以下、本発明の遊技機をパチンコ遊技機に適用した第一実施形態の構成について説明する。パチンコ遊技機Pは、縦長長方形状の機枠1を有し、この機枠1の前側には、該機枠1の一側に設けたヒンジ機構2を介して本体枠(図示せず)が開閉自在に装着される。この本体枠の前面には遊技盤3が着脱自在に設けられる。さらに、本体枠の前側には、遊技盤3の前面を覆う透明板保持枠4と、該透明板保持枠4の下方にて本体枠の前面下部を覆う前板5とが其々設けられる。また、前板5の下方には腰板6が張設され、この腰板6の内部には一対のスピーカ(図示せず)が設けられている。
前記透明板保持枠4には、遊技盤3の前面が臨む開口7が開設されると共に、該開口7には、ガラス製または合成樹脂製の透明板8が装着される。そして、透明板保持枠4は、ヒンジ機構2を介し、該本体枠に対して横開き状に開閉自在に装着されている。また、透明板保持枠4の開放側の内部には、錠装置(図示せず)が設けられ、これにより、該透明板保持枠4は本体枠に対し施錠状態で閉止されるようになっている。
前記前板5は、透明板保持枠4と同様に、ヒンジ機構2により本体枠に対して横開き状に開閉自在に装着されている。そして、前板5の開放側には、鍵操作部9が設けられており、この鍵操作部9に挿入した鍵を右回りまたは左回りに回動操作することにより、本体枠または透明板保持枠4が其々開放されるようになっている。また、前板5の前面には、球受皿10が装着される。この球受皿10は、パチンコ遊技機Pの内部に設けられた球払出装置(図示せず)から払い出された遊技球を貯留する。さらに、前板5の前面であって球受皿10の側方にあたる位置には、打球力調整ハンドル11が設けられる。この打球力調整ハンドル11を回転操作すると、球受皿10内の遊技球が、前板5の内側に設けられた打球発射装置(図示せず)へ一球ずつ導かれると共に、該打球発射装置により遊技球が遊技盤3面へ向けて発射されるようになっている。
前記遊技盤3は、透明板保持枠4を本体枠に閉止すると、透明板8を介して視認されるようになっている。この遊技盤3の前面には、発射球を案内するための外レール21および内レール22が略渦巻き状に敷設され、これら外レール21と内レール22とで包囲することにより、該遊技盤3面に略円形状の遊技領域23が形成される。また、遊技領域23の一側には、外レール21と内レール22とを所定間隔で並列させることにより上下方向に延びるようにした円弧状の球案内通路24が形成される。前記打球発射装置により発射された遊技球は、この球案内通路24を下方から上方へ向けて通過し、遊技領域23へ送出される。
前記遊技領域23には、その中央よりも若干上部に位置するようにして、第1振分装置としての観覧車型振分装置100が設けられる。この観覧車型振分装置100の一側であって該観覧車型振分装置100と球案内通路24との間の位置には、一対の開閉翼片25a,25aを備える開閉球入口25と、遊技球を通過させる通過チャッカー26とが上下方向に並んで設けられる。開閉球入口25は、遊技球が通過チャッカー26を通過すると、開閉翼片25aを開放して遊技球を受け入れるようになっている。また、遊技領域23を正面から見て、観覧車型振分装置100の右側には、第2振分装置としてのティーカップ型振分装置200が設けられ、該ティーカップ型振分装置200の下方には、入賞装置としてのメリーゴーランド型入賞装置300が設けられる。
一方、前記観覧車型振分装置100の下方には、遊技室27が形成され、該遊技室27の下方には、一対の開閉翼片28a,28aを備える開閉入賞装置28が設けられると共に、該開閉入賞装置28の下方には、前側へ自在に開閉する開閉扉29aを備える大入賞口29が設けられる。そして、遊技領域23の最下部にあたる内レール22の内側には、遊技球をアウト球として遊技領域23の外部へ排出するアウト球口30が開設される。また、遊技領域23下部の両側には、内レール22に沿うようにして一対の装飾部材31,31が設けられている。
前記観覧車型振分装置100は、流入した遊技球をティーカップ型振分装置200、または、メリーゴーランド型入賞装置300のいずれか一方へ振り分けるようにした振分装置である。この観覧車型振分装置100は、図4に示したように、遊技領域23に固設される支持台座101の前面に大型円形状の回転車輪102を回転自在に設け、該回転車輪102には、その外周に沿って球保持体としてのゴンドラ103を所定間隔で揺動自在に複数吊下して概ね構成される。ゴンドラ103には、図3に示したように、遊技球をティーカップ型振分装置200へ誘導する普通ゴンドラ103aと、遊技球をメリーゴーランド型入賞装置300へ誘導する近道ゴンドラ103bとの二種類があり、これらは交互に配設されている。そして、モータ104の駆動により回転車輪102が時計回りに回動されることにより、各ゴンドラ103は遊技盤3に並行な面内を円形状に移動するようになっている。また、回転車輪102の前面中央には、7セグ表示器や液晶表示器等からなる電子ディスプレー105が設けられる。
遊技領域23における回転車輪102の前面側には球転動棚106が設けられる。この球転動棚106は、回転車輪102の回転中心よりも下方に位置し、両端部から中央部へ向けて下傾する円弧状に形成されると共に、中央部が回転車輪102の前面側方向へ若干下傾している。また、球転動棚106の一端は、連絡球路107により前記開閉球入口25と連通している。これにより、球転動棚106は、開閉球入口25へ流入した遊技球を回転車輪102の前面へ誘導すると共に、該遊技球をその中央部から回転車輪102の内部へ進入させてゴンドラ103へ入球させるようになっている。そして、ゴンドラ103は、遊技球を保持すると共に該遊技球を回転車輪102の回転動に従って移送し、普通ゴンドラ103aまたは近道ゴンドラ103bの種類に対応した別々の所定位置にて、該遊技球を回転車輪102の後側に排出する。この排出位置の違いは、遊技球がティーカップ型振分装置200に誘導されるか、または、メリーゴーランド型入賞装置300に誘導されるかに対応している。
前記ティーカップ型振分装置200は、流入した遊技球を遊技領域23の外部へ排出するか、または、メリーゴーランド型入賞装置300へ誘導するようにした振分装置である。このティーカップ型振分装置200は、図14に示したように、観覧車型振分装置100の支持台座101の一側に設けられ、円形の回転台201の外周にティーカップの形を模した球保持器202を等間隔に四個備えている。そして、モータ203の駆動により該回転台201が回動することにより、各球保持器202が回転移動するようになっている。四個の球保持器202の内の一つであるアタリ球保持器202aは、保持した遊技球をメリーゴーランド型入賞装置300へ誘導し、それ以外の三個のハズレ球保持器202b,202b,202bは、遊技球を遊技領域23の外部へ排出するようになっている。
前記メリーゴーランド型入賞装置300は、図19に示したように、その内部に特賞口301が設けられ、流入した遊技球を該特賞口301へ入球させるか、または、遊技領域23の外部へ排出させるようにした入賞装置である。このメリーゴーランド型入賞装置300には、図17に示したように、上部に天井球受皿302を有する回転装飾体303が設けられると共に、その下方に回転円盤304が設けられ、これらがモータ305の駆動により一体的に回動するようになっている。また、回転円盤304には、その外周縁の側面に遊技球を保持し得る球嵌入溝306が等間隔に三個形成されている。このメリーゴーランド型入賞装置300は、流入した遊技球を天井球受皿302が受け止めると共に、該遊技球を回転装飾体303の内部へ進入させて下方の回転円盤304へ誘導するようになっている。そして、回転円盤304の球嵌入溝306に嵌った遊技球は特賞口301へ誘導され、この特賞口301への遊技球の入球を契機として遊技者にとって有利な遊技状態である大当たり状態がもたらされるようになっている。一方、回転円盤304の球嵌入溝306に嵌らなかった遊技球は、遊技領域23の外部へ排出されるようになっている。
前記遊技室27には、その一方の側部に、遊技球を遊技室27内へ誘導するためのワープトンネル32が設けられる。また、遊技室27の内部の底面33は凹凸状に形成されると共に、該底面33の中央には球出口34が開設される。この球出口34は、開閉入賞装置28および大入賞口29の上方に位置していることから、該球出口34から排出された遊技球は該開閉入賞装置28または該大入賞口29に流入し易くなっている。一方、遊技室27の上部の天井面35は、両端部から中央部へ向かって下傾する曲面状に形成され、前記観覧車型振分装置100のゴンドラ103に入球しなかった遊技球を受け止めるようになっている。この天井面35の中央には球排出口36が開設され、該観覧車型振分装置100から該天井面35へ落下した遊技球は遊技領域23の外部へ排出されるようになっている。
次に、前記観覧車型振分装置100について、図2から図13に従って、更に詳しく説明する。
前記支持台座101は、図5および図6に示したように、ベース板108の前面に略円形皿状の台座皿109を取着し、台座皿109の内部には、略平面円環状の前面板110が前側から嵌め込み固定されると共に、台座皿109の前面中央には、回転車輪102を回転自在に軸支するための略円筒形状の筒形車軸111が固設され、一方、ベース板108の後面には、該回転車輪102を回転駆動するためのモータ104が取り付けられて概ね構成される。筒形車軸111の基端側の外周面には、スペーサーリング112が嵌合される。また、筒形車軸111の前端側の外周面にも、同様にスペーサーリング112が嵌合され、さらに、筒形車軸111の前端には、図2から図4に示したように、電子ディスプレー105が取着される。
