JP4199693B2 - 免震構造建物の曳き家方法及びこの方法に使用する免震用ゴム体の連結装置 - Google Patents

免震構造建物の曳き家方法及びこの方法に使用する免震用ゴム体の連結装置 Download PDF

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Description

本発明は、免震構造建物を隣接した建物から離すために曳き家する方法等に関する。
既存建物の柱基礎の下に上レールを取付け、この上レールの下に上レールと直交するように配置される下レールを設け、この上レールと下レールとの間にこれらレール上を摺動可能な滑り支承を設け、これにより、免震構造とした建物を前後左右に移動させることで、建物を曳き家して、建物を隣接した建物から離す方法が知られている。しかし、この従来方法による曳き家作業においては、建物を一度に一斉に動かさなくてはならない。このように建物を一度に一斉に動かす作業は大変な作業となる。また、移動作業中の建物の姿勢、移動速度などの移動制御が難しい。また、移動作業に必要な設備コスト、人的コストも増大する。
特開2001−123672号公報
発明が解決しようとする課題は、従来方法による曳き家作業においては、建物を一度に一斉に動かさなくてはならず、移動作業は大変な作業となるという点である。また、移動作業中の移動制御が困難で、移動作業に必要な設備コスト、人的コストも増大するという点である。
本発明による免震構造建物の曳き家方法は、免震用ゴム体を用いた免震構造建物において、免震用ゴム体の上端を免震構造建物の免震上部基礎部に固定し、かつ、免震用ゴム体の下端を水平方向に移動して当該免震用ゴム体を変形させて当該免震用ゴム体に発生させた復元力で免震構造建物を移動させたことや、免震用ゴム体の下端を免震構造建物の免震下部基礎部に固定し、かつ、免震用ゴム体の上端を水平方向に移動して当該免震用ゴム体を変形させて当該免震用ゴム体に発生させた復元力で免震構造建物を移動させたことを特徴とする。免震用ゴム体の移動操作を複数回に分けて行ったことや、鋼板とゴムとが交互に積層されこれらが互いに連結された積層体により形成された免震用ゴム体を使用したことも特徴とする。
また、上述の免震構造建物の曳き家方法における免震用ゴム体の移動操作に用いる免震用ゴム体の連結装置は、免震構造建物の免震上部基礎部に固定された上部ベースと、免震用ゴム体の上端に固定されて上部ベースと一つの連結位置で連結される上部フランジと、免震用ゴム体の下端に固定された下部フランジと、免震構造建物の免震下部基礎部に固定されて下部フランジの連結される下部ベースとを備え、下部ベースが下部フランジとの連結位置を複数備えたことを特徴とする。また、免震構造建物の免震下部基礎部に固定された下部ベースと、免震用ゴム体の下端に固定されて下部ベースと一つの連結位置で連結される下部フランジと、免震用ゴム体の上端に固定された上部フランジと、免震構造建物の免震上部基礎部に固定されて上部フランジの連結される上部ベースとを備え、上部ベースが上部フランジとの連結位置を複数備えたことを特徴とする。ベースとフランジとの連結位置を形成する対応部がベースとフランジとに互いに設けられ、これら対応部を介してベースとフランジとを連結する連結手段を備えたことや、対応部がピン挿入孔であり、連結手段がピン挿入孔に挿入されてピン挿入孔同士を結合してベースとフランジとを連結するピンであることや、ベースに形成された対応部が袋ナット部であり、フランジに形成された対応部が袋ナット部のボルト挿入孔に対応するボルト貫通孔であり、連結手段がボルト貫通孔を通して袋ナット部のボルト挿入孔に締結されることでベースとフランジとを連結するボルトであることも特徴とする。
