JP2021045781A - 接合方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】凹部を備える本体と蓋部材とを摩擦攪拌接合によって接合する接合方法において、引抜き穴及び引抜き痕の発生を防ぐことができる接合方法を提供することを課題とする。【解決手段】本体1に蓋部材2を載置することにより、周壁段差部の段差側面と蓋部材2の側面とを突合せて第一突合せ部J1を形成するとともに、周壁段差部の段差底面と蓋部材2の裏面とを重ね合わせて第二突合せ部を形成する載置工程と、回転する先端側ピンF3を第一突合せ部J1に挿入し、基端側ピンF2の外周面を周壁部11の端面11a及び蓋部材2の表面2aに接触させた状態で第一突合せ部J1に沿って摩擦攪拌を行った後、傾斜台3の傾斜面3cに沿って昇るように移動させて当該傾斜面3cの上側で先端側ピンF3を引抜く本接合工程と、傾斜台3を除去する傾斜台除去工程と、を含むことを特徴とする。【選択図】図10

Description

本発明は、接合方法に関する。
金属部材同士を接合する技術として、摩擦攪拌接合が知られている。摩擦攪拌接合では、回転ツールに備えられた攪拌ピンを金属部材から引き抜く際に、引抜き穴が残ってしまうという課題がある。そこで、金属部材に引抜き穴が残らないような接合方法が知られている。
例えば、特許文献1に係る接合方法では、攪拌ピンを移動させながら徐々に引き抜くことによって、引抜き痕を小さくする方法が開示されている。
特開2016−87649号公報
しかし、特許文献1の接合方法では、回転ツールを徐々に引き抜く際に、塑性化領域に引抜き痕が残ってしまうという問題がある。
そこで本発明は、凹部を備える本体と蓋部材とを摩擦攪拌によって接合する際に、引抜き穴及び引抜き痕の発生を防ぐことができる接合方法を提供することを課題とする。
本発明は、凹部を備える本体と、前記凹部の開口部を封止する蓋部材とを摩擦攪拌で接合する接合方法であって、摩擦攪拌で用いる回転ツールは、基端側ピンと、先端側ピンとを備え、前記基端側ピンのテーパー角度は、前記先端側ピンのテーパー角度よりも大きく、前記基端側ピンの外周面には階段状の段差部が形成されており、前記本体は、底部と前記底部の周縁部から立ち上がる周壁部とを有し、前記周壁部の内周壁に前記周壁部の端面から一段下がった段差底面と、当該段差底面から立ち上がる段差側面と、を有する周壁段差部を形成し、前記段差側面に近接するとともに、前記周壁部の端面から突出する傾斜台を有する本体を準備する準備工程と、前記本体に前記蓋部材を載置することにより、前記周壁段差部の段差側面と前記蓋部材の側面とを突き合わせて第一突合せ部を形成するとともに、前記周壁段差部の段差底面と前記蓋部材の裏面とを重ね合わせて第二突合せ部を形成する載置工程と、回転する前記先端側ピンを前記第一突合せ部に挿入し、前記基端側ピンの外周面を前記周壁部の端面及び前記蓋部材の表面に接触させた状態で前記第一突合せ部に沿って前記回転ツールを移動させて摩擦攪拌を行った後、前記先端側ピンを前記傾斜台の傾斜面に沿って昇るようにして移動させ、前記傾斜面の上側で前記先端側ピンを引抜く本接合工程と、前記本接合工程の後に、前記傾斜台を除去する傾斜台除去工程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明は、凹部を備える本体と、前記凹部の開口部を封止する蓋部材とを摩擦攪拌で接合する接合方法であって、摩擦攪拌で用いる回転ツールは、基端側ピンと、先端側ピンとを備え、前記基端側ピンのテーパー角度は、前記先端側ピンのテーパー角度よりも大きく、前記基端側ピンの外周面には階段状の段差部が形成されており、前記本体は、底部と前記底部の周縁部から立ち上がる周壁部とを有し、前記周壁部の内周壁に前記周壁部の端面から一段下がった段差底面と、当該段差底面から立ち上がる段差側面と、