以下、図面を用いて、本発明の実施例に係るパチンコ機(遊技台)について詳細に説明する。
<全体構成>
まず、図1を用いて、パチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
パチンコ機100は、遊技盤(盤面)102を前方から覆うものであって機器の前面を形成する前面枠としての、ガラス製または樹脂製の透明板部材151および透明部材保持枠155を有する扉部材156を有し、この扉部材156の奥側に透明板部材151を通して視認可能に遊技盤(盤面)102を配設している。
扉部材156の下方には、遊技球(以下、単に「球」と称する場合もある。)を発射する球発射手段(発射装置)として、後述する発射モータ602によって回動する発射杆138と、この発射杆138の先端部に取り付けられて球を後述する遊技領域104に向けて打ち出す発射槌140と、この発射槌140によって打ち出される球を後述する外レール106に導くための発射レール142とを配置している。
なお、射幸性を低減するという目的から、時間あたりの発射可能な球数を制限する(たとえば1分間に100発など)ことが望ましい。
扉部材156の下方には、さらに、球を一時的に貯留するとともに、貯留している球を順次、発射レール142に供給するための貯留皿144と、遊技者による押下操作が可能であり、所定の時期にその操作を検出した場合に後述する液晶表示装置110等による演出表示を変化させるためのチャンスボタン146とを配設している。
また、発射杆138および発射槌140の下方には、発射杆138を制御して遊技領域104に向けた球の発射強度の調節操作を行うための操作ハンドル148を配設しており、貯留皿144の下方には、貯留皿144に貯留できない溢れ球を貯留するための下皿150を設けている。
図2は、遊技盤102を正面から見た略示正面図である。
遊技盤102には、外レール106と内レール108とを配設し、遊技球が転動可能な遊技領域104を区画形成している。遊技球が遊技領域にあるうちは入賞の可能性が残されている。
遊技領域104の略中央には、演出装置200を配設している。この演出装置200には、前面側にはワープ装置230およびステージを配設し、背面側には、液晶表示装置110および遮蔽手段250を配設している。すなわち、演出装置200において、液晶表示装置110および遮蔽手段250は、ワープ装置230およびステージの後方に位置することとなる。
演出装置200の右上には、普通図柄表示装置112と、特別図柄表示装置114と、普通図柄保留ランプ116と、特別図柄保留ランプ118と、高確中ランプ120とを配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」と称する場合がある。
液晶表示装置110は、装飾図柄(図3(b)参照)ならびに演出に用いる様々な画像を表示するための表示装置であり、ここでは液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成する。
なお、液晶表示装置110としては、液晶表示装置に代えて、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、EL(ElectroLuminescence)表示装置、ドラム式表示装置、リーフ式表示装置等他の表示デバイスを採用してもよい。
普図表示装置112は、普図(図3(c)参照)の表示を行うための表示装置であり、ここでは7セグメントLEDによって構成する。特図表示装置114は、特図(図3(a)参照)の表示を行うための表示装置であり、ここでは7セグメントLEDによって構成する。
普図保留ランプ116は、保留している普図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、ここでは、普図変動遊技を2つまで保留することを可能としている。特図保留ランプ118は、保留している特図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、ここでは、特図変動遊技を4つまで保留することを可能としている。高確中ランプ120は、遊技状態が高確率状態であること、または高確率状態になることを示すためのランプであり、遊技状態を低確率状態から高確率状態にする場合に点灯し、高確率状態から低確率状態にする場合に消灯する。なお、普図変動遊技および特図変動遊技の保留数はこの数に限定されるものではない。
また、この演出装置200の周囲には、一般入賞口122と、普図始動口124と、第1特図始動口126と、第2特図始動口128と、可変入賞口130を配設している。
一般入賞口122は、ここでは遊技盤102に複数配設しており、この一般入賞口122への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口122に入賞した場合)、後述する払出装置552を駆動し、所定の個数(ここでは10個)の球を賞球として後述する貯留皿144(図1参照)に排出する。貯留皿144に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。
なお、一般入賞口122に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
ここでは、入賞の対価として遊技者に払い出す球を「賞球」、遊技者に貸し出す球を「貸球」と区別して呼ぶ場合があり、「賞球」と「貸球」を総称して「球(遊技球)」と呼ぶ。
普図始動口124は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、ここでは遊技盤102の左右に1つずつ合計2つ配設している。普図始動口124を通過した球は一般入賞口122に入球した球と違って、遊技島側に排出することはなく、普図始動口124を通過した球は、再度、遊技領域を転動することとなる。
球が普図始動口124を通過したことを所定の球検出センサが検出した場合、パチンコ機100は、普図表示装置112による普図変動遊技を開始する。
第1特図始動口126は、ここでは遊技盤102の中央に1つだけ配設している。この第1特図始動口126への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置552を駆動し、所定の個数(ここでは3個)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出するとともに、特図表示装置114による特図変動遊技を開始する。
なお、第1特図始動口126に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
第2特図始動口128は、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれ、ここでは第1特図始動口126の真下に1つだけ配設している。この第2特図始動口128は、左右に開閉自在な羽根(可動片)を備え、羽根の閉鎖中は球の入球が不可能であり、普図変動遊技に当選し、普図表示装置112が当たり図柄を停止表示した場合に羽根が所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。
第2特図始動口128への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置552を駆動し、所定の個数(ここでは5個)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出するとともに、特図表示装置114による特図変動遊技を開始する。
なお、第2特図始動口128に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
可変入賞口130は、大入賞口またはアタッカーと呼ばれ、ここでは遊技盤102の中央部下方に1つだけ配設している。この可変入賞口130は、開閉自在な扉部材を備え、扉部材の閉鎖中は球の入球が不可能であり、特図変動遊技に当選し、特図表示装置114が図3の(a)に示す大当たり図柄を停止表示した場合に扉部材が所定の時間間隔(たとえば、開放時間29秒、閉鎖時間1.5秒)、所定の回数(たとえば15回)で開閉する。可変入賞口130への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置552を駆動し、所定の個数(ここでは15球)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出する。
なお、可変入賞口130に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、転動態様に変化を付与する手段として、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材132や、遊技釘134を複数個、配設しているとともに、内レール108の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口136を設けている。
このパチンコ機100は、遊技者が貯留皿144に貯留している球を発射レール142の発射位置に供給し、遊技者の操作ハンドル148の操作量に応じた強度で発射モータ602(図4参照)を駆動し、発射杆138および発射槌140によって外レール106、内レール108を通過させて遊技領域104に打ち出す。遊技領域104の上部に到達した球は、打球方向変換部材132や遊技釘134等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口122、可変入賞口130)や始動口(第1特図始動口126、第2特図始動口128)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口124を通過するのみでアウト口136に到達する。
<演出装置>
次に、パチンコ機100の演出装置200について説明する。
この演出装置200の前面側には、ワープ装置230およびステージを配設し、演出装置200の背面側には、液晶表示装置110および遮蔽手段250を配設している。すなわち、演出装置200において、液晶表示装置110および遮蔽手段250は、ワープ装置230およびステージの後方に位置することとなる。
ワープ装置230は、演出装置200の左上方に設けたワープ入球口232に入った遊技球を、後述のワープ出球口231から排出し、演出装置200の前面下方の前面ステージ234に供給し、さらに、前面ステージ234に排出された遊技球が前面ステージ234の中央部後方に設けた第2の入球口236に入った場合は、その遊技球を、第1特図始動口126の上方であって演出装置200の下部中央に設けた排出口238から第1特図始動口126に向けて排出する。この排出口238から排出した遊技球は第1特図始動口126に入球しやすくなっている。
遮蔽手段250は、たとえば格子状の左扉250aおよび右扉250bからなり、液晶表示装置110および前面ステージ234の間に配設される。
左扉250aおよび右扉250bの上部には、図示しない2つのプーリに巻き回したベルトをそれぞれ固定している。すなわち、左扉250aおよび右扉250bは、図示しないモータによりプーリを介して駆動するベルトの動作に伴って左右にそれぞれ移動する。
遮蔽手段250は、左右扉250a、250bを閉じた状態ではそれぞれの内側端部が重なり、遊技者が液晶表示装置110を視認し難いように遮蔽する。左右扉250a、250bを開いた状態ではそれぞれの内側端部が液晶表示装置110の表示画面の外側端部と若干重なるが、遊技者は液晶表示装置110の表示の全てを視認可能である。
また、左右扉250a、250bは、それぞれ任意の位置で停止可能であり、たとえば、表示した装飾図柄がどの装飾図柄であるかを遊技者が識別可能な程度に、装飾図柄の一部だけを遮蔽するようなことができる。
なお、左右扉250a、250bは、格子の孔から後方の液晶表示装置110の一部を視認可能にしてもよいし、格子の孔の障子部分を半透明のレンズ体で塞ぎ、後方の液晶表示装置110による表示を漠然と遊技者に視認させるようにしてもよいし、格子の孔の障子部分を完全に塞ぎ(遮蔽し)、後方の液晶表示装置110を全く視認不可にしてもよい。
<図柄の種類>
次に、図3(a)〜(c)を用いて、パチンコ機100の特図表示装置114、液晶表示装置110、普図表示装置112が停止表示する特図および普図の種類について説明する。
図3(a)は特図の停止表示態様の一例を示したものである。
この例では、特図の停止表示態様には、大当たり図柄である「特図1」と、特別大当たり図柄である「特図2」と、外れ図柄である「特図3」の3種類がある。
第1特図始動口126または第2特図始動口128に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出したことを条件として特図変動遊技を開始した場合には、特図表示装置114は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図の変動表示」を行う。その後、特図の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、特図変動遊技の当選を報知する場合には「特図1」または「特図2」を停止表示し、特図変動遊技の外れを報知する場合には「特図3」を停止表示する。