前記ベース板108は、円形部108aと該円形部108aの周縁から延出した突片部108bとを備える。円形部108aの中央には、電子ディスプレー105へ電気ケーブルを配線するためのケーブル挿通孔113が開設され、該ケーブル挿通孔113の周囲には、筒形車軸111をネジ止め固定するためのネジ孔114,114,…,114が四個開設される。また、ベース板108には、モータ104を取着するための四個のネジ孔115,115,…,115と、台座皿109をネジ止め固定するための二個のネジ孔116,116が其々開設され、さらに、突片部108bの基端寄りには、モータ104の回転軸104aを挿通させる円形の軸孔117が開設されている。
前記台座皿109は、円盤状の底面109aの外周縁に短筒状の周壁109bを前方へ向けて一体形成することにより略円形皿状に形成される。この台座皿109の周壁109bの上部外周面から前記ティーカップ型振分装置200の上部に亘る位置には、一方の流出路としての上部球通路118が設けられる。この上部球通路118の始端口118aは、周壁109bの上部外周面にて前側に広く開口しており、前記ゴンドラ103(普通ゴンドラ103a)から排出された遊技球を受け入れるようになっている。一方、上部球通路118の終端口118bは、ティーカップ型振分装置200の上部にて下向きに開口しており、該ティーカップ型振分装置200に連通されている。すなわち、上部球通路118は、観覧車型振分装置100から排出された遊技球をティーカップ型振分装置200へ誘導するための球通路となっている。なお、上部球通路118の中間部には球センサ119が取着されている。また、図5に示したように、支持台座101とティーカップ型振分装置200との間の位置には、他方の流出路としての側部球通路120が設けられる。この側部球通路120の始端口120aは、台座皿109の前面視右脇部にて前側に開口しており、前記ゴンドラ103(近道ゴンドラ103b)から排出された遊技球を受け入れるようになっている。一方、側部球通路120の終端口120bは、ティーカップ型振分装置200の下方にて下向きに開口しており、メリーゴーランド型入賞装置300に連通されている。すなわち、側部球通路120は、観覧車型振分装置100から排出された遊技球をメリーゴーランド型入賞装置300へ誘導するための球通路となっている。
前記台座皿109の底面109aの中央には、電気ケーブル配線用のケーブル挿通孔121が開設され、該ケーブル挿通孔121の上下位置には、円弧状の一対の位置決めリブ122,122が形成されている。この位置決めリブ122,122は、筒形車軸111の基端側開口の内周面に嵌合するように湾曲している。また、ケーブル挿通孔121の周囲には、該筒形車軸111のネジ止め固定に用いるネジを挿通するためのネジ孔123,123,…,123が四個開設される。一方、該ケーブル挿通孔121の側方には、モータ104の回転軸104aを挿通させる円形の軸孔124が開設され、さらに、台座皿109の底面109aの適宜位置には、ネジ孔が開設されたネジ止めボス125,125,…,125と、先端部にピンが突設された位置決めボス126,126,…,126とが其々複数設けられる。これらネジ止めボス125と位置決めボス126とは、前面板110を台座皿109の内部にネジ止め固定するために使用されるものである。
前記前面板110は、中心孔127を開設することにより略平面環状に形成され、その外周縁は、台座皿109の周壁109bの内周面と合致するように略円形状になっている。中心孔127の内周縁には、モータ104の回転軸104aを挿通させる半円形切欠127aが、該中心孔127と連通状に形成されている。また、中心孔127と半円形切欠127aの周囲における前面板110の適宜位置には、台座皿109のネジ止めボス125および位置決めボス126の各々に合致するようにネジ孔128,128,…,128および位置決め孔129,129,…,129が複数開設される。さらに、前面板110の前面には、コ字形の位置検出器130が取着される。この位置検出器130は、相対位置する投光部130aと受光部130bを有し、該投光部130aの光を該受光部130bが検知することにより、回転車輪102の回転位置を検出するようになっている。
前記筒形車軸111は、略円筒形の部材であって、その基端側を台座皿109の位置決めリブ122,122に嵌合することにより、該台座皿109の底面109aの中心に垂直に立設される。そして、この筒形車軸111の周囲に前記回転車輪102が回転自在に軸支されるようになっている。筒形車軸111の内周面には、車軸に並行に基端側から前端側へ伸びる円柱部131,131,…,131が、所定間隔を離して四個形成され、各円柱部131には、その軸方向に沿ってネジ孔132が其々開設されている。
前記モータ104は、前面側に矩形状の取付基板133が固設され、該取付基板133の四隅にはネジ孔134,134,…,134が開設される。モータ104の回転軸104aは、取付基板133の前面側に突出され、その先端部には駆動歯車135が固着される。モータ104の回転動は、この駆動歯車135により回転車輪102に伝達される。
前記回転車輪102は、図8に示したように、大型円盤状の回転盤136と、その前面側に所定間隔を設けて並行に配設される回転円板としての前円形板137とを有し、これら回転盤136と前円形板137との外周縁部に挟まれるようにして、十二基のゴンドラ103が等間隔で揺動自在に吊下されている。さらに、前円形板137の前面には、略円環状の球受棚リング138が固着され、一方、回転盤136の後面側には、略平面環状の後円形板139とドーナツ形状の後円環皿140が取着されている。上述した前円形板137、回転盤136、後円形板139、後円環皿140の各々の中心には、挿通孔137a、挿通孔136a、挿通孔139a、挿通孔140aが其々開設され、図7に示したように、これら挿通孔が同軸状に並んで回転車輪102の中心軸孔102aを形成している。また、中心軸孔102aの内周面には、該内周面に沿うようにして、四個のローラーベアリング141,141,…,141が等間隔で設けられる。そして、該中心軸孔102aに前記支持台座101の筒形車軸111を挿入することにより、回転車輪102がローラーベアリング141,141,…,141を介して筒形車軸111に回転自在に軸支されるようになっている。
前記回転盤136は、図8および図9に示したように、挿通孔136aの周縁部に前方へ突出する短筒部142が設けられ、該短筒部142の外側には円環形状の段部143が形成される。この段部143には、ローラーベアリング141の軸芯181が挿通される軸芯孔144が四個開設されている。一方、回転盤136の外周縁部には、ゴンドラ103を軸支するための軸受孔145が円形状に等間隔に並んで十二個開設される。加えて、軸受孔145の一側には、遊技球を挿通し得る寸法の通球孔146が各軸受孔145に対して一つずつ開設されている。これら通球孔146には、軸受孔145に対し回転盤136の中心方向側(回転盤136の径方向の内側)に開設された径側通球孔146aと、軸受孔145に対し回転盤136の回転方向側(回転盤136の周方向の一側)に開設された周側通球孔146bとの二種類がある。これら径側通球孔146aと周側通球孔146bとは、円形状に並んだ軸受孔145,145,…,145の各々について、どちらか一方が交互に設けられている。すなわち、径側通球孔146aは軸受孔145,145,…,145の並びに従って一つ置きに開設されており、同様に、周側通球孔146bも軸受孔145,145,…,145の並びに従って一つ置きに開設されている。そして、径側通球孔146aは、ゴンドラ103(普通ゴンドラ103a)内の遊技球を前記上部球通路118の始端口118aへ排出するようになっており、一方、周側通球孔146bは、ゴンドラ103(近道ゴンドラ103b)内の遊技球を前記側部球通路120の始端口120aへ排出するようになっている。
前記回転盤136の前面におけるゴンドラ103の配設位置よりも内側には、略円環状の円形リブ147が設けられる。この円形リブ147の外周には、十二個の突起状リブ148,148,…,148が、外側方向へ短く延びるように形成されている。一方、回転盤136の後面の適宜位置には、図7に示したように、該回転盤136の剛性を高めるための補強リブ149が形成されている。
前記前円形板137は、図8および図10に示したように、回転盤136よりも小径の略円形状をしており、その前面の外周側には、所定幅の円環形状をした環状面150が設けられると共に、該環状面150の内側には、後方へ所定高さで窪むように形成した円形面151が設けられている。この円形面151の中心に開設された挿通孔137aの周縁には、前方へ突出する短筒部152が設けられ、その外周には、ローラーベアリング141の前側の円筒コロ182を収容するためのコロ室153が四個形成される。一方、環状面150の外周縁には、半円形突片154が十二個形成され、その後面には後方へ向けて軸ピン154aが突設される。各半円形突片154は、前記回転盤136に開設された軸受孔145に其々正対位置しており、軸ピン154aがゴンドラ103の前軸受孔170に挿通され、該ゴンドラ103の後軸171が回転盤136の軸受孔145に挿通されることにより、ゴンドラ103が揺動自在に軸支されるようになっている。また、環状面150の内周縁部には、前記球受棚リング138の固定用のネジ孔付きボス155が等間隔に六個設けられると共に、環状面150および円形面151の前面の適宜位置には、装飾リブ156が所定のパターンで形成されている。
