JP5416496B2 - 分割型免震装置およびこれを用いた既設機器類の免震化工法 - Google Patents

分割型免震装置およびこれを用いた既設機器類の免震化工法 Download PDF

Info

Publication number
JP5416496B2
JP5416496B2 JP2009161916A JP2009161916A JP5416496B2 JP 5416496 B2 JP5416496 B2 JP 5416496B2 JP 2009161916 A JP2009161916 A JP 2009161916A JP 2009161916 A JP2009161916 A JP 2009161916A JP 5416496 B2 JP5416496 B2 JP 5416496B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seismic isolation
board
plate
connecting member
moving
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009161916A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011017375A (ja
Inventor
浩 日比野
一郎 長島
真弥 田中
洋治 出雲
森司 小野
巧 菊池
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taisei Corp
Original Assignee
Taisei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taisei Corp filed Critical Taisei Corp
Priority to JP2009161916A priority Critical patent/JP5416496B2/ja
Publication of JP2011017375A publication Critical patent/JP2011017375A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5416496B2 publication Critical patent/JP5416496B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Description

本発明は、既設の機器類を免震化する際に用いて好適な分割型免震装置および当該免震装置を用いた既設機器類の免震化工法に関するものである。
一般に、床面上に設置された既設の機器類を免震化させる場合には、上記床面と機器類の下面との間に、新たに免震装置を介装させることによって行われている。この際に、上記機器類の周囲に十分な作業スペースが確保できる場合には、当該機器類を設置位置においてジャッキアップし、これによって形成された隙間に上記免震装置を送り込んで、床面と上記機器類とに取り付ければよい。
ところが、例えば半導体製造設備においては、図8(a)に示すように、複数のCVDや拡散装置等の既設の機器類が、通路(作業スペース)に沿って並列的かつ連続的に配置されている。そして、通常上記作業スペースの幅寸法は、上記機器類の奥行き寸法よりも狭いために、当該作業スペース側から新たな免震装置を介装することが困難である。
このため、上記半導体製造設備において、既設の機器類の免震化を図る場合には、図8(b)に示すように、一旦既設の機器類を移動させ、これによって空いたスペースに跨るようにして作業スペースに免震装置を仮置きした後に、上記免震装置を所定位置に設置して、再び上記機器類を免震装置上に取り付ける工法が採られている。
しかしながら、上記従来の既設機器類の免震化工法においては、既設の機器類を移動させる必要があるために、特に半導体製造設備のような機器類の設置台数が多い施設においては、当該作業に大掛かりな準備作業が必要になるとともに、各々の機器類に接続されている配管や配線を取り外したり、再度接続したりする必要もあり、多大の手間を要するという問題点があった。
そこで、下記特許文献1においては、上記用途に好適な分割型の免震装置が提案されている。
この分割型免震装置は、免震装置を2つの免震ユニットに分割し、これら免震ユニットを離間させて配置することにより、上記免震ユニット間に空間部を形成するとともに、この空間を間に挟んで一直線状に位置する上記免震ユニットの側面同士を、連結材によって着脱自在に連結したものである。
特開2004−84917号公報
