<全体構成>
まず、図1を用いて、本発明の実施例1に係るパチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面(遊技者側)から見た状態を示す略示正面図である。
パチンコ機100は、遊技領域104を覆う閉状態および該遊技領域104を開放する開状態のうちの一方から他方に開閉状態を変化可能なガラス枠151と、このガラス枠151の奥側に視認可能に配設された遊技盤(盤面)102とを備えている。この遊技盤102には、遊技球(以下、単に球と称する場合がある。)を遊技盤102の中央に位置する遊技領域104に案内するための外レール106および内レール108を配設している。
遊技領域104の中央やや上側には、横長の装飾図柄表示装置110を配設している。この装飾図柄表示装置110は、装飾図柄(図3(b)参照)を表示するための表示装置であり、本実施例では液晶表示装置によって構成する。この装飾図柄表示装置110は、たとえば左図柄表示領域、中図柄表示領域、右図柄表示領域の3つの表示領域に分割され、各々の表示領域に異なった装飾図柄を表示することを可能としている。
また、この装飾図柄表示装置110の前面には、センター役物160を配設している。このセンター役物160は、装飾図柄表示装置110の外周を囲うように配設されて内部領域を形成している。センター役物160の詳細については、図7、図8および図9を参照して後述する。
センター役物160の右下には、普通図柄表示装置112と、特別図柄表示装置114と、普通図柄保留ランプ116と、特別図柄保留ランプ118と、高確中ランプ120とを配設している。なお、以下、普通図柄を普図、特別図柄を特図と称する場合がある。
普図表示装置112は、普図(図3(c)参照)の表示を行うための表示装置であり、本実施例では7セグメントLEDによって構成される。
特図表示装置114は、特図(図3(a)参照)の表示を行うための表示装置であり、本実施例では7セグメントLEDによって構成される。
普図保留ランプ116は、保留している普図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施例では、普図変動遊技の開始を2つまで保留することを可能としている。
特図保留ランプ118は、保留している特図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施例では、特図変動遊技の開始を4つまで保留することを可能としている。
高確中ランプ120は、遊技状態が高確率状態であること、または高確率状態になることを示すためのランプであり、遊技状態を低確率状態から高確率状態にする場合に点灯し、高確率状態から低確率状態にする場合に消灯する。
また、遊技領域104には、一般入賞口122と、普図始動口124と、第1特図始動口126と、第2特図始動口128と、可変入賞口130とを配設している。
一般入賞口122は、本実施例では左側に4つ配設しており、この一般入賞口122への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口122に入賞した場合)、後述する払出装置154を駆動し、所定の個数(本実施例では10個)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出する。貯留皿144に排出された球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。
なお、一般入賞口122に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導された後、遊技島側に排出される。本実施例では、入賞の対価として遊技者に払い出す球を賞球、遊技者に貸し出す球を貸球と区別して呼ぶ場合があり、賞球と貸球を総称して球(遊技球)と呼ぶ。
普図始動口124は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域104の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、本実施例では左側に1つだけ配設している。普図始動口124を通過した球は一般入賞口122に入球した球とは違って、遊技島側に排出されずにそのまま遊技領域104を落下する。球が普図始動口124を通過したことを所定の球検出センサが検出した場合、パチンコ機100は、普図表示装置112による普図変動遊技を開始する。
第1特図始動口126は、本実施例では中央に1つだけ配設している。この第1特図始動口126への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置154を駆動し、所定の個数(本実施例では3個)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出するとともに、特図表示装置114による特図変動遊技を開始する。
なお、第1特図始動口126に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導された後、遊技島側に排出される。
第2特図始動口128は、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれ、本実施例では第1特図始動口126の真下に1つだけ配設している。この第2特図始動口128は、左右に開閉自在な羽根を備え、羽根の閉鎖中は球の入球が不可能であり、普図変動遊技に当選し、普図表示装置112が当たり図柄を停止表示した場合に羽根が所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。
第2特図始動口128への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置154を駆動し、所定の個数(本実施例では5個)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出するとともに、特図表示装置114による特図変動遊技を開始する。
なお、第2特図始動口128に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導された後、遊技島側に排出される。
可変入賞口130は、大入賞口またはアタッカーとも呼ばれ、本実施例では遊技領域104の中央部下方に1つだけ配設している。この可変入賞口130は、開閉自在な扉部材を備え、扉部材の閉鎖中は球の入球が不可能であり、特図変動遊技に当選し、特図表示装置114が、たとえば15R大当たり図柄を停止表示した場合に扉部材が所定の時間間隔(たとえば、開放時間29秒、閉鎖時間1.5秒)、所定の回数(たとえば15回)で開閉する。
可変入賞口130への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置154を駆動し、所定の個数(本実施例では15球)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出する。
なお、可変入賞口130に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導された後、遊技島側に排出される。
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材132や、遊技釘134を複数個、配設していると共に、内レール108の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口136を設けている。