を有する周壁段差部を形成し、前記蓋部材の側面に近接するとともに、前記蓋部材の表面から突出する傾斜台を有する蓋部材を準備する準備工程と、前記本体に前記蓋部材を載置することにより、前記周壁段差部の段差側面と前記蓋部材の側面とを突き合わせて第一突合せ部を形成するとともに、前記周壁段差部の段差底面と前記蓋部材の裏面とを重ね合わせて第二突合せ部を形成する載置工程と、回転する前記先端側ピンを前記第一突合せ部に挿入し、前記基端側ピンの外周面を前記周壁部の端面及び前記蓋部材の表面に接触させた状態で前記第一突合せ部に沿って前記回転ツールを移動させて摩擦攪拌を行った後、前記先端側ピンを前記傾斜台の傾斜面に沿って昇るようにして移動させ、前記傾斜面の上側で前記先端側ピンを引抜く本接合工程と、前記本接合工程の後に、前記傾斜台を除去する傾斜台除去工程と、を含むことを特徴とする。
かかる接合方法によれば、摩擦攪拌接合を行った後、第一突合せ部とは別の位置に設けられた傾斜台で先端側ピンを引き抜くことができる。また、傾斜台は周壁部または蓋部材から切除することができる。これにより、先端側ピンによる引抜き穴及び引抜き痕の発生を防ぐことができる。また、かかる接合方法によれば、テーパー角度の大きい基端側ピンの外周面を周壁部の端面及び蓋部材の表面に接触させた状態で摩擦攪拌を行うため、バリの発生を抑制することができる。
本発明によると、凹部を備える本体と蓋部材を摩擦攪拌によって接合する際に、引抜き穴及び引抜き痕の発生を防ぐことができる。
本発明の実施形態に係る回転ツールを示す側面図である。 回転ツールの拡大断面図である。 回転ツールの第一変形例を示す断面図である。 回転ツールの第二変形例を示す断面図である。 回転ツールの第三変形例を示す断面図である。 本発明の第一実施形態に係る接合方法の準備工程を示す分解斜視図である。 本発明の第一実施形態に係る接合方法の載置工程を示す断面図である。 本発明の第一実施形態に係る接合方法の本接合工程を示す平面図である。 本発明の第一実施形態に係る接合方法の本接合工程を示す断面図である。 本発明の第一実施形態に係る接合方法の本接合工程の終了位置の斜視図である。 本発明の第一実施形態に係る接合方法の本接合工程の終了位置の断面図である。 本発明の第二実施形態に係る接合方法を示す斜視図である。 本発明の第三実施形態に係る接合方法を示す斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図等を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、「裏面」の反対側の面を「表面」と言う。
まずは、本実施形態に係る接合方法で用いる回転ツールについて説明する。回転ツールは、摩擦攪拌接合に用いられるツールである。図1に示すように、回転ツールFは、例えば工具鋼で形成されており、基軸部F1と、基端側ピンF2と、先端側ピンF3とで主に構成されている。基軸部F1は、円柱状を呈し、摩擦攪拌装置の主軸に接続される部位である。
基端側ピンF2は、基軸部F1に連続し、先端に向けて先細りになっている。基端側ピンF2は、円錐台形状を呈する。基端側ピンF2のテーパー角度Aは適宜設定すればよいが、例えば、135〜160°になっている。テーパー角度Aが135°未満であるか、又は、160°を超えると摩擦攪拌後の接合表面粗さが大きくなる。テーパー角度Aは、後記する先端側ピンF3のテーパー角度Bよりも大きくなっている。図2に示すように、基端側ピンF2の外周面には、階段状のピン段差部F21が高さ方向の全体に亘って形成されている。ピン段差部F21は、右回り又は左回りで螺旋状に形成されている。つまり、ピン段差部F21は、平面視して螺旋状であり、側面視すると階段状になっている。本第一実施形態では、回転ツールFを右回転させるため、ピン段差部F21は基端側から先端側に向けて左回りに設定している。
