JP5411367B1 - コンクリート柱の補強構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンクリート柱に大きいせん断力が作用したときでも、補強シートが切断されることを防止でき、コンクリート柱の崩壊を防止できるコンクリート柱の補強構造を提供する。
【解決手段】コンクリート柱1の周囲に、複数枚の囲い鋼板6が該コンクリート柱1を囲むよう配設され、隣接する囲い鋼板1の端部が互いにスライド可能に重なり、囲い鋼板6の周りに補強シート5が巻かれて囲い鋼板6が結束され、コンクリート柱1の外面と囲い鋼板6との間に形成された空間部3にグラウト材7が充填されているコンクリート柱の補強構造である。補強シート5が接着剤により囲い鋼板6の外面に接着されている。囲い鋼板6の端部に、囲い鋼板6の端部のスライドを許容し、かつ端部同士のスライド部分に該スライドを制限する制限部12が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、建造物のコンクリート柱を補強する補強構造に関する。
近年あちこちで起きた大地震により鉄筋コンクリート構造物が大きな被害を受けた。その被害の原因は、コンクリート構造物のせん断破壊であると指摘されている。強震時の多数回交番繰り返し変形により、せん断破壊が増長されてしまうためであると究明されている。このような繰り返し力に対して、鉄筋コンクリートの柱や梁等のコンクリート構造物のせん断破壊を防止し、復元力特性の安定と粘りを確保するには、コンクリート構造物を有効に拘束することが重要であることが知られている。
従来から、鉄筋コンクリート柱の耐震性を高めるために、既設の鉄筋コンクリート柱に種々の補強を施すことが行なわれている。
そのような補強構造の一例は、鉄筋コンクリート柱の周囲に断面がコ字形をした一対の囲い鋼板を配置し、この囲い鋼板の端部を互いに突き合わせ、この突き合わせ部を溶接して両囲い鋼板を互いに接合し、鉄筋コンクリート柱と囲い鋼板との間に形成される空間部内にグラウト材を充填するものである。この構造によれば、囲い鋼板をグラウト材を介して鉄筋コンクリート柱に密着させることができるので鉄筋コンクリート柱が補強される。
しかし、この補強構造では、囲い鋼板を溶接するため、溶接作業時に発生する火花などが周辺の可燃物に引火して火災が起きるおそれがある。しかも、囲い鋼板の端部を正確に付き合わせて溶接する必要があるので、突合せ部の精度が要求される。
ところで、高度成長期(昭和40年後半)以来、駅前あるいは高架下では数多くのコンクリート構造物からなる店舗が建造されてきた。これらのコンクリート構造物は耐震に対する補強が必要であるにもかかわらず、店舗を閉鎖して改造しなければならないことから、耐震補強が施されていないものが数多く残っている。そのため、これらコンクリート構造物の補強が急務となっている。
鋼板を溶接する方法によって鉄筋コンクリート柱を補強する場合は、厚みが9mm以上の鋼板が必要で、大変な重量となるため、鋼板の運搬・施工には重機が必要となる。しかし、これらの所へは重機が入らない場合が多い。人手のみでの施工が要望されている。
囲い鋼板を溶接することなく結束できる鉄筋コンクリート柱の補強構造も提案されている。特開平9−177334号公報(特許文献1)には、図9に示すように、鉄筋コンクリート柱1を囲った囲い鋼板40の端部同士を重ね合わせてボルト・ナット41で連結し、鉄筋コンクリート柱1と囲い鋼板40との間の空間部内にグラウト材42を充填する技術が提案されている。
特開平10−220030号公報(特許文献2)には、図10に示すように、囲い鋼板43の両端部に歯形の係合部44を形成し、隣接する囲い鋼板43,43の係合部44,44同士を重ね合わせると共に噛みあわせることにより囲い鋼板43を締結し、鉄筋コンクリート柱1と囲い鋼板43との間の空間部にグラウト材42を充填する技術が提案されている。
これらの鉄筋コンクリート柱の補強構造によれば、溶接による火災の心配がなく、また突合せ部の精度が要求されない。また、1.6〜3.2mm程度の薄い鋼板を使用できるので、駅前あるいは高架下など店舗が密集した箇所でも人手で施工できる。
