JP6365752B2 - 伝熱板の製造方法及び伝熱板 - Google Patents

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Description

本発明は、伝熱板の製造方法及び伝熱板に関する。
例えば、特許文献1には、ベース部材と蓋板と熱媒体用管とで構成された伝熱板が開示されている。ベース部材は、蓋板が配置される蓋溝と、当該蓋溝の底面に形成されるとともに熱媒体用管が配置される凹溝とを有している。
従来の伝熱板の製造方法では、ベース部材の凹溝に熱媒体用管を配置する熱媒体用管配置工程と、蓋溝に蓋板を配置する蓋板配置工程と、蓋溝の側壁と蓋板の側面とを摩擦攪拌する接合工程とを行っていた。
特開2008−284606号公報
従来の伝熱板の製造方法では、ベース部材に蓋溝を形成するとともに当該蓋溝に蓋板を配置する工程を行わなければならず作業手間が増えるという問題があった。また、ベース部材の他に蓋板を用意しなければならないため、製造コストが増加するという問題があった。
そこで、本発明は、作業手間を少なくすることができるとともに、製造コストを低減することができる伝熱板の製造方法及び伝熱板を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は、ベース部材の表面側に開口する凹溝に熱媒体用管を挿入する挿入工程と、前記凹溝の両側壁に対して回転ツールをそれぞれ相対移動させて摩擦攪拌を行う摩擦攪拌工程と、を含み、前記摩擦攪拌工程では、前記熱媒体用管の上端に接する仮想水平面よりも深い位置に前記回転ツールの先端を挿入するとともに、前記熱媒体用管と前記凹溝とで形成される空間部に、摩擦熱によって流動化された塑性流動材を流入させることを特徴とする。
また、本発明は、ベース部材の表面側に開口する凹溝に熱媒体用管を挿入する挿入工程と、前記凹溝の両側壁に対して回転ツールをそれぞれ相対移動させて摩擦攪拌を行う摩擦攪拌工程と、を含み、前記摩擦攪拌工程では、前記熱媒体用管の側端に接する仮想鉛直面から前記回転ツールの先端までの距離を0〜3mmに設定するとともに、前記熱媒体用管と前記凹溝とで形成される空間部に、摩擦熱によって流動化された塑性流動材を流入させることを特徴とする。
かかる製造方法によれば、空間部に塑性流動材を流入させることで熱媒体用管の上方を覆うことができる。つまり、蓋板を設ける必要がないため、従来のようにベース部材に蓋溝を形成する手間や蓋溝に蓋板を配置する手間を省くことができる。また、蓋板を設けない分、材料コストを削減することができる。また、空間部に塑性流動材を確実に流入させることができるとともに、熱媒体用管の上方を確実に覆うことができる。
また、本発明は、ベース部材の表面側に開口する凹溝に熱媒体用管を挿入する挿入工程と、前記凹溝の両側壁に対して回転ツールをそれぞれ相対移動させて摩擦攪拌を行う摩擦攪拌工程と、を含み、前記摩擦攪拌工程では、前記回転ツールを右回転に設定する場合、前記回転ツールの進行方向左側の前記側壁に摩擦攪拌を行い、前記回転ツールを左回転に設定する場合、前記回転ツールの進行方向右側の前記側壁に摩擦攪拌を行うとともに、前記熱媒体用管と前記凹溝とで形成される空間部に、摩擦熱によって流動化された塑性流動材を流入させることを特徴とする。
かかる製造方法によれば、空間部に塑性流動材を流入させることで熱媒体用管の上方を覆うことができる。つまり、蓋板を設ける必要がないため、従来のようにベース部材に蓋溝を形成する手間や蓋溝に蓋板を配置する手間を省くことができる。また、蓋板を設けない分、材料コストを削減することができる。また、空間部に塑性流動材が流れやすくなるため、空間部に塑性流動材をより確実に流入させることができる。
