JP2004311403A - エレクトロルミネセンス素子及びその製造方法 - Google Patents

エレクトロルミネセンス素子及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004311403A
JP2004311403A JP2004007906A JP2004007906A JP2004311403A JP 2004311403 A JP2004311403 A JP 2004311403A JP 2004007906 A JP2004007906 A JP 2004007906A JP 2004007906 A JP2004007906 A JP 2004007906A JP 2004311403 A JP2004311403 A JP 2004311403A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reduction reaction
metal
layer
emitting layer
light emitting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2004007906A
Other languages
English (en)
Inventor
Akio Fukase
章夫 深瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2004007906A priority Critical patent/JP2004311403A/ja
Priority to KR1020040014178A priority patent/KR100610179B1/ko
Priority to TW093106995A priority patent/TWI241149B/zh
Priority to US10/806,177 priority patent/US20040239239A1/en
Priority to CNA200410033222XA priority patent/CN1551696A/zh
Publication of JP2004311403A publication Critical patent/JP2004311403A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K50/00Organic light-emitting devices
    • H10K50/10OLEDs or polymer light-emitting diodes [PLED]
    • H10K50/17Carrier injection layers
    • H10K50/171Electron injection layers
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F21LIGHTING
    • F21VFUNCTIONAL FEATURES OR DETAILS OF LIGHTING DEVICES OR SYSTEMS THEREOF; STRUCTURAL COMBINATIONS OF LIGHTING DEVICES WITH OTHER ARTICLES, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F21V17/00Fastening of component parts of lighting devices, e.g. shades, globes, refractors, reflectors, filters, screens, grids or protective cages
    • F21V17/10Fastening of component parts of lighting devices, e.g. shades, globes, refractors, reflectors, filters, screens, grids or protective cages characterised by specific fastening means or way of fastening
    • F21V17/104Fastening of component parts of lighting devices, e.g. shades, globes, refractors, reflectors, filters, screens, grids or protective cages characterised by specific fastening means or way of fastening using feather joints, e.g. tongues and grooves, with or without friction
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K2102/00Constructional details relating to the organic devices covered by this subclass
    • H10K2102/301Details of OLEDs
    • H10K2102/302Details of OLEDs of OLED structures
    • H10K2102/3023Direction of light emission
    • H10K2102/3026Top emission
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K50/00Organic light-emitting devices
    • H10K50/80Constructional details
    • H10K50/805Electrodes
    • H10K50/82Cathodes