本発明によれば、免震用ゴム体の水平方向の復元力を利用して建物を移動させることができる。従って、免震用ゴム体の移動操作を行うだけでよく、免震構造建物の曳き家作業を容易とできる。また、1つ1つの免震用ゴム体の移動操作を複数回に分けて行うことで、免震用ゴム体のゴムに過大な水平変位を与えないようにできる。また、鋼板とゴムとが交互に積層されこれらが互いに連結された積層体により形成された免震用ゴム体を使用することで、積層されたゴムのぞれぞれに水平荷重を分担させることができて、水平荷重が加わった状態においても建物の荷重を充分に支持でき、また、鋼板により垂直荷重に対する剛性を確保できるようになる。
また、本発明による免震用ゴム体の連結装置によれば、下部フランジと下部ベースとの連結位置の変更作業、あるいは、上部フランジと上部ベースとの連結位置の変更作業を容易とでき、免震用ゴム体の移動作業を容易とできる。
図1は本発明の免震構造建物の曳き家方法の原理を示し、図2は本発明の最良形態による免震構造建物の曳き家方法を示し、図3は曳き家方法における免震用ゴム体の移動操作に用いる免震用ゴム体の連結装置を示し、図4は連結装置における上下のフランジを示し、図5は連結装置における上部ベースを示し、図6は連結装置における下部ベースを示し、図7〜図9は建物の免震施工を示す。
本発明では、建物の下に免震用ゴム体を設けた免震構造建物において、免震用ゴム体の上端を免震構造建物の免震上部基礎部に固定し、かつ、免震用ゴム体の下端を水平方向に移動して当該免震用ゴム体を変形させることで当該免震用ゴム体に復元力を発生させ、この発生させた復元力で建物を移動させる。あるいは、免震用ゴム体の下端を免震構造建物の免震上部基礎部に固定し、かつ、免震用ゴム体の上端を水平方向に移動して当該免震用ゴム体を変形させることで当該免震用ゴム体に復元力を発生させ、この発生させた復元力で建物を移動させる。まず、説明を簡単にするため、例えば、図1(a)のように2本の免震用ゴム体2を備えた構成を例にして説明する。まず、図1(b)に示すように、一方の免震用ゴム体2Xの下端2uを水平方向に所定の距離だけ移動した後に一方の免震用ゴム体2Xの下端2uを建物1の免震下部基礎部8に図外のボルト等の固定具で連結固定する。この場合、一方の免震用ゴム体2Xの上端2tが建物1の免震上部基礎部7に図外のボルト等の固定具で連結固定されていて、他方の免震用ゴム体2Yの上端2tが建物1の免震上部基礎部7に図外のボルト等の固定具で連結固定され、他方の免震用ゴム体2Yの下端2uが免震下部基礎部8に図外のボルト等の固定具で連結固定されているとすれば、一方の免震用ゴム体2Xは直立状態に復元しようとして、これにより建物1は図1の右側に移動する。即ち、一方の免震用ゴム体2Xの下端2uを水平方向に移動させると、他方の免震用ゴム体2Yの下端2uと免震下部基礎部8との連結固定点を反力点として、一方の免震用ゴム体2Xに復元力が蓄えられ、この復元力により建物1を移動させることが可能となる。即ち、図1(b)に示すように、一方の免震用ゴム体2Xの下端2uを例えば10cm移動させたとすると、免震用ゴム体2Xと免震用ゴム体2Yとが同じものであれば、建物1は5cm移動する。ここで、仮に建物1を5cmだけ移動すればよいのであれば、以上の操作により建物1を移動させることが可能である。この場合、図1(b)の状態で建物1を図外のジャッキ等で下から支持して、上記免震用ゴム体2X;2Yを直立状態となるよう取付け直せばよい。また、建物1を最初の位置から5cm以上移動したい場合、例えば10cm程度移動したいのであれば、図1(b)の状態から他方の免震用ゴム体2Yの下端2uと免震下部基礎部8との連結を解く。すると、一方の免震用ゴム体2Xが復元力で例えば図1(c)のように直立状態となる方向に復元する。これにより、建物1は最初の位置から10cm程度移動する。復元した後に他方の免震用ゴム体2Yの下端2uと免震下部基礎部8とを連結固定する。以上のように、免震用ゴム体2Xの水平方向の復元力を利用して建物1を移動させることができる。