また、前記凹溝の開口近傍に予め凸部を設けておくことが好ましい。
かかる製造方法によれば、前記空間部に流入する塑性流動材が不足するのを防ぐことができる。
また、ベース部材の表面側に開口する凹溝に熱媒体用管を挿入する挿入工程と、前記凹溝の両側壁に対して回転ツールをそれぞれ相対移動させて摩擦攪拌を行う摩擦攪拌工程と、前記摩擦攪拌工程後に、前記凹溝よりも前記ベース部材の表面側において、前記凹溝よりも幅広に形成された蓋溝に蓋板を配置する蓋板配置工程と、前記蓋溝の側壁と前記蓋板の側面との突合せ部に沿って回転ツールを移動させて摩擦攪拌を行う蓋板接合工程と、を含み、前記摩擦攪拌工程では、前記熱媒体用管と前記凹溝とで形成される空間部に、摩擦熱によって流動化された塑性流動材を流入させることを特徴とする。
かかる製造方法によれば、空間部に塑性流動材を流入させることで熱媒体用管の上方を覆うことができる。つまり、蓋板を設ける必要がないため、従来のようにベース部材に蓋溝を形成する手間や蓋溝に蓋板を配置する手間を省くことができる。また、蓋板を設けない分、材料コストを削減することができる。また、蓋溝及び蓋板を設けることで熱媒体用管をベース部材の深い位置に設けることができる。
また、本発明は、凹溝を有するベース部材と、前記凹溝に挿入された熱媒体用管と、を有し、前記凹溝の両側壁に対して、それぞれ摩擦攪拌を行うことにより、前記熱媒体用管と前記凹溝とで形成される空間部に摩擦熱によって流動化された塑性流動材が流入され、前記塑性流動材のみが前記熱媒体用管と接触しており、前記ベース部材は、前記凹溝よりも前記ベース部材の表面側において、前記凹溝よりも幅広に形成された蓋溝をさらに備え、前記蓋溝に配置される蓋板を有し、前記蓋溝の側壁と前記蓋板の側面との突合せ部に沿って摩擦攪拌が施されていることを特徴とする。
かかる構成によれば、空間部に塑性流動材を流入させることで熱媒体用管の上方を覆うことができる。つまり、蓋板を設ける必要がないため、従来のようにベース部材に蓋溝を形成する手間や蓋溝に蓋板を配置する手間を省くことができる。また、蓋板を設けない分、材料コストを削減することができる。また、蓋溝及び蓋板を設けることで熱媒体用管をベース部材の深い位置に設けることができる。
本発明に係る伝熱板の製造方法及び伝熱板によれば、作業手間を少なくすることができるとともに、製造コストを低減することができる。
本発明の第一実施形態に係る伝熱板の斜視図である。 図1のI−I断面図である。 第一実施形態の挿入工程を示す断面図であって、(a)は挿入前を示し、(b)は挿入後を示す。 (a)は第一実施形態の第一摩擦攪拌工程を示す平面図であり、(b)は(a)のII−II断面図である。 (a)は第一実施形態の第二摩擦攪拌工程を示す平面図であり、(b)は(a)のIII−III断面図である。 第一実施形態の変形例を示す図であって、(a)は挿入工程を示し、(b)は第一摩擦攪拌工程を示す。 本発明の第二実施形態に係る伝熱板の斜視図である。 図7のIV−IV断面図である。 (a)は第二実施形態の挿入工程を示す断面図であり、(b)は第二摩擦攪拌工程を示す断面図である。 第二実施形態の蓋板接合工程を示す断面図である。
[第一実施形態]
本発明の第一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1に示すように、第一実施形態に係る伝熱板1は、ベース部材2と、熱媒体用管3とで構成されている。伝熱板1は、熱媒体用管3に熱媒体を流通させることでコールドプレート又はホットプレート等として用いられる。なお、以下の説明における伝熱板1の「上下」、「左右」、「前後」については図1の矢印に従う。
