JP2004082091A - セラミック触媒体 - Google Patents

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Masaichi Tanaka
田中 政一
Toshiharu Kondo
近藤 寿治
Takumi Suzawa
須沢 匠
Jun Hasegawa
長谷川 順
Tomohiko Nakanishi
中西 友彦
Tomomi Hase
長谷 智実
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Abstract

【課題】低熱容量、低圧損で、用途に応じた種々の触媒作用を発揮できる、高い触媒性能と実用性を兼ね備えたセラミック触媒体を得る。
【解決手段】基材セラミックの構成元素の一部を置換することにより、置換元素に直接担持可能としたセラミック担体を用い、触媒貴金属等の主触媒成分とセリア等の助触媒成分を担体表面に直接担持する。助触媒成分に固溶させた遷移金属で担体との結合力を増し、コート層を不要として、高耐久性で低熱容量かつ低圧損とする。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車エンジンの排ガス浄化用触媒等に適用されるセラミック触媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
排ガス浄化用触媒としては、従来より、高耐熱衝撃性のコーディエライトハニカム構造体を担体として用い、その表面をγ−アルミナで被覆(コート)した後、貴金属触媒を担持させた触媒が広く用いられている。コート層を形成するのは、コーディエライトの比表面積が小さく、そのままでは、必要な量の触媒成分を担持させることができないからで、高比表面積材料であるγ−アルミナを用いて担体の表面積を大きくした上で、触媒を担持している。
【0003】
ところが、担体のセル壁表面をγ−アルミナでコートすることは、熱容量増加をまねくことから、触媒の早期活性化の点で不利である。また、セル開口面積が小さくなり圧損が増加する、担体としての熱膨張係数がコーディエライトのみの場合より大きくなるといった不具合があった。
【0004】
このため、コート層を形成することなく、触媒成分を担持可能なセラミック体について、種々検討がなされている。例えば、特許文献1には、酸処理した後、熱処理することによりコージェライト自体の比表面積を向上させる方法が提案されている。しかしながら、この方法では、酸処理や熱処理によりコージェライトの結晶格子が破壊されて強度が低下する問題があり、実用的ではなかった。
【0005】
これに対し、本発明者等は、先に、比表面積を向上させるためのコート層を形成することなく、必要量の触媒成分を直接担持可能なセラミック担体を提案した(特許文献2)。特許文献2のセラミック担体は、基材セラミックを構成する元素のうちの少なくとも1種類またはそれ以上の元素を、価数の異なる元素と置換することによって、触媒成分を直接担持可能な細孔を形成したものである。このセラミック担体は、従来の担体のような酸処理や熱処理に伴う強度低下の問題がなく、種々の用途への応用が期待できる。
【0006】
【特許文献1】
特公平5−50338号公報
【特許文献2】
特開2001−310128号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
一方、地球環境保護の観点から、近年、自動車排出ガスに対する規制が強化されており、この対応策として、排ガス浄化用触媒に種々の助触媒成分を担持して、触媒性能を改善することが行われている。そこで、本発明者等は、上述した触媒成分を直接担持可能なセラミック担体を用いて、このような触媒の製作を試みた。しかしながら、特に助触媒成分を担持した場合、貴金属触媒に比べて、助触媒成分のセラミック担体への担持力が弱く、助触媒成分の作用を十分発揮できないおそれがあることが、判明した。
【0008】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、熱容量や圧損を低減できるとともに、用途に応じた種々の触媒作用を発揮でき、高い触媒性能と実用性を兼ね備えたセラミック触媒体を得ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1のセラミック触媒体は、セラミック担体に主触媒成分および助触媒成分を担持してなる。上記セラミック担体は、基材セラミック表面に触媒成分を直接担持可能なセラミック担体であり、該セラミック担体に上記主触媒成分と上記助触媒成分が直接担持されていることを特徴とする。主触媒成分および助触媒成分の両方が、担体表面に直接担持されることで、低熱容量および低圧損とし、さらに助触媒成分を付加することで種々の触媒作用を発揮できる。
【0010】
請求項2のように、上記助触媒成分として、酸素吸蔵能成分を含有するものを用いると、酸素濃度に応じて酸素を出し入れして、主触媒成分の作用を高めることができる。また、請求項3のように、上記助触媒成分が遷移金属元素を含有すると、上記セラミック担体との結合力が高まり、耐久性が向上する。
【0011】
請求項4のように、上記遷移金属元素は酸素吸蔵能成分に固溶もしくは置換させることができる。さらに、請求項5のように、上記遷移金属元素が酸素吸蔵能成分に固溶もしくは置換され、上記助触媒成分を、上記遷移金属元素が上記セラミック担体の基材セラミックと結合することにより直接担持させると結合が強くなる。
【0012】
請求項6は上記課題を解決するための他のセラミック触媒体であって、上記セラミック担体は、基材セラミック表面に触媒成分を直接担持可能なセラミック担体である。該セラミック担体に上記主触媒成分を直接担持し、一方、上記セラミック担体の表面に上記助触媒成分を含む助触媒層を形成すると、熱容量や圧損の増加を最小限に抑制しつつ、主触媒成分および助触媒成分の担持量を増加して、触媒性能を向上できる。
【0013】
具体的には、請求項7のように、上記セラミック担体に上記主触媒成分が直接担持されるとともに、上記セラミック担体の表面に上記助触媒成分を直接コートしてなる助触媒層が形成された構成とすることができる。
【0014】
または、請求項8のように、上記セラミック担体に上記主触媒成分が直接担持されるとともに、上記セラミック担体の表面に上記助触媒成分を中間基材とともにコートしてなる助触媒層を形成することもできる。
【0015】
この時、請求項9のように、上記助触媒層は、上記セラミック担体の表面に形成した中間基材層に上記助触媒成分をコートすることにより、あるいは、上記セラミック担体の表面に予め上記助触媒成分を担持させた中間基材をコートすることにより形成される。
【0016】
請求項10は上記課題を解決するための他のセラミック触媒体であって、上記セラミック担体は、基材セラミック表面に触媒成分を直接担持可能なセラミック担体であり、上記セラミック担体に上記主触媒成分および助触媒成分の少なくとも一部を直接担持するとともに、上記セラミック担体の表面に残りの上記主触媒成分および助触媒成分を含む触媒層が形成してある。この構成では、触媒成分に応じて担持方法を選択できるので、触媒の劣化を抑制し、かつ良好な触媒性能が得られる。
