JP5314410B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

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本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子という場合がある)、該有機EL素子を用いた照明装置、面状光源および表示装置に関する。
近年、表示装置や照明装置に有機エレクトロルミネッセンスを用いることが検討されている。有機EL素子は、例えば一対の電極と、発光層とを含んで構成され、電極間に電圧を印加することによって各電極から注入された正孔と電子とが発光層において再結合することによって発光する。白色光を発光する発光素子として、複数の種類の色素を分散させた1層の白色発光層を備える有機EL素子が開示されている(例えば特許文献1参照)。
有機EL素子は、印加する電圧を変化させることによりその輝度(発光量)を調整することができるが、輝度の変化に伴って、取出される光の色味も多少変化する。したがって有機EL素子を用いた照明装置では、明るさに応じて照明の色味が変化することになり、また画素の光源またはバックライトに有機EL素子を用いた表示装置では、明るさに応じて表示画像の色合いが変化することになる。そこで品質の高い照明装置および表示装置を実現するために、電圧の変化に対する色味の変化が少ない有機EL素子が求められている。
また有機EL素子の一対の電極のうちの一方の電極には、光透過性を示す電極(以下、光透過性電極という場合がある。)が用いられており、この光透過性電極から光が取出される。このような光透過性電極には、例えばインジウムスズ酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)などの金属酸化物からなる薄膜、および不規則な網目状に配置された導電性物質を備える網目状導電体などが用いられている(例えば特許文献2参照)。
特開平07−220871号公報 特開2004−228057号公報
発光層から放射される光は、その全てが有機EL素子の外に出射されるわけではなく、その一部は、素子外に出射されることなく素子内部に閉じ込められ、有効に利用されていない。例えば光透過性電極が設けられる透明基板と、光透過性電極との界面において、発光層から放射される光の一部が反射する。従来の有機EL素子では、発光層から放射される光に対して素子外に出射する光の割合(光取り出し効率)が低いために、有機EL素子全体として発光効率が必ずしも十分とはいえない。そのため有機EL素子の発光効率の向上が求められている。
また複数の種類の色素を分散させた1層の白色発光層を備える従来の有機EL素子では、印加する電圧の変化に対する色味の変化の度合いが大きいため、白色光を発光する有機EL素子として、1層の白色発光層を備える構成の有機EL素子とは別に、互いに異なる色で発光する複数の発光層を積層した構成の有機EL素子を本発明者は検討した。
本発明は、上記従来技術における問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は、印加する電圧の変化に対する色味の変化が少なく、かつ発光効率の高い有機EL素子、該有機EL素子を用いた照明装置、面状光源および表示装置を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明では、下記の構成を採用した。
[1] 光透過性を有するシートと、
陽極および陰極のうちのいずれか一方の電極であり、かつ前記シートに接して設けられる光透過性を有する第1電極と、
前記陽極および陰極のうちの他方の電極であり、前記第1電極に対向して配置される第2電極と、
前記第1電極と第2電極との間において、ピーク波長が長い光を発するものほど前記陽極寄りに配置される3層以上の発光層と、を含み、
前記第1電極の屈折率をn1、前記シートの屈折率をn2とすると、n1およびn2がそれぞれ次式(1)
Figure 0005314410
を満たす、
有機エレクトロルミネッセンス素子。
[2] 前記3層以上の発光層として、赤色の光を発する発光層と、緑色の光を発する発光層と、青色の光を発する発光層とを備える、上記[1]に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
[3] 前記第1電極は、可視光領域の光の透過率が80%以上、体積抵抗率が1Ω・cm以下である、上記[1]または[2]に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
[4] 前記陽極と前記陰極との間に印加する電圧を変化させたときの、外に取出される光の色度座標における座標値xと、座標値yとの変化の幅が、それぞれ0.05以下である、上記[1]から[3]のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
[5] 前記第1電極が、
光透過性を有する膜本体と、
該膜本体中に配置され、導電性を有するワイヤ状の導電体とを含む、上記[1]から[4]のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
[6] 前記ワイヤ状の導電体の径が200nm以下である、上記[5]に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
[7] 前記ワイヤ状の導電体が、前記膜本体中において網目構造を構成している、上記[6]に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
[8] 前記膜本体が、導電性を有する樹脂を含んでいる、上記[5]から[7]のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
[9] 前記シートは、前記第1電極と、前記3層以上の発光層と、前記第2電極とが積層されて構成される発光機能部が搭載される透明支持基板である、上記[1]から[8]のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
[10] 前記シートは、前記第1電極と、前記3層以上の発光層と、前記第2電極とが積層されて構成される発光機能部を覆う透明封止シートである、上記[1]から[8]のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
[11] 上記[1]から[10]のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備える面状光源。
[12] 上記[1]から[10]のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備える照明装置。
[13] 上記[1]から[10]のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備える表示装置。
本発明によれば、電極に印加する電圧の変化に対して色味の変化を少なくするとともに、発光効率の高い有機EL素子を実現することができる。したがって、本発明の有機EL素子は、照明装置、バックライトとしての面状光源、フラットパネルディスプレイ等の表示装置として好適に使用することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、理解の容易のため、図面における各部材の縮尺は実際とは異なる場合がある。また、本発明は以下の記述によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。有機EL装置においては電極のリード線等の部材も存在するが、本発明の説明にあっては直接的に要しないため記載を省略している。層構造等の説明の便宜上、下記に示す例においては基板を下に配置した図と共に説明がなされるが、本発明の有機EL素子およびこれを搭載した有機EL装置は、必ずしもこの配置で、製造または使用等がなされるわけではない。なお以下の説明において支持基板の厚み方向の一方を上または上方といい、支持基板の厚み方向の他方を下または下方という場合がある。
1.本発明の有機EL素子
本発明にかかる有機EL素子は、光透過性を有するシートと、陽極および陰極のうちのいずれか一方の電極であり、かつ前記シートに接して設けられる光透過性を有する第1電極と、前記陽極および陰極のうちの他方の電極であり、前記第1電極に対向して配置される第2電極と、前記第1電極と第2電極との間において、ピーク波長が長い光を発するものほど前記陽極寄りに配置される3層以上の発光層と、を含み、
前記第1電極の屈折率をn1、前記シートの屈折率をn2とすると、n1およびn2がそれぞれ次式(1)
Figure 0005314410
を満たすことを、特徴としている。
なお本明細書において、体積抵抗率とは、単位体積当たりの(電気)抵抗をいう。
[第1の実施形態]
図1を参照しつつ、有機EL素子の第1の実施形態およびその変形例について説明する。図1は、本発明の有機EL素子の第1の実施形態を示す正面断面図である。
有機EL素子10は、光透過性を有するシートに相当する透明支持基板11を有し、該透明支持基板11上に、光透過性を有する第1電極に相当する透明陽極12と、正孔注入層13と、発光部14と、第2電極に相当する陰極15とがこの順に積層されて構成される。本実施の形態の有機EL素子10は、透明陽極(第1電極)12、正孔注入層13、発光部14および陰極(第2電極)15が積層されて構成される発光機能部16を保護するために発光機能部16を覆う封止シート(上部封止膜という場合がある)17が設けられる。なお本明細書では、「光透過性を有する支持基板」、「光透過性を有する電極」とは、入射した光の少なくとも一部が透過する支持基板、電極を意味する。
本実施形態では、第1電極12が陽極であり、第2電極15が陰極であるが、発光機能部16の積層順を逆順にして、第1電極が陰極であり、第2電極が陽極である有機EL素子であっても本発明を好適に適用することができる。
<1.発光機能部>
発光機能部16は、上述の通り、透明陽極12、陰極15およびこれらの間に位置する正孔注入層12、発光部14を備える。本実施の形態では、発光部14は、透明陽極12、陰極15に挟持され、さらに発光部14と透明陽極12との間に任意の層として正孔注入層12が挟持されているが、発光部14と透明陽極12との間、発光部14と陰極15との間には、さらに任意の層を付加してもよい。
<A>発光部
発光部14は、高分子化合物を含む発光層を3層以上有する。該3層以上の発光層は、、互いに異なるピーク波長の光を発し、ピーク波長が長い光を発する発光層ほど、前記陽極寄りに配置されている。図1では、発光部14が、発光のピーク波長が異なる3つの発光層14a、14b、14cのみから構成される場合を示している。3つの発光層14a、14b、14cは、図1の配置では、それぞれ赤色、緑色、及び青色の光を発する発光層とされる。
図1に示す構成では、発光部14は、透明陽極12側から順に、赤色を発光する発光層(以下、赤色発光層という場合がある)14aと、緑色を発光する発光層(以下、緑色発光層という場合がある)14bと、青色を発光する発光層(以下、青色発光層という場合がある)14cとがこの順で積層されて構成される。透明陽極12側から赤色発光層14a、緑色発光層14b、青色発光層14cの順で積層することによって、電極に印加する電圧の変化に対して、色味の変化が少なく、かつ高効率で発光する有機EL素子を製造することができる。なお発光部において発光層と発光層との間に、発光層とは異なる所定の層が介在していてもよい。