なお、回転ツールFを左回転させる場合は、ピン段差部F21を基端側から先端側に向けて右回りに設定することが好ましい。これにより、ピン段差部F21によって塑性流動材が先端側に導かれるため、被接合金属部材の外部に溢れ出る金属を低減することができる。ピン段差部F21は、段差底面F21aと、段差側面F21bとで構成されている。隣り合うピン段差部F21の各頂点F21c,F21cの距離X1(水平方向距離)は、後記する段差角度C及び段差側面F21bの高さY1に応じて適宜設定される。
段差側面F21bの高さY1は適宜設定すればよいが、例えば、0.1〜0.4mmで設定されている。高さY1が0.1mm未満であると接合表面粗さが大きくなる。一方、高さY1が0.4mmを超えると接合表面粗さが大きくなる傾向があるとともに、有効段差部数(被接合金属部材と接触しているピン段差部F21の数)も減少する。
段差底面F21aと段差側面F21bとでなす段差角度Cは適宜設定すればよいが、例えば、85〜120°で設定されている。段差底面F21aは、本実施形態では水平面と平行になっている。段差底面F21aは、ツールの回転軸から外周方向に向かって水平面に対して−5°〜15°内の範囲で傾斜していてもよい(マイナスは水平面に対して下方、プラスは水平面に対して上方)。距離X1、段差側面F21bの高さY1、段差角度C及び水平面に対する段差底面F21aの角度は、摩擦攪拌を行う際に、塑性流動材がピン段差部F21の内部に滞留して付着することなく外部に抜けるとともに、段差底面F21aで塑性流動材を押えて接合表面粗さを小さくすることができるように適宜設定する。
図1に示すように、先端側ピンF3は、基端側ピンF2に連続して形成されている。先端側ピンF3は円錐台形状を呈する。先端側ピンF3の先端は回転軸に対して垂直な平坦面F4になっている。先端側ピンF3のテーパー角度Bは、基端側ピンF2のテーパー角度Aよりも小さくなっている。図2に示すように、先端側ピンF3の外周面には、螺旋溝F31が刻設されている。螺旋溝F31は、右回り、左回りのどちらでもよいが、本第一実施形態では回転ツールFを右回転させるため、基端側から先端側に向けて左回りに刻設されている。
なお、回転ツールFを左回転させる場合は、螺旋溝F31を基端側から先端側に向けて右回りに設定することが好ましい。これにより、螺旋溝F31によって塑性流動材が先端側に導かれるため、被接合金属部材の外部に溢れ出る金属を低減することができる。螺旋溝F31は、螺旋底面F31aと、螺旋側面F31bとで構成されている。隣り合う螺旋溝F31の頂点F31c,F31cの距離(水平方向距離)を長さX2とする。螺旋側面F31bの高さを高さY2とする。螺旋底面F31aと、螺旋側面F31bとで構成される螺旋角度Dは例えば、45〜90°で形成されている。螺旋溝F31は、被接合金属部材と接触することにより摩擦熱を上昇させるとともに、塑性流動材を先端側に導く役割を備えている。また、回転ツールFは、先端にスピンドルユニット等の回転駆動手段を備えたロボットアームに取り付けてもよい。
回転ツールFは、適宜設計変更が可能である。図3は、本発明の回転ツールの第一変形例を示す側面図である。図3に示すように、第一変形例に係る回転ツールFAでは、ピン段差部F21の段差底面F21aと段差側面F21bとのなす段差角度Cが85°になっている。段差底面F21aは、水平面と平行である。このように、段差底面F21aは水平面と平行であるとともに、段差角度Cは、摩擦攪拌中にピン段差部F21内に塑性流動材が滞留して付着することなく外部に抜ける範囲で鋭角としてもよい。
図4は、本発明の回転ツールの第二変形例を示す側面図である。図4に示すように、第二変形例に係る回転ツールFBでは、ピン段差部F21の段差角度Cが115°になっている。段差底面F21aは水平面と平行になっている。このように、段差底面F21aは水平面と平行であるとともに、ピン段差部F21として機能する範囲で段差角度Cが鈍角となってもよい。
