の裏面3bが、筒状体2の第二端面4bに当接する。また、蓋板3の側面3cが筒状体2の立面4cに当接する。図2の(b)に示すように、第二端面4bに、蓋板3を載置すると、第二端面4bと蓋板3の裏面3bとが当接して、界面J1が形成される。
蓋板3の前後方向及び左右方向の長さは、筒状前部2bの前後方向及び左右方向の長さよりも大きく形成されている。つまり、図2の(a)及び(b)に示すように、第二端面4bに蓋板3を載置すると、筒状体2の外周面5から外側に蓋板3が張り出す。本実施形態では、蓋板3のうち、筒状体2の外周面5から外側に張り出した部分を延設部3dとする。延設部3dの長さ(筒状体2の外周面5から蓋板3の側面3cまでの長さ)は、後記する接合工程に応じて適宜設定すればよいが、本実施形態では、後記する回転ツールGのショルダ部G1の外径よりも大きく設定している。
次に、後記する摩擦攪拌接合によって用いる回転ツールについて図3を用いて説明する。図3に示す回転ツールGは、工具鋼など筒状体2よりも硬質の金属材料からなり、円柱状を呈するショルダ部G1と、このショルダ部G1の下端面G11に突設された攪拌ピン(プローブ)G2とを備えて構成されている。
ショルダ部G1の下端面G11は、塑性流動化した金属を押えて周囲への飛散を防止する役割を担う部位であり、本実施形態では、凹面状に成形されている。攪拌ピンG2は、ショルダ部G1の下端面G11の中央から垂下しており、本実施形態では、先細りに成形されている。攪拌ピンG2の周面には、螺旋状に刻設された攪拌翼が形成されている。攪拌ピンG2の長さLは、本実施形態では、蓋板3の厚さと同等か、それよりも若干長くなるように設定している。本実施形態では、回転ツールGを前記したように形成したが、回転ツールGの寸法・形状は、筒状体2及び蓋板3の材質や厚さ等に応じて設定すればよい。
次に、本発明の蓋接合方法について説明する。本実施形態に係る蓋接合方法では、(1)準備工程、(2)接合工程、(3)切削工程を行う。
(1)準備工程
準備工程では、筒状体2及び蓋板3に対して脱脂処理を行う脱脂工程と、筒状体2に蓋板3を載置する載置工程とを行う。
脱脂工程では、筒状体2及び蓋板3に付着した汚れを除去する。脱脂工程では、筒状体2及び蓋板3を脱脂溶液に浸けて筒状体2及び蓋板3に付着した油分や切削屑等を除去する。
載置工程では、図1及び図2に示すように、筒状前部2bに蓋板3を載置する。つまり、筒状体2の第二端面4b及び立面4cに、蓋板3の裏面3b及び側面3cをそれぞれ当接させる。第二端面4bと蓋板3の裏面3bとで界面J1が形成される。
(2)接合工程
接合工程では、高速回転させた回転ツールGを界面J1に沿って移動させて摩擦攪拌接合を行う。図4の(a)に示すように、蓋板3の表面3aの一端に、回転ツールGを挿入する差し込み位置(開始位置)SM1を設定する。差し込み位置SM1は、本実施形態では、蓋板3のうち、筒状体2よりも外側、つまり、延設部3dに設定する。また、筒状体2の第二端面4bの幅方向中央に始点s1を設定する。接合工程では、差し込み位置SM1に、回転ツールGの攪拌ピンG2(図3参照)を挿入しつつ、始点s1に向けて回転ツールGを移動させる。回転ツールGを差し込む際には、図5の(a)に示すように、差し込み位置SM1から始点s1まで、回転ツールGの差し込み量を徐々に増やしつつ界面J1まで移動させる。
回転ツールGの差し込み量については適宜設定すればよいが、本実施形態では、攪拌ピンG2の先端が、筒状体2の第二端面4bに達する程度に設定する。また、回転ツールGの差し込み量は、回転ツールGのショルダ部G1の下端面G11が、蓋板3の表面3aよりも下方に位置するように設定する。