上記構成からなる分割型免震装置によれば、一方の免震ユニットを先行して床面と既設の機器類との間に送り込み、次いでこの免震ユニットの側面に連結板の一端部を連結して、当該連結板と共に上記免震ユニットを更に奥まで送り込んだ後に、機器類から作業スペース側に延出している上記連結板の他端部を、他方の免震ユニットの側面に連結して一体化させ、最終的に他方の免震ユニットも機器類の下面に送り込むことにより、上記機器類を移動させることなく、当該分割型免震装置を挿入可能な高さまでジャッキアップすることのみによって免震化を図ることができるという利点がある。
しかしながら、上記分割型免震装置およびこれを用いた既設機器類の免震化工法にあっては、免震ユニット同士が、互いの側面間に架け渡された連結材によって連結されて一体化されており、互いの対向辺間に広い空間が形成されているために、分割型免震装置全体としての強度に劣るという問題点がある。
また、図8に示した半導体製造設備のように、多数の機器類がほぼ連続的に設置されている場合には、免震ユニットの側面同士を連結する連結材が、当該免震ユニットの側方に突出するために、隣接する機器類の下部に増設された分割型免震装置の免震ユニットと干渉し易くなるという問題点もある。
さらに、連結材は、両免震ユニットの側面間に跨る長さ寸法が必要となるために、上述した免震化工法を実施する場合には、作業スペースの幅寸法としても、上記連結材の長さ寸法を超える幅寸法が必要となるという制約がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、全体として高い強度が得られるとともに、狭い作業スペースであっても、既設の機器類を移動させることなく、ジャッキアップするのみで免震化工事を施工することが可能になる分割型免震装置およびこれを用いた既設機器類の免震化工法を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、各々全体として方形状をなす一対の免震ユニットと、これら免震ユニット同士を着脱自在に連結する連結部とを備えた分割型免震装置であって、上記免震ユニットは、下盤と、この下盤上に配置された移動盤と、上記移動盤上に配置された上盤とを有し、上記上盤は、方形の天板および底板が一対の上記免震ユニットの上記上盤同士が互いに対向する当該上盤の対向辺に配置された連結補強板および当該連結補強板と直交する方向に配置された複数枚の鉛直補強板を介して接合一体化された2重板構造に形成され、上記下盤に水平方向のX方向に延在する第1のレールが設けられ、上記移動盤に当該第1のレール上を転動する第1のローラが設けられるとともに、上記上盤の上記底板に水平方向のY方向に延在する第2のレールが設けられ、上記移動盤に当該第2のレール上を転動する第2のローラが設けられてなり、上記連結部は、一対の上記免震ユニットの上記移動盤同士が互いに対向する上記移動盤の対向辺間に配設されて両端部が各々の上記移動盤の上記対向辺に着脱自在に連結される移動盤連結部材と、一対の上記免震ユニットの上記上盤同士が互いに対向する上記上盤の上記対向辺間に配設されて両端部が各々の上記上盤の上記対向辺に着脱自在に連結される上盤連結部材とを有し、かつ上記上盤連結部材は、上記上盤の底板間に沿う平板部と、この平板部の周縁に立設された側壁とを有する有底角筒状に形成され、上記平板部の下面が上記移動盤連結部材の上面よりも上方に位置するように配置されているとともに、上記側壁を上記上盤の上記連結補強板に当接させて当該側壁から上記連結補強板に締め込んだボルトによって着脱自在に連結されていることを特徴とするものである。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記連結補強板に当接する上記側壁の上端部には、上記上盤の天板上に屈曲された鍔部が形成され、上記鍔板がボルトによって上記上盤の天板に着脱自在に連結されていることを特徴とするものである。
また、請求項に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、上記下盤と移動盤との間には、上記X方向の相対変位を吸収するダンパが上記第1のレールと平行に設けられ、かつ上記移動盤と上盤との間には、上記Y方向の相対変位を吸収するダンパが上記第2のレールと平行に設けられていることを特徴とするものである。
次いで、請求項に記載の発明は、床面と既設機器類との間に、請求項1〜のいずれかに記載の分割型免震装置を介装するための既設機器類の免震化工法であって、上記既設機器類を設置位置において上記免震ユニットを挿入可能な高さにジャッキアップし、次いで上記床面と上記既設機器類との間に一方の上記免震ユニットを挿入した後に、当該免震ユニットの上盤の上記対向辺に上記上盤連結部材の一端部を連結し、かつ上記移動盤の上記対向辺に上記移動盤連結部材の一端部を連結し、次いで上記一方の免震ユニット、上記上盤連結部材および移動盤連結部材を上記床面と上記既設機器類との間に送り込んだ後に、上記上盤連結部材の他端部を他方の上記免震ユニットの上盤の上記対向辺に連結し、かつ上記移動盤連結部材の他端部を他方の上記免震ユニットの上記移動盤の上記対向辺に連結することにより分割型免震装置を一体化し、次いで当該分割型免震装置の全体を上記床面と上記既設機器類との間に送り込んだ後に、上記下盤を上記床面に固定するとともに、上記ジャッキアップを解除して上記既設機器類を上記上盤に取り付けることを特徴とするものである。