前記円形面151の外周縁部には、図10に示したように、振分口としての球入口157が円形状に等間隔に並んで十二個開設される。この球入口157は、前記球転動棚106から観覧車型振分装置100へ流入してきた遊技球を該観覧車型振分装置100の内部へ進入させると共に、ゴンドラ103へ入球させるための通球孔となっている。球入口157には、流入してきた遊技球を普通ゴンドラ103aを介してティーカップ型振分装置200に振り分ける普通球入口157aと、流入してきた遊技球を近道ゴンドラ103bを介してメリーゴーランド型入賞装置300に振り分ける近道球入口157bとが其々六個ずつあり、これらは交互に開設されている。そして、近道球入口157bと普通球入口157aとの間には、前面支持壁158aおよび落球口壁158bが形成されている。前面支持壁158aは、後述する球受棚163の内側の中間部に形成され、該球受棚163に載った遊技球の側部を支持するようになっている。一方、落球口壁158bは、後述する落球口164の内側に形成され、各落球口壁158bには、円形面151の前方へ突出するようにして仕切り突起159が設けられる。この仕切り突起159は、隣接する普通球入口157aと近道球入口157bとを一組としてこれらを六組に区分けするためのものであって、各近道球入口157bの一側に一片ずつ、合計して六片が設けられている。
普通球入口157aに遊技球が入球すると、該遊技球は、普通ゴンドラ103aに受け入れられると共に回転車輪102の回転動により移送され、該普通ゴンドラ103aが観覧車型振分装置100の上部に到達したときに径側通球孔146aから排出され、上部球通路118に流入するようになっている。すなわち、普通球入口157aに入球した遊技球は、ティーカップ型振分装置200へ振り分けられるようになっている。一方、近道球入口157bに遊技球が入球すると、該遊技球は、近道ゴンドラ103bに受け入れられると共に回転車輪102の回転動により移送され、該近道ゴンドラ103bが観覧車型振分装置100の前面視右側部に到達したときに周側通球孔146bから排出され、側部球通路120に流入するようになっている。すなわち、近道球入口157bに入球した遊技球は、メリーゴーランド型入賞装置300へ振り分けられるようになっている。なお、球入口157に入球してもゴンドラ103に受け入れられなかった遊技球は、観覧車型振分装置100の下方に落下するようになっている。
前記前円形板137の後面には、図7に示したように、断面視で略T字形状の球案内リブ160が後方へ突出するように十二個設けられる。各球案内リブ160は、球入口157に一つずつ対応しており、その上部面160aが球入口157の周縁における前円形板137の外周側に位置するようになっている。そして、隣接する球案内リブ160,160の間には、遊技球が通過し得る間隔幅の球落下口161が形成されている。この球落下口161は、ゴンドラ103が回転車輪102の下部に到達したときに該ゴンドラ103の真上に位置するようになっている。すなわち、球落下口161は、ゴンドラ103の天壁部165aに開設した流入口としての入球孔165bと相対するように設けられている。これにより、球落下口161からゴンドラ103へ向かって落下した遊技球が該ゴンドラ103へ入球し得るようにしている。また、球案内リブ160の上部面160aの一側縁には、球止め片160bが突設されている。これにより、球入口157へ入球して球案内リブ160の上部面160aに乗った遊技球は、球止め片160b側の球落下口161から落下することが阻止されると共に、その反対側の球落下口161からゴンドラ103へ向けて落下するようになっている。
前記球受棚リング138は、その外周面に突設された六個のネジ孔付き突片162,162,…,162を前記前円形板137のネジ孔付きボス155,155,…,155に合致させてネジ止めすることで、前円形板137の前面に固設される。球受棚リング138の前側縁には一定の間隔で切欠が形成されており、これにより、前円形板137の前面には、図2に示したように、環状面150の内周縁に沿って湾曲すると共に該環状面150よりも前方に所定幅で迫り出た円弧状の球受棚163と、その底面が環状面150と面一となるように切り欠かれた落球口164とが交互に形成される。これら球受棚163と落球口164とは、前記仕切り突起159,159の間に其々一つずつ配置される。また、球受棚163は、回転車輪102の回転動によりその回転移動経路の最下部付近を通過するときに、図1に示したように、前記球転動棚106の上面より若干低く位置するようになっている。すなわち、球受棚163は、球転動棚106から落下した遊技球を受け止めることができるように設けられている。
さらに、各球受棚163の内周面側における前円形板137には、前記近道球入口157bおよび前記普通球入口157aが開設されている。つまり、図11に示したように、球受棚163の内周面であって前円形板137の回転方向前端部に一方の球入口157である近道球入口157bが設けられ、また、球受棚163の内周面における前円形板137の回転方向後端部に他方の球入口157である普通球入口157aが設けられている。そして、球受棚163は、これら近道球入口157bと普通球入口157aの開設位置関係により、近道誘導部163bと普通誘導部163aとに区分けされる。すなわち、近道誘導部163bは、図11にAで示したように、近道球入口157bの開設位置の正面に位置して該近道球入口157bの開口幅と等しい長さの領域であって、一方、普通誘導部163aは、図11にBで示したように、近道誘導部163b以外の領域であって、言い換えると、近道誘導部163b(近道球入口157b)よりも前円形板137の回転方向に対して後方側全体の領域である。この領域は普通球入口157aの開設位置の正面を含んでいる。
球入口157に遊技球が入球するに際しては、前円形板137が時計回りに回転することから、近道球入口157bには球受棚163の近道誘導部163bに乗載した遊技球のみが入球し得る。一方、普通球入口157aには、該球受棚163の普通誘導部163aに乗載した遊技球が回転車輪102の回転動に伴って普通誘導部163aの終端側へ誘導されて入球し得るようになっている。このように、遊技球が近道球入口157bまたは普通球入口157aのいずれに入球するかは、該遊技球が近道誘導部163bまたは普通誘導部163aのいずれに乗載するかにより決定される。従って、遊技球が近道球入口157bまたは普通球入口157aのいずれに振り分けられるかの振分割合、言い換えると、観覧車型振分装置100に流入した遊技球がティーカップ型振分装置200またはメリーゴーランド型入賞装置300のいずれに振り分けられるかの振分割合は、球受棚163の近道誘導部163bの円周方向長Aと該球受棚163の普通誘導部163aの円周方向長Bとの割合により設定されていることになる。第一実施形態においては、近道誘導部163bの円周方向長Aと普通誘導部163aの円周方向長Bとの割合は1対4になっており、従って、球転動棚106から落下した遊技球が球受棚163に載った場合、該遊技球は、5分の1の確率でメリーゴーランド型入賞装置300へ振り分けられ、5分の4の確率でティーカップ型振分装置200へ振り分けられるようになっている。
なお、遊技球が球受棚163の円周方向に運動しながら該球受棚163に落下した場合には、該遊技球が近道誘導部163bに載ったとしても普通球入口157a側に移動して該普通球入口157aに入球してしまったり、逆に、遊技球が普通誘導部163aに載ったとしても近道球入口157b側に移動して該近道球入口157bに入球してしまうこともあり得る。さらには、遊技球がいずれの球入口157にも入球することなく落球口164から落下してしまうこともあり得る。しかしながら、誘導部との対応関係が異なる球入口157への遊技球の入球は互いに同様に発生し、また、遊技球が落球口164に落下してしまうことも両球入口157に対して同様に発生する。従って、多数の遊技球を普通球入口157aまたは近道球入口157bに入球させた場合における全体としての振分割合は、上述したように近道誘導部163bの円周方向長Aと普通誘導部163aの円周方向長Bとの割合によって決定されることに変わりはない。
前記ゴンドラ103は、図12に示したように、その上部にコ字形の天壁部165aが立設され、該天壁部165aの内側に遊技球を一球挿通し得る寸法の流入口としての入球孔165bが開設される。ゴンドラ103の内部には遊技球を保持し得る球収容室166が形成されると共に後面側へ向かって下傾する誘導レール167が設けられる。また、後面には、球収容室166内の遊技球を排出するための排出孔168が開設されている。加えて、ゴンドラ103の前面には透視窓としての窓孔169が開設され、球収容室166に保持された遊技球を前側から視認できるようになっている。さらに、ゴンドラ103の前面であって窓孔169の上方には、前軸受孔170が開設され、また、ゴンドラ103の後面であって排出孔168の上方には、後方へ若干突出する円柱状の後軸171が設けられる。そして、前軸受孔170に前記前円形板137の半円形突片154の後面に設けられた軸ピン154aを挿入させると共に、後軸171を前記回転盤136の軸受孔145に軸支させることにより、ゴンドラ103は、回転盤136と前円形板137との間に自重で揺動自在に吊下される。これにより、ゴンドラ103の入球孔165bは常に上方を向くようになっている。上述したように、ゴンドラ103には、普通ゴンドラ103aと近道ゴンドラ103bとの二種類があり、普通ゴンドラ103aが、回転盤136の径側通球孔146aに対応して設けられると共に、近道ゴンドラ103bが、回転盤136の周側通球孔146bに対応して設けられている。なお、本実施形態では、透視窓として通孔状の窓孔169を開設した構成を示したが、これに限らない。透視窓としては、例えば、ゴンドラ103の前面を透明な樹脂で形成することにより球収容室166に保持された遊技球が前側から視認し得るようにしてもよい。また、ゴンドラ103自体を透明な樹脂にて形成することにより球収容室166に保持された遊技球を前側から視認し得るようにすることもできる。
