JP2007090254A - 二層構造排ガス浄化触媒及び内燃機関の制御方法 - Google Patents

二層構造排ガス浄化触媒及び内燃機関の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 多少燃料リッチな雰囲気においてもNOの浄化率が低下しない排ガス浄化触媒、及びこのような排ガス浄化触媒を有する排ガス浄化装置を用いる内燃機関制御方法を提供する。
【解決手段】 基材上に配置されている内側触媒層12、及びこの内側触媒層12上に配置されている外側触媒層13を有する二層構造排ガス浄化触媒10であって、外側触媒層13が、ロジウム担持ジルコニア粒子を有し、且つ白金を有さず、且つ内側触媒層12が、パラジウム、白金等の貴金属を担持している貴金属担持金属酸化物粒子を有する、二層構造排ガス浄化触媒10とする。またこのような二層構造排ガス浄化触媒10を、上流側触媒コンバータにおいて用い、且つこの上流側触媒コンバータにおける空燃比が14.00〜14.60未満になるようにして内燃機関を運転させる、内燃機関の制御方法とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関のような燃焼機関からの排ガスを浄化するための二層構造排ガス浄化触媒、及びこの二層構造排ガス浄化触媒を有する排ガス浄化装置を用いる内燃機関の制御方法に関する。
自動車エンジン等の内燃機関からの排ガス中には、窒素酸化物(NO)、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)等が含まれる。従って一般に、CO及びHCを酸化し、且つNOを還元する排ガス浄化触媒によって浄化した後で、これらの排ガスを大気中に放出している。この排ガス浄化触媒の代表的なものとしては、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)等の貴金属をγ−アルミナ等の多孔質金属酸化物担体に担持させた三元触媒が知られている。
この金属酸化物担体は様々な材料で作ることができるが、従来は高表面積を得るためにアルミナ(Al)を使用することが一般的であった。しかしながら近年では、担体の化学的性質を利用して排ガスの浄化を促進するために、セリア(CeO)、ジルコニア(ZrO)、チタン(TiO)、シリカ(SiO)などの様々な他の材料を、アルミナと組み合わせて又は組み合わせないで、使用することも提案されている。
例えば、三元触媒の排ガス浄化能力を高めるために、排ガス中の酸素濃度が高いときに酸素を吸蔵し、且つ排ガス中の酸素濃度が低いときに酸素を放出する酸素吸蔵能(OSC能)を有する材料を、排ガス浄化触媒のための担体として用いることが行われている。OSC能を有する材料として代表的なものはセリアである。
三元触媒の作用によってCO及びHCの酸化と、NOの還元とが効率的に進行するためには、内燃機関の空燃比が理論空燃比(ストイキ)であることが必要である。従って、排ガス中の酸素濃度の変動を吸収して理論空燃比付近の酸素濃度を維持することは、三元触媒が排ガス浄化能力を発揮するために好ましい。これに関して、CO、HC及びNOの浄化率と空燃比に関する一般的なグラフを図5に示す。
三元触媒においてセリアを有効に使用するために多くの研究がなされている。例えば特許文献1及び2では、セリアのような酸素吸蔵成分と白金のような貴金属成分とを接近させて配置し、それによって触媒の排ガス浄化活性を高めることを教示している。この目的のために、特許文献1では、セリアのような酸素吸蔵成分と白金のような貴金属成分とを共に基材の気孔内に配置しており、また特許文献2では、セリウム及び白金を含有する複合化合物を多孔質金属酸化物担体上に担持させ、この複合酸化物を分解してセリア及び白金をこの担体上に担持させている。
また、セリアをいわゆるリーンNO触媒において使用することも知られており、例えば特許文献3では、二層構造の排ガス浄化触媒の一方の層としてセリア含有層を用いることを開示している。ここでこの特許文献3では、基材上にセリア含有層を配置し、このセリア含有層上に白金担持ゼオライト層を配置してなる排ガス浄化触媒を提案している。この特許文献3では、この排ガス浄化触媒によれば、リーン雰囲気においてもNOを効果的に還元浄化できるとしている。