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

【課題】 透明導電膜を含めた発光層上部の膜の合計した光透過性を向上させ、かつ電子注入効率を向上させて有効な発光強度が得られるようにした、トップエミッション型のエレクトロルミネセンス素子を提供する。
【解決手段】 本発明の有機EL素子は、トップエミッション型のエレクトロルミネセンス素子であり、基板1と、基板1表面に設けられた電極2と、電極2表面に設けられた正孔注入層3と、正孔注入層3表面に設けられた発光層4と、発光層4上に設けられた、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の金属化合物と還元剤とが還元反応して形成された還元反応部5と、還元反応部5上に設けられた透明導電膜8と、を有している。還元反応部5は、発光層4に対する電子注入性の向上を発現させる機能を有している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エレクトロルミネセンス素子に関し、特に素子上部から発光した光を取り出すいわゆるトップエミッション型のエレクトロルミネセンス素子の構造に関するものである。
エレクトロルミネセンス(以下、EL)素子は、表示用または照明用の発光素子として有用であり、特に、低電圧で使用可能な有機EL素子は非常に省電力に適した表示または発光素子として期待されている。
この有機EL素子は、通常、2つの電極に有機層が挟まれた構造で構成されている。
従来、TFTを形成したガラス基板側(ガラス基板に対して接している素子面)から光を取り出す構造の、いわゆるボトムエミッション型の有機EL素子が良く用いられるが、同一基板に他の回路を構成させて、高機能な素子を作製しようとする場合、ガラス基板上に形成された素子上部(ガラス基板に対して反対の素子面)から光を取り出す構造の、いわゆるトップエミッション型の有機EL素子を作製する必要がある。
このようなトップエミッション型の有機EL素子は、ガラス基板上に形成される、駆動に必要な回路等が放射光の透過の障害にならず、開口率を向上させ、高輝度・高精細を実現するものとなる。
この場合、素子上部に透明電極を用いる必要があるため、有機膜の上に電子注入層として、低仕事関数の金属を薄く形成し、この金属の表面にITOを堆積させる構成が用いられている(特許文献1参照)。
すなわち、上記構成では、有機膜の素子のトップ(陰極側)から光を取り出すため、キャリア注入効果、すなわち電子の注入効果を持つ電子注入層として、アルカリまたはアルカリ土類金属を薄く付けている。この電子注入層は、膜厚が薄いために抵抗が高く、これをそのまま電極として用いるのは難しい。したがって、その上部に透過率の高い透明導電膜(透明電極、例えば、ITO(Indium Tin Oxide):酸化インジウムスズ)をスパッタによって形成している。
特開平8−185984号公報
しかしながら、上記アルカリまたはアルカリ土類金属は低仕事関数の金属であるため、非常に酸化しやすい。
そのため、ITOをスパッタリングプロセスで作製すると、酸素雰囲気でのスパッタ効果によってアルカリまたはアルカリ土類金属が酸化され、電子の注入効率が低下して素子特性が劣化してしまう。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的は、透明導電膜を含めた発光層上部の膜の合計した光透過性を向上させ、かつ電子注入効率を向上させて有効な発光強度が得られるようにした、トップエミッション型のエレクトロルミネセンス素子を提供することにある。
本発明の有機エレクトロルミネセンス素子は、エレクトロルミネセンス素子であり、基板と、該基板表面に設けられた電極と、該電極表面に設けられた正孔注入層と、該正孔注入層表面に設けられた発光層と、該発光層上に設けられた、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の金属化合物と還元剤とが還元反応して形成された還元反応部と、該還元反応部上に設けられた透明導電膜と、を有し、上記還元反応部が、上記発光層に対する電子注入性の向上を発現させる機能を有することを特徴としている。
このエレクトロルミネセンス素子によれば、還元反応部が、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の金属化合物と還元剤とが還元反応して形成されているので、特に製造時において、この還元反応によって低仕事関数のアルカリ金属またはアルカリ土類金属が生成する。そして、このアルカリ金属またはアルカリ土類金属は、生成するとすぐに発光層側に移動し、発光層の上層部にドープされる。すると、ドープされたアルカリ金属またはアルカリ土類金属は、発光層の上層部にてドーピング材となり、ここで電子注入性を発揮させるように機能する。したがって還元反応部は、結果的に、発光層に対する電子注入性の向上を発現させる機能を有するものとなる。
また、上記有機エレクトロルミネセンス素子においては、上記還元剤がアルミニウムであるのが好ましい。
アルミニウムは比較的安定であり導電性も高いので、これが還元反応後に未反応物として還元反応部中に残留しても、これは透明導電膜の形成時に酸化されにくく、したがって導電性の低下が抑制される。また、未反応物として残留したアルミニウムは、透明導電膜とともに電極として機能するようになる。