遊技盤102の下方には、後述する発射モータ452によって回動する発射杆138と、この発射杆138の先端部に取り付けられて球を遊技領域104に向けて打ち出す発射槌140と、この発射槌140によって打ち出された球を外レール106に導くための発射レール142と、球を一時的に貯留すると共に、貯留している球を順次、発射レール142に供給するための貯留皿144と、遊技者による押下操作が可能であり、所定の時期にその操作を検出した場合に上述の装飾図柄表示装置110などによる演出表示を変化させるためのチャンスボタン146とを配設している。
また、発射杆138および発射槌140の下方には、発射杆138を制御して遊技領域104に向けた球の発射強度の操作を行うための操作ハンドル148を配設している。
このパチンコ機100は、遊技者が貯留皿144に貯留している球を、発射レール142の発射位置に供給し、遊技者による操作ハンドル148の操作量に応じた強度で発射モータ452を駆動し、発射杆138および発射槌140によって外レール106および内レール108を通過させて遊技領域104に向けて打ち出す。
遊技領域104の上部に到達した球は、打球方向変換部材132や遊技釘134などによって進行方向を変えられながら落下し、入賞口(一般入賞口122、可変入賞口130)や始動口(第1特図始動口126、第2特図始動口128)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口124を通過するのみでアウト口136に到達する。
図2は、パチンコ機100を背面側から見た外観斜視図である。
パチンコ機100の背面上部には、上方に開口した開口部を有し、球を一時的に貯留するための球タンク152と、この球タンク152の下方に位置し、球タンク152の底部に形成した連通孔を通過して落下する球を背面右側に位置する払出装置154に導くためのタンクレール153とを配設している。
払出装置154は、筒状の部材からなり、その内部には、スプロケット157と払出センサ158とを備えている。
スプロケット157は、モータによって回転可能に構成されており、タンクレール153を通過して払出装置154内に落下した球を一時的に滞留させると共に、図示しないモータを駆動して所定角度だけ回転することにより、一時的に滞留した球を払出装置154の下方へ1個ずつ送り出すように構成している。
払出センサ158は、スプロケット157が送り出した球の通過を検知するためのセンサであり、球が通過しているときにオンの信号を出力し、球が通過していないときはオフの信号を出力する。なお、この払出センサ158を通過した球は、図示しない球レールを通過してパチンコ機100の表側に配設した貯留皿144に到達するように構成しており、パチンコ機100は、この構成により遊技者に対して球の払い出しを行う。
払出装置154の左側には、後述する主制御部300を構成する主基板161と、後述する演出制御部350を構成するサブ基板164とを配設している。また、これら主基板161やサブ基板164の下方には、後述する発射制御部450を構成する発射基板166と、後述する電源制御部500を構成する電源基板162と、後述する払出制御部400を構成する払出基板165と、この払出基板165に接続したCRインターフェース部163とを配設している。
<図柄の種類>
次に、図3(a)〜(c)を用いて、パチンコ機100の特図表示装置114、装飾図柄表示装置110、普図表示装置112が停止表示する特図、装飾図柄および普図の種類について説明する。
図3(a)は、特図表示装置114に表示される、特図の停止表示態様の一例を示したものである。
本実施例の特図の停止表示態様には、大当たり図柄である特図1、小当たり図柄である特図2、特別大当たり図柄である特図3、さらに、外れ図柄である特図4の4種類がある。
各当たりの動作について説明すると、小当たり遊技の場合には、センター役物160の開閉部材601(図7等を参照して後述する)を所定時間だけ開いて、その後閉じる。
また、大当たり遊技の場合には、センター役物160の開閉部材601を所定時間だけ開いて、その後閉じ、その後さらに、可変入賞口130の扉部材を、たとえば開放時間29秒、閉鎖時間1.5秒の周期でこれをたとえば15回繰り返す。
なお、以下では低確率状態から確率変動のない大当たりを通常大当たりとも呼び、低確率状態から高確率状態に変動する特別大当たりを確変大当たりとも呼ぶ。
第1特図始動口126または第2特図始動口128に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出したことを条件として特図変動遊技が開始されると、特図表示装置114は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す特図の変動表示を行う。
その後、特図の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、特図変動遊技(大当たり遊技)の当選を報知する場合には特図1を停止表示し、特図変動遊技(小当たり遊技)の当選を報知する場合には特図2を停止表示し、特図変動遊技(特別大当たり遊技)の当選を報知する場合には特図3を停止表示し、特図変動遊技の外れを報知する場合には特図4を停止表示する。なお、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
図3(b)は、装飾図柄表示装置110に表示される、装飾図柄の一例を示したものである。
本実施例の装飾図柄には、装飾1〜装飾7の7種類がある。
第1特図始動口126または第2特図始動口128に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置110の左図柄表示領域、中図柄表示領域、右図柄表示領域の各図柄表示領域に、装飾1→装飾2→装飾3→・・・・装飾6→装飾7→装飾1→・・・の順番で表示を切り替える装飾図柄の変動表示を行う。
その後、特図変動遊技(大当たり、特別大当たり、または小当たり)の当選を報知する場合には、各図柄表示領域に各当たりに対応する図柄組合せ(本実施例では、同一の数字の装飾図柄の組合せ(たとえば、装飾2−装飾2−装飾2))を停止表示する。なお、大当たりと小当たりとは、特別図柄では区別できるが、装飾図柄では(777、222など)を使うものとし、当たりの種類を明確に報知しない。
なお、各当たりに対応する図柄の組合せを停止表示した場合には、各当たりに対応する遊技を開始する。
一方、外れを報知する場合には、各図柄表示領域に各当たりに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せを停止表示した後で、保留している装飾図柄の変動表示があれば、その変動表示を開始する。
図3(c)は、普図表示装置112に表示される、普図の停止表示態様の一例を示したものである。
本実施例の普図の停止表示態様には、当たり図柄である普図1および外れ図柄である普図2の2種類がある。
普図始動口124を球が通過したことを所定の球検出センサが検出したことを条件として普図表示遊技を開始した場合には、普図表示装置112は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す普図の変動表示を行う。また、普図変動遊技の当選を報知する場合には普図1を停止表示し、普図変動遊技の外れを報知する場合には普図2を停止表示する。
<制御部>
次に、図4および図5を用いて、このパチンコ機100の制御部の回路構成について詳細に説明する。
なお、図4は、主制御部、払出制御部、発射制御部および電源制御部の回路ブロック図を示したものであり、図5は、演出制御部の回路ブロック図を示したものである。