しかし、特許文献1および特許文献2に記載の補強構造では、鉄筋コンクリート柱1の大きさに応じて囲い鋼板と柱1との間の空間部のサイズを確定するものであるから、柱1の種類に応じてその空間部のサイズは変更できないという欠点がある。この方法は、鋼板とグラウト材だけで柱を補強するものであるため、補強された鉄筋コンクリート柱の粘りが不十分で、そのためせん断耐力が低い。
そこで、特開2005−23745号公報(特許文献3)には、図11に示すように、鉄筋コンクリート柱1の角部の周囲に断面がL字形に形成された囲い鋼板45を配置し、かつ隣接する囲い鋼板45の端部を相互に重ね合わせたうえで、囲い鋼板45の外周に帯状繊維シート46を巻きつけることによって囲い鋼板45を結束し、4枚の囲い鋼板45と鉄筋コンクリート柱1との間に形成される空間部内にグラウト材42を充填する技術が提案されている。
この補強構造によれば、鉄筋コンクリート柱1の外径寸法に応じて囲い鋼板45をスライドさせることができ、囲い鋼板45と鉄筋コンクリート柱1との間の空間部の大きさは変更可能となる。また、鉄筋コンクリート柱1にせん断力が作用した場合には、囲い鋼板45が相互にスライドすることで帯状繊維シート46に力が伝達する。そのため、鉄筋コンクリート柱の靭性が大きくなり、鉄筋コンクリート柱の耐震性が向上する。
しかし、鉄筋コンクリート柱1に作用するせん断力が大きいときには、そのせん断力の全てが帯状繊維シート46に作用して該繊維シート46が切断する場合がある。帯状繊維シートは、通常、刃物のような鋭利なものに接して初めて切断されるものではあるが、せん断力が大きくかつ急激に働いてそのシートのもつ張力の限界を超えるときには当然のことながら切断される。この帯状繊維シート46が切断されると、鉄筋コンクリート柱1は完全に崩壊してしまう。
特開平9−177334号公報 特開平10−220030号公報 特開2005−23745号公報
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、囲い鋼板の接合部を溶接する必要がなく、安全で施工性に優れたコンクリート柱の補強構造を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、囲い鋼板で囲った内側の空間部の大きさを変更することができるコンクリート柱の補強構造を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、コンクリート柱にせん断力が作用したときでも、耐震性が向上するコンクリート柱の補強構造を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、コンクリート柱に大きくかつ急激にせん断力が作用したときでも、帯状繊維シートが切断されることを防止でき、コンクリート柱の崩壊を防止できるコンクリート柱の補強構造を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は以下を特徴とする。
本発明でいうコンクリート柱は、鉄筋コンクリート柱、鉄骨鉄筋コンクリート柱、鋼管コンクリート柱および鉄骨柱を含む。鉄骨柱はコンクリートを含まないが、本発明では鉄骨柱もコンクリート柱に含めるものとする。
(項目1)
コンクリート柱の周囲に、複数枚の囲い鋼板が該コンクリート柱を囲むよう配設され、隣接する該囲い鋼板の端部が互いにスライド可能に重なり、
該囲い鋼板の周りに補強シートが巻かれて該囲い鋼板が結束され、
該コンクリート柱の外面と該囲い鋼板との間に形成された空間部にグラウト材が充填されているコンクリート柱の補強構造であって、
該補強シートが接着剤により該囲い鋼板の外面に接着され、
該端部同士のスライド部分に該スライドを制限する制限部が設けられているコンクリート柱の補強構造。
(項目2)
前記制限部が、前記囲い鋼板の端部にスライド抵抗を与えるための摩擦部である項目1に記載のコンクリート柱の補強構造。
(項目3)
前記摩擦部が、前記囲い鋼板の端部の対向する面に形成された凹凸である項目2に記載のコンクリート柱の補強構造。
(項目4)
前記制限部が、前記囲い鋼板の一方のスライド端部に水平方向に長く形成された長孔と、該端部とスライドするもう一方の囲い鋼板端部に固定されかつ該長孔内に挿通されるストッパーと、を有する項目1に記載のコンクリート柱の補強構造。
(項目5)
