JP5413580B2 - バリ除去方法及び装置 - Google Patents

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本発明は、金属部品にゴム状弾性材料(ゴム材料又はゴム状弾性を有する合成樹脂材料)又は合成樹脂材料を一体成形したワークからゴム状弾性材料又は合成樹脂材料からなるバリを除去する方法及びその装置に関するものである。
金属部品にゴム状弾性材料を一体成形した成形品は、自動車及び産業界に広く用いられており、例えば図8又は図9に示されるようなものが知られている。
このうち、図8は自動車用空調装置の電磁クラッチに取り付けられるカップリング100を示すものであって、金属製のハブ101と、その外周側に同心的に配置された金属製の外環102との間に、ゴム状弾性材料からなる環状の弾性体103が一体的に加硫成形されている。
また、図9は防振ブッシュ200を示すものであって、互いに同心的に配置された金属製の内筒201と外筒202との間にゴム状弾性材料からなる円筒状の弾性体203が一体的に加硫成形されている。
このような成形品は、金型内に金属部品(ハブ101と外環102、あるいは内筒201と外筒202)及び未加硫ゴム材料をセットして加圧・加熱加硫することによって、前記金属部品に弾性体103又は203が一体成形されたものである。しかしながら、この種の成形品の成形過程では、金属部品の加工精度や未加硫ゴム材料の充填量の誤差等によって、金型と金属部品との隙間に未加硫ゴム材料が回り込み、それがゴムバリ(ゴム状弾性材料からなるバリ)となる。したがって、このようなゴムバリを除去するため、従来から種々のバリ除去方法が実施されており、その典型的な従来技術が特許文献1,2に開示されている。
このうち特許文献1に開示された装置は、モータに直結した研磨ブラシを、シリンダでワークに押しつけてバリ取りを行うものである。また特許文献2に開示された装置は、ワイヤーブラシの偏摩耗を避けるため、バリ取り工具をカッターとすると共にバリ取り面の波打ちに対応できるように弾性支持とした例や、金属ワイヤのバフヘッドの偏摩耗を防止するため自転させると共に公転させる例が開示されている。
また、他の従来例として図10及び図11に示されるバリ除去装置300は、製品セット治具301をモータ302等で回転させ、モータ303の出力軸先端に固定したバリ取り工具304をシリンダ305等により移動可能とし、これを前記製品セット治具301により回転するワークW(図示の例ではカップリング100)に押し付けることによってゴムバリを除去するものである。
実開昭62−53947号公報 特開平4−93195号公報
ところが、ゴムバリは金属加工やプラスチック成形時に発生するバリとは異なり、ゴム状弾性材料からなるものであるため、弾性体にバリ取り工具の先端を適正に食い付かせないと、バリ取り工具が弾性体の表面を上滑りするだけで、容易にゴムバリが除去されない。したがってゴムバリへのバリ取り工具の押し付けには、上述の特許文献に示されるようにシリンダを用いたり、あるいはバリ取り工具として用いる金属ブラシやスクレーパ等の切削刃物のゴムバリへの接触荷重を調整するため、工具の支持にスプリング等の手段を用いたりすることが行われる。
しかしながら、バリ取り工具にスクレーパや金属ブラシ、切削刃物等を用いた場合、刃先が鋭く且つ摩耗や変形が少ないものを用いないとバリ残りが発生しやすく、しかもバリ取り工具の寿命が短くなるなどの問題がある一方で、バリ取り工具の摩耗や、摩耗状態に合わせた押し付け力の調整ができるようになっていない為、バリ残りを発生したり、逆に押し付け力が過大になったりし、ゴムバリ付近の製品ゴム部分の切れ込みや、金属部品表面の防錆処理皮膜の損傷等を起こし、ゴムバリ除去後、再度表面処理をするなどの工程が必要となる問題もあった。
また同じ理由により、ゴムバリの発生量がバラついていたり、表面が波打ったり段差形状となっているようなワークには、バリ取り工具を均一な力で押し付けることが困難であるといった問題があった。
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであって、その技術的課題は、金属部品にゴム材料又はゴム状弾性を有する合成樹脂材料を一体成形したワークから、製品部分に損傷を与えることなくバリを確実に除去することにある。