なお、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
なお、特図変動遊技においては、所定の判定テーブルに基づいた抽選を行い、抽選の結果、大当たりに当選すると、たとえば可変入賞口130の扉部材が所定の時間間隔(たとえば、開放時間29秒、閉鎖時間1.5秒)、所定の回数(たとえば15回)で開閉する。可変入賞口130への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置402を駆動し、所定の個数(本実施例では15球)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出する。なお、可変入賞口130に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
また、特図変動遊技において、所定の判定テーブルに基づいた抽選を行い、抽選の結果、特別大当たりに当選すると、上記大当たりと同様の遊技が実施されるとともに、大当たり終了後における特図変動遊技においては、通常遊技における特図変動遊技よりも、大当たりとなる確率が向上する確率変動を伴った特図変動遊技(たとえば、後述する高確率状態移行判定テーブルを用いた特図変動遊技)となる。
図3(b)は装飾図柄の一例を示したものである。
この例では、装飾図柄には、「装飾1」〜「装飾10」の10種類がある。
第1特図始動口126または第2特図始動口128に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出したことを条件にして、液晶表示装置110の左図柄表示領域110a、中図柄表示領域110b、右図柄表示領域110cの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。その後、大当たりを報知する場合には、図柄表示領域110a〜110cに大当たりに対応する図柄組合せ(ここでは、同一の数字の装飾図柄の組合せ(たとえば、「装飾2−装飾2−装飾2」))を停止表示し、特別大当たりを報知する場合には、特別大当たりに対応する図柄組合せ(ここでは、同一の奇数番号数字の装飾図柄の組合せ(たとえば、「装飾1−装飾1−装飾1」))を停止表示する。
なお、大当たりに対応する図柄の組合せを停止表示した場合には、大当たり遊技または特別大当たり遊技を開始し、特別大当たりに対応する図柄の組合せを停止表示した場合には、特別大当たり遊技を開始する。また、外れを報知する場合には、図柄表示領域110a〜110cに大当たりに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せを停止表示した後で、保留している装飾図柄の変動表示があれば、その変動表示を開始する。
図3(c)は普図の停止表示態様の一例を示したものである。
この例の場合、普図の停止表示態様には、当たり図柄である「普図1」と、外れ図柄である「普図2」の2種類がある。
普図始動口124を球が通過したことを所定の球検出センサが検出したことを条件として普図表示遊技を開始した場合には、普図表示装置112は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「普図の変動表示」を行う。その後、普図変動遊技の当選を報知する場合には「普図1」を停止表示し、普図変動遊技の外れを報知する場合には「普図2」を停止表示する。
<制御部>
次に、図4を用いて、このパチンコ機100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
パチンコ機100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主に演出の制御を行う副制御部400と、主制御部300が送信するコマンドに応じて、主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部550と、遊技球の発射制御を行う発射制御部600と、パチンコ機100に供給される電源を制御する電源管理部650によって構成されている。
<主制御部>
まず、パチンコ機100の主制御部300について説明する。
主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312を搭載している。
なお、ROM306やRAM308については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部400についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器314bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路302には、水晶発振器314aが出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用しているカウンタ回路316(この回路には2つのカウンタを内蔵しているものとする)と、各始動口124、126、128、入賞口122、後述する入口239および可変入賞口130の内部に設けた球検出センサを含む各種センサ318が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果をカウンタ回路316および基本回路302に出力するためのセンサ回路320と、特図表示装置114の表示制御を行うための表示回路322と、普図表示装置112の表示制御を行うための表示回路324と、各種状態表示部326(普図保留ランプ116、特図保留ランプ118、高確中ランプ118等)の表示制御を行うための表示回路328と、第2特図始動口128や可変入賞口130等を開閉駆動する各種ソレノイド330を制御するためのソレノイド回路332とを接続している。
なお、第1特図始動口126に球が入賞したことを球検出センサ318が検出した場合には、センサ回路320は球を検出したことを示す信号をカウンタ回路316に出力する。
この信号を受信したカウンタ回路316は、第1特図始動口126に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第1特図始動口126に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。
また、カウンタ回路316は、第2特図始動口128に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、第2特図始動口128に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第2特図始動口128に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。
さらに、基本回路302には、情報出力回路334を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にパチンコ機100の遊技情報(たとえば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部300には、電源管理部650から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路336を設けており、この電圧監視回路336は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
また、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)338を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、主制御部300は、副制御部400にコマンドを送信するための出力インターフェースと、払出制御部550にコマンドを送信するための出力インターフェースをそれぞれ備えており、この構成により、副制御部400および払出制御部550との通信を可能としている。なお、主制御部300と副制御部400および払出制御部550との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は副制御部400および払出制御部550にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、副制御部400および払出制御部550からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
<副制御部>
また、主制御部300は、副制御部400にコマンドを送信するための出力インターフェースと、払出制御部550にコマンドを送信するための出力インターフェースをそれぞれ備えており、この構成により、副制御部400および払出制御部550との通信を可能としている。
なお、主制御部300と副制御部400および払出制御部550との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は副制御部400および払出制御部550にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、副制御部400および払出制御部550からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
また、主制御部300と払出制御部550との接続には、主制御部300から払出制御部550に対するコマンドを送信するもののほかに、主制御部300から払出制御部550に対してコマンドを出力可能か否かに関する信号を常に出力するものも設けられている。
<副制御部>
次に、パチンコ機100の副制御部400について説明する。
副制御部400は、主に主制御部300が送信したコマンド等に基づいて副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402には、CPU404と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM406と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412とを搭載している。
この基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路402には、スピーカ416(およびアンプ)の制御を行うためのサウンド回路418と、各種ランプ420の制御を行うための表示回路422と、演出装置200の演出用可動体等を駆動する駆動装置であるソレノイドまたはモータ等が含まれる各種演出用駆動装置424の制御を行うための演出用駆動装置制御回路426と、液晶表示装置110および遮蔽手段250の制御を行うための液晶制御部500と、チャンスボタン146の押下を検出して信号を出力するチャンスボタン検出回路380とを接続している。
副制御部400は、液晶制御部500を介した液晶表示装置110、スピーカ416、各種ランプ420、各種演出用駆動装置424などを用いた遊技演出の制御(演出制御)を行う。
<払出制御部、発射制御部、電源管理部>
次に、パチンコ機100の払出制御部550、発射制御部600、電源管理部650について説明する。
払出制御部550は、主に主制御部300が送信したコマンド等の信号に基づいて払出装置552を制御するとともに、払出センサ554が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払い出しが完了したか否かを検出するとともに、インターフェース部556を介して、パチンコ機100とは別体で設けられたカードユニット654との通信を行う。
発射制御部600は、払出制御部550が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、操作ハンドル148内に設けた発射強度出力回路(図示省略)が出力する、遊技者による発射ハンドル148の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、発射杆138および発射槌140を駆動する発射モータ602の制御や、貯留皿144から発射レール142に球を供給する球送り装置604の制御を行う。
電源管理部650は、パチンコ機100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部300、副制御部400等の各制御部や払出装置552等の各装置に供給する。さらに、電源管理部650は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(たとえば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(たとえば10日間)電源を供給するための蓄電回路(たとえばコンデンサ)を備えている。