【0017】
具体的には、請求項11のように、上記触媒層を、上記セラミック担体の表面に形成した中間基材層に上記主触媒成分または助触媒成分をコートすることにより、あるいは、上記セラミック担体の表面に予め上記主触媒成分または助触媒成分を担持させた中間基材をコートすることにより形成することができる。
【0018】
そして、例えば、請求項12のように、上記主触媒成分として一種類以上の触媒金属を使用し、その一部を上記中間基材層に含有または担持させるとともに、上記触媒金属の残りを上記セラミック担体に直接担持させることができる。そして、上記触媒金属と上記助触媒成分との距離が縮まるので、上記助触媒成分の特性が効果的に発揮できる。また、上記触媒金属が表面に出やすくなることにより、低温活性性能が向上する。
【0019】
請求項13のように、上記中間基材は、上記セラミック担体の基材セラミックよりも比表面積が大きいもの、例えば、請求項14のように、Al2 3 、SiO2 、MgO、TiO2 、ZrO2 、ゼオライト、シリカライトおよびモルデナイトから選ばれる少なくとも1種類ないしそれ以上とするとよい。
【0020】
請求項15のように、上記酸素吸蔵能成分には、ランタノイド系元素およびY、Zr、Hfから選ばれる少なくとも1種類ないしそれ以上の元素を含有する酸化物が好適に用いられる。
【0021】
請求項16のように、上記助触媒層または上記触媒層の厚さを、100μm以下とすると、熱容量や圧損の増加を抑制する効果が高い。好ましくは、請求項17のように、上記助触媒層または上記触媒層の厚さを、0.5μm以上95μm以下とすると、高い触媒性能と低熱容量、低圧損を両立できる。
【0022】
請求項18のように、上記セラミック担体は、上記基材セラミックを構成する元素のうち少なくとも1種類またはそれ以上の元素が、構成元素以外の元素と置換されており、この置換元素に対して上記触媒成分もしくは上記助触媒成分を直接担持可能である担体とすることができる。
【0023】
請求項19のように、具体的には、上記置換元素上に上記触媒成分もしくは上記助触媒成分が化学的結合により担持されていると、保持性が向上し、また、触媒成分が担体に均一分散して、凝集しにくくなるので、長期使用による劣化も小さい。
【0024】
請求項20のように、上記置換元素には、その電子軌道にdまたはf軌道を有する少なくとも1種類またはそれ以上の元素を用いる。電子軌道にdまたはf軌道を有する元素は、触媒金属と結合しやすいため、結合力を向上できる。
【0025】
請求項21のように、上記基材セラミックには、コーディエライトを主成分とするセラミックが用いられ、耐熱衝撃性に優れるため、自動車排ガス用の触媒体として好適である。
【0026】
請求項22のように、上記セラミック担体として、基材セラミック表面に触媒を直接担持可能な多数の細孔を有しており、この細孔に対して上記触媒成分もしくは上記助触媒成分を直接担持可能である担体を用いることもできる。
【0027】
請求項23のように、上記細孔は、具体的には、セラミック結晶格子中の欠陥、セラミック表面の微細なクラック、およびセラミックを構成する元素の欠損のうち、少なくとも1種類からなる。
【0028】
請求項24のように、上記微細なクラックの幅が100nm以下であると、担体強度を確保する上で好ましい。
【0029】
請求項25のように、触媒成分を担持可能とするには、上記細孔が、担持する触媒イオンの直径の1000倍以下の直径あるいは幅を有するとよく、この時、上記細孔の数が、1×1011個/L以上であると、従来と同等な量の触媒成分を担持可能となる。
【0030】
請求項26のように、上記基材セラミックに、コーディエライトを主成分とするセラミックを用いると、耐熱衝撃性に優れるため、自動車排ガス用の触媒体として好適である。上記細孔は、コーディエライトの構成元素の一部を価数の異なる金属元素で置換することにより形成される欠陥からなる。
【0031】
この場合、請求項27のように、上記欠陥は酸素欠陥および格子欠陥の少なくとも1種類からなり、コーディエライトの構成元素の一部を価数の異なる元素と置換することにより形成される。そして、コーディエライトの単位結晶格子に上記欠陥を1個以上有するコーディエライト結晶を4×10−6%以上含有するようにすると、従来と同等な量の触媒金属を担持可能となる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明のセラミック触媒体は、自動車用排ガス浄化触媒等に好適に用いられるもので、基材セラミック表面に触媒成分を直接担持可能なセラミック担体を用い、このセラミック担体に、触媒成分として、主触媒成分と助触媒成分とを担持してなる。触媒成分を直接担持可能なセラミック担体(以下、直接担持セラミック担体と称する)の基材セラミックには、通常、理論組成が2MgO・2Al2 3 ・5SiO2 で表されるコーディエライトを主成分とするものが好適に用いられ、高い耐熱性を示す。また、コーディエライト以外にも、アルミナ、スピネル、チタン酸アルミニウム、炭化珪素、ムライト、シリカ−アルミナ、ゼオライト、ジルコニア、窒化珪素、リン酸ジルコニウム等のセラミックを用いてもよい。担体形状は、自動車用排ガス浄化触媒であれば、例えば、ハニカム形状に成形したものが好適に用いられるが、必ずしもハニカム形状に限らず、ペレット状、粉末形状、フォーム状、中空繊維状、繊維状等、他の形状とすることもできる。
【0033】
直接担持セラミック担体には、基材セラミックの表面に、触媒成分を直接担持可能な多数の元素を有するセラミック担体が好適に用いられる。そして、この元素に対して触媒成分を化学的に結合することにより、γ−アルミナ等のコート層を形成することなしに、触媒成分の担持を可能とする。触媒成分を直接担持可能な元素は、基材セラミックを構成する元素以外の元素で、かつ触媒成分と化学的に結合することが可能な元素であり、基材セラミックを構成する元素のうち少なくとも1種類またはそれ以上の元素と置換されることにより導入される。例えば、コーディエライトの場合、酸素を除くセラミックの構成元素であるSi、Al、Mgと置換される元素には、これら構成元素よりも担持される触媒成分との結合力が大きく、触媒成分を化学的結合により担持可能な元素が用いられる。具体的には、これら構成元素と異なる元素で、その電子軌道にdまたはf軌道を有する元素が挙げられ、好ましくはdまたはf軌道に空軌道を有するか、または酸化状態を2つ以上持つ元素が用いられる。dまたはf軌道に空軌道を有する元素は、担持される触媒成分とエネルギー準位が近く、電子の授与が行われやすいため、触媒成分と結合しやすい。また、酸化状態を2つ以上持つ元素も、電子の授与が行われやすく、同様の作用が期待できる。
【0034】
dまたはf軌道に空軌道を有する元素の具体例には、W、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zr、Mo、Ru、Rh、Ce、Ir、Pt等が挙げられ、これら元素のうちの少なくとも1種類またはそれ以上を用いることができる。これら元素のうち、W、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Mo、Ru、Rh、Ce、Ir、Ptは、酸化状態を2つ以上持つ元素である。酸化状態を2つ以上持つ元素の具体例としては、その他、Cu、Ga、Ge、Se、Pd、Ag、Au等が挙げられる。