パチンコ機100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単にコマンドと呼ぶ)に応じて、主に演出の制御を行う演出制御部350と、主制御部300が送信するコマンドに応じて、主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部400と、遊技球の発射制御を行う発射制御部450と、パチンコ機100に供給される電源をパチンコ機100に搭載した電気部品に送電するための所定の電力を生成する電源制御部500とによって構成されている。
<主制御部>
まず、パチンコ機100の主制御部300について説明する。
主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数などを計測するためのカウンタタイマ312と、CPU304の動作を監視して、基本回路302が出力する制御信号を所定時間(本実施例では32.8ms)受信しなかった場合に制御回路302に初期化信号を送信するためのウォッチドッグタイマ(WDT)313とを搭載している。
なお、ROM306やRAM308については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する演出制御部350や払出制御部400についても同様である。
この基本回路302のCPU304は、水晶発信器314bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路302には、水晶発信器314aが出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用しているカウンタ回路316(この回路には2つのカウンタを内蔵しているものとする)と、ガラス枠151の開放/閉鎖を検出するガラス枠開放センサやパチンコ機100の前枠の開放/閉鎖を検出する前枠開放センサや下皿150が球で一杯になったことを検出する下皿満タンセンサや各始動口、入賞口の入り口および可変入賞口の内部に設けた球検出センサなどを含む各種センサ318が出力する信号を受信してそれの増幅結果や基準電圧との比較結果をカウンタ回路316および基本回路302に出力するためのセンサ回路320と、特図表示装置114の表示制御を行うための表示回路322と、普図表示装置112の表示制御を行うための表示回路324と、各種状態表示部326(普図保留ランプ116、特図保留ランプ118、高確中ランプ118など)の表示制御を行うための表示回路328と、第2特図始動口128や可変入賞口130などを開閉駆動する各種ソレノイド330を制御するためのソレノイド回路332とを接続している。
なお、第1特図始動口126に球が入賞したことを球検出センサ318が検出した場合には、センサ回路320は球を検出したことを示す信号をカウンタ回路316に出力する。この信号を受信したカウンタ回路316は、第1特図始動口126に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第1特図始動口126に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。
また、カウンタ回路316は、第2特図始動口128に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、第2特図始動口128に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第2特図始動口128に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。
さらに、基本回路302には、情報出力回路334を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路550にパチンコ機100の遊技情報(たとえば、遊技状態)を出力する。
ところで、本実施例のパチンコ機100では、詳しくは後述するように、主制御部300を構成する主基板161に電源を供給するにあたり、電源制御部500を構成する電源基板162から、払出制御部400を構成する払出基板165を介して行うように構成されている。
図4に示すように、主制御部300には、電源基板162から払出基板165を介して主基板161に供給される電源の電圧値を監視する電圧監視回路336を設けており、この電圧監視回路336は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
また、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)338を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路338からの起動信号が入力された場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部リセット割り込み処理を開始する)。
また、主制御部300には、演出制御部350にコマンドを送信するための出力インターフェースと、払出制御部400にコマンドを送信するための出力インターフェースをそれぞれ設けており、演出制御部350には、主制御部300からコマンドを受信するための入力インターフェースを設け、払出制御部400には、主制御部300からコマンドを受信するための入力インターフェースを設けている。この構成により、主制御部300と、演出制御部350および払出制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と演出制御部350および払出制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は演出制御部350および払出制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、演出制御部350および払出制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
<払出制御部>
次に、パチンコ機100の払出制御部400について説明する。
払出制御部400は、主に主制御部300が送信したコマンド等に基づいて払出制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402には、CPU404と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM406と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数などを計測するためのカウンタタイマ412とを搭載している。
この基本回路402のCPU404は、水晶発信器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路402には、払出装置154に設けた払出センサ158を含む各種センサ428が出力する信号を受信するためのセンサ回路420と、各種ランプ430の表示制御を行うための表示回路422と、払出装置154に設けたスプロケット157を回転駆動するためのモータ制御回路424とを接続している。
さらに、払出制御部400にはCRインターフェース部163を接続しており、払出制御部400は、このCRインターフェース部163を介して、パチンコ機100とは別体で設けられたカードユニット552との通信を行うと共に、球貸し操作部407から入力される操作信号を検出する。
