JP5412104B2 - 排ガス浄化用触媒 - Google Patents

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Description

本発明は、排ガス浄化技術に関する。
近年、自動車等に対する排ガス規制が強化されてきている。そのため、これに対応すべく、排ガス中の炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)及び窒素酸化物(NOx)等を浄化するための種々の排ガス浄化用触媒が開発されている。
排ガス浄化用触媒には、その排ガス浄化性能を最適化すべく、吸蔵材が使用される場合がある。例えば、NOx吸蔵還元型触媒には、アルカリ土類金属元素などを含んだNOx吸蔵材が使用される。このNOx吸蔵材は、NOxの還元反応に不利な条件である酸化雰囲気においてNOxを吸蔵し、上記反応に有利な条件である還元雰囲気及び当量点においてNOxを放出することにより、触媒の排ガス浄化性能を最適化している(例えば、非特許文献1参照)。
「触媒活用大事典」編集委員会(編)『触媒活用大事典』工業調査会(2004)
しかしながら、このような吸蔵材には、排ガス中の硫黄成分等による被毒を受け易いという問題がある。また、この被毒の解消等のために反応温度を高くした場合には、吸蔵材のシンタリングによる熱劣化が生じ易いという問題がある。そのため、吸蔵材を含んだ排ガス浄化用触媒は、排ガス浄化性能の経時劣化が生じ易い。
そこで、本発明は、耐久後においても優れた排ガス浄化性能を示す排ガス浄化用触媒を提供することを目的とする。
本発明の第1側面によると、基材と、前記基材上に形成される触媒層であって、第1白金族元素を担持させたジルコニア粉末と、チタニアとジルコニアとの複合酸化物と、アルミナと、セリアとジルコニアとの複合酸化物とを含んだスラリーを前記基材にコートし、これを乾燥及び焼成することと、これに第2白金族元素の水溶液を含浸させ、これを乾燥することと、更にこれに、リチウム塩、カリウム塩及びバリウム塩を含んだ水溶液を含浸させマイクロ波乾燥することと、更にこれを300℃乃至600℃の温度範囲の熱風を用いて熱風乾燥を行うこととにより得た触媒層とを具備し、前記第1及び第2白金族元素の各々は、白金、パラジウム及びロジウムからなる群より選ばれ、次式によって表される標準偏差σが0.08以下であることを特徴とする排ガス浄化用触媒。
Figure 0005412104
ここで、a1は、第1部分における前記触媒層の表面の単位面積に対する前記触媒層の前記表面に露出した前記吸蔵材の面積の割合を表し、a2は、第2部分における前記触媒層の表面の単位面積に対する前記触媒層の前記表面に露出した前記吸蔵材の面積の割合を表し、a3は、第3部分における前記触媒層の表面の単位面積に対する前記触媒層の前記表面に露出した前記吸蔵材の面積の割合を表し、前記吸蔵材の面積は、電界放出型走査電子顕微鏡による観察によって求められ、avは、a1、a2及びa3の相加平均値を表し、前記第1乃至第3部分は、前記排ガス浄化用触媒のうち前記触媒層が形成された部分を前記排ガスの流れ方向について3等分して得られる。
ここで、a1は、第1部分における前記触媒層の表面の単位面積に対する前記触媒層の前記表面に露出した前記吸蔵材の面積の割合を表し、a2は、第2部分における前記触媒層の表面の単位面積に対する前記触媒層の前記表面に露出した前記吸蔵材の面積の割合を表し、a3は、第3部分における前記触媒層の表面の単位面積に対する前記触媒層の前記表面に露出した前記吸蔵材の面積の割合を表し、aavは、a1,a2及びa3の相加平均値を表し、前記第1乃至第3部分は、前記排ガス浄化用触媒のうち前記触媒層が形成された部分を前記排ガスの流れ方向について3等分して得られる。
本発明の第2側面によると、触媒金属を支持した担体を含有し且つ基材上に形成された層に吸蔵材の原料と極性液体との混合物を含浸させた後、マイクロ波乾燥を行うことにより製造されることを特徴とする排ガス浄化用触媒が提供される。