また、上記有機エレクトロルミネセンス素子においては、上記還元反応部についての可視光の透過率が50%を越えるのが好ましい。
還元反応後に未反応物として還元反応部中に残留する還元剤が多ければ、還元反応部での透明性(光透過率)の低下の度合いが高くなる。逆に、未反応物として還元反応部中に残留する還元剤が少なければ、還元反応部での透明性(光透過率)の低下は抑えられる。そこで、この還元反応部についての可視光の透過率が50%を越えるように形成することにより、光透過性が向上して発光強度が高まるとともに、未反応の還元剤に由来する透明導電膜形成時の酸化による還元剤の酸化物が少なくなり、この酸化物による導電性の低下が抑えられて良好な発光特性が得られるようになる。
本発明のエレクトロルミネセンス素子の製造方法は、エレクトロルミネセンス素子の製造方法であり、基板表面に電極を設ける工程と、該電極表面に正孔注入層を設ける工程と、該正孔注入層表面に有機膜の発光層を形成する工程と、該発光層表面にアルカリ金属またはアルカリ土類金属の金属化合物を設ける工程と、該アルカリ金属またはアルカリ土類金属の金属化合物層の上に還元剤を設け、上記アルカリ金属またはアルカリ土類金属の金属化合物層と還元剤とを還元反応させて還元反応部を形成する工程と、該還元反応部表面に透明導電膜を形成する工程と、を有することを特徴としている。
このエレクトロルミネセンス素子の製造方法によれば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の金属化合物の上に還元剤を設け、これらアルカリ金属またはアルカリ土類金属の金属化合物層と還元剤とを還元反応させて還元反応部を形成するので、この還元反応時に、低仕事関数のアルカリ金属またはアルカリ土類金属が生成する。このアルカリ金属またはアルカリ土類金属は、生成するとすぐに発光層側に移動し、発光層の上層部にドープされる。すると、ドープされされたアルカリ金属またはアルカリ土類金属は、発光層の上層部にてドーピング材となり、ここで電子注入性を発揮させるように機能する。したがって還元反応部は、結果的に、発光層に対する電子注入性の向上を発現させる機能を有するものとなる。
また、上記有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法においては、上記還元剤がアルミニウムであるのが好ましい。
前述したようにアルミニウムは比較的安定であり導電性も高いので、これが還元反応後に未反応物として還元反応部中に残留しても、これは透明導電膜の形成時に酸化されにくく、したがって導電性の低下が抑制される。また、未反応物として残留したアルミニウムは、透明導電膜とともに電極として機能するようになる。
また、上記有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法においては、上記アルカリ金属またはアルカリ土類金属の金属化合物層の厚さを、0.5nm〜10nmの範囲に形成するのが好ましい。
このようにすれば、厚さを0.5nm以上とすることにより、還元剤と反応して十分な量のアルカリ金属またはアルカリ土類金属を生成し、これがドーピング材となることで良好な電子注入性を発揮させるようになる。また、10nm以下であることにより、還元剤と反応して生成したアルカリ金属またはアルカリ土類金属がより確実に発光層側に移動してドーピング材となり、したがってこのアルカリ金属またはアルカリ土類金属が還元反応部中に残留し、透明導電膜形成時に酸化されてしまうことで導電性が低下してしまうことがより確実に抑えられる。
以下、本発明の一実施形態である、トップエミッション型の有機EL素子について説明する。図1は上記有機EL素子の積層構造の概要を示す模式的な断面図である。
基板1は、トップエミッション型の有機EL素子であれば、不透明な半導体または絶縁性基板等である(また、点灯時に両面から発光する透明有機EL素子であれば、透明なガラス基板である)。
電極2は、基板1の表面に形成されたもので、Al(アルミニウム),Ag(銀),Cu(銅)等の金属や、透明導電材料(特に、透明有機EL素子の場合)などが、電極材料として用いられる。
正孔注入層3は、電極2から供給される正孔を、効率よく発光層4に、すなわち有機EL層に注入するためのものである。
このため、正孔注入層3は、真空準位に対して仕事関数の大きい材料、例えば、膜厚50nm〜100nmのトリフェニルアミン誘導体等により形成されている。
発光層4は、有機薄膜層として、膜厚50nm程度のジスチリルビフェニル誘導体等が用いられる。
還元反応部5は、後述するように発光層4に対する電子注入性の向上を発現させる機能を有したもので、金属化合物層と還元剤としての還元性金属とが還元反応したことにより、形成されたものである。
透明導電膜8は、配線等に用いられる透明な導電膜であり、膜厚100nm程度のITOによって形成されたものである。
