JP6869754B2 - ハニカム構造体 - Google Patents

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本発明は、ハニカム構造体に関する。
特許文献1には、微粒子の捕集に用いられるハニカムフィルタとして、炭化ケイ素からなるハニカムフィルタが開示されている。特許文献2には、セリア−ジルコニア複合酸化物粒子を含むモノリス基材に貴金属が担持された排ガス浄化触媒が開示されている。セリア−ジルコニア複合酸化物粒子で基材を構成することで熱容量を小さくし、モノリス基材の温度を上げやすくして、触媒の暖機性能を向上させることが記載されている。
国際公開第2006/041174号 特開2015−85241号公報
この発明の目的は、ハニカム構造体の暖機性能を向上させることにある。
上記の目的を達成するためのハニカム構造体は、周壁と、上記周壁の内部を複数のセルに区画する断面ハニカム形状の区画壁とを備えたハニカム構造体であって、上記区画壁は、セリア−ジルコニア複合酸化物と無機バインダを構成成分とし、上記周壁は、チタニアを含有する。
上記構成によれば、区画壁がセリア−ジルコニア複合酸化物と無機バインダで構成されており、炭化ケイ素等からなるハニカム基材がないため、ハニカム構造体としての熱容量が小さい。また、チタニアは、屈折率が高い性質を有している。したがって、処理対象となるガス等によりハニカム構造体が加熱された際に、セリア−ジルコニア複合酸化物により構成される区画壁の熱容量が小さいことに基づいて、ハニカム構造体の温度が速やかに上昇する。また同時に、周壁に含有されるチタニアの屈折率が高いことに基づいて、外部への放熱を抑制して保温する効果が得られ、この効果が相乗的に作用することにより、ハニカム構造体の温度の上昇が更に早められる。よって、上記構成のハニカム構造体は、暖機性能に優れたものとなる。ここで、「暖機性能」とは、ハニカム構造体の十分な浄化性能が得られる温度までの上がりやすさを意味するものとする。
上記ハニカム構造体において、上記区画壁には触媒が担持されていることが好ましい。
上記構成によれば、担持された触媒によって、処理対象となるガスが浄化される。そして、暖機性能に優れたハニカム構造体であるため、触媒活性に適した温度まで速やかに昇温することができる。
上記ハニカム構造体において、上記触媒は、貴金属であることが好ましい。
セリア−ジルコニア複合酸化物は、貴金属からなる触媒の触媒作用を促進させる助触媒としての機能を有する。そのため、貴金属からなる触媒を用いることにより、高い触媒作用を発揮することができる。
上記ハニカム構造体において、上記周壁は、セリア−ジルコニア複合酸化物と無機バインダを構成成分とする第1層と、上記第1層の外周を覆うチタニアを構成成分とする第2層とを備えることが好ましい。
上記構成によれば、セリア−ジルコニア複合酸化物と無機バインダを構成成分とし、周壁の第1層及び区画壁を有するハニカム焼成体に対して、第1層の外周を覆うようにチタニアを含有する塗布材を塗布して第2層を形成することで、暖機性能に優れたハニカム構造体を容易に製造することができる。
上記ハニカム構造体において、上記チタニアの平均粒子径は0.1〜10μmであることが好ましい。上記構成によれば、外部への放熱をより抑えることができるとともに、周壁の強度を高くすることができる。
上記ハニカム構造体は、ガソリン排ガス浄化触媒又はガソリン微粒子捕集フィルタとして有用である。
本発明によれば、ハニカム構造体の暖機性能を向上させることができる。
ハニカム構造体の斜視図。
以下、本発明の一実施形態を説明する。
図1に示すように、本実施形態のハニカム構造体10は、円筒状の周壁11と、周壁11の内部を周壁11の軸方向の一端側から他端側に延びる複数のセルSに区画する断面ハニカム形状の区画壁12とを備えている。ハニカム構造体10のセル構造は特に限定されるものではないが、例えば、区画壁12の壁厚が0.1〜0.7mmであり、セル密度が1cmあたり15.5〜124セルであるセル構造とすることができる。なお、上記「0.1〜0.7mm」は、「0.1mm以上0.7mm以下」を意味するものとし、「A〜B」は「A以上B以下」を意味するものとする。