本発明の第3側面によると、触媒金属を支持した担体を含有し且つ基材上に形成された層に吸蔵材の原料と極性液体との混合物を含浸させた後、マイクロ波乾燥を行うことを具備したことを特徴とする排ガス浄化用触媒の製造方法が提供される。
本発明によると、耐久後においても優れた排ガス浄化性能を示す排ガス浄化用触媒を提供することが可能となる。
以下、本発明の態様について説明する。なお、ここで「複合酸化物」とは、複数の酸化物が単に物理的に混合されたものではなく、複数の酸化物が固溶体を形成しているものを意味することとする。
本態様に係る排ガス浄化用触媒は、基材と、基材上に形成された触媒層とを備えている。触媒層は、触媒金属と吸蔵材とを含んでいる。触媒金属及び吸蔵材は、典型的には、担体に支持されている。
基材としては、例えば、モノリスハニカム型の基材を使用する。典型的には、基材は、コージェライトなどのセラミックス製である。
担体は、後述する触媒金属及び吸蔵材の比表面積を増大させると共に、反応による発熱を消散させて触媒金属及び吸蔵材のシンタリングを抑制する役割を担っている。担体は、例えば、アルミニウム又はチタンを含んでいる。典型的には、担体として、アルミナ又はチタニアを使用する。なお、担体として、複数の化合物の混合物又は複合酸化物を使用してもよい。
触媒金属は、排ガス浄化反応を触媒する役割を担っている。この触媒金属としては、例えば、貴金属を使用する。貴金属としては、例えば、白金、パラジウム及びロジウムなどの白金族元素を使用する。なお、触媒金属として、複数種の元素を使用してもよい。
吸蔵材は、排ガス中の気体分子を一時的に吸蔵することにより、排ガス浄化用触媒の排ガス浄化性能を最適化する役割を担っている。吸蔵材としては、例えば、後述するNOx吸蔵材、ゼオライトなどのHC吸蔵材、又は、セリアなどの酸素貯蔵材を使用することができる。以下では、一例として、NOx吸蔵材を使用した場合について説明する。
このNOx吸蔵材としては、例えば、アルカリ金属元素を含んだ化合物、アルカリ土類金属元素を含んだ化合物、又はこれらの混合物を使用する。アルカリ金属元素としては、例えば、カリウム、ナトリウム又はリチウムを使用する。アルカリ土類金属元素としては、例えば、バリウム又はカルシウムを使用する。典型的には、NOx吸蔵材として、カリウム化合物、バリウム化合物、又はこれらの混合物を使用する。
NOx吸蔵材は、酸化雰囲気では、排ガス中のNOx分子を、例えば硝酸塩として吸蔵する。一方、還元雰囲気及び当量点では、この硝酸塩等が分解して、周囲に存在する触媒金属の作用により、N2へと還元される。このように、NOx吸蔵材を含んだ排ガス浄化用触媒では、NOxの吸蔵及び還元を繰り返すことにより、排ガス中のNOxを浄化している。
本態様では、触媒層の表面において、吸蔵材を均一に分布させる。吸蔵材の分布の均一性は、例えば、以下のようにして評価する。
まず、排ガス浄化用触媒のうち触媒層が形成された部分を排ガスの流れ方向について3等分した各部分について、触媒層の表面をSEM(走査電子顕微鏡)により観察し、触媒層の表面に占める吸蔵材の割合ai(i=1,2,3;以下同様)を測定する。即ち、上記の3等分した各部分について、触媒層の表面を上記表面に垂直な方向から観察し、各部分における前記触媒層の表面の単位面積に対する触媒層の表面に露出した吸蔵材の面積の割合aiを測定する。なお、以下では、上述した各部分を、第i部分と呼ぶ。
上記割合aは、具体的には、以下のようにして求める。即ち、第i部分に含まれる6つの位置において、触媒層の表面の0.5mm×0.5mmの領域をSEMにより拡大観察し、この領域内における触媒層の表面に露出した吸蔵材の面積を測定し、その測定値を上記領域の面積で除した値を割合ai,j(j=1,2,…,6;以下同様)とする。そして、第i部分の各々において、上記6箇所における割合ai,jの相加平均値を計算し、これを割合aとする。即ち、割合aは、割合ai,jに基づいて、次式により計算する。
Figure 0005412104