また、払出制御部400には、電源基板162から払出基板165に供給される電源の電圧値を監視する電圧監視回路426を設けており、この電圧監視回路426は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路402に出力する。
また、払出制御部400には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する、図示しない起動信号出力回路(リセット信号出力回路)を設けており、CPU404は、この起動信号出力回路からの起動信号が入力された場合に、払出制御を開始する(後述する払出制御部リセット割り込み処理を開始する)。
<発射制御部、電源制御部>
次に、パチンコ機100の発射制御部450、電源制御部500について説明する。
発射制御部450は、払出制御部400が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、操作ハンドル148内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による発射ハンドル148の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、発射杆138および発射槌140を駆動する発射モータ452の制御や、貯留皿144から発射レール142に球を供給する球送り装置454の制御を行う。
電源制御部500は、パチンコ機100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部300、払出制御部400などの各制御部や払出装置154などの各装置に供給する。
さらに、電源制御部500は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(たとえば主制御部300のRAM308など)に所定の期間(たとえば10日間)電力を供給するための蓄電装置(たとえばコンデンサ)と、この蓄電装置よりも静電容量が小さく、所定の部品(たとえば主制御部300の基本回路302全体)に供給している電力が、静電気ノイズ、人的なミス、遊技台に供給される電力の低下などが原因で変動し、低下している場合に、ある程度の電力を補うための蓄電装置(たとえばコンデンサ)をさらに備えている。
この蓄電装置により、所定の部品(たとえば主制御部300)に供給される電力が電断時や復電時などで不安定になっても、ある程度安定してその所定の部品は動作できるように構成している。
また、電源基板162には遊技店の店員などが操作可能な操作部(RAMクリアスイッチ)を備えており、電源投入時にこの操作部が操作されていることを検出した場合には、主制御部300の基本回路302および払出制御部400の基本回路402に対して、RAM308、408を初期化することを指令するRAMクリア信号を出力するようにしている。
<演出制御部>
次に、図5を用いて、パチンコ機100の演出制御部350について説明する。
演出制御部350は、主に主制御部300が送信したコマンド等に基づいて演出制御部350の全体を制御する基本回路352を備えており、この基本回路352には、CPU354と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM356と、一時的にデータを記憶するためのRAM358と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O360と、時間や回数などを計測するためのカウンタタイマ362とを搭載している。
この基本回路352のCPU354は、水晶発信器364が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路352には、スピーカ366(およびアンプ)の制御を行うための音源IC368と、各種ランプ370の制御を行うための表示回路372と、ステッピングモータ376の制御を行うためのモータ制御回路378と、装飾図柄表示装置(液晶表示装置)110およびこの装飾図柄表示装置110の前面に開閉自在に配設したシャッタデバイス373の制御を行うための液晶制御回路374と、チャンスボタン146の操作を検出した場合に基本回路352に検出信号を出力するチャンスボタン検出回路364を接続している。
また、演出制御部350には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する、図示しない起動信号出力回路(リセット信号出力回路)を設けており、CPU354は、この起動信号出力回路からの起動信号が入力された場合に、演出制御を開始する。
<主制御部のデータテーブル>
次に、図6を用いて、パチンコ機100の主制御部300のROM306が記憶しているデータテーブルについて説明する。
なお、図6(a)は当たり判定テーブルの一例を示す図であり、図6(b)は大当たり当選時の高確率状態移行判定テーブルの一例を示す図であり、図6(c)はタイマ番号決定テーブルの一例を示した図であり、(d)は大当たりまたは小当たり当選時の第2の振分部材状態決定テーブルの一例を示す図である。
図6(a)に示す当たり判定テーブルは、RAM308に設けた遊技状態格納領域に記憶している情報(以下、単に遊技情報と称する。)の種類と、第1特図始動口126や第2特図始動口128に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出した場合に使用する抽選データとを対応付けて記憶したデータテーブルである。
主制御部300の基本回路302は、これらの情報を用いて、特図変動遊技を当選(大当たり)とするか、当選(小当たり)とするか、不当選(外れ)とするかの決定、すなわち当たり判定を行う。
なお、遊技情報は、特図変動遊技を所定の低確率で当選と判定する低確率状態を示す情報、および低確率よりも高い高確率で特図変動遊技を当選と判定する高確率状態を示す情報などを含むが、以下、これらを単に低確率状態および高確率状態と称する。
また、遊技状態格納領域に記憶する情報には別の情報もあるが、これらの情報については後述する。
図6(a)を参照した処理においては、遊技情報が通常状態すなわち低確率状態の場合、取得した特図当選乱数値が10001〜10546であるときは、特図変動遊技(大当たり)の当選と判定する。また、取得した特図当選乱数値が20001〜21092であるときは、特図変動遊技(小当たり)の当選と判定する。これに対して、取得した特図当選乱数値が10001〜10546および20001〜21092以外の数値である場合には、特図変動遊技の外れと判定する。
なお、本実施例では、特図当選乱数値の取り得る数値範囲は0〜65535(数値範囲の大きさは65536)、低確率状態において抽選データが大当たりを示す数値範囲は図6(a)のように10001〜10546(数値範囲の大きさは546)であるから、低確率状態での第1特図始動口126や第2特図始動口128への球の入賞に基づく特図変動遊技(大当たり)の当選確率は、約1/120(=546/65536)である。
これに対して、高確率状態において抽選データが大当たりを示す数値範囲は図6(a)のように30001〜35460(数値範囲の大きさは5460)であるから、高確率状態での第1特図始動口126や第2特図始動口128への球の入賞に基づく特図変動遊技(大当たり)の当選確率は約1/12(=5460/65536)であり、第1特図始動口126や第2特図始動口128への球の入賞に基づく特図変動遊技の当選確率は、低確率状態よりも高確率状態の方が高くなるように設定している。