前記ゴンドラ103の上部に開設された入球孔165bは、該ゴンドラ103が回転車輪102の回動によって遊技盤3に並行な平面内を円形状に移動するその回転移動経路の最下部において、前記球案内リブ160,160間の球落下口161の直下に位置し、該球落下口161と相対するようになっている。すなわち、ゴンドラ103の入球孔165bは、該球落下口161から落下した遊技球を受け入れ可能に開設されている。従って、前記前円形板137の球入口157へ入球した遊技球は、球案内リブ160の上部面160aを転動したのちに球落下口161から落下してゴンドラ103の入球孔165bへ入球するようになっている。そして、ゴンドラ103は、入球した遊技球を球収容室166に保持すると共に、回転車輪102の回転に伴って回転移動することで該遊技球を移送するようになっている。
前記普通ゴンドラ103aの後面に開設された排出孔168は、該普通ゴンドラ103aが回転車輪102の上部付近に位置すると、回転盤136の径側通球孔146aと重なって連通するようになっている。これにより、普通ゴンドラ103aに保持された遊技球は、該径側通球孔146aを介して回転盤136の後側に排出されると共に上部球通路118の始端口118aから該上部球通路118に流入し、ティーカップ型振分装置200へ誘導される。一方、前記近道ゴンドラ103bの後面に開設された排出孔168は、該近道ゴンドラ103bが回転車輪102を前面から見た右側部に位置すると、回転盤136の周側通球孔146bと重なって連通するようになっている。これにより、近道ゴンドラ103bに保持された遊技球は、該周側通球孔146bを介して回転盤136の後側に排出されると共に、側部球通路120の始端口120aから該側部球通路120に流入し、メリーゴーランド型入賞装置300へ誘導される。
前記後円形板139は、図8に示したように、回転盤136よりも小径の略平面環状の部材であって、該回転盤136の後面に取着される。後円形板139の中心に開設された挿通孔139aの内周縁には、ローラーベアリング141の後側の円筒コロ182に対応する四個の円弧切欠172が形成される。また、後円形板139の前面には、前側へ突出する湾曲リブ173が、隣接する円弧切欠172,172との間に位置して挿通孔139aの内周縁の円弧に沿うように設けられる。この湾曲リブ173の中央部は、内側へ向けて略半円形状の窪みが形成されると共に、ネジ孔139bが開設されている。
前記後円環皿140は、図8に示したように、支持台座101の台座皿109よりも小径の円環板174の外周縁に、短筒状の外リブ175を後方へ突出するように周設してドーナツ形状に形成される。この後円環皿140は、後円形板139の後面に固着されると共に、台座皿109の内側に収容されるようになっている。円環板174の前面には、軸芯ボス176が適宜位置に四個設けられ、各軸芯ボス176には、ローラーベアリング141の軸芯181の後端を軸支する軸芯孔177が開設されている。円環板174の中央に開設された挿通孔140aの内周縁には、図13に示したように、短筒状の従動歯車178が後方へ突出するように設けられる。この従動歯車178は、前記モータ104の回転軸104aに固着された駆動歯車135と歯合し、これにより、該モータ104の回転が駆動歯車135を通じて従動歯車178に伝達され、回転車輪102が時計回りに一定の速度で回転するようになっている。また、円環板174の後面であって外リブ175と従動歯車178との間の位置には、短筒状の中リブ179が後方へ突出するように設けられる。この中リブ179には、短冊状のスリット180が形成されている。そして、中リブ179は、前記支持台座101に設けられた位置検出器130の投光部130aと受光部130bとの間に挿入される。これにより、スリット180が投光部130aと受光部130bとの間に位置したときにのみ該投光部130aの発光が受光部130bに検知されるようになり、回転車輪102の回転位置を検出できるようになっている。
前記ローラーベアリング141は、図8に示したように、所定長さの棒状の軸芯181の前端部と後端部との其々に、円筒コロ182を回転自在に取着して形成される。各ローラーベアリング141の軸芯181は、回転盤136に開設された軸芯孔144に其々挿通されると共に、その前端が前円形板137のコロ室153内の軸芯孔(図示せず)に軸支され、また、その後端が後円環皿140の軸芯孔177に軸支される。これにより、円筒コロ182は、回転盤136の前面側に四個配設され、また、回転盤136の後面側に四個配設される。このとき、各円筒コロ182の外周面の一部は、回転車輪102の中心軸孔102aの内周から内側へ若干迫り出している。そして、中心軸孔102aに筒形車軸111を挿通させると、各円筒コロ182の外周面が筒形車軸111の外周面に当接し、回転車輪102が滑らかに回転可能に軸支されるようになっている。
なお、前円形板137と回転盤136と後円形板139と後円環皿140とは、ネジ締めにより一体的に固着される。すなわち、回転盤136は挿通孔136aの周囲に四個のネジ孔136bを有し、後円形板139には上述したように四個のネジ孔139bが開設されており、同様に、後円環皿140の挿通孔140aの周囲には四個のネジ孔140bが開設されている。また、前円形板137の後面にも四個のネジ孔(図示せず)が設けられている。そして、これらのネジ孔を回転車輪102の軸方向に整列させると共に、貫通状に挿入したネジを締めることにより回転車輪102を一体的に固着している。
次に、前記ティーカップ型振分装置200について、図2、図4、図5、および、図14から図16に従って、更に詳しく説明する。ティーカップ型振分装置200は、図15に示したように、遊技領域23に固設される台座枠204に後面側から前面側へ貫通する回転中心軸205が挿通され、台座枠204の後面には、筒台206を介して回転中心軸205の回転駆動用のモータ203が取着される。一方、台座枠204の前面には、回転中心軸205に固着される円形の回転台201と、回転台201の前面にその周方向に沿って四個配設される球保持器202と、球保持器202を覆うように設けられる前蓋207とを備える回転振分体208が回転自在に設けられる。また、略十字形状をした仕切り板209が、球保持器202,202,…,202の間に嵌るように設けられると共に、前蓋207の前面の中心には、ティーポットの形を模した装飾部材210が取着される。そして、図2に示したように、回転振分体208の下部および右側部を覆うように外郭カバー211が設けられて、ティーカップ型振分装置200は概ね構成されている。また、ティーカップ型振分装置200は、その回転中心軸205を遊技機の前面側へ若干傾斜させて設けられており、これにより、回転台201の回転面が傾斜起立状になっている。
前記台座枠204は、略円形状の底面212の外周縁に略筒状の周壁213を前向きに突設して形成される。そして、周壁213で取り囲むようにして形成された円筒室214に回転振分体208が収容されるようになっている。周壁213の外周面には、ティーカップ型振分装置200への入球口としての入球斜面215が形成され、この入球斜面215は観覧車型振分装置100の上部球通路118の終端口118bと連通している。そして、この入球斜面215が設けられた位置が、台座枠204の上部側となっている。また、周壁213の外周面であって円筒室214を前面側から見た右斜め下寄り位置には、一方の流出路としての連絡通路216が設けられ、該連絡通路216は遊技球をメリーゴーランド型入賞装置300へ誘導するようになっている。さらに、円筒室214の下部には他方の流出路としてのハズレ球通路217が設けられ、該ハズレ球通路217は遊技球を遊技領域23の外部へ排出するようになっている。そして、この連絡通路216の始端部がティーカップ型振分装置200の一方の出球口216aとなっており、また、ハズレ球通路217の始端部がティーカップ型振分装置200の他方の出球口217aとなっている。このため、前記入球斜面215並びに出球口216a及び出球口217aは、前記回転台201の回転方向に従って入球斜面215、出球口216a、出球口217aの順序で該回転台201の周囲に球保持器202の開口部と相対するように設けられていることになる。
円筒室214の底面212の中心には、円柱台218が前方へ突出するように形成されると共に、この円柱台218の前面には固定歯車219が固着される。また、これら円柱台218と固定歯車219とには挿通孔220が貫通状に開設され、この挿通孔220に回転中心軸205が遊挿されるようになっている。なお、周壁213は、入球斜面215と連絡通路216との間の壁高が、該入球斜面215とハズレ球通路217との間の壁高よりも高くなっている。
