JP5314409B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

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Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子という場合がある)面状光源、照明装置、および表示装置に関する。
有機EL素子は、主たる構成として、陽極、陰極、およびこれら一対の電極に挟まれた発光部を備える。発光部は有機化合物で形成されており、電極間に電圧を印加することによって発光部が発光する。例えば、複数の種類の色素を分散させた白色発光層のみからなる発光部を備え、白色光を発光する有機EL素子が開示されている(例えば特許文献1参照)。
電力が供給されて有機EL素子が発光する際には、供給される電力の一部がジュール熱などにより熱エネルギーに変換され、有機EL素子が発熱する。有機EL素子は、駆動時の温度が高くなるほど素子の寿命が短くなる傾向があり、駆動時の高温化は、輝度などの発光特性の低下や、有機EL素子自体の劣化を引き起こす要因の1つと考えられている。有機EL素子を備える装置として実用化が望まれている照明装置などは、特に、有機EL素子を高輝度で駆動させる必要があるために、発熱量が多くなるので、装置に生じた熱をいかにして装置外に放出するかという点が重要な課題となっている。そのため、有機EL素子に生じた熱を素子外に放熱する方策が種々検討されている。放熱性を改善する手法として、一部の部材に熱伝導性の高い材料を採用することが提案されている(例えば、特許文献2など)。また有機EL素子の内部構造中の一部に放熱膜を設けることが提案されている(例えば、特許文献3など)。
特開平07−220871号公報 特開2004−186045号公報 特開2006−244847号公報
有機EL素子においては、さらに発光性能を向上させることが要求されている。従来の技術の有機EL素子では、印加する電圧の変化に対する色味の変化が大きいという指摘がある。例えば有機EL素子を照明装置に用いた場合には、明るさに応じて照明の色味が変化し、また例えば有機EL素子を液晶表示装置のバックライトに用いた場合には、表現される画像情報の色味が輝度に応じて変化するために、表示品質が悪くなるという問題が生じる。このため印加する電圧の変化に対する色味の変化の少ない有機EL素子が求められている。このような色味の変化が大きくなるという問題に加えて、発光効率を高めるための改善は、常に有機EL素子の開発に求められている。さらに、有機EL素子に対しては、長時間、高輝度での使用にも耐える耐久性向上の要望も強い。耐久性向上を実現するための一つの手段として、有機EL素子が発する熱を装置外に効率よく放出することが求められる。
本発明は、電極に印加する電圧の変化に対して、色味の変化の少なく、かつ耐久性の高い、発光性能の優れた有機EL素子を提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するために、下記構成を有する有機EL素子およびこれを実装する装置を提供する。
〔1〕陽極と、
陰極と、
前記陽極および陰極の間において、発光する光のピーク波長のより長い発光層ほど前記陽極により近い位置に配置されている複数の発光層が積層されて成る複層発光部と、
前記陽極、前記陰極および前記複層発光部を含む積層体が搭載される支持基板と、
該支持基板と対向して配置され、前記支持基板とともに前記積層体を挟む封止基板と、
前記支持基板の少なくとも一方の主面、または、前記封止基板の少なくとも一方の主面に配置され、かつ熱放射率が0.70以上である放熱層と、
を備える有機エレクトロルミネッセンス素子。
〔2〕前記複層発光部が、赤色の光を発する発光層と、緑色の光を発する発光層と、青色の光を発する発光層との3層からなる、上記〔1〕記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
〔3〕発光層が、発光性高分子有機化合物を含む層である、上記〔1〕または〔2〕記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
〔4〕陽極と陰極との間に印加する電圧を変化させたときの、外に取出される光の色度座標における座標値xと、座標値yとの変化の幅が、それぞれ0.05以下である、上記〔1〕から〔3〕のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
〔5〕前記放熱層の熱放射率が0.85以上である、上記〔1〕から〔4〕のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
〔6〕前記放熱層の熱伝導率が1W/mK以上である、上記〔1〕から〔5〕のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
〔7〕前記放熱層の熱伝導率が200W/mK以上である、上記〔1〕から〔6〕のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
〔8〕前記放熱層が、黒色系材料を含む、上記〔1〕から〔7〕のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
〔9〕前記放熱層が、高熱伝導性層と黒色系材料層とを含む積層構造を有する、上記〔8〕に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
〔10〕前記高熱伝導性層が、アルミニウム、銅、銀、セラミックス材料、およびこれらから選ばれる2種以上の合金からなる群より選ばれる無機材料、または高熱伝導性の樹脂で形成されてなる、上記〔9〕に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
〔11〕前記支持基板がガラス基板であり、当該ガラス基板の少なくとも一方の主面に、前記放熱層が設けられる、上記〔1〕から〔10〕のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
〔12〕前記ガラス基板の前記積層体が搭載される主面とは反対側の主面に、前記放熱層が設けられる、上記〔11〕に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
〔13〕前記ガラス基板の両主面に、前記放熱層が設けられる、上記〔13〕に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
〔14〕前記ガラス基板の前記積層体が搭載される主面とは反対側の主面に前記放熱層が設けられ、かつ、前記ガラス基板の前記積層体側の主面に高熱伝導性層が設けられる、上記〔11〕に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
〔15〕前記封止基板がガラス基板であり、当該ガラス基板の少なくとも一方の主面に、前記放熱層が設けられる、上記〔1〕から〔14〕のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
〔16〕上記〔1〕から〔15〕のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備える面状光源。
〔17〕上記〔1〕から〔15〕のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備える照明装置。
〔18〕上記〔1〕から〔15〕のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備える表示装置。
本発明によれば、電極に印加する電圧の変化に対して、色味の変化の少なく、かつ、放熱性に優れ、耐久性の高い、有機EL素子およびこれを実装した装置が提供される。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお理解の容易のため、図面における各部材の縮尺は実際のものとは異なる場合がある。また本発明は以下の記述によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。有機EL装置においては電極のリード線等の部材も存在するが、本発明の説明にあっては、これらの部材は直接的に要しないため記載を省略している。層構造等の説明の便宜上、下記に示す例においては基板を下に配置した図と共に説明がなされるが、本発明の有機EL素子およびこれを搭載した有機EL装置は、必ずしもこの配置で製造または使用等がなされるわけではない。なお以下の説明において基板の厚み方向の一方を上または上方といい、厚み方向の他方を下または下方という場合がある。
