JPH0985104A - 排ガス浄化用フィルターの製造方法および排ガス浄化装置 - Google Patents

排ガス浄化用フィルターの製造方法および排ガス浄化装置

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Publication number
JPH0985104A
JPH0985104A JP7244157A JP24415795A JPH0985104A JP H0985104 A JPH0985104 A JP H0985104A JP 7244157 A JP7244157 A JP 7244157A JP 24415795 A JP24415795 A JP 24415795A JP H0985104 A JPH0985104 A JP H0985104A
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JP
Japan
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exhaust gas
filter
catalyst
gas purifying
carrying
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JP7244157A
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Inventor
Masahiro Inoue
雅博 井上
Tatsuro Miyazaki
達郎 宮崎
Nobuyuki Tokubuchi
信行 徳渕
Masaaki Arita
雅昭 有田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、触媒が均一に担持され、必要な活
性を得るための触媒の担持量を少なくすることができ、
また、再生時に温度勾配の小さく、耐熱応力性に優れ耐
久性を著しく向上させることができる排ガス浄化用フィ
ルターの製造方法の提供を目的とする。 【構成】 本発明の排ガス浄化用フィルター3の製造方
法は、触媒を担持した排ガス浄化用フィルター3の製造
方法であって、フィルターに触媒を担持する担持過程中
での乾燥工程が、マイクロ波乾燥器を用い、その出力が
含水分量1000g±500gあたり4000ワット以
上で行われ、マイクロ波乾燥の度毎に、マイクロ波乾燥
された排ガス浄化用フィルター3を電気炉にて焼成を行
う焼成工程を有している構成を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディーゼル機関等の燃
焼機関から排出される排気ガス中に含まれる炭化水素、
可燃性炭素微粒子等を酸化反応させて除去する排ガス浄
化用フィルターの製造方法、及びその方法で得られた排
ガス浄化用フィルターを備えた排ガス浄化装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ディーゼル機関等の排気ガス中の
可燃性炭素微粒子が、環境を悪化させ、また、特に可燃
性炭素微粒子が発癌性物質であるところから、健康上も
問題視されており、排ガス浄化方法が広く注目されてい
る。この排ガス浄化方法として、ディーゼル機関等の排
気管の途中に配設された容器内にセラミック製等の排ガ
ス浄化用フィルターを設け、ディーゼルエンジンの排ガ
ス中のパティキュレートを耐熱性のセラミックフィルタ
ーを用いて捕捉した後、フィルターに担持させた触媒に
より排ガス温度にて微粒子物質を燃焼除去させる方法が
知られている。これらのフィルターに触媒を担持する方
法としては、あらかじめ触媒の成分の金属塩の混合水溶
液にフィルターを含浸させ、乾燥した後、電気炉にて焼
成を行う方法がとられているが、従来含浸させた触媒溶
液の水分を乾燥させる方法としてはたとえば特開平1−
304048号公報には乾燥器による乾燥、特開昭58
−174237号公報にはオーブンによる乾燥方法が、
特開昭62−225247号公報では湯谷による乾燥方
法が、特開昭58−174237号公報には水蒸気気流
中で行う乾燥方法等が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、フィルター内の水分がフィルターの外側か
ら失われていくため、含浸させた触媒溶液がフィルター
表面に移行してしまうマイグレーション(migrat