図5は、本発明の回転ツールの第三変形例を示す側面図である。図5に示すように、第三変形例に係る回転ツールFCでは、段差底面F21aがツールの回転軸から外周方向に向かって水平面に対して10°上方に傾斜している。段差側面F21bは、鉛直面と平行になっている。このように、摩擦攪拌中に塑性流動材を押さえることができる範囲で、段差底面F21aがツールの回転軸から外周方向に向かって水平面よりも上方に傾斜するように形成されていてもよい。上記の回転ツールの第一〜第三変形例によっても、下記の実施形態と同等の効果を奏することができる。
[第一実施形態]
図6に示すように、本実施形態に係る接合方法では、金属製の本体1と、金属製の蓋部材2とを摩擦攪拌接合で接合して中空容器を形成する。
本体1は、上方が開口された箱状体である。本体1は、底部10と、周壁部11と、傾斜台3とで構成されている。本体1は、本実施形態ではアルミニウム合金で形成されているが、摩擦攪拌可能な金属から適宜選択することができる。例えば、本体1は、アルミニウム合金、マグネシウム合金、銅合金、アルミニウム、マグネシウム、チタン等で形成することができる。
底部10は、平面視矩形の板状を呈する。周壁部11は、底部10の周縁に立設されており、平面視矩形枠状を呈する。周壁部11は、同じ板厚からなる壁部11A,11B,11C,11Dで構成されている。壁部11A,11Cは、短辺部となっており、互いに対向している。壁部11B,11Dは、長辺部となっており、互いに対向している。底部10及び周壁部11の内部には凹部12が形成されている。
周壁部11の端面となる端面11aには、本体1の周壁部11の内周縁に沿って周壁段差部13が形成される。周壁段差部13は、段差底面13aと、段差底面13aから立ち上がる段差側面13bとで構成される。段差底面13aは、端面11aから一段下がった位置に形成されている。
傾斜台3は、端面11aに設けられている。傾斜台3は、傾斜台側面3aと、傾斜台側面3bと、傾斜面3cと、背面3dとで構成される。傾斜台側面3a及び傾斜台側面3bは傾斜台3の側面であり、互いに対向している。傾斜台3は、傾斜面3cの傾斜方向が凹部12に臨むように配置されている。また、傾斜面3cの下端が周壁部11の内周縁と平行になっている。背面3dは、端面11aから垂直に立ち上がるとともに、傾斜台側面3a及び傾斜台側面3bに対して垂直になっている。傾斜面3cの下端と段差側面13bとは接触させてもよいが、本接合工程の際に回転ツールFと接触しないように離間させてもよい(図6参照)。
傾斜面3cは、徐々に上昇する斜面であればよく、平面であっても、曲面であってもよい。なお、本実施形態では、傾斜台3は、壁部11Dの端面11aに設けられているが、壁部11A,11B,11Cの端面11aであってもよい。傾斜台3は、回転ツールFを傾斜面3cに沿って上昇させて後述する終了位置Epまで移動させた場合に、本体1に回転ツールFによる引抜き穴及び引抜き痕が残らない程度の厚さ(高さ)を有することが好ましい。すなわち、傾斜台3は、傾斜面3cの下端から上端に向かうにつれて厚みが増していくが、少なくとも先端側ピンF3が傾斜台3に挿入される深さよりも厚みを有する部位を持つ形状であることが好ましい。
本体1は、例えばダイキャストで形成するのが好ましい。ダイキャストによれば傾斜台3が設けられた本体1を容易に一体形成することができる。
蓋部材2は、本体1の開口部を封止する平面視矩形の板部材である。蓋部材2の材料は、本体1と同じ金属でもよいし、異なる金属であってもよい。また、蓋部材2の材料は、本体1と同種の金属とし、その硬度を変えてもよい。蓋部材2は、周壁段差部13にほぼ隙間なく載置される大きさで形成されている。蓋部材2の板厚寸法は、段差側面13bの高さ寸法より大きくしてもよい。