<主制御部メイン処理>
次に、図5を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)(図示省略)を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割り込みによりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って処理を実行する。
ステップS101では、初期設定1を行う。この初期設定1では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割り込みマスクの設定、I/Oポート310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT(ウオッチドッグタイマ)への初期値の設定等を行う。なお、本実施例では、WDTに、初期値として32.8msに相当する数値を設定する。
ステップS102では、WDTのリセットを行い、WDTによる時間計測を再始動する。
ステップS103では、低電圧信号がオンであるか否か、すなわち、電圧監視回路336が、電源管理部650から主制御部300に供給している電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を出力しているか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(CPU304が電源の遮断を検知した場合)にはステップS102に戻り、低電圧信号がオフの場合(CPU304が電源の遮断を検知していない場合)にはステップS104に進む。
ステップS104では、初期設定2を行う。この初期設定2では、後述する主制御部タイマ割り込み処理を定期ごとに実行するための周期を決める数値をカウンタタイマ312に設定する処理、I/O310の所定のポート(たとえば試験用出力ポート、副制御部400への出力ポート)からクリア信号を出力する処理、RAM308への書き込みを許可する設定等を行う。
ステップS105では、電源の遮断前(電断前)の状態に復帰するか否かの判定を行い、電断前の状態に復帰しない場合(主制御部300の基本回路302を初期状態にする場合)にはステップS107に進む。同様に電源ステータスの情報が「サスペンド」以外の情報を示している場合にもステップS107に進む。
具体的には、最初に、電源基板162に設けた操作部を遊技店の店員などが操作した場合に送信されるRAMクリア信号がオン(操作があったことを示す)であるか否か、すなわちRAMクリアが必要であるか否かを判定し、RAMクリア信号がオンの場合(RAMクリアが必要な場合)には、基本回路302を初期状態にすべくステップS107に進む。
一方、RAMクリア信号がオフの場合(RAMクリアが必要でない場合)は、RAM308に設けた電源ステータス記憶領域に記憶した電源ステータスの情報を読み出し、この電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報であるか否かを判定する。
この判定の結果、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報でない場合には、基本回路302を初期状態にすべくステップS107に進み、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報である場合には、RAM308の所定の領域(たとえばすべての領域)に記憶している1バイトデータを初期値が0である1バイト構成のレジスタにすべて加算することによりチェックサムを算出し、算出したチェックサムの結果が特定の値(たとえば0)であるか否か(チェックサムの結果が正常であるか否か)を判定する。
チェックサムの結果が特定の値(たとえば0)の場合(チェックサムの結果が正常である場合)には電断前の状態に復帰すべくステップS106に進み、チェックサムの結果が特定の値(たとえば0)以外である場合(チェックサムの結果が異常である場合)には、パチンコ機100を初期状態にすべくステップS107に進む。同様に電源ステータスの情報が「サスペンド」以外の情報を示している場合にもステップS107に進む。
ステップS106では、復電時処理を行う。この復電時処理では、電断時にRAM308に設けられたスタックポインタ退避領域に記憶しておいたスタックポインタを読み出し、スタックポインタに再設定する。また、電断時にRAM308に設けられたレジスタ退避領域に記憶しておいた各レジスタの値を読み出し、各レジスタに再設定した後、割り込み許可の設定を行う。以降、CPU304が、再設定後のスタックポインタやレジスタに基づいて制御プログラムを実行する結果、パチンコ機100は電源断時の状態に復帰する。すなわち、電断直前に主制御部タイマ割り込み処理に分岐する直前に行った(ステップS108、ステップS109内の所定の)命令の次の命令から処理を再開する。
ステップS107では、初期化処理を行う。この初期化処理では、割り込み禁止の設定、スタックポインタへのスタック初期値の設定、RAM308のすべての記憶領域の初期化などを行う。
ステップS108では、割り込み禁止の設定を行った後、基本乱数初期値更新処理を行う。この基本乱数初期値更新処理では、普図当選乱数カウンタ、および特図乱数値カウンタの初期値をそれぞれ生成するための2つの初期値生成用乱数カウンタと、普図タイマ乱数値、特図タイマ乱数値をそれぞれ生成するための2つの乱数カウンタを更新する。
たとえば、普図タイマ乱数値として取り得る数値範囲が0〜20とすると、RAM308に設けた普図タイマ乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が21であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。他の初期値生成用乱数カウンタ、乱数カウンタもそれぞれ同様に更新する。
この基本乱数初期値更新処理の終了後に、割り込み許可の設定を行ってステップS109に進む。
ステップS109では演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。
主制御部300は、所定の周期ごとに開始する主制御部タイマ割り込み処理を行っている間を除いて、ステップS108およびS109の処理を繰り返し実行する。
<主制御部タイマ割り込み処理>
次に、図6を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割り込み処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部300は、所定の周期(本実施例では約2msに1回)でタイマ割り込み信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割り込み信号を契機として主制御部タイマ割り込み処理を所定の周期で開始する。
ステップS201では、タイマ割り込みスタート処理を行う。このタイマ割り込みスタート処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
ステップS202では、WDTのカウント値が初期設定値(本実施例では32.8ms)を超えてWDT割り込みが発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDTを定期的に(本実施例では、主制御部タイマ割り込みの周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップS203では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、ガラス枠開放センサ、前枠開放センサ、下皿満タンセンサ、複数の球検出センサなどを含む各種センサ318の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ318ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。
本実施例では、前々回のタイマ割り込み処理(約4ms前)で検出した各々の球検出センサ318の検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前回検出信号記憶領域から読み出し、この情報をRAM308に各々の球検出センサ318ごとに区画して設けた前々回検出信号記憶領域に記憶し、前回のタイマ割り込み処理(約2ms前)で検出した各々の球検出センサ318の検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサ318ごとに区画して設けた今回検出信号記憶領域から読み出し、この情報を上述の前回検出信号記憶領域に記憶する。また、今回検出した各々の球検出センサ318の検出信号を、上述の今回検出信号記憶領域に記憶する。
また、ステップS203では、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記憶領域の各記憶領域に記憶した各々の球検出センサ318の検出信号の有無の情報を比較し、各々の球検出センサ318における過去3回分の検出信号の有無の情報が一致するか否かを判定する。
そして、各々の球検出センサ318において過去3回分の検出信号の有無の情報が、予め定めた入賞判定パターン情報(本実施例では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)と一致した場合に、入賞口(一般入賞口122、可変入賞口130)や始動口(第1特図始動口126、第2特図始動口128)への入球、または後述の入口239や普図始動口124の通過があったと判定する。
たとえば、一般入賞口122への入球を検出する球検出センサ318において過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致した場合には、一般入賞口122へ入球したと判定し、以降の一般入賞口122への入球に伴う処理を行うが、過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致しなかった場合には、以降の一般入賞口122への入球に伴う処理を行わずに後続の処理に分岐する。
ステップS204およびステップS205では、基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理を行う。
これらの基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理では、上記ステップS108で行った初期値生成用乱数カウンタの値の更新を行い、次に主制御部300で使用する普図当選乱数値および特図乱数値をそれぞれ生成するための2つの乱数カウンタを更新する。
たとえば、普図当選乱数値として取り得る数値範囲が0〜100とすると、RAM308に設けた普図当選乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が101であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。
また、取得した値に1を加算した結果、乱数カウンタが一周していると判定した場合にはそれぞれの乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタの値を取得し、乱数カウンタの記憶領域にセットする。
たとえば、0〜100の数値範囲で変動する普図当選乱数値生成用の乱数カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算した結果が、RAM308に設けた所定の初期値記憶領域に記憶している前回設定した初期値と等しい値(たとえば7)である場合に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタから値を初期値として取得し、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタにセットするとともに、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するために、今回設定した初期値を上述の初期値記憶領域に記憶しておく。
なお、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するための上述の初期値記憶領域とは別に、特図乱数生成用の乱数カウンタが1周したことを判定するための初期値記憶領域をRAM308に設けている。
ステップS206では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。