前記回転中心軸205は、平面状の円形基板221の前面に回転軸芯222を略垂直に立設すると共に、後面に従動歯車223を固着して形成される。回転軸芯222は、その基端側から順に大径部222aと中径部222bと小径部222cとが形成され、小径部222cは、台座枠204の前面側へ突出すると共に前蓋207へ到達する長さになっている。また、小径部222cの先端から中央付近の外周面の一部は、平面状に切り欠かれて平坦部222dが形成されている。
前記筒台206は、回転中心軸205の周囲を囲むように略円筒状に形成された部材であって、台座枠204の後面に取着される。この筒台206は、円開口224aが開設された底面224と、その外周縁から前側へ立設された周壁225を有し、周壁225の外周面には、ハズレ球通路217の位置に対応して窪み部225aが形成されている。
前記モータ203は、その回転軸226が前面側へ突出されると共に、該回転軸226の先端部には駆動歯車227が固着されている。また、側面の前端縁には、相対位置して外向き突出した一対の取付片228,228が固着され、各取付片228にはネジ孔229が開設される。そして、駆動歯車227を前記筒台206の円開口224aへ挿通すると共に、各ネジ孔229を介して筒台206の底面224へネジを締めることにより、モータ203は、筒台206の後側に固着される。これにより、駆動歯車227と従動歯車223とが歯合し、モータ203の回転動が回転中心軸205に伝達され、回転振分体208が時計回りに所定の速度で回転するようになっている。
前記回転台201は、平面円形状の円盤台230の前面中央に軸柱231を略垂直に立設し、円盤台230の後面には、図16に示したように、外周縁より若干内側の位置から後方へ突出する円筒リブ状の円形壁232を形成すると共に、円形壁232の後端縁に円盤形状の下蓋板233を取着して大略構成される。
前記円盤台230は、台座枠204の周壁213の内周面より若干小径の円形状に形成される。この円盤台230には、その周方向に沿って等間隔に配設される四個の球保持器202に対応して円形状の受軸孔234が開設される。これら受軸孔234には、アタリ球保持器202aに対応する受軸孔234aと、ハズレ球保持器202bに対応する受軸孔234b,234b,234bとがある。そして、受軸孔234bの各々の一側には、円盤台230の中心側に位置して回転自在の中間歯車235,235,235が設けられる。これら中間歯車235は、台座枠204の底面33に固着された固定歯車219に歯合するようになっている。また、円盤台230の中心には、回転軸芯222の小径部222cが挿入される軸固定孔236が開設される。この軸固定孔236は、軸柱231の基端部から先端部まで貫通状に穿設されていると共に、内周面の一部が平らに面取りされている。また、円盤台230の後面には、後側へ突出する四個のネジ止めボス237,237,…,237が、円形壁232の内周側であって受軸孔234,234同士の間に位置するように設けられている。
前記下蓋板233は、円盤台230の円形壁232と略同径の円盤形状に形成され、その中央には台座枠204の固定歯車219が挿通される中心孔238が開設される。また、下蓋板233の後面には、アタリ球保持器202aに対応する固定孔ボス239と、ハズレ球保持器202bに対応する回動孔ボス240,240,240とが設けられる。固定孔ボス239は、その内周面の一部が平らに面取りされている。さらに、下蓋板233には、円盤台230後面の各ネジ止めボス237に正対位置するネジ止め孔241が開設されている。下蓋板233は、これらネジ止め孔241に挿入したネジをネジ止めボス237に締ることにより、円形壁232の後端縁に固着される。
前記球保持器202は、小径円盤状の皿台242の上面に球受カップ243を設けて概ね構成される。まず、アタリ球保持器202aから説明すると、皿台242(242a)は、円形小皿状の皿部244の後面中央に短円柱状の軸ボス245を突設して形成され、該軸ボス245の中央には、皿部244の上面まで貫通する軸固定孔246が穿設されている。また、球受カップ243(243a)は、椀状の球受部247の側面に開口部としての球出入口247aを開設すると共に、下方へ延びる固定軸248を外周面中央に突設して形成されている。そして、アタリ球保持器202aは、球受カップ243aの固定軸248を皿台242aの軸固定孔246へ挿通し、該球受カップ243aと該皿台242aとを固着して形成されている。
アタリ球保持器202aは、皿台242aの軸ボス245を回転台201の受軸孔234aに嵌合すると共に、固定軸248の下端を下蓋板233の固定孔ボス239に嵌入して該回転台201の上面に回転不能に固設される。このとき、球受カップ243aは、球受部247の球出入口247aが回転台201の外側を向くように設けられる。これにより、球受カップ243aは、その回転移動において台座枠204の上部側に位置すると、球受部247の球出入口247aが入球斜面215と連通し、上部球通路118の終端口118bから遊技球を受け入れるようになっている。さらに球受部247の球出入口247aは、台座枠204の右斜め下寄り位置にて連絡通路216の始端開口と連通し、保持している遊技球を該連絡通路216へ流入させるようになっている。すなわち、アタリ球保持器202aは、ティーカップ型振分装置200へ流入した遊技球をメリーゴーランド型入賞装置300へ振り分けるようになっている。
次に、ハズレ球保持器202bを説明すると、皿台242(242b)は、円形小皿状の皿部249の後面中央に短円柱状の軸ボス250を突設すると共に、該軸ボス250の後面に回動歯車251を取着して形成される。そして、皿部249と軸ボス250と回動歯車251との中心を貫通するようにして軸固定孔252が穿設されている。また、球受カップ243(243b)は、椀状の球受部253の側面に開口部としての球出入口253aを開設すると共に、下方へ延びる回動軸254を外周面中央に突設して形成されている。そして、ハズレ球保持器202bは、球受カップ243bの回動軸254を皿台242bの軸固定孔252へ挿通し、該球受カップ243bと該皿台242bとを固着して形成されている。
ハズレ球保持器202bは、皿台242bの回動歯車251および軸ボス250を回転台201の受軸孔234bに遊嵌すると共に、回動軸254の下端を下蓋板233の回動孔ボス240に遊嵌して該回転台201の上面に回転自在に設けられる。このとき、回動歯車251は回転台201の中間歯車235に歯合する。すなわち、台座枠204の固定歯車219に中間歯車235が歯合し、さらに、該中間歯車235に回動歯車251が歯合した状態となる。これにより、回転台201が時計回りに回動すると、それに伴って中間歯車235が時計回りに回転し、さらに、中間歯車235の回転により回動歯車251が反時計回りに回転する。すなわち、ハズレ球保持器202bは、回転台201が時計回りに回動すると、反時計回りに自転するようになっている。
また、固定歯車219と中間歯車235と回動歯車251との歯数を適切に調整することにより、ハズレ球保持器202bは、回転台201が時計回りに一回転する間に、反時計回りに三回転するようになっている。そして、台座枠204の上部側に位置すると球受部253の球出入口253aが回転台201の外側を向いて入球斜面215と連通し、また、台座枠204の右斜め下寄り位置においては球出入口253aが回転台201の内側を向くようになっており、さらに、台座枠204の下部位置では、球出入口253aが再び回転台201の外側を向いてハズレ球通路217と連通するようになっている。これにより、球受カップ243bは、その回転移動において、該球受カップ243b本体が反時計回りに回転しつつ、上部球通路118の終端口118bから遊技球を受け入れると共に、保持した遊技球をハズレ球通路217へ排出するようになっている。すなわち、ハズレ球保持器202bは、ティーカップ型振分装置200へ流入した遊技球を遊技領域23の外部へ排出するようになっている。
上述したように、回転台201(回転振分体208)は、モータ203の駆動により時計回りに一定の速度で回動される。また、該回転台201には、一個のアタリ球保持器202aと三個のハズレ球保持器202bとが回転台201の周方向に沿って等間隔に配設されている。従って、入球斜面215からの遊技球が各球保持器202へ入球する確率は、該球保持器202の種別に依らず一定である。これにより、遊技球が連絡通路216の出球口216aまたはハズレ球通路217の出球口217aのいずれに振り分けられるかの振分割合は、アタリ球保持器202aの個数とハズレ球保持器202bの個数との比率により設定されていることになる。第一実施形態においては、ハズレ球保持器202bの総数三個に対し、アタリ球保持器202aが一個設けられていることから、ティーカップ型振分装置200に流入した遊技球は、4分の1の確率でメリーゴーランド型入賞装置300へ振り分けられ、4分の3の確率で遊技領域23の外部へ排出されるようになっている。これにより、遊技球が観覧車型振分装置100からティーカップ型振分装置200を経由してメリーゴーランド型入賞装置300へ振り分けられる確率は、観覧車型振分装置100がティーカップ型振分装置200へ遊技球を振り分ける確率である5分の4と、ティーカップ型振分装置200がメリーゴーランド型入賞装置300へ遊技球を振り分ける確率である4分の1とを乗積した5分の1となっている。すなわち、遊技球が観覧車型振分装置100から側部球通路120を介してメリーゴーランド型入賞装置300へ直接振り分けられる確率である5分の1と等しく設定されている。
