JP5415126B2 - 熱処理炉用の昇降装置 - Google Patents
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Description
前記ロータリーレトルト炉は、レトルト内の被処理物が高温に加熱されているので、熱処理が完了しても、炉体内で被処理物の温度がある程度下がるのを待って、レトルトから被処理物を取り出す必要がある。しかし、この場合、炉体内の雰囲気温度が高い状態で被処理物の温度を下げる必要があるので、その冷却に長時間を要する。このため、ロータリーレトルト炉の処理容量が低いという問題があった。
図8は、この種のロータリーレトルト炉の一例を示す断面図である。
このロータリーレトルト炉は、互いに分離可能な上部炉殻81と下部炉殻82とを有する炉体8と、前記下部炉殻82の上方に配置されたレトルト8Wと、前記上部炉殻81を昇降させる昇降装置83とを備えている。
しかも、前記支持フレームを横行移動させることにより、上昇させた上部炉殻を支持フレームとともに横行移動させることができる。
前記熱処理装置には、前記ロータリーレトルト炉1が構成される第1熱処理ゾーンS1および第2熱処理ゾーンS2が、図1の左右方向(以下単に「左右方向」という)に所定間隔離して設けられている。図1においては、左側の第1熱処理ゾーンS1にロータリーレトルト炉1が構成されている状態を示している。
前記炉体11の上側を構成する上部炉殻111は、下部が開口する断面コの字形のものであり、下側を構成する下部炉殻112は、前記上部炉殻111の下部の開口を閉塞可能な平板状のものである。これら上部炉殻111および下部炉殻112は、それぞれ断熱性を有しており、上部炉殻111には図示しないヒータが設けられている。前記上部炉殻111は、熱処理中において下部炉殻112に一体化されており、熱処理が終了した時点で、前記昇降装置2によって引き上げられて下部炉殻112から分離される。
前記ロータリーレトルト炉1は、密閉された胴体部Wa内に被処理物を入れた状態で、高温雰囲気下で回転駆動手段により胴体部Waを回転させながら被処理物を熱処理することができる。
前記下部フレーム410Bは、略矩形枠状を呈し、その左右両側の前端部から上方へ突出する突片B1(図3および図5参照)を備えている。
各第1リフトアーム411は、その図3において上端部(一端部)が上部フレーム410Aの前端部に、ピン417を介して回動自在に連結されており、図3において下端部(他端部)が下部フレーム410Bの後部側に、回転自在なローラ415を介して回動自在に連結されている。
また、各第2リフトアーム412は、その図3において上端部(一端部)が上部フレーム410Aの後部側に、回転自在なローラ416を介して回動自在に連結されており、図3において下端部(他端部)が下部フレーム410Bの突片B1に、ピン418を介して回動自在に連結されている。
前記ボールねじ431は、第2リフトアーム412の長手方向に沿って、当該第2リフトアーム412の溝内に収容されている。このボールねじ431にはナット432が螺合されており、このナット432に対してピン413bを介してクランプ部材413の上端部を連結することにより、当該クランプ部材413が第2リフトアーム412に回動自在に連結されている。
前記電動モータ44を正回転させると、ボールねじ431が正回転し、ナット432をボールねじ431に沿って第2リフトアーム412の上端部側に進出移動させる。一方、電動モータ44を逆回転させると、ボールねじ431が逆回転し、ナット432をボールねじ431に沿って第2リフトアーム412の下端部側に後退移動させる。この際、各クランプ部材413の上端部は、ナット432の進退移動に同行して第2リフトアーム412の長手方向に沿って移動する。
前記架台30は、第1熱処理ゾーンS1および第2熱処理ゾーンS2を跨いだ状態で設けられており、左右両側にそれぞれ2本ずつ立設された支柱300と、この支柱300によって所定の高さ位置に支持された枠体301とを備えている。この枠体301は、左右方向に延びる前後一対の第1横桁303と、前後方向に延びる左右一対の第2横桁302とで構成された矩形のものである。
