JP5410774B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents
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Description
図1は本発明の第1の実施形態の有機EL素子を模式的に示す図である。なお以下の説明において、支持基板1の厚み方向の一方を上方(または上)といい、支持基板1の厚み方向の他方を下方(または下)という場合がある。この上下関係の表記は説明の便宜のために設定したものであり、実際に有機EL素子が製造される工程および使用される状況に適用されるものでは必ずしもない。
透明な第2電極4は、3層の積層体から構成されており、発光部3側から以下の順に積層された第1層4a、第2層4b、第3層4cの3層からなる。
封止基板5は、支持基板1上に配置された陽極2、発光部3,陰極4からなる発光機能部を保護するために設けられる。この封止基板5は、本実施形態では光が出射する側の透明基板に相当し、第2電極4の発光部3側とは反対側に接して配置される。
上記発光部3は、発光層7と、陽極(第1電極)2と発光層7との間に必要に応じて設けられる層6と、発光層7と陰極(第2電極)4との間に必要に応じて設けられる層8とから構成されている。
第2電極4は第1層4a、第2層4b、第3層4cの3層の積層体から構成されている。第1層4a、第2層4b、第3層4cは、発光部6側からこの順に配置されている。
3LiF+Al→3Li+AlF3、ΔrH°=−36.28
となり、吸熱反応であることからAlはLiFに対して還元作用を有しない。またLiFとCaの組み合わせでは、
2LiF+Ca→2Li+CaF2、ΔrH°=+38.58
となり、放熱反応であることからCaはLiFに対して還元作用を有する。
(1)2BaO+Al→2Ba+AlO2,ΔrH°=+197.6
(2)BaO+Ca→Ba+CaO,ΔrH°=+172.4
(3)BaO+Mg→Ba+MgO,ΔrH°=+217.2
(4)BaF+Ca→Ba+CaF,ΔrH°=+55.2
(5)2BaF+Ca→2Ba+CaF2,ΔrH°=+51.0
(6)BaF+Mg→Ba+MgF,ΔrH°=+135.9
(7)2BaF+Mg→2Ba+MgF2,ΔrH°=+139.3
(8)2LiF+Ca→2Li+CaF2,ΔrH°=+38.5
(9)CsF+Ca→Cs+CaF,ΔrH°=+14.7
(10)CsF+Ag→Cs+AgF,ΔrH°=+158.0
(11)Cs2CO3+Al→2Cs+AlO+CO2,ΔrH°=+303.0
(12)Cs2CO3+Ca→2Cs+CaO+CO2,ΔrH°=+431.6
(13)Cs2CO3+Ag→2Cs+AgO+CO2,ΔrH°=+595.4
(14)2Na2O+Al→4Na+AlO2,ΔrH゜=+41.7
(15)2Rb2O+Al→4Rb+AlO2,ΔrH゜=+41.7
(16)Rb2O+Ca→2Rb+CaO,ΔrH゜=+94.4
第3層4cは、当該第3層4cの屈折率をn1、透明基板(封止基板5)の屈折率をn2とすると、n1およびn2がそれぞれ次式(1)
上記第2電極4の第3層4cは、透明の膜本体と、膜本体中に配置され、導電性を有するワイヤ状の導電体とを含んで構成されることが好ましい。透明の膜本体は、可視光領域の光の透過率が高いものが好適に用いられ、樹脂や無機ポリマー、無機−有機ハイブリッド化合物などを含んで構成される。透明の膜本体としては、樹脂の中でも導電性を有する樹脂が好適に用いられる。このようにワイヤ状の導電体に加えて、導電性を有する膜本体を用いることによって、第3層4cの低電気抵抗化(以下、電気抵抗を略して抵抗という場合がある)を図ることができる。このように第3層4cの抵抗を小さくすることによって、透明な第2電極4での電圧降下を抑制し、有機EL素子の低電圧駆動を実現するとともに、輝度ムラを抑制することができる。
またワイヤ状の導電体は、一部が第3層4cの封止基板5の表面寄りに配置されることが好ましい。このようにワイヤ状の導電体を配置することによって、第3層4cの表面部の抵抗を下げることができる。
ワイヤ状の導電体は、例えば曲線状でも、針状でもよい。曲線状及び/又は針状の導電体が互いに接触し合って網目構造を形成することによって、体積抵抗率の低い第3層4cを実現することができる。
ワイヤ状の導電体の材料としては、抵抗の低い金属が好適に用いられ、例えば、Ag、Au、Cu、Alおよびこれらの合金などを挙げることができる。ワイヤ状の導電体は、例えばN.R.Jana, L.Gearheart and C.J.Murphyによる方法(Chm.Commun.,2001, p617-p618)や、C.Ducamp-Sanguesa, R.Herrera-Urbina, and M.Figlarz等による方法(J. Solid State Chem.,Vol.100, 1992, p272〜p280)によって製造することができる。