前記仕切り板209は、円形平板の外周縁に円弧窪み255を等間隔に四箇所設けることにより、略十字形状に形成される。この仕切り板209は、軸柱231の先端部に取着され、各円弧窪み255が球保持器202の側面に相対位置するようになっている。これにより、仕切り板209の円弧窪み255は、ハズレ球保持器202bの球受部253の球出入口253aが回転台201の内側を向いたときに、該球出入口253aを塞ぐようになっている。また、仕切り板209の中央には軸固定孔256が開設されている。
前記前蓋207は、円形曲面状の天面257の外周縁に、後方へ突出する円弧状の側壁258が等間隔に四個設けられている。また、隣接する側壁258,258間は開口259となっている。そして、前蓋207は天面257の中央に開設した軸固定孔260に回転中心軸205の回転軸芯222を挿入することにより、球保持器202の上部を覆うように設けられる。また、各開口259からは、球保持器202の側面の一部が若干迫り出すようになっている。さらに、前蓋207の天面257の前面中央、すなわち、回転中心軸205の回転軸芯222の先端には、ティーポットの形を模した装飾部材210が取着される。この装飾部材210の注ぎ口部210aは、アタリ球保持器202aの方向を向いている。
次に、前記メリーゴーランド型入賞装置300について、図17から図19に従って、更に詳しく説明する。前記メリーゴーランド型入賞装置300は、遊技領域23に略水平に固設される台座部材307の下面にモータ305が取着されると共に、該モータ305により回動される回動中心軸308が台座部材307を貫通して上方へ突出され、この回動中心軸308に、天井球受皿302を備える回転装飾体303と、回転円盤304とが設けられて概ね構成される。また、回転装飾体303の内部には、台座部材307に固定支持される中心筒309が、回転円盤304と天井球受皿302との間に位置するようにして配設される。
前記台座部材307は、上部に球受台310を備える。この球受台310は、円形底部311の前面側に前方へ突出するトレイ部312を設けると共に、これらの外周縁に側壁313を立設して皿状に形成される。トレイ部312の前端縁は側壁313を取り除いて開口され、また、その底面は円形底部311へ向かって若干下傾されている。これにより、トレイ部312に乗った遊技球は円形底部311へ誘導されるようになっている。また、球受台310の底部であって、メリーゴーランド型入賞装置300を前面側から見て左側の位置には、図19に示したように、遊技球の入球により大当たり状態を生起させる契機となる特賞口301と、遊技球を遊技盤3の後側へ排出するためのハズレ口314とが其々開設される。特賞口301は、球受台310の左側部の若干後方であって、ハズレ口314よりも後側に設けられ、その大部分が回転円盤304の外周縁よりも内側に位置している。すなわち、特賞口301の開口部は、回転円盤304の下面により覆われるようになっている。そして、特賞口301は、台座部材307の内部に形成された特賞球通路(図示せず)に連通している。一方、ハズレ口314は、球受台310の左側部を若干外方へ膨出させた部位に設けられ、これにより、回転円盤304の外周縁よりも外側に位置している。そして、ハズレ口314は、台座部材307の内部に形成されたハズレ球通路315に連通している。
前記回転装飾体303は、略円形皿状の天井球受皿302の下面に下方へ向けて円筒状の筒壁316を垂設すると共に、該筒壁316の外周面に沿って複数の木馬形の人形317,317,…,317を等間隔に配設して概ね構成される。これらの人形317は、天井球受皿302の下面から垂下状に設けた吊下棒318,318,…,318の下端に取着されている。そして、回転装飾体303は、天井球受皿302の中心に回動中心軸308を挿通することにより回転円盤304の上方に支持され、モータ305の作動により時計回りに回動するようになっている。
前記天井球受皿302は、その上面に、下向きの凹曲面状に窪んだ球受面319が形成され、その中心からは、回動中心軸308の先端部が所定長さで突出している。また、球受面319には、三個の球入孔320,320,320が回動中心軸308の周囲に沿って等間隔に開設される。そして、隣接する球入孔320,320の間には、三角形状の仕切板321が球受面319の上面と回動中心軸308の外面とに接するように設けられている。一方、球受面319の外周縁には、外側斜め上方向に向かって伸びる所定高さの外周壁322と、下方へ垂下状に伸びる装飾壁323とが其々設けられる。そして、この天井球受皿302の球受面319の上方には、観覧車型振分装置100の側部球通路120の終端口120bと、ティーカップ型振分装置200の連絡通路216の終端開口とが臨んでいる。すなわち、天井球受皿302の球受面319は、観覧車型振分装置100およびティーカップ型振分装置200からメリーゴーランド型入賞装置300へ振り分けられた遊技球を受け止めると共に、該遊技球を球入孔320を介して中心筒309の内部に流入させるようになっている。
前記中心筒309は、中空円筒形の部材であって、その外側面の下部には、対向位置して外方へ伸びる支持腕部324,324が突設される。そして、これら支持腕部324,324を球受台310の側壁313の上端縁に載置して固定することにより、該中心筒309は、天井球受皿302の球入孔320,320,320の下方であって、回転円盤304の上方に位置するように固設される。中心筒309の内部には、その内側面から内方へ突出するようにして螺旋斜路325が形成され、また、中心筒309の外側面の前面側には球排出口326が開設される。これにより、天井球受皿302の球入孔320を介して中心筒309の内部へ流入した遊技球は、螺旋斜路325の誘導により該中心筒309内を回転しつつ流下し、球排出口326から回転円盤304の上面327へ排出されるようになっている。
前記回転円盤304は、その中心孔328に回動中心軸308を挿通することにより、球受台310の円形底部311上に回転自在に支持される。そして、モータ305の回転駆動により、時計回りに回動されるようになっている。回転円盤304の上面327は、上方へ若干膨らんだ凸曲面状に形成される。これにより、該上面327に乗った遊技球は回転円盤304の外周縁へ向かって転動し、側壁313に衝突するなどしてから、球受台310のトレイ部312に落下するようになっている。回転円盤304の外周縁には、その側面を略半球状に窪ませて形成した球嵌入溝306が等間隔に三個設けられる。また、各球嵌入溝306の開口部の両端には、側面に対し略垂直に外方へ突出する障壁リブ329,329が形成される。この球嵌入溝306は、遊技球が一球保持される寸法であり、回転円盤304の回動により球受台310の左側部の若干後方に位置すると、特賞口301と連通するようになっている。すなわち、球嵌入溝306に保持された遊技球は、特賞口301へ誘導されるようになっている。一方、球嵌入溝306に保持されなかった遊技球は、回転円盤304の側面に当接すると共に、該回転円盤304の回動により障壁リブ329に押されるようにして球受台310の左側方向へ誘導され、ハズレ口314へ流入するようになっている。
本発明は、上述した構成からなり、観覧車型振分装置100の回転車輪102と、ティーカップ型振分装置200の回転振分体208と、メリーゴーランド型入賞装置300の回転装飾体303とは、其々モータ104,モータ203,モータ305の駆動により、遊技中に其々一定速度で時計回りに回動される。そして、遊技者が打球力調整ハンドル11を手で回動させると、球受皿10から打球発射装置へ遊技球が一球ずつ誘導されると共に、打球力調整ハンドル11の回転量に応じた強度で打球発射装置が遊技球を発射する。発射された遊技球は、外レール21に衝突して反射されつつ球案内通路24内を上昇し、その終端から遊技領域23へ放出される。
この遊技球が通過チャッカー26を通過すると、開閉球入口25の開閉翼片25a,25aが開放作動し、該開閉球入口25は遊技球を受け入れるようになる。開閉球入口25へ入球した遊技球は、連絡球路107を転動して球転動棚106へ誘導され、観覧車型振分装置100の前面に到達する。そして、遊技球は、下向きに窪んだ曲面状の球転動棚106のその中央部付近において、左右に何度か往復運動をしながら転動速度を弱め、最終的に該球転動棚106の中央部から後方へ落下する。このとき、遊技球が球受棚163に受け止められると、該遊技球は観覧車型振分装置100へ流入する。そして、遊技球が球受棚163に形成された普通誘導部163aまたは近道誘導部163bのいずれに落下するかにより、該遊技球の振り分け先が決定される。
図20から図26は、観覧車型振分装置100における遊技球の振り分けの態様を簡略化して示す作用図である。各図における(イ)は、観覧車型振分装置100の正面図または正面視断面図を示し、また、各図における(ロ)は、各図の(イ)に示したAからGにおける断面図を示している。