【0035】
これら置換元素で、セラミックの構成元素を置換する場合には、セラミック原料を調製する際に、セラミック原料中に置換元素の原料を添加、混練する方法を採用することができる。この場合には、予め、置換される構成元素の原料の一部を置換量に応じて減らしておく。その後、混練した原料坏土を通常の方法で、成形、乾燥させた後、大気雰囲気中で脱脂、焼成する。あるいは、予め、置換される構成元素の原料の一部を置換量に応じて減らしたセラミック原料を、通常の方法で、混練、成形、乾燥させた後、置換元素を含む溶液に含浸させて置換元素を添加することもできる。置換元素を含浸させた成形体は、溶液から取り出して乾燥させた後、同様に大気雰囲気中で脱脂、焼成する。このように成形体に含浸させる方法を用いると、成形体表面に置換元素を多く存在させることができ、その結果、焼成時に表面で元素置換がおきて固溶体を生じやすくなるので、より効果的である。
【0036】
置換元素の量は、総置換量が、置換される構成元素の原子数の0.01%以上50%以下、好ましくは5〜20%の範囲となるようにするのがよい。なお、置換元素が、基材セラミックの構成元素と価数の異なる元素である場合には、価数の差に応じて格子欠陥または酸素欠陥が同時に生じるが、置換元素を複数使用し、置換元素の酸化数の和と、置換される構成元素の酸化数の和とが等しくなるようにすれば、欠陥は生成しない。従って、欠陥等を生成させたくない場合には、このように、全体として価数の変化がないようにするとよい。
【0037】
この直接担持セラミック担体に、主触媒成分および助触媒成分を担持させることで、基材セラミックの特性を活かした高性能のセラミック触媒体が得られる。ここで、本発明の特徴は、触媒成分、特に助触媒成分の担持形態にあり、これを以下の(1)〜(4)に示す。
(1)主触媒成分および助触媒成分の両方を、直接担持セラミック担体の置換元素との結合により直接担持する。
(2)主触媒成分を直接担持セラミック担体の置換元素との結合により直接担持し、助触媒成分を直接担持セラミック担体の表面にコートして助触媒層を形成する。
(3)主触媒成分を直接担持セラミック担体の置換元素との結合により直接担持し、助触媒成分を中間基材とともに直接担持セラミック担体の表面にコートして助触媒層を形成する。
(4)主触媒成分および助触媒成分の少なくとも一部を直接担持セラミック担体の置換元素との結合により直接担持し、残りの主触媒成分および助触媒成分を中間基材とともに、あるいは中間基材を用いずに直接担持セラミック担体の表面にコートして触媒層を形成する。
得られるセラミック触媒体の特性や性能は、これら触媒成分の担持形態の違いによって異なるので必要に応じて使い分けることができる。次に(1)〜(4)の詳細を図面に基づいて説明する。
【0038】
図1は、本発明の第1の実施の形態で、上記(1)の担持形態のセラミック触媒体である。図1(a)中、直接担持セラミック担体は、例えば、基材セラミックとなるコーディエライトに置換元素としてW、Coが導入されており、ハニカム構造としたセル壁表面に多数存在するこれら置換元素上に、主触媒成分である触媒貴金属および助触媒成分が化学的に結合している。主触媒成分には、例えば、Pt、Rh、Pd等の触媒貴金属が好適に用いられ、その1種類以上を必要に応じて使用する。主触媒成分として、それ以外の金属元素等を用いることももちろんできる。
【0039】
助触媒成分は、目的に応じて種々の成分を用いることができる。例えば、自動車用三元触媒では、酸素吸蔵能を有する酸素吸蔵能成分が用いられ、周囲の酸素濃度の変動に応じて酸素を出し入れする作用を有する。このような酸素吸蔵能成分としては、通常、Ce、La等のランタノイド系元素およびY、Zr、Hfから選ばれる少なくとも1種類ないしそれ以上の元素を含有する酸化物または複合酸化物が用いられる。具体例としては、セリア(CeO2 )、セリア/ジルコニア固溶体(CeO2 /ZrO2 )等が挙げられる。酸素吸蔵能成分、例えばCeO2 は、雰囲気の酸素濃度が高い場合にはCeの価数が4+であるが、酸素濃度が低下すると価数が3+となり、価数の変化により電気的中性が崩れるため、酸素を放出または吸収することにより電気的中性を維持する。すなわち、酸素を吸蔵または放出して触媒性能が最適となるように空燃比を調整する機能を有している。セリア/ジルコニア固溶体において、ジルコニアは耐熱性を向上させる作用を有し、従って、酸素吸蔵量を増加させたい時はセリアリッチ(例えば、CeO2 70重量%/ZrO2 30重量%)に、耐熱性を高めたい時はジルコニアリッチに(例えば、CeO2 10重量%/ZrO2 90重量%)するとよい。
【0040】
ただし、助触媒成分である酸素吸蔵能成分は、通常、酸化物であり、主触媒成分である触媒貴金属に比べると、コーディエライトに導入されるW、Co等の置換元素との結合力が弱い。そこで、好適には、酸素吸蔵能成分となる酸化物または複合酸化物に、第2成分として遷移金属元素を導入することが好ましい。遷移金属元素の具体例には、W、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Mo、Ru、Rh、Ce、Ir、Pt、Pd、Ag、Au等が挙げられ、これら元素のうちの少なくとも1種類またはそれ以上を用いることができる。
【0041】
助触媒成分の結合力が弱いと、高温で長時間使用された場合に熱凝集しやすくなり、劣化するおそれがあるが、置換元素と結合しやすい遷移金属元素を導入することで、図1(b)に示すように、助触媒成分中の遷移金属元素(図ではW)と、コーディエライト表面の置換元素(図ではW、Co)とを化学的に結合させ、結合力を大きくすることができる。なお、助触媒成分に第2成分として遷移金属元素を含有させる場合、好適には、遷移金属元素が第1成分である酸素吸蔵能成分に固溶もしくは置換させるのがよい。
【0042】
触媒成分の担持は、触媒成分を水等の溶媒に溶かした溶液を調製して、直接担持セラミック担体に含浸させた後、乾燥、焼き付けする通常の方法によって行う。焼き付けは、水分が蒸発する100℃以上、1000℃未満の温度で行い、1000℃以上では劣化のおそれがあるので好ましくない。これにより、触媒成分が置換元素と結合し、γ−アルミナ等のコート層なしで、所定量の触媒成分を担持することができる。触媒成分の担持量は、溶液中の触媒成分濃度によって調整することができ、触媒成分の担持量を増加させたい場合には、溶液の含浸、焼き付け工程を繰り返し行うこともできる。主触媒成分と助触媒成分の担持は、通常、各成分毎に行うが、複数の成分を含む溶液を用いて同時に行うことも可能である。
【0043】