次に、本実施形態に係る接合方法について説明する。本実施形態に係る接合方法は、準備工程と、載置工程と、本接合工程と、傾斜台除去工程とを行う。
準備工程は、図6に示すように、傾斜台3及び凹部12を備えた本体1と、本体1に載置する蓋部材2とを形成する工程である。本体1は、例えばダイキャストで形成する。
載置工程は、図7に示すように、本体1に形成される周壁段差部13に、蓋部材2を載置する工程である。周壁段差部13の段差側面13bと、蓋部材2の側面2cとが突き合わされて第一突合せ部J1が形成される。さらに、周壁段差部13の段差底面13aと、蓋部材2の底面2bとが突き合わされて第二突合せ部J2が形成される。周壁部11の端面11aと、蓋部材2の表面2aとは面一になっている。
本接合工程は、図8に示すように、本体1と蓋部材2とを摩擦攪拌接合する工程である。本実施形態における本接合工程は、開始位置Spから一周させて中間点S1までの本工程と、中間点S1から終了位置Epまでの離脱工程とを行う。本工程では、回転ツールFを用いて、第一突合せ部J1に沿って摩擦攪拌接合を行う。回転ツールFを任意に設定した開始位置Spに挿入し、回転ツールFを第一突合せ部J1に沿って右回りに移動させる。
図9に示すように、先端側ピンF3の挿入の深さは、先端側ピンF3の先端が周壁段差部13の段差底面13aに達するように設定するとともに、基端側ピンF2の外周面が周壁部11の端面11a及び蓋部材2の表面2aに接触するように設定する。そして、回転ツールFを一定の高さ位置を保った状態で第一突合せ部J1をなぞるようにして移動させる。
回転ツールFの移動軌跡には、塑性化領域Wが形成される。開始位置Spからスタートした回転ツールFが一周して開始位置Spに達したら、塑性化領域Wをオーバーラップさせて、中間点S1まで移動させる。回転ツールFが中間点S1に達したら、回転ツールFを離脱させずにそのまま離脱工程に移行する。
離脱工程は、図10に示すように、中間点S1から終了位置Epまで回転ツールFを移動させて、傾斜台3で離脱させる工程である。離脱工程では、回転ツールFの挿入深さを一定に保ちながら傾斜台3の傾斜面3cに移動させる。その後、回転ツールFを端面11aから徐々に離間させながら、傾斜面3cに沿って移動させる。回転ツールFが終了位置Epに達したら、回転ツールFを上昇させて、傾斜台3から回転ツールFを離脱させる。
図11に示すように、回転ツールFは傾斜面3cに沿って上昇させるため、終了位置Epまで回転ツールFを移動させると、先端側ピンF3と端面11aとを離間させることができる。これにより、回転ツールFを離脱させた際に生じる引抜き穴は、本体1には残存せず、傾斜台3のみに残存させることができる。
傾斜台除去工程は、本体1から傾斜台3を除去する工程である。傾斜台除去工程では、例えば、切削加工、研削加工により端面11aを基準として傾斜台3をすべて除去する。
以上説明した、本実施形態に係る接合方法によれば、回転ツールFの終了位置Epを傾斜台3に設定するとともに、当該傾斜台3を切除する。これにより、本体1に引抜き穴及び引抜き痕が残存するのを防ぐことができる。また、これにより本体1の表面には引抜き穴及び引抜き痕が残存しないため、きれいに仕上げることができる。
また、本実施形態では、本接合工程において、図9に示すように基端側ピンF2の外周面と周壁部11の端面11a及び蓋部材2の表面2aとを接触させ、塑性流動材を押さえながら摩擦攪拌を行うため、バリの発生を抑制することができる。また、基端側ピンF2の外周面で塑性流動材を押えることができるため、接合表面(本体1の端面11a及び蓋部材2の表面2a)に形成される段差凹溝を小さくすることができるとともに、段差凹溝の脇に形成される膨出部を無くすかもしくは小さくすることができる。