1.本発明の有機EL素子
本発明の有機EL素子は、陽極と、陰極と、複層発光部と、支持基板と、封止基板と、放熱層とを備える。複層発光部は、陽極および陰極の間に配置され、互いに異なるピーク波長の光を発光する複数の発光層が積層されて成り、各発光層は、ピーク波長のより長い発光層ほど前陽極により近い位置に配置されている。また支持基板には、陽極、陰極および複層発光部を含む積層体(以下、「陽極、陰極および複層発光部を含む積層体」を単に「発光機能部」という場合がある)が搭載されている。封止基板は、支持基板と対向して配置され、前記支持基板とともに前記発光機能部を挟んでいる。放熱層は、支持基板の少なくとも一方の主面、または、前記封止基板の少なくとも一方の主面に設けられており、放熱層の熱放射率は0.70以上である。
本発明の有機EL素子は、複数の発光層を含む複層発光部を有し、ピーク波長のより長い発光層ほど陽極により近い位置に配置されているため、電極に印加する電圧の変化に対して、色味の変化が少なく、また発光効率の高い有機EL素子を実現することができる。さらに、0.70以上の熱放射率を備える放熱層が、設けられているため、放熱性に優れており、耐久性が向上する。これにより素子の長寿命化を実現することが可能である。そのため、本発明の有機EL素子は、電気的特性および耐久性という点において発光性能に優れており、照明装置、面状光源および表示装置のバックライトなどに好適に用いることができる。
<有機EL素子の第1の実施形態>
図1を参照しつつ、有機EL素子の第1の実施形態およびその変形例について説明する。図1は、有機EL素子の第1の実施形態を示す断面図である。
<1.基板>
有機EL素子1を構成する基板として、支持基板10と封止基板30がある。支持基板10は、その一方の主面に、発光機能部20が搭載されている。封止基板30は支持基板10上の発光機能部20を覆い、素子を封止する。図1に示すように、封止基板30と支持基板10とは接着部40によって張り合わされている。
支持基板10は、発光機能部20を搭載できる領域を有する平面状の基板である。本明細書では、平板状または薄膜状(フィルム状)の基板が有する2つの主たる平面をそれぞれ主面という。支持基板10は、リジッド基板でも、フレキシブル基板でもよい。支持基板10を構成する材料としては、発光機能部20を形成する際に変性し難いものが好ましく、例えば、ガラス、プラスチック、高分子フィルム、シリコン板、金属板、これらを積層したものなどが挙げられる。さらに、プラスチック、高分子フィルムなどに低透水化処理を施したものを用いてもよい。また、支持基板10は市販のものが使用可能であり、あるいは、公知の方法によって製造することもできる。
封止基板30の形状は、支持基板10と貼り合わせて、発光機能部20を封止できるものであればよく、図1に示すように平板状であってもよいし、発光機能部20を収容するザグリが表面部に形成された板状の基板を用いてもよい(不図示)。図1に示す例では、封止基板30と発光機能部20との間は空隙となっているが、この空隙に樹脂などの充填材を設けてもよい。封止基板30は、リジッド基板でも、フレキシブル基板でもよい。封止基板30は、発光機能部を保護する役割を担う。上記支持基板10について例示した例と同様のものを採用してよい。
基板を構成する材料となり得るものとしては、上記のような材料が挙げられるが、取り扱いの容易さなどの観点からはガラスが好適である。その反面、ガラスは熱放射性が低い材料である。以下に詳説するとおり、本発明は放熱性に優れた構成を採用しており、ガラスなどの熱放射性が低い材料を基板に用いた場合に放熱性が低下するという課題を克服することができる。
<1.2.発光機能部>
発光機能部20は、陽極21、陰極22およびこれらの間に位置する複層発光部23を備える。発光機能部20には、さらに任意の層を付加して設けてもよい。
<A>複層発光部
複層発光部23は、複数の発光層を含み、好ましくは3層以上の発光層を含む。図1に示す本実施形態では、赤色を発光する発光層(以下、赤色発光層という場合がある)23aと、緑色を発光する発光層(以下、緑色発光層という場合がある)23bと、青色を発光する発光層(以下、青色発光層という場合がある)23cとがこの順で積層されて構成されている。赤色発光層23aは、複層発光部23を構成する3つの発光層23a、23b、23cの中で、発光する光のピーク波長が最も長いため、3つの発光層23a、23b、23cの中で最も陽極21寄りに配置されている。緑色発光層23bは、3つの発光層23a、23b、23cの中で、発光する光のピーク波長が2番目に長いため、3つの発光層23a、23b、23cの中央に配置されている。青色発光層23cは、3つの発光層23a、23b、23cの中で、発光する光のピーク波長が最も短いため、3つの発光層23a、23b、23cの中で最も陰極22寄りに配置されている。なお複層発光部23は、複数の発光層のみから構成されていることが好ましいが、発光層と発光層との間に発光層とは異なる所定の層を備えていてもよい。
本明細書において、発光層の発光するピーク波長とは、発光する光を波長領域で見たときに、最も強い光強度となる波長のこという。
赤色発光層23aとしては、発光する光のピーク波長が、例えば580nm〜660nm、好ましくは600〜640nmのものを用い得る。また緑色発光層23bとしては、発光する光のピーク波長が、例えば500nm〜560nmのもの、好ましくは520nm〜540nmのものが用い得る。また、青色発光層23cとしては、発光する光のピーク波長が、例えば400nm〜500nm、好ましくは420nm〜480nmのものを用い得る。このようなピーク波長で発光する3つの発光層23a、23b、23cからそれぞれ発光される光を重ね合わせると、白色光となるので、複層発光部23が赤色発光層23a、緑色発光層23b、および青色発光層23cで構成されている第1の実施形態の有機EL素子1は、白色光を発する。
各発光層23a、23b、23cは、主成分として、蛍光及び/又はりん光を発光する有機化合物(以下、発光性有機化合物という場合がある)で構成される。発光性有機化合物は、低分子系と高分子系に分けられるところ、好ましくは、発光性高分子有機化合物を採用し得る。また発光層には発光性有機化合物の他に、金属錯体系の発光材料など無機系の材料を添加してもよい。なお本明細書において高分子とはポリスチレン換算の数平均分子量が103以上の化合物である。本発明に関し高分子の数平均分子量に上限を規定する特段の理由はないが、通常、高分子の数平均分子量の上限は、ポリスチレン換算の数分子量は108以下である。またドーパントなどの任意成分を含むように発光層を構成してもよい。例えばドーパントは、発光効率の向上や発光波長を変化させるなどの目的で付加される。各発光層23a、23b、23cを主に構成する発光材料としては、例えば以下に示すものが挙げられる。
色素系の発光材料としては、例えば、シクロペンダミン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体化合物、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ピロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、オキサジアゾールダイマー、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、およびピラゾリンダイマーなどを高分子化したものを挙げることができる。
金属錯体系の発光材料としては、Tb、Eu、Dyなどの希土類金属や、Al、Zn、BeおよびIrを中心金属に有し、オキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造などを配位子に有する金属錯体を高分子化したものを挙げることができ、例えば、イリジウム錯体、白金錯体等の三重項励起状態からの発光を有する金属錯体、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾリル亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体などを高分子化したものを挙げることができる。