回転ツールGが、界面J1に達したら、図4の(b)に示すように、界面J1に沿って回転ツールGを移動させる。図5の(b)に示すように、第二端面4bの幅方向中心と、回転ツールGの軸心とが重なるようにして、回転ツールGを移動させる。界面J1の周囲の筒状体2と蓋板3は、一体的に塑性流動化されて塑性化領域W1が形成される。「塑性化領域」とは、回転ツールGの摩擦熱によって加熱されて現に塑性化している状態と、回転ツールGが通り過ぎて常温に戻った状態の両方を含むこととする。
図4の(c)に示すように、回転ツールGが筒状体2の第二端面4bの幅方向中央に設定した終点e1に達したら、蓋板3の表面3aの他端に設定された抜き取り位置(終了位置)EM1まで移動させる。抜き取り位置EM1は、蓋板3のうち、筒状体2よりも外側、つまり、延設部3dに設定する。
接合工程では、図5の(c)に示すように、終点e1から抜き取り位置EM1まで、回転ツールGの差し込み量を徐々に減らしつつ移動させる。回転ツールGの攪拌ピンG2の先端が抜き取り位置EM1に達したら、蓋板3の表面3aから回転ツールGを離脱させる。
接合工程によって、界面J1が摩擦攪拌されるため、筒状体2と蓋板3とを一体成形することができる。なお、本実施形態の接合工程では、回転ツールGを左回転させつつ、進行方向左側に筒状体2が位置するように設定した。本実施形態の接合工程では、塑性化領域W1のうち、シアー側(被接合部に対する回転ツールGの外周の相対速さが、回転ツールGの外周における接線速度の大きさに移動速度の大きさを加算した値となる側)が筒状体2の開口から離間する位置となるように設定した。つまり、本実施形態によれば、シアー側が筒状体2の外側に位置するように設定したため、仮に、摩擦攪拌によって空洞欠陥が発生したとしても、筒状体2の開口から遠い側に位置させることができる。ちなみに、回転ツールGを右回転させる場合は、筒状体2を進行方向右側に位置するように設定すれば、仮に接合欠陥が発生したとしても筒状体2の開口から遠い側に位置させることができる。
(3)切削工程
切削工程では、蓋板3の一部を切削加工により切除する。本実施形態に係る切削工程では、蓋板3の延設部3dを切除する延設部切削工程と、蓋板3の表面3aを切除する表面切削工程とを行う。
延設部切削工程では、図6の(a)及び(b)に示すように、蓋板3の延設部3d(二点鎖線部分)を切除する。つまり、蓋板3のうち、筒状体2の外周面5から突出している部位を切除する。切削方法は、公知の切削加工により行えばよい。これにより、筒状体2の外周面5と、蓋板3の切削後の側面3eとが面一になる。
表面切削工程では、図6の(b)に示すように、蓋板3の表面3aを所定の厚さで切削する。前記した接合工程では、回転ツールGのショルダ部G1を蓋板3に押し込むため、蓋板3の表面3aには、深さH1の溝Mが形成される。表面切削工程では、溝Mや接合工程によって発生したバリ等を切除するため、蓋板3の表面3aから所定の厚さで切削加工する。切削加工の厚さH2は、溝Mの深さH1等に応じて適宜設定すればよいが、少なくとも厚さH2が、深さH1よりも大きくなるように設定することが好ましい。
以上説明した本実施形態に係る蓋接合方法によれば、蓋板3に回転ツールGの攪拌ピンG2を離脱させる抜き取り位置EM1を設定した延設部3dを設け、摩擦攪拌接合後に、当該延設部3dを切除するため、構造体1に回転ツールGの抜け穴が残存することがない。
また、摩擦攪拌接合後は、界面J1から抜き取り位置EM1まで回転ツールGを移動させながら差し込み量を徐々に減らしていくため、回転ツールGが蓋板3を突き破ることがない。さらに、接合工程では、差し込み位置SM1から始点s1まで、回転ツールGの差し込み量を徐々に増しつつ摩擦攪拌を行うことで、回転ツールGが界面J1に達する前に、蓋板3を突き破ることがない。これにより、接合された構造体1に疵がつくのを回避することができる。
また、蓋板3に延設部3dを設けることで、回転ツールGを挿入又は離脱させるためのタブ材等を用意する必要がないため、作業手間を軽減することができる。また、表面切削工程で、蓋板3の表面3aを切除するため、蓋板3の表面を平滑にすることができる。