電動モータ35は、後側(図6では上側)の第1横桁303の左端部に取り付けられている。また、第1軸341は、各第1横桁303間に亘って前後方向に延び、その両端部が各第1横桁303の左側端部(電動モータ35よりも右側)に回転自在に支持されている。さらに、第2軸342は、各第1横桁303間に亘って前後方向に延び、その両端部が各第1横桁303の右側端部に回転自在に支持されている。
前記電動モータ35は、減速機を備え、無端チェーン345および有端チェーン346を通じて横行台車33を横行移動させる。なお、図1および図6中45は、横行移動装置3の電動モータ35および昇降装置2の電動モータ44に対しそれぞれ電力を供給するための可撓性の通電ケーブルを保持するキャタピラ状のケーブルベヤである。
また、前記電動モータ35を逆回転させて、無端チェーン345を介して第1軸341および第2軸342を逆回転させることにより、両軸341,342両端部の各有端チェーン346を介して、横行台車33を第2熱処理ゾーンS2から第1熱処理ゾーンS1へ横行移動させることができる。そして、上部炉殻111が第1熱処理ゾーンS1の下部炉殻112の直上に到達した時点で、電動モータ35を停止して前記横行移動を停止させる。
まず、第1熱処理ゾーンS1において下部炉殻112と上部炉殻111とが一体化されている状態で(図1参照)、被処理物の熱処理が完了すると、昇降装置2によって上部炉殻111を上昇させる。この上部炉殻111が上昇端に達すると、横行移動装置3によって、昇降装置2とともに上部炉殻111を第2熱処理ゾーンS2の下部炉殻112の直上に移動させる。この状態で、上部炉殻111を昇降装置2によって下降させて、当該第2熱処理ゾーンS2の下部炉殻112と一体化させる。これにより、第2熱処理ゾーンS2に炉体11を構成することができるので、予め第2熱処理ゾーンS2のレトルトWに被処理物を投入しておくことにより、被処理物を熱処理することができる。この熱処理中において、第1熱処理ゾーンS1のレトルトWに収容された被処理物を冷却させた後、レトルトWから排出し、新たな被処理物をレトルトWに収容する。
11 炉体
111 上部炉殻
112 下部炉殻
2 昇降装置
303 第1横桁(支持フレーム)
4 リンク機構
41 Xリンク
410A 上部フレーム
410B 下部フレーム
411 第1リフトアーム
412 第2リフトアーム
43 伸縮駆動手段
Claims (2)
- 炉体の下部側を構成する下部炉殻と、前記炉体の上部側を構成し前記下部炉殻に対し昇降移動可能に分割された上部炉殻とを備える熱処理炉の前記上部炉殻を吊り下げて昇降させる熱処理炉用の昇降装置であって、
前記上部炉殻が取り付けられる下部フレームと、
前記下部フレームの上方に設けられた上部フレームと、
互いに交差させた二つのリフトアームの交差部を回動自在に軸止したXリンクを所定間隔離して一対並設し、各リフトアームの一端部を前記下部フレームに、他端部を前記上部フレームにそれぞれ連結したXリンク式のリンク機構と、
前記一対のXリンクを前記下部フレームと上部フレームとの間で伸縮動作させて前記上部炉殻を昇降させる伸縮駆動手段と、
前記上部フレームを前記上部炉殻の上方の所定の高さ位置に支持する一対の支持フレームと、を備えており、
前記上部フレームが、前記炉体の直上と炉体の側方との間を横行移動可能な横行移動体に取り付けられており、
前記各支持フレームは炉体の側方に伸びるように設けられ、
前記上部フレーム、下部フレームおよびXリンクが前記一対の支持フレーム間に配置され、
前記上部フレーム、下部フレーム、Xリンクおよび横行移動体が前記一対の支持フレームに沿って横行移動することを特徴とする熱処理炉用の昇降装置。 - 前記一対の支持フレームの上面にレールが配置され、前記横行移動体には前記レール上を転動可能な転動体が設けられ、当該転動体が前記レール上を転動することによって前記横行移動体が横行移動する請求項1に記載の熱処理炉用の昇降装置。
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