近年の研究によれば、セリアはOSC能を有するだけでなく、その上に担持される白金との親和性が強いことが知られている。従って、触媒担体としてセリアを用い、その上に白金を担持すると、セリアと白金との親和性によって白金の粒成長(シンタリング)を抑制でき、触媒として好ましい。
また、リッチ雰囲気におけるNO浄化に関して好ましい性能を有するロジウムを使用する場合、触媒担体粒子としてジルコニアを使用することが好ましいことが知られている。これは、一般的な触媒担体であるアルミナにロジウムを担持させると、アルミナに対してロジウムが固溶してロジウムの触媒活性が発揮されなくなるのに対して、ロジウムをジルコニアに担持させた場合にはこのような問題が起こらないことによる。また、ロジウムの使用においては、ロジウムとセリアと接触させると、ロジウムが部分的に酸化されて、排ガス浄化性能が低下することが知られている。
特開2004−66069号公報 特開2000−325787号公報 特開平11−226414号公報
図3で示すように、自動車からの排ガスの浄化のための排ガス浄化装置20では一般に、エンジン28の直下流の上流側触媒コンバータ21と、その下流の下流側触媒コンバータ22とを用いる。これらの上流側及び下流側触媒コンバータ21及び22はそれぞれ、スタートコンバータ及びアンダーフロアコンバータと呼ばれることもある。このような排ガス浄化装置20では、エンジンからの距離が近い上流側触媒コンバータ21の温度が比較的高い。従ってこのような排ガス浄化装置20を用いるエンジン28では、上流側触媒コンバータ21の雰囲気がストイキ(空燃比14.6)になるようにして、NO、CO及びHCなどの浄化すべき物質の多くを、この上流側触媒コンバータ21において浄化している。また下流側触媒コンバータ22においては、上流側触媒コンバータ21において浄化しきれなかった物質が浄化されるようにしている。
このような制御を行うエンジンでは、米国カリフォルニア州での排ガス規制に関するLA4モードでのように比較的低速での走行と停止とを繰り返す場合、上流側触媒コンバータ21においてストイキ付近の排ガス雰囲気を維持すると、下流側触媒コンバータ22に流入する排ガスの雰囲気は常に燃料リーンになる。
これについては図4で示している。ここでこの図4の(a)は、経過時間とLA4モードでの走行速度との関係を示している。また、図4の(b)及び(c)はそれぞれ、図3の上流側触媒コンバータ21及び下流側触媒コンバータ22の入り口側に配置されたフロントO(酸素)センサ23及びリアOセンサ24での測定電圧を示している。このリア及びフロントOセンサの測定値が0.5Vであることは、排ガス雰囲気がストイキ(すなわち理論空燃比)であることを意味し、この測定値が0.5Vよりも大きいことは、排ガス雰囲気が燃料リッチ(すなわち理論空燃比よりも還元性成分が多い)ことを意味し、またこの測定値が0.5Vよりも小さいことは、排ガス雰囲気が燃料リーン(すなわち理論空燃比よりも還元性成分が少ない)ことを意味している。
このように下流側触媒コンバータ22における排ガス雰囲気が長時間にわたってリーンである場合、燃料中に存在していた硫黄成分が酸化され、その一部が酸化硫黄として下流側触媒コンバータ22の触媒上に蓄積する。このように触媒上に蓄積した酸化硫黄は通常は、排ガス雰囲気が燃料リッチなったときに硫化水素(HS)として放出される。しかしながら、図4(c)(特に図4(c)の点線で囲んだ部分)で示すように、下流側触媒コンバータ22に流入する排ガスの雰囲気が燃料リーンであると、硫黄酸化物は排ガス上に蓄積するのみで放出されない。このようにして蓄積した硫黄酸化物は、その後、高速での走行のためにアクセルを踏み込んで燃料を多量に供給したときに、下流側触媒コンバータ22の排ガス雰囲気がリッチになることによって硫化水素として一度に放出される。