第3層4cを成膜する方法としては、例えばワイヤ状の導電体を樹脂に練り込むことによって、ワイヤ状の導電体を樹脂に分散させる方法、ワイヤ状の導電体と、樹脂とを分散媒に分散させた分散液を、塗布液に用いる塗布法によって成膜化する方法、およびワイヤ状の導電体を樹脂から成る膜の表面にコーティングし、導電体を膜中に分散させる方法などを挙げることができる。
なお第3層4cには必要に応じて界面活性剤や酸化防止剤などの各種添加剤を加えてもよい。樹脂の種類は、屈折率、透光率および電気抵抗などの第3層4cの特性に応じて適宜選ばれる。
また、ワイヤ状の導電体を分散させる量は、第3層4cの電気抵抗、ヘイズ値および透光率などに影響するので、第3層4cの特性に応じて適宜設定される。
また第2電極4の全層を通る光の可視光透過率は、40%以上であることが好ましい。
支持基板1としては、有機EL素子を形成する工程において変化しないものが好ましく、リジッド基板でも、フレキシブル基板でもよい。支持基板1には例えば、ガラス板、プラスチック板、高分子フィルムおよびシリコン板、並びにこれらを積層した積層板などが好適に用いられる。
本実施形態において第1電極2は、所定の層を介して、又は介さずに基板1上に設けられる。第1電極2は、発光層7から放射される光を第2電極4側へ反射させる反射電極として設けられることが好ましく、可視光に対する反射率が80%以上であることが好ましい。また第1電極2は、支持基板1に形成される駆動回路に接続されることが好ましい。例えばアクティブマトリックス駆動方式用の回路が形成されたTFT基板に形成された電極を第1電極として用いればよい。
(1) Al
(2) Ag
(3) Ag−MoO3
(4) AgとPdとCuとの合金−ITO
(5) AlとNdとの合金−ITO
(6) MoとCrとの合金−ITO
(7) Cr−Al−Cr−ITO
(8) Cr−Ag−Cr−ITO
(9) Cr−Ag−Cr−ITO−MoO3
(10) AgとPdとCuとの合金−IZO
(11) AlとNdとの合金−IZO
(12) MoとCrとの合金−IZO
(13) Cr−Al−Cr−IZO
(14) Cr−Ag−Cr−IZO
(15) Cr−Ag−Cr−IZO−MoO3
なお上記(3)〜(15)までの表記において、記号「−」は、各積層間の界面を表し、表記の左側が基板側である。十分な光反射率を得る為に、Al、Ag、Al合金、Ag合金などの高光反射性金属層の膜厚は50nm以上である事が好ましく、より好ましくは80nm以上である。ITO、IZOなどの高仕事関数材料層の膜厚は通常、5nm〜500nmである。
陽極(第1電極2)と発光層7との間に必要に応じて設けられる層6としては、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層等が挙げられる。
電子ブロック層が電子の輸送を堰き止める機能を有することは、例えば、電子電流のみを流す素子を作製し、その電流値の減少で堰き止める効果を確認することが可能である。
正孔注入層を構成する材料としては、公知の材料を適宜用いることができる。例えば、フェニルアミン系、スターバースト型アミン系、フタロシアニン系、ヒドラゾン誘導体、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、アミノ基を有するオキサジアゾール誘導体、酸化バナジウム、酸化タンタル、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウム等の酸化物、アモルファスカーボン、ポリアニリン、ポリチオフェン誘導体等が挙げられる。
正孔輸送層を構成する材料としては例えば、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)4,4’−ジアミノビフェニル(TPD)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)等の芳香族アミン誘導体、ポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体、ポリシランもしくはその誘導体、側鎖もしくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体、ポリアリールアミンもしくはその誘導体、ポリピロールもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)もしくはその誘導体、またはポリ(2,5−チエニレンビニレン)もしくはその誘導体などが例示される。
アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、1価の複素環基としては、ピリジル基等が挙げられ、これらの基は置換基を有していてもよい。
溶液からの成膜方法としては、前述した正孔注入層の成膜法と同様の塗布法を挙げることができる。
発光層7は通常、主として蛍光または燐光を発光する有機物を有する。発光層7は、有機物として低分子化合物及び/又は高分子化合物を含んでいる。発光層7はさらにドーパント材料を含んでいてもよい。発光層を形成する材料としては、例えば以下のものが挙げられる。なお陽極(第1電極)2と陰極(第2電極)4との間には、一層の発光層に限らず、複数の発光層が配置されてもよい。