前記制限部を構成する前記長孔の長手方向端面に前記ストッパーが接して前記これら囲い鋼板の間のスライド距離を制限する項目4に記載のコンクリート柱の補強構造。
(項目6)
前記制限部が、互いにスライドする鋼板端部に設けた一方端部の長孔と、もう一方端部の固定金具とを備え、該固定金具が、該長孔に挿通されるボルトとこれに螺合するナットを有し、該ボルトのネジ部と該ナットとの螺合によって、外側に配設された該一方の囲い鋼板の長孔の周縁が該ナットと内側に位置することになる該もう一方の囲い鋼板との間で挟まれる項目4に記載のコンクリート柱の補強構造。
(項目7)
前記コンクリート柱の横断面が四角形状であり、前記囲い鋼板の横断面形状がL字形である項目1〜6のいずれかの項に記載のコンクリート柱の補強構造。
(項目8)
複数枚の囲い鋼板を、隣接する該囲い鋼板の端部が一部重なりあって互いにスライド可能にコンクリート柱の周囲に配置する工程、
該鋼板の周りに接着剤を塗布する工程、
該接着剤が塗布された鋼板の周りに補強シートを巻いて該鋼板を結束する工程、および
該コンクリート柱の外面と該鋼板との間に形成された空間部にグラウト材を充填する工程、
を包含するコンクリート柱の補強方法であって、
該スライド可能部分にスライドを許容しつつも、スライドを制限する制限部が設けられたコンクリート柱の補強方法。
本発明によれば、囲い鋼板を接着剤を用いた補強シートによって結束しているので、従来のように溶接作業をする必要がなく、従って溶接作業時に発生する火花による火災が起きることがない。しかも、隣接する囲い鋼板の端部を重ねて通常時は互いに締結されているが、大きくかつ急激にせん断力が作用したときにはスライドさせるようにしているので、囲い鋼板の端部を付き合わせる必要もなく、施工精度が安定化する。さらに、囲い鋼板とコンクリート柱との間の空間部の大きさを変更でき、コンクリート柱の外形寸法に誤差があっても、グラウト材を充填するための間隔を正確に確保することができる。
コンクリート柱にせん断力が作用したときには、囲い鋼板の端部が相互にスライドすると共に補強シートに力を伝達するため、補強されたコンクリート柱の靭性が大きくなる。それゆえ、補強されたコンクリート柱の耐震性が向上する。
この囲い鋼板の端部同士のスライド部分に、このスライドを制限する制限部が設けられているので、コンクリート柱に大きくかつ急激にせん断力が作用した場合でも、囲い鋼板の制限部によってその力の一部を制限でき、そのせん断力の全てが補強シートに作用することがない。
特に、制限部として、囲い鋼板の端部のスライドに抵抗を与える摩擦部を形成する。この摩擦部は、コンクリート柱にせん断力が作用したときにも、一対の鋼板の端部は締結を維持するが、さらにせん断力が加わるとスライドを許容する。そして、そのスライド移動には摩擦抵抗が生じて補強シートに作用する力が抑制される。このような一連の力の移動を通じ補強シートの張力が有効に作用してコンクリート柱の耐震性が向上する。
さらに、制限部が、囲い鋼板の端部に水平方向に長く形成された長孔と、隣接する囲い鋼板の端部に固定され、該長孔内にスライド可能に挿通されるストッパーとを有すると、ストッパーの移動が長孔内で規制されるため、囲い鋼板の端部を無制限に相互にスライドさせることがなく、その結果補強シートの切断を防止でき、大地震によって建物が崩壊することを防止することができる。
本発明の一実施例の鉄筋コンクリート柱の補強構造の斜視図である。 図1に示す鉄筋コンクリート柱の補強構造の要部の断面図である。 図1に示す鉄筋コンクリート柱の補強構造の要部の拡大断面図である。 囲い鋼板に形成した摩擦部の説明図である。 本発明の他の実施例の鉄筋コンクリート柱の補強構造の正面図である。 図5に示す鉄筋コンクリート柱の補強構造の要部拡大断面図である。 本発明のさらに他の実施例の鉄筋コンクリート柱の補強構造の正面図である。 図7に示す鉄筋コンクリート柱の補強構造の要部拡大断面図である。 従来の鉄筋コンクリート柱の補強構造の断面図である。 他の従来の鉄筋コンクリート柱の補強構造の断面図である。 さらに他の従来の鉄筋コンクリート柱の補強構造の斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