また、本発明のハニカム構造体の周壁の外周面の表面粗さ(Ra:JIS B0601:2001に準拠した表面粗さ)は、1μm以上が好ましく、3μm以上であることがより好ましい。このように構成することで、ハニカム構造体が取り付けられる取付部材からのハニカム構造体の抜けを抑制する効果が得られる。なお、周壁の外周面の表面粗さ(Ra)は、20μm以下であることが好ましい。
区画壁12は、セリア−ジルコニア複合酸化物(以下、「CZ複合酸化物」ともいう。)と無機バインダとアルミナを構成成分とする基材によって形成されている。すなわち区画壁12を構成する基材には、CZ複合酸化物と無機バインダとアルミナが含まれている。そして、基材を構成する粒子の表面には触媒が担持されている。
本発明のハニカム構造体の基材を構成するCZ複合酸化物は、セリアを10質量%以上含むことが好ましく、20質量%以上含むことがより好ましい。また、セリアを70質量%以下含むことが好ましく、60質量%以下含むことがより好ましい。セリアを10質量%以上含むことで、排ガス中の酸素の吸蔵放出能が高くなり、70質量%以下とすることで熱耐久性が高くなる。
CZ複合酸化物は、セリウム以外の希土類元素から選択される元素をさらに含んでいてもよい。希土類元素としては、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)などが挙げられる。
基材におけるCZ複合酸化物の含有率は15〜60質量%であることが好ましい。
上記無機バインダとしては、例えば、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス、セピオライト、アタパルジャイト、ベントナイト、ベーマイトを用いることができる。基材における無機バインダの含有量は特に限定されないが、基材に対して、10〜30質量%含有していることが好ましい。
上記アルミナとして、アルミナ粒子が含まれていることが好ましい。アルミナ粒子が含まれていると、触媒として用いる貴金属が分散担持されやすく、また、区画壁12の機械的強度を向上させることができる。アルミナ粒子の種類としては、特に限定されないが、θ相のアルミナ(以下、「θ−アルミナ」ともいう。)や、γ相のアルミナ(以下、「γ−アルミナ」ともいう)を用いることが好ましい。θ−アルミナは、1000℃程度の高温に曝されても相転移が抑制されるため、θ−アルミナを基材の構成成分に用いることにより、触媒機能の低下を抑制することができる。γ−アルミナは比表面積が大きいため、触媒として用いる貴金属を高分散させることができる。基材におけるアルミナ粒子の含有量は特に限定されないが、基材に対して、15〜60質量%含有していることが好ましい。
基材には、CZ複合酸化物、無機バインダ、アルミナ以外のその他の成分が含まれていてもよい。その他の成分としては、例えば、CZ複合酸化物やアルミナよりも熱膨張係数が小さい粒子(以下、「低熱膨張係数粒子」ともいう。)等のその他の無機粒子が挙げられる。
その他の成分として、低熱膨張係数粒子を含有させた場合には、基材の熱膨張係数を小さくすることができるため、ハニカム構造体10の耐熱衝撃性が向上する。低熱膨張係数粒子としては、例えば、コージェライト、チタン酸アルミニウム、リチウムアルミノケイ酸塩系材料の粒子が挙げられる。リチウムアルミノケイ酸塩系材料としては、例えば、βスポジュメンやβユークリプタイトが挙げられる。低熱膨張係数粒子の含有量は特に限定されるものではないが、基材に対して、5〜30質量%含有していることが好ましい。
基材に担持される触媒としては、貴金属、アルカリ金属(元素周期表1族)、アルカリ土類金属(元素周期表2族)、希土類元素(元素周期表3族)、遷移金属元素が挙げられるが、貴金属であることが好ましい。貴金属としては、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等の白金族金属が挙げられる。貴金属の担持量は特に限定されないが、ハニカム構造体10の見掛けの体積(L)に対して、0.1〜20g/Lであることが好ましく、0.5〜15g/Lであることがより好ましい。
区画壁12の気孔率は特に限定されないが、40〜80%であることが好ましく、55〜75%であることがより好ましい。区画壁12の気孔率は、水銀圧入法にて、接触角を130°、表面張力を485mN/mの条件で測定することができる。