請求項1〜に記載の分割型免震装置およびこれを用いた請求項に記載の既設機器類の免震化工法においては、一対の免震ユニットの移動盤同士を、互いの対向辺間に配設した移動盤連結部材によって着脱自在に連結するとともに、上盤同士も、互いの対向辺間に配設した上盤連結部材によって着脱自在に連結している。
したがって、移動盤連結部材および上盤連結部材の長さ寸法が、両免震ユニットの離間寸法になるために、従来のものより短くなる。加えて、免震ユニットの上記対向辺のみを既設の機器類の下面から作業スペース側に突出させることにより、移動盤連結部材および上盤連結部材の連結作業を行うことができる。この結果、狭い作業スペースであっても、既設の機器類を移動させることなく、当該機器類をジャッキアップするのみで免震化を行うことができる。
しかも、免震ユニットの対向辺同士を、移動盤連結部材および上盤連結部材によって連結して一体化しているために、これら移動盤連結部材および上盤連結部材の寸法や形状を適宜のものに設計することができ、よって分割型免震装置全体としての強度も高めることが可能になる。加えて、半導体製造設備のように多数の機器類がほぼ連続的に設置されている場合にも、隣接する機器類の下部に増設された分割型免震装置同士が干渉することがなく、密に設置することもできる。この際に、隣接する分割型免震装置の上盤同士を連結すれば、上記隣接する分割型免震装置が干渉することを確実に防止して、より一層密接に設置することが可能になる。
そして、免震化後においては、地震発生時に床面がX−Y方向に変位した際に、当該床面に固定された下盤に対して、移動盤連結部材によって連結された両免震ユニットの移動盤が一体的にX方向に変位するとともに、この移動盤に対して、上盤連結部材によって一体化された上盤がY方向に変位することにより、上記変位を吸収して、上盤上に設置された機器類に過度の揺れが生じることを防止することができる。
この際に、移動盤連結部材同士を連結しているために、対向する移動盤に免震対象物の偏荷重等に起因して異なる重量が作用する場合や、ダンパが偏配置されることにより大きなねじれ力の発生が予想される場合においても、両者間にねじれを生じることなく、安定した性能を発揮させることができる。
また、両免震ユニットの移動盤および移動盤連結部材と上盤および上盤連結部材とは、各々Y方向に相対移動するものの、上盤連結部材と移動盤連結部材とを、それぞれ上盤連結部材の下面が移動盤連結部材の上面よりも上方に位置するように配置しているために、これら上盤連結部材と移動盤連結部材とが干渉することを防止することができる。
また、特に上記上盤を、方形の天板および底板が鉛直補強板を介して接合一体化された外観厚板状に形成するとともに、上盤連結部材を、上記底板間に沿う平板部と、側壁とを有する有底角筒状に形成しているために、全体として高い強度を得ることができる。この結果、上部に載置される機器類の重量が嵩んでも、安定的に支承することができる。
ところで、上盤が、下盤に対してX−Y方向に相対変位自在な上記分割型免震装置においては、免震効果を高めるために、上記変位量を大きくとることが望ましいが、実際には、上記機器類に隣接して、免震化されていない機器類や床貫通配管等の床上固定物が配置されていることが多い。
このような場合には、請求項に記載の発明のように、上記下盤と移動盤との間にX方向の相対変位を吸収するダンパを第1のレールと平行に設け、上記移動盤と上盤との間にY方向の相対変位を吸収するダンパを第2のレールと平行に設ければ、下盤に対する上盤の相対変位量を抑制することができる。この際に、特にダンパを、第1のレールあるいは第2のレールと平行に配置しているために、コンパクトなダンパによって、効率的にX−Y方向の相対変位を抑制することができる。加えて、上記ダンパによって、地震に起因する振動を速やかに収束させることもできる。
本発明に係る分割型免震装置の一実施形態を示す平面図である。 図1の右側面図である。 図1の正面図である。 図2の連結部を拡大して示す組立図である。 図1の要部の分解斜視図である。 本発明に係る既設機器類の免震化工法を説明するための工程図である。 図6(a)において既設機器類をジャッキアップする状態を示すもので、(a)は平面図、(b)は正面図である。 従来の既設機器類の免震化工法を説明するための模式図である。
図1〜図5は、本発明に係る分割型免震装置の一実施形態を示すものである。