球受棚163の普通誘導部163aが球転動棚106の中央部の下方に位置しているときに、遊技球が該球転動棚106から落下すると、遊技球は、図20のQに示したように、普通誘導部163aに受け止められる。さらに、回転車輪102が時計回りに回動することに伴って、遊技球Qは、該回転車輪102の回転の後方側へ向けて普通誘導部163aの上面を転動する。そして、図21に示したように、遊技球Qが普通誘導部163aの終端側に位置する普通球入口157aの前面に到達すると、該遊技球Qは普通球入口157aへ入球する。すなわち、遊技球Qは普通球入口157aを介して前円形板137の後側へ転動し、該前円形板137の後側に設けられた球案内リブ160の上部面160aに載る。そして、さらに回転車輪102が回動していくと、遊技球Qは、球案内リブ160の上部面160aを転動し、図22に示したように、該球案内リブ160,160の間に形成された球落下口161から下方へ落下する。このとき、球落下口161の下方には、普通ゴンドラ103aが位置している。従って、遊技球Qは、その上部に形成された入球孔165bから該普通ゴンドラ103aへ入球する。
普通ゴンドラ103aへ入球した遊技球Qは、球収容室166内の誘導レール167により排出孔168側へ転動するが、回転盤136の前面が排出孔168を塞いでいるので、図22の(ロ)に示したように、球収容室166に保持される。そして、回転車輪102の回動に伴って、普通ゴンドラ103aは遊技球Qを保持しつつ時計回りに回転移動していき、図23に示したように、回転車輪102の最上部の若干右側へ到達すると、回転盤136に開設された径側通球孔146aと普通ゴンドラ103aの後面の排出孔168とが重なって連通する。これにより、遊技球Qは、連通した排出孔168と径側通球孔146aを介して普通ゴンドラ103aから排出され、回転盤136の後面側へ転動すると共に上部球通路118の始端口118aから該上部球通路118へ流入する。そして、遊技球Qは、上部球通路118内を流下し、その終端口118bからティーカップ型振分装置200へ誘導される。すなわち、観覧車型振分装置100において、遊技球が球転動棚106から球受棚163の普通誘導部163aへ落下すると、該遊技球はティーカップ型振分装置200へ振り分けられる。
一方、球受棚163の近道誘導部163bが球転動棚106の中央部の下方に位置しているときに、遊技球Qが該球転動棚106から落下すると、遊技球Qは、図24に示したように、近道誘導部163bに受け止められると共に、近道球入口157bへ入球する。そして、近道球入口157bを介して前円形板137の後側へ転動した遊技球Qは、該前円形板137の後側に設けられた球案内リブ160の上部面160aに載る。さらに、回転車輪102が回動していくと、遊技球Qは、球案内リブ160の上部面160aを転動し、図25に示したように、該球案内リブ160,160の間に形成された球落下口161から下方へ落下する。このとき、球落下口161の下方には、近道ゴンドラ103bが位置している。従って、遊技球Qは、その上部に形成された入球孔165bから該近道ゴンドラ103bへ入球する。
近道ゴンドラ103bへ入球した遊技球Qは、上記普通ゴンドラ103aの場合と同様に、球収容室166内の誘導レール167により排出孔168側へ転動するが、回転盤136の前面が排出孔168を塞いでいるので、図25の(ロ)に示したように、遊技球Qは球収容室166に保持される。そして、回転車輪102の回動に伴って、近道ゴンドラ103bは遊技球Qを保持しつつ時計回りに回転移動していき、図26に示したように、回転車輪102の右側部へ到達すると、回転盤136に開設された周側通球孔146bと近道ゴンドラ103bの後面の排出孔168とが重なって連通する。これにより、遊技球Qは、連通した排出孔168と周側通球孔146bを介して近道ゴンドラ103bから排出され、回転盤136の後面側へ転動すると共に、側部球通路120の始端口120aから該側部球通路120へ流入する。そして、遊技球Qは、側部球通路120内を流下して下端部の終端口120bから排出され、メリーゴーランド型入賞装置300の天井球受皿302へ誘導される。すなわち、観覧車型振分装置100において、遊技球が球転動棚106から球受棚163の近道誘導部163bへ落下すると、遊技球はメリーゴーランド型入賞装置300へ振り分けられる。
なお、球受棚リング138の落球口164が球転動棚106の中央部の下方に位置しているときに、遊技球が該球転動棚106から落下すると、遊技球は、遊技室27の天井面35へ落下すると共に球排出口36へ流入し、遊技領域23の外部へ排出される。
観覧車型振分装置100からティーカップ型振分装置200へ振り分けられる遊技球は、上部球通路118を流下してその終端口118bへ到達する。そして、台座枠204上部側の入球斜面215にて回転振分体208の側壁258に当接し、該入球斜面215で球保持器202への入球を待機する。さらに、回転振分体208が時計回りに回動することで球保持器202が回転移動し、球保持器202の球受カップ243が入球斜面215の下方に位置すると、該球受カップ243の球出入口247a(または球出入口253a)と入球斜面215とが連通する。これにより、遊技球は球受カップ243へ入球し、球保持器202に保持される。このとき、遊技球がアタリ球保持器202aまたはハズレ球保持器202bのどちらに入球するかにより、その振り分け先が決定される。
まず、アタリ球保持器202aへ遊技球が入球した場合について説明する。上述したように、アタリ球保持器202aは、球受カップ243aの球出入口247aが回転台201の外側を向くようにして、該回転台201の上面に固設されている。従って、アタリ球保持器202aが回転移動し、台座枠204の右斜め下寄り位置に到達すると、球受カップ243aの球出入口247aと連絡通路216の始端部である出球口216aとが連通する。これにより、遊技球は、球出入口247aから排出されて連絡通路216に流入し、該連絡通路216を流下してメリーゴーランド型入賞装置300へ誘導される。すなわち、ティーカップ型振分装置200において、遊技球がアタリ球保持器202aへ入球すると、該遊技球はメリーゴーランド型入賞装置300へ振り分けられる。
一方、ハズレ球保持器202bは、回転台201の回動に伴って時計回りに円形状に回転移動すると共に、該ハズレ球保持器202b自体も反時計回りに自転する。そして、その回転の比率は、回転台201が一回転する間にハズレ球保持器202bが三回転するようになっている。従って、ハズレ球保持器202bが台座枠204の右斜め下寄りに位置したときには、球受カップ243bの球出入口253aが回転台201の内側を向いており、遊技球は連絡通路216に流入することなくハズレ球保持器202bに保持される。そして、ハズレ球保持器202bが台座枠204の下部位置に到達すると、球受カップ243bの球出入口253aが回転台201の外側を向き、該球出入口253aとハズレ球通路217の始端部である出球口217aとが連通する。これにより、遊技球は、球出入口253aを介してハズレ球通路217に流入し、遊技領域23の外部へ排出される。すなわち、ティーカップ型振分装置200において、遊技球がハズレ球保持器202bへ入球すると、該遊技球は遊技領域23の外部へ排出される。
メリーゴーランド型入賞装置300には、観覧車型振分装置100およびティーカップ型振分装置200から振り分けられた遊技球が其々流入する。すなわち、側部球通路120の終端口120bから排出された遊技球、および、連絡通路216の終端開口から排出された遊技球は、メリーゴーランド型入賞装置300の天井球受皿302の球受面319に受け止められる。そして、遊技球は球受面319の中心部付近に開設された球入孔320へ入球して中心筒309へ流入すると共に、その内面に形成された螺旋斜路325を流下して該中心筒309の前面下部に開設された球排出口326から排出される。さらに、中心筒309から排出された遊技球は、回転円盤304の上向き凸曲面状の上面327に載り、該回転円盤304の前面側外周縁へ向かって転動して球受台310のトレイ部312に落下する。
球受台310のトレイ部312は、その底面が円形底部311側へ下傾していることから、該トレイ部312に載った遊技球は回転円盤304へ向かって転動する。そして、回転円盤304の外周面に形成された球嵌入溝306に遊技球が嵌った場合、該遊技球は、この球嵌入溝306に保持されたまま回転円盤304の回動に従って移動する。球嵌入溝306は、球受台310の左側部の若干後方へ到達すると特賞口301と連通するようになっているため、該球嵌入溝306に保持されている遊技球は、最終的に特賞口301へ入球する。そして、この特賞口301への遊技球の入球が、遊技者にとって有利な遊技状態である大当たり状態への移行の契機となる。一方、遊技球が球嵌入溝306に入球しなかった場合、該遊技球は、回転円盤304の外側面に当接しつつ球受台310の円形底部311の外周部に載る。そして、回転円盤304の回動に伴って、その外側面に突出された障壁リブ329に押されることにより球受台310の左側方向へ誘導され、ハズレ口314へ流入する。
第一実施形態に係る遊技機においては、観覧車型振分装置100の球受棚163に載った遊技球が近道球入口157bまたは普通球入口157aのいずれに振り分けられるかの振分割合が、該球受棚163の近道誘導部163bの円周方向長Aと普通誘導部163aの円周方向長Bとの割合で設定され、この割合が1対4となっている。従って、球転動棚106から落下した遊技球が球受棚163に載った場合、該遊技球は、5分の1の確率でメリーゴーランド型入賞装置300へ振り分けられ、また、5分の4の確率でティーカップ型振分装置200へ振り分けられる。一方、ティーカップ型振分装置200では、入球斜面215から入球してきた遊技球が連絡通路216の出球口216aまたはハズレ球通路217の出球口217aのいずれに振り分けられるかの振分割合が、アタリ球保持器202aの個数とハズレ球保持器202bの個数との比率により設定される。そして、ティーカップ型振分装置200には、アタリ球保持器202aが一個設けられているのに対してハズレ球保持器202bが三個設けられている。従って、ティーカップ型振分装置200に流入した遊技球は、4分の1の確率でメリーゴーランド型入賞装置300へ振り分けられる。
