JP5415815B2 - ボーディングブリッジの接続部およびボーディングブリッジ - Google Patents
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Description
ボーディングブリッジの先端部は航空機の乗降部と接続され、乗降部の床部とボーディングブリッジの通路とで歩行通路が形成される。
乗降部の扉の下端部は、乗降部の床部よりも下方に位置しているので、乗降部の床部とボーディングブリッジの通路との段差を完全になくしてしまうと、扉が通路に当接するためそれを開閉することが困難となる。
扉の開閉が確実に行われ、かつ、乗客等の乗降に伴い航空機が上下方向に移動するのに対しボーディングブリッジを追従させる追従精度を勘案して余裕を持たせるため、通路の位置は、乗降部の床部の位置より、たとえば、百数十mm程度、低くされている。
これを解消するものとして、たとえば、特許文献1に示されるように、上下方向の段差を解消するものが提案されている。
これは、ボーディングブリッジの先端部に、上部の通路部が上下方向に移動可能とされた昇降リフターを備えている。昇降リフターの通路部を下降位置とした状態で、先端部を接続し扉を開放した後、たとえば、航空機から降りる場合、必要に応じ通路部を上昇させ、それと乗降部の床面とを略同じ高さとし、航空機から段差なく移動できるようにする。昇降リフターの通路部に移動した後、昇降リフターを下降させ、後方の床面と段差が生じないようにし、ターミナルビルへ移動するものである。航空機へ乗る場合には、反対の手順となる。
上下方向の変動は、オートレベラあるいは目視によって変動量を把握し、ボーディングブリッジの可動脚の高さを調整することによって十分とは言えないが、対応されている。
しかしながら、特許文献1に示されるような段差を解消しようとするものでは、乗降部に接続する部分の通路幅が十分に大きくできないので、乗降部の前後方向の位置変動に伴い乗降部と通路部とがずれて、乗客の安全な乗降を確保できない。
すなわち、本発明の第1態様は、トンネル部の先端側に備えられ、航空機の乗降部と接続されて通路を形成するボーディングブリッジの接続部であって、前記通路は、前記トンネル部へ連通され、少なくとも先端部が面内で旋回可能とされている固定通路部と、該固定通路部の先端部に該固定通路部の幅方向に移動可能に設置され、該固定通路部および前記乗降部間を接続する接続通路部と、該接続通路部を前記幅方向に移動させる駆動部材と、が備えられているボーディングブリッジの接続部である。
乗客の乗降あるいは貨物の揚降が始まると、それらの移動に伴い航空機の姿勢が変動し、乗降部の位置が接続通路部に対して上下方向および幅方向(航空機の前後方向)にずれる。上下方向の位置は、たとえば、可動脚の高さ調整等従来の手法によって対応できる。
本態様では、接続通路部は固定通路部の幅方向に移動可能に設置されているので、駆動部材により接続通路部を幅方向に移動させることによって乗降部と接続通路部との幅方向におけるずれを解消することができる。これにより、接続通路部は常に乗降部の延長位置に位置させることができるので、乗客の安全な乗降を確保することができる。
延長通路部は、想定される最大の幅方向移動時にも固定通路部に入り込むような大きさを有している。
延長通路部は、乗客等が立ち入る可能性がある側に設置されることで十分である。すなわち、安全柵等によって立ち入りを抑制されている側、あるいは構造物が存在するため接近し難い側等には、必ずしも延長通路部を設けなくてもよい。
また、上記本態様では、前記昇降通路および前記傾斜調整通路の他方は、その下部に前記通行方向に出没可能なスライド通路部が取り付けられていることが好適である。
このようにすると、航空機の扉は接続通路部の昇降通路および幅方向傾斜調整通路に接触することがないので、扉は支障なく開放することができる。
そして、扉を開いた後、昇降通路を第1揺動軸線回りに揺動させ、その通路面を延長したところが乗降部の床部に位置するようにする。この状態でスライド通路を繰り出すと、スライド通路の先端が乗降部の床部の端部に接触する。これにより、接続通路部は乗降部の床部に連続した通路が形成されるので、通行者、特に、車椅子通行者は段差なく、容易に、かつ、滑らかに移動することができる。
