JP2021065925A - 接合方法 - Google Patents

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堀 久司
Hisashi Hori
久司 堀
伸城 瀬尾
Nobushiro Seo
伸城 瀬尾
宏介 山中
Kosuke Yamanaka
宏介 山中
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Abstract

【課題】凹部を備える本体と蓋部材とを摩擦攪拌接合によって接合する接合方法において、引抜き穴及び引抜き痕の発生を防ぐことができる接合方法を提供することを課題とする。【解決手段】本体1に蓋部材2を載置することにより、周壁部11の端面11aと蓋部材2の裏面2bとを突合せて第一突合せ部J1を形成する載置工程と、回転する先端側ピンF3を第一突合せ部J1に挿入し、第一突合せ部J1に沿って摩擦攪拌を行った後、傾斜台3の傾斜面3cに沿って昇るように移動させて当該傾斜面3cの上側で先端側ピンF3を引抜く本接合工程と、本接合工程の後に傾斜台3を除去する傾斜台除去工程とを含むことを特徴とする。【選択図】図12

Description

本発明は、接合方法に関する。
金属部材同士を接合する技術として、摩擦攪拌接合が知られている。摩擦攪拌接合では、回転ツールに備えられた先端側ピンを金属部材から引き抜く際に、引抜き穴が残ってしまうという課題がある。そこで、金属部材に引抜き穴が残らないような接合方法が知られている。
例えば、特許文献1には、本体と、本体の開口部を封止する蓋部材とを摩擦攪拌で接合する接合方法が開示されている。当該接合方法では、本体及び蓋部材の側面から垂直に回転ツールを挿入し、本体の廻りに一周させて摩擦攪拌を行っている。
特開2018−69322号公報
特許文献1の接合方法では、回転ツールを徐々に引き抜く際に、塑性化領域に引抜き穴や、引抜き痕が残ってしまうという問題がある。
このような観点から、本発明は、凹部を備える本体と蓋部材とを摩擦攪拌によって接合する際に、引抜き穴及び引抜き痕の発生を防ぐことができる接合方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は、凹部を備える本体と、前記凹部の開口部を封止する蓋部材とを摩擦攪拌で接合する接合方法であって、摩擦攪拌で用いる回転ツールは、基端側ピンと、先端側ピンとを備え、前記基端側ピンのテーパー角度は、前記先端側ピンのテーパー角度よりも大きく、前記基端側ピンの外周面には階段状の段差部が形成されており、底部と前記底部の周縁部から立ち上がる周壁部とを有し、前記周壁部の端面に近接するとともに前記周壁部の側面から突出する傾斜台を有する前記本体を準備する準備工程と、前記本体に前記蓋部材を載置することにより、前記周壁部の端面と前記蓋部材の裏面とを突合せて突合せ部を形成する載置工程と、回転する前記先端側ピンを前記蓋部材の側面及び前記周壁部の側面から前記突合せ部に挿入し、前記先端側ピン及び前記基端側ピンを前記周壁部及び前記蓋部材に接触させた状態で前記突合せ部に沿って前記回転ツールを移動させて摩擦攪拌を行った後、前記傾斜台の傾斜面に沿って昇るように移動させて前記傾斜面の上側で前記先端側ピンを引抜く本接合工程と、前記本接合工程の後に、前記傾斜台を除去する傾斜台除去工程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明は、凹部を備える本体と、前記凹部の開口部を封止する蓋部材とを摩擦攪拌で接合する接合方法であって、摩擦攪拌で用いる回転ツールは、基端側ピンと、先端側ピンとを備え、前記基端側ピンのテーパー角度は、前記先端側ピンのテーパー角度よりも大きく、前記基端側ピンの外周面には階段状の段差部が形成されており、底部及び前記底部の周縁部から立ち上がる周壁部を有する前記本体と、前記蓋部材の裏面に近接するとともに前記蓋部材の側面から