以下の実施例では鉄筋コンクリート柱について説明するが、コンクリート柱の中が鉄筋であれ鉄骨であれそしてその組み合わせであれ、本発明の補強構造の施工上差異はないので、本発明は鉄筋コンクリート柱に限らず、鉄骨鉄筋コンクリート柱、鋼管コンクリート柱および鉄骨柱にも同様に適用することができる。
(第1実施例)
図1に示すように、横断面が四角形状に形成された鉄筋コンクリート柱1の周囲に、横断面L字形の囲い鋼板6が4枚該鉄筋コンクリート柱1を囲むよう配設されている。それぞれの囲い鋼板6は鉄筋コンクリート柱1の角部を囲むように配設される。一方の囲い鋼板6の端部に、隣接する他方の囲い鋼板6の端部が重ね合わせられる。鉄筋コンクリート柱1の一般的なサイズは600×600mmまたは800×800mmである。
囲い鋼板6は、例えば、厚み1.6〜3.2mm程度の鋼板を横断面L字形に折り曲げて形成されている。L字形に形成される囲い鋼板6の一方側の板状部と他方側の板状部の長さは同じとしてもよく、長さを変えてもよい。
図2〜図4に示すように、囲い鋼板6の重ね合わせられた端部の対向する面に制限部として摩擦部12が形成されている。摩擦部12の幅寸法(つまり、摩擦部の面積)は任意に設定することができる。
該摩擦部12は、囲い鋼板6の端部の対向する面に設けられた凹凸であり得る。この凹凸は突条および/または凹溝13を含むことができ、例えば、図4に示すように、囲い鋼板6の端部の対向する面に凹溝13を格子状に設け、あるいは突状を格子状に設けることにより摩擦部12を形成することができる。囲い鋼板6の端部の対向する面に多数の突部を設けることにより摩擦部12を形成してもよい。
この摩擦部12は、鉄筋コンクリート柱1にせん断力が作用したときに、一対の囲い鋼板6の端部の相対的なスライドを許容しながら、そのスライド移動に抵抗を与えるものである。その摩擦部12のスライド抵抗力(摩擦力)は、予想される鉄筋コンクリート柱1が受けるせん断力に応じて設定される。
補強シート5は、囲い鋼板6の外面に接着剤により張り付けられて囲い鋼板6を結束している。
強大な地震などにより鉄筋コンクリート柱に大きく急激にせん断力が作用したときに、従来のような繊維シートを使用する構造物は言うに及ばず、本発明の構造物といえども接着剤を使用しなければ、構造物自体が全体として一体にならないため、全体としての補強強度が必ずしも満足のゆく構造体にならない。
補強シート5を囲い鋼板6の外面に接着剤により張り付けるには、次のように行うことができる。
囲い鋼板6の外面に接着剤を塗布し、補強シート5を囲い鋼板6の外側に張り付ける。補強シート5は所定幅を有し、かつ水平方向に長い所定長さのシートを複数枚使用し、囲い鋼板6の外面に上下に複数段に張り付けてもよい。あるいは連続する補強シート5を用いて、柱1の上下に亘って補強シート5を巻きつけてもよい。このようにして、典型的には、補強シート5によって囲い鋼板6の全面を覆う面状のシートが形成される。補強シート5を囲い鋼板6の全面に張り付けることなく、補強シート5を囲い鋼板6の周囲の一部に張り付けてもよい。
補強シート5としては、一方向に長い多数の繊維からなる帯状繊維シートから調製することができる。繊維は、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ポリエチレン繊維などを使用することができる。これらの帯状繊維シートに弾性および強度に優れた合成樹脂を含浸させたもので補強シート5を構成してもよい。そのような合成樹脂としては、ポリウレア、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリエステルなどを使用することができる。靭性に優れている点でポリウレアが好ましい。廃棄可能な樹脂を使用するという点では、例えば、ポリエステルが好ましい。これらの合成樹脂を刷毛、ロール、スプレーなどによって補強シートおよび/または囲い鋼板6の外面に塗布、吹き付けしてもよい。通常は、補強シート5の張り付け後、合成樹脂は硬化する。
上記接着剤としては、エポキシ系接着剤、メタクリル系接着剤、アクリル系接着剤など公知の接着剤を使用することができる。