排ガス浄化触媒から一度に大量に放出される硫化水素は、いわゆる触媒排気臭の原因となる。従ってこの触媒排気臭を防止するためには、硫黄酸化物が触媒上に多量に蓄積する前に、硫黄酸化物又は低濃度の硫化水素として放出させなければならない。
この目的のためには、上流側触媒コンバータ21が多少燃料リッチ雰囲気になるようにエンジンを制御して、比較的低速での走行及び停止を繰り返したときにも、下流側触媒コンバータ22の排ガス雰囲気が間欠的に燃料リッチになるようにすることが考えられる。しかしながら、上流側触媒コンバータ21において一般的に使用されている三元触媒、例えば白金担持セリア触媒粒子とロジウム担持ジルコニア触媒粒子とを混合して得られる三元触媒では、図15のDで示すように、ストイキからいくらか燃料リッチになったときにNOの浄化率が低下する傾向がある。従って従来の一般的な三元触媒を用いる場合には、上流側触媒コンバータ21が多少燃料リッチ雰囲気になるようにしてエンジンを制御することは許容されない。
よって本発明では、このような多少燃料リッチな雰囲気(スライトリッチ雰囲気)においてもNOの浄化率が低下しない排ガス浄化触媒、及びこのような排ガス浄化触媒を用いるエンジンの制御方法を提供する。
本発明の発明者は、ロジウムと他の貴金属、特に白金とを同じ触媒層において使用すると、ロジウムと他の貴金属が部分的に合金化して、スライトリッチ雰囲気におけるNO浄化性能が低下することを見いだして、本発明に想到した。
本発明の二層構造排ガス浄化触媒は、基材上に配置されている内側触媒層、及びこの内側触媒層上に配置されている外側触媒層を有する二層構造排ガス浄化触媒である。ここでこの本発明の二層構造排ガス浄化触媒では、外側触媒層が、ロジウム担持ジルコニア粒子を有し、且つ白金を有さず、特にロジウム以外の貴金属を有さない。また内側触媒層が、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム及び白金からなる群より選択される貴金属、特に白金及び/又はパラジウムを担持している金属酸化物粒子を有する。
本発明の排ガス浄化触媒によれば、外側触媒層のロジウムが白金によって合金化されないことによって、スライトリッチ雰囲気においても、良好なNO還元浄化性能を提供することができる。また本発明の排ガス浄化触媒によれば、内側触媒層において、貴金属、特に白金及び/又はパラジウムを有することによって、CO、HC等の酸化を良好に行うことができる。
本発明の二層構造排ガス浄化触媒では、外側触媒層が更に、白金を担持していないセリア粒子、特に貴金属を担持していないセリア粒子を有することができる。
従来は、ロジウムをセリアと共に使用するとロジウムが部分的に酸化され、ロジウムによる触媒活性が低下すると考えられていた。しかしながら、この態様でのようにセリア粒子が白金を担持していない場合、セリアによるロジウムの酸化が起こりにくく、且つセリアによるOSC能を利用できる。
これは、セリアに白金を担持させて用いる場合には、リーン雰囲気において白金が酸化されて比較的蒸散しやすい酸化白金が形成され、白金とセリアの親和性のために、酸化白金の蒸散に伴ってセリアも蒸散し、この蒸散によってロジウムに付着したセリアがロジウムを酸化させるが、セリアに白金を担持させていない場合にはこのような問題が起こらないことによると考えられる。
本発明の二層構造排ガス浄化触媒では、内側触媒層は、白金担持セリア粒子を有することができる。内側及び外側触媒層は随意に、アルミナ担体、特に白金、ロジウム、パラジウム等の貴金属を担持したアルミナ担体を含むことができる。
本発明の内燃機関の制御方法では、上流側触媒コンバータ及びこの上流側触媒コンバータの排ガス流れ下流側に配置されている下流側触媒コンバータを有する排ガス浄化装置を用いる。ここでこの本発明の制御方法では、本発明の二層構造排ガス浄化触媒を、上流側触媒コンバータにおいて用い、且つこの上流側触媒コンバータにおける空燃比が14.00以上14.60未満、特に14.00〜14.55、より特に14.00〜14.60、更により特に14.00〜14.50になるようにして内燃機関を運転させる。