ここで、本発明における有機EL素子の構造の特徴点は、還元反応部5にある。還元反応部5を形成するための金属化合物層は、電子注入効率のよい仕事関数の低い金属(Li、Na、K、Rb、Cs等のアルカリ金属及びCa、Sr、Ba等のアルカリ土類金属及びBe、Mg)を含む金属化合物、例えば、酸化リチウム(LiO)、酸化ナトリウム(NaO)、酸化ルビジウム(RbO)、酸化セシウム(CsO)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化ルビジウム(RbF)、フッ化セシウム(CsF)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、フッ化マグネシウム(MgF)、フッ化カルシウム(CaF)等のうち1種または2種以上を含有する。これらは単独でも、2種以上を混合して用いても良く、混合して用いる場合の混合比率は任意である。
また、還元剤としての還元性金属は、上記金属化合物を還元できる金属であれば特に限定されることなく種々のものが使用可能である。具体的には、アルミニウム(Al)やナトリウム、カルシウム、マグネシウム、セリウム(Ce)等が挙げられ、特にアルミニウムが好適に用いられる。後述するように、上記の金属化合物を生成した後、アルミニウム等の還元性金属を蒸着等によって形成すると、還元性金属(例えばアルミニウム)の揮発原子が上記金属化合物(例えばアルカリ金属化合物)を還元し、低仕事関数で電子注入層となるアルカリ金属原子を生成させる(O plus E、22巻、11号、1416ページ、2000年)。
例えば、金属化合物としてLiF(フッ化リチウム)を用い、還元性金属としてアルミニウムを用いると、還元反応部5においては、「3LiF+Al→3Li+AlF」の反応、すなわち金属化合物(LiF)に対する還元反応が起こる。すると、生成したLiは発光層4側に移動し、発光層4の上層部にドープされる。ドープされたLiは、発光層4の上層部にてドーピング材となり、ここで電子注入性を発揮させるように機能する。したがって還元反応部5は、結果的に、発光層4に対する電子注入性の向上を発現させる機能を有するものとなる。
また、これにより還元反応部5は、特にこのように電子注入性向上を発現させるべく、生成金属を発光層4側にドープした後には、この金属とは別の生成物である還元性金属化合物(上記例ではAlF)がその主成分となり、未反応の還元性金属や、アルカリあるいはアルカリ土類金属、さらには発光層4側に移動しきれなかった生成金属を一部に含有するものとなる。
なお、金属化合物層および還元性金属(還元剤)のそれぞれの成膜量については、特に限定されないものの、これらが化学量論的に過不足なく反応し、したがって上記の未反応物が残らないようなモル比に形成されているのが好ましい。ただし、特に金属化合物層が厚くなり過ぎると、仮にその全量がアルカリあるいはアルカリ土類金属に還元されたとしても、膜厚が厚いことで生成したアルカリあるいはアルカリ土類金属が発光層4側に移動しきれず、結果として還元反応部5中に多く残ってしまうことになる。すると、この還元反応部5の上に透明導電膜8が形成された際、還元反応部5中に残ったアルカリあるいはアルカリ土類金属が酸化されてしまい、還元反応部5の導電性の低下を招いてしまう。したがって、特に金属化合物層の厚さについては、これの上に設けられる還元性金属の厚さに関係なく、所定厚さ以下とするのが好ましく、具体的には、後述するように10nm以下とするのが望ましい。
また、本有機EL素子を、点灯時に両面から発光する透明有機EL素子として形成する場合には、電極2としてその透明性を確保するためITOまたはSnOを用い、基板1として透明性のガラスあるいはポリエステルなどの高分子フィルムを用いればよい。
次に、図1に示す有機EL素子を製造するための製造方法の一例を説明する。
まず、絶縁膜である基板1表面に、膜厚100nmの例えばCuの電極2をスパッタ法により堆積させる。
また、真空蒸着法により、上記電極2の表面に、正孔注入層3として膜厚60nmのトリフェニルジアミンを形成する。
さらに、この正孔注入層3の表面に、発光層4として膜厚40nmのジスチリルビフェニルを形成する。
次に、還元反応部5の形成を行うため、図2(a)に示すように発光層4の表面上に、金属化合物層6として、例えば膜厚5nmのLiFを10−6Torr程度の真空下での真空蒸着法によって堆積させる。
続いて、このLiFからなる金属化合物層6の表面上に、図2(b)に示すように還元性金属層7として、金属化合物層6と同様に厚さの膜厚5nmのAlを10−6Torr程度の真空下での真空蒸着法によって堆積させる。
すると、前述したようにAlによってLiFが還元されることにより、Li原子が生成してこれが発光層4表面に供給され、発光層4の上層部中にドープされる。したがって、ドープされたLiが発光層4の上層部にてドーピング材となり、ここで電子注入性を発揮させるように機能する。また、このようにして金属化合物層6と還元性金属層7とが反応することにより、これらの積層部分は前述したように還元性金属化合物を主成分とする層となり、図2(c)に示すように還元反応部5となる。よって、この還元反応部5は、結果的に発光層4に対する電子注入性の向上を発現させたもの、すなわち、電子注入性の向上を発現させる機能を有するものとなる。なお、金属化合物層6、還元性金属層7の形成はいずれも高真空下で行っているので、酸素が存在せず、したがって還元性金属層7と酸素との反応による酸化は起こらない。