そして、幅方向傾斜調整通路の揺動の大きさを調整することによって傾斜の大きさを調整することができる。これにより、たとえば、乗客の乗降等に伴い航空機の姿勢が変動し、乗降部の位置が接続通路部に対して幅方向の傾斜が大きくずれた場合には、幅方向傾斜調整通路を作動させて乗降部とスライド通路との傾斜を一致させることができる。
また、航空機の通路部の高さ位置は航空機の大きさ等によって種々のものがある。その高さに対応するため、トンネル部および接続部が上下方向に傾斜されることがある。このように傾斜した状態で、固定通路が旋回すると、接続通路部も併せて旋回するので、接続通路部の通路は航空機の乗降部に対して幅方向に傾斜することになる。この場合、幅方向傾斜調整通路を揺動させることによって接続通路部の通路を傾斜させ、乗降部の床部と略平行となるようにすることができる。この状態で、昇降通路およびスライド通路を前述のように用いることによって、接続通路部は乗降部の床部に連続した通路が形成される。
このように、航空機の種類に関係なく連続した通路が形成できるので、通行者の転倒、つまずき等の事態が発生することを抑制することができる。
本態様によれば、幅方向傾斜調整通路を上方に揺動させると、幅方向傾斜調整通路は通行方向の先端側を向いて右側が高く左側に行くに連れて低くなるので、この状態に対応することができる。
図1は、ボーディングブリッジ1の全体概略構成を示す側面図である。図2は、ボーディングブリッジ1の先端部を示す部分平面図である。
ボーディングブリッジ1は、空港のターミナルビルと航空機13とを連絡し、ターミナルビルと航空機13との間に乗客の通行路を形成し、直接の乗り降りを可能にするものである。
ボーディングブリッジ1は、固定脚15と可動脚17とによって支持されている。
可動脚17は、上下方向に伸縮する構造とされ、図示しない駆動源によって伸縮されることによってボーディングブリッジ1は上下方向に揺動する。
基端トンネル7および先端トンネル9はそれぞれ中空の長四角柱形状をしている。基端トンネル7および先端トンネル9は、四角柱の各辺に鋼製の構造梁が配置され、両側面および上下面に、構造梁を連結するように、たとえば、アルミ合金製のパネルが取付けられて、筒状に形成されている。パネルは、樹脂製、透明材料(樹脂、ガラス等)等で形成するようにしてもよい。
先端トンネル9は、可動脚17が移動するのに伴って長手方向Lに移動し、ボーディングブリッジ1の長さを伸縮させる。この伸縮によってロタンダ5と航空機13との間の距離の変化に対応している。
ロタンダ5、基端トンネル7および先端トンネル9には、その略全長に亘り乗客が通行する通路27が設けられている。
ヘッド本体19は、軸線が上下方向に延在する略円筒形状をしている。
連結部21は略直方体形状をしている。ヘッド本体19は、中心点Oを中心に旋回するようにされている。ヘッド本体19の旋回に伴って連結部21は、図2に示されるように一定の角度範囲内で首振り運動を行う。
連結部21の先端部には、ジャバラ構造によって長手方向に伸縮し、乗降部23の周囲を、扉が開放できるように覆って、航空機13の外板に沿って密着される連結体25が備えられている。
連結部21には、固定通路部29と調整通路部(接続通路部)31とが備えられている。調整通路部31は、略長方形状をするように各部材が配置され、固定通路部29の先端部分の一部を構成するように取り付けられている。
連結部21には、全体の荷重を支持する本体フレーム33が設けられている。本体フレーム33には、図4に示されるように鋼製の構造梁で形成され、上辺が開放された長方形状をした一対のフレーム部材35が、幅方向に間隔を空けて設けられている。一対のフレーム部材35は、先端トンネル9側上部が横梁37によって接続されている。
各ベースフレーム41は、フレーム部材35にベースリニアガイド43によって幅方向に移動可能に支持されている。すなわち、調整通路部31が取り付けられるベースフレーム体39は、固定通路部29を含む連結部21を支持する本体フレーム33に幅方向に移動可能に取り付けられている。
調整通路部31には、固定フロア47と、昇降フロア(昇降通路)49と、調整フロア(幅方向傾斜調整通路)51と、スライドフロア(スライド通路)53とが備えられている。