ベース部材2は、金属製の板状部材である。ベース部材2の材料は、摩擦攪拌可能な金属であれば特に制限されないが、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、チタン、チタン合金、 マグネシウム、マグネシウム合金等から適宜選択すればよい。ベース部材2の中央には、側面2cから側面2dに連通する凹溝10が形成されている。
凹溝10の幅は、熱媒体用管3の外径と略同等になっている。また、凹溝10の深さは、熱媒体用管3の外径よりも大きくなっている。
熱媒体用管3は、金属製の管状部材である。熱媒体用管3の材料は、伝熱性の高い金属であれば特に制限されないが、本実施形態では銅製になっている。熱媒体用管3は本実施形態では円筒状になっているが、角筒状であってもよい。
図2に示すように、熱媒体用管3の上方は、左側塑性化領域W1と、右側塑性化領域W2とで覆われている。左側塑性化領域W1及び右側塑性化領域W2は、ベース部材2において熱媒体用管3の延長方向に沿って形成されている。
左側塑性化領域W1は、ベース部材2において凹溝10の左側に形成される基端部W1aと、基端部W1aに連続し熱媒体用管3の左側上方を覆う先端部W1bとで構成されている。右側塑性化領域W2は、ベース部材2において凹溝10の右側に形成される基端部W2aと、基端部W2aに連続し熱媒体用管3の右側上方を覆う先端部W2bとで構成されている。
次に、伝熱板の製造方法について説明する。本実施形態に係る伝熱板の製造方法では、準備工程と、挿入工程と、第一摩擦攪拌工程と、第二摩擦攪拌工程とを行う。
準備工程は、ベース部材2に凹溝10を形成する工程である。図3の(a)に示すように、準備工程では、例えばエンドミル等を用いて表面2aを切削して凹溝10を形成する。凹溝10は、曲面で構成された底部10aと、底部10aに連続し左側の壁を構成する第一側壁10bと、底部10aに連続し右側の壁を構成する第二側壁10cとで構成されている。
底部10aの曲率半径は、熱媒体用管3の曲率半径と同等になっている。凹溝10の幅は、熱媒体用管3の外径と略同等になっている。なお、ベース部材2は、本実施形態では切削加工で形成したが、ダイキャストにより凹溝10が形成されたベース部材2を用いてもよい。
挿入工程は、ベース部材2の凹溝10に熱媒体用管3を挿入する工程である。図3の(b)に示すように、凹溝10に熱媒体用管3を挿入すると、底部10aに熱媒体用管3の外周面が面接触する。また、凹溝10に熱媒体用管3を挿入すると、熱媒体用管3の外周面と凹溝10(第一側壁10b及び第二側壁10c)とで空間部Xが形成される。
第一摩擦攪拌工程は、ベース部材2のうち凹溝10の左側を摩擦攪拌する工程である。図4の(a)及び(b)に示すように、第一摩擦攪拌工程では、回転ツールGを用いる。回転ツールGは、ショルダ部G1と、攪拌ピンG2とで構成されている。ショルダ部G1は、円柱状を呈する。攪拌ピンG2は、ショルダ部G1の下端面から垂下している。攪拌ピンG2は先細りになっており、円錐台形状を呈する。攪拌ピンG2の外周面には、螺旋溝が形成されている。
第一摩擦攪拌工程では、図4の(a)に示すように、ベース部材2の表面2a上において側面2cの近傍であり、かつ、凹溝10の左側近傍に開始位置Spを設定する。右回転させた回転ツールGを開始位置Spに挿入したら、第一側壁10bと実質的に平行に、第一側壁10bに沿って回転ツールGを相対移動させる。