ステップS207では、タイマ更新処理を行う。このタイマ更新処理では、普通図柄表示装置112に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための普図表示図柄更新タイマ、特別図柄表示装置114に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図表示図柄更新タイマ、所定の入賞演出時間、所定の開放時間、所定の閉鎖時間、所定の終了演出期間などを計時するためのタイマなどを含む各種タイマを更新する。
ステップS208では、入賞口カウンタ更新処理を行う。この入賞口カウンタ更新処理では、入賞口(一般入賞口122、第1、第2特図始動口126、128、および可変入賞口130)に入賞(入球)があった場合に、RAM308に各入賞口ごとに設けた賞球数記憶領域の値を読み出し、1を加算して、元の賞球数記憶領域に設定する。
ステップS209では、入賞受付処理を行う。この入賞受付処理では、第1、第2特図始動口126、128に入賞があり、且つ、保留している特図変動遊技の数が4未満である場合には、入賞した始動口に対応するカウンタ回路316のカウンタ値記憶用レジスタから値を特図当選乱数値として取得する。
また、上述の特図乱数値生成用の乱数カウンタから値を特図乱数値として取得し、RAM308に設けた乱数値記憶領域に特図当選乱数値とともに記憶する。
また、普図始動口124を球が通過したことを検出し、且つ、保留している普図変動遊技の数が2未満の場合には、そのタイミングにおける普図当選乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図当選乱数値として取得し、RAM308に設けた上述の特図用とは別の乱数値記憶領域に記憶する。
また、この入賞受付処理では、所定の球検出センサ318により第1、第2特図始動口126、128、普図始動口124、または可変入賞口の入賞(入球)を検出した場合に、副制御部350に送信すべき送信情報に、第1、第2特図始動口126、128、普図始動口124、および可変入賞口の入賞(入球)の有無を示す入賞受付情報を設定する。
ステップS210では、払出要求数送信処理を行う。なお、払出制御部550に出力する出力予定情報および払出要求情報は1バイトで構成しており、ビット7にストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット6に電源投入情報(オンの場合、電源投入後一回目のコマンド送信であることを示す)、ビット4〜5に今回加工種別(0〜3)、およびビット0〜3に加工後の払出要求数を示すようにしている。
ステップS211では、普図状態更新処理を行う。この普図状態更新処理は、普図の状態に対応する複数の処理のうちの1つの処理を行う。たとえば、普図変動中(後述する普図汎用タイマの値が1以上)における普図状態更新処理では、普図表示装置112を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。
また、普図変動表示時間が経過したタイミング(普図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、当りフラグがオンの場合には、図4(c)に示す普図1の態様となるように普図表示装置112を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、当りフラグがオフの場合には、図4(c)に示す普図2の態様となるように普図表示装置112を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行うとともに、その後、所定の停止表示期間(たとえば500m秒間)その表示を維持するためにRAM308に設けた普図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により普図の停止表示を行い、普図変動遊技の結果を遊技者に報知するようにしている。
また、所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、当りフラグがオンの場合には、所定の開放期間(たとえば2秒間)、第2特図始動口128の羽根部材の開閉駆動用のソレノイド330に、羽根部材を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(羽根開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(たとえば500m秒間)、羽根部材の開閉駆動用のソレノイド330に、羽根部材を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。
また、所定の閉鎖期間を経過したタイミング(羽根閉鎖時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、普図の状態を非作動中に設定する。普図の状態が非作動中の場合における普図状態更新処理では、何もせずに次のステップS212に移行するようにしている。
ステップS212では、普図関連抽選処理を行う。この普図関連抽選処理では、普図変動遊技および第2特図始動口128の開閉制御を行っておらず(普図の状態が非作動中)、且つ、保留している普図変動遊技の数が1以上である場合に、上述の乱数値記憶領域に記憶している普図当選乱数値に基づいた乱数抽選により普図変動遊技の結果を当選とするか、不当選とするかを決定する当り判定を行い、当選とする場合にはRAM308に設けた当りフラグにオンを設定する。不当選の場合には、当りフラグにオフを設定する。
また、当り判定の結果に関わらず、次に上述の普図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図タイマ乱数値として取得し、取得した普図タイマ乱数値に基づいて複数の変動時間のうちから普図表示装置112に普図を変動表示する時間を1つ選択し、この変動表示時間を、普図変動表示時間として、RAM308に設けた普図変動時間記憶領域に記憶する。
なお、保留している普図変動遊技の数は、RAM308に設けた普図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している普図変動遊技の数から1を減算した値を、この普図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また当り判定に使用した乱数値を消去する。
ステップS213では、特図状態更新処理を行う。この特図状態更新処理は、特図の状態に応じて、次の8つの処理のうちの1つの処理を行う。たとえば、特図変動中(後述する特図汎用タイマの値が1以上)における特図状態更新処理では、特図表示装置112を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。
また、特図変動表示時間が経過したタイミング(特図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、大当たりフラグがオンで確変フラグがオフの場合には特図表示装置114に図4(a)に示す特図1、大当たりフラグがオンで確変フラグがオンの場合には特図表示装置114に図4(a)に示す特図2、大当たりフラグがオフの場合には、図4(a)に示す特図3の態様となるように特図表示装置112を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行うとともに、その後、所定の停止表示期間(たとえば500m秒間)その表示を維持するためにRAM308に設けた特図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。
この設定により特図の停止表示を行い、特図変動遊技の結果を遊技者に報知するようにしている。また、後述するコマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド回転停止設定送信処理を実行させるために送信情報記憶領域に02Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
また、所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、大当たりフラグがオンの場合には、所定の入賞演出期間(たとえば3秒間)すなわち液晶表示装置110による大当たりを開始することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するためにRAM308に設けた特図待機時間管理用タイマの記憶領域に入賞演出期間を示す情報を設定する。
また、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド入賞演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に04Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
また、所定の入賞演出期間が終了したタイミング(特図待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、所定の開放期間(たとえば29秒間、または可変入賞口130に所定球数(たとえば10球)の遊技球の入賞を検出するまで)可変入賞口130の扉部材の開閉駆動用のソレノイド330に、扉部材を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。
また、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド大入賞口開放設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に10Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(扉開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(たとえば1.5秒間)可変入賞口130の扉部材の開閉駆動用のソレノイド330に、扉部材を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。
また、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド大入賞口閉鎖設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に20Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
また、この扉部材の開放・閉鎖制御を所定回数(たとえば15ラウンド)繰り返し、終了したタイミングで開始する特図状態更新処理では、所定の終了演出期間(たとえば3秒間)すなわち液晶表示装置110による大当たりを終了することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定するためにRAM308に設けた演出待機時間管理用タイマの記憶領域に演出待機期間を示す情報を設定する。
また、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド終了演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に08Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
また、所定の終了演出期間が終了したタイミング(演出待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、特図の状態を非作動中に設定する。特図の状態が非作動中の場合における特図状態更新処理では、何もせずに次のステップS214に移行するようにしている。
ステップS214では、特図関連抽選処理を行う。この特図関連抽選処理では、特図変動遊技および可変入賞口130の開閉制御を行っておらず(特図の状態が非作動中)、且つ、保留している特図変動遊技の数が1以上である場合に、図示しない大当たり判定テーブル、図示しない高確率状態移行判定テーブル、図示しないタイマ番号決定テーブルなどの乱数の数値範囲を規定したテーブルを使用した各種抽選のうち、最初に大当たり判定を行う。
具体的には、ステップS203で乱数値記憶領域に記憶した特図当選乱数値が、大当たり判定テーブルの第1特図始動口用抽選データの数値範囲であるか否かを判定し、特図当選乱数値が第1特図始動口用抽選データの数値範囲である場合には、特図変動遊技の当選と判定してRAM308に設けた大当たりフラグの格納領域に大当たりとなることを示す情報を設定する(ここで、大当たりの情報をRAM308に設定することを、大当たりフラグをオンに設定するという)。
一方、特図当選乱数値が第1特図始動口用抽選データの数値範囲以外である場合には、特図変動遊技の外れと判定してRAM308に設けた大当たりフラグの格納領域に外れとなることを示す情報を設定する(ここで、外れの情報をRAM308に設定することを、大当たりフラグをオフに設定するという)。