昇降フロア49は、揺動軸(第1揺動軸線)55によって先端側が上下方向に揺動するように取り付けられている。揺動軸55は、幅方向Bに延在するように配置されている。したがって、揺動軸55は、ゴムダンパー45に略平行になるように設置されている。
スライドフロア53は、略矩形状をした板部材であり、調整フロア51の下方に通行方向Tに出没自在に取り付けられている。
なお、連結部21がヘッド本体19の廻りに旋回するようにしてもよく、この場合には連結部21に位置する固定通路59のみが旋回することになる。
スライド板61,63は、略矩形状をした板部材であり、周縁部が折曲されている。スライド板61,63の一辺は、ベースフレーム体39に固定されている。スライド板63は、幅方向B長さが小さく、スライド板61は幅方向B長さが大きくされている。
スライド板61の固定通路59側は、固定通路59の下方に入り込むようにされている。スライド板61の固定通路59側には、幅方向に延在する複数、たとえば、4本のスリット69が形成されている。このスリット69は固定通路59を補強する補強リブ71をかわすものである。(図8参照)
スライド板63は、幅方向Bの長さが小さいので、案内のために特別な部材を備えていない。
図8に示されるように、モータによって雌ネジを回転させ雄ネジを伸縮させるネジシリンダ79は、調整フロア51に通行方向Tに延在するように固定されている。雄ネジの先端部分はスライドフロア53に固定されているので、ネジシリンダ79の雄ネジの伸縮によってスライドフロア53は、調整フロア51に対して通行方向Tに出没する。
ネジシリンダ81の伸縮する先端には、一端がベースフレーム体39に回動自在に取り付けられた軸85に固定されたレバー87の他端が回動可能に取り付けられている。軸85には、レバー89の一端が固定して取り付けられている。レバー89の自由端には、昇降フロア49に固定されたカムフォロア91に係合するカム93が取り付けられている。
ネジシリンダ81の雄ネジの伸縮によってレバー87を介して軸85が回転し、レバー89のカム93を上下に移動させる。このカム93の上下移動によってカムフォロア91が上下移動するので、昇降フロア49は揺動軸55を中心に上下方向に揺動する。
ネジシリンダ95の伸縮する先端には、一端がベースフレーム体39に回動自在に取り付けられた軸99に固定されたレバー101の他端が回動可能に取り付けられている。軸99には、レバー103の一端が固定して取り付けられている。一端が調整フロア51を支持するフレームに回動可能に取り付けられたレバー105の自由端と、レバー103の自由端と、が回動可能に結合されている。
ネジシリンダ95の雄ネジの伸縮によってレバー101を介して軸99が回転する。軸99が回転すると、レバー103の先端が上下方向に移動し、レバー105を介して調整フロア51を支持するフレームを上下方向に移動させる。これにより、調整フロア51は揺動軸57を中心に上下方向に揺動する。
ボーディングブリッジ1は、先端トンネル9が図1の二点鎖線で示されるように基端トンネル7と大きく嵌合された状態、すなわち縮長された状態で待機している。
航空機13が到着すると、可動脚17が作動し、先端トンネル9が航空機13に向かい移動する。すなわち、ボーディングブリッジ1が伸長される。このとき、昇降フロア49は固定通路59と面一になるように下方に揺動されている。ここでは、連結部21を図2において2点鎖線で示すように左側に旋回させて接続する場合について説明する。
そして、ヘッド11が航空機13の乗降部23に接近すると、航空機13から少し離れた位置、たとえば、500mm程度はなれた位置でボーディングブリッジ1の伸長を止める。
たとえば、先端が下方に傾斜し、連結部21が左側に旋回していると、固定通路部29および調整通路部31の通行面は航空機13側から見て左側が下がった状態に傾斜(ヘッド本体19側から見て右側が下がった状態に傾斜)している。
この状態で、ネジシリンダ95を伸長させて調整フロア51を上方に揺動させると、調整フロア51は揺動半径の大きいヘッド本体19側から見て右側が左側に比べて高くなる。したがって、ネジシリンダ95の伸長量を調整することによって調整フロア51を床部24と略平行な状態とすることができる。