突出する傾斜台を有する前記蓋部材とを準備する準備工程と、前記本体に前記蓋部材を載置することにより、前記周壁部の端面と前記蓋部材の裏面とを突合せて突合せ部を形成する載置工程と、回転する前記先端側ピンを前記蓋部材の側面及び前記周壁部の側面から前記突合せ部に挿入し、前記先端側ピン及び前記基端側ピンを前記周壁部及び前記蓋部材に接触させた状態で前記突合せ部に沿って前記回転ツールを移動させて摩擦攪拌を行った後、前記傾斜台の傾斜面に沿って昇るように移動させて前記傾斜面の上側で前記先端側ピンを引抜く本接合工程と、前記本接合工程の後に、前記傾斜台を除去する傾斜台除去工程と、を含むことを特徴とする。
かかる接合方法によれば、摩擦攪拌接合を行った後、突合せ部とは別の位置に設けられた傾斜台で先端側ピンを引き抜くことができる。また、傾斜台は周壁部または蓋部材から除去することができる。これにより、先端側ピンによる引抜き穴及び引抜き痕の発生を防ぐことができる。
また、前記本接合工程では、前記本体の前記底部と前記蓋部材の表面とを両外側から一対の保持部で押圧して保持しつつ、前記保持部を用いて前記本体及び前記蓋部材を回転又は平行移動させて前記本体と前記蓋部材とを摩擦攪拌することが好ましい。
かかる接合方法によれば、本体の底部と蓋部材の表面とを一対の保持部で保持した状態で本体及び蓋部材を回転又は平行移動させるため、本接合工程中に保持部と回転ツールとが干渉しない。つまり、本体と蓋部材とを位置決めするための治具が回転ツールの移動の妨げにならない。これにより、工数を削減することができ、摩擦攪拌接合を容易に行うことができる。
本発明に係る接合方法によれば、凹部を備える本体と蓋部材とを摩擦攪拌によって接合する際に、引抜き穴及び引抜き痕の発生を防ぐことができる接合方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る回転ツールを示す側面図である。 回転ツールの拡大断面図である。 回転ツールの第一変形例を示す断面図である。 回転ツールの第二変形例を示す断面図である。 回転ツールの第三変形例を示す断面図である。 本発明の第一実施形態に係る接合方法の本体及び蓋部材を示す斜視図である。 本発明の第一実施形態に係る接合方法の突合せ工程を示す断面図である。 本発明の第一実施形態に係る接合方法の保持工程を示す斜視図である。 本発明の第一実施形態に係る接合方法の本接合工程を示す斜視図である。 本発明の第一実施形態に係る接合方法の本接合工程を示す断面図である。 本発明の第一実施形態に係る接合方法の本接合工程を示す断面図である。 本発明の第一実施形態に係る接合方法の本接合工程後を示す斜視図である。 本発明の第一実施形態に係る接合方法の第二接合工程を示す断面図である。 本発明の第二実施形態に係る接合方法を示す斜視図である。 本発明の第三実施形態に係る接合方法を示す斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図等を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、「裏面」の反対側の面を「表面」と言う。
まずは、本実施形態に係る接合方法で用いる回転ツールについて説明する。回転ツールは、摩擦攪拌接合に用いられるツールである。図1に示すように、回転ツールFは、例えば工具鋼で形成されており、基軸部F1と、基端側ピンF2と、先端側ピンF3とで主に構成されている。基軸部F1は、円柱状を呈し、摩擦攪拌装置の主軸に接続される部位である。