なお、保留している特図変動遊技の数は、RAM308に設けた特図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している特図変動遊技の数から1を減算した値を、この特図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また、当り判定に使用した乱数値を消去する。
具体例としては、遊技状態が低確率状態であり、第1特図始動口126への球入賞の検出に基づいて取得した特図当選乱数値が10100の場合は大当たりフラグをオンに設定し、特図当選乱数値が10200の場合は大当たりフラグをオフに設定する。
また、第2特図始動口128への球入賞の検出に基づいて取得した特図当選乱数値が20100の場合は大当たりフラグをオンに設定し、特図当選乱数値が20200の場合は大当たりフラグをオフに設定する。
大当たりフラグにオンを設定した場合には、次に確変移行判定を行う。
具体的には、ステップS209で乱数値記憶領域に記憶した特図乱数値が、高確率状態移行判定テーブルの移行判定乱数の数値範囲であるか否かを判定し、特図乱数値が抽選データの数値範囲である場合には、RAM308に設けた確変(確率変動)フラグの格納領域に、特別大当たり遊技を開始することを示す情報を設定する(ここで、特別大当たり遊技開始の情報をRAM308に設定することを確変フラグをオンに設定するという)。
一方、特図乱数値が抽選データの数値範囲以外である場合には、上述の確変フラグの格納領域に、大当たり遊技を開始することを示す情報を設定する(ここで、大当たり遊技開始の情報をRAM308に設定することを確変フラグをオフに設定するという)。
たとえば、取得した特図乱数値が20の場合には確変フラグをオフに設定する。
一方、取得した特図乱数値が80の場合には確変フラグをオンに設定する。
大当たり判定の結果に関わらず、次にタイマ番号を決定する処理を行う。
具体的には、上述の特図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を特図タイマ乱数値として取得する。大当たりフラグの値、および取得した特図タイマ乱数値を含む、タイマ番号決定テーブルのタイマ乱数の数値範囲に対応するタイマ番号を選択し、RAM308に設けた所定のタイマ番号格納領域に記憶する。
さらに、そのタイマ番号に対応する変動時間を、特図変動表示時間として、上述の特図表示図柄更新タイマに記憶し、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド回転開始設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に01Hを送信情報(一般情報)として追加記憶してから処理を終了する。
たとえば、大当たりフラグがオフで、取得した特図タイマ乱数値が50000の場合には、特図タイマ乱数値は0〜60235の範囲であることから、タイマ番号決定テーブルのそれらの条件に対応する1行目に記憶しているタイマ番号を示すタイマ1、および変動時間を示す5を選択し、RAM308に設けたそれぞれの記憶領域に記憶する。
一方、大当たりフラグがオンで、取得した特図タイマ乱数値が64000の場合には、特図タイマ乱数値は0〜15535の範囲ではないことからタイマ2は選択せず、15536〜24535ではないことからタイマ3は選択せず、24536〜62535ではないことからタイマ4は選択しないが、62536〜65535の範囲内であることから、タイマ番号決定テーブルのそれらの条件に対応する8行目に記憶しているタイマ番号を示すタイマ5、および変動時間を示す50を選択し、RAM308に設けたそれぞれの記憶領域に記憶する。なお、割り込み処理の開始周期である2msを考慮して、選択した変動時間の値に500(1000ms/2ms)を掛けた値を変動時間記憶領域にセットする。
たとえば、変動時間が5秒の場合には、変動時間記憶領域には2500の値を初期値としてセットし、ステップS207のタイマ更新処理を実行する度に、この変動時間記憶領域の値を1だけ減算するようにすることで、割り込み処理の実行回数により時間の経過を計測できるようにしている。また、複数回(たとえば5回)のタイマ割込処理の実行ごと(たとえば2ms周期)に変動時間記憶領域の値を減算する場合には、変動時間が10秒の場合であれば、10秒が10000msであることから周期(2ms×5)で割り算して1000を変動時間記憶領域に設定する。
ステップS215では、コマンド設定送信処理を行う。なお、副制御部400に送信する出力予定情報は16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(00Hの場合は基本コマンド、01Hの場合は図柄変動開始コマンド、04Hの場合は図柄変動停止コマンド、05Hの場合は入賞演出開始コマンド、06Hの場合は終了演出開始コマンド、07Hの場合は大当たりラウンド数指定コマンド、0EHの場合は復電コマンド、0FHの場合はRAMクリアコマンドをそれぞれ示すなどコマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
具体的には、ストローブ情報は上述のコマンド送信処理でオン、オフするようにしている。また、コマンド種別が図柄変動開始コマンドの場合であればコマンドデータに、大当たりフラグの値、確変フラグの値、特図関連抽選処理で選択したタイマ番号などを示す情報を含み、図柄変動停止コマンドの場合であれば、大当たりフラグの値、確変フラグの値などを含み、入賞演出コマンドおよび終了演出開始コマンドの場合であれば、確変フラグの値などを含み、大当たりラウンド数指定コマンドの場合であれば確変フラグの値、大当たりラウンド数などを含むようにしている。コマンド種別が基本コマンドを示す場合は、コマンドデータにデバイス情報、第1特図始動口126への入賞の有無、第2特図始動口128への入賞の有無、可変入賞口130への入賞の有無などを含む。
また、上述の一般コマンド回転開始設定送信処理では、コマンド種別に01H、コマンドデータにRAM308に記憶している大当たりフラグの値、確変フラグの値、特図関連抽選処理で選択したタイマ番号、保留している特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。
上述の一般コマンド回転停止設定送信処理では、コマンド種別に04H、コマンドデータにRAM308に記憶している大当たりフラグの値、確変フラグの値などを示す情報を設定する。
上述の一般コマンド入賞演出設定送信処理では、コマンド種別に05H、コマンドデータにRAM308に記憶している入賞演出期間中に液晶表示装置110・各種ランプ370・スピーカ366に出力する演出制御情報、確変フラグの値、保留している特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。
上述の一般コマンド終了演出設定送信処理では、コマンド種別に06H、コマンドデータにRAM308に記憶している演出待機期間中に液晶表示装置110・各種ランプ370・スピーカ366に出力する演出制御情報、確変フラグの値、保留している特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。
上述の一般コマンド大入賞口開放設定送信処理では、コマンド種別に07H、コマンドデータにRAM308に記憶している大当たりラウンド数、確変フラグの値、保留している特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。
上述の一般コマンド大入賞口閉鎖設定送信処理では、コマンド種別に08H、コマンドデータにRAM308に記憶している大当たりラウンド数、確変フラグの値、保留している特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。
副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
また、ステップS215のコマンド設定送信処理では、ステップS210の払出要求数送処理で送信した情報が安定するのを待った後、払出制御部550に遊技球の検知情報を出力可能か否かに関する出力可否信号であるストローブ信号を、払出制御部550に対して出力する。払出制御部550では、このストローブ信号の受信を契機に、後述する払出制御部コマンド受信割り込み処理(払出制御部ストローブ割り込み処理)を行う。
ステップS216では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路334を介してパチンコ機100とは別体の情報入力回路652に出力する。
ステップS217では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、ステップ203において信号状態記憶領域に記憶した各種センサ318の信号状態を読み出して、ガラス枠開放エラーの有無、前枠開放エラーの有無、または下皿満タンエラーの有無などを監視し、ガラス枠開放エラー、前枠開放エラー、または下皿満タンエラーを検出した場合に、副制御部400に送信すべき送信情報に、ガラス枠開放エラーの有無、前枠開放エラーの有無、下皿満タンエラーの有無を示すデバイス情報を設定する。また、後述する入口239に設けた球検出センサによって入口239を遊技球が通過したことを検出した場合には、当該入口239を遊技球が通過したことを示すデバイス情報を設定する。
また、各種ソレノイド330を駆動して第2特図始動口128や可変入賞口130の開閉を制御し、また、表示回路322、324、328を介して特図表示装置114、普図表示装置112、各種状態表示部326などに出力する表示データを、I/O310の出力ポートに設定する。
また、払出要求数送信処理(ステップS210)で設定した出力予定情報を、出力ポート310を介して副制御部400に出力する。
ステップS218では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS219に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS220に進む。
ステップS219では、タイマ割り込みエンド処理を行う。このタイマ割り込みエンド処理では、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定したり、割り込み許可の設定などを行う。
ステップS220では、電源管理部650から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路336が、所定の値以下である場合に電圧が低下したことを示す電圧低下信号を出力しているか否か、すなわち電源の遮断を検知したか否かを監視し、電源の遮断を検知した場合には、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行う。
<副制御部メイン処理>
次に、図7(a)を用いて、副制御部400のCPU404が実行する副制御部メイン処理について説明する。なお、同図は副制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
副制御部400には、電源が投入されるとリセット信号を出力するリセット信号出力回路を設けている。このリセット信号を入力した基本回路402のCPU404は、リセット割り込みによりリセットスタートしてROM406に予め記憶した制御プログラムに従って処理を実行し、まず、ステップS301で各種の初期設定を行う。この初期設定では、入出力ポートの初期設定や、各種変数の初期化等を行う。
ステップS302では、コマンド入力処理(詳細は後述)を行う。
ステップS303では、I/O410の出力ポートを介して液晶制御回路374にコマンドを出力する。
ステップS304では、後述するタイマ変数記憶領域の値が10以上であるか否かを判定する。タイマ変数記憶領域の値が10以上である場合はステップS305に進み、タイマ変数記憶領域の値が10未満である場合にはステップS302に進む。
ステップS305では、タイマ変数記憶領域に0を格納する。
ステップS306では、演出データ更新処理を行う。この演出データ更新処理では、後述する変動パターン選択処理で記憶する変動番号、仮停止図柄の組合せ、および停止図柄の組合せの種別の更新を行うと共に、装飾図柄の変動表示を開始してからの経過時間に基づいて装飾図柄表示装置110、遮蔽手段250、スピーカ416、各種ランプ420および演出装置200の演出用可動体等による演出を制御するための動作制御データの更新を行う。
ステップS306では、決定された演出情報が示している態様で装飾図柄変動表示を行うように次回実行する上記ステップS303の処理で副制御部400に出力するコマンド(たとえば左に装飾7を停止することを指示するコマンドや遮蔽手段250を動作させるコマンド等)をRAM408に設けた液晶コマンド格納領域に格納する等、後述するステップS305、306、307によるスピーカ416、各種ランプ420、および演出用可動体を制御する準備を行う。また、所定の条件が成立している場合には所定の演出を実行するか否か、たとえばチャンスボタンを用いた演出を行うか否か等の抽選を行う。