ここで、特に金属化合物層6の厚さについては、0.5nm以上10nm以下とするのが好ましい。0.5nm未満であると、還元性金属(還元剤)と反応しても十分な量のアルカリ金属またはアルカリ土類金属が生成されず、これがドーピング材となることによる電子注入性の向上効果が十分に発揮されなくなるからである。また、10nmを越えると、前述したように生成したアルカリあるいはアルカリ土類金属が発光層4側に移動しきれず、結果的に還元反応部5の導電性の低下を招いてしまうおそれがあるからである。
また、このようにして形成する還元反応部5については、その可視光の透過率、具体的には波長550nmの光の透過率が、50%を越えているのが好ましい。
前述したように、未反応物として還元反応部5中に残留する還元性金属(還元剤)が少なければ、還元反応部での透明性(光透過率)の低下が抑えられる。したがって、還元性金属層7を過剰な厚さに形成せず、金属化合物層6の厚さに対応した適宜な厚さとすることにより、還元反応部5中に残留する還元性金属(還元剤)を少なくしてこの還元反応部5についての可視光の透過率を、50%を越えるように形成することができる。そして、このような透過率に形成することにより、光透過性を向上して発光強度を高めることができるのはもちろん、未反応の還元剤に由来する透明導電膜形成時の酸化による還元剤の酸化物を少なくし、この酸化物による導電性の低下を抑えて良好な発光特性を得ることができるようになる。
その後、還元反応部5の上に、透明導電膜8として、膜厚150nmのITOをスパッタリング法により形成し、図1に示した有機EL素子の構造を完成する。
このようにして得られた有機EL素子にあっては、還元反応部5が発光層4に対する電子注入性の向上を発現させる機能を有するものとなっていることから、良好な発光特性を有するものとなる。
また、還元性金属(還元剤)は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の金属化合物層と還元反応することで酸化されるので、その後これの上に透明導電膜としてITOを設けても、その際のプロセスにて酸化されることがほとんどなく、したがって光透過性の低下を抑制することができる。
また、この有機EL素子にあっては、発光層4からの発光に対する透過率80%を満足させることができる。すなわち、発光層4に膜厚40nmのジスチリルビフェニルを用い、正孔注入層3に膜厚60nmのトリフェニルジアミンを用い、還元反応部5の金属化合物として膜厚5nmのLiFを用いた場合、素子としての発光強度が10000cd/mとなる。携帯電話などでは、通常、100cd/mの発光強度で実用的に用いられるため、本発明の有機EL素子は、トップエミッション素子として十分な発光強度が得られるものと。したがって、同一の絶縁基板状において、他の電子回路と複合的な機能の半導体素子を、一体型として容易に形成することができるものとなる。
(実験例1)
次に、実験として形成した有機EL素子の評価について説明する。
ここでは、有機EL素子として、上述した透明導電膜8を形成せず、還元性金属層7として膜厚200nmのAlを蒸着し、このAl膜に還元性金属層7としての機能と電極(透明導電膜8)としての機能を両方持たせた。また、金属化合物層6の膜厚、すなわちLiFの膜厚については、0.5nm,1nm,3nm,5nmの4種類を形成した。なお、電極2については膜厚100nmのITOで形成し、また基板1については厚さ1mmの研磨ガラスを用いた。また、正孔注入層3、発光層4については前記実施形態で示したものを用いた。
得られた4種類の有機El素子について、その発光強度を測定したところ、LiFの膜厚が0.5nmのものでは5000cd/m、1nmのものでは8000cd/m、3nmのものでは3000cd/m、5nmのものでは1000cd/mであった。
この結果から、還元性金属層7として、5nmの膜厚のAlを還元性金属層7として用いたとすると、このAlの透過率が80%であるため、トップエミッション型として、絶縁性基板上に有機EL素子を作製した場合にも、十分実用的な発光強度を得ることが可能である。
(実験例2)
また、金属化合物層6としてLiFを、その厚さが2nm、4nm、6nm、10nm、12nmとなるように成膜し、それ以外は実験例1と同様に構成して、5種類の有機EL素子を作製した。
得られた5種類の有機El素子について、その発光効率(最大効率)を測定したところ、LiFの膜厚が2nmのものでは9.2lm/W、4nmのものでは6.4lm/W、6nmのものでは4.4lm/W、10nmのものでは3.7lm/Wであり、12nmのものでは発光が認められなかった。
この結果から、金属化合物層6について10nmを越える厚さに形成すると、還元反応後に電子注入性の向上効果が認められなかった。したがって、金属化合物層6の厚さについては、その上限値を10nmとするのが望ましいことが確認された。
以上、本発明の一実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
本発明の有機EL素子の積層構造の、概要を示す模式的な断面図である。 (a)〜(c)は有機EL素子の製造方法を説明するための断面図である。
符号の説明
1…基板、2…電極、3…正孔注入層、4…発光層、5…還元反応部、
6…金属化合物層、7…還元性金属層、8…透明導電膜