基端側ピンF2は、基軸部F1に連続し、先端に向けて先細りになっている。基端側ピンF2は、円錐台形状を呈する。基端側ピンF2のテーパー角度Aは適宜設定すればよいが、例えば、135〜160°になっている。テーパー角度Aが135°未満であるか、又は、160°を超えると摩擦攪拌後の接合表面粗さが大きくなる。テーパー角度Aは、後記する先端側ピンF3のテーパー角度Bよりも大きくなっている。図2に示すように、基端側ピンF2の外周面には、階段状のピン段差部F21が高さ方向の全体に亘って形成されている。ピン段差部F21は、右回り又は左回りで螺旋状に形成されている。つまり、ピン段差部F21は、平面視して螺旋状であり、側面視すると階段状になっている。本第一実施形態では、回転ツールFを右回転させるため、ピン段差部F21は基端側から先端側に向けて左回りに設定している。
なお、回転ツールFを左回転させる場合は、ピン段差部F21を基端側から先端側に向けて右回りに設定することが好ましい。これにより、ピン段差部F21によって塑性流動材が先端側に導かれるため、被接合金属部材の外部に溢れ出る金属を低減することができる。ピン段差部F21は、段差底面F21aと、段差側面F21bとで構成されている。隣り合うピン段差部F21の各頂点F21c,F21cの距離X1(水平方向距離)は、後記する段差角度C及び段差側面F21bの高さY1に応じて適宜設定される。
段差側面F21bの高さY1は適宜設定すればよいが、例えば、0.1〜0.4mmで設定されている。高さY1が0.1mm未満であると接合表面粗さが大きくなる。一方、高さY1が0.4mmを超えると接合表面粗さが大きくなる傾向があるとともに、有効段差部数(被接合金属部材と接触しているピン段差部F21の数)も減少する。
段差底面F21aと段差側面F21bとでなす段差角度Cは適宜設定すればよいが、例えば、85〜120°で設定されている。段差底面F21aは、本実施形態では水平面と平行になっている。段差底面F21aは、ツールの回転軸から外周方向に向かって水平面に対して−5°〜15°内の範囲で傾斜していてもよい(マイナスは水平面に対して下方、プラスは水平面に対して上方)。距離X1、段差側面F21bの高さY1、段差角度C及び水平面に対する段差底面F21aの角度は、摩擦攪拌を行う際に、塑性流動材がピン段差部F21の内部に滞留して付着することなく外部に抜けるとともに、段差底面F21aで塑性流動材を押えて接合表面粗さを小さくすることができるように適宜設定する。
図1に示すように、先端側ピンF3は、基端側ピンF2に連続して形成されている。先端側ピンF3は円錐台形状を呈する。先端側ピンF3の先端は回転軸に対して垂直な平坦面F4になっている。先端側ピンF3のテーパー角度Bは、基端側ピンF2のテーパー角度Aよりも小さくなっている。図2に示すように、先端側ピンF3の外周面には、螺旋溝F31が刻設されている。螺旋溝F31は、右回り、左回りのどちらでもよいが、本第一実施形態では回転ツールFを右回転させるため、基端側から先端側に向けて左回りに刻設されている。
なお、回転ツールFを左回転させる場合は、螺旋溝F31を基端側から先端側に向けて右回りに設定することが好ましい。これにより、螺旋溝F31によって塑性流動材が先端側に導かれるため、被接合金属部材の外部に溢れ出る金属を低減することができる。螺旋溝F31は、螺旋底面F31aと、螺旋側面F31bとで構成されている。隣り合う螺旋溝F31の頂点F31c,F31cの距離(水平方向距離)を長さX2とする。螺旋側面F31bの高さを高さY2とする。螺旋底面F31aと、螺旋側面F31bとで構成される螺旋角度Dは例えば、45〜90°で形成されている。螺旋溝F31は、被接合金属部材と接触することにより摩擦熱を上昇させるとともに、塑性流動材を先端側に導く役割を備えている。また、回転ツールFは、先端にスピンドルユニット等の回転駆動手段を備えたロボットアームに取り付けてもよい。
回転ツールFは、適宜設計変更が可能である。図3は、本発明の回転ツールの第一変形例を示す側面図である。図3に示すように、第一変形例に係る回転ツールFAでは、ピン段差部F21の段差底面F21aと段差側面F21bとのなす段差角度Cが85°になっている。段差底面F21aは、水平面と平行である。このように、段差底面F21aは水平面と平行であるとともに、段差角度Cは、摩擦攪拌中にピン段差部F21内に塑性流動材が滞留して付着することなく外部に抜ける範囲で鋭角としてもよい。