そして、連結体25を航空機13側に伸長させ、その先端を航空機13の外板に沿って密着させる。
このとき、調整通路部31は床部24よりも十分低い位置にあるので、扉26は支障なく開くことができる。
扉26を開いた後、ネジシリンダ81を伸長させて昇降フロア49を上方に、昇降フロア49の上面の延長が床部24の端部に位置するように上方へ揺動させる。
次いで、ネジシリンダ79を伸長させてスライドフロア53を航空機13に当接するまで前進させる。
これらの操作は、作業員が目視によって操作する。この場合、ネジシリンダ79,81,95は動きが細かいので、容易に微調整することができる。
このため、乗降部は上下方向とともに前後方向(言い換えると、幅方向B)に移動することになる。
たとえば、図11に示すように、満車時の乗降部23Aと空車時の乗降部23Bでは、距離UDだけ上下方向に変動するとともに距離FRだけ前後方向に変動する。
一方、前後方向、すなわち、幅方向Bの位置変動については、ネジシリンダ73を伸縮させ、ベースフレーム体39を本体フレーム33に対して幅方向Bに移動させる。ベースフレーム体39が幅方向Bに移動すると、調整通路部31が幅方向Bに移動するので、スライドフロア53が幅方向Bに移動する。ネジシリンダ73の移動量を調整することによってスライドフロア53の幅方向Bの位置を床部24の移動した幅方向Bの位置に合わせることができる。
ベースフレーム体39の幅方向Bへの移動に伴い、ベースフレーム体39に取り付けられたスライド板61,63が一体的に移動するので、スライド板61,63が調整通路部31と固定通路部29との間に生じた隙間を埋めることができ、乗客の安全な乗降を確保することができる。
スライド板61,63は、想定される最大の幅方向B移動時にも固定通路部29に入り込むような大きさを有していることが好適である。
たとえば、安全柵等によって立ち入りを抑制されている側、あるいは構造物が存在するため接近し難い側等には、必ずしもスライド板61,63を設けなくてもよい。
たとえば、基端トンネル7と先端トンネル9との間に適宜数の中間トンネルが備えられているボーディングブリッジ1にも適用することができる。
7 基端トンネル
9 先端トンネル
11 ヘッド
13 航空機
23 乗降部
29 固定通路部
31 調整通路部
47 固定フロア
49 昇降フロア
51 調整フロア
53 スライドフロア
55 揺動軸
57 揺動軸61,63 スライド板
73 ネジシリンダ
B 幅方向
T 通行方向
Claims (4)
- トンネル部の先端側に備えられ、航空機の乗降部と接続されて通路を形成するボーディングブリッジの接続部であって、
前記通路は、前記トンネル部へ連通され、少なくとも先端部が面内で旋回可能とされている固定通路部と、
該固定通路部の先端部に該固定通路部の幅方向に移動可能に設置され、該固定通路部および前記乗降部間を接続する接続通路部と、
該接続通路部を前記幅方向に移動させる駆動部材と、
が備えられ、
前記接続通路部の両側の少なくとも一方側には、前記接続通路部の延長部分を形成する延長通路部が前記固定通路部に入り込むように取り付けられており、
前記接続通路部は、
前記固定通路側に前記幅方向に延在する第1揺動軸線を持ち、該第1揺動軸線を中心に揺動する昇降通路と、
前記固定通路側に前記幅方向と交差する方向に延在する第2揺動軸線を持ち、該第2揺動軸線を中心に揺動する幅方向傾斜調整通路と、
を有し、
前記昇降通路および前記傾斜調整通路のいずれか一方は、前記固定通路部に取り付けられ、他方はその一方に取り付けられるボーディングブリッジの接続部。 - 前記昇降通路および前記傾斜調整通路の他方は、前記通行方向に出没可能なスライド通路部が取り付けられている請求項1に記載のボーディングブリッジの接続部。
- 前記第2揺動軸線は、前記固定通路の先端側を向いて左側が先端側に、右側が前記トンンネル側に位置している請求項1に記載のボーディングブリッジの接続部。
- 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載された接続部がトンネル部の先端側に備えられているボーディングブリッジ。
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