触媒成分を担持させる場合、主触媒成分の平均粒径が、0.39nm以上100nm以下、好ましくは50nm以下であり、主触媒成分のg当たりの総表面積が0.028m2 以上、主触媒成分の担持量が0.01g/L以上であることが好ましい。Pt等の触媒貴金属が結晶として存在するためには、平均粒径が0.39nm以上であることが必要であり、100nmを超えると触媒の単位重量当りの表面積が小さくなり、浄化効率が悪くなる。図2(a)に示すように、主触媒成分の担持量が0.01g/L以上であれば、浄化性能が得られ(浄化率10%以上)、この時、平均粒径を100nmとすると、g当たりの総表面積は0.028m2 になる。好ましくは、主触媒成分の担持量を0.05g/L以上とするのがよく、浄化率は約50%ないしそれ以上となる。
【0044】
なお、本発明では、少ない担持量で効果的に浄化性能を発揮できる。これは、直接担持セラミック担体の表面の置換元素に触媒成分が直接担持され、従来のようにγ−アルミナの細孔内に入り込んで機能しなくなる触媒成分がなくなること、また、化学的に結合するため、小さい触媒粒径で担体表面に高分散させることが可能になるからで、触媒効率が上がり、より少ない触媒量で従来と同等以上の浄化性能が得られる。また、触媒成分の平均粒径が小さいほど、所望の浄化性能を得るために必要な担持量を少なくできる。図2(b)は、g当たりの総表面積を0.028m2 として、同様の浄化性能を得るために必要な触媒担持量と平均粒径の関係を示すもので、平均粒径の大きさによって、所望の浄化性能を得るために必要な担持量が異なり、平均粒径が小さいほど、少量でよいことが分かる。
【0045】
また、助触媒成分の粒径(一次粒子径)は、通常、100nm以下、好ましくは50nm以下とすることが好ましい。これらの粒子は、取り扱い上、凝集して二次粒子を形成するが、溶媒に溶かすとほぼ一次粒子に戻る。二次粒子の平均粒径は1〜3μm程度であることが好ましい。助触媒成分の担持量は、通常、5g/L以上とするのがよい。
【0046】
このようにして直接担持セラミック担体に、γ−アルミナ等をコートすることなく、主触媒成分および助触媒成分を直接担持させた、高性能かつ高耐久性のセラミック触媒体が得られる。このセラミック触媒体は、γ−アルミナ等のコート層を有しないので、低熱容量かつ低圧損であり、コート層の劣化による耐久性の低下も生じない。さらに、助触媒成分の添加により酸素吸蔵能等を付与することができ、触媒性能が向上する上、主触媒成分および助触媒成分が化学的に結合しているため、触媒が凝集しにくく、長期に渡り触媒作用を発揮できる。
【0047】
次に、上記図1の構成のセラミック触媒体の製造方法の一例を示す。コーディエライト化原料として、タルク、カオリン、アルミナ、水酸化アルミニウムを使用し、Si源の5%をW、同じくSi源の5%をCoに置換して、コーディエライトの理論組成点付近となるように調合した。この原料に、バインダ、潤滑剤および保湿剤、水分を適量添加し、混練して、ハニカム形状に成形した。得られた成形体を、大気雰囲気で1390℃で2時間保持することにより焼成して、直接担持セラミック担体とした。
【0048】
上記のようにして作製した直接担持セラミック担体に、まず、主触媒成分である触媒貴金属を担持し、その後、助触媒成分を担持した。助触媒成分の調製は予め、塩化セリウム、塩化ジルコニウム、メタタングステン酸アンモニウム水溶液を硝酸1Lに溶かし、水酸化アンモニウム水溶液を添加して中和共沈させることによって行い、セリア、ジルコニア、酸化タングステンの重量比が各々9、81、10重量%となるようなセリウム−ジルコニウム−タングステンの複合酸化物を得た。
【0049】
触媒貴金属として、テトラアンミン白金硝酸塩と酢酸ロジウムを各々0.075mol/L、0.02mol/Lになるように水溶液1Lを作製した。この溶液の入ったビーカに直接担持セラミック担体を浸漬し、ビーカごと超音波洗浄機に入れ5分間放置した。その後、担体を引き上げてエアブローし、予乾燥として5分間マイクロ波乾燥機で乾燥した。次いで、本乾燥を110℃、1時間行った後、金属焼結を300℃、2時間行った。焼結後の触媒貴金属の担持比率はPt/Rh=7/1、担持量は1.2g/Lであった。
【0050】
次いで、助触媒成分として、予め調製しておいたセリウム−ジルコニウム−タングステンの複合酸化物のパウダー45g、純水900gをビーカに入れ、ガラス棒で攪拌した。均一に混ざったら、これに担体を浸漬し、ビーカごと超音波洗浄機に入れた。5分間経過した後、担体を引き上げ、エア圧0.2MPaでエアブローして目詰まりを取り除いた。その後、マイクロ波乾燥機で10分間の予乾燥を行い、さらに、110℃で本乾燥を2時間行った。乾燥終了後、焼結させるために900℃で1時間保持し、触媒成分の担持を完了した。助触媒成分の担持量は、6g/Lであった。
【0051】
以上の方法により、必要な量の主触媒成分および助触媒成分を担持させたセラミック触媒体が得られることが確認された。また、図3(a)のように、タングステンを含まないセリウム−ジルコニウムの複合酸化物を助触媒成分として用いたセラミック触媒体を、上記と同様の方法で製作し、各セラミック触媒体における触媒成分の結合強度を比較して図3(b)に示した。図3(b)では、触媒貴金属(Pt)の基材セラミックへの結合強度を1.0として、各セラミック触媒体における、助触媒成分(セリウム−ジルコニウム−タングステンの複合酸化物、セリウム−ジルコニウムの複合酸化物)の基材セラミックへの結合強度を示した。図3(b)のように、W等の遷移金属元素を添加した助触媒成分は、結合強度比が0.8と触媒貴金属(Pt)に近い結合強度が得られており、遷移金属元素により結合力が大きく向上することが分かる。
【0052】
上記第1の実施の形態では、触媒成分を直接担持可能な置換元素を導入したセラミック担体を用いたが、本発明では、セラミック担体として、基材セラミック表面に、触媒成分を直接担持可能な多数の細孔を有するセラミック担体を用いることもできる。触媒成分を直接担持可能な細孔は、具体的には、セラミック結晶格子中の欠陥(酸素欠陥または格子欠陥)、セラミック表面の微細なクラック、およびセラミックを構成する元素の欠損のうち、少なくとも1種類からなり、複数種類を組み合わせて形成することもできる。担持される触媒成分イオンの直径は、通常、0.1nm程度であるので、コーディエライトの表面に形成される細孔は、直径あるいは幅が、0.1nm以上であれば、触媒成分イオンを担持可能であり、セラミックの強度を確保するには、細孔の直径あるいは幅が触媒成分イオンの直径の1000倍(100nm)以下で、できるだけ小さい方が好ましい。好ましくは、1〜1000倍(0.1〜100nm)とする。細孔の深さは、触媒成分イオンを保持するために、その直径の1/2倍(0.05nm)以上とすることが好ましい。この大きさで、従来と同等な量の触媒成分(1.5g/L)を担持可能とするには、細孔の数が、1×1011個/L以上、好ましくは1×1016個/L以上、より好ましくは1×1017個/L以上であるとよい。
【0053】
セラミック表面に形成される細孔のうち、結晶格子の欠陥には、酸素欠陥と格子欠陥(金属空格子点と格子歪)がある。酸素欠陥は、セラミック結晶格子を構成するための酸素が不足することにより生ずる欠陥で、酸素が抜けたことにより形成される細孔に触媒成分を担持できる。格子欠陥は、セラミック結晶格子を構成するために必要な量以上の酸素を取り込むことにより生じる格子欠陥で、結晶格子の歪みや金属空格子点によって形成される細孔に触媒成分を担持することが可能となる。
【0054】