上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、請求項1の発明に係るバリ除去方法は、金属部品にゴム状弾性材料又は合成樹脂材料を一体成形したワークに、ゴム状弾性材料からなる棒状のバリ取り工具をその軸心の周りに回転させながら押し付けることによって、前記ワークの表面のゴム状弾性材料又は合成樹脂材料からなるバリを摩擦熱及び剪断力によって剥離除去するものである。なお、ここでいうゴム状弾性材料とは、ゴム材料又はゴム状弾性を有する合成樹脂材料のことである。
また、請求項2の発明に係るバリ除去装置は、金属部品にゴム状弾性材料又は合成樹脂材料を一体成形したワークを支持するワーク受け治具部と、ゴム状弾性材料からなる棒状のバリ取り工具及びこのバリ取り工具をその軸心の周りに回転させる装置を備えるバリ取りユニットと、このバリ取りユニットを移動させ前記バリ取り工具を前記ワーク受け治具部に支持された前記ワークに押し付け可能なスライドユニットとからなるものである。
請求項1及び請求項2の発明において、ゴム状弾性材料からなる棒状のバリ取り工具は摩擦が大きいため、このバリ取り工具をその軸心の周りに回転させながらワークに押し付けることによって、ワークの表面のゴム状弾性材料又は合成樹脂材料からなるバリが摩擦熱を受けて軟化すると共に、回転による剪断力を受けて剥離除去される。
請求項3の発明に係るバリ除去装置は、請求項2に記載の構成において、バリ取り工具が、その長手方向と直交する断面が長手方向に対して同一の棒状をなすものである。
請求項4の発明に係るバリ除去装置は、請求項2に記載の構成において、ワークに対するバリ取り工具の接触荷重を所定の値に調整する荷重調整機構を備えるものである。
請求項1及び請求項2の発明によれば、ワークの表面のゴム状弾性材料又は合成樹脂材料からなるバリを、ゴム状弾性材料からなる棒状のバリ取り工具がその軸心の周りに回転しながら接触することによる摩擦熱及び剪断力によって剥離除去するものであるため、バリの発生量や形状によってバリ残りを発生させることがなく、製品部分に損傷を与えてしまうこともない。
請求項3の発明によれば、バリ取り工具が使用に伴い経時的に摩耗しても、ワークに対する接触面積を一定とすることができる。
請求項4の発明によれば、バリ取り工具が所定の接触荷重でワークに押し付けられるため、安定したバリ除去を行うことができる。
本発明に係るバリ除去装置の全体構成を示す説明図である。 本発明に係るバリ除去装置におけるバリ取りユニットを示す説明図である。 本発明に係るバリ除去装置によるバリ取り工程を示す説明図である。 本発明に係るバリ除去装置におけるバリ取りユニットの結合構造の一例を示す説明図である。 本発明に係るバリ除去装置におけるバリ取りユニットの結合構造の他の例を示す説明図である。 図5に示されるバリ取りユニットの結合構造の平面図である。 本発明に係るバリ除去装置において、摩耗したバリ取り工具を押し出して突き出し長さを復元する工程を示す説明図である。 金属部品にゴム状弾性材料を一体成形した成形品の一例として電磁クラッチ用カップリングを示す断面図である。 金属部品にゴム状弾性材料を一体成形した成形品の他の例として防振ブッシュを示す断面図である。 従来のバリ除去装置を示す説明図である。 従来のバリ除去装置を示す説明図である。
以下、本発明に係るバリ除去装置の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
まず図1は、本発明に係るバリ除去装置の全体の概略構造を示すもので、参照符号1は成形品を支持するワーク受け治具部、参照符号2はバリ取り工具21を回転させる装置を備えるバリ取りユニット、参照符号3はこのバリ取りユニット2を前記ワーク受け治具部1に支持された成形品に対して進退させるスライドユニット、参照符号4は水平フレーム41とこの水平フレーム41から立ち上がる鉛直フレーム42からなるフレームである。
このうち、ワーク受け治具部1は、フレーム4における水平フレーム41上に配置されると共に成形体であるワークWを支持する治具本体11と、前記水平フレーム41に取り付けられ、前記治具本体11を鉛直軸心の周りに回転させるモータ12とからなる。