赤色発光層14aは、発光部14を構成する3つの発光層14a、14b、14cの中で、発光する光のピーク波長が最も長いので、3つの発光層14a、14b、14cの中で最も透明陽極12寄りに配置され、緑色発光層14bは、3つの発光層14a、14b14cの中で、発光する光のピーク波長が真中なので、3つの発光層14a、14b、14cの真中に配置され、青色発光層14cは、3つの発光層14a、14b、14cの中で、発光する光のピーク波長が最も短いので、3つの発光層14a、14b、14cの中で最も陰極15寄りに配置される。なお発光部14を構成する発光層の発光するピーク波長とは、発光する光を波長領域で見たときに、最も強い光強度となる波長のことである。
本実施形態における赤色発光層14aとしては、発光する光のピーク波長が、例えば580nm〜660nmのものが用いられ、好ましくは600〜640nmのものが用いられる。また本実施形態における緑色発光層14bとしては、発光する光のピーク波長が、例えば500nm〜560nmのものが用いられ、好ましくは520nm〜540nmのものが用いられる。また本実施形態における青色発光層14cとしては、発光する光のピーク波長が、例えば400nm〜500nmのものが用いられ、好ましくは420nm〜480nmのものが用いられる。
このようなピーク波長で発光する3つの発光層14a、14b、14cからそれぞれ発光される光を重ね合わせると、白色光となるので、発光部14が赤色発光層14a、緑色発光層14bおよび青色発光層14cから構成される本実施形態の有機EL素子10は、全体として白色光を発する。
本実施形態の有機EL素子10のように、発光部14を構成する3つの発光層14a、14b、14cを、ピーク波長が長い光を発する発光層ほど、透明陽極12寄りに配置し、発光する光のピーク波長に応じて、各発光層を所定の順序で配置することによって、電極に印加する電圧の変化に対して、色味の変化が少なく、かつ高効率で発光する有機EL素子を実現することができる。
発光部14を構成する各発光層14a、14b、14cは、本実施形態ではそれぞれ塗布法によって形成し得る。特に本実施形態では、先に形成された発光層は、次に形成される発光層の塗布液が表面上に塗布される前において、塗布される塗布液に対して不溶化される。具体的には、緑色発光層14bを塗布法によって成膜する前に、赤色発光層14aを不溶化させ、さらに青色発光層14cを塗布法によって成膜する前に、緑色発光層14bを不溶化させる。
具体的には各発光層を主に構成する材料と架橋剤とを含む塗布液を用いて、塗布法により塗布膜を形成した後に、架橋剤を架橋することにより発光層を不溶化することができる。架橋剤の架橋は、光または熱などの所定のエネルギーを加えることにより行うことができる。発光層を主に構成する材料とは、発光層において質量濃度の最も高い材料であり、発光層を構成する材料のうちで、蛍光、及び/又は燐光を発光する材料(以下、発光材料という場合がある)に相当する。
なお発光層を主に構成する材料として、エネルギーを加えることにより架橋する基(以下、架橋基という場合がある)を分子内に有する材料を用いてもよい。この場合、塗布法を用いて発光層を形成する際に用いられる塗布液に、前述のような架橋剤を加える必要はない。
架橋基としては、ビニル基などを挙げることができる。発光層を主に構成する材料としては、具体的には、ベンゾシクロブタン(BCB)から少なくとも1つの水素原子を除いた残基を主鎖および/または側鎖に含む高分子化合物を挙げることができる。
また発光層を主に構成する材料の他に、塗布液に加える架橋剤としては、ビニル基、エチニル基、ブテニル基、アクリロイル基、アクリロイルアミノ基、メタクリロイル基、メタクリロイルアミノ基、ビニルオキシ基、ビニルアミノ基、シラノール基、シクロプロピル基、シクロブチル基、エポキシ基、オキセタニル基、ジケテニル基、エピチオ基、ラクトニル基、及びラクタムニル基からなる群から選ばれる重合可能な置換基を有する化合物を挙げることができる。なおオキセタニル基はオキセタンから水素原子1個を除いた残基、ジケテニル基はジケテンから水素原子1個を除いた残基、エピチオ基はエピスルフィドから水素原子1個を除いた残基、ラクトニル基はラクトンから水素原子1個を除いた残基、ラクタムニル基はラクタムから水素原子1個を除いた残基をそれぞれ意味する。かかる架橋剤用の化合物としては、例えば多官能アクリレートが好ましく、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)およびトリスペンタエリスリトールオクタアクリレート(TPEA)などがさらに好ましい。
各発光層14a、14b、14cは、主成分として、蛍光および/または燐光を発光する有機物で構成される。有機物としては低分子化合物および/または高分子化合物が用いられ、好ましくは高分子化合物が用いられ、発光層は、ポリスチレン換算の数平均分子量が、103〜108である高分子化合物を含むことが好ましい。また発光層には該有機物の他に、ドーパントなどの任意成分を含むように構成してもよい。例えば、ドーパントは、発光効率の向上や発光波長を変化させるなどの目的で付加される。各発光層14a、14b、14cを主に構成する発光材料としては、例えば以下のものが挙げられる。
<A1>色素系の発光材料
色素系の発光材料としては、例えば、シクロペンダミン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体化合物、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ピロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、オキサジアゾールダイマー、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体およびピラゾリンダイマーなどを高分子化したものを挙げることができる。
<A2>金属錯体系の発光材料
金属錯体系の発光材料としては、Tb、Eu、およびDyなどの希土類金属や、Al、Zn、Be、およびIrなどを中心金属に有し、オキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、およびキノリン構造などを配位子に有する金属錯体を高分子化したものを挙げることができ、例えば、イリジウム錯体、白金錯体等の三重項励起状態からの発光を有する金属錯体、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾリル亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体などを高分子化したものを挙げることができる。
<A3>高分子系の発光材料
高分子系の発光材料としては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリフルオレン誘導体およびポリビニルカルバゾール誘導体などを挙げることができる。
赤色発光層14aを主に構成する発光材料としては、前述の発光材料のうち、クマリン誘導体、チオフェン環化合物およびそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることができる。なかでも高分子材料のポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体などが好ましい。
緑色発光層14bを主に構成する材料としては、前述の発光材料のうち、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、チオフェン環化合物およびそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることができる。なかでも高分子材料のポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などが好ましい。
青色発光層14cを主に構成する材料としては、前述の発光材料のうち、ジスチリルアリーレン誘導体および/またはオキサジアゾール誘導体の重合体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることができる。なかでも高分子材料のポリビニルカルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体やポリフルオレン誘導体などが好ましい。
<A4>ドーパント材料
各発光層14a、14b、14cを主に構成する発光材料としては、前述の発光材料の他に、例えば発光効率の向上や発光波長を変化させるなどの目的でドーパント材料をさらに含んでいてもよい。このようなドーパント材料としては、例えば、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾロン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾンなどを挙げることができる。なおこのような発光層の厚さは、通常約20〜2000Åである。
各発光層14a、14b、14cは、例えば、各発光層14a、14b、14cを主に構成する発光材料を溶媒に溶解した塗布液によって成膜することができる。溶液からの成膜に用いられる溶媒としては、各発光層14a、14b、14cを主に構成する発光材料を溶解するものであればよく、例えば、水、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタンなどの塩素系溶媒、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテートなどのエステル系溶媒および水を挙げることができる。
<A5>発光層を成膜する塗布法
発光層を成膜する塗布法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法などの塗布法を挙げることができる。
<A6>発光部の作製方法
図1に示す有機EL素子10のように陽極上に赤色発光層14a、緑色発光層14b、青色発光層14cを順次積層し、発光部14を作製する方法について説明する。まず、赤色発光層14aを成膜する。具体的には前述した赤色発光層14aを構成する材料を溶解した塗布液を、慣用の塗布法によって透明陽極12の表面上に塗布する。次に、塗布した膜を加熱または光照射することによって、架橋した赤色発光層14aを得る。このように架橋した赤色発光層14aは、緑色発光層14bを形成するために塗布液を塗布したとしても、溶出しない。
次に、緑色発光層14bを成膜する。具体的には前述した緑色発光層14bを構成する材料を溶解した塗布液を、慣用の塗布法によって赤色発光層14aの表面上に塗布する。次に、塗布した膜を加熱または光照射することによって、架橋した緑色発光層14bを得る。このように架橋した緑色発光層14bは、青色発光層14cを形成するために塗布液を塗布したとしても、溶出しない。
次に、青色発光層14cを成膜する。具体的には前述した青色発光層14cを構成する材料を溶解した塗布液を、慣用の塗布法によって緑色発光層14bの表面上に塗布して、乾燥させることによって青色発光層14cを得る。
このように、塗布液が塗布される発光層を塗布液に対して予め不溶化させることによって、先に形成された発光層の表面に、次に形成される発光層の塗布液を塗布したときに、先に形成されていた発光層が溶解してしまうことを防ぐことができる。これによって、各発光層の膜厚の制御が容易になり、意図した膜厚の各発光層を容易に形成することができる。また意図する膜厚の各発光層を容易に積層することができるため、安定した発光性能を有する有機EL素子とすることができる。