高分子系の発光材料としては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、およびポリビニルカルバゾール誘導体などを挙げることができる。
赤色発光層23aを構成する発光材料としては、前述の発光材料のうち、クマリン誘導体、チオフェン環化合物、およびそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることが出来る。なかでも高分子材料のポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体などが好ましい。
緑色発光層23bを構成する発光材料としては、前述の発光材料のうち、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、チオフェン環化合物およびそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることができる。なかでも高分子材料のポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などが好ましい。
青色発光層23cを構成する材料としては、前述の発光材料のうち、ジスチリルアリーレン誘導体、及び/又はオキサジアゾール誘導体の重合体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることができる。なかでも高分子材料のポリビニルカルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体やポリフルオレン誘導体などが好ましい。
各発光層を構成する発光材料としては、前述の発光材料の他に、例えば発光効率の向上や発光波長を変化させるなどの目的でドーパント材料をさらに含んでいてもよい。このようなドーパント材料としては、例えば、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾロン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾンなどを挙げることができる。
複層発光部23を構成する各発光層23a、23b、23cは、陽極21寄りに配置される発光層ほど、その層厚が薄い方が好ましい。具体的には、赤色発光層23aの層厚よりも緑色発光層23bの層厚が厚く、緑色発光層23bの層厚よりも青色発光層23cの層厚が厚い方が好ましい。さらに具体的には、赤色発光層23aの層厚は、5nm〜20nmが好ましく、さらに好ましくは10nm〜15nmである。緑色発光層23bの層厚は、10nm〜30nmが好ましく、さらに好ましくは15nm〜25nmである。青色発光層23cの層厚は、40nm〜70nmが好ましく、さらに好ましくは50nm〜65nmである。このように各発光層23a、23b、23cの層厚を設定することによって、電極に印加する電圧の変化に対して、色味の変化がより少なく、かつ高効率で発光する有機EL素子1を実現することができる。
また複層発光部23を構成する各発光層23a、23b、23cは、発光する光のピーク波長が長い発光層ほど、陽極21側に配置されるので、各発光層23a、23b、23cの層厚を設定することによって、電極に印加する電圧の変化に対して、色味の変化の少なく、かつ発光効率の高い有機EL素子1を実現することができる。なお発光層を構成する化合物の最高占有分子軌道(Highest Occupied Molecular Orbital:略称HOMO)および最低非占有分子軌道(Lowest Unoccupied Molecular Orbital:略称LUMO)は、発光する光のピーク波長が長い化合物ほど低い傾向にある。本実施形態では、各発光層23a、23b、23cは、発光する光のピーク波長が長い発光層ほど陽極21側寄りに配置されるので、結果としてHOMOおよびLUMOが低い化合物で構成される発光層ほど、陽極21側寄りに配置されることになる。このように陽極21側から陰極22に向けて、HOMOおよびLUMOが順次高くなるように各発光層23a、23b、23cが配置されるので、陽極21側および陰極22からそれぞれ注入される正孔および電子を効率的に輸送することができ、これにより電極に印加する電圧の変化に対して色味の変化が少なく、発光効率の高い有機EL素子を実現することができるものと推測される。
以上のように、発光する光のピーク波長が長い発光層ほど、陽極21寄りに配置する構成の有機EL素子1では、電極に印加する電圧の変化に対して、色味の変化の少なく、かつ高効率で発光する有機EL素子を実現することができ、陽極21と陰極22との間に印加する電圧を変化させたときの、外に取出される光の色度座標における座標値xと、座標値yとの変化の幅が、それぞれ0.05以下に抑えることができる。ここで印加する電圧を変化させるときの印加電圧の範囲は、通常、輝度が100cd/m2〜10000cd/m2となる範囲であり、少なくとも4000cd/m2〜6000cd/m2となる範囲である。また外に取出される光は、各発光層23a、23b、23cからの光が重ね合わされた光のことである。なお、本明細書において、色度座標の規定は国際照明委員会(CIE)の定めるCIE1931に従う。
本実施の形態における複層発光部23は、3つの発光層23a、23b、23cが積層されて構成され、全体として白色を発光する。しかし、本実施形態の変形例としては、各発光層23a、23b、23cの発光する波長とは異なる波長の光を発する発光層をそれぞれ設けて、例えば白色とは異なる波長の光を発する複層発光部を構成してもよい。さらに、他の変形例としては、複層発光部23を、4層以上の発光層で構成してもよい。すなわち、各発光層の発光する光の色は、それぞれの有機EL素子から取出される光の色に応じて、適宜選択し得る。また、有機EL素子から取出される光の色が、白色であっても、白とは異なる色であっても、或いは、発光層の層数が3層であっても、4層以上であったとしても、各発光層を、発光する光のピーク波長が長い発光層ほど、陽極21寄りに配置することによって、電極に印加する電圧の変化に対して、色味の変化の少なく、かつ高効率で発光する有機EL素子を実現することができる。
<B>陽極
本実施形態では、陽極21が支持基板10の上に設けられている。陽極21は、電気抵抗の低いものが好適に用いられる。陽極21および陰極22のうちの少なくともいずれか一方は、光透過性を有する。例えば、ボトムエミッション型の有機EL素子とする場合には、陽極21は光透過性を有し、可視光領域の光の透過率が高いものが好適に用いられる。陽極21の材料としては、導電性を有する金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等を用い得る。より具体的には、陽極21の材料として、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、インジウムスズ酸化物(Indium Tin Oxide:略称ITO)およびインジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide:略称IZO)などの金属酸化物や、金、白金、銀、銅などの導電性を有する金属が挙げられる。これらの中でも、陽極21としては、ITO、IZO、および酸化スズなどを好適に用い得る。なお、トップエミッション型の有機EL素子の場合には、陽極21は、複層発光部5からの光を陰極22側に反射する材料によって形成される形態も好適に採用し得る。トップエミッション型の場合、例えば光を反射する程度の膜厚の金属薄膜を、陽極21として設けてもよい。
陽極21の膜厚は、光の透過性と電気伝導度とを考慮して、適宜選択することができるが、例えば5nm〜10μmであり、好ましくは10nm〜1μmであり、さらに好ましくは20nm〜500nmである。
<C>陰極