図1の拡大図に示すように、周壁11は、筒状の第1層11aと、第1層11aの外周を覆う第2層11bとを備えている。第1層11aは、CZ複合酸化物を構成成分として含有する層であり、その組成に関する具体的構成は、区画壁12の基材と同じである。
第2層11bは、チタニア(二酸化チタン)粒子を構成成分として含有する層である。チタニア粒子は、ルチル型、アナターゼ型、ブルッカイト型のいずれの結晶構造であってもよいが、屈折率が高いルチル型であることが好ましい。チタニア粒子の平均粒子径は、例えば、0.1〜10μmであることが好ましく、0.2〜5μmであることがより好ましい。第2層11bにおけるチタニアの含有率は、30〜100質量%であることが好ましく、40〜90質量%であることがより好ましい。
第2層11bは、チタニア以外のその他成分を含有していてもよい。その他成分としては、例えば、チタニア粒子以外の無機粒子、無機繊維、無機中空体(無機バルーン)が挙げられる。チタニア粒子以外の無機粒子としては、例えば、炭化珪素、窒化珪素、コージェライト、アルミナ、ムライト、ジルコニア、リン酸ジルコニウム、チタン酸アルミニウム、シリカ、セリア−ジルコニア複合酸化物、及びこれらの組み合わせよりなる群から選ばれるセラミックス等が挙げられる。無機繊維としては、例えば、シリカ−アルミナファイバー、ムライトファイバー、シリカファイバー、アルミナファイバー、ガラスファイバーが挙げられる。無機中空体としては、例えば、ガラスマイクロバルーン、アルミナバルーン、ムライトバルーン、シリカバルーン、シリカ−アルミナバルーンが挙げられる。これらのその他成分は、単独で含有されてもよいし、二種以上が含有されていてもよい。
第2層11bは、例えば、第1層11aの外周面に対して、チタニア粒子、バインダ、及び必要に応じて上記その他成分を含有するペースト状の塗布材を塗布し、乾燥させることにより形成することができる。塗布材に含有されるバインダとしては、無機バインダ、及び有機バインダが挙げられる。無機バインダとしては、例えば、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス、セピオライト、アタパルジャイト、ベントナイト、ベーマイトが挙げられる。有機バインダとしては、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール、フェノール樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。これらのその他成分は、単独で含有されてもよいし、二種以上が含有されていてもよい。
本実施形態のハニカム構造体10は、処理対象となるガス(例えば、車両や建設機械等の内燃機関から排出されるガス)に含まれる微粒子を捕集する機能、及び処理対象となるガスの浄化作用等の触媒に基づく機能を目的とする用途に用いることができる。用途の具体例としては、ガソリン排ガス浄化触媒、ガソリン微粒子捕集フィルタが挙げられる。
次に、本実施形態のハニカム構造体10の製造方法について説明する。ハニカム構造体10は、以下に記載する混合工程、成形工程、焼成工程、外周塗布工程、担持工程を順に経ることにより製造される。
(混合工程)
混合工程は、CZ複合酸化物粒子と無機バインダとアルミナ粒子を有する原料組成物を混合して混合物を作製する工程である。CZ複合酸化物粒子としては、セリアとジルコニアの固溶体を用いることが好ましい。セリアとジルコニアの固溶体は、例えば、硝酸セリウムなどのセリウム塩と、オキシ硝酸ジルコニウムなどのジルコニウム塩を溶解させた水溶液に、アンモニア水を加えて共沈殿を生成させ、得られた沈殿物を乾燥させた後に400〜500℃で5時間程度焼成することにより調製することができる。
原料組成物として用いるCZ複合酸化物粒子の平均粒子径は特に限定されるものではないが、1〜10μmであることが好ましく、1〜5μmであることがより好ましい。平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置にて測定することができる。