また、低確率状態において抽選データが小当たりを示す数値範囲は図6(a)のように20001〜21092(数値範囲の大きさは1092)であるから、低確率状態での第1特図始動口126や第2特図始動口128への球の入賞に基づく特図変動遊技(小当たり)の当選確率は、約1/60(=1092/65536)である。
また、高確率状態において抽選データが大当たりを示す数値範囲は図6(a)のように40001〜41092(数値範囲の大きさは1092)であるから、高確率状態での第1特図始動口126や第2特図始動口128への球の入賞に基づく特図変動遊技(小当たり)の当選確率は、約1/60(=1092/65536)である。
図6(b)に示す高確率状態移行判定テーブルは、上述の大当たり判定の結果、大当たりと判定した場合に使用する抽選データを記憶したデータテーブルである。
主制御部300の基本回路302は、高確率状態移行判定テーブルの情報を用いて、特図変動遊技の終了後に大当たり遊技を開始するか、または特別大当たり遊技を開始するかの判定、すなわち確変移行判定を行う。
たとえば、取得した乱数値が11〜74以外の数値である場合には、遊技状態を低確率状態にした大当たりすなわち通常大当たり遊技を開始する。一方、取得した乱数値が11〜74の数値である場合には、遊技状態を高確率状態にした大当たりすなわち特別大当たり遊技を開始する。
なお、本実施例では、特図乱数値の取り得る数値範囲は0〜127(数値範囲の大きさは128)、抽選データの高確率状態移行判定乱数の範囲は図6(b)のように11〜74(数値範囲の大きさは64)であるから、大当たり判定の結果が当選である場合に確変移行判定の結果を当選にする確率、すなわち特別大当たりを開始する確率は1/2(=64/128)である。
図6(c)に示すタイマ番号決定テーブルは、特図表示装置114による特図の変動表示を開始してから停止表示をするまでの変動時間を示すタイマ番号を決定するための抽選に使用する抽選データを記憶したデータテーブルである。
主制御部300の基本回路302は、これらの情報と、上述の大当たり判定結果(後述する大当たりフラグの値)および後述するタイマ乱数の値に基づいて、タイマ番号を決定し、決定したタイマ番号に対応する変動時間を、特図表示図柄更新タイマの初期値として設定する。
なお、本実施例では、図6(c)に示すように、特図タイマ乱数値の取り得る数値範囲は0〜65535(数値範囲の大きさは65536)、上述の大当たり判定結果が不当選の場合(大当たりフラグがオフの場合)は、タイマ1のタイマ乱数の範囲は0〜60235(数値範囲の大きさは60236)であるから、タイマ番号としてタイマ1(変動時間5秒、変動態様「リーチなし」)を選択する確率は60236/65536である。
また、大当たりフラグがオフの場合に、タイマ番号として、タイマ2(変動時間10秒、変動態様「ノーマルリーチ」)を選択する確率は4250/65536、タイマ3(変動時間20秒、変動態様「ロングリーチ」)を選択する確率は800/65536、タイマ4(変動時間40秒、変動態様「マルチラインリーチ」)を選択する確率は250/65536である。
一方、大当たり判定結果が当選の場合(大当たりフラグがオンの場合)は、タイマ2のタイマ乱数の範囲は0〜15535(数値範囲の大きさは15536)であるから、タイマ番号としてタイマ2(変動時間10秒、変動態様「ノーマルリーチ(逆転含む)」)を選択する確率は15535/65536である。
また、大当たりフラグがオンの場合に、タイマ番号として、タイマ3(変動時間20秒、変動態様「ロングリーチ」、変動態様「ノーマルリーチ(再変動)」)を選択する確率は9000/65536、タイマ4(変動時間40秒、変動態様「マルチラインリーチ」)を選択する確率は38000/65536、タイマ5(変動時間50秒、変動態様「全回転リーチ」)を選択する確率は3000/65536である。
図6(d)に示す大当たりまたは小当たり当選時の第2の振分部材状態決定テーブルは、上述の大当たり判定の結果、大当たりまたは小当たりと判定した場合に使用する抽選データを記憶したデータテーブルである。
主制御部300の基本回路302は、第2の振分部材状態決定テーブルの情報を用いて、センター役物160の第2の振分部材609(図7等を参照して後述する)の傾け具合を、球をチャンス口611(図7等を参照して後述する)側に誘導するように傾けるか、球をアウト口610(図7等を参照して後述する)側に誘導するように傾けるかの決定、すなわち第2の振分部材の状態の決定を行う。
たとえば、大当たり当選時に、取得した乱数値が0〜63の数値である場合には、第2の振分部材609が球をチャンス口611に誘導するように第2の振分部材609を傾ける。一方、取得した乱数値が64〜127の数値である場合には、第2の振分部材609が球をアウト口610に誘導するように第2の振分部材609を傾ける。
なお、本実施例では、乱数値の取り得る数値範囲は0〜127(数値範囲の大きさは128)、抽選データのチャンス口決定乱数の範囲は図6(d)のように0〜63(数値範囲の大きさは64)であるから、大当たり当選時に球がチャンス口611に誘導される確率は1/2(=64/128)である。
また、小当たり当選時に、取得した乱数値が0〜63の数値である場合には、第2の振分部材609が球をチャンス口611に誘導するように第2の振分部材609を傾ける。一方、取得した乱数値が64〜127の数値である場合には、第2の振分部材609が球をアウト口610に誘導するように第2の振分部材609を傾ける。
なお、本実施例では、乱数値の取り得る数値範囲は0〜127(数値範囲の大きさは128)、抽選データのチャンス口決定乱数の範囲は図6(d)のように0〜63(数値範囲の大きさは64)であるから、小当たり当選時に球がチャンス口611に誘導される確率は1/2(=64/128)である。
図7は、図1に示したセンター役物160を拡大して示す正面図であり、図8は、図7に示したセンター役物160を上方から見た平面図であり、図9は、図7に示したセンター役物160を右上方から見た斜視図である。
本実施例のセンター役物160は、遊技領域104内の一部領域を、枠体160aおよび開閉部材601で囲んで形成されている。枠体160aおよび開閉部材601で囲まれた内部領域160bには、装飾図柄表示装置110が含まれる。
開閉部材601は、図示しないモータによって、回転軸601aを中心にして矢印で示すように回動可能に設けられており、閉じて内部領域160bに球が入らないようにされた状態と、開いて内部領域160bに球が入るようにされた状態と、を選択可能に構成されている。
開閉部材601が開いた状態のときに内部領域160bに入った球は、下方の枠体160aの上面に設けられた溝602上を転がって、第1の振分部材である回転体603のほうへと誘導される。
回転体603は側面にV入賞口604および複数のアウト口605を有し、この回転体603は、V入賞口604および複数のアウト口605のそれぞれが順々に溝602のほうに向くようにモータ603aによって回転させられる。
この回転体603は、モータ603aによって常に回転させられるようにしてもよいし、所定のタイミングにだけ回転させられるようにしてもよい。また、回転速度も常に一定であってもよいし、所定のタイミングにより変化させてもよい。
本実施例では、回転体603の側面に設けられた複数の口のうち1つだけがV入賞口604であり、他の複数の口はすべてアウト口605である。
溝602に誘導されてきた球は、回転体603の回転向きに応じて、V入賞口604および複数のアウト口605のいずれかに入球する。