本実施形態では、陰極22は、複層発光部23の上に積層されて設けられている。陰極22の材料としては、仕事関数が小さく、発光層への電子注入が容易な材料が好ましく、また電気伝導度の高い材料が好ましい。また陽極21側から光を取出す場合には、複層発光部20からの光を陽極21側に反射するために、陰極22の材料としては可視光反射率の高いものが好ましい。
陰極22の材料としては、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属および第周期表第13族金属などの金属を用いることができる。より具体的には、陰極22の材料として、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウムなどの金属;これらの金属のうち2つ以上の合金;これらの金属のうち1つ以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫から選ばれる1つ以上との合金;またはグラファイト若しくはグラファイト層間化合物;などの材料が挙げられる。合金の例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金などを挙げることができる。また、陰極22として透明導電性電極を採用し得る。透明導電性の電極としては、例えば、導電性金属酸化物や導電性有機物などを用い得る。具体的には、導電性金属酸化物として、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、およびそれらの複合体であるインジウムスズ酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO);導電性有機物として、例えば、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体などの有機化合物を用いてもよい。なお、陰極を2層以上の積層構造としてもよい。
陰極の膜厚は、電気伝導度や耐久性を考慮して、適宜選択することができるが、例えば10nmから10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
<D>任意の構成層
図1に示す有機EL素子1では、陽極21と陰極22との間に複層発光部23が設けられた形態を示している。しかし陽極21と陰極22との間に設けられる層の構成としては図1に示す層構成に限られるわけではない。陽極21および陰極22の間には必須の構成として複層発光部23が設けられればよく、さらに他の任意の構成層を1または2以上設けてもよい。発光機能部20に設けられ得る任意の構成層としては、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、正孔ブロック層、電子注入層、電子輸送層、電子ブロック層などが挙げられる。
陽極21と複層発光部23との間に設け得る層としては、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層等が挙げられる。陽極21と複層発光部23との間に、正孔注入層と正孔輸送層との両方が設けられる場合、陽極21に近い側に位置する層を正孔注入層といい、複層発光部に近い側に位置する層を正孔輸送層という。
陰極22と複層発光部23との間に設け得る層としては、電子注入層、電子輸送層、正孔ブロック層などを挙げることができる。陰極22と複層発光部23との間に、電子注入層と電子輸送層との両方の層が設けられる場合、陰極22に近い側に位置する層を電子注入層といい、複層発光部23に近い側に位置する層を電子輸送層という。
なお電子注入層および正孔注入層を総称して電荷注入層ということがある。電子輸送層および正孔輸送層を総称して電荷輸送層ということがある。また正孔ブロック層および電子ブロック層を総称して、電荷ブロック層という場合がある。
以下、任意の構成層(不図示)について詳述する。
<D1>正孔注入層
正孔注入層は、陽極からの正孔注入効率を改善する機能を有する層である。正孔注入層は、陽極からの正孔注入効率を改善する機能を有する層である。正孔注入層を構成する正孔注入材料としては、フェニルアミン系、スターバースト型アミン系、フタロシアニン系、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウム等の酸化物、アモルファスカーボン、ポリアニリン、ポリチオフェン誘導体などを挙げることができる。
正孔注入層の層厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択され、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、厚すぎると、素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、正孔注入層の膜厚としては、例えば1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
<D2>正孔輸送層
正孔輸送層は、陽極または正孔注入層、若しくは陽極により近い正孔輸送層からの正孔注入を改善する機能を有する層である。
正孔輸送層を構成する正孔輸送材料としては、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリアリールアミン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、又はポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体などを挙げることができる。
これらの正孔輸送材料の中で、正孔輸送材料としては、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミン化合物基を有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリアリールアミン若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、又はポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体等の高分子の正孔輸送材料が好ましく、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体などがさらに好ましい。低分子の正孔輸送材料の場合には、高分子バインダーに分散させて用いることが好ましい。
正孔輸送層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択され、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、厚すぎると、素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、正孔輸送層の膜厚としては、例えば1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
<D3>電子ブロック層
電子ブロック層は、電子の輸送を堰き止める機能を有する層である。正孔注入層または正孔輸送層が、電子ブロック層を兼ねることがある。電子ブロック層としては、例えば、上記正孔注入層または正孔輸送層の材料として例示した各種材料を用い得る。
<D4>電子注入層
電子注入層は、陰極からの電子注入効率を改善する機能を有する層である。電子輸送層は、陰極、または電子注入層、若しくは陰極により近い電子輸送層からの電子注入を改善する機能を有する層である。正孔ブロック層は、正孔の輸送を堰き止める機能を有する層である。なお、電子注入層または電子輸送層が、正孔ブロック層を兼ねる場合がある。
電子注入層を構成する電子注入材料としては、複層発光部の種類などの条件に応じて適宜選択し得る。電子注入層を構成する材料としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、または前記金属を1種類以上含む合金、または前記金属の酸化物、ハロゲン化物および炭酸化物、または前記物質の混合物などを挙げることができる。アルカリ金属またはその酸化物、ハロゲン化物、炭酸化物としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、酸化リチウム、フッ化リチウム、酸化ナトリウム、フッ化ナトリウム、酸化カリウム、フッ化カリウム、酸化ルビジウム、フッ化ルビジウム、酸化セシウム、フッ化セシウム、炭酸リチウム等を挙げることができる。また、アルカリ土類金属またはその酸化物、ハロゲン化物、炭酸化物の例としては、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム、酸化カルシウム、フッ化カルシウム、酸化バリウム、フッ化バリウム、酸化ストロンチウム、フッ化ストロンチウム、炭酸マグネシウム等を挙げることができる。