図4の(b)に示すように、第一摩擦攪拌工程では、平面視して熱媒体用管3が露出した状態(蓋板が配置されない状態)で、凹溝10の第一側壁10bに対して摩擦攪拌を行う。第一摩擦攪拌工程では、回転する回転ツールGとベース部材2との摩擦熱によって凹溝10の左側のベース部材2が塑性流動化し、硬化することで基端部W1aが形成される。また、摩擦熱によって流動化した塑性流動材が空間部Xに流入することにより先端部W1bが形成される。より詳しくは、先端部W1bは、第一側壁10bと熱媒体用管3の外周面とで構成される空間に塑性流動材が流入した後、硬化することで形成される。回転ツールGをベース部材2の側面2dの近傍に設定した終了位置(図示省略)まで相対移動させたらベース部材2から回転ツールGを離脱させる。
第二摩擦攪拌工程は、ベース部材2のうち凹溝10の右側を摩擦攪拌する工程である。図5の(a)及び(b)に示すように、第二摩擦攪拌工程では、回転ツールGを用いる。第二摩擦攪拌工程では、ベース部材2の表面2a上において側面2dの近傍であり、かつ、凹溝10の右側近傍に開始位置(図示省略)を設定する。右回転させた回転ツールGを開始位置に挿入したら、第二側壁10cと実質的に平行に、第二側壁10cに沿って回転ツールGを相対移動させる。
図5の(b)に示すように、第二摩擦攪拌工程では、平面視して熱媒体用管3が露出した状態(蓋板が配置されない状態)で、凹溝10の第二側壁10cに対して摩擦攪拌を行う。第二摩擦攪拌工程では、回転する回転ツールGとベース部材2との摩擦熱によって凹溝10の右側のベース部材2が塑性流動化し、硬化することで基端部W2aが形成される。また、摩擦熱によって流動化した塑性流動材が空間部Xに流入することにより先端部W2bが形成される。より詳しくは、先端部W2bは、第二側壁10cと熱媒体用管3の外周面とで構成される空間に塑性流動材が流入した後、硬化することで形成される。回転ツールGをベース部材2の側面2cの近傍に設定した終了位置Epまで相対移動させたらベース部材2から回転ツールGを離脱させる。
図4の(b)を参照するように、本実施形態では第一摩擦攪拌工程及び第二摩擦攪拌工程とも、ショルダ部G1の下端面をベース部材2の表面2aよりも数ミリ程度押し込んで摩擦攪拌を行っている。また、本実施形態の回転ツールG(攪拌ピンG2)の挿入深さは、熱媒体用管3の上端に接する仮想水平面P1よりも深い位置に設定している。
また、図4の(b)を参照するように、本実施形態では第一摩擦攪拌工程及び第二摩擦攪拌工程とも、攪拌ピンG2の先端から熱媒体用管3の側端に接する仮想鉛直面P2までの距離Lを0〜3mmに設定している。
本実施形態では、前記したように回転ツールGの挿入深さや挿入位置(回転ツールGから熱媒体用管3までの距離L)を設定したが、これに限定されるものではない。第一摩擦攪拌工程及び第二摩擦攪拌工程における回転ツールGの挿入深さや挿入位置は、少なくとも摩擦熱によって塑性流動化した塑性流動材が空間部Xに流入するように適宜設定すればよい。
また、第一摩擦攪拌工程及び第二摩擦攪拌工程では、回転ツールGの挿入深さ及び挿入位置を、左側塑性化領域W1及び右側塑性化領域W2で熱媒体用管3の上方がバランスよく覆われるように設定することが好ましい。これにより、熱媒体用管3の両側の熱伝導性を均一にすることができる。また、第一摩擦攪拌工程及び第二摩擦攪拌工程では、回転ツールGの挿入深さ及び挿入位置を、先端部W1b,W2bが接触するように設定することが好ましい。これにより、伝熱板1の表面に隙間が発生するのを防ぐことができる。
なお、終了位置で回転ツールGを引き抜くことによりベース部材2の表面2aに攪拌ピンG2の抜き穴が形成されるが、例えば肉盛溶接を行うことで当該抜き穴を補修してもよい。また、第一摩擦攪拌工程及び第二摩擦攪拌工程が終了したら摩擦攪拌で発生したバリを切除してもよい。