上述のように本発明の二層構造排ガス浄化触媒は、比較的燃料リッチな雰囲気(スライトリッチ雰囲気)においてNO浄化率の低下が小さい。従って本発明の制御方法によれば、上流側触媒コンバータにおいて比較的良好なNO浄化率を達成できる。また本発明の制御方法でのように、上流側触媒コンバータにおける排ガス雰囲気がスライトリッチであることによって、下流側触媒コンバータにおける空燃比が比較的リッチになる。これによれば、触媒上に蓄積した硫黄酸化物を間欠的に還元して硫化水素として放出させることができるので、多量に蓄積した硫黄酸化物が一度に還元されて高濃度の硫化水素として放出され、触媒排気臭の原因となることを抑制できる。
(本発明の二層構造排ガス浄化触媒)
図1に示すように、本発明の二層構造排ガス浄化触媒10では、基材11上に配置されている内側触媒層12、及びこの内側触媒層12上に配置されている外側触媒層13を有する。ここでこの外側触媒層13は、ロジウム担持ジルコニア粒子を有し、且つ白金を有さない。また内側触媒層12は、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム及び白金からなる群より選択される貴金属を担持している貴金属担持金属酸化物粒子を有する。
本発明の二層構造排ガス浄化触媒では、外側触媒層が白金を有さないことによって、ロジウムと他の貴金属が部分的に合金化して、スライトリッチ雰囲気におけるNO浄化性能が低下するという問題を避けることができる。すなわち、本発明の二層構造排ガス浄化触媒では、図2(b)で示すようにロジウムが白金と合金化してロジウムの特性が失なわれることを避け、それによって図2(a)で示すようにロジウムが本来有しているNOに対する良好な触媒還元性能、特にスライトリッチ雰囲気における良好な触媒還元性能を維持することができる。
(外側触媒層)
本発明の二層構造排ガス浄化触媒の外側触媒層のロジウム担持ジルコニア粒子は、ジルコニアに対して任意の量でロジウムを有することができ、例えばジルコニア担体に対して0.5〜2質量%の量でロジウムを有することができる。また外側触媒層はロジウム担持ジルコニア粒子以外に更に、貴金属を担持している又は担持していないアルミナ粒子、白金を担持していないセリア粒子、特に貴金属を担持していないセリア粒子等の他の金属酸化物粒子を有することもでき、これらの粒子はロジウム担持ジルコニア粒子に対して任意の割合、例えばロジウム担持ジルコニア粒子:他の金属酸化物粒子が質量比で1:9〜9:1になる割合で混合することができる。
本発明で用いるロジウム担持ジルコニア粒子は任意の方法で作ることができ、例えば市販のジルコニア粒子を硝酸ロジウム等のロジウム塩の溶液に分散させ、得られた分散液を100〜200℃の温度で乾燥させ、得られた粉末を300〜600℃の温度で焼成することによって得ることができる。
尚、本発明で用いるロジウム担持ジルコニア粒子及び他の金属酸化物粒子は、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属からなる群より選択されるNO吸蔵元素を有し、それによってNOの浄化を促進するようにしてもよい。この場合、NO吸蔵元素としては例えばバリウム及び/又はカリウムを用いることができる。これらのNO吸蔵元素を触媒担体粒子に担持させる場合には、これらの金属の塩に担体粒子を分散させ、得られた分散液を、ロジウムを担持させる場合でのようにして、乾燥及び焼成して得ることができる。例えばバリウムを担体粒子に担持させる場合には、バリウム塩として炭酸バリウムを用いることができる。
基材に対する外側触媒層のコート量は、所望とする排ガス浄化性能に応じて任意に決定することができ、例えば50〜100g/基材−Lの量でコートすることができる。また基材への触媒層のコートのためには例えば、外側触媒層を構成する粉末をイオン交換水に分散させ、このイオン交換水にアルミナゾル等のバインダー成分を加えて撹拌し、得られたスラリーを基材に対して流しがけ等によってコートし、コートされた基材を乾燥及び焼成して得ることができる。