Claims (6)

  1. エレクトロルミネセンス素子であり、
    基板と、
    該基板表面に設けられた電極と、
    該電極表面に設けられた正孔注入層と、
    該正孔注入層表面に設けられた発光層と、
    該発光層上に設けられた、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の金属化合物と還元剤とが還元反応して形成された還元反応部と、
    該還元反応部上に設けられた透明導電膜と、を有し、
    上記還元反応部が、上記発光層に対する電子注入性の向上を発現させる機能を有することを特徴とするエレクトロルミネセンス素子。
  2. 上記還元剤がアルミニウムであることを特徴する請求項1記載のエレクトロルミネセンス素子。
  3. 上記還元反応部についての可視光の透過率が50%を越えることを特徴とする請求項1又は2記載のエレクトロルミネセンス素子。
  4. エレクトロルミネセンス素子の製造方法であり、
    基板表面に電極を設ける工程と、
    該電極表面に正孔注入層を設ける工程と、
    該正孔注入層表面に有機膜の発光層を形成する工程と、
    該発光層表面にアルカリ金属またはアルカリ土類金属の金属化合物層を設ける工程と、
    該アルカリ金属またはアルカリ土類金属の金属化合物層の上に還元剤を設け、上記アルカリ金属またはアルカリ土類金属の金属化合物と還元剤とを還元反応させて還元反応部を形成する工程と、
    該還元反応部表面に透明導電膜を形成する工程と、
    を有することを特徴するエレクトロルミネセンス素子の製造方法。
  5. 上記還元剤がアルミニウムであることを特徴する請求項4記載のエレクトロルミネセンス素子の製造方法。
  6. 上記アルカリ金属またはアルカリ土類金属の金属化合物層の厚さを、0.5nm〜10nmの範囲に形成することを特徴とする請求項4又は5記載のエレクトロルミネセンス素子の製造方法。

