JP5417200B2 - 石英発光管及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、石英発光管及びその製造方法に関する。
従来、石英発光管の製造方法としては、移動可能なチャックに固定した石英管の一端を封止し、バーナーで加熱したあと、チャックを移動させて石英管に肉溜まり部を設け、加熱部分を金型で覆って開放端側から空気を送り、肉溜まり部をふくらませて中央部分がふくらんだ形状の中空部を形成するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、石英発光管の製造方法としては、石英管の一端を封止しガスバーナーで石英管を加熱したのち、加熱部分を金型で覆い、開放端側からHeを含むガスを石英管内に送り込むことにより、ふくらんだ形状の中空部を形成すると共に、失透を加速する水分やOH基などを取り除くものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平3−147230号公報 特開平10−83761号公報
しかしながら、この特許文献1,2に記載された石英発光管の製造方法では、石英管を加熱・溶融させた部分をふくらませて中空部を形成させるため、中空部以外の部分も変形してしまったり、中空部の肉厚が一様になりにくい、内容積が安定しない、寸法がばらつく、といったことから光学特性、ランプ特性にばらつきを生じ、ランプ特性に悪影響を与えたり、また、形状を自由に成形することができないなどの問題があった。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、形状自由度があり、より高い寸法精度を有する石英発光管及びその製造方法を提供することを主目的とする。
本発明は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
即ち、本発明の石英発光管は、
石英粉体を成形した石英粉体成形体が焼成され中空部が形成されている形状部と、
焼成により形成され、2以上の前記形状部が接合されている1以上の接合部と、
を有するものである。
この石英発光管では、石英粉体成形体を焼成して形成された2以上の形状部が、焼成により形成された1以上の接合部により接合している。このように、形状部が石英粉体を成形・焼成して形成されると共に、焼成によりこれらの形状部を接合するため、例えば石英管を加熱して変形させて石英発光管を形成するものに比して、形状に変更を加えずに石英発光管を得ることが可能である。したがって、より高い寸法精度を有するものとすることができる。
本発明の石英発光管において、前記接合部と異なる幅を有する部分である異幅部を有し、前記接合部と前記異幅部との間の中空部に直線部分を含んでいるものとしてもよい。例えば、石英管を加熱して変形させて石英発光管を形成するものでは、内部に直線部分を形成することが困難であるが、本発明においては、石英粉体成形体を成形するため、このような直線部分を有する形状部をより容易に形成することができる。このとき、前記異幅部は、前記接合部の幅よりも小さいものとしてもよい。こうすれば、接合部の幅の大きな石英発光管を得ることができる。また、非対称な形状も得ることができる。
本発明の石英発光管の製造方法は、
石英粉体を用い中空部が形成されている2以上の石英粉体成形体を成形する成形工程と、
前記成形された2以上の石英粉体成形体を接合した状態で焼成し、石英粉体成形体に対応する形状部と該形状部同士を接合している接合部とを形成する焼成工程と、
を含むものである。
この石英発光管の製造方法では、石英粉体を用い2以上の石英粉体成形体を成形し、成形された2以上の石英粉体成形体を接合した状態で焼成し、石英粉体成形体に対応する形状部とこの形状部同士を接合している接合部とを形成する。このように、形状部が石英粉体を成形して形成され、これを焼成して形状部とすると共に、焼成によりこれらの形状部を接合するため、例えば石英管を加熱して変形させて石英発光管を形成するものに比して、形状に変更を加えずに石英発光管を得ることが可能である。したがって、寸法精度をより高めることができる。
この石英発光管の製造方法において、前記成形工程では、他の石英粉体成形体と接合する接合部と異なる幅を有する部分である異幅部を有し、前記接合部と前記異幅部との間の中空部に直線部分を含んでいる石英粉体成形体を成形するものとしてもよい。例えば、石英管を加熱して変形させて石英発光管を形成するものでは、中空部に直線部分を形成することが困難であるが、本発明においては、石英粉体成形体を成形するため、このような直線部分を有する形状部をより容易に形成することができる。また、外部形状も球状、楕円形状、直線形状等比較的容易に形成可能であるし、非対称な形状も得ることができる。
本発明の一実施形態である石英発光管20の構成の概略を示す構成図。 石英発光管20及び形状部21の斜視図。 軸方向に水平な面で接合部26により接合された石英発光管20及び形状部21の斜視図。 軸方向に垂直及び水平な面で接合部26により接合された石英発光管20及び形状部21の斜視図。 軸方向に垂直及び水平な2面で接合部26により接合された石英発光管20及び形状部21の斜視図。 別の形状の石英発光管30の構成の概略を示す構成図。 別の形状の石英発光管40の構成の概略を示す構成図。 別の形状の石英発光管20Bの構成の概略を示す構成図。 別の形状の石英発光管20Cの構成の概略を示す構成図。 別の形状の石英発光管50B〜50Gの構成の概略を示す構成図。 接合材料を用いて接合された石英発光管50の構成の概略を表す構成図。 接合材料を用いたときに形成される接合部56の説明図。 接合材料を用いたときに形成される接合部56の説明図。 種々の石英発光管60A〜60Eの説明図。 実施例4の石英発光管の透過X線写真。