これらの図に示すように、分割型免震装置は、各々全体として方形状をなす一対の免震ユニット1、2と、これら免震ユニット1、2の対向辺1a、2a同士を着脱自在に連結する連結部によって概略構成されたものである。
ここで、免震ユニット1、2は、各々床面上に設置される下盤3と、この下盤3上に配置された移動盤4と、この移動盤4に配置されて免震化する機器類(免震対象物)の下面に固定される上盤5と、X方向の水平ダンパ6およびY方向の水平ダンパ7とから構成されている。
まず、下盤3は、方形板状の部材であり、その上面の4角隅部に、各々2本ずつ(合計8本)の第1のレール8が水平方向におけるX方向(図1において左右方向)に固定されている。
また、移動盤4は、下盤3と外形寸法がほぼ等しい方形に形成されるとともに、中央部に開口部が形成され、かつ外周部に辺方向に沿って帯状開口部4a、4bが2列ずつ形成された骨組み状の部材で、下盤3に固定された第1のレール8の上方に臨む帯状開口部4aの両端部には、当該移動盤4の下面から下方に突出して第1のレール8上を転動する第1のローラ9が回転自在に設けられている。
さらに、この移動盤4の上記帯状開口部4aと直交する方向に延在する帯状開口部4bの両端部には、当該移動盤4の上面よりも上方に突出する第2のローラ10が回転自在に設けられている。これにより、移動盤4は、下盤3の第1のレール8上をX方向に移動自在に設けられている。
また、上盤5は、方形の天板5aと底板5bとが、上記対向辺1a、2aと直交する方向に配置された複数枚の鉛直補強板5cを介して接合一体化されることにより、剛性が高められた2重板構造によって形成されるとともに、上記対向辺1a、2a側には、連結補強板5dが接合されている。そして、免震ユニット1においては、上盤5の下面であって、対向辺1aと直交する2辺に沿って、各々2本ずつ(合計4本)の第2のレール11が水平方向のY方向(図1において上下方向)に固定されている。また、免震ユニット2においては、上盤5の下面の4角隅部に、各々2本ずつ(合計8本)の第2のレール11が上記Y方向に固定されている。
そして、上盤5は、移動盤4の第2のローラ10が第2のレール11に沿って転動するように移動盤4上に載置されることにより、移動盤4に対してY方向に相対移動自在に設けられている。
加えて、この分割型免震装置においては、下盤3と移動盤4との外周部間に、一端部が下盤3に固定されるとともに他端部が移動盤4に固定されて上記X方向の相対変位を吸収する水平ダンパ6が、第1のレール8と平行に設けられている。また、移動盤4と上盤5との外周部間には、一端部が移動盤4に固定されるとともに他端部が上盤5に固定されて上記Y方向の相対変位を吸収する水平ダンパ7が、第2のレール11と平行に設けられている。
そして、これら免震ユニット1、2は、互いの対向辺1a、2a間に配置された移動盤連結部材14および上盤連結部材15からなる上記連結部によって、着脱自在に連結されている。ここで、移動盤連結部材14は、図1および図4に示すように、角筒状の部材で、それぞれ免震ユニット1、2の対向辺1a、2aの両端部分に配設されるとともに、互いの移動盤4の対向辺に、ボルト16によって連結されている。
他方、上盤連結部材15は、上盤5の底板間に沿う方形板状の平板部15aと、この平板部15aの外周縁に立設された側壁15bとを有する有底角筒状に形成されたもので、上盤5の対向辺に設けられた連結補強板5dに当接する側壁15bの上端部には、上盤5の天板5a上に屈曲された鍔部15cが形成されている。
そして、この上盤連結部材15は、免震ユニット1、2の対向辺1a、2a間であって、かつ移動盤連結部材14の間に配設され、側壁15bがボルト17によって上盤5の連結補強板5dに着脱自在に連結されるとともに、鍔板15cがボルト18によって上盤5の天板5aに着脱自在に連結されるようになっている。なお、図2および図4に示すように、上盤連結部材15は、その平板部15aの下面が移動盤連結部材14の上面よりも上方に位置するように形成されている。
次に、図1〜図7に基づいて、以上の構成からなる分割型免震装置を用いた本発明に係る既設機器類の免震化工法の一実施形態について説明する。
先ず、図7に示すように、既設の機器類Mの作業スペースS側から見て前後面の下部に、ジャッキアップ用の治具20を取り付けるとともに、機器類Mの両側方に配置した爪ジャッキ21によって治具20の両端部を支持する。そして、これら4基の爪ジャッキ21を作動させることにより、治具20を介して機器類Mを免震ユニット1、2の厚さ寸法よりも若干高い位置までジャッキアップすることにより、床面Fと機器類Mの下面との間に隙間22を形成する。
次いで、図6(a)に示すように、作業スペースSの上記隙間22を臨む位置に、一方の免震ユニット1を配置し、図6(b)に示すように、当該免震ユニット1を機器類Mの下方の隙間22に挿入する。この際に、免震ユニット1における下盤3、移動盤4および上盤5が相対移動しないように、これら下盤3、移動盤4および上盤5を相互に固定するか、あるいは第1および第2のローラ9、10をロックさせておく。また、免震ユニット1を隙間22内に送り込むに際しては、免震ユニット1の一部を、作業スペースS側に露出させておく。