具体的には、コーディエライトハニカム構造体が、酸素欠陥あるいは格子欠陥の少なくとも1種類を単位結晶格子に1個以上有するコーディエライト結晶を4×10−6%以上、好ましくは、4×10−5%以上含有する、あるいは、酸素欠陥あるいは格子欠陥の少なくとも1種類をコーディエライトの単位結晶格子当たり4×10−8個以上、好ましくは、4×10−7個以上含有すると、セラミック担体の細孔の数が上記所定数以上となる。このような細孔は、特願2000−104994に記載される方法によって形成することができる。
【0055】
例えば、結晶格子に酸素欠陥を形成するには、Si源、Al源、Mg源を含むコーディエライト化原料を成形、脱脂した後、焼成する工程において、▲1▼焼成雰囲気を減圧または還元雰囲気とする、▲2▼原料の少なくとも一部に酸素を含まない化合物を用い、低酸素濃度雰囲気で焼成することにより、焼成雰囲気または出発原料中の酸素を不足させるか、▲3▼酸素以外のセラミックの構成元素の少なくとも1種類について、その一部を該元素より価数の小さな元素で置換する方法が採用できる。コーディエライトの場合、構成元素は、Si(4+)、Al(3+)、Mg(2+)と正の電荷を有するので、これらを価数の小さな元素で置換すると、置換した元素との価数の差と置換量に相当する正の電荷が不足し、結晶格子としての電気的中性を維持するため、負の電荷を有するO(2−)を放出し、酸素欠陥が形成される。
【0056】
また、格子欠陥については、▲4▼酸素以外のセラミック構成元素の一部を該元素より価数の大きな元素で置換することにより形成できる。コーディエライトの構成元素であるSi、Al、Mgの少なくとも一部を、その元素より価数の大きい元素で置換すると、置換した元素との価数の差と置換量に相当する正の電荷が過剰となり、結晶格子としての電気的中性を維持するため、負の電荷を有するO(2−)を必要量取り込む。取り込まれた酸素が障害となって、コーディエライト結晶格子が整然と並ぶことができなくなり、格子歪が形成される。この場合の焼成雰囲気は、大気雰囲気として、酸素が十分に供給されるようにする。あるいは、電気的中性を維持するために、Si、Al、Mgの一部を放出し、空孔が形成される。なお、これら欠陥の大きさは数オングストーム以下と考えられるため、窒素分子を用いたBET法のような通常の比表面積の測定方法では、比表面積として測定できない。
【0057】
酸素欠陥および格子欠陥の数は、コーディエライト中に含まれる酸素量と相関があり、上記した必要量の触媒成分の担持を可能とするには、酸素量が47重量%未満(酸素欠陥)または48重量%より多く(格子欠陥)なるようにするのがよい。酸素欠陥の形成により、酸素量が47重量%未満になると、コーディエライト単位結晶格子中に含まれる酸素数は17.2より少なくなり、コーディエライトの結晶軸のbo 軸の格子定数は16.99より小さくなる。また、格子欠陥の形成により、酸素量が48重量%より多くなると、コーディエライト単位結晶格子中に含まれる酸素数は17.6より多くなり、コーディエライトの結晶軸のbo 軸の格子定数は16.99より大きくまたは小さくなる。
【0058】
図4は、本発明の第2の実施の形態で、上記(2)の担持形態のセラミック触媒体である。図4中、直接担持セラミック担体は、例えば、基材セラミックとなるコーディエライトに置換元素としてW、Coが導入されており、ハニカム構造としたセル壁表面に多数存在するこれら置換元素上に、主触媒成分である触媒貴金属が化学的に結合している。一方、助触媒成分は、これを基材セラミック表面に直接コートすることにより、基材セラミック表面全面を薄く覆う助触媒層として担持されている。具体的には、主触媒成分である触媒貴金属を上記(1)と同様の方法で担持させた直接担持セラミック担体を、助触媒成分、例えば、CeO2 、CeO2 /ZrO2 を水等の溶媒に分散させた溶液に、浸漬し、担体を引き上げた後、乾燥、焼き付けすればよい。直接担持セラミック担体の構成、主触媒成分および助触媒成分の具体例その他は、上記第1の実施の形態と同様である。
【0059】
この担持形態によれば、基材セラミックに導入した置換元素に化学的に結合するのは、主触媒成分である触媒貴金属のみであるので、上記第1の実施の形態よりも主触媒成分の担持量を増加させることができる。通常、主触媒成分の担持量が増加すると、触媒間の間隔が小さくなり凝集による劣化のおそれが大きくなるが、本発明では、各触媒粒子と基材セラミックとの結合力が大きいので、劣化が小さい。また、助触媒成分を助触媒層として基材セラミック表面に担持することで、助触媒成分の担持量の増減が容易にでき、酸素吸蔵量等の制御が簡単になる。
【0060】
なお、助触媒層を形成することで、セラミック触媒体としての熱容量や圧損は上記第1の実施の形態の構成より若干増加する。熱容量や圧損の増加を抑制するには、助触媒層は薄いほどよく、通常、100μm以下に形成するのがよい。ただし、0.5μmを下回ると助触媒層の形成が困難になるとともに、助触媒作用が低下し、また、95μmを上回ると浄化性能が低下する傾向にあるので、好ましくは、0.5μm以上95μm以下、より好ましくは、20μm以上80μm以下とする。助触媒成分の担持量は、通常、20〜150g/L、好ましくは、40〜90g/Lの範囲とするのがよい。ただし、助触媒成分の種類や必要特性によって最適値は異なるので、必ずしもこの限りではない。これにより、熱容量や圧損の増加を最小限に抑えながら(従来の三元触媒の1/6以下)、助触媒機能を付与することができる。また、触媒貴金属と助触媒成分が近接するので、効果的に触媒性能を発揮させることができる。
【0061】
図5は、本発明の第3の実施の形態で、上記(3)の担持形態のセラミック触媒体である。図5中、直接担持セラミック担体は、例えば、基材セラミックとなるコーディエライトに置換元素としてW、Coが導入されており、ハニカム構造としたセル壁表面に多数存在するこれら置換元素上に、主触媒成分である触媒貴金属が化学的に結合している。一方、助触媒成分は、中間基材とともに直接担持セラミック担体の表面にコートされて基材セラミック表面全面を薄く覆う助触媒層として担持されている。
【0062】
中間基材は、直接担持セラミック担体と助触媒成分の間に介在して、助触媒成分を保持するもので、基材セラミックよりも比表面積が大きいセラミック、例えば、アルミナ(γ−、θ−、α−Al2 3 )、SiO2 ・Al2 3 系、SiO2 ・MgO系、ゼオライト系(X型、Y型、A型、ZSM−5型)、活性炭、SiO2 、MgO、TiO2 、ZrO2 、Al2 3 ・ZrO2 、Al2 3 ・TiO2 、TiO2 ・ZrO2 、SO4 /ZrO2 、SO4 /ZrO2 ・TiO2 、SO4 /ZrO2 ・Al2 3 、6Al2 3 ・BaO、11Al2 3 ・La2 3 シリカライトおよびモルデナイトから選ばれる少なくとも1種類ないしそれ以上を用いることが好ましい。中間基材の平均粒径は、200μm以下、望ましくは、50μm以下とするのがよい。
【0063】
触媒成分の担持は、主触媒成分である触媒貴金属を上記(1)と同様の方法で直接担持セラミック担体に担持させた後、CeO2 、CeO2 /ZrO2 等の助触媒成分および中間基材を水等の溶媒に分散させた溶液に担体を浸漬し、引き上げて乾燥、焼き付けすればよい。あるいは、中間基材をごく薄くコートしてから、さらに助触媒成分をコートする方法で触媒成分を担持することもできる。