次に、本発明を実施するための形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態である石英発光管20の構成の概略を示す構成図であり、図2は、石英発光管20及び形状部21の斜視図である。発光管においては、図1に示すように、中空部を備え、中央部に膨らみを持った形状が典型的である。
この石英発光管20は、石英種として、例えば、不純物を含有しない石英により形成されている。このような石英は、透明度及び耐熱温度が高く好ましい。この本実施形態の石英発光管20は、種々の形状で形成されていてもよい。例えば、本実施形態の石英発光管20は、図1に示すように、石英粉体を成形した石英粉体成形体が焼成されて形成されている形状部21と、焼成により形成され2つの形状部21,21が向かい合わせで接合されている接合部26と、を有している。石英発光管20では、形状部21は、カップ形状に形成された本体部22と、この本体部22よりも小さな外径で本体部22のカップの底側に連通して形成された筒状体である管状部24と、本体部22と管状部24とを接続する曲面で形成されたネック部25(異幅部)と、を有している。この石英発光管20では、断面視した際に、接合部26と、この接合部26の幅より小さいネック部25との間は、曲線により構成されている。接合部26は、形状部21,21が接合した跡として残ったラインとして形成されている。この石英発光管20は、図2に示すように、本体部22の内側に中空部28が形成されており、全体の1/2の形状の形状部21により形成され、その軸方向に垂直な1面で接合された形状を有している。この石英発光管20は、石英粉体と有機化合物とを含む成形スラリーを成形型内で化学反応により固化させたあとに離型するゲルキャスト法により成形し、この成形したものを焼成することにより形成することができる。
また、石英発光管20としては、図3に示すように、全体の1/2の形状の形状部21により形成され、その軸方向に水平な面で接合部26により接合されたものとしてもよい。また、石英発光管20は、図4に示すように、全体の1/4の形状の形状部21により形成され、その軸方向に垂直な方向に接合部26により接合されると共に、水平な1面で他の接合部26により接合されたものとしてもよい。また、石英発光管20は、図5に示すように、全体の1/8の形状の形状部21により形成され、その軸方向に垂直な方向に接合部26により接合されると共に、水平な2面で他の接合部26により接合されたものとしてもよい。
図6は、別の形状の石英発光管30の構成の概略を示す構成図であり、図7は、別の形状の石英発光管40の構成の概略を示す構成図である。図6に示すように、石英発光管30の形状部31は、漏斗形状に形成された本体部32と、この本体部32よりも小さな外径で本体部32の漏斗の底側に連通して形成された筒状体である管状部34と、本体部32と管状部34とを接続する曲面で形成されたネック部35と、を有している。この石英発光管30では、断面視した際に、接合部36と、この接合部36の幅より小さいネック部35との間は、直線部分33を含んで構成されている。接合部36は、形状部31,31が接合した跡として残ったラインとして形成されている。この石英発光管30は、図6に示すように、本体部32の内側に中空部38が形成されており、全体の1/2の形状の形状部31により形成され、その軸方向に垂直な1面でこの形状部31が接合された形状を有している。このように本体部32に直線部分33を含むように形成された石英発光管30では、例えば本体部32を発光管の発光部として用いた際に、内部の点光源からの光の集光を効率的に行うことができ、トータルの光量を増加することが可能である。なお、石英発光管30では、ネック部35は接合部36の幅よりも小さいものとしたが、ネック部は、接合部の幅よりも大きなものとしてもよい。
また、図7に示すように、石英発光管40の形状部41は、コップ形状に形成された本体部42と、この本体部42よりも小さな外径で本体部42のコップの底側に連通して形成された筒状体である管状部44と、本体部42と管状部44とを接続する曲面で形成されたネック部45と、を有している。この石英発光管40では、断面視した際に、接合部46と、この接合部46の幅より小さいネック部45との間は、直線部分43を含んで構成されている。接合部46は、形状部41,41が接合した跡として残ったラインとして形成されている。この石英発光管40は、図7に示すように、本体部42の内側に中空部48が形成されており、全体の1/2の形状の形状部41により形成され、その軸方向に垂直な1面でこの形状部41が接合された形状を有している。このように本体部42に直線部分を含むように形成された石英発光管40では、例えば本体部42を発光管の発光部として用いた際に、内部の点光源からの光の集光を効率的に行うことができ、トータルの光量を増加することが可能である。
図8は、別の形状の石英発光管20Bの構成の概略を示す構成図であり、図9は、別の形状の石英発光管20Cの構成の概略を示す構成図である。図8に示すように、石英発光管20Bは、曲線で外形が形成されている形状部21の内側に接合部26とネック部25との間に亘って直線部分23Bが形成されている。このように外形が曲線により形成されている形状部21の内側に直線部分23Bが形成されているものとしてもよい。また、図9に示すように、石英発光管20Cは、曲線で外形が形成されている形状部21の内側に接合部26とネック部25との間にかけて矩形状の中空部28が形成されるように直角に交わる面により直線部分23Cが形成されている。このように外形が曲線により形成されている形状部21の内側に直線部分23Bが形成されているものとしてもよい。