これにより、遊技球が観覧車型振分装置100からティーカップ型振分装置200へ振り分けられると共に(5分の4の確率)、さらに、ティーカップ型振分装置200からメリーゴーランド型入賞装置300へ振り分けられる場合(4分の1の確率)の総合的な確率は、5分の4と4分の1とを乗積した5分の1となる。この確率は、遊技球が観覧車型振分装置100から側部球通路120を介してメリーゴーランド型入賞装置300へ直接振り分けられる確率である5分の1と等しくなっている。
従って、本発明において、有利な遊技状態である大当たり状態が生起される契機となる特賞口301への遊技球の入球確率は、該特賞口301が設けられたメリーゴーランド型入賞装置300へ遊技球が到達するまでの振り分け経路に依存せず一定となっている。従って、遊技者が遊技球の発射タイミングを調節し、遊技球を任意の経路に振り分けようとするなどの攻略的な遊技を行なっても、大当たり状態が生起される機会の発生確率が変化することはなくなり、これにより、遊技場の経営者に不利益が生じることを防止できる。
また、本発明では、上述したように、観覧車型振分装置100とティーカップ型振分装置200とにより、特賞口301を備えるメリーゴーランド型入賞装置300への遊技球の流下経路が二種類設けられている。これにより、遊技者は、振り分けられる遊技球の動きを視覚的に楽しむことができ、該遊技球が特賞口301へ誘導されるか否に期待を膨らませて満足感の高い遊技をすることができる。
次に、本発明の第二実施形態について説明する。第二実施形態は、上述した第一実施形態と共通する構成を多く有している。従って、同一の構成については同一の符号を付すことにより詳しい説明を省略し、相違する構成について説明する。図27は、第二実施形態に係るパチンコ遊技機の正面図、図28は、第二実施形態における観覧車型振分装置の回転車輪を示す一部断面の背面斜視図である。
第二実施形態に係るパチンコ遊技機では、図27に示したように、遊技盤3の前面に観覧車型振分装置100の近道ゴンドラ103bに接触して該近道ゴンドラ103bを揺動させる衝突片37が固設されている。また、図28に示したように、近道ゴンドラ103bの下部には圧受部183が形成され、該圧受部183は、前記衝突片37から該近道ゴンドラ103bを回転させる向きの押圧力を受けるようになっている。
前記衝突片37は、観覧車型振分装置100の下方であって、前記遊技室27の天井面35の上方における該天井面35中央の球排出口36の側方に、前面側へ突出するように設けられる。この位置は、近道ゴンドラ103bが回転移動により回転車輪102の最下部に到達するよりも若干手前であって、該衝突片37が該近道ゴンドラ103b下部の圧受部183に接触し得る位置となっている。また、前記圧受部183は、近道ゴンドラ103b下部における回転車輪102の回転方向と反対側の縁部に突設され、該近道ゴンドラ103bの回転移動方向へ向かい若干延びるように円弧状に湾曲して形成されている。
近道ゴンドラ103bの下部に形成された圧受部183は、近道ゴンドラ103bが回転車輪102の回動に伴う回転移動により衝突片37の取着位置に差し掛かったときに衝突片37と接触する。そうすると、近道ゴンドラ103bの下部には、近道ゴンドラ103bを軸周りに回転させる向きの押圧力が作用し、該近道ゴンドラ103bは若干傾動する。そして、衝突片37が圧受部183から離れると、近道ゴンドラ103bは重力の作用で復帰方向へ逆傾動し、振子のようにしばらく揺動する。この揺動は、近道ゴンドラ103bがその回転移動の最下部を通過する際も継続している。従って、近道ゴンドラ103b上部の入球孔165bは、前円形板137後面の球案内リブ160,160間に形成された球落下口161の下方で左右に往復するように位置変化する。これにより、球落下口161から落下する遊技球は、近道ゴンドラ103bの揺動のタイミングによって、該近道ゴンドラ103bの入球孔165bの周囲に立設された天壁部165aが略鉛直状になって、該入球孔165bが球落下口161の略真下に位置するときにだけ近道ゴンドラ103bに入球するようになる。
このような衝突片37が設けられた第二実施形態では、球落下口161から落下する遊技球は、近道ゴンドラ103bの揺動の大きさによって決まる所定の割合で該近道ゴンドラ103bへ入球するようになる。そして、近道ゴンドラ103bの揺動の大きさは、衝突片37の設置位置や形状、および、圧受部183の設置位置や形状、さらには、該衝突片37と圧受部183とが接触するタイミング等により調整される。これにより、球落下口161から落下した遊技球が近道ゴンドラ103bへ入球する割合を任意に設定できる。従って、遊技球が観覧車型振分装置100からティーカップ型振分装置200またはメリーゴーランド型入賞装置300のいずれに振り分けられるかの振分割合は、球受棚163の近道誘導部163bの円周方向長Aと普通誘導部163aの円周方向長Bとの割合、および、衝突片37が圧受部183を押圧することによる近道ゴンドラ103bの揺動の大小調節の組み合わせで設定される。そして、本発明の第二実施形態において遊技球が近道ゴンドラ103bまたは普通ゴンドラ103aへ入球する割合は、調節により1対4に設定されている。これにより、遊技球が観覧車型振分装置100からメリーゴーランド型入賞装置300へ直接振り分けられる経路の振り分け確率は5分の1となり、一方、遊技球が観覧車型振分装置100からティーカップ型振分装置200を経由してメリーゴーランド型入賞装置300へ振り分けられる経路の振り分け確率は、観覧車型振分装置100からティーカップ型振分装置200へ5分の4の確率で振り分けられ、さらに、ティーカップ型振分装置200からメリーゴーランド型入賞装置300へ4分の1の確率で振り分けられることから、5分の4と4分の1とを乗積した5分の1となる。
このように、本発明の第二実施形態では、観覧車型振分装置100へ入球した遊技球がメリーゴーランド型入賞装置300へ到達するまでの振り分け確率が、その振り分け経路に依らず等しくなっている。従って、遊技者が遊技球の発射タイミングを調節し、遊技球を任意の経路に振り分けようとするなどの攻略的な遊技を行なっても、メリーゴーランド型入賞装置300に設けた特賞口301へ遊技球が入球する確率は変化することがない。これにより、攻略行為によって遊技場の経営者に不利益が生じることを防止できる。また、本発明の第二実施形態では、メリーゴーランド型入賞装置300へ遊技球を振り分ける近道ゴンドラ103bが、衝突片37の押圧により揺動されるようになっている。これにより、遊技者は、振子のように揺動する近道ゴンドラ103bへ遊技球がタイミング良く入球することを期待するようになり、遊技球の動きを楽しむといったパチンコ遊技機本来の面白味をより向上させることができる。
なお、上述した第二実施形態においては、遊技球が観覧車型振分装置100からティーカップ型振分装置200またはメリーゴーランド型入賞装置300のいずれに振り分けられるかの振分割合が、球受棚163の近道誘導部163bの円周方向長Aと普通誘導部163aの円周方向長Bとの割合、および、衝突片37が近道ゴンドラ103bの圧受部183を押圧することによる該近道ゴンドラ103bの揺動の大小調節との組み合わせにより設定されるようにしたが、これに限らない。球受棚163の近道誘導部163bの円周方向長Aと普通誘導部163aの円周方向長Bとの割合を1対1に設定した場合には、観覧車型振分装置100の振分割合は、衝突片37が近道ゴンドラ103bの圧受部183を押圧することによる該近道ゴンドラ103bの揺動の大小調節のみにより設定することができる。また、衝突片37は、必ずしも近道ゴンドラ103bだけに接触するように設けなくてもよく、普通ゴンドラ103aに接触するように設けたり、または、近道ゴンドラ103bと普通ゴンドラ103aとの両方に接触するように設けることができ、これら各ゴンドラの揺動の大小調節により、観覧車型振分装置100の振分割合を任意に設定することができる。さらに、衝突片37は、必ずしも遊技盤3に設ける必要はなく、ゴンドラ103に接触して該ゴンドラ103を揺動させ得る位置であれば、例えば、観覧車型振分装置100本体に設けても構わない。
また、上述した第一および第二実施形態においては、観覧車型振分装置100を第1振分装置として設けると共に、ティーカップ型振分装置200を第2振分装置として設けた構成を示したが、これに限らない。例えば、ティーカップ型振分装置200を第1振分装置として設けると共に観覧車型振分装置100を第2振分装置として設け、遊技球がティーカップ型振分装置200からメリーゴーランド型入賞装置300へ直接振り分けられる確率と、遊技球がティーカップ型振分装置200から観覧車型振分装置100を介してメリーゴーランド型入賞装置300へ振り分けられる確率とを等しくする構成でも良い。さらには、第1および第2振分装置の両方を観覧車型振分装置100で構成したり、または、第1および第2振分装置の両方をティーカップ型振分装置200で構成しても、遊技球が第1振分装置から入賞装置へ振り分けられる確率と、遊技球が第1振分装置から第2振分装置を介して入賞装置へ振り分けられる確率とが等しく設定されていれば本発明の目的を達成できる。