電子注入層は、2層以上を積層した積層体であってもよい。積層体の具体例としては、LiF/Caなどを挙げることができる。 電子注入層の膜厚としては、1nm〜1μm程度が好ましい。
<D5>電子輸送層
電子輸送層を構成する電子輸送材料としては、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン若しくはその誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、ナフトキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン若しくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン若しくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、又は8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリン若しくはその誘導体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体等を挙げることができる。
これらのうち、電子輸送材料としては、オキサジアゾール誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、又は8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリン若しくはその誘導体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体が好ましく、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、ポリキノリンがさらに好ましい。
電子輸送層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択し得る。厚みの下限としては、少なくともピンホールが発生しないような厚さが好ましい。また、厚みの上限としては、素子の駆動電圧が高くなすぎないような上限が好ましい。材料にもよるが、電子輸送層の膜厚としては、例えば1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
<E>発光機能部の層構成の組合せ
上記のように発光機能部はその実施形態として様々な層構成を採用し得る。発光機能部のとり得る層構成の具体的な例を以下に示す。
(a)陽極/複層発光部/陰極
(b)陽極/正孔注入層/複層発光部/陰極
(c)陽極/複層発光部/電子注入層/陰極
(d)陽極/正孔注入層/複層発光部/電子注入層/陰極
(e)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/複層発光部/陰極
(f)陽極/複層発光部/電子輸送層/電子注入層/陰極
(g)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/複層発光部/電子注入層/陰極
(h)陽極/正孔注入層/複層発光部/電子輸送層/電子注入層/陰極
(i)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/複層発光部/電子輸送層/電荷注入層/陰極
(ここで、記号「/」は、この記号「/」を挟む2つの層が隣接して積層されることを示す。以下同じ。)
図1などに示す実施形態では、1組の複層発光部23を設けている。しかし、その変形例として、2組以上の複層発光部を重ねて設ける形態も採用し得る。ここで上記(a)〜(i)の層構成のうちのいずれか1つにおいて、陽極と陰極とに挟持された部分の積層体を「繰り返し単位A」とすると、例えば2組の複層発光部23を備える有機EL素子の層構成として下記j)に示す層構成なども採用し得る。
(j)陽極/(繰り返し単位A)/電荷発生層/(繰り返し単位A)/陰極
また3組以上の複層発光部を有する有機EL素子としては、「(繰り返し単位A)/電荷注入層」を「繰り返し単位B」とすると、例えば下記(k)の層構成などを挙げることができる。
(k)陽極/(繰り返し単位B)/(繰り返し単位A)/陰極
なお記号「n」は、2以上の整数を表し、(繰り返し単位B)は、繰り返し単位Bがn段積層された積層体を表す。
上記層構成j)およびk)において、陽極、電極、陰極、発光層以外の各層は必要に応じて省いてもよい。
電荷発生層とは電界を印加することにより、正孔と電子を発生する層である。電荷発生層としては、例えば酸化バナジウム、インジウムスズ酸化物(Indium Tin Oxide:略称ITO)、酸化モリブデンなどから成る薄膜を挙げることができる。
さらに、他の任意の構成層として、例えば、電極との密着性向上や、電極からの電荷注入の改善のために、電極に隣接して膜厚が2nm以下の絶縁層などを設けてもよい。さらに、他の任意の構成層として、界面の密着性向上や混合の防止等のために、隣接する前記各層の界面に薄いバッファー層を挿入してもよい。
図1などに示す実施形態では、支持基板10上に陽極21を設ける形態を示している。これらの場合、上記a)からi)の各形態では、左側(陽極21側)に示された層から順に支持基板上に配置されることになる。他方、本発明の有機EL素子としては、支持基板上に陰極を配置する形態も採用し得る。この場合、上記a)からi)の各形態では、右側(陰極側)に示された層から順に支持基板上に配置されることになる。
<1.4.放熱層>
放熱層60は、高い熱放射性を発揮する層であり、熱放射率が0.70以上である。本明細書において、熱放射とは、物体から熱エネルギーが電磁波として放出される現象、あるいはその電磁波のことをいう(岩波理化学辞典、岩波書店、1998年、第5版)。放熱層60の熱放射率は、0.70以上であり、好ましくは0.85以上である。熱を逃がすという観点から、熱放射率の上限は特に規定するに及ばない。熱放射率とは、ある温度の物質の表面から放射されるエネルギー量と、前記ある温度と同温度の黒体(放射で与えられたエネルギーを100%吸収する仮想物質)から放射されるエネルギー量の比率のことをいう。熱放射率は、フーリエ変換赤外線分光法(FT−IR)に従って測定することができる。熱放射性の高い材料としては、黒色系材料が挙げられ、黒色塗料の顔料成分などを好適に用い得る。例えば、カーボン材料とプラスチック材料との混合材料(カーボンプラスチック)、所定の金属元素などをドーピングしたTiO、チタニアと所定の金属微粒子とが分散したコロイド、Feなどが例示される。
放熱層60は、熱放射性が高い材料であるのみならず、熱伝導性も高い材料で形成されることが好ましい。本明細書において、熱伝導とは、物質の移動や放射によるエネルギー輸送なしに熱が物体の高温部から低温部に移る現象をいう(岩波理化学辞典、岩波書店、1998年、第5版)。放熱層60は、高い熱放射性を発揮するとともに、高い熱伝導性を発揮するものが好ましく、熱伝導率が、1W/mK以上のものが好ましく、より好ましくは10W/mK以上のものであり、さらに好ましくは200W/mKのものである。熱を逃がすという観点から、熱伝導率の上限は特に規定するに及ばない。熱伝導率は、物体内部の等温面の単位面積を通って単位時間に垂直に流れる熱量と、この方向における温度勾配との比のことをいう(岩波理化学事典、同上)。熱伝導率は、例えば、ASTM D5470(American Society For Testing and D5470)の方法により測定することができる。熱伝導性の高い材料としては、例えば、アルミニウム、銅、銀、セラミックス材料、およびこれらから選ばれる2種以上の合金からなる群より選ばれる無機材料、または高熱伝導性の樹脂などが挙げられる。高熱伝導性の樹脂としては、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。