【0064】
いずれの場合も、助触媒層は、熱容量や圧損の増加を抑制するために、通常、100μm以下に形成する。助触媒層は薄くするほど低熱容量、低圧損となるが、0.5μmを下回ると助触媒層の形成が困難になるとともに、助触媒作用が低下する。また、95μmを上回ると浄化性能が低下する傾向にある。従って、好ましくは、0.5μm以上95μm以下、より好ましくは、20μm以上80μm以下とするのがよい。また、助触媒成分の担持量は、通常、10g/L以上とし、好ましくは20〜150g/Lとする。より好ましくは、40〜90g/Lの範囲とするが、助触媒成分の種類や必要特性によって最適値は異なるので、必ずしもこの限りではない。中間基材の使用量は、助触媒成分を保持しつつ熱容量や圧損の増加を抑制可能な量とし、通常、助触媒成分の担持量の10〜30重量%程度とするのが好ましい。
【0065】
これにより、熱容量や圧損の増加を最小限に抑えながら(担持量同等の三元触媒の1/3以下)、助触媒機能を付与して、効果的に触媒性能を発揮させることができる。また、中間基材を用いているので、助触媒成分の担持量の増減が容易にでき、酸素吸蔵量等の制御が簡単になるとともに、比表面積の大きい中間基材に保持されるため、助触媒成分の劣化を抑制する効果が高い。
【0066】
ここで、助触媒層を形成した例として、上記図5の構成のセラミック触媒体の製造方法を示す。助触媒層は、助触媒成分にセリウム−ジルコニウムの複合酸化物、中間基材にγ−アルミナを用いた。助触媒成分の調製は、予め、塩化セリウム、塩化ジルコニウムを硝酸1Lに溶かし、水酸化アンモニウム水溶液を添加して中和共沈させ、セリア、ジルコニアの重量比が各々10、90重量%となるようなセリウム−ジルコニウムの複合酸化物を得た。
【0067】
上記図1の構成のセラミック触媒体と同様の方法で作製した直接担持セラミック担体に、まず、主触媒成分である触媒貴金属を担持した。触媒貴金属として、テトラアンミン白金硝酸塩と酢酸ロジウムを各々0.075mol/L、0.02mol/L含有する水溶液1Lを用い、同様の方法で直接担持セラミック担体を浸漬し、予乾燥、本乾燥を行った後、金属焼結を行った。焼結後の触媒貴金属の担持比率はPt/Rh=7/1、担持量は1.2g/Lであった。
【0068】
次いで、上記のようにした調整した助触媒成分(セリウム−ジルコニウムの複合酸化物)のパウダー300g、γ−アルミナゾル3g(助触媒成分の1重量%)、純水900gをビーカに入れ、ガラス棒で攪拌した。攪拌時は、ビーカを超音波洗浄機の中に入れておくと、攪拌時間が短縮できる。均一に混ざったら、触媒貴金属を担持した直接担持セラミック担体を浸漬し、超音波洗浄機を作動させたまま保持する。5分間経過した後、担体を引き上げ、エア圧0.2MPaでエアブローして目詰まりを取り除いた。その後、マイクロ波乾燥機で10分間の予乾燥を行い、さらに、110℃で本乾燥を2時間行った。乾燥終了後、焼結させるために900℃で1時間保持し、触媒成分の担持を完了した。助触媒成分の担持量は、40g/Lであった。
【0069】
以上の方法によっても、必要量の主触媒成分および助触媒成分を担持させたセラミック触媒体が得られる。特に、主触媒成分を担体に直接担持し、その表面に助触媒層を形成する手法を採用することにより、主触媒成分および助触媒成分の担持量を増加できることが得られることが確認された。
【0070】
図6は、助触媒層の厚さとT50浄化温度の関係を示す図である。上述したのと同様の方法で、主触媒成分であるPt、Rhを合計で1.2g/L担持した(800℃で5時間焼き付け)基材セラミック表面に、中間基材としてのγ−アルミナをコートし、助触媒成分としてCeO2 を担持させてセラミック触媒体とした。助触媒層の厚さを変更した種々のサンプルに、炭化水素(HC)を含むモデルガスを導入して浄化率50%となる温度(T50浄化温度)を測定した。図に明らかなように、助触媒層の厚さが0μmより大きくまたは100μmから小さくなるに従い、浄化性能が急激に向上し、0.5μm以上95μm以下でT50浄化温度が350℃以下となる。また、20μm以上80μm以下では、T50浄化温度が250℃を下回っており、高い性能が得られることが確認された。
【0071】
図7は、本発明の第4の実施の形態で、上記(4)の担持形態のセラミック触媒体の例である。図7(a)中、直接担持セラミック担体は、上記各実施の形態と同様の構成を有し、その表面に多数存在する置換元素上に、主触媒成分および助触媒成分の少なくとも一部が直接担持されている。その上には、γ−アルミナ等の中間基材層がごく薄くコートされ、この中間基材層に残る主触媒成分および助触媒成分を担持して、触媒層を形成している。
【0072】
図7(b)のように、直接担持セラミック担体には、基材セラミックと結合しやすい触媒成分や中間基材なしでも劣化しない触媒成分を担持することが好ましい。本実施の形態では、例えば、主触媒成分であるPt、Rh、Pd等の触媒貴金属の全部と、助触媒成分の一部として、中間基材の耐熱性を向上させるLa等の元素を担持する。これら触媒成分の担持は、上記実施の形態と同様に行い、Pt、Rh、Pd等の触媒貴金属や、Laを含む触媒溶液中に浸漬した後、乾燥させ、100℃以上1000℃未満で焼き付ける方法で担持する。これをスラリー状のγ−アルミナ等の中間基材中に入れて、セル壁表面に中間基材層を形成し、100℃以上1000℃未満で焼き付けた後、その他の触媒成分を担持する。
【0073】
この場合も、中間基材層に担持した触媒成分を含む触媒層厚さは、100μm以下、好ましくは、0.5μm以上95μm以下、より好ましくは20μm以上80μm以下とするのがよい。中間基材層に担持させる触媒成分には、例えば、CeO2 、CeO2 /ZrO2 等の酸素吸蔵能成分のように、中間基材層に担持させることで、保持性が高まり、または担持量の増減が容易になるものが挙げられる。ここでは、CeO2 等の残る助触媒成分を担持させる。これら触媒成分も、触媒溶液中に浸漬した後、100℃以上1000℃未満で焼き付ける同様の方法で担持することができる。あるいは、予め助触媒成分を担持させた中間基材をコートして触媒層を形成してもよい。
【0074】
この担持方法によれば、使用する触媒成分に応じて最適な担持方法を選択できるので、各触媒成分の劣化を抑制する効果が高い。また、例えば、従来の担体構成において、La等の元素はγ−アルミナ等のコート層に直接添加されているが、本実施の形態では、La等の元素を先に直接担持セラミック担体に固定するため、中間基材層となるγ−アルミナ等に均一混合させる必要がなくなり、コストが低減できる。La等の元素は、予め混合しなくても熱がかかることにより拡散され、同等の耐熱性効果が得られる。La以外に同等の効果を有する元素には、Ba、Ce、Zr、Si等があり、これら元素を含む酸化物または複合酸化物を用いることもできる。また、従来構成に比べて、中間基材層に担持させる触媒成分が少ないため、中間基材層、すなわち触媒層を薄くすることができる。よって、熱容量や圧損の低減と触媒性能および耐久性の向上を両立させることができる。