次に、これら割合aiに基づいて、次式により標準偏差σを求める。ここで、aavは、割合a1、a2及びa3の相加平均値である。
Figure 0005412104
本態様に係る排ガス浄化用触媒では、この標準偏差σは、0.08以下である。典型的には、この標準偏差σは、0.05以下である。即ち、この排ガス浄化用触媒では、吸蔵材は、触媒層の表面において、極めて均一に分散している。それゆえ、吸蔵材と周囲の気体とが接触する部分の表面積が比較的大きく、吸蔵材からの硫黄成分等の脱離が生じ易い。即ち、本態様に係る排ガス浄化用触媒では、硫黄被毒等による吸蔵材の性能の低下が生じ難い。
また、この場合、吸蔵材は、加熱等によるシンタリングを生じ難い。それゆえ、例えば吸蔵材の硫黄被毒を低減又は解消するために反応温度を向上させても、吸蔵材の熱劣化による性能の低下を生じ難い。したがって、この排ガス浄化用触媒は、高温で長期間に亘り使用した後であっても、優れた排ガス浄化性能を達成できる。
なお、この標準偏差σに下限値はないが、通常は、0.01以上である。
触媒層は、バインダを更に含んでいてもよい。バインダは、担体粒子同士の結合及び担体粒子と触媒金属及び/又は吸蔵材との結合をより強固にして触媒の耐久性を向上させる役割を担っている。バインダとしては、例えば、アルミナゾル、チタニアゾル又はシリカゾルを使用する。
触媒層は、単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。触媒層が多層構造からなる場合、これら層では、担体、触媒金属、吸蔵材及びバインダ等のうち少なくとも1つの成分の種類及び/又は単位容積当りの含有量等を互いに異ならしめる。これにより、触媒の排ガス浄化性能を最適化することができる。
この排ガス浄化用触媒は、例えば、以下のようにして製造する。
まず、担体を構成する化合物に溶剤を添加して混合し、スラリーを形成する。そして、このスラリーを基材にコートし、乾燥させた後、焼成を行う。
次に、基材上に形成した担体に、触媒金属を担持させる。その後、任意に、乾燥処理を行う。なお、触媒金属の少なくとも一部は、コート前に上記担体に担持しておいてもよい。その場合、本工程は、省略することができる。
次いで、触媒金属を支持した担体を含んだ層に、吸蔵材の原料と極性液体との混合物を含浸させる。吸蔵材の原料としては、例えば、吸蔵材の塩を使用する。極性液体としては、例えば、水又はアルコールを使用する。吸蔵材の原料は、極性液体に溶解させてもよく、極性液体に分散させてもよい。
その後、マイクロ波を用いた乾燥を行う。このマイクロ波乾燥は、例えば、乾燥前に含まれていた極性液体の70%以上且つ95%以下が除去されるまで行う。より好ましくは、このマイクロ波乾燥は、乾燥前に含まれていた極性液体の80%以上且つ90%以下が除去されるまで行う。マイクロ波乾燥により除去する極性液体の量が少ないと、後述する吸蔵材の排ガスの流れ方向に沿った組成のばらつきの抑制が困難となる場合がある。マイクロ波乾燥により除去する極性液体の量が多いと、過度の温度上昇が生じ、場合によっては発火を生ずるおそれがある。
マイクロ波乾燥は、乾燥させるべき対象にマイクロ波を照射して、上記対象中に含まれる水等の極性分子の振動及び回転等の運動を誘起することにより行う。この乾燥法によると、マイクロ波が上記極性分子の振動及び回転等の運動を生じさせるため、排ガスの流れ方向と厚さ方向との双方について比較的均一に加熱される。それゆえ、上記対象を比較的均一且つ迅速に乾燥させることができる。従って、乾燥工程に起因した成分の排ガスの流れ方向に沿った組成のばらつきが生じ難い。即ち、上述したマイクロ波乾燥を行うと、触媒層の表面における吸蔵材の排ガスの流れ方向に沿った組成のばらつきが生じ難い。