上記では、一方の免震用ゴム体2Xの下端2uを水平移動させる場合について説明したが、一方の免震用ゴム体2Xの上端2tを水平移動させるようにしてもよい。即ち、この場合は、建物1を図外のジャッキ等で下から支持して若干浮かせておいてから、一方の免震用ゴム体2Xの上端2tを図1(a)において左側に移動して建物1の免震上部基礎部7と連結固定する。これにより、図1(b)の状態となる。そして、他方の免震用ゴム体2Yの上端2uと建物1の免震上部基礎部7との連結を解く。すると、一方の免震用ゴム体2Xが復元力で例えば図1(c)のように直立状態となる方向に復元する。その後に他方の免震用ゴム体2Yの上端2uと免震上部基礎部7と連結固定する。以上のようにしても、免震用ゴム体2Xの復元力を利用して建物を移動させることができる。
即ち、本発明によれば、建物1の下に免震用ゴム体2を配置して免震構造建物とした後、免震用ゴム体2の下端2uあるいは上端2tを水平方向に移動させることで、建物1の曳き家作業を容易とでき、隣接建物3(図2参照)との間の距離を広げることが可能となる。
以下、詳説する。まず、建物1の免震施工は、建物1の下に図7に示すようにパイル基礎4を複数打設した後に建物1の基礎柱1aとこの基礎柱1aに近い位置のパイル基礎4の上端1bとを繋ぐパイルキャップ4aを打設し、その後、図8に示すように建物1の最終移動位置側(図8の左側)に擁壁5を設けて建物1の下を掘削してから、建物1の下に複数のパイル基礎4を繋ぐマットスラブ6を設け、マットスラブ6と建物1との間にコンクリート等で建物の下部を構成する免震上部基礎部7と建物1の免震基礎部を構成する免震下部基礎部8を形成し、そして、図9に示すように、免震上部基礎部7と免震下部基礎部8との間に免震用ゴム体2を設け、免震上部基礎部7と免震下部基礎部8との間のパイル基礎4の部分4x(図8参照)を取り除く。
図3に示すように、免震用ゴム体2は、例えば鋼板9とゴム10とが交互に積層されこれらが接着により互いに連結された積層体により形成される。このような構成の免震用ゴム体2を使用することで、積層されたゴム10のそれぞれに水平荷重を分担させることができて、ゴム10に水平荷重が加わった状態においても建物1の荷重を充分に支持でき、また、鋼板9により垂直荷重に対する剛性を確保できる。従って、ゴム10に水平荷重が加わった場合に、免震用ゴム体2が倒れ込んでしまうことを防止できる。免震用ゴム体2の上面11には図外のボルト等の固定材で免震用ゴム体2の上面11に取付けられた上部フランジ12を備え、免震用ゴム体2の下面13には図外のボルト等の固定材で免震用ゴム体2の下面13に取付けられた下部フランジ14を備える。尚、免震用ゴム体2は、例えば、高さ200mm〜700mm、横幅500mm〜1500mm程度の円柱状あるいは直方体状に形成されたものを使用する。
図4に示すように、上下のフランジ12;14は同じものよりなり、免震用ゴム体2の軸中心を中心として免震用ゴム体2の上面11と下面13とに同心状に取付けられる。上下のフランジ12;14の面における免震用ゴム体2の周囲を囲む仮想円a上には例えば8個のボルト貫通孔15が仮想円a上においてそれぞれ互いに45度の角度を隔てて形成される。
免震上部基礎部7の下面16には上部フランジ12を一位置に連結可能とする上部ベース17が取付けられる。免震下部基礎部8の上面18には下部フランジ14を複数の連結位置で取付可能とする下部ベース19が取付けられる。上下のベース17;19は例えば金属製の平板に設けられた試験管のような形状に形成された金属袋体の内側に雌ねじ20が形成された複数の袋ナット部21を備える。