そして、図6(c)に示すように、免震ユニット1の移動盤4および上盤5に、各々移動盤連結部材14および上盤連結部材15(図6では図示を略す。)の一端部を、上記ボルト16、17、18によって連結した後に、図6(d)に示すように、一体化された免震ユニット1および移動盤連結部材14、上盤連結部材15を、さらに機器類Mの隙間22内へと送り込む。この際にも、移動盤連結部材14および上盤連結部材15の他端部が、作業スペースS側に露出させておく。
次いで、図6(e)に示すように、移動盤連結部材14および上盤連結部材15の他端部を、各々他方の免震ユニット2の移動盤4および上盤5に上記ボルト16、17、18によって連結した後に、図6(f)に示すように、免震ユニット2を隙間22内に送り込んで行くことにより、一体化された分割型免震装置を機器類Mの下方の所定位置に配設する。
そして、最終的に、下盤3を床面Fの所定位置に固定した後に、爪ジャッキ21によって機器類Mを上盤5上に降ろし、当該上盤5上に取り付けるとともに、上盤5、移動盤4および下盤3間のロックを解除して相対移動自在にすることにより、機器類Mの免震化が完了する。なお、本実施形態のように、分割型免震装置が隣接して配置される場合には、図1および図3に示すように、これら隣接する分割型免震装置の上盤5同士を、連結板30によって連結することが好ましい。
以上のように、上記構成からなる分割型免震装置およびこれを用いた既設機器類の免震化工法によれば、一対の免震ユニット1、2の移動盤同士を着脱自在に連結する移動盤連結部材14および上盤連結部材15を、互いの対向辺1a、2a間に配設しているために、移動盤連結部材14および上盤連結部材15の長さ寸法を短くすることができる。加えて、免震ユニット1の対向辺1aのみを既設の機器類Mの下面から作業スペースS側に突出させることにより、移動盤連結部材14および上盤連結部材15の連結作業を行うことができる。このため、作業スペースSの幅が狭い施設においても、既設の機器類Mを移動させることなく、当該機器類Mをジャッキアップするのみで免震化を行うことができる。
しかも、免震ユニット1、2の対向辺1a、2a同士を、移動盤連結部材14および上盤連結部材15によって連結して一体化しているために、これら移動盤連結部材14および上盤連結部材15の寸法や形状を適宜形状に設計することができ、本実施形態においては、上盤連結部材15を、平板部15aと側壁15bとを有する有底角筒状に形成するとともに、上盤連結部材15を、その側壁15bおよび鍔板15cの2方向からそれぞれ上盤5の鉛直補強板5bおよび天板5aにボルト17、18を介して連結している。
このため、分割型免震装置全体としての強度も高めることができるとともに、免震ユニット1、2の側面から突出するものが無いために、半導体製造設備のように多数の機器類Mがほぼ連続的に設置されている場合にも、隣接する機器類Mの下部に増設された分割型免震装置同士が干渉することがなく、密に設置することもできる。
また、上記免震化が完了した後に、地震が発生した際には、両免震ユニット1、2の移動盤4および移動盤連結部材14と上盤5および上盤連結部材15とが、各々Y方向に相対移動することになるが、上盤連結部材15と移動盤連結部材14とを、それぞれ上盤連結部材15の下面が移動盤連結部材14の上面よりも上方に位置するように配置しているために、これらが互いに干渉することを防止することができる。
しかも、下盤3と移動盤4との間にX方向の相対変位を吸収する水平ダンパ6を第1のレール8と平行に設け、かつ移動盤4と上盤5との間にY方向の相対変位を吸収する水平ダンパ7を第2のレール11と平行に設けているために、下盤3に対する上盤5の相対変位量を効率的に抑制することができる。この結果、機器類Mに隣接して、免震化されていない機器類や床貫通配管等の床上固定物が配置されている場合にも、機器類Mの相対変位によってこれら床上固定物との干渉が生じることを防ぐことができる。
既設の機器類を免震化する際に、好適に利用可能である。
1、2 免震ユニット
1a、2a 対向辺
3 下盤
4 移動盤
4a、4b 帯状開口部
5 上盤
5a 天板
5b 底板
5c 鉛直補強板
5d 連結補強板
6 X方向の水平ダンパ
7 Y方向の水平ダンパ
8 第1のレール
9 第1のローラ
10 第2のローラ
11 第2のレール
14 移動盤連結部材
15 上盤連結部材
15a 平板部
15b 側壁
15c 鍔部
16、17、18 ボルト
20 ジャッキアップ用の治具
21 爪ジャッキ
22 隙間
30 連結板
F 床面
M 既設の機器類
S 作業スペース