ion)現象が起きやすく、乾燥後は、フィルターの中
心部にいくに従って触媒の担持量が少なく濃度斑が生
じ、均一に触媒をフィルターに担持させることができな
いという問題点を有していた。触媒が不均一に担持され
るとフィルターにトラップされた排ガス中の微粒子物質
を充分に燃焼させることができなくなる上に燃焼させる
際、フィルター内での温度勾配が生じ、熱歪により、フ
ィルターが破壊されるという問題点を有していた。これ
らの欠点を防ぎ十分な触媒活性を得るためフィルターに
含浸させる触媒溶液の必要十分量が多くなり、触媒の浪
費量が多大となりコストが高くなるという問題点を有し
ていた。
【0004】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、触媒が均一に担持され、必要な活性を得るための触
媒の担持量を少なくすることができ、また、再生時に温
度勾配の小さく、耐熱応力性に優れ耐久性を著しく向上
させることができる排ガス浄化用フィルターの製造方法
の提供、及び耐久性に優れた排ガス浄化装置の提供を目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の請求項1に記載の排ガス浄化用フィルターの
製造方法は、触媒を担持した排ガス浄化用フィルターの
製造方法であって、フィルターに触媒を担持する担持過
程中での乾燥工程が、マイクロ波乾燥器を用い、その出
力が含水分量1000g±500gあたり4000ワッ
ト以上で行われる構成を有している。
【0006】請求項2に記載の排ガス浄化用フィルター
の製造方法は、請求項1において、乾燥工程が、マイク
ロ波乾燥の度毎に、マイクロ波乾燥された排ガス浄化用
フィルターを電気炉にて焼成を行う焼成工程を有してい
る構成を有している。
【0007】請求項3に記載の排ガス浄化用フィルター
の製造方法は、請求項1または2の内いずれか1におい
て、フィルターに触媒組成のイオンを含む水溶液を含浸
する含浸工程において、触媒成分の金属塩の溶解度が
5.1wt%より小さく、水に対する溶解度が18wt
%より大きく、しかも乾燥時の粘度が1.3cpより大
きい溶剤が水溶液に添加されている構成を有している。
【0008】請求項4に記載の排ガス浄化用フィルター
の製造方法は、請求項3において、溶剤がアルコール類
およびグリコール類から選択される一種以上からなる構
成を有している。
【0009】請求項5に記載の排ガス浄化用フィルター
の製造方法は、触媒を担持した排ガス浄化用フィルター
の製造方法であって、フィルターに触媒を担持する触媒
担持過程中での乾燥工程が真空乾燥工程である構成を有
している。
【0010】請求項6に記載の排ガス浄化用フィルター
の製造方法は、触媒を担持した排ガス浄化用フィルター
の製造方法であって、フィルターに触媒を担持する触媒
担持過程中での乾燥工程が、フィルターに含浸させた触
媒溶液を冷凍させた後に、真空槽中に置き、触媒溶液を
固体相から気体相へ昇華乾燥させる真空昇華乾燥工程で
ある構成を有している。
【0011】請求項7に記載の排ガス浄化用フィルター
の製造方法は、請求項6において、真空昇華乾燥工程の
真空度が、0.006atm〜0.0001atmであ
る構成を有している。
【0012】請求項8に記載の排ガス浄化装置は、請求
項1乃至7の内いずれか1に記載の排ガス浄化用フィル
ターの製造方法で得られた排ガス浄化用フィルターを収
納したケースと、ケースに形成された排ガス流入口と、
ケースに形成された排ガス流出口と、ケースに配設され
た排ガス浄化用フィルターを加熱する加熱装置と、を備
えた構成を有している。
【0013】ここで、フィルターとしては、金属多孔体
(又は金属発泡体)片端閉じ型のセラミックハニカムや
セラミック多孔体(又は、セラミックフォーム)があげ
られる。材料としては、コージェライト、ムライト、ア
ルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、シリカ−アル
ミナ、アルミナ−ジルコニア、アルミナ−チタニア、シ
リカ−ジルコニア、チタニア−ジルコニアなどのセラミ
ックス、SUS−301S、インコネル(インコネル
X、インコネルW、など)があげられるが、これに限定
されるものではない。
【0014】
【作用】以上の構成により、触媒担持過程中における乾
燥工程で、マイクロ波乾燥、真空乾燥、真空昇華乾燥を
得る工程を有しているので、水分を急速に系外へ飛散さ