ステップS307では、音出力処理を行う。この音出力処理では、上記ステップS304で取得したスピーカ制御用の情報に含まれるスピーカ416に出力する音声データをI/O410の出力ポートに設定し、スピーカ416の出力制御をサウンド回路418に行わせる。
ステップS308では、ランプ制御処理を行う。このランプ制御処理では、上記ステップS304で取得した各種ランプ制御用の情報に含まれる各種ランプ420に出力するランプの点灯・消灯を示すデータ等をI/O410の出力ポートに設定し、各種ランプ420の点灯や消灯の制御を表示回路422に行わせる。
ステップS309では、演出用駆動装置制御処理を行う。この演出用駆動装置制御処理では、上記ステップS304で取得した演出用可動体の制御用の情報に含まれる動作タイミングを示すデータ等をI/O410の出力ポートに設定し、演出用可動体等を駆動する各種演出用駆動装置424の制御を演出用駆動回路376に行わせる。
副制御部400は、後述するストローブ処理、チャンスボタン処理、または副制御部タイマ割り込み処理による中断を除いて、以降、ステップS302〜S304の処理を繰り返し実行する。
<コマンド入力処理>
次に、図7(b)を用いて、上記副制御部メイン処理におけるコマンド入力処理(ステップS302)について説明する。同図はコマンド入力処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS401では、後述するコマンド記憶領域の内容を確認し、未処理のコマンドが残っているか否かを判断する。そして、コマンド記憶領域に未処理のコマンドが残っている場合にはステップS402に進み、コマンド記憶領域に未処理のコマンドが残っていない場合には処理を終了して副制御部メイン処理に復帰する。
<変動パターン選択処理>
図7(c)は変動パターン選択処理の流れを示すフローチャートであり、同図(d)は図柄停止処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS402では、コマンド記憶領域に記憶している未処理コマンドのうちの次に処理するべき未処理コマンドの種類に基づいて、図7(c)に示す変動パターン選択処理(たとえば未処理コマンドが上記変動開始コマンドに基づいて実行する)や、同図(d)に示す図柄停止処理等を行う。未処理コマンドに基づく処理は他にも備えている。たとえば、大当たり中に可変入賞口130の開放制御を開始するたびに主制御部300が出力し、大当たり開始後の可変入賞口130の開放回数を示す情報を含むラウンド開始コマンドが未処理コマンドである場合に行うラウンド開始処理等である。その他の処理は、ここでは割愛する。
変動パターン選択処理のステップS501では、未処理コマンドに含まれている上記大当たりフラグの値、確変フラグの値、およびタイマ番号を抽出し、RAM408のそれぞれの記憶領域に記憶する。また、変動番号選択テーブル(図示せず)、図柄決定テーブル(図示せず)を参照して演出データ(本実施例では変動番号、仮停止図柄・停止図柄の組合せ等)を選択し、これをRAM408に設けた記憶領域に記憶した後、処理を終了する。
図柄停止処理のステップS601では、上記図柄記憶領域に記憶している停止図柄の組合せを構成する3つの装飾図柄を装飾図柄表示装置110の左、中、右図柄表示領域110a〜110cの3つの表示領域に表示するように設定して処理を終了する。また、上記ラウンド開始処理では未処理コマンドに含まれている上記大当たり開始後の可変入賞口130の開放回数を示す情報を抽出し、RAM408の記憶領域に記憶する。
<ストローブ割り込み処理>
次に、図7(e)を用いて、副制御部400のストローブ割り込み処理について説明する。なお、同図はストローブ割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
このストローブ割り込み処理は、副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。ストローブ割り込み処理のステップS701では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けた上記コマンド記憶領域に記憶する。
<チャンスボタン割り込み処理>
次に、図7(f)を用いて、副制御部400のチャンスボタン割り込み処理について説明する。なお、同図はチャンスボタン割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
このチャンスボタン割り込み処理は、副制御部400がチャンスボタン検出回路364によってチャンスボタン146の操作を検出した場合に実行する処理である。
チャンスボタン割り込み処理のステップS801では、RAM408の検知カウンタ記憶領域に記憶している、チャンスボタン146の押下回数を計測するための検知カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算してから元の検知カウンタ記憶領域に記憶する。
<変数更新割り込み処理>
次に、図7(g)を用いて、副制御部400のCPU404によって実行する副制御部変数更新割り込み処理について説明する。なお、同図は副制御部変数更新割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
副制御部400は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割り込みを発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割り込みを契機として、副制御部タイマ割り込み処理を所定の周期で実行する。
副制御部変数更新割り込み処理のステップS901では、RAM408のタイマ変数記憶領域の値に1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS304において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
<リベンジ構成の説明>
次に、パチンコ機100における遊技球の入賞に関する構成についてさらに詳しく説明する。
従来のパチンコ機では、たとえばワープ入口に入るなど、遊技球が前面ステージよりも上方にある場合にしか、演出装置の前面下方の前面ステージ上に遊技球が載ることができなかった。本発明では、たとえば、遊技球がパチンコ機100の演出装置200の前面下方の前面ステージ234よりも下方に達してしまった後にも、その遊技球を前面ステージ234上に誘導可能なリベンジ構成を有するパチンコ機100を提供する。
<<第1実施例>>
図8は、本発明の第1実施例のリベンジ構成を示す斜視図である。
図9は、図8に示した第1実施例のリベンジ構成の各部分を拡大して示す図であり、(a)は図8のB−B断面図であり、(b)は図8のC−C断面図であり、(c)は(b)の楕円で囲った部分Dを拡大して示す図である。
図2に示したワープ入球口232に遊技球が入球すると、ワープ装置230によりワープ出球口231(図8参照)からその遊技球が排出され、前面ステージ234上に遊技球が載る。この遊技球は、前面ステージ234上を通過し、第2の入球口236に入球するもの、第2の入球口236に入球せずに前面ステージ234から落下するものに分けられる。第2の入球口236に入球した遊技球は排出口238から排出され、第1特図始動口126に入球しやすい遊技者にとって有利な状況となる。
第1実施例では、図8および図9(a)に示すように、演出装置200の下方にゲージ釘135を配してゲージ釘135の上側にゲージ通路を形成し、このゲージ通路を通過する遊技球10がゲージ釘135によって跳ね上がった際に入球可能な入口239を設けている。入口239は、前面ステージ234の前方端(ここでは、遊技盤102側を後方と呼び、遊技者側を前方と呼ぶ。)から水平方向前方に伸びる誘導壁235によって形成され、ゲージ釘135によって跳ね上がった遊技球10を受け入れ可能な位置に設けられている。入口239の下方の脇には、図9(c)に示すように、障害釘135aが設けられており、障害釘135aの位置や角度によって、ゲージ釘135によって跳ね上がった遊技球10の入口239への入球確率を調節することができる。
入口239は蓋部材239aで塞がれており、ゲージ釘135によって跳ね上がった遊技球10が蓋部材239aを押し上げ、この遊技球10が入口239を通過して前面ステージ234上に載る(図9(b)、図9(c)参照)。この蓋部材239aは「前記誘導領域から前記遊技球通過領域への遊技球の案内が不可とする案内不可部材」であり、「上方に可動する蓋」である。
このように、通常は、蓋部材239aが入口239を塞いでいるため、前面ステージ234上の遊技球10が入口239から落下するのを防止できる。また、蓋部材239aは、図9(c)に示すように、左側を支点にして右側が上がって開放し遊技球10を通過させる。これにより、左側から流れてくる遊技球10が、蓋部材239aを開放して前面ステージ234上に載ろうとする遊技球10とかち合ってしまったり、左側から流れてくる遊技球10が、蓋部材239aが閉じるのを邪魔して詰まってしまったりするのを防止できる。
入口239には球検出センサ(図4の各種センサ318)が設けられており、遊技球10が入口239を通過したことを検知し、この情報を利用可能にしている。たとえば、遊技球10が入口239を通過したことを検知した場合に、副制御部400により液晶やランプ、音により、また演出装置200による報知演出を行う構成としている。この報知演出により遊技球が入口239を通過したことを遊技者に把握させ、入口239を通過した遊技球の行方に注目させることができる。
誘導壁235は、図8および図9(a)に示すように、入口239を形成した後に直立し、その後、遊技球10を前面ステージ234側に反射させる傾斜板235aを形成する。この傾斜板235aにより入口239を通過した遊技球を前面ステージ234へ誘導することができる。なお、誘導壁235は前面ステージ234と一体成型したものであってもかまわない。
前面ステージ234上には第3の入球口240が設けられている。前面ステージ234には図9(a)に示すように、後方側が低くなるように傾斜が設けられており、第3の入球口240はこの傾斜の上側に設けられている。ワープ出球口231は第3の入球口240よりも傾斜の下側に設けられ、一方、入口239は第3の入球口240よりも傾斜の上側に設けられている。
このため、ワープ出球口231から排出された遊技球10は、第3の入球口240に入りづらく、第2の入球口236に入るか、前面ステージ234から落下することになる。
一方、入口239から前面ステージ234上に載った遊技球10は第3の入球口240に入りやすく、第3の入球口240に入らなかった遊技球10は第2の入球口236に入るか、前面ステージ234から落下することになる。第3の入球口240に入球した遊技球10は、排出口238から排出され、第1特図始動口126に入球しやすい遊技者にとって有利な状況となる。
前面ステージ234の傾斜形状のため、第3の入球口240が設けられているが、ワープ出球口231から排出された遊技球10は第3の入球口240に入りづらく、入口239から前面ステージ234上に載った遊技球10は第3の入球口240に入りやすいので、遊技球10が入口239から前面ステージ234上に載った場合には、第1特図始動口126に入球しやすい遊技者にとって有利な状況になる確率が、ワープ出球口231から排出された場合よりも高いといえる。遊技球10が入口239から前面ステージ234上に載った場合には、第1特図始動口126に入球しやすい遊技者にとって有利な状況に必ずなるようにしてもよい。
なお、第2の入球口236に入球した場合と、第3の入球口240に入球した場合とで、扱いを異ならせてもよい。たとえば第3の入球口240入球した場合には、第2の入球口236に入球した場合よりも第1特図始動口126に入球しやすくするなどである。
<<第1実施例の第1変形例>>
図10は、本発明の第1実施例の第1変形例のリベンジ構成を示す図であり、図9(a)に相当する断面図である。この第1変形例において、第1実施例と同様の構成については同じ参照番号を付して詳しい説明を省略する。
第1変形例では、傾斜板235aの代わりにカーブ形状板10235aを有する、誘導壁10235を備えている。また、第1変形例では、図10に示すように、演出装置200の下方にゲージ釘135を配してゲージ通路を形成し、このゲージ通路を通過する遊技球10がゲージ釘135によって跳ね上がった際に入球可能な入口10239を設けている。
カーブ形状板10235aによれば、ゲージ釘135によって跳ね上がった遊技球10をスムーズに前面ステージ234に案内することができる。
<<第1実施例の第2変形例>>
図11は、本発明の第1実施例の第2変形例のリベンジ構成を示す図であり、(a)は第1実施例のリベンジ構成の、図9(b)に相当する断面図であり、(b)は第1実施例のリベンジ構成の、図9(c)に相当する断面図である。この第2変形例において、第1実施例と同様の構成については同じ参照番号を付して詳しい説明を省略する。