発光部14を構成する各発光層14a、14b、14cは、透明陽極12側に配置される発光層ほど、その膜厚が薄い方が好ましい。具体的には、赤色発光層14aの膜厚よりも、緑色発光層14bの膜厚が厚く、緑色発光層14bの膜厚よりも、青色発光層14cの膜厚が厚い方が好ましい。さらに具体的には、赤色発光層14aの膜厚は、5nm〜20nmが好ましく、さらに好ましくは、10nm〜15nmである。また緑色発光層14bの膜厚は、10nm〜30nmが好ましく、さらに好ましくは、15nm〜25nmである。また青色発光層14cの膜厚は、40nm〜70nmが好ましく、さらに好ましくは、50nm〜65nmである。各発光層14a、14b、14cの膜厚を以上のように設定することにより、電極に印加する電圧の変化に対して色味の変化がより少なく、高効率で発光する有機EL素子を実現することができる。
発光層を構成する化合物の最高占有分子軌道(Highest Occupied Molecular Orbital:略称HOMO)および最低非占有分子軌道(Lowest Unoccupied Molecular Orbital:略称LUMO)は、ピーク波長が長い光を発する化合物ほど低い傾向にある。ため、本実施形態では、各発光層14a、14b、14cは、ピーク波長が長い光を発する発光層ほど透明陽極12寄りに配置されるので、結果としてHOMOおよびLUMOが低い化合物で構成される発光層ほど、透明陽極12寄りに配置されることになる。このように透明陽極12から陰極15に向けて、HOMOおよびLUMOが順次高くなるように各発光層14a、14b、14cが配置されるので、透明陽極12および陰極15からそれぞれ注入される正孔および電子を効率的に輸送することができ、これにより電極に印加する電圧の変化に対して色味の変化が少なく、発光効率の高い有機EL素子を実現することができるものと推測される。
以上のように、ピーク波長が長い光を発する発光層ほど、陽極(第1電極)12寄りに配置する構成の有機EL素子10では、陽極と陰極との間に印加する電圧を変化させたときの、外に取出される光の色度座標における座標値xと座標値yの変化の幅を、それぞれ0.05以下に抑えることができる。ここで印加する電圧を変化させるときの印加電圧の範囲は、通常、輝度が100cd/m2〜10000cd/m2となる範囲であり、少なくとも4000cd/m2〜6000cd/m2となる範囲である。また外に取出される光は、各発光層14a、14b、14cからの光が重ね合わされた光のことである。なお本明細書において、色度座標の規定は、国際照明委員会(CIE)の定めるCIE1931に従う。
本実施形態における発光部14は、3つの発光層14a、14b、14cを備えることにより、有機EL素子が全体として白色を発光するとしたけれども、本実施形態の変形例としては、各発光層14a、14b、14cの発光する波長とは異なる波長の光を発する発光層をそれぞれ設けて、例えば白色とは異なる波長の光を発する発光部14を構成してもよい。さらに他の変形例としては、発光部14を、4層以上の発光層で構成してもよい。各発光層の発光する光の色は、それぞれの有機EL素子から取出される光の色に応じて、適宜選択される。
また有機EL素子から取出される光の色が、白色であっても、白とは異なる色であっても、また発光部14に設けられる発光層の層数が3層であっても、4層以上であったとしても、各発光層を、ピーク波長が長い光を発する発光層ほど、透明陽極12寄りに配置することによって、電極に印加する電圧の変化に対して、色味の変化の少なく、かつ高効率で発光する有機EL素子を実現することができる。
<B>第1電極
第1電極は、陽極および陰極のうちのいずれか一方の電極であり、光透過性を有する電極である。本実施形態における第1電極12は、発光部14の各発光層14a、14b、14cからの光を透過させる光透過性を有する透明電極であって、本実施形態の有機EL素子10の陽極となるものである。本実施形態における第1電極(透明陽極)12は、可視光領域の光の透過率が80%以上であり、体積抵抗率が1Ω・cm以下であることが好ましい。
本実施形態における第1電極12は、光透過性を有する膜本体と、膜本体中に配置され、導電性を有するワイヤ状の導電体とを含んで構成される。膜本体は、可視光領域の光の透過率が高いものが好適に用いられる。この膜本体としては樹脂や無機ポリマー、無機−有機ハイブリッド化合物などを含んだもので構成される。第1電極12として、ワイヤ状の導電体と、導電性を有する膜本体とからなるものを用いることによって、導電性を有するとともに、光透過性を有する電極を実現することができる。
透明陽極12において、導電体ワイヤの体積割合を高くするほど体積抵抗率は小さくでき、導電体として例えば導電率の高いCuワイヤが用いられる場合、体積抵抗率を10-3Ω・cm〜10-4Ω・cmの範囲にするには、Cuワイヤの体積割合は10-3〜10-2程度が必要である。1Ω・cm以下の体積抵抗率とするためには、Cuワイヤのサイズが20nm以上、200nm以下の範囲のものであれば、Cuワイヤの体積割合を例えば10-6以上とすればよい。また、可視光領域の光の透過率は、Cuワイヤの体積割合を小さくするほど高くできる。可視光領域の光の透過率を80%以上にするには、Cuワイヤの体積割合を例えば0.2程度以下とすればよい。
以上のようにCuワイヤの体積割合、Cuワイヤのサイズを調整することにより、可視光領域の光の透過率を80%以上にすると共に、体積抵抗率を1Ω・cm以下とすることができ、またITOの特性(光の透過率が80%以上、体積抵抗率が10-3Ω・cm〜10-4Ω・cm)と同等以上の特性を得ることも可能である。
また膜本体としては、樹脂の中でも導電性を有する樹脂が好適に用いられる。第1電極(透明陽極)12として、ワイヤ状の導電体に加えて、膜本体が導電性を有することによって、第1電極12の低電気抵抗化(以下、電気抵抗を略して抵抗という場合がある)を図ることができる。このような低抵抗の第1電極12を用いることによって、第1電極12での電圧降下を抑制し、有機EL素子の低電圧駆動を実現するとともに、輝度ムラを抑制することができる。
第1電極12の膜厚は、電気抵抗および可視光の透過率などによって適宜設定され、例えば、0.03μm以上、10μm以下であり、好ましくは0.05μm以上、1μm以下である。
<B1>ワイヤ状の導電体
ワイヤ状の導電体は、径の小さいものが好ましく、例えば、径が400nm以下のものが用いられ、径が200nm以下のものが好ましく、径が100nm以下のものがさらに好ましい。膜本体に配置されるワイヤ状の導電体は、第1電極12を通る光を回折または散乱するので、第1電極12のヘイズ値を高めるとともに光の透過率を低下させるが、可視光の波長程度または可視光の波長よりも小さい径のワイヤ状の導電体を用いることによって、可視光に対するヘイズ値を低く抑えるとともに、光の透過率を向上させることができるからである。また、ワイヤ状の導電体の径は、小さすぎると抵抗が高くなるため、径が10nm以上のものが好ましい。なお有機EL素子を照明装置に用いる場合には、第1電極12のヘイズ値はある程度高い方が拡散機能を併せて付与することも可能となるので、ヘイズ値の高い第1電極12が好適に用いられる場合もある。したがって第1電極12の光学的特性は、有機EL素子が用いられる装置に応じて適宜設定される。
膜本体中に配置されるワイヤ状の導電体は、1本でも、複数本でもよい。ワイヤ状の導電体は、膜本体中において、網目構造を形成していることが好ましい。例えば膜本体中において、1つまたは複数のワイヤ状の導電体は、膜本体の全体に渡って複雑に絡み合って配置され、網目構造を構成し得る。具体的には、1本のワイヤ状の導電体が複雑に絡み合ったり、複数本のワイヤ状の導電体が互いに接触し合って配置されたりする構造が2次元的または3次元的に広がって網目構造を形成している。この網目構造は規則的又は不規則でもよい。この網目構造を形成するワイヤ状の導電体によって、第1電極12の体積抵抗率を下げることができる。これにより、第1電極12は、光透過性を維持しつつ、体積抵抗率を小さくすることができるため、可視光領域の光の透過率が80%以上であり、かつ体積抵抗率が1Ω・cm以下の第1電極12を実現することができる。
またワイヤ状の導電体は、少なくとも一部が第1電極12の透明支持基板11とは反対側の表面寄りに配置されることが好ましい。このようにワイヤ状の導電体を配置することによって、第1電極12の表面部の抵抗を下げることができる。
ワイヤ状の導電体は、例えば曲線状でも、針状でもよい。曲線状及び/又は針状の導電体が互いに接触し合って網目構造を形成することによって、体積抵抗率の低い第1電極(透明陽極)12を実現することができる。
ワイヤ状の導電体の材料としては、例えば、Ag、Au、Cu、Alおよびこれらの合金などの抵抗の低い金属が好適に用いられる。ワイヤ状の導電体は、例えばN.R.Jana, L.Gearheart and C.J.Murphyによる方法(Chm.Commun.,2001, p617-p618)や、C.Ducamp-Sanguesa, R.Herrera-Urbina, and M.Figlarz等による方法(J. Solid State Chem.,Vol.100, 1992, p272〜p280)によって製造することができる。
<B2>屈折率の制御
本実施形態の有機EL素子10では、第1電極(透明陽極)12の屈折率をn1、透明支持基板11の屈折率をn2としたとき、第1電極12の屈折率n1は、次式(1)を満たし、好ましくは、第1電極12に接する層(本実施の形態では発光部14)の屈折率n3以下になるように設定される。
Figure 0005314410
このような関係を満たす第1電極12を用いることにより、発光層から放射された光が第1電極12で反射することを抑制することができる。これにより発光層からの光を効率的に外に取出すことができ、光取り出し効率を向上させることができるため、結果として有機EL素子10全体としての発光効率を向上することができる。
ここで第1電極12に接する位置に配置される層としては、発光層の他に、後述するような正孔注入層、正孔輸送層などが挙げられる。発光層、正孔注入層および正孔輸送層の屈折率は、それぞれ通常1.5〜1.8程度である。
従来のボトムエミッション型の有機EL素子では、ガラス基板上に形成されたITOが陽極として用いられてきた。第1電極(透明陽極)に対応するITOの屈折率n1は、2程度であり、透明支持基板11に対応するガラス基板の屈折率n2は、1.5程度であり、電極間に設けられる有機体のITOに接する部分(たとえば発光層)の屈折率n3は、1.7程度である。すなわち従来のボトムエミッション型の有機EL素子は、屈折率の低いガラス基板と発光層とで屈折率の高いITOが挟まれた構成を形成していた。このため、発光層からの光の一部が全反射などによってITOで反射されるので、発光層からの光を効率的に取出すことができなかった。
これに対して本実施形態の有機EL素子10では、上記式(1)の関係を満たす第1電極12を用い、好ましい形態とし透明陽極12に接する層(本実施の形態では発光部14を構成する発光層)の屈折率n3以下となる屈折率n1を有する透明支持基板11を用いている。このため、従来の有機EL素子に比べて、透明支持基板11、第1電極12および第1電極12に接する層(本実施の形態では発光部14を構成する発光層)の各屈折率の差が小さい有機EL素子を構成することができる。これによって発光層からの光が第1電極12で反射することを抑制し、有機EL素子の光取出し効率を向上することができる。特にn2≦n1≦n3の関係を満たす透明支持基板11を用いれば、透明支持基板11、第1電極12および第1電極12に接する層(本実施の形態では発光部14を構成する発光層)の各屈折率の差をさらに小さくすることができ、発光層からの光が第1電極12で反射することを抑制し、有機EL素子の光取出し効率をさらに向上することができる。