また、接合工程では、攪拌ピンG2を筒状体2の第二端面4bに接触させた状態で摩擦攪拌を行うため、界面J1を確実に接合することができる。
なお、接合工程の差し込み位置SM1及び抜き取り位置EM1の位置は構造体1の形状に合わせて適宜設定すればよい。また、本実施形態では、筒状体2の筒状前部2bの開口を覆うように蓋板3を載置したが、筒状後部2aを覆うように蓋板3を載置してもよい。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について説明する。図7及び図8に示すように、本実施形態については、筒状体52が円筒である点、蓋板53が円板である点、さらには、筒状体52の開口全体を蓋板53で覆う点等で第一実施形態と相違する。第二実施形態については、第一実施形態と共通する部分については、詳細な説明を省略する。
第二実施形態に係る構造体51は、筒状体52と、筒状体52の一方の開口を塞ぐ蓋板53とを有する。筒状体52は、円筒形状を呈し、上下に開口している。筒状体52及び蓋板53は、摩擦攪拌可能な金属で形成されている。蓋板53の外径は、筒状体52の外径よりも大きく形成されている。したがって、図7の(b)に示すように、筒状体52の端面54に、蓋板53を載置すると、蓋板53の外周縁が筒状体52の外周面55よりも外側に張り出す。蓋板53のうち、筒状体52の外周面55から外側に張り出した部分を延設部53dとする。筒状体52の端面54と、蓋板53の裏面53bとが当接して、界面J2が形成される。
次に、本発明の蓋接合方法について説明する。本実施形態に係る蓋接合方法では、(1
)準備工程、(2)接合工程、(3)切削工程を行う。準備工程は、第一実施形態と略同等であるため、説明を省略する。
(2)接合工程
接合工程では、図8の(a)及び(b)に示すように、高速回転させた回転ツールGを界面J2に沿って移動させて摩擦攪拌接合を行う。本実施形態に係る接合工程では、蓋板53の延設部53dに設定した差し込み位置SM2に回転ツールGを挿入し、図8の(b)に示すように、界面J2に向かって回転ツールGの差し込み量が徐々に大きくなるように押し込みつつ、回転ツールGを移動させる。
回転ツールGの攪拌ピンG2の先端を、筒状体52の端面54に達するまで移動させたら、界面J2に沿って回転ツールGを一周移動させる。回転ツールGの摩擦攪拌によって、蓋板53には塑性化領域W2が形成される。
回転ツールGを一周させたら、既存の塑性化領域W2の一部とオーバーラップさせて、蓋板53の延設部53dに設定された抜き取り位置EM2まで回転ツールGを移動させる。図8の(b)に示すように、界面J2から抜き取り位置EM2まで回転ツールGを移動させる際には、回転ツールGの差し込み量を徐々に減らしつつ摩擦攪拌を行う。回転ツールGの攪拌ピンG2の先端が、抜き取り位置EM2に達したら、回転ツールGを蓋板53から離脱させる。
なお、本実施形態の接合工程では、回転ツールGを右回転させつつ、筒状体52に対して右回りに移動させている。これにより、仮に接合欠陥が形成されたとしても、塑性化領域W2の進行方向左側、つまり、筒状体52の開口よりも遠い側に位置させることができる。
(3)切削工程
切削工程では、蓋板53の一部を切削加工により切除する。本実施形態に係る切削工程では、蓋板53の延設部53dを切除する延設部切削工程と、蓋板53の表面53aを切除する表面切削工程とを行う。
延設部切削工程では、図8の(b)に示した蓋板53の延設部53dを切除する。つまり、蓋板53のうち、筒状体52の外周面55から側方に突出している部位を切除する。切削方法は、公知の切削加工により行えばよい。これにより、筒状体52の外周面55と、蓋板3の切削後の側面とが面一になる。