色素系材料としては、例えば、シクロペンダミン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体化合物、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ピロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマーなどが挙げられる。
金属錯体系材料としては、例えばTb、Eu、Dyなどの希土類金属、またはAl、Zn、Be、Ir、Ptなどを中心金属に有し、オキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造などを配位子に有する金属錯体を挙げることができ、例えばイリジウム錯体、白金錯体などの三重項励起状態からの発光を有する金属錯体、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾリル亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、フェナントロリンユーロピウム錯体などを挙げることができる。
高分子系材料としては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、上記色素体や金属錯体系発光材料を高分子化したものなどが挙げられる。
また、緑色に発光する材料としては、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、およびそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることができる。なかでも高分子材料のポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などが好ましい。
また、赤色に発光する材料としては、クマリン誘導体、チオフェン環化合物、およびそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることが出来る。なかでも高分子材料のポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体などが好ましい。
発光層中に発光効率の向上や発光波長を変化させるなどの目的で、ドーパントを添加することができる。このようなドーパントとしては、例えば、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾロン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾンなどを挙げることができる。なお、このような発光層の厚さは、通常約20〜2000Åである。
有機物を含む発光層の成膜方法としては、溶液からの成膜方法、真空蒸着法、転写法などを用いることができる。溶液からの成膜に用いる溶媒の具体例としては、前述の溶液から正孔輸送層を成膜する際に正孔輸送材料を溶解させる溶媒として例示した溶媒と同様の溶媒が挙げられる。
記発光層7と第2電極(陰極)4との間に必要に応じて設けられる層8としては、電子注入層、電子輸送層、正孔ブロック層等が挙げられる。
正孔ブロック層が正孔の輸送を堰き止める機能を有することは、例えばホール電流のみを流す素子を作製し、その電流値の減少で堰き止める効果を確認することが可能である。
電子注入層を構成する材料としては、発光層の種類に応じて最適な材料が適宜選択され、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルカリ金属およびアルカリ土類金属のうちの1種類以上含む合金、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の酸化物、ハロゲン化物、炭酸化物、またはこれらの物質の混合物などを挙げることができる。アルカリ金属、アルカリ金属の酸化物、ハロゲン化物、および炭酸化物の例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、酸化リチウム、フッ化リチウム、酸化ナトリウム、フッ化ナトリウム、酸化カリウム、フッ化カリウム、酸化ルビジウム、フッ化ルビジウム、酸化セシウム、フッ化セシウム、炭酸リチウムなどを挙げることができる。また、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属の酸化物、ハロゲン化物、炭酸化物の例としては、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム、酸化カルシウム、フッ化カルシウム、酸化バリウム、フッ化バリウム、酸化ストロンチウム、フッ化ストロンチウム、炭酸マグネシウムなどを挙げることができる。電子注入層は、2層以上を積層した積層体で構成されてもよく、例えばLiF/Caなどを挙げることができる。電子注入層は、蒸着法、スパッタリング法、印刷法などにより形成される。電子注入層の膜厚としては、1nm〜1μm程度が好ましい。