また、図10に示すように、接合される部材の本体部の外部形状及び内部形状(中空部)のうち少なくとも一方が非対称の形状であるものとしてもよい。図10は、別の形状の石英発光管50B〜50Gの構成の概略を示す構成図である。図10では、軸方向に直交する面を2つの部材の接合面(接合部)として説明するが、これに限らず、軸方向に平行な面を接合面としてもよい。例えば、図10(a)に示す石英発光管50Bのように、接合された本体部の中央からずれた位置に接合面があり、接合面を対称軸とした場合に外部形状及び内部形状が非対称であり且つ接合された本体部の中央を対称軸とした場合に外部形状及び内部形状が対称であるものとしてもよい。また、図10(b)に示す石英発光管50Cのように、接合された本体部の中央からずれた位置に接合面があり、接合面及び接合された本体部の中央を対称軸とした場合にいずれも外部形状及び内部形状が非対称であり内部形状及び外部形状ともに直線部分を有するものとしてもよい。また、図10(c)に示す石英発光管50Dのように、接合された本体部の中央からずれた位置に接合面があり、接合面及び接合された本体部の中央を対称軸とした場合にいずれも外部形状及び内部形状が非対称であり内部形状に直線部分を有し外部形状が曲線であるものとしてもよい。また、図10(d)に示す石英発光管50Eのように、接合された本体部の中央からずれた位置に接合面があり、接合面を対称軸とした場合に外部形状及び内部形状が非対称であり且つ接合された本体部の中央を対称軸とした場合に外部形状が非対称であり内部形状が対称であるものとしてもよい。また、図10(e)に示す石英発光管50Fのように、接合された本体部の中央に接合面があり、接合面及び本体部の中央を対称軸とした場合に外部形状が対称であり内部形状が非対称であり一方の内部形状に直線部分を有するものとしてもよい。また、図10(f)に示す石英発光管50Gのように、接合された本体部の中央に接合面があり、接合面及び本体部の中央を対称軸とした場合に外部形状が非対称であり内部形状が対称であり一方の外部形状に直線部分を有するものとしてもよい。
図11は、接合材料を用いて接合された石英発光管50の構成の概略を表す構成図であり、図12,13は、接合材料を用いたときに形成される接合部56の説明図である。図11に示すように、石英発光管50の形状部51は、カップ形状に形成された本体部52と、この本体部52よりも小さな外径で本体部52のカップの底側に連通して形成された筒状体である管状部54と、本体部52と管状部54とを接続する曲面で形成されたネック部55と、を有している。接合部56は、形状部51,51が接合した接合部材の部分として形成されている。この接合部56は、例えば石英成分が含まれていてもよいし、石英成分が含まれていないものとしてもよい。この石英発光管50は、図11に示すように、本体部52の内側に中空部58が形成されており、全体の1/2の形状の形状部51により形成され、その軸方向に垂直な1面でこの形状部51が接合された形状を有している。
また、図12に、この接合部材により形成された接合部56の各種断面形状をいつくか例示する。図12(a)には、本体部52の肉厚よりも薄い最大の肉厚を有し、本体部52よりも外側には突出しない形状の接合部56を示す。この態様においては、接合部56の表面は、表面張力の作用により、内側に凹状となる表面形状を有している。図12(b)には、本体部52の肉厚と同程度の最大肉厚を有し、接合部56は本体部52の外側に突出しているか又は突出していない(本体部52と略同一面である場合を含む。)形状の接合部56を示す。この態様においては、接合部56の表面は、表面張力の作用により、中央近傍のみが外側に凸状となる表面形状を有している。図12(c)には、本体部52の肉厚と同程度の最大の肉厚を有するが、本体部52よりも外側には突出しない形状の接合部56を示す。この態様においては、接合部56の表面は、表面張力の作用により、そのほぼ全体が外側に凸状となる表面形状を有している。さらに、図12(d)には、本体部52の肉厚よりも大きい最大の肉厚を有し、本体部52よりも外側に突出した形状の接合部56を示す。この態様においては、接合部56の表面は、表面張力の作用により、そのほぼ全体が外側に凸状となる表面形状を有している。なお、すでに説明した3つの態様では接合部56の接合面で規定される空間に収まるものであったのに対し、この態様では、接合部56の一部は、本体部52の接合面で規定される空間を越えて本体部52の外表面にまで及んだ形状を有している。図12(e)には、接合部56と隣接する端部が厚肉化されている本体部52を接合した接合部56を示す。この本体部52は、接合部56と隣接する本体部52の端部が厚肉化された拡張部52aが形成されると共に、接合部56と接合する本体部52の接合面に突出した凸部52bが形成されている。この接合部56は、図12(d)と同様に、本体部52の肉厚よりも大きい最大の肉厚を有し、本体部52よりも外側に突出した形状のものを示している。なお、拡張部52aや凸部52bが形成された本体部52において、接合部56の形状はこの限りではなく、上記図12(a)〜(c)に示したものと同様の接合部56を設けることが好ましい。また、図13に示すように、本体部52同士を押圧しこれらが接触した状態で、接合部材が押し出されて形成されていてもよい。このとき、この本体部52の厚さよりも接合部56がはみ出しているものとしてもよいし(図13(a))、本体部52の厚さよりも接合部56が引っ込んでいるものとしてもよいし(図13(b))、本体部52の厚さと同じ接合部56が形成されているものとしてもよい(図13(c))。