バリ取りユニット2は、ワーク受け治具部1の上方に配置されていて、バリ取り工具21と、このバリ取り工具21を把持するチャック装置22と、このチャック装置22内のバリ取り工具21をその軸方向へワーク受け治具部1(成形品)へ向けて押し出す押し出しシリンダ23と、バリ取り工具21をその軸心の周りに回転させる回転装置24と、位置決め装置25とを備え、これらがボディ26に保持されている。
詳しくは、バリ取りユニット2におけるバリ取り工具21はゴム状弾性材料で成形されたものであって、その長手方向と直交する断面が長手方向に対して同一の棒状、典型的には丸棒状(円柱状)をなしている。バリ取り工具21のゴム状弾性材料の材質は特に限定されないが、除去対象バリのゴム状弾性材料の材質よりも、ある程度硬度が高いものが望ましい。
バリ取りユニット2におけるチャック装置22は、図2に示されるように、ボディ26に軸受22d,22eを介して回転可能に支持されたチャックスリーブ22aと、このチャックスリーブ22aの内周に軸方向移動可能に配置されると共にステー22gに軸受22fを介して回転可能に支持され、先端部側が円周方向に分割されたコレットチャック22bと、前記ステー22gを介してコレットチャック22bをチャックスリーブ22aに対して軸方向へ移動させることによって、チャックスリーブ22aの先端部内周の円錐面に対してコレットチャック22bの先端外周の円錐面を進退させ、これによってコレットチャック22bを開閉させるチャック開閉シリンダ22cを備える。
バリ取りユニット2における回転装置24は、ボディ26の底板26a上にスペーサ26bを介して支持され正転、逆転及び可変速機能をもったモータ24aと、このモータ24aの出力軸の外周に取り付けられた駆動歯車24bと、チャック装置22におけるチャックスリーブ22aの外周に取り付けられると共に前記駆動歯車24bに噛合された従動歯車24cとを備え、モータ24aの回転力が駆動歯車24b、従動歯車24c、チャックスリーブ22a及びコレットチャック22bを介して丸棒状のゴム状弾性材料からなるバリ取り工具21へ伝達され、チャック装置22によって把持されたバリ取り工具21をその軸心の周りに回転させるものである。
バリ取りユニット2における位置決め装置25は、バリ取り工具21が摩耗によって所定寸法より短くなったときに、チャック装置22からの突き出し長さを調整するためのもので、ボディ26の底板26aの下側に取り付けられた位置決めシリンダ25aと、この位置決めシリンダ25aによってチャック装置22におけるチャックスリーブ22a(コレットチャック22b)の真下の位置へ進退される位置決めストッパ25bとからなる。
スライドユニット3は、フレーム4における鉛直フレーム42に設けられて鉛直に延びるスライドレール31と、このスライドレール31に沿って昇降移動するスライダ32と、バリ取りユニット2におけるボディ26が結合されると共に前記スライダ32を一体に有する昇降基板33と、この昇降基板33を昇降させることによりバリ取りユニット2を昇降させる押し上げシリンダ34と、前記鉛直フレーム42に突設された荷重調整ストッパ35と、この荷重調整ストッパ35の真上に位置して前記昇降基板33に設けられ、鉛直下方へ進退するロッド36aの先端が荷重調整ストッパ35と当接可能な荷重調整シリンダ36とを備える。
ここで、押し上げシリンダ34のロッド34aによってスライドユニット3の昇降基板33及びこれに結合されたバリ取りユニット2をその可動範囲の上限まで押し上げた時のバリ取り工具21の先端21aの位置と、ワーク受け治具部1に支持されたワークWのバリ表面との間の鉛直距離をL1とし、押し上げシリンダ34のロッド34aのストロークをL2とし、前記ロッド34aによってスライドユニット3の昇降基板33をその可動範囲の上限まで押し上げると共に荷重調整シリンダ36のロッド36aをそのストローク上限まで引き込んだ時のこのロッド36aの先端位置と、その真下にある荷重調整ストッパ35との距離をL3とし、荷重調整シリンダ36のロッド36aのストロークをL4とすると、
1<L2 ・・・・・・(1)
3−L4<L1 ・・・・・(2)
となっている。