図4は、本発明の回転ツールの第二変形例を示す側面図である。図4に示すように、第二変形例に係る回転ツールFBでは、ピン段差部F21の段差角度Cが115°になっている。段差底面F21aは水平面と平行になっている。このように、段差底面F21aは水平面と平行であるとともに、ピン段差部F21として機能する範囲で段差角度Cが鈍角となってもよい。
図5は、本発明の回転ツールの第三変形例を示す側面図である。図5に示すように、第三変形例に係る回転ツールFCでは、段差底面F21aがツールの回転軸から外周方向に向かって水平面に対して10°上方に傾斜している。段差側面F21bは、鉛直面と平行になっている。このように、摩擦攪拌中に塑性流動材を押さえることができる範囲で、段差底面F21aがツールの回転軸から外周方向に向かって水平面よりも上方に傾斜するように形成されていてもよい。上記の回転ツールの第一〜第三変形例によっても、下記の実施形態と同等の効果を奏することができる。
回転ツールFは、本実施形態では、水平方向及び上下方向に移動可能な摩擦攪拌装置に取り付けられている。なお、回転ツールFは、先端にスピンドルユニット等の回転駆動手段を備えたロボットアームに取り付けてもよい。
[第一実施形態]
図6に示すように、本実施形態に係わる接合方法では、金属製の本体1と、金属製の蓋部材2とを摩擦攪拌接合で接合して中空容器を形成する。
本体1は、上方が開口された箱状体である。本体1は、底部10と、周壁部11と、傾斜台3とで構成されている。本体1は、本実施形態ではアルミニウム合金で形成されているが、摩擦攪拌可能な金属から適宜選択することができる。例えば、本体1は、アルミニウム合金、マグネシウム合金、銅合金、アルミニウム、マグネシウム、チタン等で形成することができる。
底部10は、矩形を呈する板状部材である。周壁部11は、底部10の周縁部から矩形枠状に立ち上がる壁部である。周壁部11の角は直角でもよいが、本実施形態では丸面取り加工が施されている。底部10には、支柱12が立ち上がっている。支柱12の本数は特に制限されないが、本実施形態では2本になっている。支柱12の端面12aは、周壁部11の端面11aと同じ高さになっている。底部10及び周壁部11で凹部13が形成されている。なお、本実施形態の本体1は一体形成されているが、例えば、周壁部11を分割構成としてシール部材で接合して一体化してもよい。
傾斜台3は、周壁部11の側面11cに設けられている。傾斜台3は、傾斜台側面3aと、傾斜台側面3bと、傾斜面3cと、背面3dとで構成される。傾斜台側面3a及び傾斜台側面3bは傾斜台3の側面であり、互いに対向している。傾斜台3は、端面11a側から底部10に向かうにつれて傾斜高さが大きくなるように形成されている。また、傾斜面3cの端部(端面11a側の端部)は周壁部11の外周縁と平行になっている。背面3dは、周壁部11の側面11cから垂直に立ち上がるとともに、傾斜台側面3a及び傾斜台側面3bに対して垂直になっている。傾斜面3cの端部(端面11a側の端部)と端面11aとは接触させてもよいが、本接合工程の際に回転ツールFと接触しないように離間させてもよい(図9参照)。
傾斜面3cは、徐々に上昇する斜面であればよく、平面であっても、曲面であってもよい。なお、本実施形態では、傾斜台3は、回転ツールFを傾斜面3cに沿って上昇させて後述する終了位置Epまで移動させた場合に、本体1に回転ツールFによる引抜き穴及び引抜き痕が残らない程度の厚さ(高さ)を有することが好ましい。すなわち、傾斜台3は、傾斜面3cの端面11a側の端部から底部10側の端部に向かうにつれて厚みが増していくが、少なくとも先端側ピンF3が傾斜台3に挿入される深さよりも厚みを有する部位を持つ形状であることが好ましい。
本体1は、例えばダイキャストで形成するのが好ましい。ダイキャストによれば傾斜台3及び支柱12が設けられた本体1を容易に一体形成することができる。