無機バインダとしては、上記の無機バインダを用いることができる。混合物中の無機バインダの割合は特に限定されないが、固形分として10〜30質量%であることが好ましい。
アルミナ粒子としては、上記θ−アルミナ粒子やγ−アルミナ粒子を用いることができる。混合物中のアルミナ粒子の割合は特に限定されないが、固形分として10〜50質量%であることが好ましい。アルミナ粒子の平均粒子径は特に限定されないが、二次粒子として1〜10μmであることが好ましく、1〜5μmであることがより好ましい。
上記原料組成物には、必要に応じて、上記低熱膨張係数粒子、無機繊維、有機繊維、有機バインダ、造孔剤、成形助剤、分散媒を加える。
低熱膨張係数粒子の平均粒子径は特に限定されるものではないが、1〜10μmであることが好ましく、1〜5μmであることがより好ましい。
無機繊維を構成する材料としては、例えば、アルミナ、シリカ、シリカアルミナ、ガラスが挙げられる。
有機繊維を構成する材料としては、例えば、アクリル繊維、ポリエステル繊維などが挙げられる。
有機バインダとしては、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール、フェノール樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。
造孔剤としては、アクリル樹脂、コークス、デンプンが挙げられる。
成形助剤としては、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸、脂肪酸石鹸、ポリアルコール、界面活性剤が挙げられる。
分散媒としては、水、ベンゼン等の有機溶媒、メタノール等のアルコールが挙げられる。
上記原料組成物は、公知のミキサーやアトライタなどを用いて混合してもよく、さらにニーダーなどで混練してもよい。
(成形工程)
成形工程は、混合工程により得られた混合物を成形してハニカム成形体を作製する工程である。ハニカム成形体は、後の焼成工程における焼成収縮を経てハニカム構造体10と同一形状となるよう、例えば、混合物を押出金型を用いて押出成形し、所定の長さに切断することにより作製する。すなわち、周壁11の第1層11aと区画壁12とを構成する壁部13を一度に押出成形することにより作製する。
(焼成工程)
焼成工程は、ハニカム成形体を焼成してハニカム焼成体を作製する工程である。焼成によって、CZ複合酸化物等の粒子間が無機バインダで結合されることにより、ハニカム焼成体の機械的強度が向上する。焼成工程は、公知の単独炉、いわゆるバッチ炉や、連続炉を用いて行うことができる。焼成温度は特に限定されないが、800〜1300℃が好ましく、900〜1200℃であることがより好ましい。焼成時間は特に限定されないが、上記の焼成温度において1〜20時間保持することが好ましく、1〜15時間保持することがより好ましい。焼成雰囲気は特に限定されないが、酸素濃度が1〜20%であることが好ましい。
なお、ハニカム成形体が有機繊維や有機バインダなどの有機成分を含む場合には、焼成工程の前に脱脂工程を行う。脱脂工程は、公知の単独炉、いわゆるバッチ炉や、連続炉を用いて行うことができる。脱脂温度は特に限定されないが、300〜800℃が好ましく、400〜750℃であることがより好ましい。脱脂時間は特に限定されないが、上記の脱脂温度において1〜10時間保持することが好ましく、2〜5時間保持することがより好ましい。脱脂雰囲気は特に限定されないが、酸素濃度が0.1〜20%であることが好ましい。脱脂工程は、焼成工程とは別の炉を用いて別途行ってもよいし、焼成工程と同じ炉を用いて連続的に行ってもよい。
(外周塗布工程)
外周塗布工程は、ハニカム焼成体の外周にチタニアを含有する第2層11bを形成する工程である。ハニカム焼成体の周壁の外周面に対して、上記のチタニア粒子、上記のバインダ、及び必要に応じて上記のその他成分を含有するペースト状の塗布材を塗布し、乾燥させる。塗布材中のチタニア粒子の割合は特に限定されないが、20〜80質量%であることが好ましい。塗布材中のバインダの割合は特に限定されないが、20〜75質量%であることが好ましい。