また、このほかに、図14に示すような石英発光管としてもよい。図14は、種々の石英発光管60A〜60Eの説明図である。例えば、本体部を有さず中空部材ではない円柱状の形状部61Aを備えた石英発光管60A(図14(a))や、円柱状の本体部62Bと本体部61Bよりも外形の小さな円柱状の本体部62Bとを備えた石英発光管60B(図14(b))、カップ状の本体部62Cと円柱状の本体部62Cとを備えた石英発光管60C(図14(c))、U字管である本体部62Dとこの本体部62Dに連通した円筒状の本体部62Dとを備えた石英発光管60D(図14(d))、楕円状の開口部を有し先細りとなる形状を有する本体部62Eと、この本体部62Eと略同じ幅を有する略角柱状の本体部62Eとを備えた石英発光管60E(図14(e),(f))などとしてもよい。あるいは、石英発光管以外にも、例えば、異なる大きさ及び形状の中空部を備えて全体として管状構造を有する反応管や流路部品など他の用途に本発明を適用してもよい。なお、上述した石英発光管の態様(例えば図1〜図14の構成)を適宜選択して組み合わせてもよいことは勿論である。
次に、石英発光管の製造方法について説明する。この製造方法は、石英粉体を成形した2以上の石英粉体成形体を形成する成形工程と、成形された2以上の石英粉体成形体を接合する接合工程と、石英粉末成形体を接合した状態で焼成し石英粉体成形体に対応する形状部とこの形状部同士を接合している接合部とを形成する焼成工程と、を含むものとしてもよい。以下各工程について説明する。
(成形工程)
この工程では、石英粉体を調製し、これを成形して石英粉体成形体を作製する。石英粉体としては、例えば、不純物を含有しない石英を用いることができる。石英粉体は、例えば、ポットミルやアトライタ、乳鉢などにより粉砕し、所定の粒度としたものを用いることができるし、未粉砕のものを用いてもよい。石英粉体は、平均粒径を15μm以下とするのが好ましく、10μm以下とするのがより好ましく、8μm以下とするのが更に好ましく3μm以下が最も好ましい。平均粒径が15μm以下であれば、成形体に成形した際に気泡が混入するのをより抑制することができ、平均粒径が10μm以下であれば、気泡の混入を一層抑制することができる。また、石英粉体の平均粒径は、0.1μm以上であることが、粒子作製の容易さの面からは好ましい。ここで、原料粒子の平均粒径(μm)は、レーザ光回折法を用いて測定されたメディアン径(D50)をいうものとする。この石英粉体を成形する方法は、従来各種の方法が公知であり、こうした方法を用いて容易に取得することができる。高い寸法精度を得るためには、例えば、本発明方法に用いる石英粉体成形体の製法としては、成形型に石英粉体と有機化合物とを含む成形スラリーを鋳込み、有機化合物相互の化学反応、例えば分散媒とゲル化剤若しくはゲル化剤相互の化学反応により固化させた後、離型するゲルキャスト法により準備することができる。このような成形スラリーは、原料粉末のほか、分散媒、ゲル化剤を含み、粘性や固化反応調整のため分散剤、触媒を含んでいてもよい。以下、これらの各種成分について説明する。なお、成形する形状は、例えば、図1〜12に示したように、用途などに応じて適宜任意の形状で成形してもよい。
分散媒としては、反応性の分散媒を用いることが好ましい。例えば、反応性官能基を有する有機分散媒を用いることが好ましい。反応性官能基を有する有機分散媒は、後述するゲル化剤と化学結合し、すなわち、スラリーを固化可能な液状物質であること、及び注型が容易な高流動性のスラリーを形成できる液状いずれかの物質であること、の2つの条件を満たすことが好ましい。ゲル化剤と化学結合し、スラリーを固化するためには、反応性官能基、すなわち、水酸基、カルボキシル基、アミノ基のようなゲル化剤と化学結合を形成し得る官能基を分子内に有していることが好ましい。有機分散媒は、反応性官能基を1又は2以上を備えることができ、2以上の反応性官能基を備える場合には、より十分な固化状態を得ることができる。2以上の反応性官能基を備える有機分散媒としては、多価アルコール(エチレングリコールのようなジオール類、グリセリンのようなトリオール類等)、多塩基酸(ジカルボン酸等)が考えられる。なお、分子内の反応性官能基は必ずしも同種の官能基である必要はなく、異なる官能基を備えていてもよい。また、反応性官能基は、ポリエチレングリコールのように多数個あってもよい。一方、注型が容易な高流動性スラリーを形成するには、可能な限り粘性の低い有機分散媒を用いることが好ましく、特に20℃における粘度が20cps以下の物質を使用することが好ましい。有機分散媒としては、多塩基酸エステル(例えば、グルタル酸ジメチル等)、多価アルコールの酸エステル(例えば、トリアセチン等)などの2以上のエステル基を有するエステル類を使用することが好ましい。また、多価アルコールや多塩基酸もスラリーを大きく増粘させない程度の量であれば、強度補強のために使用することは有効である。また、エステル類は比較的安定ではあるもの、反応性の高いゲル化剤とであれば十分反応可能であり、粘度が低いため上記した2条件を満たすことができる。特に、全体の炭素数が20以下のエステルは低粘性であるため、反応性分散媒として好適に用いることができる。反応性官能基を有する有機分散媒としては、具体的には、エステル系ノニオン、アルコールエチレンオキサイド、アミン縮合物、ノニオン系特殊アミド化合物、変性ポリエステル系化合物、カルボキシル基含有ポリマー、マレイン系ポリアニオン、ポリカルボン酸エステル、多鎖型高分子非イオン系、リン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、マレイン酸系化合物を例示できる。他には、国際公開パンフレットWO2002−085590A1の22頁10行目〜25行目に記載されたものが挙げられる。また、このほか分散媒としては、非反応性分散媒も用いることができる。非反応性分散媒としては、キシレンなどの炭化水素、エーテル、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、テルピネオール、2−エチルヘキサノール、イソプロパノール、アセトン等を例示することができる。