せることができるので、マイグレーションを防止し触媒
をフィルターの系内に均一に担持させることができる。
マイクロ波乾燥の後、電気炉で焼成を行うのでマイグレ
ーションを更に防ぐことができるとともに、乾燥時間を
短縮できる。溶剤が18wt%以上の水に対する溶解度
を有し、触媒成分の溶解度が5.1wt%より小さく、
粘度が1.3cp以上の物性を有しているので、触媒成
分を均質に溶解した均一な水溶液を得ることができると
ともに、1.3cp以上の粘度を有するので乾燥時のマ
イグレーションを防止できる。また、排ガス浄化装置は
触媒成分がフィルターの系内に均一に分布しているの
で、トラップした排ガス中の微粒子物質をフィルター全
体にわたり均一に燃焼させることができ、燃焼時の温度
差によるフィルターの破壊を防ぎ、担持させる触媒量を
必要最小限にする事ができる。
【0015】
【実施例】以下に本発明の一実施例について、図面を参
照しながら説明する。
【0016】(実施例1〜3)排ガス浄化用フィルター
として、ハニカム状ムライトフィルターを用いた。触媒
を含有した水溶液としては、純水750ミリリットルに
対して酢酸ランタンを0.2モル、硝酸クロムを0.1
モル、酢酸リチウムを0.08モル、ヘキサクロロ白金
酸六水和物を0.02モル溶解した水溶液を用いた。ム
ライトフィルターを触媒水溶液に含浸後、フィルターを
マイクロ波乾燥器を用いてマイクロ波と100℃の熱風
とでフィルターを全体的に昇温させ乾燥させた。マイク
ロ波乾燥器の出力は2000ワットで30分(実施例
1)、3000ワットで20分(実施例2)、4000
ワットで15分(実施例3)の3通りで行った。この含
浸、乾燥の行程を2回繰り返した後、電気炉にて800
℃、5時間の焼成を行った。焼成後の触媒担持量は、フ
ィルターの重量に対して、略10パーセントであった。
【0017】次に、触媒の担持状態の確認を行った。図
1(a)は試験片の採取位置を示す円柱状に形成された
ハニカム状ムライトフィルターの平面模式図であり、図
1(b)は、試験片の採取位置を示す円柱状に形成され
たハニカム状ムライトフィルターの斜視模式図である。
1は円柱状に形成されたハニカム状ムライトフィルター
である。試験片の採取位置は、フィルターの半径方向を
3等分し、軸方向および半径方向の中心部()、軸方
向および半径方向の中央部()、軸方向および半径方
向の外縁部()の3箇所で、試験片を採取し、目視に
より観察し、総合点評価で評価した。その結果を(表
1)に示した。
【0018】
【表1】
【0019】この(表1)から明らかなように、実施例
1,2の2000ワット、3000ワットでの乾燥で
は、フィルター中心部まで触媒が均一に担持させること
ができないが、実施例3の4000ワットでは短時間で
あるにもかかわらずほぼ均一に担持させることができる
ことがわかった。
【0020】(実施例4)フィルターとしてハニカム状
のコージェライトフィルター(ブリジストン製)を用い
た他は、実施例1と同一の触媒水溶液を用い、フィルタ
ーに含浸させた。含浸後、実施例3と同一の条件で乾燥
後、同一条件で焼成し試験片を得た。焼成後の触媒の担
持量は、フィルターの重量に対して略10パーセントで
あった。次いで、同様にして触媒の担持状態を確認し
た。その結果を(表1)に示した。この(表1)から明
らかなように、マイクロ流出を4000ワットで15分
間の乾燥により、コージェライトフィルターにおいても
触媒が極めて良好に担持されることがわかった。
【0021】(実施例5)実施例1で用いたムライトフ
ィルターと同一のフィルターを用い、これらを実施例1
と同一の触媒水溶液に含浸させた後、従来法に従い、恒
温乾燥機にて乾燥を行った。乾燥後、電気炉にて800
℃、5時間の焼成を行った。焼成後のフィルターを実施
例1と同様にして、観察し、その結果を(表1)に示し
た。観察の結果、触媒はフィルター中心部に担持され
ず、フィルターの外側に偏って担持されていた。
【0022】(実施例6)フィルター及び触媒水溶液と
して実施例1と同一のものを用い、ムライトフィルター
を触媒水溶液に含浸した。
【0023】含浸後、フィルターをマイクロ波乾燥器を
用いてマイクロ波と100℃の熱風とでフィルターを全
体的に昇温し乾燥させ、電気炉にて300℃で焼成を行
い、フィルターに残っている酢酸根、硝酸根を燃焼させ
た。この後同様な行程を複数回繰り返す。なお、マイク
ロ波乾燥器の出力は4000ワットで行い、乾燥時間は
15分で行った。この含浸、乾燥の行程を2回繰り返し