【0075】
上記図7の構成のセラミック触媒体における、Laの効果を次のようにして確認した。上記第1の実施の形態と同様の方法で作製した直接担持セラミック担体を、上記した方法で、主触媒成分であるPt、Rh、Pdと、Laの溶液に浸漬して、600℃で触媒を焼き付けた。さらにスラリー状のγ−アルミナに浸漬して、600℃で焼き付けて中間基材層を形成した。評価は、アルミナを焼き付けた直後と、その後、24時間1000℃でエージングした2つのサンプルについて、比表面積をBET吸着法で窒素吸着により測定することにより行った。また、比較のため、Laを担持しない以外は同様の方法でサンプルを作製し、比表面積を測定した。γ−アルミナの担持量は30g/L、Laの担持量は2.5g/Lであった。
【0076】
その結果は以下の通りであり、基材セラミックに直接担持したLaによって、その上層のアルミナの比表面積の低下が抑制できることが確認された。
Figure 2004082091
【0077】
図8(a)は、本発明の第5の実施の形態で、上記(4)の担持形態のセラミック触媒体の他の例である。図8中、直接担持セラミック担体は、上記各実施の形態と同様の構成を有している。上記図7(a)の第4の実施の形態では、主触媒成分の全部を、直接担持セラミック担体の表面に多数存在する置換元素上に、直接担持する構成としたが、本実施の形態では、主触媒成分である触媒貴金属の一部を、直接担持セラミック担体に直接担持し、残る触媒貴金属と助触媒成分を中間基材とともにコートして、触媒層としている。
【0078】
図8(a)において、直接担持セラミック担体には、主触媒成分となるPt、Rh、Pd等の触媒貴金属の一種類以上、例えば、Ptを担持する。Ptの担持は、上記実施の形態と同様に行い、Ptを含む触媒溶液中に浸漬した後、乾燥させ、100℃以上1000℃未満で焼き付ける方法で担持する。次いで、助触媒成分および中間基材を水等の溶媒に分散させた溶液に担体を浸漬し、乾燥後、100℃以上1000℃未満で焼き付けて、助触媒成分と中間基材を含む層を形成する。
【0079】
助触媒成分としては、CeO2 、CeO2 /ZrO2 等の酸素吸蔵能成分が、中間基材としてはγ−アルミナ等が使用される。これをスラリー状の中間基材中に入れて、セル壁表面に助触媒成分と中間基材を含む層を形成し、その後、さらに、触媒貴金属の一種類以上、例えば、Rhを担持して、触媒層とする。Rhの担持も、Rhを含む触媒溶液中に浸漬する同様の方法で行うことができる。あるいは、助触媒成分と中間基材を含む層を形成する際に、Rhを添加して同時に担持させることもできる。この場合も、中間基材に担持した触媒成分を含む触媒層厚さは、100μm以下、好ましくは、0.5μm以上95μm以下、より好ましくは20μm以上80μm以下とするのがよい。
【0080】
Pt、Rh、Pd等の触媒貴金属は、基材セラミックと結合しやすく、直接担持セラミック担体の表面に直接担持することで、結合力を高めることができるが、図8(b)のように、その上に中間基材とともに助触媒成分をコートした構成において、触媒貴金属が表面に出にくく、助触媒成分との距離もあるために、助触媒成分の特性を引き出せない場合がある。このような場合には、本実施の形態のように、触媒貴金属の一部を直接担持セラミック担体の表面に直接担持して、担持量と結合力を確保するとともに、残る触媒貴金属を助触媒成分とともに中間基材に担持させた触媒層を形成することによって、触媒貴金属と助触媒成分の距離を縮めることができる。よって、助触媒成分の特性が効果的に発揮され、また、触媒貴金属が表面に出やすくなるので、低温活性性能の向上が期待できる。
【0081】
なお、本実施の形態では、直接担持セラミック担体の表面に直接担持する触媒貴金属(Pt)と、助触媒成分とともに触媒層を形成する触媒貴金属(Rh)を異なる種類としたが、同じ種類であってもよい。また、いずれかまたは両方が複数種類の触媒貴金属であってもよい。
【0082】
上記図8(a)の構成のセラミック触媒体における効果を次のようにして確認した。上記第1の実施の形態と同様の方法で作製した直接担持セラミック担体を、上記した方法で、主触媒成分であるPtの溶液に浸漬して、600℃で触媒を焼き付けた。次に、ベーマイト系バインダを6重量%の割合で含むγ−アルミナと助触媒成分であるCeO2 を1:4で混合した固形分を作製し、この固形分45gに純水900gを混ぜてスラリー化した。Ptを担持した直接担持セラミック担体を、上記スラリー入りビーカに浸漬し、超音波洗浄機で5分間脱気・含浸させた。エアブローし、900℃で1時間焼成して、助触媒成分を含む中間基材層を形成した。
【0083】
さらに、主触媒成分であるRhを担持するために、酢酸ロジウム0.02mol/Lになるように水溶液を調製した。この溶液の入ったビーカに上記直接担持セラミック担体を浸漬し、1分間、超音波洗浄機で脱気・含浸させた。110℃で1時間乾燥し、300℃で2時間金属焼結させることにより、助触媒成分を含む中間基材層に偏在化したRh担持とした。Rhの担持量は0.2g/Lであった。
【0084】
得られたサンプルについて、1000℃で5時間のエージングを行い、酸素吸蔵量を測定することにより評価した。酸素吸蔵量の測定は、550℃でO2 パルス法により行った。また、比較のため、Pt、Rhを直接担持セラミック担(体に直接担持し、その上に酸素吸蔵能成分を中間基材とともにコートした図8(b)の構成のサンプルを作製し、同様に酸素吸蔵量を測定した。その結果、図9(a)に示す通り、中間基材に酸素吸蔵能成分とRhを担持させた触媒層を有する本実施の形態の構成では、酸素吸蔵能成分のみの図8(b)の構成に比べて、耐久後の酸素吸蔵能が大幅に向上している。
【0085】
また、それぞれのサンプルにつき、触媒成分の焼付け直後と、5時間800℃でエージングした後の、T50浄化温度を測定した。図9(b)に明らかなように、焼付け直後(初期)、エージング後のいずれも、本実施の形態の構成とすることで、T50浄化温度が低くなっており、Rhが表層に担持されていることで、低温活性性能が大きく向上することが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示し、(a)はセラミック触媒体の主要部構成を模式的に示す図、(b)は助触媒成分のセラミック担体表面への担持形態を模式的に示す図である。
【図2】(a)は触媒成分の担持量と浄化率の関係を示す図、(b)は触媒成分の担持量と平均粒径の関係を示す図である。
【図3】(a)は遷移金属を含まない助触媒成分を用いたセラミック触媒体の主要部構成を模式的に示す図、(b)は主触媒成分と助触媒成分の結合強度を比較して示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態のセラミック触媒体の主要部構成を模式的に示す図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態のセラミック触媒体の主要部構成を模式的に示す図である。
【図6】触媒層の厚さとT50浄化温度の関係を示す図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態を示し、(a)はセラミック触媒体の主要部構成を模式的に示す図、(b)はセラミック触媒体の製造方法を説明するための図である。