ゲル化剤は、分散媒に含まれる反応性官能基と反応して固化反応を引き起こすものであり、例えばWO2002−085590A1の21頁−22頁9行目に記載されているが、以下を例示するものも用いることができる。ゲル化剤は、20℃における粘度が3000cps以下であることが好ましい。具体的には、2以上のエステル基を有する有機分散媒と、イソシアナート基、及び/又はイソチオシアナート基を有するゲル化剤とを化学結合させることによりスラリーを固化することが好ましい。より具体的には、この反応性のゲル化剤は、分散媒と化学結合し、スラリーを固化可能な物質である。従って、前記ゲル化剤は、分子内に、分散媒と化学反応し得る反応性官能基を有するものであればよく、例えば、モノマー、オリゴマー、架橋剤の添加により三次元的に架橋するプレポリマー(例えば、ポリビニルアルコール、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等)等のいずれであってもよい。但し、前記反応性ゲル化剤は、スラリーの流動性を確保する観点から、粘性が低いもの、具体的には20℃における粘度が3000cps以下の物質を使用することが好ましい。一般に平均分子量が大きなプレポリマー及びポリマーは、粘性が高いため、本発明では、これらより分子量が小さいもの、具体的には平均分子量(GPC法による)が2000以下のモノマー又はオリゴマーを使用することが好ましい。尚、ここでの「粘度」とは、ゲル化剤自体の粘度(ゲル化剤が100%の時の粘度)を意味し、市販のゲル化剤希釈溶液(例えば、ゲル化剤の水溶液等)の粘度を意味するものではない。
ゲル化剤の反応性官能基は、反応性分散媒との反応性を考慮して適宜選択することが好ましい。例えば反応性分散媒として比較的反応性が低いエステル類を用いる場合は、反応性が高いイソシアナート基(−N=C=O)、及び/又はイソチオシアナート基(−N=C=S)を有するゲル化剤を選択することが好ましい。イソシアナート類はジオール類やジアミン類と反応させることが一般的であるが、ジオール類は既述の如く高粘性のものが多く、ジアミン類は反応性が高すぎて注型前にスラリーが固化してしまう場合がある。このような観点からも、エステルからなる反応性分散媒と、イソシアナート基、及び/又はイソチオシアナート基を有するゲル化剤との反応によりスラリーを固化することが好ましく、より充分な固化状態を得るためには、2以上のエステル基を有する反応性分散媒と、イソシアナート基、及び/又はイソチオシアナート基を有するゲル化剤との反応によりスラリーを固化することが好ましい。また、ジオール類、ジアミン類も、スラリーを大きく増粘させない程度の量であれば、強度補強のために使用することは有効である。イソシアナート基、及び/又はイソチオシアナート基を有するゲル化剤としては、例えば、MDI(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート)系イソシアナート(樹脂)、HDI(ヘキサメチレンジイソシアナート)系イソシアネート(樹脂)、TDI(トリレンジイソシアナート)系イソシアナート(樹脂)、IPDI(イソホロンジイソシアナート)系イソシアナート(樹脂)、イソチオシアナート(樹脂)等を挙げることができる。
また、反応性分散媒との相溶性等の化学的特性を考慮して、前述した基本化学構造中に他の官能基を導入することが好ましい。例えば、エステルからなる反応性分散媒と反応させる場合には、エステルとの相溶性を高めて、混合時の均質性を向上させる点から、親水性の官能基を導入することが好ましい。尚、ゲル化剤分子内に、イソシアナート基又はイソチオシアナート基以外の反応性官能基を含有させてもよく、イソシアナート基とイソチオシアナート基が混在してもよい。さらには、ポリイソシアナートのように、反応性官能基が多数存在してもよい。
石英粉体成形体を製造するための成形スラリーは、例えば、以下のようにして調製することができる。まず、分散媒に原料粉末を分散させてスラリーとした後、ゲル化剤を添加するか、あるいは分散媒に原料粉末とゲル化剤とを同時に添加して分散してスラリーとすることができる。スラリーを分散させるには、各種の手法を用いることができるが、不純物排除の観点から、自公転攪拌器を用いることが好ましい。注型時等における作業性を考慮すると、20℃におけるスラリーの粘度は、30000cps以下であることが好ましく、より好ましくは20000cps以下である。スラリーの粘度は、既述した反応性分散媒やゲル化剤の粘度のほか、粉末の種類、分散剤の量、スラリー濃度(スラリー全体の体積に対する粉末体積%)によっても調整することができる。ただし、スラリー濃度は、通常、25〜75体積%のものが好ましく、乾燥収縮によるクラックを少なくすることを考慮すると、35〜75体積%のものがさらに好ましい。また、粉末の粒径はメディアン径で10μm以下のものが好ましい。10μm以下の粒径では、焼成時に気泡排出を行いやすく、焼成体に気泡が存在してしまうのを抑制することができる。また、異なるメディアン径の粉末を混合してもよい。なお、こうした石英粉体の成形スラリーを用いて成形体を製造するのにあたっては、成形する形状部は、図1〜13などに示したように、得ようとする石英発光管を得るのが容易な分割形状とすることが好ましい。このとき、2以上の石英粉末成形体を接合する際には、相対的な位置精度を確保しつつ配置して行うことが望ましい。このように複数の石英粉体成形体を接合させるには、相対的な位置精度を確保可能な接合冶具を使用することが望ましい