以上説明した本実施形態に係る伝熱板の製造方法によれば、空間部Xに塑性流動材を流入させて左側塑性化領域W1及び右側塑性化領域W2を設けることで熱媒体用管3の上方を覆うことができる。言い換えると、熱媒体用管3は、蓋板で覆われることなく、凹溝10及び先端部W1b,W2bのみで覆われる。つまり、本実施形態に係る伝熱板の製造法方法では、蓋板を設ける必要がないため、従来のようにベース部材2に蓋溝を形成する手間や蓋溝に蓋板を配置する手間を省くことができる。また、蓋板を設けない分、材料コストを削減することができる。
また、第一摩擦攪拌工程及び第二摩擦攪拌工程では、熱媒体用管3の上端に接する仮想水平面P1よりも深い位置に回転ツールG(攪拌ピンG2)の先端を挿入することで、空間部Xに塑性流動材を確実に流入させることができる。
また、第一摩擦攪拌工程及び第二摩擦攪拌工程では、熱媒体用管3の側端に接する仮想鉛直面P2から回転ツールG(攪拌ピンG2)の先端までの距離を0〜3mmに設定することで、空間部Xに塑性流動材を確実に流入させることができる。
また、回転ツールGの回転方向及び進行方向は適宜設定すればよいが、本実施形態のように、回転ツールGを右回転させる場合は、回転ツールGの進行方向左側に位置する側壁に摩擦攪拌を行うことが好ましい。これにより、塑性流動材がベース部材2側から空間部Xに流れやすくなるため、空間部Xに塑性流動材をより確実に流入させることができる。
なお、回転ツールGを左回転させる場合は、回転ツールGの進行方向右側に位置する側壁に摩擦攪拌を行うことが好ましい。
以上本発明の第一実施形態について説明したが、本発明の趣旨に反しない範囲において適宜設計変更が可能である。図6は、第一実施形態の変形例を示す図であって、(a)は挿入工程を示し、(b)は第一摩擦攪拌工程を示す。
図6の(a)に示すように、変形例では、ベース部材2の表面2a上であり、かつ、凹溝10の両脇に凸部20を設ける。凸部20は、凹溝10の延長方向に亘って断面矩形状で形成されている。凸部20は、凹溝10の近傍であれば凹溝10から離間していてもよい。また、凸部20の形状については特に限定されるものではない。
図6の(b)に示すように、第一摩擦攪拌工程では、凸部20の上から回転ツールGを挿入しつつ、第一実施形態の第一摩擦攪拌工程と同じ要領で摩擦攪拌を行う。具体的な図示は省略するが第二摩擦攪拌工程も、当該変形例の第一摩擦攪拌工程と同じ要領で摩擦攪拌を行う。
以上説明した変形例によれば、凸部20を設けることで摩擦熱によって塑性流動化される金属量を増やすことができる。これにより、塑性流動材が不足するのを防ぐことができるとともに、空間部Xにより確実に塑性流動材を流入させることができる。
[第二実施形態]
次に、本発発明の第二実施形態について説明する。第二実施形態に係る伝熱板1Aは、第一実施形態よりも深い位置に熱媒体用管3を埋設できる点で第一実施形態と相違する。第二実施形態では、第一実施形態と相違する部分を中心に説明する。
図7に示すように、伝熱板1Aは、ベース部材2Aと、熱媒体用管3と、蓋板4とで構成されている。ベース部材2Aには、蓋溝30と、蓋溝30の底面30aに形成された凹溝10とが形成されている。凹溝10には熱媒体用管3が配設され、蓋溝30には蓋板4が配設されている。
図8に示すように、熱媒体用管3の上方は、左側塑性化領域W1と右側塑性化領域W2とで覆われている。左側塑性化領域W1及び右側塑性化領域W2は、ベース部材2Aにおいて熱媒体用管3の延長方向に沿って形成されている。
左側塑性化領域W1は、ベース部材2において凹溝10の左側に形成される基端部W1aと、基端部W1aに連続し熱媒体用管3の左側上方を覆う先端部W1bとで構成されている。右側塑性化領域W2は、ベース部材2において凹溝10の右側に形成される基端部W2aと、基端部W2aに連続し熱媒体用管3の右側上方を覆う先端部W2bとで構成されている。