【図8】(a)は本発明の第5の実施の形態を示すセラミック触媒体の主要部構成を模式的に示す図、(b)は主触媒成分を分離担持しないセラミック触媒体の主要部構成を模式的に示す図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態の効果を示す図で、(a)はセラミック触媒体の表面に形成した触媒層が主触媒成分を含む場合の酸素吸蔵能の向上効果を示す図、(b)は主触媒成分の分離担持とT50浄化温度の関係を示す図である。

Claims (27)

  1. セラミック担体に主触媒成分および助触媒成分を担持してなるセラミック触媒体であって、上記セラミック担体が、基材セラミック表面に触媒成分を直接担持可能なセラミック担体であり、該セラミック担体に上記主触媒成分と上記助触媒成分が直接担持されていることを特徴とするセラミック触媒体。
  2. 上記助触媒成分が酸素吸蔵能成分を含有する請求項1記載のセラミック触媒体。
  3. 上記助触媒成分が遷移金属元素を含有する請求項1または2記載のセラミック触媒体。
  4. 上記遷移金属元素が酸素吸蔵能成分に固溶もしくは置換されている請求項3記載のセラミック触媒体。
  5. 上記遷移金属元素が酸素吸蔵能成分に固溶もしくは置換されており、上記助触媒成分は、上記遷移金属元素が上記セラミック担体の基材セラミックと結合することにより直接担持されている請求項3記載のセラミック触媒体。
  6. セラミック担体に主触媒成分および助触媒成分を担持してなるセラミック触媒体であって、上記セラミック担体が、基材セラミック表面に触媒成分を直接担持可能なセラミック担体であり、該セラミック担体に上記主触媒成分が直接担持されるとともに、上記セラミック担体の表面には上記助触媒成分を含む助触媒層が形成されていることを特徴とするセラミック触媒体。
  7. セラミック担体に主触媒成分および助触媒成分を担持してなるセラミック触媒体であって、上記セラミック担体が、基材セラミック表面に触媒成分を直接担持可能なセラミック担体であり、該セラミック担体に上記主触媒成分が直接担持されるとともに、上記セラミック担体の表面には上記助触媒成分を直接コートしてなる助触媒層が形成されていることを特徴とするセラミック触媒体。
  8. セラミック担体に主触媒成分および助触媒成分を担持してなるセラミック触媒体であって、上記セラミック担体が、基材セラミック表面に触媒成分を直接担持可能なセラミック担体であり、該セラミック担体に上記主触媒成分が直接担持されるとともに、上記セラミック担体の表面には上記助触媒成分を中間基材とともにコートしてなる助触媒層が形成されていることを特徴とするセラミック触媒体。
  9. 上記助触媒層が、上記セラミック担体の表面に形成した中間基材層に上記助触媒成分をコートすることにより、あるいは、上記セラミック担体の表面に予め上記助触媒成分を担持させた中間基材をコートすることにより形成される請求項8記載のセラミック触媒体。
  10. セラミック担体に主触媒成分および助触媒成分を担持してなるセラミック触媒体であって、上記セラミック担体が、基材セラミック表面に触媒成分を直接担持可能なセラミック担体であり、上記セラミック担体に上記主触媒成分および助触媒成分の少なくとも一部が直接担持されるとともに、上記セラミック担体の表面には残りの上記主触媒成分および助触媒成分を含む触媒層が形成されていることを特徴とするセラミック触媒体。
  11. 上記触媒層が、上記セラミック担体の表面に形成した中間基材層に上記主触媒成分または助触媒成分をコートすることにより、あるいは、上記セラミック担体の表面に予め上記主触媒成分または助触媒成分を担持させた中間基材をコートすることにより形成される請求項10記載のセラミック触媒体。
  12. 上記主触媒成分として一種類以上の触媒金属を使用し、その一部を上記セラミック担体に直接担持させるとともに、上記触媒金属の残りを上記触媒層に含有させる請求項10または11記載のセラミック触媒体。
  13. 上記中間基材は、上記セラミック担体の基材セラミックよりも比表面積が大きい請求項8、9または11記載のセラミック触媒体。
  14. 上記中間基材は、Al2 3 、SiO2 、MgO、TiO2 、ZrO2 、ゼオライト、シリカライトおよびモルデナイトから選ばれる少なくとも1種類ないしそれ以上である請求項13記載のセラミック触媒体。
  15. 上記助触媒成分が、ランタノイド系元素およびY、Zr、Hfから選ばれる少なくとも1種類ないしそれ以上の元素を含有する酸化物からなる酸素吸蔵能成分を含有する請求項1ないし14のいずれか記載のセラミック触媒体。
  16. 上記助触媒層または上記触媒層の厚さが100μm以下である請求項6ないし15のいずれか記載のセラミック触媒体。
  17. 上記助触媒層または上記触媒層の厚さが0.5μm以上95μm以下である請求項6ないし15のいずれか記載のセラミック触媒体。
  18. 上記セラミック担体は、上記基材セラミックを構成する元素のうち少なくとも1種類またはそれ以上の元素が、構成元素以外の元素と置換されており、この置換元素に対して上記触媒成分もしくは上記助触媒成分を直接担持可能である請求項1ないし17のいずれか記載のセラミック触媒体。
  19. 上記置換元素上に上記触媒成分もしくは上記助触媒成分が化学的結合により担持されている請求項18記載のセラミック触媒体。
  20. 上記置換元素はその電子軌道にdまたはf軌道を有する少なくとも1種類またはそれ以上の元素である請求項18または19記載のセラミック触媒体。
  21. 上記基材セラミックがコーディエライトを主成分とする請求項1ないし20のいずれか記載のセラミック触媒体。
  22. 上記セラミック担体は、上記基材セラミック表面に触媒を直接担持可能な多数の細孔を有しており、この細孔に対して上記触媒成分もしくは上記助触媒成分を直接担持可能である請求項1ないし17のいずれか記載のセラミック触媒体。
  23. 上記細孔が、セラミック結晶格子中の欠陥、セラミック表面の微細なクラック、およびセラミックを構成する元素の欠損のうち、少なくとも1種類からなる請求項22記載のセラミック触媒体。
  24. 上記微細なクラックの幅が100nm以下である請求項23記載のセラミック触媒体。
  25. 上記細孔が、担持する触媒イオンの直径の1000倍以下の直径あるいは幅を有し、上記細孔の数が、1×1011個/L以上である請求項23記載のセラミック触媒体。
  26. 上記基材セラミックがコーディエライトを主成分とし、上記細孔が、コーディエライトの構成元素の一部を価数の異なる金属元素で置換することにより形成される欠陥からなる請求項1ないし25のいずれか記載のセラミック触媒体。
  27. 上記欠陥は酸素欠陥および格子欠陥の少なくとも1種類からなり、コーディエライトの単位結晶格子に上記欠陥を1個以上有するコーディエライト結晶を4×10−6%以上含有する請求項26記載のセラミック触媒体。
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