Claims (4)

  1. 各々全体として方形状をなす一対の免震ユニットと、これら免震ユニット同士を着脱自在に連結する連結部とを備えた分割型免震装置であって、
    上記免震ユニットは、下盤と、この下盤上に配置された移動盤と、上記移動盤上に配置された上盤とを有し、上記上盤は、方形の天板および底板が一対の上記免震ユニットの上記上盤同士が互いに対向する当該上盤の対向辺に配置された連結補強板および当該連結補強板と直交する方向に配置された複数枚の鉛直補強板を介して接合一体化された2重板構造に形成され、上記下盤に水平方向のX方向に延在する第1のレールが設けられ、上記移動盤に当該第1のレール上を転動する第1のローラが設けられるとともに、上記上盤の上記底板に水平方向のY方向に延在する第2のレールが設けられ、上記移動盤に当該第2のレール上を転動する第2のローラが設けられてなり、
    上記連結部は、一対の上記免震ユニットの上記移動盤同士が互いに対向する上記移動盤の対向辺間に配設されて両端部が各々の上記移動盤の上記対向辺に着脱自在に連結される移動盤連結部材と、一対の上記免震ユニットの上記上盤同士が互いに対向する上記上盤の上記対向辺間に配設されて両端部が各々の上記上盤の上記対向辺に着脱自在に連結される上盤連結部材とを有し、かつ上記上盤連結部材は、上記上盤の底板間に沿う平板部と、この平板部の周縁に立設された側壁とを有する有底角筒状に形成され、上記平板部の下面が上記移動盤連結部材の上面よりも上方に位置するように配置されているとともに、上記側壁を上記上盤の上記連結補強板に当接させて当該側壁から上記連結補強板に締め込んだボルトによって着脱自在に連結されていることを特徴とする分割型免震装置。
  2. 上記連結補強板に当接する上記側壁の上端部には、上記上盤の天板上に屈曲された鍔部が形成され、上記鍔板がボルトによって上記上盤の天板に着脱自在に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の分割型免震装置。
  3. 上記下盤と移動盤との間には、上記X方向の相対変位を吸収するダンパが上記第1のレールと平行に設けられ、かつ上記移動盤と上盤との間には、上記Y方向の相対変位を吸収するダンパが上記第2のレールと平行に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の分割型免震装置。
  4. 床面と既設機器類との間に、請求項1〜3のいずれかに記載の分割型免震装置を介装するための既設機器類の免震化工法であって、
    上記既設機器類を設置位置において上記免震ユニットを挿入可能な高さにジャッキアップし、次いで上記床面と上記既設機器類との間に一方の上記免震ユニットを挿入した後に、当該免震ユニットの上盤の上記対向辺に上記上盤連結部材の一端部を連結し、かつ上記移動盤の上記対向辺に上記移動盤連結部材の一端部を連結し、次いで上記一方の免震ユニット、上記上盤連結部材および移動盤連結部材を上記床面と上記既設機器類との間に送り込んだ後に、上記上盤連結部材の他端部を他方の上記免震ユニットの上盤の上記対向辺に連結し、かつ上記移動盤連結部材の他端部を他方の上記免震ユニットの上記移動盤の上記対向辺に連結することにより分割型免震装置を一体化し、次いで当該分割型免震装置の全体を上記床面と上記既設機器類との間に送り込んだ後に、上記下盤を上記床面に固定するとともに、上記ジャッキアップを解除して上記既設機器類を上記上盤に取り付けることを特徴とする分割型免震装置を用いた既設機器類の免震化工法。
JP2009161916A 2009-07-08 2009-07-08 分割型免震装置およびこれを用いた既設機器類の免震化工法 Active JP5416496B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009161916A JP5416496B2 (ja) 2009-07-08 2009-07-08 分割型免震装置およびこれを用いた既設機器類の免震化工法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009161916A JP5416496B2 (ja) 2009-07-08 2009-07-08 分割型免震装置およびこれを用いた既設機器類の免震化工法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011017375A JP2011017375A (ja) 2011-01-27
JP5416496B2 true JP5416496B2 (ja) 2014-02-12