表面切削工程では、図8の(b)に示した蓋板53の表面53aを所定の厚さで切削する。前記した接合工程では、回転ツールGのショルダ部G1を蓋板53に押し込むため、蓋板53の表面53aには溝が形成される。表面切削工程では、溝や接合工程によって発生したバリ等を切除するため、蓋板53の表面53aから所定の厚さで切削加工する。切削加工の厚さは、溝の深さ等に応じて適宜設定すればよい。
第二実施形態に係る蓋接合方法によれば、第一実施形態に係る効果に加えて、以下の効果を発揮することができる。本実施形態にかかる蓋接合方法によれば、界面J2が環状を呈する場合であっても、蓋板53の延設部53dに接合工程の差し込み位置SM2及び抜き取り位置EM2を設定するとともに、接合工程後に延設部53dを切除することで、構造体51に回転ツールGの抜き穴が残存するのを防ぐことができる。
また、接合工程では、回転ツールGを筒状体52に沿って一周させつつ、回転ツールGの移動軌跡を塑性化領域W2が重複するように設定することで、界面J2を確実に接合することができる。
以上本発明の実施形態について説明したが本発明の趣旨に反しない範囲において適宜設計変更が可能である。例えば、回転ツールGの形状、大きさ等は、筒状体及び蓋板の材質や厚さに応じて適宜設定すればよい。
1 構造体
2 筒状体
3 蓋板
3a 表面
3b 裏面
3c 側面
3d 延設部
4 端面
4a 第一端面
4b 第二端面
5 外周面
6 内周面
J1 界面
G 回転ツール
G1 ショルダ部
G2 攪拌ピン
SM1 差し込み位置
EM1 抜き取り位置

Claims (4)

  1. 筒状体の端面に、この筒状体の開口の少なくも一部を覆う蓋板を載置して、前記蓋板の表面から回転ツールのショルダ部の下端面が前記蓋板の表面よりも下方に位置するように押し込み、この回転ツールの攪拌ピンの先端を前記端面と前記蓋板の裏面との界面付近に位置させながら前記筒状体と前記蓋板とを摩擦攪拌接合によって固定する蓋接合方法であって、
    前記蓋板に、前記筒状体の外周面よりも外側に延設された延設部を設けるとともに、この延設部に前記攪拌ピンを離脱させる抜き取り位置を設定し、
    前記蓋板の表面から前記攪拌ピンを差し込み、前記筒状体と前記蓋板とを摩擦攪拌接合によって固定した後、差し込み量を徐々に減らしつつ前記界面から前記抜き取り位置まで前記回転ツールを移動させ、前記攪拌ピンを前記抜き取り位置にて前記蓋板から離脱させる接合工程と、
    前記延設部を切除する延設部切削工程と、
    前記蓋板の表面を切除する表面切削工程と、を含み、
    前記接合工程の後、前記延設部切削工程及び前記表面切削工程を実行し、
    前記延設部切削工程では、前記蓋板のうち、前記筒状体の外周面から突出している部位を切除し、
    前記表面切削工程では、前記蓋板の表面から所定の厚さで切削加工することにより、前記接合工程における前記回転ツールのショルダ部の押し込みによって生成した溝およびバリ等を切除する
    ことを特徴とする蓋接合方法。
  2. 前記延設部に前記攪拌ピンを差し込む差し込み位置を設定し、
    前記接合工程では、前記回転ツールを差し込む際に、前記回転ツールの差し込み量を徐々に増やしつつ、前記差し込み位置から前記界面方向へ前記回転ツールを移動させることを特徴とする請求項1に記載の蓋接合方法。
  3. 前記攪拌ピンの先端を前記筒状体の端面に接触させた状態で摩擦攪拌接合を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の蓋接合方法。
  4. 前記筒状体の端面は、第一端面と第一端面に対して段差のある第二端面を備えており、
    前記第一端面側及び前記第二端面側のいずれか一方の開口を覆うように前記蓋板を載置することを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の蓋接合方法。
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