これに対し、例えば触媒の下流側から熱風を吹き付けて乾燥を行った場合、触媒の上流側と下流側とで温度差を生じる。加えて、触媒層の加熱は熱風中の気体分子が触媒層表面の分子と衝突することによって生じるため、触媒層の乾燥は、その表面から進行する。それゆえ、熱風のみを利用した場合、触媒層の乾燥には比較的長い時間を要する。触媒層の乾燥が均一に進行せず且つ短時間で完了しない場合、液体成分が、乾燥の進行が遅い部分から乾燥の進行が速い部分へと移動する可能性がある。また、触媒層の乾燥が短時間で完了しない場合、液体成分が、熱風の流れ方向に沿って移動する可能性がある。そのため、熱風のみを利用した場合、排ガスの流れ方向について又は排ガスの流れ方向と触媒層の厚さ方向との双方について、触媒層の組成のばらつきを生じ易い。
なお、マイクロ波乾燥を行った後、触媒中の極性液体を更に除去すべく、熱風を用いた乾燥を行ってもよい。この場合、事前のマイクロ波乾燥によって極性液体がある程度除去されているため、熱風乾燥を行っても、吸蔵材の移動による排ガスの流れ方向に沿った組成のばらつきは生じ難い。但し、この熱風乾燥は、例えば600℃以下の温度で行う。この温度が高いと、触媒層の表面における吸蔵材の排ガスの流れ方向に沿った組成のばらつきが生じる場合がある。
以上のようにして、排ガス浄化用触媒を得る。このようにして製造される排ガス浄化用触媒では、触媒層の表面において、吸蔵材を極めて均一に分散させることができる。それゆえ、上述した通り、排ガス浄化用触媒を高温で長期間に亘って使用した場合でも、吸蔵材の熱劣化等を生じ難い。
<例1:触媒C1の製造>
まず、ジルコニアと、ジルコニアの質量を基準として1質量%のロジウムを含んだ塩化ロジウム水溶液とを混合した後、これを乾燥させて、ロジウム担持粉末を得た。そして、
100質量部のチタニアとジルコニアとの複合酸化物と、100質量部のアルミナと、50質量部のロジウム担持粉末と、20質量部のセリアとジルコニアとの複合酸化物と、適量の水とを混合し、これを湿式粉砕して、スラリーを調製した。
次に、このスラリーを、コージェライトからなり且つ容積が1Lであるモノリスハニカム基材にコートし、余分なスラリーを吹き払った。なお、このスラリーは、上記基材の全体に亘ってコートした。次いで、これを乾燥及び焼成に供した。続いて、これに硝酸白金水溶液を含浸させた後、乾燥させた。
次いで、触媒金属を支持した担体からなる層に、0.1mol/L−solの酢酸リチウムと0.15mol/L−solの酢酸カリウムと0.2mol/L−solの酢酸バリウムとを含んだ水溶液を含浸させた。続いて、これをマイクロ波乾燥に供した。このマイクロ波乾燥は、乾燥前に含まれていた水の80%が除去されるまで行った。その後、300℃乃至600℃の温度範囲の熱風を用いて、熱風乾燥を行った。
このようにして、排ガス浄化用触媒を得た。以下、この触媒を「触媒C1」と呼ぶ。
続いて、この触媒C1における標準偏差σを、以下のようにして測定した。
まず、触媒C1の第1部分、第2部分及び第3部分の各々について、上記割合a1、a2及びa3を求めた。具体的には、まず、第1部分に含まれる任意の6つの位置において、上記各位置を中心とする0.5mm×0.5mmの領域について、その表面をFE−SEM(電界放出型走査電子顕微鏡)により観察し、上記領域において吸蔵材が占めていた面積を上記領域の面積で除すことにより、割合a1,jを得た。次いで、これら割合a1,jの相加平均値として、割合a1を求めた。その後、同様にして、割合a2及びa3を求めた。
次に、これら割合a1、a2及びa3に基づいて、標準偏差σを計算した。その結果、触媒C1における標準偏差σは、0.042であった。
<例2:触媒C2>
マイクロ波乾燥を乾燥前に含まれていた水の80%が除去されるまで行う代わりに、乾燥前に含まれていた水の70%が除去されるまで行ったこと以外は、触媒C1について説明したのと同様にして、排ガス浄化用触媒を製造した。以下、このようにして得られた触媒を「触媒C2」と呼ぶ。
続いて、この触媒C2における標準偏差σを、触媒C1について述べたのと同様の方法により測定した。その結果、触媒C2における標準偏差σは、0.068であった。
<例3:触媒C3(比較例)>
マイクロ波乾燥を乾燥前に含まれていた水の80%が除去されるまで行う代わりに、乾燥前に含まれていた水の50%が除去されるまで行ったこと以外は、触媒C1について説明したのと同様にして、排ガス浄化用触媒を製造した。以下、このようにして得られた触媒を「触媒C3」と呼ぶ。