(接合工程)
この工程では、2以上の石英粉末成形体を接合する処理を行う。2以上の石英粉末成形体を接合する方法としては、例えば、後述する焼成工程において、2以上の石英粉末成形体を接合部となる部分を接した状態で配置し、焼成時の石英の粘性流動によって2以上の部材を接合するものとしてもよい。この場合、2以上の石英粉末成形体を接合部となる部分を接した状態で配置するのが接合工程となる。また、2以上の石英粉体成形体を接合する接合部材としての接合スラリーを用いてもよい。この接合部材は、石英粉体を含むものとし接合部材に含まれる石英粉体により複数の石英粉末成形体を接合するものとしてもよいし、石英粉体を含まないものとし石英の粘性流動を利用して複数の石英粉末成形体を接合させるものとしてもよい。接合スラリーは、化学反応により固化しない非自己硬化性スラリーを用いてもよい。接合スラリーには、既に説明した成形体用スラリーに用いることのできる原料粉末、非反応性分散媒のほか、ポリビニルアセタール樹脂(例えば、商品名BM−2、商品名BM−S、商品名BL−S、いずれも積水化学株式会社製)、エチルセルロース(例えば、商品名エトセル)及びアクリル樹脂(例えば、商品名ハイパール、根上工業株式会社製)などの各種バインダを用いることができる。また、石英粉体成形体を製造するのに用いた成形スラリーを用いてもよい。また、適宜DOP(フタル酸ビス(2−エチルヘキシル))などの分散剤や、混合時の粘性調節のためのアセトンやイソプロパノールなどの有機溶剤も用いることができる。
接合スラリーは、原料粉末、溶媒、バインダをトリロールミル、ポットミル等を用いる通常のセラミックスペーストやスラリーの製造方法を用いて混合することにより得ることができる。分散剤や有機溶剤は適宜混合することができる。具体的には、ブチルカルビトール、酢酸ブチルカルビトール及びテルピネオールなどを用いることができる。スラリーの粘度は、既述した分散媒や分散剤や有機溶剤の量、スラリー濃度(スラリー全体の体積に対する粉末の重量%である。以下、当該濃度については重量%で示す。)によっても調整することができる。ただし、スラリー濃度は、通常、25〜90重量%のものが好ましく、乾燥収縮によるクラックを少なくすることを考慮すると、35〜90重量%のものがさらに好ましい。
接合スラリーを用いて接合体を得るには、まず、接合しようとする2つの石英粉体成形体の互いに接合しようとする接合面の間に、接合スラリーによる接合スラリー層を形成する。接合スラリーは、2つの石英粉体含有成形体の接合しようとする面(接合面)を対向させた状態でこれらの接合面間に供給してもよいし、一方又は双方の石英粉体成形体の接合面に供給してもよい。石英粉体成形体の接合面間に接合スラリーを供給するには、ディスペンサー等など公知の手法を利用できる。石英粉体成形体の接合面に成形スラリーを供給するには、ディスペンサー、ディッピング、スプレーなどの公知の液状体供給手法のほか、スクリーン印刷、メタルマスク印刷などの印刷手法を用いることができる。供給された接合スラリーは、成形体間で押しつぶされ、接合体の接合部を形成する。スクリーン印刷によれば厚みやパターンを高精度に制御して接合スラリーを接合面に供給できるため、結果として精度の高い接合スラリー層及び接合部を得ることができる。また、メタルマスク印刷によれば、厚みを持って接合スラリーを接合面に供給しやすく、このため、成形スラリー層及び接合部の形状制御が容易になる。なお、公知の液状体供給手法やスクリーン印刷やメタルマスク印刷など印刷手法を用いる場合、付与しようとする接合スラリーの粘度や供給厚み等に応じて適宜条件を設定すればよい。
接合スラリー層を対向配置した石英粉体成形体の接合面間に形成し、成形体同士を圧接したらこの接合スラリー層を乾燥することが好ましい。乾燥処理は、接合面間距離などを調節したりして接合スラリー層を形成しつつ、同時に接合スラリー層を乾燥させるよう行ってもよいし、接合スラリー層を形成した後に実施してもよい。乾燥処理は、接合スラリーの組成や供給量等に応じて適宜設定することができる。通常、40℃以上200℃以下で5〜120分程度行うことができる。また、送風などで強制的な換気を伴う乾燥の場合は、40℃以上200℃以下で1〜120分程度行うことができる。
こうして得られた接合体は、少なくとも2つの石英粉体成形体が接合スラリー層が乾燥した接合部(乾燥後)によって接合された状態となっている。なお、以上説明した接合体の作製においては、2つの石英粉体成形体を接合する場合について説明したが、これに限定するものではなく、3以上の石英粉体成形体を同時にあるいは逐次接合スラリー層を形成して接合して接合体を得ることもできる。
(焼成工程)