免震上部基礎部7の下面16への上部ベース17の取付けは以下の通りである。上部ベース17にあらかじめ袋ナット部21を所定の数だけ溶接等の結合手段で取付け、また、コンクリートとの接続を確実にするためスタッドボルト22等を必要数取付けた後に、上部ベース17を図外の型枠で所定の位置に設置し、型枠内に免震上部基礎部7の鉄筋コンクリート部を打設充填することで、この鉄筋コンクリート部により形成される免震上部基礎部7の下面16に上部ベース17が取付けられる。これにより、上部ベース17の下面25は免震上部基礎部7の下面16と同一平面上に位置する。図5に示す上部ベース17の袋ナット部21のボルト挿入孔26と図4に示す上部フランジ12に形成されたボルト貫通孔15とは合致する位置に形成される。即ち、図5に示すように、上部ベース17には例えば8個のボルト挿入孔26が仮想円a上においてそれぞれ互いに45度の角度を隔てて形成され、このボルト挿入孔26を有する8個の袋ナット部21が形成される。
建物1を図3の右側に移動して曳き家するものと仮定すると、下部ベース19は移動方向に長いプレートにより形成され、下部フランジ14を4つの別々の位置に連結するための後述する4つの連結位置構成部31;32;33;34を備える。免震下部基礎部8の上面18への下部ベース19の取付けは、上述した免震上部基礎部7の下面16への上部ベース17の取付けと同様である。
図6に示すように、下部ベース19にも複数の袋ナット部21が設けられる。図6の点線で示された1つ1つの仮想円b,c,d,eの上に位置するボルト挿入孔26を備えた複数の袋ナット部21群が1つ1つの連結位置構成部31;32;33;34を形成する。図6における下部ベース19の1番左側の初期連結位置である第1連結位置構成部31を形成する複数の袋ナット部21群の位置は上部ベース17の複数の袋ナット部21の位置の真下に位置される。従って、上部フランジ12のボルト貫通孔15の位置と上部ベース17の袋ナット部21のボルト挿入孔26の位置とを合致させた状態でボルト貫通孔15及びボルト挿入孔26にボルト35(図3参照)を挿入してボルト35を袋ナット部21に締結し、さらに、下部フランジ14のボルト貫通孔15の位置と下部ベース19の第1連結位置構成部31を形成する複数の袋ナット部21のボルト挿入孔26の位置とを合致させた状態でボルト貫通孔15及びボルト挿入孔26にボルト35を挿入してボルト35を袋ナット部21に締結することで、免震用ゴム体2を上下の免震基礎部7;8に固定できる。この状態では、免震用ゴム体2は直立状態となり、免震用ゴム体2のゴム10には水平方向の力が加わっていない。
下部ベース19の第1連結位置構成部31と下部フランジ14とを連結するボルト35を取外して、下部フランジ14を図外のジャッキ等の取付プレート移動具で第1連結位置構成部31から第2連結位置構成部32の位置まで移動して、下部フランジ14と第2連結位置構成部32とをボルト35で連結すると、免震用ゴム体2の下端が移動することにより免震用ゴム体2のゴム10に水平方向の力が加わって、ゴム10が水平方向に変位し、免震用ゴム体2は上から右斜めに傾斜する状態となる。以後同様にボルト35を取外して下部フランジ14を取付プレート移動具で第2連結位置構成部32から第3連結位置構成部33の位置まで移動して下部フランジ14と第3連結位置構成部33とをボルト35で連結し、さらに、ボルト35を取外して下部フランジ14を取付プレート移動具で第3連結位置構成部33から最終連結位置である第4連結位置構成部34の位置まで移動して下部フランジ14と第4連結位置構成部34とをボルト35で連結する。以上にように下部フランジ14の移動による免震用ゴム体2の下端の移動操作を行う。尚、ここでは、最終連結位置である第4連結位置構成部34は下部フランジ14の8つのボルト貫通孔15に対応する8つの袋ナット部21により形成することで、第4連結位置構成部34と下部フランジ14との連結を8個のボルト35により強固に連結しており、第1〜第3連結位置構成部31〜33はボルト35の着脱作業を少なくするために下部フランジ14に90度の角度を隔てて形成された4つのボルト貫通孔15に対応する4つの袋ナット部21で形成し、第1〜第3連結位置構成部31;32;33と下部フランジ14との連結を4個のボルト35により連結する構造とした。