蓋部材2は、本体1の開口部を封止する平面視矩形の板部材である。蓋部材2の角は直角でもよいが、本実施形態では丸面取り加工が施されている。蓋部材2の材料は、本体1と同じ金属でもよいし、異なる金属であってもよい。また、蓋部材2の材料は、本体1と同種の金属とし、その硬度を変えてもよい。なお、本明細書において硬度はブリネル硬さをいい、JIS Z 2243に準じた方法によって測定することができる。
次に、本実施形態に係る接合方法について説明する。本実施形態に係る接合方法は、準
備工程と、載置工程と、保持工程と、第一本接合工程と、第二本接合工程と、傾斜台除去工程とを行う。
準備工程は、図6に示すように、本体1及び蓋部材2を準備する工程である。本体1及び蓋部材2は、製造方法については特に制限されないが、本体1は、例えば、ダイキャストで成形する。蓋部材2は、例えば押出成形により成形する。
載置工程は、図7に示すように、本体1に蓋部材2を載置する工程である。載置工程によって、周壁部11の端面11aと、蓋部材2の裏面2bとが突き合わされて第一突合せ部J1が形成される。第一突合せ部J1は、蓋部材2の周囲に沿って平面視矩形状に形成される。また、支柱12の端面12aと、蓋部材2の裏面2bとが突き合わされて第二突合せ部J2が形成される。周壁部11の側面11cと、蓋部材2の側面2cとは面一になる。なお、本体1と蓋部材2とは溶接又は摩擦攪拌等により仮接合してもよい。
保持工程は、図8に示すように、一対の保持部22を備える挟持装置(治具)で本体1と蓋部材2とを両外側から押圧して挟持する。本実施形態では、保持部22と底部10との間、保持部22と蓋部材2との間にそれぞれ中間プレート21を介設している。保持部22は円柱状を呈し、その端面が中間プレート21,21にそれぞれ面接触する。中間プレート21を設けることで、保持部22の押圧力を分散させて、本体1及び蓋部材2を確実に保持することができる。なお、中間プレート21は省略してもよい。
挟持装置の保持部22と本体1及び蓋部材2とは同期して回転又は平行移動する。つまり、当該挟持装置は、本体1の底部10及び蓋部材2の表面2aを保持部22,22でそれぞれ押圧し挟持した状態で、本体1及び蓋部材2を周方向に回転させるとともに、上下、左右及び前後方向に直線移動させることができる。
第一本接合工程(接合工程)は、回転ツールFを用いて第一突合せ部J1を摩擦攪拌接合する工程である。第一本接合工程では、本工程と離脱工程とを行う。第一本接合工程では、まず、摩擦攪拌装置に取り付けられた回転ツールFを右回転させる。回転ツールFの位置は、本実施形態では固定されている。つまり、回転ツールFは変位させず、回転ツールFに対して本体1及び蓋部材2側を移動させて摩擦攪拌を行う。
第一本接合工程は、図9に示すように、本体1と蓋部材2とを摩擦攪拌接合する工程である。本実施形態における第一本接合工程は、開始位置Spから一周させて中間点S1までの本工程と、中間点S1から終了位置Epまでの離脱工程とを行う。
本工程では、図10に示すように、回転ツールFの回転中心軸Cと周壁部11の側面11c及び蓋部材2の側面2cとが垂直となるように蓋部材2の側面2c及び周壁部11の側面11cから先端側ピンF3を挿入するとともに、基端側ピンF2の外周面が周壁部11の側面11c及び蓋部材2の側面2cに接触するように設定する。そして、回転ツールFを一定の高さ位置を保った状態で、回転ツールFを第一突合せ部J1に沿って相対移動させて本体1及び蓋部材2の廻りを一周させる。本体1及び蓋部材2の角部においては、保持部22,22を回転させながら回転ツールFを相対移動させる。
回転ツールFの移動軌跡には、塑性化領域W1が形成される。開始位置Spからスタートした回転ツールFが一周して開始位置Spに達したら、塑性化領域W1をオーバーラップさせて、中間点S1まで移動させる。回転ツールFが中間点S1に達したら、回転ツールFを離脱させずにそのまま離脱工程に移行する。