V入賞口604への入球は所定の球検出センサによって検出される。また、V入賞口604に入球した球は、誘導路606によってパチンコ機100の裏側に誘導された後、遊技島側に排出される。
一方、アウト口605に入球した場合、その球は、中空の回転体603の内壁603を伝って下降口608から排出される。
回転体603の下方には、略板形状部材である第2の振分部材609が設けられている。この第2の振分部材609は、モータ609bによって、回転軸609aを中心にして回動可能に設けられており、左肩下がりにして落下球がアウト口610に誘導される状態と、右肩下がりにして落下球がチャンス口611に誘導される状態と、を選択可能に構成されている。
チャンス口611への入球は所定の球検出センサによって検出される。また、チャンス口611に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導された後、遊技島側に排出される。
また、アウト口610への入球は所定の球検出センサによって検出される。また、アウト口610に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導された後、遊技島側に排出される。
次に、図10、図11および図12を参照しながら、本実施例の動作についてさらに説明する。
図10は、本実施例のパチンコ機の遊技に係る処理の流れを示したフローチャートである。主制御部300の基本回路302では、図10のフローチャートの処理を実行する。
図11は、各状態におけるセンター役物160の状態を示す正面図であり、(a)は大当たりまたは小当たり当選時に、遊技球をチャンス口611に振分ける状態に第2の振分部材609を変換した様子を示す図であり、(b)は大当たりまたは小当たり当選時に、遊技球をアウト口610に振分ける状態に第2の振分部材609を変換した様子を示す図であり、(c)は開閉部材601を開放した様子を示す図であり、(d)は遊技球がV入賞口604に進入した様子を示す図であり、(e)は遊技球がチャンス口611に進入する様子を示す図であり、(f)は遊技球がアウト口610に進入する様子を示す図である。
図12は、装飾図柄表示装置110に表示される表示内容の例を示す図であり、(a)は勝負演出時の表示内容の一例を示す図であり、(b)は所定の遊技状態での表示内容の一例を示す図であり、(c)は(b)とは異なる所定の遊技状態での表示内容の一例を示す図である。
まず、本実施例では、普図始動口124への入賞があったかを判定する(S101)。この判定の結果、普図始動口124への入賞がなければ、ステップ(S105)へと進む。
一方、ステップ(S101)において、普図始動口124への入賞があった場合には、普図変動遊技を行って普図当たりの抽選処理を行い(S102)、この抽選の当選確率は約1/1であり、抽選の結果を判定し(S103)、外れた場合にはステップ(S105)へと進む。
一方、ステップ(S103)において、普図当たり抽選に当選した場合には、第2特図始動口128の羽根を開放する処理を行う(S104)。
続いて、第1特図始動口126または第2特図始動口128への入賞があったかを判定する(S105)。この判定の結果、第1特図始動口126または第2特図始動口128への入賞がなければ復帰する。
一方、ステップ(S105)において、第1特図始動口126または第2特図始動口128への入賞があった場合には、特図変動遊技を行って特図当たりの抽選処理を行う(S106)。
上述の図6(a)の当たり判定テーブルを用いた抽選の結果、大当たりに当選した場合には(S107)、上述の図6(d)の第2の振分部材状態決定テーブルを用いた抽選を行い、第2の振分部材をその抽選結果の状態にする(S108)。すなわち、取得した乱数値に基づいた方向に第2の振分部材609を傾けるよう、モータ609bを駆動する(図11(a)、図11(b)参照)。
続いて、センター役物160の開閉部材601を開放する(S109、図11(c)参照)。
その後、たとえばV入賞口604やチャンス口611やアウト口610に入球した遊技球の数をカウントし、その数が所定個数に達した場合や、所定時間経過した場合には(S110)、センター役物160の開閉部材601を閉じる(S111)。
回転体603のV入賞口604に遊技球が進入した場合には(S112、図11(d)参照)、装飾図柄表示装置110に「おめでとう」を表示し(S115、図12(b)参照)、ステップ(S126)へと進む。
一方、回転体603のV入賞口604に遊技球が進入しなかった場合で(S112)、チャンス口611に遊技球が進入した場合には(S113、図11(e)参照)、装飾図柄表示装置110に勝負演出を表示し(S114、図12(a)参照)、その後、装飾図柄表示装置110に「おめでとう」を表示し(S115、図12(b)参照)、ステップ(S126)へと進む。
また、ステップ(S113)において、アウト口610に遊技球が進入した場合には(図11(f)参照)、装飾図柄表示装置110に「おめでとう」を表示し(S115、図12(b)参照)、ステップ(S126)へと進む。
ステップ(S126)では、可変入賞口130の扉部材を開放し、可変入賞口130に所定個数入賞するか、所定時間経過した場合には(S127)、可変入賞口130の扉部材を閉鎖し(S128)、これを所定のラウンド数だけ繰り返した後に(S129、S130)復帰する。
ところで、ステップ(S107)において、大当たりに当選しなかった場合には、小当たりの当選かを判定し(S116)、小当たりにも当選しなかった場合には、そのまま復帰する。
ステップ(S116)において小当たりに当選した場合には、上述の図6(d)の第2の振分部材状態決定テーブルを用いた抽選を行い、第2の振分部材をその抽選結果の状態にする(S117)。すなわち、取得した乱数値に基づいた方向に第2の振分部材609を傾けるよう、モータ609bを駆動する(図11(a)、図11(b)参照)。
続いて、センター役物160の開閉部材601を開放する(S118、図11(c)参照)。
その後、たとえばV入賞口604やチャンス口611やアウト口610に入球した遊技球の数をカウントし、その数が所定個数に達した場合や、所定時間経過した場合には(S119)、センター役物160の開閉部材601を閉じる(S120)。
回転体603のV入賞口604に遊技球が進入した場合には(S121、図11(d)参照)、装飾図柄表示装置110に「おめでとう」を表示し(S122、図12(b)参照)、ステップ(S126)へと進む。
一方、回転体603のV入賞口604に遊技球が進入しなかった場合で(S121)、チャンス口611に遊技球が進入した場合には(S123、図11(e)参照)、装飾図柄表示装置110に勝負演出を表示し(S124、図12(a)参照)、その後、装飾図柄表示装置110に「残念」を表示し(S125、図12(c)参照)、復帰する。
また、ステップ(S123)において、アウト口610に遊技球が進入した場合には(図11(f)参照)、装飾図柄表示装置110に「残念」を表示し(S125、図12(c)参照)、復帰する。
ステップ(S122)からステップ(S126)へと進んだ場合も、可変入賞口130の扉部材を開放し(S126)、可変入賞口130に所定個数入賞するか、所定時間経過した場合には(S127)、可変入賞口130の扉部材を閉鎖し(S128)、これを所定のラウンド数だけ繰り返した後に(S129、S130)復帰する。
図13(a)は大当たり時の処理の流れの一例を示すタイムチャートであり、図13(b)は小当たり時のセンター役物160の開放でV入賞口604に入球したときの処理の流れの一例を示すタイムチャートである。