また第1電極12上に各発光層14a、14b、14cなどを順次積層することにより有機EL素子を作製するが、この第1電極12の表面に大きな凹凸があると、第1電極12上に形成される層の膜厚が不均一になる場合があり、また第1電極12に存在する導電性の突起によって短絡が生じる場合があるが、本実施の形態では第1電極12の表面粗さRaを100nm以下としているので、電極間に形成される各層の膜厚のばらつきを抑制することができるとともに、第1電極12の突起による短絡を抑制することができる。
<B3>第1電極の作製方法
第1電極(透明陽極)12の作製方法について以下に記載する。第1電極12を作製する方法としては、例えば、ワイヤ状の導電体を樹脂に練り込むことによって、ワイヤ状の導電体を樹脂に分散させる方法、ワイヤ状の導電体と、樹脂とを分散媒に分散させた分散液を用いる塗布法によって成膜化する方法およびワイヤ状の導電体を樹脂から成る膜の表面にコーティングし、導電体を膜中に分散させる方法などを挙げることができる。
なお第1電極12には、必要に応じて界面活性剤や酸化防止剤などの各種添加剤を加えてもよい。樹脂の種類は、屈折率、透光率および電気抵抗などの第1電極12の特性に応じて適宜選ばれる。
またワイヤ状の導電体を分散させる量は、第1電極12の電気抵抗、ヘイズ値および透光率などに影響するので、第1電極12の特性に応じて適宜設定される。
本実施形態の第1電極12は、導電性を有するワイヤ状の導電体を分散媒に分散させた分散液を、透明支持基板11の表面に塗布し、さらにこの塗膜を硬化することによって得られる。
また第1電極12を塗布法によって形成することができるため、真空蒸着およびスパッタ法などのように真空装置を用いて第1電極12を形成する場合、または特殊な工程で第1電極12を形成する場合に比べて、簡易に第1電極12を形成することができ、これにより低コスト化を図ることができる。さらに第1電極12の特性は、ワイヤ状の導電体および樹脂の種類、並びにワイヤ状の導電体の形状などによって決まるため、これらを適宜選択することで意図する光学的特性および電気的特性などを示す第1電極12を容易に作製し得る。
分散液は、ワイヤ状の導電体と樹脂とを分散媒に分散させることによって調合される。分散媒としては、たとえば樹脂を溶解させるものであればよく、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒を挙げることができる。
また樹脂としては透光率の高いものが好ましい。また第1電極12上に設けられる層を塗布法により形成する場合には、第1電極12の一部を構成する樹脂が塗布液に溶解しないものである必要がある。このような樹脂としては例えば、低密度または高密度のポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−ノルボルネン共重合体、エチレン−ドモン共重合体、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、アイオノマー樹脂などのポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂;ナイロン−6、ナイロン−6,6、メタキシレンジアミン−アジピン酸縮重合体;ポリメチルメタクリルイミドなどのアミド系樹脂;ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂;ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリアクリロニトリルなどのスチレン−アクリロニトリル系樹脂;トリ酢酸セルロース、ジ酢酸セルロースなどの疎水化セルロース系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなどのハロゲン含有樹脂;ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、セルロース誘導体などの水素結合性樹脂;ポリカーボネート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリメチレンオキシド樹脂、ポリアリレート樹脂、液晶樹脂などのエンジニアリングプラスチック系樹脂などが挙げられる。
第1電極12上に設けられる層を塗布法により形成する場合、第1電極12の一部を構成する樹脂が塗布液に溶解し難いことが好ましく、このような観点からは、前記樹脂として熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂が好適に用いられ、フォトレジスト材料が好適に用いられる。
また例示した樹脂の中でも、導電性を有する樹脂が好適に用いられ、導電性を有する樹脂としては例えばポリアニリン、ポリチオフェンの誘導体などが挙げられる。
第1電極12の屈折率は、樹脂などによって構成される膜本体の屈折率によって主に決まる。この膜本体の屈折率は、例えば、用いる樹脂の種類によって主に決まるので、用いる樹脂を選択することによって、意図する屈折率を示す第1電極12を容易に形成することができる。
なお、感光性フォトレジストに用いられる感光性材料および光硬化性モノマーに、ワイヤ状の導電体を分散させた分散液を用いれば、塗布法およびフォトリソグラフィによって所定のパターン形状を有する第1電極12を容易に形成することができる。
第1電極12としては、有機EL素子を形成する工程において加熱される温度で変形しないものが好ましく、第1電極12を構成する樹脂としては、ガラス転移点Tgが150℃以上のものが好ましく、180℃以上のものがより好ましく、200℃以上のものがさらに好ましい。このような樹脂としては、例えばガラス転移点Tgが230℃のポリエーテルサルホンや高耐熱性フォトレジスト材料などを挙げることができる。
必要に応じて分散液に混入されるバインダーおよび添加剤、並びにワイヤ状の導電体の分散量などは、成膜の容易さおよび第1電極12の特性などの条件に応じて適宜設定および選択することができる。
ワイヤ状の導電体を分散した分散液の塗布方法としては、ディッピング法、バーコータによるコーティング法、スピンコータによるコーティング法、ドクターブレード法、噴霧塗布法、スクリーンメッシュ印刷法、刷毛塗り、吹き付け、ロールコーティング等の工業的に通常用いられている方法を挙げることができる。なお熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂を用いる場合には、分散液を塗布した後に、加熱または光照射によって塗膜を硬化させることができる。
本発明の第1の実施形態の有機EL素子の特徴は、上述のように、陽極と陰極との間に配置する発光部が3層以上の発光層を有し、各発光層が、互いに異なるピーク波長の光を発し、発光する光のピーク波長がより長い発光層ほど、より前記陽極寄りに配置されていること、光透過性を有する膜本体内にワイヤ状の導電体を設けた第1電極の屈折率を特定の範囲に制御するとともに、透明支持基板と第1電極との屈折率差を特定の範囲に制御することにある。これら発光部及び第1電極の詳細は、上述の通りである。
以上説明した本実施形態の有機EL素子によれば、電極に印加する電圧の変化に対して色味の変化を少なくするとともに、発光効率の高い有機EL素子を実現することができる。
また発光部14を構成する発光層が赤色発光層14a、緑色発光層14b、青色発光層14cの三層からなる場合、各発光層の積層順を赤色発光層14a、緑色発光層14b、青色発光層14cとして、ピーク波長が長い光を発する発光層ほど、透明陽極12寄りに配置し、発光する光のピーク波長に応じて、各発光層を所定の順序で配置することにより、色味の変化が小さくなり、さらに発光効率が向上させることができる。
さらに、第1電極12の屈折率をn1、透明支持基板11の屈折率をn2としたとき、第1電極12の屈折率n1は、次式(1)を満たすことにより、発光層から放射された光が第1電極12で反射することを抑制することができる。このため、発光層からの光を効率的に外に取出すことができ、光取り出し効率を向上させることができると共に、有機EL素子10全体としての発光効率を向上することができる。
Figure 0005314410
したがって、本発明の有機EL素子は、照明装置、バックライトとしての面状光源、フラットパネルディスプレイ等の表示装置として好適に使用することができる。
また、本実施形態の有機EL素子は、上述のような発光部14の作製方法と第1電極(透明陽極)12の作製方法とを用いて次のような工程による製造方法により製造し得る。
すなわち光透過性を有する透明支持基板11と、陽極および陰極のうちのいずれか一方の電極であり、かつ透明支持基板11に接して設けられる光透過性を有する第1電極12と、前記陽極および陰極のうちの他方の電極であり、第1電極12に対向して配置される第2電極15と、第1電極12と第2電極15との間において、ピーク波長が長い光を発する層ほど前記陽極寄りに配置され、かつ高分子化合物を含む3層以上の発光層を有する発光部14とを含む有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、導電性を有するワイヤ状の導電体を分散媒に分散させた分散液を用いる塗布法により、透明支持基板11の発光部14側の表面上に第1電極を形成する工程と、発光部を作製する工程とを含む。
前記第1電極を形成する工程では、第1電極12の屈折率をn1、透明支持基板11の屈折率をn2とすると、n1およびn2がそれぞれ次式(1)
Figure 0005314410
を満たし、可視光領域の光の透過率が80%以上、体積抵抗率が1Ω・cm以下の第1電極を形成するものである。
また、前記発光部を作製する工程では、発光層を構成する材料を含む塗布液を塗布した後、次に塗布される発光層を構成する材料を含む塗布液に対して不溶化し、発光層を形成し、ピーク波長が長い光を発する発光層からピーク波長が短い光を発する発光層の順に陽極側から陰極側に向けて積層されるように、各々の発光層に応じた前記塗布液を塗布し、各発光層を順次成膜することにより、発光部14を作製する。
続いて、これら発光部14および第1電極12以外の有機EL素子の構成要素について、以下に詳しく説明する。
<C>透明支持基板
透明支持基板は、第1電極と、3層以上の発光層と、第2電極とが積層されて構成される発光機能部が搭載されるシートである。本実施形態では、光透過性を有するシートとして、透明支持基板11を用いている。透明支持基板11としては、有機EL素子を形成する工程において変化しないもの、すなわち電極を形成し、有機物の層を形成する際に変化しないものであればよく、リジッド基板でも、フレキシブル基板でもよく、例えば、ガラス板、プラスチック板、高分子フィルムおよびシリコン板、並びにこれらを積層した積層板などが好適に用いられる。さらにプラスチック、高分子フィルムなどに低透水化処理を施したものを用いることもできる。透明支持基板11としては、市販のものが使用可能である。また透明支持基板11を公知の方法により製造することもできる。
なお、透明支持基板11としては、例示したもののうち、光透過性を有する第1電極(透明陽極)12との屈折率の差の絶対値が、0.4未満の屈折率を示すものが適宜用いられる。
図1に示すような発光部14からの光を透明支持基板11側から取出すいわゆるボトムエミッション型の有機EL素子では、透明支持基板11は、可視光領域の光の透過率が高いものが好適に用いられる。
また、本実施形態では、支持基板として透明支持基板11を用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、後述の第2の実施形態にて示すような発光部14からの光を陰極15側から取出すトップエミッション型の有機EL素子では、支持基板は、不透明のものでもよい。
<D>第2電極