(内側触媒層)
本発明の二層構造排ガス浄化触媒の内側触媒層の貴金属担持金属酸化物粒子は、金属酸化物粒子に対して任意の量でルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム及び白金からなる群より選択される貴金属、特に白金及び/又はパラジウムを有することができる。これらの貴金属は例えば、金属酸化物粒子に対して0.5〜2質量%の量で担持させることができる。
ここで用いることができる金属酸化物粒子としては、アルミナ粒子、セリア粒子、ジルコニア粒子、シリカ粒子、又はそれらの混合物といった任意の金属酸化物粒子を挙げることができる。特に白金をセリアに担持させると、セリアによるOSC能と白金のシンタリング防止効果によって良好な触媒性能が得られるので、好ましい。
本発明で用いる貴金属担持金属酸化物粒子は任意の方法で作ることができ、例えば市販の金属酸化物粒子を金属塩の溶液、例えばジニトロジアンミン白金、テトラクロロ白金等の白金塩の溶液に分散させ、得られた分散液を100〜200℃の温度で乾燥させ、得られた粉末を300〜600℃の温度で焼成することによって得ることができる。
尚、内側触媒層で用いる金属酸化物粒子は貴金属だけでなく、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属からなる群より選択されるNO吸蔵元素を有し、それによってNOの浄化を促進するようにしてもよい。この場合、NO吸蔵元素として用いることができる元素、その担持方法については、外側触媒層についての説明を参照できる。
基材に対する内側触媒層のコート量は、所望とする排ガス浄化性能に応じて任意に決定することができ、例えば100〜300g/基材−Lの量でコートすることができる。基材への触媒層のコーティング方法に関しては、外側触媒層についての説明を参照できる。
(本発明の内燃機関制御方法)
本発明の内燃機関の制御方法では、図3に示すような上流側触媒コンバータ21及びこの上流側触媒コンバータ21の排ガス流れ下流側に配置されている下流側触媒コンバータ22を有する排ガス浄化装置20を用いる。本発明の内燃機関の制御方法では、この上流側触媒コンバータにおいて本発明の二層構造排ガス浄化触媒を用い、且つこの上流側触媒コンバータに流入する排ガスがスライトリッチになるようにして、内燃機関を制御する。尚、下流側触媒コンバータにおいては、三元触媒、NO触媒等の任意の触媒を用いることができる。
〔実施例1〕
ジニトロジアンミン白金硝酸水溶液をセリア担体粉末に含浸させ、これを120℃で2時間にわたって乾燥し、400℃で1時間にわたって焼成して、白金担持セリア粒子を得た。その後、この白金担持セリア粒子を高比表面積アルミナ粒子と1:1の質量比で混合し、白金担持セリア粒子−アルミナ粒子の混合粉末を得た。また、硝酸ロジウム水溶液をジルコニア担体粉末に含浸させ、これを120℃で2時間にわたって乾燥し、400℃で1時間にわたって焼成して、ロジウム担持ジルコニア粒子を得た。
上記のようにして得た白金担持セリア粒子−アルミナ粒子の混合粉末とアルミナゾルとをイオン交換水に加えてスラリーを形成し、このスラリーを、ハニカム基材にコートし、120℃で2時間にわたって乾燥し、500℃で1時間にわたって焼成して、白金担持セリア粒子−アルミナ粒子の混合粉末からなる内側触媒層195g/基材−Lを有するハニカム基材を得た。その後、このハニカム基材に対して、上記のようにして得たロジウム担持ジルコニア粒子を同様にしてコートして、内側触媒層上に、ロジウム担持ジルコニア粒子からなる外側触媒層75g/基材−Lをコートした。このようにして得た二層構造触媒を有するハニカム基材を、実施例1の触媒担持ハニカムとする。外側及び内側触媒層の詳細については下記の表1に示している。
〔実施例2〕
実施例1の場合と同様にして実施例2の触媒担持ハニカムを得た。但しここでは、内側触媒層のにおいて、アルミナ粒子の代わりに、白金担持アルミナ粒子(質量比1:1)を用いた。外側及び内側触媒層の詳細については下記の表1に示している。