放熱層60は、単層で形成されてもよいし、2つ以上の複数の層を有する積層構造を有していてもよい。単層の場合としては、例えば樹脂材料中に高熱伝導性の微粒子を分散させると共に、黒色系の顔料を混合し、この樹脂材料を基板に塗布して形成された層などの形態が挙げられる。また複数の層を含む放熱層60としては、高熱伝導性層と、高熱放射性を示す黒色系材料層とを含む積層体の形態が挙げられる。複数の層を含む放熱層は、黒色系材料層などの高熱放射性を示す高熱放射性層および高熱伝導性層がそれぞれ複数層積層されて構成されていてもよい。
<1.5.トップエミッション型およびボトムエミッション型>
有機EL素子は、発光層からの光を放出するために、通常、複層発光部のいずれか一方側の層を全て光が透過可能なものとする。具体的には例えば、支持基板/陽極/正孔注入層/正孔輸送層/複層発光部/電子輸送層/電子注入層/陰極/封止基板という構成を有する有機EL素子の場合、支持基板、陽極、正孔注入層および正孔輸送層の全てを光が透過可能なものとし、所謂ボトムエミッション型の素子とし得る。あるいは、電子輸送層、電子注入層、陰極および封止部材の全てを光が透過可能なものとし、所謂トップエミッション型の素子とすることもできる。
また、支持基板/陰極/電子注入層/電子輸送層/複層発光部/正孔輸送層/正孔注入層/陽極/封止基板という構成を有する有機EL素子の場合、陰極、電子注入層および電子輸送層の全てを光が透過可能なものとし、所謂ボトムエミッション型の素子とするか、または正孔輸送層、正孔注入層、陽極および封止部材の全てを光が透過可能なものとし、所謂トップエミッション型の素子とすることができる。ここで光が透過可能なものとしては、発光層から光を放出する層までの可視光透過率が30%以上のものが好ましい。紫外領域または赤外領域の発光が求められる素子の場合は、当該領域において30%以上の透過率を有するものが好ましい。
本発明においては、放熱層が設けられる。放熱層を不透光性の材料で形成する場合には、放熱層を設けた側とは反対側の基板側から採光することになる。
<有機EL素子の第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態について図2を参照しつつ説明する。図2に、第2の実施形態の有機EL素子2の断面図を示す。図2中、第1の実施形態と同様である部材については図1と同じ符号を付し、以下、第1の実施形態と異なる点を主として説明する。
図2に示すように、放熱層61は、封止基板30に設けてもよい。図2に示す有機EL素子2では、封止基板31の発光機能部20側の主面とは反対側の主面に放射性層61が設けられている。封止基板31にはガラス基板または可塑性を有するシートが用いられており、封止基板31と支持基板10とは融着されている。
<有機EL素子の第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態およびその変形例について図3−1から図3−5を参照しつつ説明する。図3−1に第3の実施形態の有機EL素子3A(以下、「第3の実施形態の素子」という場合がある)の断面図を示す。図3−1中、第1の実施形態と同様である部材については図1と同じ符号を付し、以下、第1の実施形態と異なる点を主として説明する。
有機EL素子3Aは、封止基板側から採光するトップエミッション型の素子である。有機EL素子3Aでは、支持基板10の発光機能部20側の主面とは反対側の主面に放熱層63が設けられている。放熱層63は、2つの層で構成されている。一方の層は、黒色系材料層63aであり、他方の層は高熱伝導性層としてのアルミニウム層63bでありる。放熱層63は、アルミニウム層63bが支持基板10に接して設けられている。発光層の発熱により支持基板10には熱が伝わる。支持基板10としてガラス基板のような熱伝導性の低い材料が用いられている場合は特に、熱が支持基板10に停滞してしまいやすい。しかし、有機EL素子3Aにおいては、高熱伝導性を有するアルミニウム層63bが支持基板10に接触して設けられていることにより、支持基板10およびアルミニウム層63bでの熱の拡散を促し、また熱を支持基板10の外部へと逃がすことを助ける。さらに、アルミニウム層63bには、黒色塗料を塗布して形成された黒色系材料層63aが設けられており、黒色系材料層63aに伝達された熱の外界への放射が促進される。
図3−2に、第3の実施形態の素子の一変形例である有機EL素子3Bを示す。有機EL素子3Aでは支持基板10の一方の主面にのみ放熱層63が設けられていたが、有機EL素子3Bにおいては、支持基板10の両方の主面に放熱層63が設けられている。このように支持基板10の両面に放熱層63を設けることにより発光機能部20を熱源とする熱を、支持基板10全体へとより円滑に伝達させることができ、熱分散性をより向上させ得る。図3−2に示す例では、支持基板10と放熱層63は、発光機能部20から外側に向かって順に(図面上、発光機能部20から下方に向かって順に)次の順序で構成される。
(I)アルミニウム層63b/黒色系材料層63a/支持基板10/黒色系材料層63a/アルミニウム層63b
黒色系材料層63aとアルミニウム層63bの位置は、電極形成等の設計上の都合などにより変更し得る。例えば、図3−3に示す変形例のように、支持基板10と放熱層(黒色系材料層63aおよびアルミニウム層63b)は、発光機能部20(不図示)から順に次の順序で構成してもよい。なお、以下、図3−3から図3−5において発光機能部20等の上部構成は図3−2と同様なので省略している。
(II)黒色系材料層63a/アルミニウム層63b/支持基板10/アルミニウム層63b/黒色系材料層63a
さらに、下記(III)、(IV)および(V)の順に積層してもよい(不図示)。
(III)黒色系材料層63a/アルミニウム層63b/支持基板10/黒色系材料層63a/アルミニウム層63b
(IV)アルミニウム層63b/黒色系材料層63a/支持基板10/アルミニウム層63b/黒色系材料層63a
(V)アルミニウム層63b/黒色系材料層63a/支持基板10/黒色系材料層63a/アルミニウム層63b/黒色系材料層63a
放熱性の観点からは、(V)に示す順序に積層することが好ましい。
図3−4に、第3の実施形態の素子のさらに他の変形例を示す。有機EL素子3Bでは、黒色系材料層63aおよびアルミニウム層63bの2層を含む放熱層63が設けられたが、図3−4に示す変形例では、アルミニウム層63bの両面に黒色系材料層63aが設けられている。このように、黒色系材料層63aを両面に設ける形態は、より放熱性を高め得るという点において、好ましい一形態である。
図3−5に、第3の実施形態の素子のさらに別の変形例を示す。図3−5に示す変形例では、支持基板10の発光機能部側の主面(図3−5では、支持基板10の上面)には、アルミニウム層63bのみが設けれている。発光機能部を設ける側には、黒色系材料層を設けたくない場合などに採用し得る。
図3−6に、第3の実施形態の素子のさらに別の変形例を示す。図3−6に示す変形例では、支持基板10の発光機能部側の主面(図3−6では、支持基板10の上面)に、黒色系材料層63aとアルミニウム層63bが設けられている。
<第4の実施形態>
本発明の第4の実施形態について図4を参照しつつ説明する。図4に、第4の実施形態の有機EL素子4Aの断面図を示す。図4中、第3の実施形態と同様である部材については図1と同じ符号を付し、以下、第1の実施形態と異なる点を主として説明する。
有機EL素子4Aは、支持基板10側から採光するボトムエミッションタイプの素子である。そのため有機EL素子4Aでは、放熱層63は、支持基板10には設けられず、封止基板30の上面に設けられている。このように、放熱層63は封止基板に設けることもできる。また図4に示す例の変形例として、封止基板30に放熱層63を設ける場合、発光機能部20と封止基板30との間に熱伝導性の高い樹脂を充填し、発光機能部20から封止基板30までの熱伝導性をさらに向上させてもよい。
2.本発明の有機EL素子の製造方法
本発明は、上記本発明の有機EL素子を製造するために好適な方法を提供する。なお、上記本発明の有機EL素子が以下に示す製造方法に限定されるものではない。
本発明の有機EL素子は、素子を構成する各構成部材を、支持基板上に順次積層することにより作製することができる。層の形成方法は、層の材料、下地となる層の性質などに応じて適宜選択可能であり、有機材料や無機材料で薄膜を形成する様々な成膜方法を利用して作製することができる。