隣合う連結位置構成部間の距離は例えば200mm程度に設定される。従って、下部フランジ14を隣合う連結位置構成部間で移動させた場合、下部フランジ14の移動距離は200mm程度であり、下部フランジ14を第1連結位置構成部31から第4連結位置構成部34まで移動した場合には下部フランジの移動距離は600mm程度となる。これにより、建物1の下に配置したすべての免震用ゴム体2の下部フランジ14を建物1を移動する一方向に向けて移動した場合に最終的に建物1も600mm程度移動する。震度6〜7の地震を想定した場合に、免震構造とした建物1と隣接建物3との間に必要とされる間隔(クリアランス)は300mm〜800mm程度であり、従って、建物を600mm程度移動できれば、免震構造とした建物1と隣接建物3との間に必要とされる間隔を設けることが可能となる。
上下のフランジ12;14、上下のベース17;19、ボルト35により免震用ゴム体2の移動操作に用いる免震用ゴム体2の連結装置が構成される。
次に曳き家方法の一例を図2に基いて説明する。まず、図2(a)に示すように建物1の下に免震用ゴム体2を設置して、免震構造の建物1とする。ここでは、例えば建物1の下の横方向に8個、前後方向に4個の免震用ゴム体2を所定間隔で設置したと仮定して説明する。次に、図2(b)に示すように、建物1の隣接建物3と隣接する側とは反対側である建物1の最終移動位置側(図の右側)の下に位置する横2個×前後4個=8個の免震用ゴム体2(2A)の1つ1つの下端側を、下部フランジ14を例えば上述したように200mm程度ずつ3回に分けて移動し、最終的に第4連結位置構成部34に固定する。これにより、免震用ゴム体2(2A)は下端に取付けられた下部フランジ14が移動される毎に、建物1が免震用ゴム体2(2A)のゴム10の変形により生じる復元力で引っ張られて右側に移動する。そして、下部フランジ14を移動していないその他の免震用ゴム体2の上部フランジ12が建物1に引っ張られることで免震用ゴム体2の上部側が右側方向に変位する。以上により、建物1は例えば右側に150mm移動する。次に、図2(c)に示すように、建物1の最終移動位置側に近い中央側の下に位置する横2個×前後4個=8個の免震用ゴム体2(2B)の1つ1つの下部フランジ14を例えば上述したように200mm程度ずつ3回に分けて移動し、最終的に第4連結位置構成部34に固定する。これにより、当該下部フランジ14を移動させた免震用ゴム体2(2B)は下部フランジ14が移動される毎に、建物1が免震用ゴム体2(2B)のゴム10の変形により生じる復元力で引っ張られて右側に移動する。そして、下部フランジ14を移動していないその他の免震用ゴム体2の上部フランジ12が建物1に引っ張られることで免震用ゴム体2の上部側が右側方向に変位する。以上により、建物は例えば右側にさらに150mm移動する。以下同様に、図2(d)に示すように、建物1の隣接建物3と隣接する側に近い中央側の下に位置する横2個×前後4個=8個の免震用ゴム体2(2C)の1つ1つの下部フランジ14を例えば上述したように200mm程度ずつ3回に分けて移動し、最終的に第4連結位置構成部34に固定する。これにより、建物は例えば右側にさらに150mm移動する。最後に、建物の隣接建物と隣接する側の下に位置する横2個×前後4個=8個の免震用ゴム体2(2D)の1つ1つの下部フランジを例えば上述したように200mm程度ずつ3回に分けて移動し、最終的に第4連結位置構成部34に固定する。これにより、建物1は例えば右側にさらに150mm移動する。従って、以上で、建物1は最初の位置から右側に合計600mm移動する(図2(e)参照)。図2における破線は建物1の最初の位置を示し、図2(e)における破線は免震用ゴム体2の最初の位置を示す。図2では、免震用ゴム体2と建物1とが尺取虫と似た動作を行うことで建物1が移動する。