すなわち荷重調整シリンダ36は、荷重調整ストッパ35と共に、請求項4に記載された荷重調整機構を構成するものであって、バリ取り工具21の先端21aとワーク受け治具部1上のワークWとの接触部に、バリ取りユニット2などの重量によって作用する接触荷重を調整するものである。
詳しくは、荷重調整シリンダ36はその使用圧力の上限側にてユニット2及び昇降基板33の重量を支持可能な出力を有するシリンダを用いる。そしてその上限側の圧力により、荷重調整シリンダ36のロッド36aを、図1に一点鎖線で示されるようにそのストロークL4いっぱいに伸長させておき、図1に示されるようにスライドユニット3の昇降基板33に結合されたバリ取りユニット2がその可動範囲の上限にある状態から、押し上げシリンダ34のロッド34aを引き込んでバリ取りユニット2を下降させて行くと、上述の(2)式の関係から、バリ取り工具21の先端21aがワーク受け治具部1上のワークWに当接する直前で、荷重調整シリンダ36のロッド36aの先端が荷重調整ストッパ35に当接することとなる。したがってこの状態から、荷重調整シリンダ36の印加圧力を適宜減圧する。このとき、減圧した圧力差分の荷重がワークWにかかる荷重となるので、この圧力を調整することによって、図3に示されるように、バリ取り工具21の先端21aをワークWに所定の適切な荷重で接触させることができる。なお、荷重調整シリンダ36のストロークL4は最低5mm以上、好ましくは10〜20mmとなっている。
また、荷重調整シリンダ36に作用する荷重は、この荷重調整シリンダ36の出力を計測するか、あるいは荷重調整ストッパ35における荷重調整シリンダ36との接触部に荷重センサなどを設けておくことによって検出可能であるため、その検出値が一定となるように、不図示の制御装置を介して荷重調整シリンダ36の出力を制御するように制御系を構成しておけば、摩耗によるバリ取り工具21の突き出し長さの変化に拘わらず、上述の荷重調整動作が自動的に行われ、ワークWに所定の荷重で接触させることができる。
なお、バリ取り工具21の適切な回転数や、ワークWとの適切な接触面圧は、ワークWのゴム材質やバリの発生状態により異なるが、天然ゴム系のバリの場合、回転数300〜3000rpm、接触面圧は2〜30MPaとする。
バリ取りユニット2におけるボディ26は、図4に示されるように、スライドユニット3における昇降基板33に対して、水平な支持軸37と、昇降基板33及びボディ26のいずれか一方に形成されて前記支持軸37を中心とする円弧状に延びる長孔38と、前記昇降基板33及びボディ26のいずれか他方に設けられて前記長孔38の長手方向いずれかの位置で緊結可能な緊結具38aによって、取付角度θが可変となっている。このため、ワーク受け治具部1上のワークWに対するバリ取り工具21の先端21aの接触角度を調整することができるようになっている。
また、図5及び図6に示されるように、バリ取りユニット2がスライドユニット3における昇降基板33に対してストロークL5の範囲で水平方向往復動可能に結合され、その水平移動をシリンダ39などの駆動装置で行う機構を設けることもできる。
以上のような構成を備える本発明のバリ除去装置によって、金属部品にゴム状弾性材料を一体成形した成形品からなるワークWからゴムバリ(ゴム状弾性材料からなるバリ)を除去するには、まずワーク受け治具部1の治具本体11に、ワークWを、バリ発生面が上側となるように取り付ける。なお、このときバリ取りユニット2は、図1に示されるようにスライドユニット3の昇降基板33を介して、押し上げシリンダ34により可動範囲の上限位置に支持されると共に、荷重調整シリンダ36のロッド36aがそのストローク下限(図1に一点鎖線で示される位置)まで伸長されている。
ここで、ワークWは例えば先に説明した図8のカップリング100であり、すなわち図8に示されるように、金属製のハブ101と、その外周側に同心的に配置された金属製の外環102との間に、ゴム状弾性材料からなる環状の弾性体103が一体的に加硫成形されたもので、ゴムバリは、弾性体103の端部に沿って全周に発生している。
ワーク受け治具部1に取り付けられたワークWは、モータ12により治具本体11と共に10〜100rpm程度の回転数で低速回転される。このとき、バリ取りユニット2のチャック装置22に保持されたバリ取り工具21の先端21aは、ワークWのゴムバリ発生部位を向いている。