<A>複層発光部の形成方法
本発明の有機EL素子は、複数の発光層を含む複層発光部を有し、発光する光のピーク波長が長い発光層ほど、より陽極に近い位置に配置される。
複層発光部を構成する各発光層は、例えば、前述の発光層を構成する材料を溶媒に溶解した塗布液を塗布する塗布法によって成膜することができる。溶媒としては、発光層を構成する材料を溶解するものであればよく、例えば、水、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒を挙げることができる。
発光層を成膜する塗布法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、およびインクジェットプリント法などを挙げることができる。これらの塗布法のうちの1つを用いて、陽極21が形成された支持基板10上に前述した塗布液を塗布することによって、各発光層を形成することができる。
複層発光部を形成する工程に関する好ましい一実施形態として、次のような製造方法が挙げられる。
複数の発光層を含む複層発光部を含む有機EL素子の製造方法であって、当該複層の複層発光部を形成する工程において、
第1の発光層を形成する材料を含む第1の塗布液を被塗布層上に塗布することにより第1の塗布膜を形成する第1の塗布工程と、
第1の塗布膜を硬化させて前記被塗布層上に第1の発光層を形成する第1の硬化工程とを含み、
第1の硬化工程において、第1の発光層に続いて形成される第2の発光層を形成する材料を含む第2の塗布液に対して第1の発光層を不溶化するように第1の塗布膜を硬化させる、
有機EL素子の製造方法。
発光層を形成する際、第1の発光層上に積層される第2の発光層を形成する際に使用される塗布液に対して、先に形成された第1の発光層が不溶性を備えるようにすることが好ましい。例えば、高分子化合物を主成分とする発光層を形成する場合には、その溶媒に対し、耐性を有するように不溶化させることが好適である。
具体的には各発光層を主に構成する材料と架橋剤とを含む塗布液を用いて、塗布法により塗布膜を形成した後に、発光層を主に構成する材料を架橋剤により架橋することにより発光層を不溶化することができる。架橋剤による架橋は、光または熱などの所定のエネルギーを加えることにより行うことができる。発光層を主に構成する材料とは、発光層において質量濃度の最も高い材料であり、発光層を構成する材料のうちで、蛍光、及び/又は燐光を発光する材料(以下、発光材料という場合がある)に相当する。なお発光層を主に構成する材料として、エネルギーを加えることにより架橋する基(以下、架橋基という場合がある)を分子内に有する材料を用いてもよい。この場合、塗布法を用いて発光層を形成する際に用いられる塗布液に、前述のような架橋剤を加える必要はない。
架橋基としては、ビニル基などを挙げることができる。具体的には、発光層を主に構成する材料として、ベンゾシクロブタン(BCB)から少なくとも1つの水素原子を除いた残基を主鎖及び/又は側鎖に含む高分子化合物を用いたものを挙げることができる。
また、発光層を主に構成する材料の他に、塗布液に加える架橋剤としては、ビニル基、アセチル基、ブテニル基、アクリル基、アクリルアミド基、メタクリル基、メタクリルアミド基、ビニルエーテル基、ビニルアミノ基、シラノール基、シクロプロピル基、シクロブチル基、エポキシ基、オキセタン基、ジケテン基、エピスルフィド基、ラクトン基、及びラクタム基からなる群から選ばれる重合可能な置換基を有する化合物を挙げることができる。架橋剤としては、例えば多官能アクリレートが好ましく、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)およびトリスペンタエリスリトールオクタアクリレート(TPEA)などがさらに好ましい。
図1に示す有機EL素子1のように陽極21上に赤色発光層23a、緑色発光層23b、青色発光層23cを順次積層させる形態について説明する。まず、赤色発光層23aを成膜する。具体的には前述した赤色発光層23aを構成する材料を溶解した塗布液を、前述した塗布法によって陽極21の表面上に塗布する。次に、塗布した膜を加熱または光照射することによって、架橋した赤色発光層23aを得る。このように架橋した赤色発光層23aは、緑色発光層23bを形成するために塗布液を塗布したとしても溶出しない。
次に、緑色発光層23bを成膜する。具体的には前述した緑色発光層23bを構成する材料を溶解した塗布液を、前述した塗布法によって赤色発光層23aの表面上に塗布する。次に、塗布した膜を加熱または光照射することによって、架橋した緑色発光層23bを得る。このように架橋した緑色発光層23bは、青色発光層23cを形成するために塗布液を塗布したとしても溶出しない。
次に、青色発光層23cを成膜する。具体的には前述した青色発光層23cを構成する材料を溶解した塗布液を、前述した塗布法によって緑色発光層23bの表面上に塗布して、乾燥させることによって青色発光層23cを得る。
このように、塗布液が塗布される発光層を塗布液に対して予め不溶化させることによって、発光層の表面に塗布液を塗布したときに、発光層が溶解してしまうことを防ぐことができる。これによって、各発光層の膜厚の制御が容易になり、意図した膜厚の発光層を容易に形成することができる。
複層発光部23は、発光する光の波長の長い発光層ほど陽極21寄りに配置されるように積層する。但し、積層順が限定されるわけではなく、例えば、陽極21を下地層として、発光する光の波長のより長い発光層から順次積層してもよいし、陰極22寄りの層を下地層として、発光する光の波長の短い発光層から順に積層してもよい。
また、図1に示す実施形態のように、陽極21を複層発光部23よりも支持基板10寄りに設け、陰極22を複層発光部23に対して支持基板10とは反対側に設けてもよし、その変形例としては、陽極21と陰極22の配置をこの逆としてもよい。
<B>陽極の形成方法
陽極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等を挙げることができる。また、陽極として、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体などの有機の透明導電膜を用いてもよい。
<C>陰極の形成方法
陰極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法、レーザーアブレーション法、および金属薄膜を圧着するラミネート法等が用いられる。
<D>任意の構成層の形成方法
前述の通り発光機能部20は電荷注入層、電荷輸送層などの任意の構成層をさらに設け得る。これらの層は、材料の種類などに応じて、その材料を用いた様々な薄膜形成法により設けることができる。以下にこれらの層の形成方法を示す。
正孔注入層の成膜方法としては、例えば、前述の正孔注入材料を溶媒に溶解した塗布液を塗布する塗布法によって成膜することができる。溶媒としては、正孔注入材料を溶解するものであればよく、例えば、水、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒を挙げることができる。
正孔注入層を成膜する塗布法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、およびインクジェットプリント法などを挙げることができる。
正孔輸送層の成膜の方法としては、低分子の正孔輸送材料では、高分子バインダーとの混合溶液からの成膜による方法を挙げることができ、高分子の正孔輸送材料では、溶液からの成膜による方法を挙げることができる。
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、正孔輸送材料を溶解させるものであればよく、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒を挙げることができる。溶液からの成膜方法としては、正孔注入層を成膜する方法として挙げた方法と同様の塗布法を挙げることができる。
混合する高分子バインダーとしては、電荷輸送を極度に阻害しないものが好ましく、また可視光に対する吸収が弱いものが好適に用いられる。該高分子バインダーとしては、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサンなどを挙げることができる。