次に、接合体を焼成して石英粉体成形体及び接合部を焼成させて石英発光管を得る。焼成工程の前に、所定の仮焼温度にて接合体を脱脂又は仮焼する仮焼工程を含むものとしてもよい。このとき、焼成工程では、この仮焼工程を行った接合体を仮焼温度よりも高い本焼成温度で焼成するものとしてもよい。仮焼工程では、大気中雰囲気下、水素雰囲気下及び不活性雰囲気下、真空下などで行うことができ、このうち水素雰囲気下及び真空下で行うことが好ましい。この仮焼工程において、脱脂と仮焼とは兼ねることもできるし、別々に行ってもよい。仮焼温度は、1250℃未満とするのが好ましく、1200℃以下とするのがより好ましい。また、仮焼温度は、1000℃以上とするのがより好ましい。仮焼温度が1250℃未満では、表面に生成する結晶を抑制して透明性をより高めることができる。なお、この仮焼工程を省略するものとしても構わない。また、焼成工程も大気雰囲気下、還元性雰囲気下及び不活性雰囲気下、真空下で行うことができ、このうち、還元性雰囲気下及び真空下で行うことがより好ましい。還元性雰囲気は典型的には水素を用い不活性ガスを含んでいてもよい。焼成工程における焼成温度は、1500℃以上1700℃以下の範囲とすることができる。焼成による変形を抑制するため、1000℃以上では、昇温速度を20℃/分以上とするのが好ましく、1200℃以上では昇温速度を20℃/分以上とするのがより好ましく、1200℃以上では昇温速度を25℃/分以上とするのが一層好ましい。1200℃以上での昇温速度を20℃/分以上とすると、接合体の変形をより抑制することができる。好ましい実施態様として、接合体を300℃以上800℃以下で脱脂し、次いで焼成する態様が挙げられる。脱脂は大気雰囲気中で行うことが好ましい。1200℃以下の温度で脱脂すると、結晶相の析出が抑制され好ましい。この際、炉内が酸欠状態にならないように適宜大気若しくは酸素を供給してもよい。特に、ゲルキャスト成形体中の有機成分は、通常成形(粉末プレス用バインダや押出加工)法によって得られた成形体の有機成分に比較して分解しにくいため、こうした脱脂工程は有機成分の分解促進に有効である。なお、脱脂時間も特に限定されないが、30時間以上としてもよく、60時間以上としてもよい。このように焼成すると、石英粉末成形体の部分が焼成により上述した形状部に形成され、石英粉末成形体が接触している部分又は接合スラリー層が焼成により上述した接合部に形成される。また、寸法精度を向上させるために吊焼き焼成を用いてもよい。
以上説明した本発明の石英発光管の製造方法によれば、石英粉体より2以上の石英粉体成形体を成形し、成形された2以上の石英粉体成形体を接合した状態で焼成し、石英粉体成形体に対応する形状部とこの形状部同士を接合している接合部とを形成する。このように、形状部が石英粉体を成形・焼成して形成されると共に、焼成によりこれらの形状部を接合するため、例えば石英管を加熱して変形させて石英発光管を形成するものに比して、形状に変更を加えずに石英発光管を得ることが可能であり、寸法精度をより高めることができる。また、石英発光管30や石英発光管40では、石英粉体成形体を成形・焼成するため、直線部分を有する形状部をより容易に形成することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
以下には、石英発光管を具体的に製造した例を実施例として説明する。
[実施例1]
実施例1の石英発光管20を以下のようにして作製した。原料粉末として平均粒径8μmのシリカ粉末100重量部、分散剤としてカルボン酸共重合体2重量部、分散媒としてマロン酸ジメチル49重量部、エチレングリコール4重量部、ゲル化剤として4’4−ジフェニルメタンジイソシアネート4重量部、及び触媒としてトリエチルアミン0.4重量部を混合したものを用いた。このスラリーをアルミニウム合金製の型に室温で注型後、室温で1時間放置した。次いで、40℃で30分間放置し、固化を進めてから離型した。さらに、室温、次いで90℃のそれぞれの温度にて2時間放置して、石英粉末成形体を得た(図2参照)。なお、原料の平均粒径は、HORIBA製レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−750を用い、水を分散媒として測定したメディアン径(D50)である。
接合スラリーは次のようにして作製した。原料粉末としてシリカ粉末100重量部、ポリビニルアセタール樹脂15重量部、ブチルカルビトール40重量部を混合して接合スラリーとした。スクリーン製版が成形体の接合面に平行になるようにスクリーン印刷機ステージに固定し、製版との位置合わせをした。次いで、調製した接合スラリーを、製版を用いてスクリーン印刷機にて成形体の接合面に供給した。供給した接合スラリーの厚さを測定するために、接合スラリーを乾燥させた。乾燥した接合スラリー層の厚さは、100±20μmの厚さとなっており、均一な厚みに接合スラリーが供給されたことがわかった。接合スラリーを供給したあと、石英粉末成形体を接合させ、100℃のオーブンで10分間乾燥させて、接合体を得た。次に、作製した接合体を大気中1100℃で仮焼したあと、真空雰囲気中で1000℃から1600までの昇温速度を30℃/分とし、最高温度1600℃で焼成し、緻密化及び透明化させ、実施例1の石英発光管20を得た。
[実施例2]
実施例2の石英発光管20を以下のようにして作製した。原料粉末としてシリカ粉末100重量部、分散剤としてカルボン酸共重合体4重量部、分散媒としてグルタル酸ジメチルとトリアセチレンの混合物49重量部、エチレングリコール0.424重量部、ゲル化剤として4’4−ジフェニルメタンジイソシアネート7.6重量部、及び触媒として6−ジメチルアミノ−1−ヘキサノールを0.24重量部を混合したものを用いた。このスラリーをアルミニウム合金製の型に室温で注型後、室温で1時間放置したあと、離型した。さらに、95℃の温度にて3時間放置して、石英粉末成形体を得た(図2参照)。接合スラリーは次のようにして作製した。原料粉末としてシリカ粉末100重量部、メタクリル酸エステルポリマー15重量部、テルピネオール50重量部を混合して接合スラリーとした。実施例1と同様の工程により接合スラリーを石英粉末成形体に形成し、2つの石英粉末成形体を接合させ、100℃のオーブンで10分間乾燥させて、接合体を得た。次に、作製した接合体を大気中1100℃で仮焼したあと、水素雰囲気中で1000℃から1650までの昇温速度を50℃/分とし、最高温度1650℃で焼成し、緻密化及び透明化させ、実施例2の石英発光管20を得た。