また、基端側ピンF2の階段状のピン段差部F21は浅く、かつ、出口が広いため、塑性流動材を段差底面F21aで押えつつ塑性流動材がピン段差部F21の外部に抜けやすくなっている。そのため、基端側ピンF2で塑性流動材を押えても基端側ピンF2の外周面に塑性流動材が付着し難い。よって、接合表面粗さを小さくすることができるとともに、接合品質を好適に安定させることができる。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態に係る接合方法について説明する。本実施形態では、傾斜台が蓋部材2に形成されている点で第一実施形態と相違する。本実施形態では、第一実施形態と相違する部分について説明する。
図12に示すように、本実施形態では、傾斜台3Bが蓋部材2の表面2a上に突出して形成されている。傾斜台3は、傾斜台側面3aと、傾斜台側面3bと、傾斜面3cとで構成される。傾斜台側面3a及び傾斜台側面3bは傾斜台3の側面であり、互いに対向している。傾斜面3cの傾斜方向は、第一突合せ部J1に対して垂直に形成されている。傾斜面3cの下端と側面2cとは、本接合工程の際に回転ツールFと接触しないように離間させてもよい。
蓋部材2の傾斜台3Bは、第一実施形態と同様に、例えば、ダイキャストで形成することができる。これにより、傾斜台3Bと蓋部材2とを容易に一体形成することができる。
本接合工程については、傾斜台3Bで離脱させることを除いては、第一実施形態と同様である。また、その他の工程についても、第一実施形態と同じであるため、詳細な説明は省略する。このように、第二実施形態に係る接合方法であっても、第一実施形態と概ね同等の効果を奏することができる。
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態に係る接合方法について説明する。本実施形態では、傾斜台が形成される方向が第二実施形態と相違する。本実施形態では、第二実施形態と相違する部分について説明する。
本実施形態では、図13に示すように、傾斜台3Cの傾斜方向は、第一突合せ部J1に対して平行に形成されている。
傾斜台3Cは、蓋部材2に設けられている。傾斜台3Cは、傾斜台側面3aと、傾斜台側面3bと、傾斜面3cと、アプローチ部3eとで構成される。傾斜台側面3a及び傾斜台側面3bは傾斜台3の側面であり、互いに対向している。傾斜台側面3aは、蓋部材2の側面2cから離間した位置に形成されている。傾斜台側面3aから蓋部材2の側面2cまでの距離は、本接合工程を行う際に、回転ツールFと傾斜台3とが干渉しないように設定することが好ましい。
傾斜面3cは、徐々に上昇する斜面であればよく、平面であっても、曲面であってもよい。アプローチ部3eは、下端が蓋部材2の表面2aと接するとともに上端が傾斜面3cに接し、90°方向を変えながら緩やかに湾曲して傾斜している。アプローチ部3eの下端と蓋部材2の側面2cとは、本接合工程の際に回転ツールFと接触しないように離間させてもよい。
本接合工程については、傾斜台3Cで離脱させることを除いては、第一実施形態と同様である。また、その他の工程についても、第一実施形態と同じであるため、詳細な説明は省略する。
以上説明した接合方法であっても、第一実施形態と略同等の効果を奏することができる。また、傾斜台3にアプローチ部3eを設けることにより、第一突合せ部J1から傾斜台3へ回転ツールFの移動速度を落とすことなくスムーズに移動させることができる。なお、本実施形態の傾斜台3Cは、蓋部材2に形成されているが、第一実施形態に係る本体1の端面11aに形成してもよい。
以上、本発明について説明したが、本発明は、前記の実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