ハニカム焼成体の周壁の外周面に塗布する塗布材の厚さは特に限定されないが、0.1〜5mmであることが好ましい。乾燥温度は特に限定されないが、100〜150℃であることが好ましい。乾燥時間は限定されないが、0.1〜3時間であることが好ましい。また、塗布材が有機バインダなどの有機成分を含む場合には、必要に応じて脱脂工程をさらに行ってもよい。上記の混合工程、成形工程、焼成工程、外周塗布工程を経ることにより、ハニカム構造体10を製造することができる。
(担持工程)
担持工程は、外周塗布工程により得られたハニカム構造体10にさらに触媒を担持する工程である。触媒を担持する方法としては、例えば、触媒の粒子や錯体を含む溶液にハニカム構造体10を浸漬した後、ハニカム構造体10を引き上げて、加熱する方法が挙げられる。触媒を担持することによって、ハニカム構造体10の壁部13は、CZ複合酸化物を構成成分とする基材と、この基材に担持された触媒とを備えるものとなる。
次に、本実施形態の作用及び効果について記載する。
(1)ハニカム構造体は、周壁と、周壁の内部を複数のセルに区画する断面ハニカム形状の区画壁とを備えている。区画壁は、セリア−ジルコニア複合酸化物と無機バインダを構成成分とし、周壁は、チタニアを含有している。
上記構成によれば、区画壁がセリア−ジルコニア複合酸化物と無機バインダで構成されており、ハニカム構造体としての熱容量が小さい。また、チタニアは、屈折率が高い性質を有している。したがって、処理対象となるガス等によりハニカム構造体が加熱された際に、セリア−ジルコニア複合酸化物により構成される区画壁の熱容量が小さいことに基づいて、ハニカム構造体の温度が速やかに上昇する。また同時に、周壁に含有されるチタニアの屈折率が高いことに基づいて、外部への放熱を抑制して保温する効果が得られ、この効果が相乗的に作用することにより、ハニカム構造体の温度の上昇が更に早められる。よって、上記構成のハニカム構造体は、暖機性能に優れたものとなる。
(2)区画壁には触媒が担持されている。
上記構成によれば、担持された触媒によって、処理対象となるガスが浄化される。そして、周壁及び区画壁の構成に基づいて暖機性能が高められているため、触媒活性に適した温度まで速やかに昇温させることが可能であり、高い触媒作用を発揮することができる。
(3)触媒は、貴金属である。
セリア−ジルコニア複合酸化物は、貴金属からなる触媒の触媒作用を促進させる助触媒としての機能を有する。そのため、貴金属からなる触媒を用いることにより、高い触媒作用を発揮することができる。
(4)周壁は、セリア−ジルコニア複合酸化物と無機バインダを構成成分とする第1層と、第1層の外周を覆うチタニアを構成成分とする第2層とを備えている。
上記構成によれば、セリア−ジルコニア複合酸化物と無機バインダを構成成分とし、周壁の第1層及び区画壁を有するハニカム焼成体に対して、第1層の外周を覆うようにチタニアを含有する塗布材を塗布して第2層を形成することで、暖機性能に優れたハニカム構造体を容易に製造することができる。
(5)周壁に含有されるチタニアの平均粒子径は0.1〜10μmである。
上記構成によれば、外部への放熱をより抑えることができるとともに、周壁の強度を高くすることができる。
本実施形態は、次のように変更して実施することも可能である。また、上記実施形態の構成や以下の変更例に示す構成を適宜組み合わせて実施することも可能である。
・周壁について、第1層と第2層との間、及び第2層の外側の少なくとも一方に、その他の層が更に設けられていてもよい。
・区画壁を構成する基材、及び周壁の第1層は、アルミナを構成成分に含まないものであってもよい。また、原料組成物は、アルミナ粒子を含まないものであってもよい。
・区画壁の基材と周壁の第1層とは、その構成成分が同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、周壁の第1層については、セリア−ジルコニア複合酸化物を含有しない構成であってもよい。
・区画壁の基材に担持された触媒を省略してもよい。すなわち、ハニカム構造体は、微粒子の捕集能力のみを有するものであってもよい。
・ハニカム構造体が取り付けられる被取付部材からのハニカム構造体の抜けを抑制するための抜け止め用の突起を、周壁の外周面に、設けてもよい。
・上記実施形態では、円筒状の周壁を有する円筒状のハニカム構造体としていたが、ハニカム構造体の形状は、断面円形状に限定されるものではない。例えば、断面楕円形状楕や断面多角形状のハニカム構造体であってもよい。