電子輸送層を形成する材料としては、公知のものが使用でき、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタンもしくはその誘導体、ベンゾキノンもしくはその誘導体、ナフトキノンもしくはその誘導体、アントラキノンもしくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタンもしくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレンもしくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、または8−ヒドロキシキノリンもしくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリンもしくはその誘導体、ポリキノキサリンもしくはその誘導体、ポリフルオレンもしくはその誘導体等が例示される。
本実施形態では透明な第2電極4は3層構造を有しており、その構成は先に詳述した通りである。
a)陽極/発光層/陰極
b)陽極/正孔注入層/発光層/陰極
c)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極
e)陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/陰極
f)陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
d)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
e)陽極/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極
f)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
g)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
h)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
i)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極
j)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
k)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
l)陽極/発光層/電子注入層/陰極
m)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
n)陽極/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(ここで、記号「/」は、記号「/」を挟む各層が隣接して積層されていることを示す。以下同じ。)
o)陽極/(繰り返し単位A)/電荷発生層/(繰り返し単位A)/陰極
また3層以上の発光層を有する有機EL素子としては、「(繰り返し単位A)/電荷発生層」を「繰り返し単位B」とすると、以下のp)に示す層構成を挙げることができる。
p)陽極/(繰り返し単位B)x/(繰り返し単位A)/陰極
なお記号「x」は、2以上の整数を表し、(繰り返し単位B)xは、繰り返し単位Bがx段積層された積層体を表す。
ここで、電荷発生層とは電界を印加することにより、正孔と電子を発生する層である。電荷発生層としては、例えば酸化バナジウム、ITO、酸化モリブデンなどから成る薄膜を挙げることができる。
上述のように封止基板5は第2電極(陰極)4が形成された後に、陽極2、発光部3,陰極4からなる発光機能部を保護するために設けられる。この封止基板5は通常、前記支持基板1と同様の部材によって構成される。本実施形態では封止基板5は、光透過性を有する。封止基板5の屈折率n2と第2陰極4の第3層4cの屈折率n1とは、上記式(1)に示す関係にある。封止基板5としては通常、支持基板の部材として例示したものを使用するので、例示した部材のうちで、第2陰極4の第3層4cの屈折率n1との関係において式(1)を満たす部材が適宜選択される。
なお以上ではアクティブマトリクス型の表示装置に有機EL素子を適用する際の形態について説明したが、これに限らずに本実施形態の有機EL素子を例えばパッシブマトリクス型の表示装置に用いてもよい。
次に図2を参照して本発明の第2の実施形態の有機EL素子を説明する。
図1に示す第1の本実施形態の有機EL素子では、封止基板5から光を取りだしているのに対して、図2に示す第2の実施形態の有機EL素子では、発光機能部の積層順を逆順にして、透明な支持基板11の上に、透明な陰極(第2電極)12、発光部13、陽極(第1電極)14がこの順で積層されており、発光部13からの光を支持基板11から取り出している。
また前述の各実施の形態では第1電極を陽極とし、透明な第2電極を陰極としているが、第1電極を陰極とし、透明な第2電極を陽極として用いてもよい。
(A:第1電極(陽極)の形成)