〔実施例3〕
実施例1の場合と同様にして実施例3の触媒担持ハニカムを得た。但しここでは、内側触媒層において、白金担持セリア粒子−アルミナ粒子の混合粉末の代わりに、セリア粒子−白金担持アルミナ粒子の混合粉末(質量比1:1)を用いた。外側及び内側触媒層の詳細については下記の表1に示している。
〔実施例4〕
実施例2の場合と同様にして実施例4の触媒担持ハニカムを得た。但しここでは、外側触媒層において、ロジウム担持ジルコニア粒子の代わりに、ロジウム担持ジルコニア粒子−セリア粒子(質量比1:0.1)の混合粉末を用いた。外側及び内側触媒層の詳細については下記の表1に示している。
〔比較例〕
実施例1で使用するのと同じ白金担持セリア粒子、ロジウム担持ジルコニア粒子及びアルミナ粒子を、実施例1と同じ量で全て混合して混合粉末を得、この混合粉末をハニカム基材にコートすることによって、比較例の触媒担持ハニカムを得た。触媒層の詳細については下記の表1に示している。
Figure 2007090254
〔評価1〕
実施例及び比較例の触媒担持ハニカムのそれぞれについて、リーン、ストイキ及びリッチを繰返すモードで制御されている排気量2.4リットルのガソリンエンジンからの排ガスを、触媒床温が約900℃になるようにして300時間にわたって供給して、模擬耐久を行った。その後、実施例及び比較例の触媒担持ハニカムのそれぞれに、排気量2.4リットルのガソリンエンジンからの排ガスを、空燃比がスライトリッチである14.52になるように制御して供給し、触媒担持ハニカムの出口側でのガス組成を求めた。結果は図6〜8で示している。
図6及び7から理解されるように、スライトリッチ雰囲気におけるHC及びNOの浄化に関して、実施例では、比較例よりも良好な結果が達成されている。また図8から理解されるように、スライトリッチ雰囲気におけるCOの浄化に関しても、実施例では、比較例と同等の又はより優れた結果が達成されている。
実施例のなかでは、内側触媒層において白金をセリア及びアルミの両方に担持させた実施例2で、NO及びHCの浄化に関して特に良好な結果が得られていた。これは白金の一部が耐熱性の良好なアルミナに担持されていることによって、耐久後にも比較的劣化を受けず、且つまた白金の他の部分がセリアに担持されていることによって、白金とセリアとの組み合わせによる良好な触媒性能が提供されたことによると考えられる。
また実施例のなかでは、外側触媒層においてロジウム担持ジルコニア粒子にセリア粒子を混合した実施例4で、CO浄化に関して特に良好な結果が得られていた。これは外側触媒層のセリアによってロジウムの触媒活性が低下せず、且つセリアによるOSC能が提供されていたことによると考えられる。
〔評価2〕
実施例1及び比較例の触媒担持ハニカムのそれぞれについて、評価1の場合と同様にして耐久を行った。その後、実施例1及び比較例の触媒担持ハニカムのそれぞれに、排気量2.4リットルのガソリンエンジンからの排ガスを、空燃比がスライトリッチである14.4になるように制御して供給し、触媒担持ハニカムの出口側でのNO濃度ガスを求めた。またこの試験の間には燃料カット(fuel cut)を行った。結果は図9で示している。
図9から理解されるように、スライトリッチ雰囲気におけるNOの浄化に関して、実施例1の触媒担持ハニカムでは、比較例の触媒担持ハニカムよりも良好な結果が達成されている。また、この実施例1の触媒担持ハニカムでは、燃料カット後におけるNO浄化率の回復に関しても比較例の触媒担持ハニカムよりも優れていた。
〔評価3〕
実施例1の触媒担持ハニカムについて、評価1の場合と同様にして耐久を行った。その後、この触媒担持ハニカムに、排気量2.4リットルのガソリンエンジンからの排ガスを、空燃比がスライトリッチである14.52になるようにして制御して供給した。この触媒担持ハニカムの入り口側及び出口側での空燃比をOセンサによって評価した。結果は図10に示している。