離脱工程は、図11及び図12に示すように、中間点S1から終了位置Epまで回転ツールFを相対移動させて、傾斜台3で離脱させる工程である。離脱工程では、回転ツールFの挿入深さを一定に保ちながら傾斜台3の傾斜面3cに相対移動させる。その後、回転ツールFを周壁部11の側面11cから徐々に離間させながら、傾斜面3cに沿って相対移動させる。回転ツールFが終了位置Epに達したら、回転ツールFを上昇させて、傾斜台3から回転ツールFを離脱させる。
図11及び図12に示すように、回転ツールFは傾斜面3cに沿って上昇させるため、終了位置Epまで回転ツールFを移動させると、先端側ピンF3と側面11cとを離間させることができる。これにより、回転ツールFを離脱させた際に生じる引抜き穴は、本体1には残存せず、傾斜台3のみに残存させることができる。
第二本接合工程は、図13に示すように、回転ツールFを用いて蓋部材2と支柱12とを摩擦攪拌接合する工程である。第二本接合工程では、回転ツールFを蓋部材2の表面2aから垂直に挿入し、第二突合せ部J2に沿って一周以上相対移動させた後、蓋部材2から回転ツールFを離脱させる。第二本接合工程では、先端側ピンF3を本体1及び蓋部材2に接触させ、基端側ピンF2の外周面を蓋部材2の表面2aに接触させた状態で摩擦攪拌を行う。
本実施形態では、先端側ピンF3の先端の平坦面F4が端面12a達するようにしているが、先端側ピンF3と蓋部材2のみとが接触させた状態で摩擦攪拌接合を行ってもよい。この場合は、先端側ピンF3と蓋部材2との摩擦熱によって第二突合せ部J2が塑性流動化して接合される。なお、第二本接合工程は省略してもよい。また、支柱12は省略してもよい。
傾斜台除去工程は、本体1から傾斜台3を除去する工程である。傾斜台除去工程では、例えば、切削加工、研削加工により周壁部11の側面11cを基準として傾斜台3をすべて除去する。
以上説明した、本実施形態に係る接合方法によれば、回転ツールFの終了位置Epを傾斜台3に設定するとともに、当該傾斜台3を除去する。これにより、本体1に引抜き穴及び引抜き痕が残存するのを防ぐことができる。また、これにより本体1には引抜き穴及び引抜き痕が残存しないため、きれいに仕上げることができる。
また、本実施形態の第一本接合工程(本接合工程)によれば、本体1の底部10と蓋部材2の表面2aとを一対の保持部22で保持した状態で本体1及び蓋部材2を回転又は平行移動させるため、本接合工程中に保持部22と回転ツールFとが干渉しない。つまり、本体1と蓋部材2とを位置決め(固定)するための治具が回転ツールFの移動の妨げにならない。これにより、工数を削減することができ、摩擦攪拌接合を容易に行うことができる。
また、本実施形態では、本接合工程において、基端側ピンF2の外周面と周壁部11の側面11c及び蓋部材2の側面2cとを接触させ、塑性流動材を押さえながら摩擦攪拌を行うため、バリの発生を抑制することができる。また、基端側ピンF2の外周面で塑性流動材を押えることができるため、接合表面(周壁部11の側面11c及び蓋部材2の側面2c)に形成される段差凹溝を小さくすることができるとともに、段差凹溝の脇に形成される膨出部を無くすかもしくは小さくすることができる。
また、基端側ピンF2の階段状のピン段差部F21は浅く、かつ、出口が広いため、塑性流動材を段差底面F21aで押えつつ塑性流動材がピン段差部F21の外部に抜けやすくなっている。そのため、基端側ピンF2で塑性流動材を押えても基端側ピンF2の外周面に塑性流動材が付着し難い。よって、接合表面粗さを小さくすることができるとともに、接合品質を好適に安定させることができる。
また、第二本接合工程を行うことで、接合強度を高めることができる。第二本接合工程において、先端側ピンF3を支柱12に接触させれば、第二突合せ部J2をより確実に接合することができる。