第2電極は、第1電極に対向して配置され、前記陽極および陰極のうちの他方の電極である。本実施形態における第2電極15は、透明陽極12に対向して配置される電極であって、有機EL素子の陰極となるものである。このような陰極の材料としては、仕事関数が小さく、発光層への電子注入が容易な材料が好ましい。また陰極の材料としては電気伝導度が高く、可視光反射率の高い材料が好ましい。かかる陰極材料としては、具体的には、金属、金属酸化物、合金、グラファイトまたはグラファイト層間化合物、酸化亜鉛(ZnO)等の無機半導体などを挙げることができる。また第2電極を陽極として用いる構成の有機EL素子も可能である。
金属としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属、遷移金属や周期表の13族金属等を用いることができる。これら金属の具体的例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム等を挙げることができる。
また合金としては、上記金属の少なくとも一種を含む合金を挙げることができ、具体的には、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金等を挙げることができる。
陰極15は、例えば陰極側から光を取出す場合などのように、必要に応じて光透過性を有する電極とされる。このような光透過性を有する陰極の材料としては、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ITO、IZO(Indium Zinc Oxide:インジウム亜鉛酸化物)などの導電性酸化物、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体などの導電性有機物を挙げることができる。
なお陰極15を2層以上の積層構造としてもよい。また電子注入層が陰極として用いられる場合もある。
陰極15の膜厚は、電気伝導度や耐久性を考慮して、適宜選択することができるが、例えば10nm〜10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
陰極15を形成させる方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、また金属薄膜を熱圧着するラミネート法等が挙げられる。
<E>封止シート
封止シートは、第1電極と、3層以上の発光層と、第2電極とが積層されて構成される発光機能部を覆うシートである。上述のように陰極15が形成された後、基本構造として透明陽極12−正孔注入層13−発光部14−陰極15を有してなる発光機能部16を保護するために、該発光機能部16を封止する封止シート(上部封止膜)17が形成される。この封止シート17は、通常、少なくとも一つの無機層と少なくとも一つの有機層を有する。積層数は、必要に応じて決定され、基本的には、無機層と有機層は交互に積層される。
また、封止シート17の形状は、透明支持基板11と貼り合わすことにより発光機能部16を封止できるものであればよく、図1に示すように平板状であってもよいし、箱状の基板を用いてもよい(不図示)。図1に示す例では封止シート17と発光機能部16との間に空隙が生じていないが、封止シート17と発光機能部16との間に空隙が生じている場合には、この空隙に樹脂などの充填剤を設けてもよい。この封止シート17は、リジッド基板でも、フレキシブル基板でもよい。また、封止シート17は、透明支持基板11について例示した例と同様のものを採用してもよい。
なおプラスチック基板はガラス基板に比べて、ガスおよび液体の透過性が高く、また発光部14を構成する発光層などの発光物質は酸化されやすく、水と接触することにより劣化しやすい。そのため透明支持基板11および封止シート17により発光機能部16が囲繞されていても、透明支持基板11としてプラスチック基板が用いられる場合には、発光機能部16は経時変化し易いので、ガスバリア性を高めるための処理をプラスチック基板に予め施すことが好ましい。例えばプラスチック基板上にガスおよび液体などに対するバリア性の高い下部封止膜を積層し、その後、この下部封止膜の上に発光機能部16を積層することが好ましい。この下部封止膜は、通常、封止シート(上部封止膜)17と同様の構成、同様の材料にて形成される。
<F>任意の構成層
図1に示す有機EL素子10では、透明陽極12と陰極15との間に、正孔注入層13、発光部14が設けられた形態を示している。しかし透明陽極12と陰極15との間に設けられる層の構成としては、図1に示す構成例には限られない。透明陽極12と陰極15との間には必須の構成として発光部14が設けられればよく、さらに任意の機能層を1または2層以上設けてもよい。
透明陽極12と発光部14との間に設け得る層としては、正孔注入層13の他に、正孔輸送層、電子ブロック層等が挙げられる。透明陽極12と発光部14との間に、正孔注入層と正孔輸送層との両方が設けられる場合、陽極に近い側に位置する層を正孔注入層といい、発光部14に近い側に位置する層を正孔輸送層という。
陰極15と発光部14との間に設け得る層としては、電子注入層、電子輸送層、正孔ブロック層等が挙げられる。陰極15と発光部14との間に、電子注入層と電子輸送層との両方が設けられる場合、陽極に近い側に位置する層を電子注入層といい、発光部14に近い側に位置する層を電子輸送層という。
なお正孔注入層および電子注入層を総称して電荷注入層ということがある。正孔輸送層および電子輸送層を総称して電荷輸送層ということがある。また電子ブロック層および正孔ブロック層を総称して電荷ブロック層ということがある。
電荷輸送層は、それぞれ独立に2層以上用いてもよい。
以下、正孔注入層13を含め、任意の機能層(不図示)について説明する。
<F1>正孔注入層
正孔注入層は、透明陽極12からの正孔注入効率を改善する機能を有する層である。正孔注入層は、透明陽極12と正孔輸送層との間、または透明陽極12と発光部14との間に設けることができる。正孔注入層を構成する材料としては、公知の材料を適宜用いることができ、特に制限はない。例えば、フェニルアミン系、スターバースト型アミン系、フタロシアニン系、ヒドラゾン誘導体、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、アミノ基を有するオキサジアゾール誘導体、酸化バナジウム、酸化タンタル、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウム等の酸化物、アモルファスカーボン、ポリアニリン、ポリチオフェン誘導体等が挙げられる。
正孔注入層の成膜方法としては、上述の発光部14を構成する発光層を成膜する方法と同様の方法によって形成することができる。具体的には、発光層を主に構成する発光材料を溶解する溶媒と同様の溶媒に、正孔注入層となる材料(正孔注入材料)を溶解した塗布液を、慣用の塗布法によって塗布することで成膜することができる。
また正孔注入層の厚みとしては、5〜300nm程度であることが好ましい。この厚みが5nm未満では、製造が困難になる傾向があり、他方、300nmを超えると、駆動電圧および正孔注入層に印加される電圧が大きくなる傾向となる。
<F2>正孔輸送層
正孔輸送層は、透明陽極12、正孔注入層または透明陽極12により近い正孔輸送層らの正孔注入を改善する機能を有する層であり、正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する層である。
正孔輸送層を構成する材料としては、特に制限はないが、例えば、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)4,4’−ジアミノビフェニル(TPD)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)等の芳香族アミン誘導体、ポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体、ポリシランもしくはその誘導体、側鎖もしくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体、ポリアリールアミンもしくはその誘導体、ポリピロールもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)もしくはその誘導体、またはポリ(2,5−チエニレンビニレン)もしくはその誘導体などが例示される。
これらの中でも、正孔輸送層に用いる正孔輸送材料としては、ポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体、ポリシランもしくはその誘導体、側鎖もしくは主鎖に芳香族アミン化合物基を有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体、ポリアリールアミンもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)もしくはその誘導体、またはポリ(2,5−チエニレンビニレン)もしくはその誘導体等の高分子正孔輸送材料が好ましく、さらに好ましくはポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体、ポリシランもしくはその誘導体、側鎖もしくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体である。低分子の正孔輸送材料の場合には、高分子バインダーに分散させて用いることが好ましい。
正孔輸送層の成膜方法としては、特に制限はないが、低分子の正孔輸送材料では、高分子バインダーと正孔輸送材料とを含む混合液からの成膜を挙げることができ、高分子の正孔輸送材料では、正孔輸送材料を含む溶液からの成膜を挙げることができる。
溶液からの成膜に用いられる溶媒としては、正孔輸送材料を溶解させるものであれば特に制限はなく、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタンなどの塩素系溶媒、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテートなどのエステル系溶媒などを挙げることができる。溶液からの成膜方法としては、前述した正孔注入層の成膜法と同様の塗布法を挙げることができる。
混合する高分子バインダーとしては、電荷輸送を極度に阻害しないものが好ましく、また可視光に対する吸収の弱いものが好適に用いられ、例えばポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサンなどを挙げることができる。
正孔輸送層の厚みは、特に制限されないが、目的とする設計に応じて適宜変更することができ、1〜1000nm程度であることが好ましい。この厚みが前記下限値未満となると、製造が困難になる。または正孔輸送の効果が十分に得られないなどの傾向があり、他方、前記上限値を超えると、駆動電圧および正孔輸送層に印加される電圧が大きくなる傾向がある。したがって、正孔輸送層の厚みは、上述のように、好ましくは、1〜1000nmであるが、より好ましくは、2nm〜500nmであり、さらに好ましくは、5nm〜200nmである。
<F3>電子ブロック層
電子ブロック層は、電子の輸送を堰き止める機能を有する層である。なお正孔注入層および/または正孔輸送層が電子の輸送を堰き止める機能を有する場合には、これらの層が電子ブロック層を兼ねることがある。電子ブロック層が電子の輸送を堰き止める機能を有することは、例えば、電子電流のみを流す素子を作製し、その電流値の減少で堰き止める効果を確認することが可能である。電子ブロック層としては、例えば上記正孔注入層または正孔輸送層の材料として例示した各種材料を用い得る。
<F4>電子注入層