JP2004007906A 2003-03-27 2004-01-15 エレクトロルミネセンス素子及びその製造方法 Withdrawn JP2004311403A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004007906A JP2004311403A (ja) 2003-03-27 2004-01-15 エレクトロルミネセンス素子及びその製造方法
KR1020040014178A KR100610179B1 (ko) 2003-03-27 2004-03-03 일렉트로루미네선스 소자 및 그 제조 방법
TW093106995A TWI241149B (en) 2003-03-27 2004-03-16 Electroluminescent device and method for manufacturing the same
US10/806,177 US20040239239A1 (en) 2003-03-27 2004-03-23 Electroluminescent device and method for manufacturing the same
CNA200410033222XA CN1551696A (zh) 2003-03-27 2004-03-26 电致发光元件及其制造方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003088062 2003-03-27
JP2004007906A JP2004311403A (ja) 2003-03-27 2004-01-15 エレクトロルミネセンス素子及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004311403A true JP2004311403A (ja) 2004-11-04

Family

ID=33455423

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004007906A Withdrawn JP2004311403A (ja) 2003-03-27 2004-01-15 エレクトロルミネセンス素子及びその製造方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20040239239A1 (ja)
JP (1) JP2004311403A (ja)
KR (1) KR100610179B1 (ja)
CN (1) CN1551696A (ja)
TW (1) TWI241149B (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006012821A (ja) * 2004-06-22 2006-01-12 General Electric Co <Ge> 有機電子デバイス用の金属化合物−金属多層電極
JP2009176730A (ja) * 2007-12-28 2009-08-06 Sumitomo Chemical Co Ltd 高分子発光素子、製造方法及び高分子発光ディスプレイ装置
JP2010056211A (ja) * 2008-08-27 2010-03-11 Seiko Epson Corp 有機el装置およびその製造方法
JP2010102966A (ja) * 2008-10-23 2010-05-06 Sumitomo Chemical Co Ltd 照明光通信システム用の送信装置
JP2010146895A (ja) * 2008-12-19 2010-07-01 Sumitomo Chemical Co Ltd 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2010192144A (ja) * 2009-02-16 2010-09-02 Sumitomo Chemical Co Ltd 有機エレクトロルミネッセンス素子
WO2011087058A1 (ja) 2010-01-15 2011-07-21 住友化学株式会社 高分子発光素子
DE112010003151T5 (de) 2009-07-31 2012-06-14 Sumitomo Chemical Company, Ltd. Polymere lichtemittierende Vorrichtung
US8398774B2 (en) 2005-12-14 2013-03-19 Canon Kabushiki Kaisha Method of manufacturing organic light emitting device and vapor deposition system
JP2013161673A (ja) * 2012-02-06 2013-08-19 Panasonic Corp 有機el素子の製造方法、および有機el素子
JP2021108318A (ja) * 2019-12-27 2021-07-29 株式会社Joled 有機el素子、有機el表示パネルおよび有機el素子の製造方法

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100682873B1 (ko) * 2004-12-28 2007-02-15 삼성전기주식회사 반도체 발광 소자 및 그 제조 방법
US9295133B2 (en) * 2008-07-17 2016-03-22 The Regents Of The University Of California Solution processable material for electronic and electro-optic applications
KR101608234B1 (ko) * 2010-11-09 2016-04-04 삼성디스플레이 주식회사 유기 발광 소자
KR101308755B1 (ko) * 2011-07-08 2013-09-12 한국과학기술원 유기 발광 소자 및 유기 발광 소자를 포함하는 디스플레이 장치
KR101331973B1 (ko) * 2011-07-08 2013-11-25 한국과학기술원 유기 발광 소자 및 유기 발광 소자를 포함하는 디스플레이 장치
JP6983391B2 (ja) * 2017-04-06 2021-12-17 株式会社Joled 有機el素子、有機el表示パネル、および、有機el表示パネルの製造方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5776622A (en) * 1996-07-29 1998-07-07 Eastman Kodak Company Bilayer eletron-injeting electrode for use in an electroluminescent device
US6121727A (en) * 1997-04-04 2000-09-19 Mitsubishi Chemical Corporation Organic electroluminescent device
JP4505067B2 (ja) * 1998-12-16 2010-07-14 淳二 城戸 有機エレクトロルミネッセント素子
US6366017B1 (en) * 1999-07-14 2002-04-02 Agilent Technologies, Inc/ Organic light emitting diodes with distributed bragg reflector