補強シート5を囲い鋼板6の周囲に巻きつけ結束すると、図1に示したように、鉄筋コンクリート柱1の外面と囲い鋼板6との間に空間部3が形成される。この空間部3内にグラウト材7が充填されている。囲い鋼板6の端部を隣接する囲い鋼板6の端部にスライド可能に接合することで、囲い鋼板6と鉄筋コンクリート柱1との間にほぼ一定の間隔が設けられる。この空間部に充填されたグラウト材7によって囲い鋼板6は鉄筋コンクリート柱1と一体化することになる。
次に、鉄筋コンクリート柱の補強方法を説明する。
図1に示すように、鉄筋コンクリート柱1の周囲に囲い鋼板6を4枚該鉄筋コンクリート柱1を囲むよう配置する。その際、隣接する囲い鋼板6の端部同士は互いに重なる。
次に、囲い鋼板6の外面に接着剤を塗布し、囲い鋼板6の外面に所定長さの補強シート5を一重または2重以上に張り付けて面状シートを形成する。連続する補強シート5を囲い鋼板6の周囲に張り付けて面状のシートを形成するもできる。
鉄筋コンクリート柱1と囲い鋼板6との間に形成される空間部3内にグラウト材7を充填して固化させ、鉄筋コンクリート柱1に囲い鋼板6を固着させる。
このような鉄筋コンクリート柱1の補強方法では、鉄筋コンクリート柱1と囲い鋼板6との間に充填されたグラウト材を介して囲い鋼板6と鉄筋コンクリート柱1とが一体化し、鉄筋コンクリート柱の強度が向上する。しかも、囲い鋼板6が相互にスライドすることで補強シート5に力が伝達するため靭性が大きくなる。
一対の囲い鋼板6がスライドする際に、囲い鋼板6に設けた摩擦部12がスライド移動に抵抗を与えるために、鉄筋コンクリート柱1のせん断耐力が向上する。囲い鋼板6に巻きつける補強シート5の巻き数を増減することによって鉄筋コンクリート柱1の補強強度を調整することもできる。
(第2実施例)
図5および図6に示すように、制限部は、一方の囲い鋼板6の端部に形成された水平方向に長い長孔16と、隣接する他方の囲い鋼板6の端部に固定されたストッパー23とを有してもよい。このストッパー23は囲い鋼板6の表面から突出して長孔16に挿入されている。
ストッパー23は内側に配置されている囲い鋼板6の端部に溶接、ネジなどによって固定されている。ストッパー23の外径は長孔16の短径寸法よりも小寸法とされ、長孔16内を水平方向へ移動可能である。このストッパー23のスライド可能な距離は、補強シート5が引っ張りにより切断する限度以内に設定される。
隣接する囲い鋼板6が相対的にスライドすると、該ストッパー23が長孔16の端面に当たるために、該囲い鋼板6のスライドが制限される。
この実施例によれば、囲い鋼板6のスライド距離がストッパー23の移動距離内に制限されるため、鉄筋コンクリート柱1に予想以上の強度のせん断力が作用したときに特に有効である。この囲い鋼板6の相対的な一定距離のスライド移動は許容されるが、設定距離以上のスライド移動はできない。それゆえ、補強シート5が破断する前に囲い鋼板6の移動が規制されるので、補強シート5が破断して鉄筋コンクリート柱1が崩壊する事態を防止することができる。
外側の囲い鋼板6にはストッパー23を挿通するための長孔16が形成されるだけであるので、囲い鋼板6の強度低下を防止することもできる。
なお、上記構成とは逆に、内側に配置された囲い鋼板6の端部に水平方向に長く形成された長孔と、外側に配置された囲い鋼板6の端部に固定され該長孔内に挿通されるストッパーとから制限部を構成してもよい。
(第3実施例)
この実施例は、摩擦部と長孔での移動制限との両者を組み合わせたものである。
図5および図6で示したストッパーの代わりに、図7および図8に示すように、固定金具18が内側に配置された囲い鋼板6に固定されている。
固定金具18は、囲い鋼板6の端部に固定されたボルト19と該ボルト19のネジ部に螺合されるナット20とを有する。該ボルト19のネジ部が長孔16に挿通され、該ボルト19先端のネジ部にナット20を螺合することによって、外側に配置された囲い鋼板6の長孔16の周縁が該ナット20と内側の囲い鋼板6との間で挟まれ、内側の囲い鋼板6および外側の囲い鋼板6の接触面39に摩擦力が生じる。
ナット20の回転を円滑にするため、ワッシャあるいはスリーブなどをナット20と囲い鋼板6との間に配設してもよい。
このように、囲い鋼板6の制限部を、外側に配置された囲い鋼板6の端部に形成した長孔16と、内側に配置された囲い鋼板6の端部に固定した金具18とから構成すると、囲い鋼板6の外側からの操作によりナット20をボルト19のネジ部に螺合することによって両囲い鋼板6、6間のスライド抵抗力を調整することができ、施工性に優れる。上記金具18の移動は長孔16内で規制されるので、金具18はストッパーとしても機能する。