電子注入層は、陰極15からの電子注入効率を改善する機能を有する層である。電子注入層は、電子輸送層と陰極15との間、または発光部14と陰極15との間に設けられる。電子注入層としては、発光層の種類に応じて、アルカリ金属やアルカリ土類金属、あるいは前記金属を一種類以上含む合金、あるいは前記金属の酸化物、ハロゲン化物および炭酸化物、あるいは前記物質の混合物などが挙げられる。
アルカリ金属またはその酸化物、ハロゲン化物、炭酸化物の例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、酸化リチウム、フッ化リチウム、酸化ナトリウム、フッ化ナトリウム、酸化カリウム、フッ化カリウム、酸化ルビジウム、フッ化ルビジウム、酸化セシウム、フッ化セシウム、炭酸リチウム等が挙げられる。
前記アルカリ土類金属またはその酸化物、ハロゲン化物、炭酸化物の例としては、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム、酸化カルシウム、フッ化カルシウム、フッ化カルシウム、酸化バリウム、フッ化バリウム、酸化ストロンチウム、フッ化ストロンチウム、炭酸マグネシウムなどが挙げられる。
さらに金属、金属酸化物、金属塩をドーピングした有機金属化合物および有機金属錯体化合物、またはこれらの混合物も、電子注入層の材料として用いることができる。
この電子注入層は、2層以上を積層した積層構造を有していても良い。具体的には、Li/Caなどが挙げられる。この電子注入層は、蒸着法、スパッタリング法、印刷法などにより形成される。
この電子注入層の膜厚としては、1nm〜1μm程度が好ましい。
<F5>電子輸送層
電子輸送層は、陰極15、電子注入層または陰極15により近い電子輸送層からの電子注入を改善する機能を有する層であり、電子輸送層とは電子を輸送する機能を有する層である。
電子輸送層を形成する材料としては、公知のものが使用でき、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタンもしくはその誘導体、ベンゾキノンもしくはその誘導体、ナフトキノンもしくはその誘導体、アントラキノンもしくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタンもしくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレンもしくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、または8−ヒドロキシキノリンもしくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリンもしくはその誘導体、ポリキノキサリンもしくはその誘導体、ポリフルオレンもしくはその誘導体等が例示される。
これらのうち、オキサジアゾール誘導体、ベンゾキノンもしくはその誘導体、アントラキノンもしくはその誘導体、または8−ヒドロキシキノリンもしくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリンもしくはその誘導体、ポリキノキサリンもしくはその誘導体、ポリフルオレンもしくはその誘導体が好ましく、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、ポリキノリンがさらに好ましい。
電子輸送層の成膜法としては、特に制限はないが、低分子電子輸送材料では、粉末からの真空蒸着法、または溶液若しくは溶融状態からの成膜による方法などが例示される。また高分子電子輸送材料では、溶液または溶融状態からの成膜による方法などが例示される。また溶液または溶融状態からの成膜時には、高分子バインダーを併用してもよい。溶液から電子輸送層を成膜する方法としては、前述の溶液から正孔注入層を成膜する方法と同様の成膜法が挙げられる。
この電子輸送層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択され、少なくともピンホールが発しないような厚さが必要であり、厚すぎると素子の駆動電圧が高くなるので好ましくない。従って、電子輸送層の膜厚としては、例えば1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
<F6>正孔ブロック層
正孔ブロック層は、正孔の輸送を堰き止める機能を有する層である。なお電子注入層および/または電子輸送層が正孔の輸送を堰き止める機能を有する場合には、これらの層が正孔ブロック層を兼ねることがある。正孔ブロック層が正孔の輸送を堰き止める機能を有することは、例えばホール電流のみを流す素子を作製し、その電流値の減少で堰き止める効果を確認することが可能である。
<G>発光機能部の層構成の組合せ
上記のように発光機能部はその実施形態として様々な層構成を採用し得る。発光機能部のとり得る層構成を具体的な例を以下に示す。
a)陽極/発光部/陰極
b)陽極/正孔注入層/発光部/陰極
c)陽極/発光部/電子注入層/陰極
d)陽極/正孔注入層/発光部/電子注入層/陰極
e)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光部/陰極
f)陽極/発光部/電子輸送層/電子注入層/陰極
g)陽極/正孔注入層/発光部/電子輸送層/電子注入層/陰極
h)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光部/電子注入層/陰極
i)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光部/電子輸送層/電子注入層/陰極
(ここで、記号「/」は、記号「/」を挟む各層が隣接して積層されていることを示す。以下同じ。)
図1などに示す実施形態では1組の発光部14を設けている。しかし、その変形例として、2組以上の発光部を重ねて設ける形態も採用し得る。ここで上記(a)〜(i)の層構成のうちのいずれか1つにおいて、陽極と陰極とに挟持された部分の積層体を「繰り返し単位A」とすると、2組以上の発光部を有する有機EL素子としては、例えば下記(j)に示す層構成なども採用し得る。
j)陽極/(繰り返し単位A)/電荷発生層/(繰り返し単位A)/陰極
また3組以上の発光部を有する有機EL素子としては、「(繰り返し単位A)/電荷注入層」を「繰り返し単位B」とすると、例えば下記(k)に示す層構成などを挙げることができる。
k)陽極/(繰り返し単位B)/(繰り返し単位A)/陰極
なお記号「n」は、2以上の整数を表し、(繰り返し単位B)は、繰り返し単位Bがn段積層された積層体を表す。
電荷発生層とは、電界を印加することにより正孔と電子を発生する層である。電荷発生層としては、例えば酸化バナジウム、ITO、酸化モリブデンなどから成る薄膜を挙げることができる。
有機EL素子においては、通常基板側に陽極が配置されるが、基板側に陰極を配置するようにしてもよい。
また、他の任意の機能層として、例えば電極との密着性向上や電極からの電荷注入性の改善のために、電極に隣接して膜厚2nm以下の絶縁層を設けてもよい。さらに他の任意の機能層として界面の密着性向上や混合の防止などのために、前述した各層間に薄いバッファー層を挿入してもよい。
図1に示す実施形態では、透明支持基板11上に透明陽極12を設ける形態を示している。この場合、上記a)からj)の各形態では、左側(陽極側)に示された層から順に各層が透明支持基板11上に配置されることになる。
他方、本発明の有機EL素子としては、支持基板上に陰極を配置する形態も採用し得る。この場合、上記a)からj)の各形態では、右側(陰極側)に示された層から順に支持基板上に各層が配置されることになる。
[第2の実施形態]
次に本発明に係る有機EL素子の第2の実施形態を、図2を参照して説明する。図2は、本発明の有機EL素子の第2の実施形態を示す正面断面図である。図2中、第1の実施形態と同様である部材については、図1と同一符号を付して重複した説明は省略する。以下、第1の実施形態と異なる点を主として説明する。
第2の実施形態と上述の第1の実施形態との違いは、第1の実施形態の有機EL素子が透明支持基板11側から光を取出すボトムエミッション型の素子であったのに対し、第2の実施形態の有機EL素子20は支持基板21とは反対側の透明封止シート22側から光を取出すトップエミッション型の素子である点にある。
本実施形態では、発光部14からの光を透過させる光透過性を有する第1電極が陰極23に相当し、光透過性を有するシートが、発光機能部24を覆う透明封止シート22に相当する。透明封止シート22は透明陰極(第1電極)23の発光部14とは反対側の表面に形成されている。また、発光部14と第1電極23との間には電子注入層25が形成されている。発光機能部24は、陽極(第2電極)26、陰極23およびこれらの間に位置する発光部14、電子注入層25を備える。すなわち本実施の形態では、第1の実施の形態の封止シート17を光透過性を有する透明封止シート22とし、第1の実施形態の透明陽極12を陽極(第2電極)26とし、第1の実施の形態の陰極15を透明陰極(第1電極)23とした。
透明封止シート22は、有機EL素子の雰囲気に含まれる酸素および水蒸気などを通し難い封止膜によって実現され、例えば金属、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物または金属酸窒化物などから成る無機層、あるいは前記無機層と有機層とを積層した積層体、あるいは無機物と有機物とを混合した無機−有機ハイブリッド層などが好適に用いられる。無機層としては、空気中で安定なものが好ましく、具体的には、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化インジウム、酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、インジウム錫酸化物、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸窒化ケイ素、またはこれらを組合せた材料からなる薄膜層を用いることができる。無機層としては、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素からなる薄膜層が好ましく、酸窒化ケイ素からなる薄膜層がさらに好ましい。なお透明封止シート22としては、例示したもののうち、透明陰極(第1電極)21との屈折率の差の絶対値が、0.4未満の屈折率を示すものが適宜用いられる。
さらに本実施形態における透明陰極(第1電極)21には、例えば透明陽極である第1電極として上述のものが用いられる。また陽極(第2電極)23と支持基板25との間に、例えば銀などの反射率の高い反射膜を設けることが好ましく、このような反射膜を設けることによって、支持基板25側に向かう光を透明陰極(第1電極)21側に反射することができ、光の取出し効率を向上させることができる。
本発明にかかる有機EL素子を、上記第2の実施形態のように構成しても、上述の第1の実施形態と同様の作用、効果を得ることができる。すなわち本発明の有機EL素子は、第1の実施形態によっても、第2の実施形態によっても、電極に印加する電圧の変化して色味の変化を少なくするとともに、発光効率の高い有機EL素子を実現することができる。
また本実施形態の有機EL素子20は、第1の実施形態の有機EL素子における上述の発光部14の作製方法と第1電極(透明陽極)12の作製方法とを用いて次のような工程による製造方法により製造される。