続いて、この触媒C3における標準偏差σを、触媒C1について述べたのと同様の方法により測定した。その結果、触媒C3における標準偏差σは、0.117であった。
<例4:触媒C4(比較例)>
マイクロ波乾燥を省略し、熱風乾燥の前に、80℃乃至100℃の温度範囲で予備乾燥を行ったこと以外は、触媒C1について説明したのと同様にして、排ガス浄化用触媒を製造した。以下、このようにして得られた触媒を「触媒C4」と呼ぶ。
続いて、この触媒C4における標準偏差σを、触媒C1について述べたのと同様の方法により測定した。その結果、触媒C4における標準偏差σは、0.129であった。
<例5:触媒C5(比較例)>
マイクロ波乾燥を省略し、熱風乾燥のみにより乾燥を行ったこと以外は、触媒C1について説明したのと同様にして、排ガス浄化用触媒を製造した。以下、このようにして得られた触媒を「触媒C5」と呼ぶ。
続いて、この触媒C5における標準偏差σを、触媒C1について述べたのと同様の方法により測定した。その結果、触媒C5における標準偏差σは、0.146であった。
<触媒層の表面における吸蔵材の分布>
上述したように、標準偏差σを求めるために、各触媒における触媒層の表面をFE−SEMにより観察した。そのうち、触媒C1及びC5の中流部についての観察結果を図1及び図2に示す。
図1は、実施例に係る排ガス浄化用触媒(触媒C1)の触媒層の表面における吸蔵材の分布を示すSEM写真である。図2は、比較例に係る排ガス浄化用触媒(触媒C5)の触媒層の表面における吸蔵材の分布を示すSEM写真である。
図1及び図2から分かるように、触媒C1では、吸蔵材が微細粒子として均一に分散していたのに対し、触媒C5では、吸蔵材粒子の排ガスの流れ方向に沿った組成のばらつきにより、その分布に比較的大きなムラが生じていた。
また、図示は省略するが、触媒C1では、触媒の上流部、中流部及び下流部の何れにおいても、吸蔵材が均一に分散していた。それゆえ、上述したように、触媒C1では、標準偏差σが極めて小さかった。一方、触媒C5では、触媒の上流部、中流部及び下流部における吸蔵材の分布は、互いに大きく異なっていた。それゆえ、上述したように、触媒C5では、標準偏差σが比較的大きかった。
<耐熱試験後の排ガス浄化性能の評価>
触媒C1乃至C5を排気量4Lのエンジンの排気系に取り付け、排ガスの空燃比がストイキ条件となるようにフィードバック制御しながら、700℃で50時間に亘り耐熱試験を行った。この際、燃料としては、硫黄分が20ppmであるレギュラーガソリンを使用した。
その後、耐熱試験後の触媒C1乃至C5を排気量1.8Lのリーンバーンエンジンの排気系に取り付け、リッチスパイク条件下、250℃、300℃、350℃、400℃、450℃及び500℃の各温度において、NOx還元量の測定を行った。その結果を表1及び図3に示す。
表1は、耐熱試験後の触媒C1乃至C5によるNOx還元量を示している。図3は、耐熱試験後の触媒C1乃至C5によるNOx還元量を示すグラフである。
Figure 0005412104
表1及び図3に示す結果から分かるように、触媒C1及びC2は、触媒C3乃至C5と比較して耐熱試験後のNOx浄化性能がより優れていた。特に、触媒C1は、耐熱試験後のNOx浄化性能が極めて優れていた。
<硫黄被毒試験後の排ガス浄化性能の評価>
触媒C1乃至C5を排気量1.8Lのリーンバーンエンジンの排気系に取り付け、550℃で20時間に亘り耐久試験を行った。この際、燃料としては、硫黄分が290ppmである硫黄リッチガソリンを使用した。
その後、上記の耐久試験後の触媒C1乃至C5について、上述したのと同様にして、NOx還元量の測定を行った。その結果を表2及び図4に示す。
表2は、硫黄被毒試験後の触媒C1乃至C5によるNOx還元量を示している。図4は、硫黄被毒試験後の触媒C1乃至C5によるNOx還元量を示すグラフである。
Figure 0005412104