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006012821A (ja) * 2004-06-22 2006-01-12 General Electric Co <Ge> 有機電子デバイス用の金属化合物−金属多層電極
US8398774B2 (en) 2005-12-14 2013-03-19 Canon Kabushiki Kaisha Method of manufacturing organic light emitting device and vapor deposition system
JP2009176730A (ja) * 2007-12-28 2009-08-06 Sumitomo Chemical Co Ltd 高分子発光素子、製造方法及び高分子発光ディスプレイ装置
US8895961B2 (en) 2007-12-28 2014-11-25 Sumitomo Chemical Company, Limited Polymer light emitting element, method for manufacturing the same and polymer light emitting display device
US8093587B2 (en) 2008-08-27 2012-01-10 Seiko Epson Corporation Organic el device and process of producing the same
JP2010056211A (ja) * 2008-08-27 2010-03-11 Seiko Epson Corp 有機el装置およびその製造方法
JP2010102966A (ja) * 2008-10-23 2010-05-06 Sumitomo Chemical Co Ltd 照明光通信システム用の送信装置
JP2010146895A (ja) * 2008-12-19 2010-07-01 Sumitomo Chemical Co Ltd 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2010192144A (ja) * 2009-02-16 2010-09-02 Sumitomo Chemical Co Ltd 有機エレクトロルミネッセンス素子
DE112010003151T5 (de) 2009-07-31 2012-06-14 Sumitomo Chemical Company, Ltd. Polymere lichtemittierende Vorrichtung
WO2011087058A1 (ja) 2010-01-15 2011-07-21 住友化学株式会社 高分子発光素子
JP2013161673A (ja) * 2012-02-06 2013-08-19 Panasonic Corp 有機el素子の製造方法、および有機el素子
JP2021108318A (ja) * 2019-12-27 2021-07-29 株式会社Joled 有機el素子、有機el表示パネルおよび有機el素子の製造方法
JP7424830B2 (ja) 2019-12-27 2024-01-30 JDI Design and Development 合同会社 有機el素子、有機el表示パネルおよび有機el素子の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
KR100610179B1 (ko) 2006-08-09
CN1551696A (zh) 2004-12-01
US20040239239A1 (en) 2004-12-02
KR20040086550A (ko) 2004-10-11
TWI241149B (en) 2005-10-01
TW200425787A (en) 2004-11-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2004311403A (ja) エレクトロルミネセンス素子及びその製造方法
JP4908583B2 (ja) 有機電子素子の製造方法およびそれによって製造された有機電子素子
KR101092968B1 (ko) 디스플레이 장치, 이를 구비하는 모바일 기기
JP2008028371A (ja) 有機発光装置
JP2007311811A (ja) 低い仕事関数の陽極を有する電界発光素子
JP2005129496A (ja) 有機発光素子
JP2003272855A (ja) 有機el素子および有機elパネル
JP6022014B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセント素子及び照明装置
KR100844788B1 (ko) 유기발광소자의 제조방법 및 이에 의하여 제조된유기발광소자
JP2001176673A (ja) 有機el素子
JP2011165653A (ja) 有機el素子およびそれを用いた発光装置
JP2010056211A (ja) 有機el装置およびその製造方法
EP3447817B1 (en) Electrode and organic electroluminescent device using same
JP2002252089A (ja) 両面発光型有機エレクトロルミネッセンス素子
JP5281271B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2007265637A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2013229292A5 (ja)
JP2008277799A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子及び光通信用モジュール
CN109509843B (zh) 发光元件及其透明电极
JP4103531B2 (ja) 有機電界発光素子
JP5075027B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法
JP2004296410A (ja) エレクトロルミネセンス素子及びその製造方法
KR20140070372A (ko) 유기 el 소자
JP4824776B2 (ja) 有機発光素子の製造方法およびこれによって製造された有機発光素子
KR101630498B1 (ko) 고효율 고투과 유기 전계 발광 다이오드

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050202

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20050203

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070524

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070605

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20070704