すなわち光透過性を有する透明封止シート22と、陽極および陰極のうちのいずれか一方の電極であり、かつ透明封止シート22に接して設けられる光透過性を有する第1電極23と、前記陽極および陰極のうちの他方の電極であり、第1電極23に対向して配置される第2電極25と、第1電極23と第2電極25との間において、ピーク波長が長い光を発する層ほど前記陽極寄りに配置され、かつ高分子化合物を含む3層以上の発光層を有する発光部14とを含む有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、発光部14を作製する工程と、導電性を有するワイヤ状の導電体を分散媒に分散させた分散液を用いる塗布法により、発光部14と透明封止シート22との間に第1電極を形成する工程と、を含む。
発光部14を作製する工程では、発光層を構成する材料を含む塗布液を塗布した後、次に塗布される発光層を構成する材料を含む塗布液に対して不溶化し、発光層を形成し、ピーク波長が長い光を発する発光層から光のピーク波長が短い発光層の順に陽極側から陰極側に向けて積層されるように、各々の発光層に応じた前記塗布液を塗布し、各発光層を順次成膜することにより、発光部を作製する工程、を含む。
前記第1電極を形成する工程では、発光部14と透明封止シート22との間に、導電性を有するワイヤ状の導電体を分散媒に分散させた分散液を塗布し、成膜することにより、前記第1電極の屈折率をn1、透明封止シート22の屈折率をn2とすると、n1およびn2が、それぞれ次式(1)
Figure 0005314410
を満たし、可視光領域の光の透過率が80%以上、体積抵抗率が1Ω・cm以下の前記第1電極を、発光部14と透明封止シート22との間に形成する工程を含む。
また第1の実施形態の有機EL素子は、発光部からの光を透明陽極(第1電極)を透過させて光透過性を有する透明支持基板から外部に出射するボトムエミッション型の素子構造を有しているが、同じボトムエミッション型の素子構造であって、透明基板側に光透過性を有する透明陰極(第1電極)を設け、封止シート側に陽極を設けた構造の有機EL素子も作製可能である。このような第3の構造の有機EL素子に対しても、本発明は適用可能である。
さらに第2の実施形態の有機EL素子は、発光部からの光を透明陰極(第1電極)を透過させて光透過性を有する透明封止シートから外部に出射するトップエミッション型の素子構造を有しているが、同じトップエミッション型の素子構造であって、光透過性を有する透明封止シート側に光透過性を有する透明陽極(第1電極)を設け、支持基板側に陰極を設けた構造の有機EL素子も作製可能である。このような第4の構造の有機EL素子に対しても、本発明は適用可能である。
さらに発光部からの光を、光透過性を有する透明陽極(第1電極)を透過させて光透過性を有する支持基板から外部に出射すると共に、光透過性を有する透明陰極(第2電極)を透過させて光透過性を有する封止シートから外部に出射する両面発光型の素子構造も作製可能であり、このような両面発光型の有機EL素子に対しても、本発明は適用可能である。
<2.本発明の有機EL素子を搭載した装置>
以上説明した本発明の各実施形態の有機EL素子は、曲面状や平面状の照明装置、例えばスキャナの光源として用いられる面状光源、表示装置に好適に用いることができる。
有機EL素子を備える表示装置としては、アクティブマトリックス表示装置、パッシブマトリックス表示装置、セグメント表示装置、ドットマトリックス表示装置および液晶表示装置などを挙げることができる。なお有機EL素子は、アクティブマトリックス表示装置、パッシブマトリックス表示装置において、各画素を構成する発光素子として用いられ、セグメント表示装置において、各セグメントを構成する発光素子として用いられ、ドットマトリックス表示装置および液晶表示装置において、バックライトとして用いられる。
本発明の実施形態の有機EL素子は、陽極と陰極との間に印加する電圧を変化させたときの、取出される光の色度座標における座標値xと、座標値yとの変化の幅が、それぞれ0.05以下とすることが可能であり、色味の変化が少なく、上述のような面状光源、照明装置および表示装置に好適に用いられる。特に、照明装置としては、陽極と陰極との間に印加する電圧を変化させることによって明るさを調整したときに、色味が変化しないものが好ましく、照明装置からの光の色度座標における座標値xと、座標値yとの変化の幅が、それぞれ0.05以下のものが好ましいため、本発明の有機EL素子が照明装置用として好適に用いられる。
また同様に、ドットマトリックス表示装置および液晶表示装置のバックライトとしては、明るさを調整したときに、色味が変化しないものが好ましく、バックライトからの光の色度座標における座標値xと、座標値yとの変化の幅が、それぞれ0.05以下のものが好ましいため、本発明の有機EL素子がバックライトにも好適に用いられる。
以下、作製例および比較例に基づいて本発明についてより詳細に説明するが、本発明は下記作製例等に限定されるものではない。
<作製例1>発光部を有する有機EL素子の作製
この作製例1では、発光する光のピーク波長が異なる複数の発光層を所定の順序で配置することによる効果を確認するために、光透過性を有する透明支持基板上に、光透過性を有する第1電極である透明陽極を配置し、この透明陽極(第1電極)上に正孔注入層が形成され、この正孔注入層上に、赤、緑、青に発光する3つの発光層から構成され、透明陽極(第1電極)側から赤色発光層、緑色発光層、青色発光層の順に配置した発光部が配置され、その上に第2電極である陰極を配置した有機EL素子を製造し、発光特性が向上することを確認した。
以下のようにして発光部を有する有機EL素子を作製した。光透過性を有する透明支持基板としては、ガラス基板を用い、このガラス基板上にスパッタリング法によって成膜され、所定の形状にパターニングされたITO膜を透明陽極(第1電極)として用いた。透明陽極としては、厚みが150nmのものを用いた。透明陽極が形成された透明支持基板を、アルカリ洗剤および超純水で洗浄し、乾燥させた後に、UV−O3装置(テクノビジョン株式会社製、商品名「モデル312 UV−O3クリーニングシステム」)を用いてUV−O3処理を行った。
次に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(HC スタルクヴィテック社製、商品名「BaytronP TP AI4083」)の懸濁液を、孔径が0.2μmのメンブランフィルターで濾過した。濾過して得られた液体を、スピンコートすることによって、透明陽極上に薄膜を形成した。次に、ホットプレート上において200℃で10分間加熱する処理を行い、膜厚が70nmの正孔注入層を得た。
次に、赤色発光層を正孔注入層上に積層した。まず、溶媒としてキシレンを用い、赤色発光層を主に構成する材料として、発光材料(SUMATION社製、商品名「PR158」)を用い、架橋剤として、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬製、商品名「KAYARAD DPHA」)を用いて塗布液を調合した。発光材料と架橋剤との重量比を4:1とし、発光材料と架橋剤とを合わせた材料の塗布液における割合を1.0質量%とした。このようにして得られた塗布液を、スピンコートすることによって、正孔注入層上に薄膜を形成した。次に、窒素雰囲気において200℃で20分間加熱して、膜厚が10nmの赤色発光層を得た。このような加熱処理を行うことによって、薄膜を乾燥させて溶媒を除去するとともに、架橋剤を架橋させて、次に塗布される塗布液に対して赤色発光層を不溶化した。
次に、緑色発光層を赤色発光層上に積層した。まず、溶媒としてキシレンを用い、緑色発光層を主に構成する材料として、発光材料(SUMATION社製、製品名「Green1300」)を用い、架橋剤として、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬製、商品名「KAYARAD DPHA」)を用いて塗布液を調合した。発光材料と架橋剤との重量比を、4:1とし、発光材料と架橋剤とを合わせた材料の塗布液における割合を1.0質量%とした。このようにして得られた塗布液を、スピンコートすることによって、赤色発光層上に薄膜を形成した。次に、窒素雰囲気において200℃で20分間加熱して、膜厚が15nmの緑色発光層を得た。このような加熱処理を行うことによって、薄膜を乾燥させて溶媒を除去するとともに、架橋剤を架橋させて、次に塗布される塗布液に対して緑色発光層を不溶化した。
次に、青色発光層を緑色発光層上に積層した。まず、溶媒としてキシレンを用い、青色発光層を主に構成する材料として、発光材料(SUMATION社製、商品名「BP361」)を用いて塗布液を調合した。塗布液における青色発光材料の割合を、1.5質量%とした。このようにして得られた塗布液を、スピンコートすることによって、緑色発光層上に薄膜を形成した。次に、窒素雰囲気において130℃で20分間加熱して、膜厚が55nmの青色発光層を得た。なお各発光層の厚み方向に垂直な平面で切った断面の形状は、2mm×2mmの正方形とした。
次に、上述のようにして青色発光層を成膜した基板を、真空蒸着機に導入して、バリウムを青色発光層上に蒸着させて、膜厚が約5nmのバリウムからなる薄膜を形成し、さらにバリウムからなる薄膜上にアルミニウムを蒸着させて、膜厚が約80nmのアルミニウムからなる薄膜を形成して、バリウムからなる薄膜と、アルミニウムからなる薄膜との積層体によって構成される陰極を形成した。なお真空度が5×10-5Pa以下に達してから、バリウムおよびアルミニウムの蒸着を開始した。
<比較例1>有機EL素子の作製
比較例1として、白色の波長領域で発光する一層の発光層(以下、白色発光層という場合がある)のみから成る発光部を備える有機EL素子を作製した。白色発光層以外の製造工程は、上記作製例1の有機EL素子の製造工程と同じなので、重複する説明を省略して、白色発光層の製造工程についてのみ説明する。
まず、溶媒としてキシレンを用い、白色発光層を主に構成する材料として、発光材料(SUMATION社製、商品名「WP1330」)を用いて塗布液を調合した。塗布液における発光材料の割合は、1.0質量%とした。このようにして得られた塗布液を、正孔注入層が形成された基板上にスピンコートすることによって、正孔注入層上に薄膜を形成した。次に、窒素雰囲気において130℃で20分間加熱して、膜厚が80nmの白色発光層を得た。
<比較例2>有機EL素子の作製
比較例2として、赤色発光層、緑色発光層および青色発光層の3層の積層順のみが、作製例1の有機EL素子とは異なる有機EL素子を作製した。陽極に最も近い層に、青色発光層を配置し、真中の層に、緑色発光層を配置し、陰極に最も近い層に赤色発光層を配置した。赤色発光層、緑色発光層および青色発光層以外の製造工程は、作製例1の有機EL素子の製造工程と同じなので、赤色発光層、緑色発光層および青色発光層の製造工程についてのみ説明する。
まず青色発光層を正孔注入層上に積層した。塗布液の溶媒としてキシレンを用い、青色発光層を主に構成する材料として、発光材料(SUMATION社製、商品名「BP361」)を用い、架橋剤として、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬製、商品名「KAYARAD DPHA」)を用いて塗布液を調合した。発光材料と架橋剤との重量比を、4:1とし、発光材料と架橋剤とを合わせた材料の塗布液における割合を1.0質量%とした。このようにして得られた塗布液を、スピンコートすることによって、正孔注入層上に薄膜を形成した。次に、窒素雰囲気において130℃で20分間加熱して、膜厚が55nmの青色発光層を得た。このような加熱処理を行うことによって、薄膜を乾燥させて溶媒を除去するとともに、架橋剤を架橋させて、次に塗布される塗布液に対して青色発光層を不溶化した。