上記実施形態では、傾斜台3を本体1と一体形成する場合を例示したが、本体1を形成した後に本体1に傾斜台を後付けすることで、傾斜台3を有する本体1を準備するようにしてもよい。例えば、別に形成した傾斜台3を本体1に配置することで、本体1に傾斜台3を設けることができる。このとき、本体1に配置した傾斜台3を溶接により仮付けすることが好ましい。同様に、傾斜台3を蓋部材2の表面2a上に突出して形成する場合、蓋部材2を形成した後に傾斜台を後付けすることで、傾斜台3を有する蓋部材2を準備するようにしてもよい。このとき、蓋部材2に配置した傾斜台3を溶接により仮付けすることが好ましい。
1 本体
2 蓋部材
3,3B,3C 傾斜台
10 底部
11 周壁部
11a 端面
11A 壁部
11B 壁部
11C 壁部
11D 壁部
12 凹部
13 周壁段差部
13a 段差底面
13b 段差側面
J1 第一突合せ部
J2 第二突合せ部
F 回転ツール
F2 基端側ピン
F3 先端側ピン
F4 平坦面
W 塑性化領域

Claims (2)

  1. 凹部を備える本体と、前記凹部の開口部を封止する蓋部材とを摩擦攪拌で接合する接合方法であって、
    摩擦攪拌で用いる回転ツールは、基端側ピンと、先端側ピンとを備え、前記基端側ピンのテーパー角度は、前記先端側ピンのテーパー角度よりも大きく、前記基端側ピンの外周面には階段状の段差部が形成されており、
    前記本体は、底部と前記底部の周縁部から立ち上がる周壁部とを有し、前記周壁部の内周壁に前記周壁部の端面から一段下がった段差底面と、当該段差底面から立ち上がる段差側面と、を有する周壁段差部を形成し、前記段差側面に近接するとともに、前記周壁部の端面から突出する傾斜台を有する本体を準備する準備工程と、
    前記本体に前記蓋部材を載置することにより、前記周壁段差部の段差側面と前記蓋部材の側面とを突き合わせて第一突合せ部を形成するとともに、前記周壁段差部の段差底面と前記蓋部材の裏面とを重ね合わせて第二突合せ部を形成する載置工程と、
    回転する前記先端側ピンを前記第一突合せ部に挿入し、前記基端側ピンの外周面を前記周壁部の端面及び前記蓋部材の表面に接触させた状態で前記第一突合せ部に沿って前記回転ツールを移動させて摩擦攪拌を行った後、前記先端側ピンを前記傾斜台の傾斜面に沿って昇るようにして移動させ、前記傾斜面の上側で前記先端側ピンを引抜く本接合工程と、
    前記本接合工程の後に、前記傾斜台を除去する傾斜台除去工程と、を含むことを特徴とする接合方法。
  2. 凹部を備える本体と、前記凹部の開口部を封止する蓋部材とを摩擦攪拌で接合する接合方法であって、
    摩擦攪拌で用いる回転ツールは、基端側ピンと、先端側ピンとを備え、前記基端側ピンのテーパー角度は、前記先端側ピンのテーパー角度よりも大きく、前記基端側ピンの外周面には階段状の段差部が形成されており、
    前記本体は、底部と前記底部の周縁部から立ち上がる周壁部とを有し、前記周壁部の内周壁に前記周壁部の端面から一段下がった段差底面と、当該段差底面から立ち上がる段差側面と、を有する周壁段差部を形成し、前記蓋部材の側面に近接するとともに、前記蓋部材の表面から突出する傾斜台を有する蓋部材を準備する準備工程と、
    前記本体に前記蓋部材を載置することにより、前記周壁段差部の段差側面と前記蓋部材の側面とを突き合わせて第一突合せ部を形成するとともに、前記周壁段差部の段差底面と前記蓋部材の裏面とを重ね合わせて第二突合せ部を形成する載置工程と、
    回転する前記先端側ピンを前記第一突合せ部に挿入し、前記基端側ピンの外周面を前記周壁部の端面及び前記蓋部材の表面に接触させた状態で前記第一突合せ部に沿って前記回転ツールを移動させて摩擦攪拌を行った後、前記先端側ピンを前記傾斜台の傾斜面に沿って昇るようにして移動させ、前記傾斜面の上側で前記先端側ピンを引抜く本接合工程と、
    前記本接合工程の後に、前記傾斜台を除去する傾斜台除去工程と、を含むことを特徴とする接合方法。
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