た後、電気炉にて800℃、5時間の焼成を行う。焼成
後の触媒担持量はフィルターの重量に対して、略10パ
ーセントであった。次いで、実施例1と同様にして、観
察し、その結果を(表1)に示した。その結果、極めて
良好な触媒の担持状態が得られることがわかった。
【0024】(実施例7,8)触媒水溶液として、実施
例1の水溶液に溶剤としてプロパノール(実施例7),
グリセリン(実施例8)を各々水量に対して2.5倍の
重量を混合したものを用い、実施例1と同一のムライト
フィルターに含浸させた。含浸後、フィルターをマイク
ロ波乾燥器を用いてフィルターを全体的に昇温させ乾燥
させた。マイクロ波乾燥器の出力は500ワットで乾燥
に必要な時間はそれぞれ5分程度で行った。乾燥を終え
たフィルターを電気炉にて800℃、5時間の焼成を行
った。焼成後の触媒担持量はフィルターの重量に対して
略10パーセントであった。次いで、触媒の担持状態を
確認した。その結果を(表2)に示した。この(表2)
から明らかなように溶剤としてプロパノールやグリセリ
ンを使用したものは極めて良好な触媒の担持性を有する
ことがわかった。
【0025】(実施例9〜11)実施例7において加え
る溶剤をプロパノールの代わりに水に対する溶解度が、
(a)18wt%である第二ブチルアルコール(実施例
9)、(b)12wt%である第三アミルアルコール
(実施例10)、(c)8wt%である正ブチルアルコ
ール(実施例11)を用いた他は実施例7と同一の条件
で各々実験を行い同様にして、触媒担持量及び担持状態
について確認を行った。その結果を(表2)に示した。
【0026】(実施例12〜14)実施例7において加
える溶剤をプロパノールの代わりに金属塩の溶解度が、
(a)5.1wt%であるイソブチルアルコール、(実
施例12)、(b)8.0wt%であるエチルプチルア
ルコール(実施例13)、(c)11.3wt%である
ヘプタノール(実施例14)を用いた他は実施例7と同
一の条件で各々行い、実施例7と同様にして触媒担持量
及び担持状態について確認を行った。その結果を(表
2)に示した。
【0027】(実施例15〜17)実施例7において加
える溶剤をプロパノールの代わりにその粘度が、(a)
1.3cpであるアリルアルコール(実施例15)、
(b)0.5cpであるエチルアルコール(実施例
6)、(c)0.5cpであるメチルアルコール(実施
例17)を用いた他は実施例7と同一条件で各々実験を
行い、同様にして触媒担持量及び担持状態について確認
を行った。その結果を(表2)に示した。
【0028】
【表2】
【0029】この(表2)から考察されることは、実施
例9〜11は、水に対する溶解度が低いため金属塩の水
溶液と溶剤が均一に混合されないため触媒をフィルター
に含浸させる時に不均一に担持されるためと思われた。
尚、更に乾燥、焼成を重ねた後も均一に担持されなかっ
た。また、実施例12〜14は、触媒成分の金属塩の溶
解度が大きいため、金属塩が均一に溶液に溶けず、その
結果触媒がフィルターに均一に担持されなかったものと
思われた。
【0030】実施例15〜17は、粘度が低すぎるの
で、乾燥時に溶媒の移動がおこり触媒がフィルターに均
一に担持されなかったものと思われた。
【0031】以上のことから、加える溶剤は水溶液と混
合させるため水に対する溶解度が18wt%よりも大き
いことが必要であり、加える金属塩が溶けないため溶剤
に対する金属塩の溶解度が5.1wt%よりも小さいこ
とが必要である。また、乾燥時の水溶液の移動を防ぐた
め1.3cpより大きい粘度が必要であることがわかっ
た。
【0032】(実施例18)ハニカム状ムライトフィル
ターにあらかじめ酢酸リチウム溶液(純水1000ミリ
リットルに対して500gの酢酸リチウムを溶解させた
もの)を含浸させ、その後このフィルターを真空槽の中
に置き雰囲気を真空にすることで水溶液の沸点を下げ室
温で乾燥させ、電気炉にて900℃、3時間の焼成を行
ない、次いで、同様な方法で実施例1で用いたものと同
じ成分の触媒溶液も担持させた。触媒の焼成温度は80
0℃、5時間で行った。焼成後の各フィルターを実施例
1と同様にして観察した。その結果を(表3)に示し
た。
【0033】
【表3】
【0034】この(表3)から明らかなように、いずれ
の各試験片も金属成分が略均一に担持されていることが
確認できた。これは真空時に含浸溶液の沸点を降下させ
急速に、フィルター全体から水分を沸騰させたために、