なお、第一本接合工程は、第二本接合工程の後に行ってもよい。また、除去工程は、第一本接合工程と第二本接合工程の間に行ってもよい。また、本実施形態の第一本接合工程では、回転ツールFの位置を変異させないように設定したが、回転ツールFと本体1及び蓋部材2(挟持装置)とを両者とも移動させて摩擦攪拌接合を行ってもよい。例えば、回転ツールFをロボットアームに取り付けた場合は、当該ロボットアームと本体1及び蓋部材2(挟持装置)とを両者とも移動させて摩擦攪拌接合を行ってもよい。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態に係る接合方法について説明する。本実施形態では、傾斜台が蓋部材2に形成されている点で第一実施形態と相違する。本実施形態では、第一実施形態と相違する部分について説明する。
図14に示すように、本実施形態では、傾斜台3Bが蓋部材2の側面2c上に突出して形成されている。傾斜台3Bは、傾斜台側面3aと、傾斜台側面3bと、傾斜面3cと、背面3dとで構成される。傾斜台側面3a及び傾斜台側面3bは傾斜台3Bの側面であり、互いに対向している。傾斜台3Bは、裏面2b側から表面2aに向かうにつれて傾斜高さが大きくなるように形成されている。傾斜面3cの傾斜方向は、第一突合せ部J1に対して垂直に形成されている。傾斜面3cの端部(第一突合せ部J1側の端部)と蓋部材2の裏面2bとは、本接合工程の際に回転ツールFと接触しないように離間させてもよい。
本実施形態では、蓋部材2は、例えばダイキャストで形成するのが好ましい。また、蓋部材2の傾斜台3Bは、第一実施形態の傾斜台3と同様に、例えば、ダイキャストで形成することができる。これにより、傾斜台3Bと蓋部材2とを容易に一体形成することができる。
第一本接合工程(本接合工程)については、傾斜台3Bで離脱させることを除いては、第一実施形態と同様である。また、その他の工程についても、第一実施形態と同じであるため、詳細な説明は省略する。このように、第二実施形態に係る接合方法であっても、第一実施形態と概ね同等の効果を奏することができる。
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態に係る接合方法について説明する。本実施形態では、傾斜台が形成される方向が第一実施形態と相違する。本実施形態では、第一実施形態と相違する部分について説明する。
本実施形態では、図15に示すように、傾斜台3Cの傾斜方向は、第一突合せ部J1に対して平行に形成されている。
傾斜台3Cは、周壁部11の側面11cに設けられている。傾斜台3Cは、傾斜台側面3aと、傾斜台側面3bと、傾斜面3cと、背面3dと、アプローチ部3eとで構成される。傾斜台側面3a及び傾斜台側面3bは傾斜台3Cの側面であり、互いに対向している。傾斜台側面3bは、周壁部11の端面11aから離間した位置に形成されている。傾斜台側面3bから、周壁部11の端面11aまでの距離は、本接合工程を行う際に、回転ツールFと傾斜台3Cとが干渉しないように設定することが好ましい。
傾斜面3cは、徐々に上昇する斜面であればよく、平面であっても、曲面であってもよい。アプローチ部3eは、第一突合せ部J1側の端部が周壁部11の端面11aと接するとともに背面3d側の端部が傾斜面3cに接し、90°方向を変えながら緩やかに湾曲して傾斜している。アプローチ部3eの第一突合せ部J1側の端部と周壁部11の端面11aとは、本接合工程の際に回転ツールFと接触しないように離間させてもよい。
本接合工程については、傾斜台3Cで離脱させることを除いては、第一実施形態と同様である。また、その他の工程についても、第一実施形態と同じであるため、詳細な説明は省略する。