第1実施例では、左端を支点にして開閉する蓋部材239aで入口239を塞いでいたのに対して、この第2変形例では、誘導壁11235に設けた蓋部材11239aで入口11239を塞いでいる。
すなわち、入口11239は蓋部材11239aで塞がれており、ゲージ釘135によって跳ね上がった遊技球10が蓋部材11239aを押し上げ、この遊技球10が入口11239を通過して前面ステージ234上に載る(図11(a)、図11(b)参照)。このように、通常は、蓋部材11239aが入口11239を塞いでいるため、前面ステージ234上の遊技球10が入口11239から落下するのを防止できる。また、蓋部材11239aは、図11(b)に示すように、両脇を支点とした観音開きで開放し遊技球10を通過させる。これにより、左右どちらから来る遊技球10も、蓋部材11239aを開放して前面ステージ234上に載ろうとする遊技球10とかち合ってしまったり、蓋部材11239aが閉じるのを邪魔して詰まってしまったりするのを防止できる。また、蓋部材11239aは2つに分割されているので、1片からなる蓋部材239aに比べてそれぞれが軽量であり、遊技球10を受け入れやすくすることができる。
<<第2実施例>>
図12は、本発明の第2実施例のリベンジ構成を示す図であり、(a)はリベンジ構成の斜視図であり、(b)は(a)のE−E断面図である。第2実施例において、第1実施例と同様の構成については同じ参照番号を付して詳しい説明を省略する。
第2実施例では、図12(a)および図12(b)に示すように、演出装置200の下方にゲージ釘135を配してゲージ通路を形成し、このゲージ通路を通過する遊技球10がゲージ釘135によって跳ね上がった際に入球可能な入口1239を設けている。入口1239は、前面ステージ234の前方端から直立して伸びる誘導壁1235によって形成され、ゲージ釘135によって跳ね上がった遊技球10を受け入れ可能な位置に設けられている。入口1239の下方の脇には、図12(a)に示すように、障害釘135aが設けられており、障害釘135aの位置や角度によって、ゲージ釘135によって跳ね上がった遊技球10の入口1239への入球確率を調節することができる。
誘導壁1235は、入口1239の下に障害壁1239aを有し、この障害壁1239aは前面ステージ234上に載っている遊技球10が、前面ステージ234から落下するのを防止する。また、前面ステージ234には、後方側が低くなるように傾斜が設けられており、これによっても前面ステージ234上の遊技球10が落下しにくくされている。
入口1239には球検出センサ(図4の各種センサ318)が設けられており、遊技球10が入口1239を通過したことを検知し、この情報を利用可能にしている。たとえば、遊技球10が入口1239を通過したことを検知した場合に、副制御部400により液晶やランプ、音、また演出装置200にて、遊技球10が入口239を通過したことを示す報知演出を行う構成としている。この報知演出により遊技球が入口1239を通過したことを遊技者に把握させ、入口1239を通過した遊技球の行方に注目させることができる。
誘導壁1235は、図12(a)および図12(b)に示すように、ゲージ釘135によって跳ね上がった遊技球10を前面ステージ234側に反射させる傾斜板1235aを形成する。この傾斜板1235aにより遊技球を入口1239を通過させ前面ステージ234へ誘導することができる。なお、誘導壁1235は前面ステージ234と一体成型したものであってもかまわない。
前面ステージ234上には第3の入球口240が設けられており、第1実施例と同様に、ワープ出球口231から排出された遊技球10は第3の入球口240に入りづらく、入口1239から前面ステージ234上に載った遊技球10は第3の入球口240に入りやすく構成されている。第2の入球口236に入球した場合および第3の入球口240入球した場合には、その遊技球10は、排出口238から排出され、第1特図始動口126に入球しやすい遊技者にとって有利な状況になる。
<<第2実施例の第1変形例>>
図13は、本発明の第2実施例の第1変形例のリベンジ構成を示す図であり、図12(b)に相当する断面図である。この第1変形例において、第2実施例と同様の構成については同じ参照番号を付して詳しい説明を省略する。
この第2実施例の第1変形例では、傾斜板1235aの代わりにカーブ形状板12235aを有する、誘導壁12235を備えている。また、第2実施例の第1変形例では、図13に示すように、演出装置200の下方にゲージ釘135を配してゲージ通路を形成し、このゲージ通路を通過する遊技球10がゲージ釘135によって跳ね上がった際に入球可能な入口12239を設けている。
カーブ形状板12235aによれば、ゲージ釘135によって跳ね上がった遊技球10をスムーズに前面ステージ234に案内することができる。
<<第3実施例>>
図14は、本発明の第3実施例のリベンジ構成を示す図であり、(a)はリベンジ構成の斜視図であり、(b)は(a)のF−F断面図である。第3実施例において、第1実施例と同様の構成については同じ参照番号を付して詳しい説明を省略する。
第3実施例では、図14(a)および図14(b)に示すように、演出装置200の下方にゲージ釘135を配してゲージ通路を形成し、このゲージ通路を通過する遊技球10がゲージ釘135によって跳ね上がった際に入球可能な入口2239を設けている。入口2239は、左右方向全体にわたって開放し、ゲージ釘135によって跳ね上がった遊技球10を受け入れ可能な位置に設けられている。なお、この実施例では入口2239の下方に障害釘を設けていない。
この実施例では、入口1239の下に、前面ステージ234の前方端にて直立する障害壁2239aを有する。障害壁2239aは前面ステージ234と一体成型したものであってもかまわない。この障害壁2239aは前面ステージ234上に載っている遊技球10が、前面ステージ234から落下するのを防止する。また、前面ステージ234には、後方側が低くなるように傾斜が設けられており、これによっても前面ステージ234上の遊技球10が落下しにくくされている。
入口2239には球検出センサ(図4の各種センサ318)が設けられており、遊技球10が入口2239を通過したことを検知し、この情報を利用可能にしている。たとえば、遊技球10が入口2239を通過したことを検知した場合に、副制御部400により液晶やランプ、音、また演出装置200にて、遊技球10が入口2239を通過したことを示す報知演出を行う構成としている。この報知演出により遊技球が入口2239を通過したことを遊技者に把握させ、入口2239を通過した遊技球の行方に注目させることができる。
誘導壁2235は、図14(a)および図14(b)に示すように、ゲージ釘135によって跳ね上がった遊技球10を前面ステージ234側に反射させる傾斜板2235aを形成する。この傾斜板2235aにより遊技球を入口2239を通過させ前面ステージ234へ誘導することができる。
前面ステージ234上には第3の入球口240が設けられており、第1実施例と同様に、ワープ出球口231から排出された遊技球10は第3の入球口240に入りづらく、入口1239から前面ステージ234上に載った遊技球10は第3の入球口240に入りやすく構成されている。第2の入球口236に入球した場合および第3の入球口240入球した場合には、その遊技球10は、排出口238から排出され、第1特図始動口126に入球しやすい遊技者にとって有利な状況になる。
<<第3実施例の第1変形例>>
図15は、本発明の第3実施例の第1変形例のリベンジ構成を示す図であり、図14(b)に相当する断面図である。この第1変形例において、第3実施例と同様の構成については同じ参照番号を付して詳しい説明を省略する。
この第3実施例の第1変形例では、傾斜板2235aの代わりにカーブ形状板13235aを有する、誘導壁13235を備えている。また、第3実施例の第1変形例では、図15に示すように、演出装置200の下方にゲージ釘135を配してゲージ通路を形成し、このゲージ通路を通過する遊技球10がゲージ釘135によって跳ね上がった際に入球可能な入口13239を設けている。
カーブ形状板13235aによれば、ゲージ釘135によって跳ね上がった遊技球10をスムーズに前面ステージ234に案内することができる。
<<第4実施例>>
図16は、本発明の第4実施例のリベンジ構成を示す図であり、(a)はリベンジ構成の斜視図であり、(b)は(a)のG−G断面図である。第4実施例において、第1実施例と同様の構成については同じ参照番号を付して詳しい説明を省略する。
第4実施例では、図16(a)および図16(b)に示すように、演出装置200の下方にゲージ釘135を配してゲージ通路を形成し、このゲージ通路を通過する遊技球10がゲージ釘135によって跳ね上がった際に入球可能な入口3239を設けている。入口3239は、前面ステージ234の前方端から直立して伸びる障害壁3239aによって形成され、ゲージ釘135によって跳ね上がった遊技球10を受け入れ可能な位置に設けられている。入口3239の下方の脇には、図16(a)に示すように、障害釘135aが設けられており、障害釘135aの位置や角度によって、ゲージ釘135によって跳ね上がった遊技球10の入口3239への入球確率を調節することができる。
障害壁3239aは前面ステージ234上に載っている遊技球10が、前面ステージ234から落下するのを防止する。また、前面ステージ234には、後方側が低くなるように傾斜が設けられており、これによっても前面ステージ234上の遊技球10が落下しにくくされている。誘導壁3239aは前面ステージ234と一体成型したものであってもかまわない。
入口3239には球検出センサ(図4の各種センサ318)が設けられており、遊技球10が入口3239を通過したことを検知し、この情報を利用可能にしている。たとえば、遊技球10が入口3239を通過したことを検知した場合に、副制御部400により液晶やランプ、音、また演出装置200にて、遊技球10が入口3239を通過したことを示す報知演出を行う構成としている。この報知演出により遊技球が入口3239を通過したことを遊技者に把握させ、入口3239を通過した遊技球の行方に注目させることができる。
この実施例では、入口3239の直下に、図16(a)および図16(b)に示すように、誘導ローラ3235を設けている。この誘導ローラ3235は、図16(b)に示す状態において、少なくとも遊技球を上方へ誘導するように回動可能に設けられており、ゲージ釘135によって跳ね上がった遊技球10を、入口3239へと誘導する役割を果たす。誘導ローラ3235は跳ね上がった遊技球10によって回動するものであってもよいし、たとえば電動にて遊技球を上方へ誘導するように回動して跳ね上がった遊技球10を動力源により誘導するものでもよい。また、誘導ローラ3235は表面の部分的あるいは全面に磁気を帯びたものとすることもでき、この磁気によって遊技球10を吸着し、誘導ローラ3235が回転することによって遊技球10を持ち上げ、入口3239に誘導することもできる。
前面ステージ234上には第3の入球口240が設けられており、第1実施例と同様に、ワープ出球口231から排出された遊技球10は第3の入球口240に入りづらく、入口1239から前面ステージ234上に載った遊技球10は第3の入球口240に入りやすく構成されている。第2の入球口236に入球した場合および第3の入球口240入球した場合には、その遊技球10は、排出口238から排出され、第1特図始動口126に入球しやすい遊技者にとって有利な状況になる。
第1から第4実施例の各構成は、それぞれを任意に組み合わせてもよい。
<<第5実施例>>
上述の各実施例はセンター役物が前面ステージ234を有する構成に対するリベンジ構成を説明したが、本発明はこれに限られるものではない。第5実施例では、センター役物(遊技盤の略中央付近に設けられ、樹脂部材等で構成される役物)が複数の入球口のうち、いずれかの入球口へ遊技球を振り分けて誘導する誘導領域を備えた振り分け装置(たとえば、遊技者にとって有利な入球口と有利でない入球口のいずれかに遊技球を振り分けて誘導する装置)である場合について説明する。
図17は、本発明の第5実施例のリベンジ構成を示す斜視図である。第1実施例と同様の構成については同じ参照番号を付して詳しい説明を省略する。
振り分け装置242の略中央には表示装置242aが設けられており、この表示装置242aはたとえば7セグによって構成されている。この表示装置242aは、上述した装飾図柄(特別図柄でも可)を変動表示するものであり、たとえば第1特図始動口126に入球するとこの表示装置242aが変動し、特定の表示態様(たとえば、33や77)で表示停止すると、大当たり当選となる。
電チュー始動口241は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成している。電チュー始動口241を通過した遊技球10は遊技島側に排出することはない。