次に緑色発光層を青色発光層に積層した。まず、溶媒としてキシレンを用い、緑色発光層を主に構成する材料として、発光材料(SUMATION社製、製品名「Green1300」)を用い、架橋剤として、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬製、商品名「KAYARAD DPHA」)を用いて塗布液を調合した。発光材料と架橋剤との重量比を、4:1とし、発光材料と架橋剤とを合わせた材料の塗布液における割合を1.0質量%とした。このようにして得られた塗布液を、スピンコートすることによって、青色発光層上に薄膜を形成した。次に、窒素雰囲気において200℃で20分間加熱して、膜厚が15nmの緑色発光層を得た。このような加熱処理を行うことによって、薄膜を乾燥させて溶媒を除去するとともに、架橋剤を架橋させて、次に塗布される塗布液に対して緑色発光層を不溶化した。
次に赤色発光層を緑色発光層上に積層した。まず、溶媒としてキシレンを用い、赤色発光層を主に構成する材料として、発光材料(SUMATION社製、商品名「PR158」)を用いて塗布液を調合した。塗布液における発光材料の割合を1.0質量%とした。このようにして得られた塗布液を、スピンコートすることによって、緑色発光層上に薄膜を形成した。次に、窒素雰囲気において200℃で20分間加熱して、膜厚が10nmの赤色発光層を得た。
<発光波長の異なった複数の発光層の所定順の配置による効果の評価>
作製例1、比較例1、比較例2の各有機EL素子にそれぞれ電圧を印加して、輝度および色度を測定した。測定では、印加する電圧を段階的に変化させ、印加する電圧毎に輝度および色度を測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 0005314410
印加する電圧を変えて輝度を100cd/m2〜10000cd/m2まで変化させたときの、作製例1、比較例1、比較例2の各有機EL素子のCIE色度座標における座標値x、yのそれぞれの変化幅を表2に示す。
Figure 0005314410
表1および表2に示すように、作製例1の有機EL素子は、印加する電圧を変えて輝度を100cd/m2〜10000cd/m2まで変化させたときの、取出される光の色度座標における座標値xと座標値yの変化の幅が、それぞれ0.016以下であった。
表1に示すように、作製例1の有機EL素子は、3層の発光層を設けることによって、1層の発光層のみからなる比較例1の有機EL素子よりも電流効率の最大値が向上した。
また作製例1の有機EL素子は、3層の発光層を所定の配置にすることによって、比較例2の有機EL素子よりも電流効率の最大値が向上した。
また表1に示すように、作製例1の有機EL素子は、3層の発光層を設けることによって、1層の発光層のみからなる比較例1の有機EL素子よりも、電圧の変化に対する色味の変化が少なかった。また作製例1の有機EL素子は、3層の発光層を所定の配置にすることによって、比較例2の有機EL素子よりも、電圧の変化に対する色味の変化が少なかった。
以下の作製例2〜4では、光透過性を有する膜本体内にワイヤ状の導電体を設けた第1電極の屈折率を特定の範囲に制御するとともに、透明支持基板と第1電極との屈折率差を特定の範囲に制御することにより、光取り出し効率を向上させることができることを確認する。
<作製例2>第1電極内にワイヤ状の導電体を設置した有機EL素子の作製
ワイヤ状の導電体として、アミノ基含有高分子系分散剤(アイ・シー・アイ・ジャパン社製、商品名「ソルスパース24000SC」)で表面を保護した銀ナノワイヤー(長軸平均長さ1μm、短軸平均長さ10nm)を用いる。この銀ナノワイヤーのトルエン分散液2g(銀ナノワイヤー1.0g含有)と、膜本体となる光硬化性モノマーであるトリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学社製、商品名「NKエステル−TMPT」)0.25gとを混合し、銀ナノワイヤーを混合溶液中に分散させ、さらに重合開始剤(日本チバ・ガイギー社製、商品名「イルガキュア907」)0.0025gを添加する。この混合溶液を厚さ0.7mmのガラス基板(透明板本体)に塗布し、ホットプレート上で110℃20分加熱して溶媒を乾燥し、さらにUVランプで光照射(6000mW/cm2)することによって硬化して、膜厚が150nmの透明導電膜を得る。このように成膜することによって、透過率が80%以上、体積抵抗率が1Ω・cm以下である透明導電膜が得られる。
光硬化樹脂の屈折率は1.47であり、得られる透明導電膜の屈折率も1.47となり、この透明導電膜付き透明板を、光透過性を有する第1電極を有する透明支持基板あるいは透明封止シートに用いることにより有機EL素子を得ることができる。得られた有機EL素子では光取出し効率が向上する。
<作製例3>第1電極内にワイヤ状の導電体を設置した有機EL素子の作製
ワイヤ状の導電体として、アミノ基含有高分子系分散剤(アイ・シー・アイ・ジャパン社製、商品名「ソルスパース24000SC」)で表面を保護した銀ナノワイヤー(長軸平均長さ1μm、短軸平均長さ10nm)を用いる。この銀ナノワイヤーのトルエン分散液2g(銀ナノワイヤー1.0g含有)と、膜本体となるポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸の溶液(スタルク社製、商品名「BaytronP」)2.5gとを混合し、銀ナノワイヤーを混合溶液中に分散させる。この混合溶液を厚さ0.7mmのガラス基板(透明板本体)に塗布し、ホットプレート上で200℃20分加熱し、溶媒を乾燥すると膜厚が150nmの透明導電膜を得る。このように成膜することによって、透過率が80%以上、体積抵抗率が1Ω・cm以下である透明導電膜が得られる。
「BaytronP」の屈折率は1.7であり、得られる透明導電膜の屈折率も1.7となり、この透明導電膜付き透明板を、光透過性を有する第1電極を有する透明支持基板あるいは透明封止シートに用いることにより有機EL素子を得ることができる。得られた有機EL素子では、光取出し効率が向上する。
<作製例4>第1電極内にワイヤ状の導電体を設置した有機EL素子の作製
ワイヤ状の導電体として、アミノ基含有高分子系分散剤(アイ・シー・アイ・ジャパン社製、商品名「ソルスパース24000SC」)で表面を保護した銀ナノワイヤー(長軸平均長さ1μm、短軸平均長さ10nm)を用いる。膜本体となるポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸の溶液(スタルク社製、商品名「BaytronP」)2.5gに、ジメチルスルホキシド0.125gを混合した混合液と、銀ナノワイヤーのトルエン分散液2g(銀ナノワイヤー1.0g含有)とを混合し、銀ナノワイヤーを混合溶液中に分散させる。この混合溶液を0.7mm厚のガラス基板に塗布し、ホットプレート上で200℃20分加熱し、溶媒を乾燥すると膜厚が150nmの導電膜を得る。このように成膜することによって透過率が80%以上、体積抵抗率が1Ω・cm以下である透明導電膜が得られる。
「BaytronP」の屈折率は1.7であり、得られる透明導電膜の屈折率も1.7となり、この透明導電膜付き透明板を、透明第1電極を有する透明支持基板あるいは透明封止シートに用いることにより有機EL素子を得ることができる。得られた有機EL素子では光取出し効率が向上する。
以上、作製例1では、光透過性を有する第1電極の上に、発光層を赤、緑、青に発光する3つの発光層から構成され、これら発光層を陽極側から陰極側に向けて、赤色発光層、緑色発光層、青色発光層の順に配置した発光部が配置され、その上に第2電極である陰極を配置した有機EL素子を製造し、発光層を陽極側から陰極側に向けて、赤色発光層、緑色発光層、青色発光層の順に配置することによる効果を確認した。
また、作製例2〜4では、光透過性を有する膜本体内にワイヤ状の導電体を設けた第1電極の屈折率を特定の範囲に制御するとともに、透明支持基板と第1電極との屈折率差を特定の範囲に制御することによる効果を同時に得ることを確認できる。
本発明の有機EL素子の第1の実施形態を示す正面断面図である。 本発明の有機EL素子の第2の実施形態を示す正面断面図である。
符号の説明
10、20 有機EL素子
11 透明支持基板
12 透明陽極(第1電極)
13 正孔注入層
14 発光部
14a 赤色発光層
14b 緑色発光層
14c 青色発光層
15 陰極(第2電極)
16、24 発光機能部
17 封止シート(上部封止膜)
21 支持基板
22 透明封止シート(上部封止膜)
23 透明陰極(第1電極)
25 電子注入層
26 陽極(第2電極)

Claims (10)

  1. 光透過性を有するシートと、
    陽極および陰極のうちのいずれか一方の電極であり、かつ前記シートに接して設けられる光透過性を有し、導電性を有する樹脂を含む光透過性を有する膜本体と、該膜本体中に配置され、導電性を有し径が200nm以下であるワイヤ状の導電体とを含む第1電極と、
    前記陽極および陰極のうちの他方の電極であり、前記第1電極に対向して配置される第2電極と、
    前記第1電極と第2電極との間において、ピーク波長が長い光を発するものほど前記陽極寄りに配置される3層以上の発光層と、を含み、
    前記第1電極の屈折率をn1、前記シートの屈折率をn2とすると、n1およびn2がそれぞれ次式(1)
    Figure 0005314410
    を満たし、
    前記第1電極の表面粗さRaが100nm以下であり、
    陽極側から陰極に向けて、HOMOの絶対値に負号を付した値およびLUMOの絶対値に負号を付した値が順次高くなるように前記各発光層が配置されている、
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記3層以上の発光層として、赤色の光を発する発光層と、緑色の光を発する発光層と、青色の光を発する発光層とを備える、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記第1電極は、可視光領域の光の透過率が80%以上、体積抵抗率が1Ω・cm以下である、請求項1または2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記陽極と前記陰極との間に印加する電圧を変化させたときの、外に取出される光の色度座標における座標値xと、座標値yとの変化の幅が、それぞれ0.05以下である、請求項1から3のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記ワイヤ状の導電体が、前記膜本体中において網目構造を構成している、請求項1から4のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 前記シートは、前記第1電極と、前記3層以上の発光層と、前記第2電極とが積層されて構成される発光機能部が搭載される透明支持基板である、請求項1からのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 前記シートは、前記第1電極と、前記3層以上の発光層と、前記第2電極とが積層されて構成される発光機能部を覆う透明封止シートである、請求項1からのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 請求項1からのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備える面状光源。
  9. 請求項1からのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備える照明装置。
  10. 請求項1からのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備える表示装置。
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