ここでこの図10は、経過時間に対する(a)速度、(b)エンジン回転数、(c)フロントOセンサ電圧及び(d)リアOセンサ電圧の関係を示している。ここでフロントOセンサ及びリアOセンサはそれぞれ、実施例1の触媒担持ハニカムの排ガス流れ上流側及び下流側に配置されており、従って実施例1の触媒担持ハニカムに流入する排ガスの空燃比及び実施例1の触媒担持ハニカムの下流側に配置された触媒に流入する排ガスの空燃比を示している。図4に関して説明したのと同様に、このフロント及びリアOセンサの測定値が0.5Vであることは、排ガス雰囲気がストイキであることを意味し、この測定値が0.5Vよりも大きいことは、排ガス雰囲気が燃料リッチことを意味し、またこの測定値が0.5Vよりも小さいことは、排ガス雰囲気が燃料リーンことを意味している。
この図10から理解されるように、実施例1の触媒担持ハニカムに流入する排ガスの空燃比がスライトリッチである14.52になるようにしてエンジンを制御する場合には、この触媒担持ハニカムの下流側の触媒に供給される排ガスが間欠的に比較的リッチになる((b)の点線で囲んだ部分)。従ってこれによれば、この下流側の触媒上に堆積した酸化硫黄を間欠的に還元して硫化水素として除去することができ、よって多量の酸化硫黄が触媒上に蓄積し、一度に還元されて高濃度の硫化水素として放出され、触媒排気臭の原因となることを抑制できる。
本発明の二層構造触媒の概略を示す断面図である。 本発明及び従来の触媒における貴金属の状態を示す図である。 本発明の内燃機関制御方法で用いられる排ガス浄化装置の概略図である。 LA4モードで走行したときの空燃比等を示す図である。 従来の排ガス浄化触媒よる排ガス浄化特性を示す図である。 実施例及び比較例の触媒担持ハニカムでのHC浄化を示す図である。 実施例及び比較例の触媒担持ハニカムでのNO浄化を示す図である。 実施例及び比較例の触媒担持ハニカムでのCO浄化を示す図である。 実施例1及び比較例の触媒担持ハニカムについてのNO浄化を示す図である。 実施例1の触媒担持ハニカムに対してスライトリッチ排ガスを供給した場合の空燃比等を示す図である。
符号の説明
10 本発明の排ガス浄化触媒
11 基材
12 下側触媒層
13 上側触媒層
20 本発明の内燃機関制御方法で使用する排ガス浄化装置
21 上流側触媒コンバータ
22 下流側触媒コンバータ
23 フロントOセンサ
24 リアOセンサ
28 内燃機関
29 排ガス流れ方向を示す矢印

Claims (6)

  1. 基材上に配置されている内側触媒層、及びこの内側触媒層上に配置されている外側触媒層を有する二層構造排ガス浄化触媒であって、
    前記外側触媒層が、ロジウム担持ジルコニア粒子を有し、且つ白金を有さず、且つ
    前記内側触媒層が、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム及び白金からなる群より選択される貴金属を担持している金属酸化物粒子を有する、
    二層構造排ガス浄化触媒。
  2. 前記外側触媒層が、ロジウム以外の貴金属を有さない、請求項1に記載の二層構造排ガス浄化触媒。
  3. 前記外側触媒層が更に、白金を担持していないセリア粒子を有する、請求項1又は2に記載の二層構造排ガス浄化触媒。
  4. 前記内側触媒層が、白金担持セリア粒子を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の二層構造排ガス浄化触媒。
  5. 上流側触媒コンバータ及びこの上流側触媒コンバータの排ガス流れ下流側に配置されている下流側触媒コンバータを有する排ガス浄化装置を用いる、内燃機関の制御方法であって、
    請求項1〜4のいずれかに記載の二層構造排ガス浄化触媒を、前記上流側触媒コンバータにおいて用い、且つ前記上流側触媒コンバータにおける空燃比が14.00以上14.60未満になるようにして内燃機関を運転させる、内燃機関の制御方法。
  6. 空燃比14.00〜14.55で前記内燃機関を運転させる、請求項5に記載の制御方法。
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