次に、押し上げシリンダ34のロッド34aを図1に示されるストローク上限位置から後退(下降)させると、バリ取りユニット2は、前記ロッド34aに支持されている昇降基板33と共に、スライドレール31及びこのスライドレール31に沿って昇降移動するスライダ32により案内されながら下降して行く。
バリ取りユニット2が下降して行くと、バリ取り工具21の先端21aがワーク受け治具部1上のワークWに当接する直前で、荷重調整シリンダ36のロッド36aの先端が荷重調整ストッパ35に当接する。そしてこの時点で、バリ取りユニット2が取り付けられた昇降基板33は、荷重調整シリンダ36を介して荷重調整ストッパ35に支持されることになり、更に押し上げシリンダ34のロッド34aの後退動作が続行することによって、図3に示されるように、このロッド34aの先端(上端)が、昇降基板33から離れて行き、そのストローク下限位置まで後退した時点で、押し上げシリンダ34の駆動が終了する。
上述のように、荷重調整シリンダ36のロッド36aの先端が荷重調整ストッパ35に当接した後、この荷重調整シリンダ36の圧力を減圧調整することにより、ロッド36aが引き込まれ、その突出量が減少されると、これに伴って昇降基板33及びこれに取り付けられたバリ取りユニット2が下降して行く。そして、先に説明した(2)式の関係から、ロッド36aが荷重調整シリンダ36に完全に引き込まれないうちに、バリ取り工具21の先端21aがワークWに接触する。そして、バリ取り工具21の先端21aとワークWとの接触部に、バリ取りユニット2及び昇降基板33等の重量による適切な面圧(例えば2〜30MPa)が作用するまでロッド36aの突出量が減少した時点で、荷重調整シリンダ36の引き込み動作が終了する。
すなわち、荷重調整シリンダ36の出力は、ロッド36aがストロークL4の途中位置で、バリ取りユニット2及び昇降基板33等による重量を支持することができ、さらにワークWのゴムバリ表面に当接しているバリ取り工具21の先端21aがゴムバリ除去のための適切な面圧を受けるように調整される。
チャック装置22に把持されたバリ取り工具21は、回転装置24によって、例えば回転数300〜3000rpmでチャックスリーブ22a及びコレットチャック22bと一体に回転されているため、その先端21aとワークWのゴムバリ表面との間に摩擦による熱が発生して、ゴムバリが軟化すると共に剪断を受ける。このため、ゴムバリはワークWの金属表面から剥離し、不図示のエアブローや吸引装置などにより除去される。
また、ワークWは、モータ12により低速回転されているため、ワークWの回転に伴ってその全周のゴムバリが順次除去されて行く。
そして本発明によれば、ゴムバリの剥離が、ゴム状弾性材料からなるバリ取り工具21での摩擦によって行われるため、金属ブラシやスクレーパなどを用いる従来技術で問題となっていた金属表面の処理表面の損傷や、成形されたゴム製品部分の損傷を来たすおそれがない。したがって、その損傷を修復するための後工程なども不要である。
また上述のように、バリ取り工具21の先端21aでゴムバリを除去するために必要な荷重のみが作用するように調整されるので、ゴムバリの表面形状が波打っていたり傾斜していたりしても、ワークWの回転に伴って荷重が変わることなく表面の起伏に追従し、安定的にバリ除去を行うことができる。また、荷重調整シリンダ36のロッド36aがバリ取りユニット2からの荷重を支持しているので、バリ取り工具21の先端21aがゴムバリの表面に当接する際の衝撃緩和の効果も有する。
バリ取り工具21は高速回転しながらワークWのゴムバリ表面に押しつけられて摩擦するため、使用に伴い経時的に摩耗するが、このバリ取り工具21は円柱状、すなわち長手方向と直交する断面が長手方向に対して同一の円形となる丸棒状をなすため、ワークWに対する接触面積はほとんど変化しない。また、荷重調整シリンダ36によってワークWへの押し付け荷重も一定に保たれるのでバリ表面に対する接触面圧の変化がなく、したがって連続的に安定したバリ除去を行うことができ、バリ取り工具21の寿命も長いものとなっている。
スライドユニット3の昇降基板33に対するバリ取りユニット2の結合部に、図4のような角度調整機構を採用した場合は、バリ取りユニット2の取付角度によって、バリ取り工具21を傾斜させると、ワークWのゴムバリ表面に対するバリ取り工具21の先端21aの接触面積が減少するので、接触面圧を高くすることができ、より短時間でのバリ取りが可能となる。