触媒の移動を防止しフィルターに均一に触媒を担持させ
たものと思われる。
【0035】(実施例19)ハニカム状ムライトフィル
ターに実施例1で用いた触媒水溶液に含浸させた後、冷
凍庫でフィルターに含浸させた溶液を凍結させた。次い
で、このフィルターを真空槽の中に置き、ロータリポン
プで真空状態に維持し、フィルターに含浸させた触媒溶
液中の水分を固体相から気体相に昇華乾燥させた。乾燥
後、電気炉にて800℃、5時間で焼成を行った。焼成
後のフィルターを実施例1と同様にして観察した。観察
の結果、触媒が均一に担持されていることが確認でき
た。これは含浸溶液を凍結させ、次いで昇華乾燥させた
ため触媒のフィルター内での移動を防止し、均一に触媒
を残置し担持させたためと思われる。
【0036】(実施例20)ハニカム状ムライトフィル
ター2個に各々酸化リチウムを担持するため酢酸リチウ
ム溶液(純水1000ミリリットルに対して500gの
酢酸リチウムを溶解させたもの)に含浸させ、その後フ
ィルターをマイクロ波乾燥器を用いてマイクロ波(出力
4000ワット)と100℃の熱風によりフィルターを
全体的に昇温させ乾燥させた。この含浸、乾燥、焼成
(800℃で5時間焼成)の行程を2回繰り返し1〜1
50重量%の量を含浸させ、電気炉にて900℃、3時
間で焼成し、フィルターに対して10〜20重量%の酸
化物を添加物として設けたフィルターを作製した。この
フィルターの図1に示す各部分を削り取り活性を測定す
ることでリチウムの担持量の判断をする。活性の測定方
法は熱分析法によった。尚、対照例として触媒を担持し
ていないハニカム状ムライトフィルターのみの活性測定
を行った。活性測定の結果を(表4)に示す。
【0037】
【表4】
【0038】この(表4)からも明らかなように、フィ
ルターの内側と外側では活性にほとんど変化なくリチウ
ムが均一に担持されていることがわかった。
【0039】次に、本発明の一実施例における排ガスフ
ィルターを用いた排ガス浄化装置について、図面を参照
しながら説明する。
【0040】(実施例21)図2は本発明の一実施例に
おける排ガス浄化用フィルターを用いた排ガス浄化装置
の要部断面図であり、図3は本発明の一実施例における
排ガス浄化用フィルターの要部断面図である。2は本発
明の一実施例における排ガス浄化用フィルターを用いた
排ガス浄化装置、3は図3に示す平板シート31及び波
型シート32とをコルゲートハニカム構造となるように
積層した後1450℃で2時間焼成し、更に表面に本発
明の一実施例における排ガス浄化触媒が担持された3次
元構造体に形成された排ガス浄化用フィルター、4は排
ガス浄化用フィルター3を加熱するヒーターからなる加
熱部、5は排ガス浄化用フィルター3及び加熱部4を収
納するケース、6はケース5に形成されたディーゼル機
関等の焼成機関から排出された排ガスが流入される排ガ
ス流入口、7はケース5内で浄化された浄化ガスが流出
される浄化ガス流出口である。
【0041】以上のように構成された本発明の一実施例
における排ガス浄化装置について、以下その動作を説明
する。
【0042】まず、排ガス流入口6から排ガス(排ガス
温度:約250℃)をケース5内に流入させた。次に、
排ガス流入中の間、加熱部4により排ガス浄化用フィル
ター3を加熱し、温度を450℃に保持した。排ガス流
入後1時間経過した後、排ガス浄化用フィルター3を観
察したが、微粒子状物質は残存しておらず、更に排ガス
流入中の間、浄化ガス流出口7から排出される浄化ガス
中に微粒子状物質の排出は認められなかった。
【0043】以上のように本実施例によれば、排ガス温
度が触媒活性温度に達しない場合、ヒーター等の加熱部
4により、例えばアイドリング時のように排ガス温度が
低い場合でも十分に排ガス中の微粒子状物質を捕捉し、
しかも随時燃焼させることができる。尚、本実施例で
は、ヒーターを排ガス浄化用フィルター3の周囲に巻回
させたが、排ガス浄化用フィルター3の近傍であればど
のように設置してもよい。また、本実施例では、加熱部
4としてヒーターを用いたがヒーターの代わりにバーナ
ーを用いたり、また可燃性ガスをケース内に導入させる
ことにより排ガス浄化用フィルター3を加熱する等、他
の加熱手段を用いてもよいことは勿論である。
【0044】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、 (1)担持させたハニカム状のフィルターは触媒が従来