なお、囲い鋼板の端部に設けた制限部は、上記実施例に限定されない。例えば、囲い鋼板に設けた凹凸の程度(深さ、面積など)を変えることにより、囲い鋼板6の端部のスライド移動量が増大するにつれて、摩擦力が徐々にまたは段階的に増大するよう構成してもよい。また、囲い鋼板の厚みを連続的あるいは間歇的に増大させることにより、囲い鋼板がスライド移動するにつれてそのスライドが制限されるよう構成してもよい。
上記各実施形態では、鉄筋コンクリート柱1の断面形状は四角形であるが、鉄筋コンクリート柱1は4角形以外の多角柱(例えば、5角柱、6角柱など)、円柱などであっても本発明は適用できる。その場合、囲い鋼板6の折り曲げ角度は柱1の外形に沿った形状とされる。例えば、円柱用の囲い鋼板6の断面形状は、円柱の外形に沿った円弧状、半円形、扇形とされる。
囲い鋼板の数は4枚に限らず、搬送時の重量などを考慮して適宜設定される。四角柱の鉄筋コンクリート柱に適用する場合は、例えば、断面コ字形に形成した2枚の囲い鋼板を使用することもできる。囲い鋼板を上下に複数連結して柱の周りに取り付けるようにしてもよい。
本発明は、建造物の耐震性を高めるため、建造物の鉄筋コンクリート柱、鉄骨鉄筋コンクリート柱、鋼管コンクリート柱および鉄骨柱など既存柱を補強する補強構造を提供する。
1 鉄筋コンクリート柱
3 空間部
5 補強シート
6 囲い鋼板
7 グラウト材
12 摩擦部
13 凹溝
16 長孔
18 金具
23 ストッパー

Claims (8)

  1. コンクリート柱の周囲に、複数枚の囲い鋼板が該コンクリート柱を囲むよう配設され、隣接する該囲い鋼板の端部が互いにスライド可能に重なり、
    該囲い鋼板の周りに補強シートが巻かれて該囲い鋼板が結束され、
    該コンクリート柱の外面と該囲い鋼板との間に形成された空間部にグラウト材が充填されているコンクリート柱の補強構造であって、
    該補強シートが接着剤により該囲い鋼板の外面に接着され、
    該端部同士のスライド部分に該スライドを制限する制限部が設けられているコンクリート柱の補強構造。
  2. 前記制限部が、前記囲い鋼板の端部にスライド抵抗を与えるための摩擦部である請求項1に記載のコンクリート柱の補強構造。
  3. 前記摩擦部が、前記囲い鋼板の端部の対向する面に形成された凹凸である請求項2に記載のコンクリート柱の補強構造。
  4. 前記制限部が、前記囲い鋼板の一方のスライド端部に水平方向に長く形成された長孔と、該端部とスライドするもう一方の囲い鋼板端部に固定されかつ該長孔内に挿通されるストッパーと、を有する請求項1に記載のコンクリート柱の補強構造。
  5. 前記制限部を構成する前記長孔の長手方向端面に前記ストッパーが接して前記これら囲い鋼板の間のスライド距離を制限する請求項4に記載のコンクリート柱の補強構造。
  6. 前記制限部が、互いにスライドする鋼板端部に設けた一方端部の長孔と、もう一方端部の固定金具とを備え、該固定金具が、該長孔に挿通されるボルトとこれに螺合するナットを有し、該ボルトのネジ部と該ナットとの螺合によって、外側に配設された該一方の囲い鋼板の長孔の周縁が該ナットと内側に位置することになる該もう一方の囲い鋼板との間で挟まれる請求項4に記載のコンクリート柱の補強構造。
  7. 前記コンクリート柱の横断面が四角形状であり、前記囲い鋼板の横断面形状がL字形である請求項1〜6のいずれかの項に記載のコンクリート柱の補強構造。
  8. 複数枚の囲い鋼板を、隣接する該囲い鋼板の端部が一部重なりあって互いにスライド可能にコンクリート柱の周囲に配置する工程、
    該鋼板の周りに接着剤を塗布する工程、
    該接着剤が塗布された鋼板の周りに補強シートを巻いて該鋼板を結束する工程、および
    該コンクリート柱の外面と該鋼板との間に形成された空間部にグラウト材を充填する工程、
    を包含するコンクリート柱の補強方法であって、
    該スライド可能部分にスライドを許容しつつも、スライドを制限する制限部が設けられたコンクリート柱の補強方法。
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