図13(a)の例では、大当たりに当選してセンター役物160が開放され、その後にアタッカーすなわち可変入賞口130の開閉が所定ラウンド数だけ繰り返される。
図13(b)の例では、小当たりに当選してセンター役物160が開放され、V入賞口604に入球し、これを受けて、その後にアタッカーすなわち可変入賞口130の開閉が所定ラウンド数だけ繰り返される。
なお、チャンス口611に遊技球を振分ける状態またはアウト口610に遊技球を振分ける状態の何れかを選択する確率を、大当りと小当りとで差がでるようにしてもよい。たとえば、小当りよりも大当りの方がチャンス口に遊技球を振分ける状態を選択する確率が高くともよい。
また、大当り状態は、可変入賞口130を使用せずにセンター役物160の開閉部材601の開閉のみで行ってもよい。
次に、図14を用いて、図10とは異なる本発明の実施例2に係るパチンコ機の動作について説明する。なお、この実施例2のパチンコ機の概観および基本動作は、図1乃至図9、図11、図12を用いて上述したものと同様であるので、以下の説明でも図1乃至図9、図11、図12を参照するものとする。
図14は、本実施例のパチンコ機の遊技に係る処理の流れを示したフローチャートである。主制御部300の基本回路302では、図14のフローチャートの処理を実行する。
まず、本実施例では、普図始動口124への入賞があったかを判定する(S201)。この判定の結果、普図始動口124への入賞がなければ、ステップ(S205)へと進む。
一方、ステップ(S201)において、普図始動口124への入賞があった場合には、普図変動遊技を行って普図当たりの抽選処理を行う(S202)、この抽選の当選確率は約1/1であり、抽選の結果(S203)、外れた場合にはステップ(S205)へと進む。
一方、ステップ(S203)において、普図当たり抽選に当選した場合には、第2特図始動口128の羽根を開放する処理を行う(S204)。
続いて、第1特図始動口126または第2特図始動口128への入賞があったかを判定する(S205)。この判定の結果、第1特図始動口126または第2特図始動口128への入賞がなければ、チャンス口進入フラグがオンかを判定する(S230)。オンであれば装飾図柄表示装置110に勝負演出の表示を行い(S230、図12(a)参照)、オンでなければ何もせずに、ステップ(S232)へと進む。
ステップ(S232)では、確変フラグがオンかを判定する。オンであれば装飾図柄表示装置110に「おめでとう」を表示し(S233、図12(b)参照)、オンでなければ装飾図柄表示装置110に「残念」を表示し(S234、図12(c)参照)、その後に復帰する。
一方、ステップ(S205)において、第1特図始動口126または第2特図始動口128への入賞があった場合には、特図変動遊技を行って特図当たりの抽選処理を行う(S206)。
本実施例では、確変大当たりと通常大当たりとを区別する抽選テーブルを用いて抽選を行い、その抽選の結果、確変大当たりに当選した場合には(S207)、確変フラグをオンにし(S208)、上述の図6(d)の第2の振分部材状態決定テーブルを用いた抽選を行い、第2の振分部材をその抽選結果の状態にする(S209)。すなわち、取得した乱数値に基づいた方向に第2の振分部材609を傾けるよう、モータ609bを駆動する(図11(a)、図11(b)参照)。
続いて、センター役物160の開閉部材601を開放する(S210、図11(c)参照)。
その後、たとえばV入賞口604やチャンス口611やアウト口610に入球した遊技球の数をカウントし、その数が所定個数に達した場合や、所定時間経過した場合には(S211)、センター役物160の開閉部材601を閉じる(S212)。
回転体603のV入賞口604に遊技球が進入した場合には(S213、図11(d)参照)、ステップ(S225)へと進む。
一方、回転体603のV入賞口604に遊技球が進入しなかった場合で(S213)、チャンス口611に遊技球が進入した場合には(S214、図11(e)参照)、チャンス口進入フラグをオンし(S215)、ステップ(S225)へと進む。
また、ステップ(S214)において、アウト口610に遊技球が進入した場合には(図11(f)参照)、そのままステップ(S225)へと進む。
ステップ(S225)では、可変入賞口130の扉部材を開放し、可変入賞口130に所定個数入賞するか、所定時間経過した場合には(S226)、可変入賞口130の扉部材を閉鎖し(S227)、これを所定のラウンド数だけ繰り返した後に(S228、S229)、チャンス口進入フラグがオンかを判定する(S230)。オンであれば装飾図柄表示装置110に勝負演出の表示を行い(S230、図12(a)参照)、オンでなければ何もせずに、ステップ(S232)へと進む。
ステップ(S232)では、確変フラグがオンかを判定する。オンであれば装飾図柄表示装置110に「おめでとう」を表示し(S233、図12(b)参照)、オンでなければ装飾図柄表示装置110に「残念」を表示し(S234、図12(c)参照)、その後に復帰する。
ところで、ステップ(S207)において、確変大当たりに当選しなかった場合には、通常大当たりの当選かを判定し(S216)、通常大当たりにも当選しなかった場合には、ステップ(S230)へと進み、チャンス口進入フラグがオンかを判定する。オンであれば装飾図柄表示装置110に勝負演出の表示を行い(S230、図12(a)参照)、オンでなければ何もせずに、ステップ(S232)へと進む。
ステップ(S232)では、確変フラグがオンかを判定する。オンであれば装飾図柄表示装置110に「おめでとう」を表示し(S233、図12(b)参照)、オンでなければ装飾図柄表示装置110に「残念」を表示し(S234、図12(c)参照)、その後に復帰する。
ステップ(S216)において通常大当たりに当選した場合には、上述の図6(d)の第2の振分部材状態決定テーブルを用いた抽選を行い、第2の振分部材をその抽選結果の状態にする(S217)。すなわち、取得した乱数値に基づいた方向に第2の振分部材609を傾けるよう、モータ609bを駆動する(図11(a)、図11(b)参照)。
続いて、センター役物160の開閉部材601を開放する(S218、図11(c)参照)。
その後、たとえばV入賞口604やチャンス口611やアウト口610に入球した遊技球の数をカウントし、その数が所定個数に達した場合や、所定時間経過した場合には(S219)、センター役物160の開閉部材601を閉じる(S220)。
回転体603のV入賞口604に遊技球が進入した場合には(S221、図11(d)参照)、確変フラグをオンし(S222、図12(b)参照)、ステップ(S225)へと進む。
一方、回転体603のV入賞口604に遊技球が進入しなかった場合で(S221)、チャンス口611に遊技球が進入した場合には(S223、図11(e)参照)、チャンス口進入フラグをオンし(S224)、ステップ(S225)へと進む。
また、ステップ(S223)において、アウト口610に遊技球が進入した場合には(図11(f)参照)、そのままステップ(S225)へと進む。
ステップ(S225)では、可変入賞口130の扉部材を開放し、可変入賞口130に所定個数入賞するか、所定時間経過した場合には(S226)、可変入賞口130の扉部材を閉鎖し(S227)、これを所定のラウンド数だけ繰り返した後に(S228、S229)、チャンス口進入フラグがオンかを判定する(S230)。オンであれば装飾図柄表示装置110に勝負演出の表示を行い(S230、図12(a)参照)、オンでなければ何もせずに、ステップ(S232)へと進む。