最良形態によれば、免震用ゴム体2の移動操作を行うだけでよいので、建物1の曳き家作業を容易にできる。建物1の下に直立状態に固定されたすべての免震用ゴム体2の移動操作を、まず、建物1の最終移動位置側に配置された複数の免震用ゴム体2の移動操作から行い、次に、建物1の中央側に配置された複数の免震用ゴム体2の移動操作を行い、次に、建物1の最終移動位置側とは反対側に配置された複数の免震用ゴム体2の移動操作を行うというように、同時期に操作する複数の免震用ゴム体2をブロック分けして順番に操作したことにより、曳き家作業を計画的に行うことができて、免震用ゴム体2の移動操作に伴う建物1の移動後の姿勢管理も容易となる。また、1つ1つの免震用ゴム体2の移動操作を複数回に分けて行ったので、免震用ゴム体2のゴムに過大な水平変位を与えないようにでき、免震用ゴム体2の損傷等を防ぐことができる。
また、建物1の下部としての免震上部基礎部7の下面16に固定された上部ベース17と、免震用ゴム体2の上端に固定されて上部ベース17と固定的に連結される上部フランジ12と、建物1の免震基礎部としての免震下部基礎部8の上面18に固定された下部ベース19と、免震用ゴム体2の下端に固定されて下部ベース19との連結位置を可変可能な下部フランジ14とを備えた連結装置を用いたので、下部フランジ14の位置を移動して下部ベース19との連結位置を変更することで免震用ゴム体2のゴム10に水平方向の変位を与えて建物1を容易に移動させることができる。また、下部ベース19が複数の連結位置を形成する袋ナット部21群を備え、下部フランジ14が下部ベース19の一つの連結位置を形成する袋ナット部21群のボルト挿入孔26に対応するボルト貫通孔15を備えるので、ボルト35の着脱により下部フランジ14と下部ベース19との連結位置を容易に変更でき、下部フランジ14と下部ベース19との連結位置の変更作業を容易とでき、免震用ゴム体2の移動作業を容易とできる。
他の形態1
免震用ゴム体2の上端を移動させる場合には、図3の構成を上下逆にした構成の連結装置を用いればよい。この場合でも、上記と同様の効果が得られる。
他の形態2
上記では、下部ベース19が下部フランジ14との連結位置を複数備え、連結位置を形成する対応部が下部ベース19と下部フランジ14とに設けられた構成において、下部ベース19の対応部を袋ナット部21により形成し、下部フランジ14の対応部を袋ナット部21のボルト挿入孔26に対応するボルト貫通孔15により形成し、連結手段をボルト貫通孔15を通して袋ナット部21のボルト挿入孔26に締結されることで下部ベース19と下部フランジ14とを連結するボルト35により形成したが、下部ベース19と下部フランジ14の上記対応部を図外のピン挿入孔により形成し、このピン挿入孔に挿入されてピン挿入孔同士を結合してベースとフランジとを連結する図外のピンにより上記連結手段を形成してもよい。尚、免震用ゴム体2の上端を移動させる場合には、上部ベース17と上部フランジ12とに上記ピン挿入孔を設ければよい。
上記では、建物1の下に直立状態に固定されたすべての免震用ゴム体2の移動操作をブロック毎に分けて操作したが、本発明では、建物1の下に直立状態に固定されたすべての免震用ゴム体2のうち、どのような位置にある免震用ゴム体2から移動操作を行ってもよい。また、免震用ゴム体2を1つずつ操作しても構わない。
本発明の免震構造建物の曳き家方法の原理を示す説明図。 本発明の最良形態による免震構造とした建物の曳き家方法を示す図。 最良形態による曳き家方法の免震用ゴム体の移動操作に用いる免震用ゴム体の連結装置による連結構造を示す断面図。 上記連結装置の上下のフランジを示す平面図。 上記連結装置の上部ベースを示す平面図。 上記連結装置の下部ベースを示す平面図。 上記建物の免震施工を示す工程図。 上記建物の免震施工を示す工程図。 上記建物の免震施工を示す工程図。