のものより均一に担持され、排ガス中の微粒子状の物質
を燃焼させるのに必要な活性を得るための十分な触媒の
担持量を少なくすることができる低原価で量産性に適し
た排ガス浄化用フィルターを実現することができる。 (2)均一に触媒を担持させることにより、微粒子状物
質を乾燥させるときにフィルター内での温度勾配が小さ
くなり温度差によるフィルターの破壊を防ぎ、著しく耐
久性に優れた排ガス浄化用フィルターを実現することが
できる。 (3)排ガス温度の高い場合は勿論、低い場合でも十分
に排ガス中の微粒子状物質を捕捉し、しかも温度勾配が
小さいので、耐熱応力性に優れると共に著しく耐久性に
優れた排ガス浄化装置を実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)試験片の採取位置を示す円柱状に形成さ
れたハニカム状ムライトフィルターの平面模式図 (b)試験片の採取位置を示す円柱状に形成されたハニ
カム状ムライトフィルターの斜視模式図
【図2】本発明の一実施例における排ガス浄化用フィル
ターを用いた排ガス浄化装置の要部断面図
【図3】本発明の一実施例における排ガス浄化装置の排
ガス浄化用フィルターの要部断面図
【符号の説明】
1 ハニカム状ムライトフィルター 2 排ガス浄化装置 3 排ガス浄化用フィルター 4 加熱部 5 ケース 6 排ガス流入口 7 浄化ガス流出口 31 平板シート 32 波型シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 有田 雅昭 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】触媒を担持した排ガス浄化用フィルターの
    製造方法であって、フィルターに触媒を担持する担持過
    程中での乾燥工程が、マイクロ波乾燥器を用い、その出
    力が含水分量1000g±500gあたり4000ワッ
    ト以上で行われることを特徴とする排ガス浄化用フィル
    ターの製造方法。
  2. 【請求項2】前記乾燥工程が、マイクロ波乾燥の度毎
    に、マイクロ波乾燥された排ガス浄化用フィルターを電
    気炉にて焼成を行う焼成工程を有していることを特徴と
    する請求項1に記載の排ガス浄化用フィルターの製造方
    法。
  3. 【請求項3】前記フィルターに触媒組成のイオンを含む
    水溶液を含浸する含浸工程において、触媒成分の金属塩
    の溶解度が5.1wt%より小さく、水に対する溶解度
    が18wt%より大きく、しかも乾燥時の粘度が1.3
    cpより大きい溶剤が前記水溶液に添加されていること
    を特徴とする請求項1または2の内いずれか1に記載の
    排ガス浄化用フィルターの製造方法。
  4. 【請求項4】前記溶剤がアルコール類およびグリコール
    類から選択される一種以上からなることを特徴とする請
    求項3に記載の排ガス浄化用フィルターの製造方法。
  5. 【請求項5】触媒を担持した排ガス浄化用フィルターの
    製造方法であって、フィルターに触媒を担持する触媒担
    持過程中での乾燥工程が真空乾燥工程であることを特徴
    とする排ガス浄化用フィルターの製造方法。
  6. 【請求項6】触媒を担持した排ガス浄化用フィルターの
    製造方法であって、フィルターに触媒を担持する触媒担
    持過程中での乾燥工程が、フィルターに含浸させた触媒
    溶液を冷凍させた後に、真空槽中に置き、触媒溶液を固
    体相から気体相へ昇華乾燥させる真空昇華乾燥工程であ
    ることを特徴とする排ガス浄化用フィルターの製造方
    法。
  7. 【請求項7】前記真空昇華乾燥工程の真空度が、0.0
    06atm〜0.0001atmであることを特徴とす
    る請求項6に記載の排ガス浄化用フィルターの製造方
    法。
  8. 【請求項8】請求項1乃至7の内いずれか1に記載の排
    ガス浄化用フィルターの製造方法で得られた排ガス浄化
    用フィルターを収納したケースと、前記ケースに形成さ
    れた排ガス流入口と、前記ケースに形成された排ガス流
    出口と、前記ケースに配設された排ガス浄化用フィルタ
    ーを加熱する加熱装置と、を備えたことを特徴とする排
    ガス浄化装置。
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