蓋板4の側面と蓋溝30の側壁との突合せ部J3,J4は、摩擦攪拌によって接合されている。突合せ部J3,J4には塑性化領域W3,W4がそれぞれ形成されている。
次に、第二実施形態に係る伝熱板の製造方法について説明する。本実施形態に係る伝熱板の製造方法では、準備工程と、挿入工程と、第一摩擦攪拌工程と、第二摩擦攪拌工程と、蓋板配置工程と、蓋板接合工程とを行う。
準備工程は、ベース部材2に図9の(a)に示すように、ベース部材2Aに蓋溝30と、凹溝10とを形成する工程である。準備工程では、例えばエンドミル等を用いて表面2aを切削して蓋溝30を形成するとともに、蓋溝30に凹溝10を形成する。蓋溝30は、底面30aと、底面30aから立ち上がる側壁30b,30cとで構成されている。蓋溝30は断面矩形状に形成する。蓋溝30の幅は、蓋板4の幅と略同等になっている。また、蓋溝30の深さは、蓋板4の高さと略同等になっている。
凹溝10は、蓋溝30の底面30aに形成する。凹溝10の幅は、蓋溝30の幅よりも小さくなっている。凹溝10は、曲面で構成された底部10aと、底部10aに連続し左側の壁を構成する第一側壁10bと、底部10aに連続し右側の壁を構成する第二側壁10cとで構成されている。
蓋板4は、断面矩形状を呈する板状部材である。蓋板4の材料は特に制限されないが、本実施形態ではベース部材2Aと同等の材料を用いている。蓋板4は蓋溝30に隙間なく配置される形状で形成されている。
挿入工程、第一摩擦攪拌工程及び第二摩擦攪拌工程は、第一実施形態と同等であるため説明を省略する。第二摩擦攪拌工程を行ったら、底面30aと左側塑性化領域W1の表面及び右側塑性化領域W2の表面とが面一になるように表面切削工程を行う。
蓋板配置工程は、蓋溝30に蓋板4を配置する工程である。蓋溝30に蓋板4を配置すると蓋板4の側面4cと蓋溝30の側壁30bとが突き合わされて突合せ部J3が形成される(図10参照)。また、蓋板4の側面4dと蓋溝30の側壁30cとが突き合わされて突合せ部J4が形成される(図10参照)。表面切削工程を行っているため、蓋板4の下面4bは、表面切削工程後の底面30a、左側塑性化領域W1の表面及び右側塑性化領域W2の表面と面接触する。
蓋板接合工程は、ベース部材2Aと蓋板4とを摩擦攪拌で接合する工程である。図10に示すように、蓋板接合工程では、突合せ部J3,J4に沿って回転する回転ツールGを相対移動させて摩擦攪拌接合を行う。回転ツールGの移動軌跡にはそれぞれ塑性化領域W3,W4が形成される。回転ツールGの挿入深さは適宜設定すればよいが、本実施形態のように突合せ部J3,J4の深さ方向の全体が摩擦攪拌されるように設定することが好ましい。
以上説明した第二実施形態に係る伝熱板1Aであっても、第一実施形態と略同等の効果を奏することができる。また、蓋板4及び蓋溝30を設けることで熱媒体用管3を第一実施形態よりも深い位置に設けることができる。また、第二摩擦攪拌工程後に表面切削工程を行うことで蓋板4の下面4bと、蓋溝30の底面30a、左側塑性化領域W1の表面及び右側塑性化領域W2の表面とを面接触させることができる。これにより、水密性及び気密性を高めることができる。
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明の趣旨に反しない範囲において適宜設計変更が可能である。例えば、第一摩擦攪拌工程、第二摩擦攪拌工程及び蓋板接合工程では、タブ材を用いて行ってもよい。タブ材を用いることで摩擦攪拌の開始位置及び終了位置を容易に設定することができる。また、摩擦攪拌後にタブ材を切除することで伝熱板の側面1c,1dをきれいに仕上げることができる。