(実施例1)
下記原料組成物を混合して混合物を調製した。
平均粒子径2μmのCZ複合酸化物粒子:28.0質量%
平均粒子径2μmのθ−アルミナ粒子:14.0質量%
平均繊維径3μm、平均繊維長60μmのαアルミナ繊維(無機繊維):6.0質量%
ベーマイト(無機バインダ):11.0質量%
メチルセルロース(有機バインダ):8.0質量%
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(成形助剤):5.0質量%
イオン交換水(分散媒):28.0質量%
この混合物を用いて、押出成形機によって円柱状の成形体を成形した。次に、この成形体を所定の長さに切断してハニカム成形体を作製した。ハニカム成形体を乾燥させた後、700℃で3時間脱脂し、1100℃で10時間焼成することにより、ハニカム焼成体を作製した。得られたハニカム焼成体は、直径が115mm、長さが80mmの円柱状であり、セルの密度が46.5個/cm(300cpsi)、壁部の厚さが0.254mm(10mil)であった。
その後、平均繊維長20μmのアルミナファイバー20質量%、平均粒子径0.6μmのチタニア粒子31質量%、チタニアゾル15質量%、カルボキシメチルセルロース5.6質量%、及び水28.4質量%を含む外周塗布ペースト(塗布材)を、ハニカム焼成体の外周に厚さ1mmでコートし、100℃で乾燥後、700℃で1時間脱脂して、ハニカム構造体を得た。
(比較例1)
ハニカム焼成体の直径を117mmとして、ハニカム焼成体の外周に外周塗布ペーストをコートしなかった他は、実施例1と同様にしてハニカム構造体を得た。
(触媒担持)
次に、ジニトロジアンミンパラジウム硝酸溶液([Pd(NH(NO]HNO、パラジウム濃度100g/L)溶液と硝酸ロジウム溶液([Rd(NO]、ロジウム濃度50g/L)を3:1の溶液の体積割合で混合調製した。この混合溶液中に、上記工程により製造された実施例1、比較例1のハニカム構造体を浸漬し、15分間保持した。その後、110℃で2時間乾燥し、窒素雰囲気中500℃で1時間焼成することによって、パラジウムとロジウム触媒を担持させたハニカム構造体を得た。触媒の担持量は、パラジウムとロジウムの合計でハニカム焼成体の見掛けの体積当たり0.14g/Lとした。
(暖機性能測定)
V型6気筒3.5Lエンジンの排気管に、実施例1及び比較例1の貴金属を担持させたハニカム構造体が気密状態で配置された金属管を接続し、ストイキエンジン始動からHC濃度((HCの流入量−HCの流出量)/(HCの流入量)×100)が50%以下となる時間を測定し、暖気性能を評価した。その結果、HC濃度が50%以下となる時間は、実施例1のハニカム構造体を用いた場合には12秒であるのに対して、比較例1のハニカム構造体を用いた場合には15秒であった。
S…セル、10…ハニカム構造体、11…周壁、11a…第1層、11b…第2層、12…区画壁。

Claims (5)

  1. 周壁と、前記周壁の内部を複数のセルに区画する断面ハニカム形状の区画壁とを備えたハニカム構造体であって、
    前記区画壁は、セリア−ジルコニア複合酸化物と無機バインダを構成成分とし、
    前記周壁は、チタニアを含有し、
    前記周壁は、セリア−ジルコニア複合酸化物と無機バインダを構成成分とする第1層と、前記第1層の外周を覆うチタニアを構成成分とする第2層とを備えることを特徴とするハニカム構造体。
  2. 前記区画壁には触媒が担持されていることを特徴とする請求項1に記載のハニカム構造体。
  3. 前記触媒は、貴金属であることを特徴とする請求項2に記載のハニカム構造体。
  4. 前記チタニアの平均粒子径は0.1〜10μmである請求項1〜のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
  5. ガソリン排ガス浄化触媒又はガソリン微粒子捕集フィルタとして用いられることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
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