[実施例3]
上述した接合スラリーにシリカ粉末を添加せず、スクリーン製版の代わりにディスペンサを用いて作製した以外は、実施例2と同様の工程を経て、実施例3の石英発光管を作製した。
[実施例4]
上述した接合スラリーを用いずに、2つの石英粉末成形体を載せ合わせた状態で、大気中1100℃で仮焼したあと、水素雰囲気中で1600℃で焼成した以外は、実施例1と同様の工程を経て、実施例4の石英発光管を作製した。
[実施例5]
原料粉末の平均粒径を10μmとした以外は、実施例1と同様の工程を経て、実施例5の石英発光管を作製した。
[比較例1]
原料粉末の平均粒径を11μmとした以外は、実施例1と同様の工程を経て、比較例1の石英発光管を作製した。
[比較例2]
仮焼温度を1200℃とした以外は、実施例1と同様の工程を経て、比較例2の石英発光管を作製した。
[比較例3]
昇温速度を20℃/分とした以外は、実施例1と同様の工程を経て、比較例3の石英発光管を作製した。
形状部の外形を球状とし、中空部の形状を直線部分を含む三角錐とし実施例4の作製方法により作製した中空接合石英発光管の透過X線を島津製作所製SMX−30CT特を用いて撮影し、画像読み取りは、富士フィルム製FCR AC−7にて行った。その写真を図15に示す。図15に示すように、中空部に直線を含んだ形状に比較的容易に形成することができた。作製した実施例1〜4では、接合部の近傍の形状が石英粉末成形体のときと略変わらず、実施例2、3で作製した石英管の寸法を測定したところ、寸法のばらつきは1.3%であり、高い寸法精度を得ることができた。なお、実施例1〜5では原料粒径の大きい比較例1に比して気泡の発生がみられず、より好ましい状態であった。また、実施例1〜4では比較例2に比して表面に結晶が生成せず透明性がより高く、より好ましい状態であった。また、実施例1〜4では、比較例3に比して外観上の変形がみられず、より好ましい状態であった。
本発明は、石英の接合体の製造分野に利用可能である。
10,20,20B,20C,30,40,50,50B,50C,50D,50E,50F,50G,60A,60B,60C,60D,60E 石英発光管、11,21,31,41,51,61A 形状部、22,32,42,52,62B,62C,62D,62E 本体部、24,34,44,54 管状部、25,35,45,55 ネック部、26,36,46,56 接合部、28,38,48,58 中空部、23B,23C,33,43 直線部分、52a 拡張部、52b 凸部。

Claims (9)

  1. 石英粉体を成形した石英粉体成形体が焼成され中空部が形成されている形状部と、
    焼成により形成され、2以上の前記形状部が接合されている1以上の接合部と、
    を有する石英発光管。
  2. 前記接合部と異なる幅を有する部分である異幅部を有し、前記接合部と前記異幅部との間の中空部に直線部分を含んでいる、請求項1に記載の石英発光管。
  3. 石英発光管の製造方法であって、
    石英粉体を用い中空部が形成されている2以上の石英粉体成形体を成形する成形工程と、
    前記成形された2以上の石英粉体成形体を接合した状態で焼成し、石英粉体成形体に対応する形状部と該形状部同士を接合している接合部とを形成する焼成工程と、
    を含む石英発光管の製造方法。
  4. 前記成形工程では、他の石英粉体成形体と接合する接合部と異なる幅を有する部分である異幅部を有し、前記接合部と前記異幅部との間の中空部に直線部分を含んでいる石英粉体成形体を成形する、請求項3に記載の石英発光管の製造方法。
  5. 前記成形工程では、前記石英粉体と有機化合物とを含む成形スラリーを成形型内で化学反応により固化させたあとに離型するゲルキャスト法により前記石英粉体成形体を成形する、請求項3又は4に記載の石英発光管の製造方法。
  6. 前記成形工程では、平均粒径が10μm以下の石英粉体を用いる、請求項3〜5のいずれか1項に記載の石英発光管の製造方法。
  7. 前記焼成工程の前に、前記成形した石英粉体成形体を所定の仮焼温度で焼成する仮焼工程、を含み、
    前記焼成工程では、前記仮焼工程を行ったのちの石英粉体成形体を前記仮焼温度よりも高い温度である本焼成温度で焼成し、
    前記仮焼温度を1200℃以下とする、請求項3〜6のいずれか1項に記載の石英発光管の製造方法。
  8. 前記焼成工程の前に、前記成形した石英粉体成形体を所定の仮焼温度で焼成する仮焼工程、を含み、
    前記焼成工程では、前記仮焼工程を行ったのちの石英粉体成形体を前記仮焼温度よりも高い温度である本焼成温度で焼成し、
    前記本焼成温度を1600℃以上とし、1200℃以上での昇温速度を25℃/分以上とする、請求項3〜7のいずれか1項に記載の石英発光管の製造方法。
  9. 前記焼成工程では、焼成雰囲気を水素及び真空状態のうちいずれか1つとする、請求項3〜8のいずれか1項に記載の石英発光管の製造方法。
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