第1電極(陽極)として厚さ100nmの銀層をガラス基板上に真空蒸着法にて成膜した。銀層は反射率90%の光反射陽極である。さらに真空を保ったまま、正孔注入層として厚さ10nmのMoO3層を銀層上に成膜した。
正孔輸送性高分子材料とキシレンとを混合し、正孔輸送性高分子材料の0.7重量%キシレン溶液(正孔輸送層形成用組成物)を得た。上記(A)において陽極及び正孔注入層が形成された基板を真空装置より取り出し、正孔注入層上に、正孔輸送層形成用組成物をスピンコート法により塗布し、膜厚20nmの塗膜を得た。塗膜が形成された基板を190℃で20分間加熱し、塗膜を不溶化させた後、室温まで自然冷却し、正孔輸送層を得た。
発光高分子材料とキシレンとを混合し、発光高分子材料の1.4重量%キシレン溶液(発光層形成用組成物)を得た。上記(B)において正孔輸送層が形成された基板上に、発光層形成用組成物(有機発光インキ)をスピンコート法により塗布し、膜厚80nmの塗膜を得た。塗膜が形成された基板を130℃で20分間加熱し、溶媒を蒸発させた後、室温まで自然冷却し、発光層を得た。
上記(C)において発光層が形成された基板上に、真空蒸着法によって、第2電極(陰極)の第1層である5nmのBa層、第2層である5nmのCa層、第3層である15nmのSn−Ag合金(モル比はSn:Ag=96:4)層を連続的に成膜し、第1層〜第3層からなる陰極を形成した。
上記(D)において第2電極が形成された基板を真空蒸着装置より取り出し、窒素雰囲気下、封止ガラス及び2液混合エポキシ樹脂にて前記基板上の発光機能部を封止し、有機EL素子E1を得た。
上記(E)で得られた素子に0V〜12Vまでの電圧を印加し、最大発光効率を測定した。さらに初期輝度6000cd/m2となる電流で通電し、一定電流を通電の下、輝度半減寿命を測定した。結果を(表1)に示す。
第2電極(陰極)の第3層として15nmのCu層を成膜した他は、作製例1と同様に操作し、有機EL素子E2を得て評価した。結果を(表1)に示す。
第2電極(陰極)の第2層として1nmのAl層、第3層として15nmのCu層を成膜した他は、作製例1と同様にして有機EL素子E3を作製し、得られた有機EL素子E3を作製例1と同様に評価した。結果を(表1)に示す。
第2電極(陰極)の第3層として15nmのAg層を成膜した他は、作製例3と同様にして有機EL素子E4を作製し、得られた有機EL素子E4を作製例1と同様に評価した。結果を(表1)に示す。
以上の作製例1〜4の第3層を、上記の材料で上記の膜厚にそれぞれ形成した場合、各作製例の第3層の可視光透過率はそれぞれ40%以上となる。
第2電極(陰極)のCa層を成膜せず、第1層上に直接15nmのSn−Ag合金層を成膜した他は、作製例1と同様にして有機EL素子E5を作製し、得られた有機EL素子E5を作製例1と同様に評価した。結果を(表1)に示す。
第2電極(陰極)のCa層を成膜せず、第1層上に直接15nmのCu層を成膜した他は、作製例1と同様にして有機EL素子E6を作製し、得られた有機EL素子E6を作製例1と同様に評価した。結果を(表1)に示す。
また作製例2、作製例3及び比較例2を参照すれば明らかな通り、Baの第1層、Ca又はAlの第2層、及びCuの第3層の3層からなる陰極を使用すると、かかる第2層を省略しBaの層及びCuの層の2層のみからなる陰極を使用した場合に比べて、発光効率および輝度半減寿命が優れていた。
さらに作製例4に示される通り、Baの第1層及びAlの第2層に加えて第3層としてAgのみからなる層を用いた場合に、発光効率及び輝度半減寿命のいずれもが最も優れていた。
第2電極(陰極)の第1層として3.5nmのLiF層、第2層として4nmのCa層、第3層として15nmのAg層を成膜した他は、作製例1と同様に操作し、有機EL素子E7を得て評価した。結果を(表2)に示す。
第2電極(陰極)の第1層として3.5nmのLiF層を成膜し、Ca層を成膜せず第1層上に直接15nmのAg層を成膜した他は、作製例1と同様に操作し、有機EL素子E8を得て評価した。結果を(表2)に示す。
ワイヤ状の導電体として、アミノ基含有高分子系分散剤(アイ・シー・アイ・ジャパン社製、商品名「ソルスパース24000SC」)で表面を保護した銀ナノワイヤー(長軸平均長さ1μm、短軸平均長さ10nm)を用いる。この銀ナノワイヤーのトルエン分散液2g(銀ナノワイヤー1.0g含有)と、膜本体となる光硬化性モノマーであるトリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学社製、商品名「NKエステル−TMPT」)0.25gとを混合し、さらに重合開始剤(日本チバ・ガイギー社製、商品名「イルガキュア907」)0.0025gを添加する。この混合溶液を厚さ0.7mmのガラス基板(透明基板)に塗布し、ホットプレート上で110℃20分加熱して溶媒を乾燥し、さらにUVランプで光照射(6000mW/cm2)することによって硬化して、膜厚が150nmの透明導電膜(透明な第2電極に相当)を得る。このように成膜することによって、透過率が80%以上、体積抵抗率が1Ω・cm以下、表面粗さが100nm以下の透明導電膜が得られる。