振り分け入球口243は電動チューリップ(電チュー)と呼ばれ、ここでは振り分け装置242の上方中央に1つだけ配設している。振り分け入球口243は、左右に開閉自在な羽根(可動片)を備え、羽根の閉鎖中は遊技球10の入球は可能であるが入球しづらく、電チュー始動口241を遊技球10が通過すると羽根が所定の時間間隔、所定の回数で開閉し、遊技球10が入球しやすくなる。
振り分け入球口243に遊技球10が入球すると、この遊技球10は球通路244を通って振り分け出球口245から振り分け装置242内へと排出される。振り分け装置242内の底面には第4の入球口246aまたは第5の入球口246bが設けられており、振り分け装置242内に入った遊技球10は、この第4の入球口246aまたは第5の入球口246bに振り分けられ、このどちらかの入球口に入球する。第4の入球口246aまたは第5の入球口246bに入球した遊技球10はそのまま落下する。
振り分け装置242内の底面には三角形状に突出した誘導マーク(三角エンボス)248が設けられている。振り分け出球口245、誘導マーク248、第4の入球口246aおよび第5の入球口246bの位置関係から、振り分け出球口245から排出された遊技球10は、ほぼ1/2の確率で第4の入球口246aまたは第5の入球口246bに入球する。
第4の入球口246aは第1特図始動口126の直上に設けられ、第4の入球口246aに入球した遊技球10はそのまま落下し、第1特図始動口126に入球しやすい。一方、第5の入球口246bに入球した遊技球10はアウト口136に誘導される(すなわち遊技島側へ排出される)。
第5実施例では、振り分け装置242の下方にはゲージ釘135を配してゲージ通路を形成し、このゲージ通路を通過する遊技球10がゲージ釘135によって跳ね上がった際に入球可能な入口247を設けている。入口247は、振り分け装置242内の底面に形成され、ゲージ釘135によって跳ね上がった遊技球10を受け入れ可能な位置に設けられている。入口247の下方の脇には、障害釘135aが設けられており、障害釘135aの位置や角度によって、ゲージ釘135によって跳ね上がった遊技球10の入口247への入球確率を調節することができる。
入口247は蓋部材247aで塞がれており、ゲージ釘135によって跳ね上がった遊技球10が蓋部材247aを押し上げ、この遊技球10が入口247を通過して振り分け装置242内に入る。このように、通常は、蓋部材247aが入口247を塞いでいるため、振り分け装置242内の遊技球10が入口247から落下するのを防止できる。
入口247には球検出センサ(図4の各種センサ318)が設けられており、遊技球10が入口247を通過したことを検知し、この情報を利用可能にしている。たとえば、遊技球10が入口247を通過したことを検知した場合に、副制御部400により液晶やランプ、音、また演出装置200にて、遊技球10が入口247を通過したことを示す報知演出を行う構成としている。この報知演出により遊技球が入口247を通過したことを遊技者に把握させ、入口247を通過した遊技球の行方に注目させることができる。
入口247、第4の入球口246aおよび第5の入球口246bの位置関係から、入口247から振り分け装置242内に入った遊技球10は、そのほとんどが第4の入球口246aに入球する。上述のように、第4の入球口246aは第1特図始動口126の直上に設けられているので、第4の入球口246aに入球した遊技球10は第1特図始動口126に入球しやすい遊技者にとって有利な状況となる。
このように、第5実施例では、遊技球10が、振り分け入球口243から振り分け装置242内に入った場合よりも、入口247から振り分け装置242内に入った場合のほうが、遊技球10が第1特図始動口126に入球しやすい遊技者にとって有利な状況となる。
なお、第5実施例では、振り分け装置242にリベンジ構成を適用する例を説明したが、この第5実施例に対して、第1から第4実施例の各構成を任意に組み合わせてもよい。
なお、上述の各実施例では、「誘導領域の下方に配置された遊技球通過領域」まで落下してしまった遊技球を「案内部材」によって「誘導領域」に案内し、この案内された遊技球は入賞の可能性が復活(リベンジ)するものであるが、「誘導領域の下方に配置された遊技球通過領域」まで落下してしまった遊技球をリベンジするものとは別に、たとえばゲージ釘135により跳ね上がって入口(たとえば、入口247a)から入った遊技球10を大当たりとなるか否かを期待させる期待度演出に用いる「演出用遊技球」とすることもできる。この場合、入口(たとえば、入口247a)から入った遊技球10(演出用遊技球)を特別領域(たとえば、「大当たり」となることを示す領域)または、非特別領域(たとえば、「はずれ」となることを示す領域)のいずれかに振り分けて誘導する演出用の役物を備えた演出ユニット(演出装置)を用い、該演出ユニットに入った遊技球10は「演出用遊技球」として用いられた(いずれかの領域(特別領域および非特別領域)への入球した)のち、遊技領域には排出されず、アウト口136に誘導される(換言すると遊技島側へ排出される)。すなわち、遊技者にとって有利な入球口に入球する可能性がない、または可能性が薄れた状態となった遊技球を有効活用し、パチンコらしさを踏まえた期待度演出を行うことができる。
以下、特許請求の範囲に記載の構成との対応について説明する。
「遊技者にとって有利な入球口」とは、たとえば、特図始動口、普図始動口、可変入賞口、Vゾーン、ゲート、などを指すものであり、これらに入球することにより賞球の獲得が期待できるものである。
「遊技者にとって有利な入球口へ遊技球を誘導する誘導領域」とは、たとえば、ステージ、クルーン、振り分け装置(図17に示す)、などを指すものであり、「入球口」に向けて遊技球を誘導する構成である。
クルーンとは、役物の一種であり、この役物は皿状部材に穴がたとえば3つ開いており、この皿状部材に遊技球が入るとルーレットのように遊技球が回転し、3つの穴のうち、すくなくとも1つの穴は、遊技者にとって有利な入球口へ遊技球を誘導する穴であり、他の穴は、前記入球口へ遊技球を誘導しない穴として設けられている役物である。
「誘導領域の下方に配置され、遊技球が通過可能な遊技球通過領域」とは、たとえば、ゲージ通路、2段ステージの下段、などを指すものである。すなわち、第1実施例1ではゲージ釘135によるゲージ通路を示したが、ステージを2段にしてその下段であってもよい。たとえば、2種役物内を上段と下段の2段ステージ構成とし、下段ステージを「遊技球通過領域」とし、下段ステージを通過する遊技球が下段ステージから跳ね上がり、この遊技球を上段ステージに案内する部材(入口、案内壁など)を設け、上述の各実施例と同様の構成を備えてもよい。
「誘導領域に遊技球を案内することができる案内部材」とは、たとえば、入口、誘導壁、誘導ローラ(たとえば図16を参照して後述する誘導ローラ3235)、さらにこれらの組み合わせ、などを指すものである。この案内部材は、単独物でもよいし、何か(ステージ、センター役物等)の一部(一体成型)でもよい。
この「案内部材」は所定の形状(たとえば、凹状、□状、○状)に開口するものであり、跳ね上がった遊技球を受け入れた後、「誘導領域」に案内する「案内口」、たとえば、ゲートや入口を含んで構成されている。
「案内口」には、「誘導領域から遊技球通過領域への遊技球の案内が不可とする案内不可部材」が備えられ、この「案内不可部材」とは、たとえば、上方のみに突出する弁(たとえば蓋部材239a)、などを指すものである。
「案内部材」は、「跳ね上がった遊技球の進行方向を誘導領域が位置する方向に変更して案内する案内壁」を含んで構成され、この「案内壁」とは、たとえば、カーブ形状板10235a、傾斜板235a、などを指すものである。
「遊技球通過領域よりも奥側に位置する第1誘導領域」とは、たとえば図8に示した前面ステージ234、などを指し、「第1誘導領域から遊技球通過領域の上方まで伸びた第2誘導領域」とは、たとえば図8に示した前面ステージ234の前方端から水平方向前方に伸びる誘導壁235、などを指す。この「第2誘導領域」は、図9(a)に示すように、水平なものでもよいし、前面ステージ234と同様に、後方が下がる傾斜を有するものであってもよい。
「ワープ通路」とは、たとえば、図2や図8に示したワープ入球口232およびワープ出球口231を有するワープ装置230に相当するものである。
「ゲージ釘」とは、たとえば、図8に示したゲージ釘135に相当するものであり、「ゲージ通路」とは、ゲージ釘135が配されることによって形成される遊技球10の通路に相当する。
「遊技者に有利な遊技状態」とは、たとえば、大当たりや特別大当たりなど、遊技者がそれ以降の遊技において多くの賞球を獲得可能な状態に相当する。
請求項1に記載の発明によれば、跳ね上がった遊技球を有利的な誘導領域に案内できるので、遊技球の下方動作だけでなく上方動作をも考慮した新たな遊技性や演出内容となり、新鮮味のある遊技台を提供することができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、特定の案内口を設けることで、案内口へ遊技者の興味を引き付けられ、入球するか否かの興奮を提供することができる。
また、請求項3に記載の発明によれば、遊技球に変化を与え、遊技球通過領域から誘導領域に容易に案内することができる。
また、請求項4に記載の発明によれば、案内壁のカーブ形状によって遊技球が誘導されている感を演出することができる。
また、請求項5に記載の発明によれば、案内壁に衝突して跳ね返り遊技球が誘導されている感を演出することができるとともに、その跳ね返りがパチンコ(弾球)らしさを演出することもできる。
また、請求項6に記載の発明によれば、入球した遊技球の転落を防止することができるとともに、遊技球通過領域から誘導領域に案内される遊技球とすでに誘導領域にある遊技球とのかち合いによる入球不可をなくすことができる。
また、請求項7に記載の発明によれば、遊技球通過領域に落ちた球が、跳ね上がって誘導領域に戻るのでリベンジ感を演出することができるとともに、このリベンジ成功した遊技球は、ワープ通路から誘導領域に排出された遊技球よりも入球口に入球する割合が高いので、よりリベンジの達成感を高めることができる。ワープ通路から排出された遊技球よりも案内部材により案内された遊技球が入球口に入球する割合を高くする手段としては、ステージの形状、入球口の数、必ず入球口に導く等の手段が挙げられる。
また、請求項8に記載の発明によれば、ゲージ釘にて遊技球の上方への変化度合いを付けられるとともに、そのゲージ釘による跳ね返りがパチンコ(弾球)らしさを演出することもできる。また遊技球の跳ね上がりの角度調節を細かく調節することができる。
また、請求項9に記載の発明によれば、遊技球が下方から誘導領域へ飛び出してくるため、面白みが増すとともに、入球する様子が視覚的にも確認しやすい。
また、請求項10に記載の発明によれば、遊技者にとって有利な入球口に入球する可能性がない、または可能性が薄れた状態となった遊技球を利用した演出(期待度演出)に好適である。
なお、本発明における入賞には、遊技盤102に設けた入賞口や始動口に球が入球した場合のほか、遊技盤102に設けた通過領域を球が通過した場合(たとえば、普図始動口124を球が通過した場合)も含まれる。また、各始動口等は、必ずしも実施例で示される位置に設ける必要はなく、たとえば、特定の入賞口内の特定の領域を始動口として機能させてもよい。
また、可変入賞口130は、球が入賞不可能な閉状態と、入賞可能な開状態の2種類の開閉状態に変化するものに限定されず、球が入賞可能な第1の開状態と、第1の開状態よりも入賞が容易な第2の開状態の2種類の開状態に変化するものも含まれる。
また、上記実施例では、大当たりに対応する図柄組合せ(大当たり図柄組合せ)を液晶表示装置110に停止表示した場合に大当たり遊技の開始となるが、大当たり遊技の開始条件はこれに限定されるものではない。したがって、たとえば、大当たり図柄組合せを停止表示した後で、盤面の特定のゲートを遊技球が通過した場合、大当たり図柄組合せを停止表示した後で、盤面の特定の入賞口に遊技球が通過した場合、大当たり図柄組合せを停止表示した後で、大入賞口(可変入賞口)以外の入賞口内の特定の領域を遊技球が通過した場合、特定の入賞口に遊技球が入賞したことを条件に開放した大入賞口(可変入賞口)内の特定の領域を遊技球が通過した場合、などを大当たり遊技の開始条件としてもよい。
また、上記実施例における特図は、特図表示装置114が変動表示および停止表示する図柄すべてを示しており、変動表示する図柄のみ、または、停止表示する図柄のみを示すものではない。さらに、上記実施例における普図や装飾図柄も同様に、普図表示装置112や液晶表示装置110が変動表示および停止表示する図柄すべてを示しており、変動表示する図柄のみ、または、停止表示する図柄のみを示すものではない。
なお、本実施例1〜実施例5には、入球確率を調節できるように障害釘135aを設けた構成とすることが好ましいが、障害釘135aを設けない構成としてもよい。
以上、本発明の実施例を説明したが、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。