Family

ID=43595317

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009161916A Active JP5416496B2 (ja) 2009-07-08 2009-07-08 分割型免震装置およびこれを用いた既設機器類の免震化工法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5416496B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3599534B2 (ja) * 1997-08-01 2004-12-08 金剛株式会社 長尺免震台
JP2003042226A (ja) * 2001-07-26 2003-02-13 Kimio Kawai 横揺れ緩和装置
JP2004084917A (ja) * 2002-07-03 2004-03-18 Advanced System Co Ltd 免震装置及び免震装置の設置方法
JP4711055B2 (ja) * 2005-05-13 2011-06-29 株式会社不二越 水平移動装置又は免震装置及びその組立方法
JP2007327563A (ja) * 2006-06-08 2007-12-20 Best Solutions:Kk 免震装置
JP4763628B2 (ja) * 2007-02-01 2011-08-31 株式会社竹中工務店 免震装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011017375A (ja) 2011-01-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6147621B2 (ja) タワークレーンの支持構造およびタワークレーン装置
JP5416496B2 (ja) 分割型免震装置およびこれを用いた既設機器類の免震化工法
KR100938426B1 (ko) 케이블 베어를 유도하는 시스템형 가이드
JP4703893B2 (ja) 足場板における隙間遮蔽装置
KR101360287B1 (ko) 조립식 갱폼
JP2004092154A (ja) コンクリート型枠、及びその構築方法
JP2008202316A (ja) 免震構造建築物
KR100757021B1 (ko) 개별 착탈이 용이한 천장 보드 결합장치
JP6688856B2 (ja) 制振構造
JP6252834B2 (ja) 地下ピット構造
KR20140050813A (ko) 축대옹벽블럭 조립체 및 그 시공방법
JP2012132279A (ja) 鋼板コンクリート構造
JP6504824B2 (ja) 制振構造の構築方法
JP4199693B2 (ja) 免震構造建物の曳き家方法及びこの方法に使用する免震用ゴム体の連結装置
JP2014101213A (ja) 乗客コンベアの脱落防止装置
JP2003278407A (ja) 免震装置の仮設用拘束治具および拘束方法
JP6414686B2 (ja) プレキャストコンクリート床板における接合構造
WO2015020346A1 (ko) 방음패널의 연결구조
JP2015063852A (ja) 地下ピット構造
KR102249154B1 (ko) 건식 조립이 가능한 조립식 제진대
JP2010229662A (ja) 拡張ユニットの取付構造および拡張ユニットの取付方法およびユニット式建物
CN211312872U (zh) 可调式钢结构安装护具
JP5933281B2 (ja) 建物ユニット及びユニット建物
CN104743431A (zh) 乘客传送设备
JP3733520B2 (ja) 免震装置の水平変位拘束用治具

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120130

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121218

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130807

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131004

TRDD Decision of grant or rejection written
A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131115

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5416496

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250