表2及び図4に示す結果から分かるように、触媒C1及びC2は、触媒C3乃至C5と比較して耐硫黄被毒試験後のNOx浄化性能がより優れていた。
以下に、当初の特許請求の範囲に記載していた発明を付記する。
[1]基材と、前記基材上に形成され且つ触媒金属及び吸蔵材を含んだ触媒層とを具備し、次式によって表される標準偏差σが0.08以下であることを特徴とする排ガス浄化用触媒。
Figure 0005412104
ここで、a 1 は、第1部分における前記触媒層の表面の単位面積に対する前記触媒層の前記表面に露出した前記吸蔵材の面積の割合を表し、a 2 は、第2部分における前記触媒層の表面の単位面積に対する前記触媒層の前記表面に露出した前記吸蔵材の面積の割合を表し、a 3 は、第3部分における前記触媒層の表面の単位面積に対する前記触媒層の前記表面に露出した前記吸蔵材の面積の割合を表し、a av は、a 1 ,a 2 及びa 3 の相加平均値を表し、前記第1乃至第3部分は、前記排ガス浄化用触媒のうち前記触媒層が形成された部分を前記排ガスの流れ方向について3等分して得られる。
[2]触媒金属を支持した担体を含有し且つ基材上に形成された層に吸蔵材の原料と極性液体との混合物を含浸させた後、マイクロ波乾燥を行うことにより製造されることを特徴とする排ガス浄化用触媒。
[3]前記吸蔵材は、アルカリ金属元素及び/又はアルカリ土類金属元素を含んでいることを特徴とする項1又は2に記載の排ガス浄化用触媒。
[4]触媒金属を支持した担体を含有し且つ基材上に形成された層に吸蔵材の原料と極性液体との混合物を含浸させた後、マイクロ波乾燥を行うことを具備したことを特徴とする排ガス浄化用触媒の製造方法。
実施例に係る排ガス浄化用触媒の触媒層の表面における吸蔵材の分布を示すSEM写真。 比較例に係る排ガス浄化用触媒の触媒層の表面における吸蔵材の分布を示すSEM写真。 耐熱試験後の触媒によるNOx還元量を示すグラフ。 硫黄被毒試験後の触媒によるNOx還元量を示すグラフ。

Claims (2)

  1. 基材と、前記基材上に形成される触媒層であって、
    第1白金族元素を担持させたジルコニア粉末と、チタニアとジルコニアとの複合酸化物と、アルミナと、セリアとジルコニアとの複合酸化物とを含んだスラリーを前記基材にコートし、これを乾燥及び焼成することと、
    これに第2白金族元素の水溶液を含浸させ、これを乾燥することと、
    更にこれに、リチウム塩、カリウム塩及びバリウム塩を含んだ水溶液を含浸させマイクロ波乾燥することと、
    更にこれを300℃乃至600℃の温度範囲の熱風を用いて熱風乾燥を行うこととにより得た触媒層とを具備し、前記第1及び第2白金族元素の各々は、白金、パラジウム及びロジウムからなる群より選ばれ、次式によって表される標準偏差σが0.08以下であることを特徴とする排ガス浄化用触媒。
    Figure 0005412104
    ここで、
    1は、第1部分における前記触媒層の表面の単位面積に対する前記触媒層の前記表面に露出した前記吸蔵材の面積の割合を表し、
    2は、第2部分における前記触媒層の表面の単位面積に対する前記触媒層の前記表面に露出した前記吸蔵材の面積の割合を表し、
    3は、第3部分における前記触媒層の表面の単位面積に対する前記触媒層の前記表面に露出した前記吸蔵材の面積の割合を表し、
    前記吸蔵材の面積は、電界放出型走査電子顕微鏡による観察によって求められ、
    avは、a1、a2及びa3の相加平均値を表し、
    前記第1乃至第3部分は、前記排ガス浄化用触媒のうち前記触媒層が形成された部分を前記排ガスの流れ方向について3等分して得られる。
  2. 前記第1白金族元素はロジウムであり、前記第2白金族元素は白金であることを特徴とする請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
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