また、スライドユニット3の昇降基板33に対するバリ取りユニット2の結合部に、図5及び図6に示されるような水平方向シリンダ39による往復動機構を採用した場合は、バリ取りユニット2を水平方向往復動前後作動させることによって、より広い範囲のバリ除去を行うことができる。さらに、このシリンダ39に代えてロボットを採用することによって、平面上での任意の直線や楕円、複数箇所のバリ除去にも対応可能となり、押し上げシリンダ34の押し上げ動作を加えることで段差のあるバリ除去にも対応可能となる。
なお、バリ取り工具21が摩耗して、図7の(A)に示されるように、チャック装置22のチャックスリーブ22aの下端からの突き出し長さL6が所定より短くなったら、位置決め装置25を用いて初期の突き出し長さに復元する。バリ取り工具21の突き出し長さL6が所定より短くなったことは、例えば図3の状態における荷重調整シリンダ36のロッド36aの伸長長さの計測などによって検出することができる。
バリ取り工具21の突き出し長さL6の復元では、まず図7の(B)に示されるように、位置決めシリンダ25aによって位置決めストッパ25bをバリ取り工具21の下側の位置へ前進させる。このとき、バリ取り工具21の先端と位置決めストッパ25bとの間には、バリ取り工具21の摩耗量に相当する隙間ΔL6が存在する。
次に、図7の(C)に示されるように、チャック開閉シリンダ22cでコレットチャック22bを鉛直上方へ後退させることによって、このコレットチャック22bを開くと共に、押し出しシリンダ23のロッド23aを下方へ前進させることによって、バリ取り工具21をその先端が位置決めストッパ25bに衝合するまで押し出す。そしてチャック開閉シリンダ22cでコレットチャック22bを鉛直下方へ前進させることによって、このコレットチャック22bを閉じれば、バリ取り工具21はチャックスリーブ22aの下端からの突き出し長さL6が図7の(B)に示される隙間ΔL6に相当する長さだけ増加した状態でチャックし直されることになる。
なお、その後は図7の(D)に示されるように、押し出しシリンダ23及び位置決めシリンダ25aの各ロッドを後退させる。
また、バリ取り工具21の突き出し長さL6の検出によらず、バリ取り工程の一定のサイクルごとに、上述したバリ取り工具21の突き出し長さL6の復元動作が行われるようにしても良い。
また、バリ取り工具21の材料としてゴム砥石を用いれば、ゴム状弾性材料以外の合成樹脂のモールド成形時に発生するバリ除去にも適用可能である。
1 ワーク受け治具部
2 バリ取りユニット
21 バリ取り工具
22 チャック装置
23 押し出しシリンダ
24 回転装置
25 位置決め装置
26 ボディ
3 スライドユニット
31 スライドレール
32 スライダ
33 昇降基板
34 押し上げシリンダ
35 荷重調整ストッパ
36 荷重調整シリンダ
W ワーク

Claims (4)

  1. 金属部品にゴム状弾性材料又は合成樹脂材料を一体成形したワークに、ゴム状弾性材料からなる棒状のバリ取り工具をその軸心の周りに回転させながら押し付けることによって、前記ワークの表面のゴム状弾性材料又は合成樹脂材料からなるバリを摩擦熱及び剪断力によって剥離除去することを特徴とするバリ除去方法。
  2. 金属部品にゴム状弾性材料又は合成樹脂材料を一体成形したワークを支持するワーク受け治具部と、ゴム状弾性材料からなる棒状のバリ取り工具及びこのバリ取り工具をその軸心の周りに回転させる装置を備えるバリ取りユニットと、このバリ取りユニットを移動させて前記バリ取り工具を前記ワーク受け治具部に支持された前記ワークに押し付け可能なスライドユニットとからなることを特徴とするバリ除去装置。
  3. バリ取り工具が、その長手方向と直交する断面形状が長手方向に対して同一の棒状をなすことを特徴とする請求項2に記載のバリ除去装置。
  4. ワークに対するバリ取り工具の接触荷重を所定の値に調整する荷重調整機構を備えることを特徴とする請求項2に記載のバリ除去装置。
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