ステップ(S232)では、確変フラグがオンかを判定する。オンであれば装飾図柄表示装置110に「おめでとう」を表示し(S233、図12(b)参照)、オンでなければ装飾図柄表示装置110に「残念」を表示し(S234、図12(c)参照)、その後に復帰する。
ところで、上記実施例1では、大当りと小当りとで同じ演出を行うとしたが、本発明はそれに限定されるものではない。この実施例2では、隠れ確変大当りと通常大当りとで同じ演出を行ってもよい。
この実施例では、大当りの1R目はセンター役物160を開放し、2R目以降は可変入賞口130を開放する。そして、通常大当り中のV入賞口604への入賞に基づいて大当り終了後に確率変動状態に移行する。なお、確変大当りと通常大当りとは、特図では区別できるが、装飾図柄は共通の図柄(777、222など)を使うものとし、当りの種類を明確に報知しない。
この実施例では、通常大当り(第1の所定条件)または隠れ確変大当り(第3の所定条件)が成立したことに基づいてセンター役物160の開閉部材601の開放(第1の状態=大当り状態)を開始する。このとき、通常大当りの場合には、V入賞口604への入賞(第2の所定条件)が成立したことに基づいて、大当り終了後に確率変動状態に移行する。隠れ確変大当りの場合には、V入賞口604への入賞をしなくても大当り終了後に確率変動状態(第2の状態)に移行する。
そして、当りに当選してセンター役物160が開放され、V入賞口604に球が進入したときには、確変フラグをオンにして大当り状態終了後に確率変動状態へ移行する。V入賞口604に球が進入せずにチャンス口611に球が進入したときには、チャンス口進入フラグをオンにし、大当り状態終了後に勝負演出を表示した後、確変フラグに応じた表示(オンなら「おめでとう」の表示、オフなら「残念」の表示)を行い、確変フラグがオンのときは確率変動状態へ移行する。V入賞口604に球が進入せずにアウト口610に球が進入したときには、確変フラグに応じた表示(オンなら「おめでとう」の表示、オフなら「残念」の表示)を行い、大当り状態終了後に確変フラグがオンのときは確率変動状態へ移行する。
なお、勝負演出や「おめでとう」または「残念」などの確変報知演出は、大当り遊技終了後の抽選回数が所定ゲーム数となったとき、大当り遊技中に行ってもよい。
演出手段は、上記第2振分部材の形態に限定されるものではない。たとえば、他の可動役物や所定の表示装置やスピーカ等による報知によって演出を行ってもよい。
本発明によれば、第1の所定条件成立後と第2の所定条件成立後とで同一の所定の演出を行うため、遊技者は所定の演出を見て抽選結果を予想したりして遊技を楽しむことができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、第2の条件が特定領域への遊技球の進入であるため、遊技者は自ら第2の状態を生起させることができる。従って、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、所定の演出が、複数の通過口の何れかに遊技球を振分ける状態に振分部材が変換される。すなわち、特定領域へ進入しなかった遊技球は複数の通過口の何れかに振分けられるため、遊技者は、視覚的に所定の演出を見て楽しむことができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、第3の所定条件成立後の方が遊技者の期待感を低下させる第2の通過口よりも遊技者の期待感を向上させる第1の通過口に遊技球を振分ける状態に振分部材を変換する確率が高いため、遊技者は、遊技球が第1の通過口に振分けられた段階で第3の所定条件が成立した可能性が高いことを認識することができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、第1の所定条件且つ第2の所定条件が成立した場合又は第3の所定条件が成立した場合に可変入賞口130が開放される。すなわち、センター役物の開放後に可変入賞口130が開放されるため、遊技が単調にならず、遊技にメリハリを与えることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、上述の実施例における各種記憶領域は必ずしもRAMに設ける必要はなく、たとえば、情報を一時的に記憶すれば足りるような場合には各制御部のCPUのレジスタなどに記憶してもよい。
また、遊技状態格納領域には、単一の情報を記憶可能なだけではなく、複数の遊技状態に関する情報を並列的に記憶可能に構成してもよい。すなわち、複数単位の記憶領域により構成してもよい。
また、処理は1つの命令、複数の一連の命令、および一連ではない複数の命令などを示し、サブルーチン全体、分岐から復帰までの一連の命令に限定しているものではない。
また、本実施例における入賞には、遊技盤102に設けた入賞口や始動口に球が入球した場合のほか、遊技盤102に設けた通過領域を球が通過した場合(たとえば、普図始動口124を球が通過した場合)も含まれる。また、始動口は、必ずしも本実施例で示される位置に設ける必要は無く、たとえば、特定の入賞口内の特定の領域を始動口として機能させてもよい。
また、可変入賞口130は、球が入賞不可能な閉状態と、入賞可能な開状態の2種類の開閉状態に変化するものに限定されず、球が入賞可能な第1の開状態と、第1の開状態よりも入賞が容易な第2の開状態の2種類の開状態に変化するものも含まれる。
また、本実施例では、大当たりに対応する図柄組合せ(大当たり図柄組合せ)を装飾図柄表示装置110に停止表示した場合に大当たり遊技の開始となるが、大当たり遊技の開始条件はこれに限定されるものではない。したがって、たとえば、大当たり図柄組合せを停止表示した後で、盤面の特定のゲートを遊技球が通過した場合、大当たり図柄組合せを停止表示した後で、盤面の特定の入賞口に遊技球が通過した場合、大当たり図柄組合せを停止表示した後で、大入賞口(可変入賞口)以外の入賞口内の特定の領域を遊技球が通過した場合、特定の入賞口に遊技球が入賞したことを条件に開放した大入賞口(可変入賞口)内の特定の領域を遊技球が通過した場合、などを大当たり遊技の開始条件としてもよい。
また、本実施例における特図は、特図表示装置114が変動表示および停止表示する図柄すべてを示しており、変動表示する図柄のみ、または、停止表示する図柄のみを示すものではない。さらに、本実施例における普図や装飾図柄も同様に、普図表示装置112や装飾図柄表示装置110が変動表示および停止表示する図柄すべてを示しており、変動表示する図柄のみ、または、停止表示する図柄のみを示すものではない。
また、上述の実施例では、第1始動口に遊技球が入賞したことを検出した場合、および第2始動口に遊技球が入賞したことを検出した場合に行う大当たり判定の両方で、単一の所定の抽選データを参照するようにした例を示したが、これに限定されず、第1始動口用抽選データと第2始動口用抽選データとを別データとしてもよい。
また、上述の実施例においては、遊技台として、遊技球を遊技媒体としたパチンコ機の例を示したが、本発明に係る遊技台はこれに限定されるものではなく、たとえば、メダル(コイン)を遊技媒体としたパチスロ機(スロットマシン)などにも適用可能である。
さらに、本発明は、前述のパチスロ機やパチンコ遊技機等の実機の他、これらのパチスロ機等の実機の動作を家庭用ゲーム機用として擬似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、DVD−ROM、CD−ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。
以上、本発明の実施例を説明したが、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。