符号の説明
1 建物、2 免震用ゴム体、7 免震上部基礎部、8 免震下部基礎部、
9 鋼板、10 ゴム、12 上部フランジ、14 下部フランジ、
15 ボルト貫通孔、17 上部ベース、19 下部ベース、21 袋ナット部、
26 ボルト挿入孔、31〜34 連結位置構成部、35 ボルト。

Claims (9)

  1. 免震用ゴム体を用いた免震構造建物において、免震用ゴム体の上端を免震構造建物の免震上部基礎部に固定し、かつ、免震用ゴム体の下端を水平方向に移動して当該免震用ゴム体を変形させて当該免震用ゴム体に発生させた復元力で免震構造建物を移動させたことを特徴とする免震構造建物の曳き家方法。
  2. 免震用ゴム体を用いた免震構造建物において、免震用ゴム体の下端を免震構造建物の免震下部基礎部に固定し、かつ、免震用ゴム体の上端を水平方向に移動して当該免震用ゴム体を変形させて当該免震用ゴム体に発生させた復元力で免震構造建物を移動させたことを特徴とする免震構造建物の曳き家方法。
  3. 免震用ゴム体の移動操作を複数回に分けて行ったことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の免震構造建物の曳き家方法。
  4. 鋼板とゴムとが交互に積層されこれらが互いに連結された積層体により形成された免震用ゴム体を使用したことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の免震構造建物の曳き家方法。
  5. 請求項1、3、4のいずれかに記載の免震構造建物の曳き家方法における免震用ゴム体の移動操作に用いる免震用ゴム体の連結装置であって、免震構造建物の免震上部基礎部に固定された上部ベースと、免震用ゴム体の上端に固定されて上部ベースと一つの連結位置で連結される上部フランジと、免震用ゴム体の下端に固定された下部フランジと、免震構造建物の免震下部基礎部に固定されて下部フランジの連結される下部ベースとを備え、下部ベースが下部フランジとの連結位置を複数備えたことを特徴とする免震用ゴム体の連結装置。
  6. 請求項2、3、4のいずれかに記載の免震構造建物の曳き家方法における免震用ゴム体の移動操作に用いる免震用ゴム体の連結装置であって、免震構造建物の免震下部基礎部に固定された下部ベースと、免震用ゴム体の下端に固定されて下部ベースと一つの連結位置で連結される下部フランジと、免震用ゴム体の上端に固定された上部フランジと、免震構造建物の免震上部基礎部に固定されて上部フランジの連結される上部ベースとを備え、上部ベースが上部フランジとの連結位置を複数備えたことを特徴とする免震用ゴム体の連結装置。
  7. ベースとフランジとの連結位置を形成する対応部がベースとフランジとに互いに設けられ、これら対応部を介してベースとフランジとを連結する連結手段を備えたことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の免震用ゴム体の連結装置。
  8. 対応部がピン挿入孔であり、連結手段がピン挿入孔に挿入されてピン挿入孔同士を結合してベースとフランジとを連結するピンであることを特徴とする請求項7に記載の免震用ゴム体の連結装置。
  9. ベースに形成された対応部が袋ナット部であり、フランジに形成された対応部が袋ナット部のボルト挿入孔に対応するボルト貫通孔であり、連結手段がボルト貫通孔を通して袋ナット部のボルト挿入孔に締結されることでベースとフランジとを連結するボルトであることを特徴とする請求項7に記載の免震用ゴム体の連結装置。
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