1 伝熱板
2 ベース部材
2A ベース部材
3 熱媒体用管
4 蓋板
10 凹溝
10a 底面
10b 第一側壁(側壁)
10c 第二側壁(側壁)
20 凸部
30 蓋溝
G 回転ツール
W1,W2 塑性化領域

Claims (6)

  1. ベース部材の表面側に開口する凹溝に熱媒体用管を挿入する挿入工程と、
    前記凹溝の両側壁に対して回転ツールをそれぞれ相対移動させて摩擦攪拌を行う摩擦攪拌工程と、を含み、
    前記摩擦攪拌工程では、前記熱媒体用管の上端に接する仮想水平面よりも深い位置に前記回転ツールの先端を挿入するとともに、
    前記熱媒体用管と前記凹溝とで形成される空間部に、摩擦熱によって流動化された塑性流動材を流入させることを特徴とする伝熱板の製造方法。
  2. ベース部材の表面側に開口する凹溝に熱媒体用管を挿入する挿入工程と、
    前記凹溝の両側壁に対して回転ツールをそれぞれ相対移動させて摩擦攪拌を行う摩擦攪拌工程と、を含み、
    前記摩擦攪拌工程では、前記熱媒体用管の側端に接する仮想鉛直面から前記回転ツールの先端までの距離を0〜3mmに設定するとともに、
    前記熱媒体用管と前記凹溝とで形成される空間部に、摩擦熱によって流動化された塑性流動材を流入させることを特徴とする伝熱板の製造方法。
  3. ベース部材の表面側に開口する凹溝に熱媒体用管を挿入する挿入工程と、
    前記凹溝の両側壁に対して回転ツールをそれぞれ相対移動させて摩擦攪拌を行う摩擦攪拌工程と、を含み、
    前記摩擦攪拌工程では、
    前記回転ツールを右回転に設定する場合、
    前記回転ツールの進行方向左側の前記側壁に摩擦攪拌を行い、
    前記回転ツールを左回転に設定する場合、
    前記回転ツールの進行方向右側の前記側壁に摩擦攪拌を行うとともに、
    前記熱媒体用管と前記凹溝とで形成される空間部に、摩擦熱によって流動化された塑性流動材を流入させることを特徴とする伝熱板の製造方法。
  4. 前記凹溝の開口近傍に予め凸部を設けておくことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の伝熱板の製造方法。
  5. ベース部材の表面側に開口する凹溝に熱媒体用管を挿入する挿入工程と、
    前記凹溝の両側壁に対して回転ツールをそれぞれ相対移動させて摩擦攪拌を行う摩擦攪拌工程と、
    前記摩擦攪拌工程後に、
    前記凹溝よりも前記ベース部材の表面側において、前記凹溝よりも幅広に形成された蓋溝に蓋板を配置する蓋板配置工程と、
    前記蓋溝の側壁と前記蓋板の側面との突合せ部に沿って回転ツールを移動させて摩擦攪拌を行う蓋板接合工程と、を含み、
    前記摩擦攪拌工程では、前記熱媒体用管と前記凹溝とで形成される空間部に、摩擦熱によって流動化された塑性流動材を流入させることを特徴とする伝熱板の製造方法。
  6. 凹溝を有するベース部材と、
    前記凹溝に挿入された熱媒体用管と、を有し、
    前記凹溝の両側壁に対して、それぞれ摩擦攪拌を行うことにより、前記熱媒体用管と前記凹溝とで形成される空間部に摩擦熱によって流動化された塑性流動材が流入され、前記塑性流動材のみが前記熱媒体用管と接触しており、
    前記ベース部材は、前記凹溝よりも前記ベース部材の表面側において、前記凹溝よりも幅広に形成された蓋溝をさらに備え、
    前記蓋溝に配置される蓋板を有し、
    前記蓋溝の側壁と前記蓋板の側面との突合せ部に沿って摩擦攪拌が施されていることを特徴とする伝熱板。
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