ワイヤ状の導電体として、アミノ基含有高分子系分散剤(アイ・シー・アイ・ジャパン社製、商品名「ソルスパース24000SC」)で表面を保護した銀ナノワイヤー(長軸平均長さ1μm、短軸平均長さ10nm)を用いる。この銀ナノワイヤーのトルエン分散液2g(銀ナノワイヤー1.0g含有)と、膜本体となるポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸の溶液(スタルク社製、商品名「BaytronP」)2.5gとを混合する。この混合溶液を厚さ0.7mmのガラス基板(透明基板)に塗布し、ホットプレート上で200℃20分加熱し、溶媒を乾燥すると膜厚が150nmの透明導電膜(透明な第2電極に相当)を得る。このように成膜することによって、透過率が80%以上、体積抵抗率が1Ω・cm以下、表面粗さが100nm以下の透明導電膜が得られる。
ワイヤ状の導電体として、アミノ基含有高分子系分散剤(アイ・シー・アイ・ジャパン社製、商品名「ソルスパース24000SC」)で表面を保護した銀ナノワイヤー(長軸平均長さ1μm、短軸平均長さ10nm)を用いる。膜本体となるポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸の溶液(スタルク社製、商品名「BaytronP」)2.5gに、ジメチルスルホキシド0.125gを混合した混合液と、前記銀ナノワイヤーのトルエン分散液2g(銀ナノワイヤー1.0g含有)とを混合する。この混合溶液を0.7mm厚のガラス基板(透明基板)に塗布し、ホットプレート上で200℃20分加熱し、溶媒を乾燥すると膜厚が150nmの導電膜(透明な第2電極に相当)を得る。このように成膜することによって透過率が80%以上、体積抵抗率が1Ω・cm以下、表面粗さが100nm以下の透明導電膜が得られる。
2 陽極(第1電極)
3 発光部
4 透明な陰極(透明な第2電極)
4a 第2電極の第1層
4b 第2電極の第2層
4c 第2電極の第3層
5 封止基板(透明基板)
6 陽極と発光層との間に設けられる層
7 発光層
8 陰極と発光層との間に設けられる層
11 支持基板(透明基板)
12 透明な陰極(透明な第2電極)
12a 第2電極の第1層
12b 第2電極の第2層
12c 第2電極の第3層
13 発光部
14 陽極(第1電極)
15 陰極と発光層との間に設けられる層
16 発光層
17 陽極と発光層との間に設けられる層
Claims (11)
- 第1電極と、
該第1電極とは極性が異なり、透明な第2電極と、
前記第1および第2電極間に配置される発光層と、
前記第2電極の前記発光層側とは反対側に位置する透明基板とを含み、
前記第2電極が、前記発光層側から第1層、第2層および第3層の順に配置された3層の積層体からなり、
前記第1層が金属、金属酸化物、金属フッ化物、及びこれらの混合物からなる群より選択される材料を含み、
前記第2層が、前記第1層に含まれる材料に対して還元作用を有する材料としてカルシウム、アルミニウム、マグネシウム、及びこれらの混合物からなる群より選択される金属を含み、
前記第3層の屈折率をn1、前記透明基板の屈折率をn2とすると、n1およびn2がそれぞれ次式(1)
前記第2電極が、前記第1電極の形成後に形成され、
前記第3層が焼結工程を行うことなく塗布法により形成され、かつ該第3層が透明の膜本体と、該膜本体中に配置され導電性を有するワイヤ状の導電体とを含む、有機エレクトロルミネッセンス素子。 - 前記第2層が、マグネシウムを含む請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記第1層が、ナトリウム、酸化ナトリウム、フッ化ナトリウム、及びこれらの混合物からなる群より選択される材料を含む請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記第1層がバリウム、酸化バリウム、フッ化バリウム、及びこれらの混合物からなる群より選択される材料を含む請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記第1層がフッ化ナトリウムを含む請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記ワイヤ状の導電体の径が200nm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記ワイヤ状の導電体が前記膜本体中において網目構造を構成していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記膜本体が導電性を有する樹脂を含んでいることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えることを特徴とする照明装置。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えることを特徴とする面状光源。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えることを特徴とする表示装置。
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