以上説明した接合方法であっても、第一実施形態と略同等の効果を奏することができる。また、傾斜台3にアプローチ部3eを設けることにより、第一突合せ部J1から傾斜台3Cへ回転ツールFの移動速度を落とすことなくスムーズに移動させることができる。なお、本実施形態の傾斜台3Cは、周壁部11の側面11cに形成されているが、第二実施形態と同様に蓋部材2の側面2cに形成してもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、適宜設計変更が可能である。例えば、上記実施形態では、傾斜台を本体と一体形成する場合を例示したが、本体を形成した後に本体に傾斜台を後付けすることで、傾斜台を有する本体を準備するようにしてもよい。例えば、別に形成した傾斜台を本体に配置することで、本体に傾斜台を設けることができる。このとき、本体に配置した傾斜台を溶接により仮付けすることが好ましい。同様に、傾斜台を蓋部材の側面上に突出して形成する場合、蓋部材を形成した後に傾斜台を後付けすることで、傾斜台を有する蓋部材を準備するようにしてもよい。このとき、蓋部材に配置した傾斜台を溶接により仮付けすることが好ましい。
1 本体
2 蓋部材
10 底部
11 周壁部
22 保持部
F 回転ツール
F2 基端側ピン
F3 先端側ピン
J1 第一突合せ部(突合せ部)
J2 第二突合せ部
SP 開始位置
EP 終了位置
W1 塑性化領域

Claims (3)

  1. 凹部を備える本体と、前記凹部の開口部を封止する蓋部材とを摩擦攪拌で接合する接合方法であって、
    摩擦攪拌で用いる回転ツールは、基端側ピンと、先端側ピンとを備え、前記基端側ピンのテーパー角度は、前記先端側ピンのテーパー角度よりも大きく、前記基端側ピンの外周面には階段状の段差部が形成されており、
    底部と前記底部の周縁部から立ち上がる周壁部とを有し、前記周壁部の端面に近接するとともに前記周壁部の側面から突出する傾斜台を有する前記本体を準備する準備工程と、
    前記本体に前記蓋部材を載置することにより、前記周壁部の端面と前記蓋部材の裏面とを突合せて突合せ部を形成する載置工程と、
    回転する前記先端側ピンを前記蓋部材の側面及び前記周壁部の側面から前記突合せ部に挿入し、前記先端側ピン及び前記基端側ピンを前記周壁部及び前記蓋部材に接触させた状態で前記突合せ部に沿って前記回転ツールを移動させて摩擦攪拌を行った後、前記傾斜台の傾斜面に沿って昇るように移動させて前記傾斜面の上側で前記先端側ピンを引抜く本接合工程と、
    前記本接合工程の後に、前記傾斜台を除去する傾斜台除去工程と、を含むことを特徴とする接合方法。
  2. 凹部を備える本体と、前記凹部の開口部を封止する蓋部材とを摩擦攪拌で接合する接合方法であって、
    摩擦攪拌で用いる回転ツールは、基端側ピンと、先端側ピンとを備え、前記基端側ピンのテーパー角度は、前記先端側ピンのテーパー角度よりも大きく、前記基端側ピンの外周面には階段状の段差部が形成されており、
    底部及び前記底部の周縁部から立ち上がる周壁部を有する前記本体と、前記蓋部材の裏面に近接するとともに前記蓋部材の側面から突出する傾斜台を有する前記蓋部材とを準備する準備工程と、
    前記本体に前記蓋部材を載置することにより、前記周壁部の端面と前記蓋部材の裏面とを突合せて突合せ部を形成する載置工程と、
    回転する前記先端側ピンを前記蓋部材の側面及び前記周壁部の側面から前記突合せ部に挿入し、前記先端側ピン及び前記基端側ピンを前記周壁部及び前記蓋部材に接触させた状態で前記突合せ部に沿って前記回転ツールを移動させて摩擦攪拌を行った後、前記傾斜台の傾斜面に沿って昇るように移動させて前記傾斜面の上側で前記先端側ピンを引抜く本接合工程と、
    前記本接合工程の後に、前記傾斜台を除去する傾斜台除去工程と、を含むことを特徴とする接合方法。
  3. 前記本接合工程では、前記本体の前記底部と前記蓋部材の表面とを両外側から一対の保持部で押圧して保持しつつ、前記保持部を用いて前記本体及び前記蓋部材を回転又は平行移動させて前記本体と前記蓋部材とを摩擦攪拌することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の接合方法。
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