電子注入層の成膜方法としては、蒸着法、スパッタリング法、印刷法等が挙げられる。
電子輸送層の成膜法としては、低分子の電子輸送材料では、粉末からの真空蒸着法、若しくは溶液または溶融状態からの成膜による方法を挙げることができ、高分子の電子輸送材料では、溶液または溶融状態からの成膜による方法を挙げることができる。溶液または溶融状態からの成膜では、高分子バインダーをさらに併用してもよい。溶液から電子輸送層を成膜する方法としては、前述の溶液から正孔輸送層を成膜する方法と同様の成膜法を挙げることができる。
<E>放熱層の形成方法
放熱層は、前述の通り様々な形態を採用し得る。単層の放熱層を作製する場合、例えば、樹脂材料中に黒色系の顔料など熱放射を促進する材料を混合し、この樹脂材料を基板に塗布して層を形成するなどの方法を採用し得る。また、単層で高熱伝導性を有する放熱層とする場合には、例えば、樹脂材料中に高熱伝導性の微粒子を分散させると共に、黒色系の顔料を混合し、この樹脂材料を基板に塗布して層を形成するなどの方法を採用し得る。
複数の層を含む放熱層としては、高熱伝導性層と、高熱放射性を示す黒色系材料層とを含む積層体の形態が挙げられる。このような積層体としては、例えば、高熱伝導性層と黒色系材料層とを含む積層体が挙げられる。高熱伝導性層と黒色系材料層とを含む積層体は、例えば、高熱伝導性を示す材料から成る高熱伝導性シート(高熱伝導層)の一面または両面に、黒色系の顔料を含む塗料を塗布することにより作製することができる。このような複合シートは、予め作製し、これを支持基板に貼り合わせてもよし、または支持基板上で各層を順次形成してもよい。複数の層を含む放熱層60は、黒色系材料層などの高熱放射性を示す高熱放射性層および高熱伝導性層がそれぞれ複数層積層されて構成されていてもよい。
より具体的には、例えば、黒色塗料をアルミニウムシートの一方の主面に塗布して、黒色系材料層が形成されたシートを作製し、これを支持基板に接着剤(不図示)など用いて接着する形態が挙げられる。また、他の形態としては、支持基板に予めアルミニウムを蒸着しておき、形成されたアルミニウム層の表面に黒色塗料を塗布して黒色系材料層を形成する形態が挙げられる。
シート状の放熱層は、接着剤を介在させて基板に貼り付けてもよい。該接着剤としては、アクリル系接着剤やエポキシ系接着剤などの熱伝導性の高いものが好適に用いられる。また、ガラス基板の場合、ガラスとの接着性にも優れる点で、アクリル系接着剤が好適に用い得る。
また、可塑性または可堯性を有するシート状のフィルムを支持基板または封止基板となるガラス基板に融着させてもよい。
3.本発明の有機EL素子を搭載した装置
上記本発明の有機EL素子は、面状光源、照明装置、および表示装置などに用いられる。有機EL素子1を備える表示装置としては、セグメント表示装置、ドットマトリックス表示装置、および液晶表示装置などを挙げることができる。ドットマトリックス表示装置において有機EL素子は、画素またはバックライトとして用いられ、液晶表示装置において、有機EL素子は、バックライトとして用いられる。
本発明の有機EL素子は、陽極と陰極との間に印加する電圧を変化させたときの、取出される光の色度座標における座標値xと、座標値yとの変化の幅が、それぞれ0.05以下とすることが可能であり、色味の変化が少なく、上述のような面状光源、照明装置、および表示装置に好適に用いられる。特に、照明装置としては、陽極と陰極との間に印加する電圧を変化させることによって明るさを調整したときに、色味が変化しないものが好ましく、照明装置からの光の色度座標における座標値xと、座標値yとの変化の幅が、それぞれ0.05以下のものが好ましいため、本発明の有機EL素子が照明装置用の素子として好適に用いられる。
また、同様に、ドットマトリックス表示装置および液晶表示装置のバックライトとしては、明るさを調整したときに、色味が変化しないものが好ましく、バックライトからの光の色度座標における座標値xと、座標値yとの変化の幅が、それぞれ0.05以下のものが好ましいので、本発明の有機EL素子はバックライト用にも好適に用いられる。またカラーフィルターと組合わせることにより、本発明の有機EL素子は表示装置の画素としても好適に用いられる。
以下、検証実験および実施例を示しつつ、本発明についてより詳細に説明するが、本発明は下記実施例等に限定されるものではない。
<作製例1>複層発光部を有する有機EL素子の作製
以下のようにして有機EL素子を作製した。支持基板としては、ガラス基板を用い、このガラス基板上にスパッタリング法によって成膜され、所定の形状にパターニングされたITO膜を陽極として用いた。陽極としては、厚みが150nmのものを用いた。陽極21が形成された支持基板を、アルカリ洗剤および超純水で洗浄し、乾燥させた後に、UV−O3装置(テクノビジョン株式会社製、商品名「モデル312 UV−O3クリーニングシステム」)を用いてUV−O3処理を行った。
次に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(HC スタルクヴィテック社製、商品名「BaytronP TP AI4083」)の懸濁液を、孔径が0.2μmのメンブランフィルターで濾過した。濾過して得られた液体を、スピンコートすることによって、陽極上に薄膜を形成した。次に、ホットプレート上において200℃で10分間加熱する処理を行い、膜厚が70nmの正孔注入層を得た。
次に、赤色発光層を正孔注入層上に積層した。まず、溶媒としてキシレンを用い、赤色発光層を主に構成する材料として、発光材料(サメイション社製、商品名「PR158」)を用い、架橋剤として、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬製、商品名「KAYARAD DPHA」)を用いて塗布液を調合した。発光材料と架橋剤との重量比を4:1とし、発光材料と架橋剤とを合わせた材料の塗布液における割合を1.0質量%とした。このようにして得られた塗布液を、スピンコートすることによって、正孔注入層上に薄膜を形成した。次に、窒素雰囲気において200℃で20分間加熱して、膜厚が10nmの赤色発光層を得た。このような加熱処理を行うことによって、薄膜を乾燥させて溶媒を除去するとともに、架橋剤を作用させて、次に塗布される塗布液に対して赤色発光層を不溶化した。
次に緑色発光層を赤色発光層上に積層した。まず、溶媒としてキシレンを用い、緑色発光層を主に構成する材料として、発光材料(サメイション社製、製品名「Green1300」)を用い、架橋剤として、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬製、商品名「KAYARAD DPHA」)を用いて塗布液を調合した。発光材料と架橋剤との重量比を、4:1とし、発光材料と架橋剤とを合わせた材料の塗布液における割合を1.0質量%とした。このようにして得られた塗布液を、スピンコートすることによって、赤色発光層上に薄膜を形成した。次に、窒素雰囲気において200℃で20分間加熱して、膜厚が15nmの緑色発光層を得た。このような加熱処理を行うことによって、薄膜を乾燥させて溶媒を除去するとともに、架橋剤を作用させて、次に塗布される塗布液に対して緑色発光層を不溶化した。
次に青色発光層を緑色発光層上に積層した。まず、溶媒としてキシレンを用い、青色発光層を主に構成する材料として、発光材料(サメイション社製、商品名「BP361」)を用いて塗布液を調合した。塗布液における青色発光材料の割合を、1.5質量%とした。このようにして得られた塗布液を、スピンコートすることによって、緑色発光層上に薄膜を形成した。次に、窒素雰囲気において130℃で20分間加熱して、膜厚が55nmの青色発光層を得た。なお、各発光層の厚み方向に垂直な平面で切った断面の形状は、2mm×2mmの正方形とした。
次に、青色発光層を成膜した基板を、真空蒸着気に導入して、バリウムを青色発光層上に蒸着して、膜厚が約5nmのバリウムからなる薄膜を形成し、さらにバリウムからなる薄膜上にアルミニウムを蒸着して、膜厚が約80nmのアルミニウムからなる薄膜を形成し、バリウムからなる薄膜と、アルミニウムからなる薄膜との積層体によって構成される陰極を形成した。なお、真空度が5×10-5Pa以下に達してから、バリウムおよびアルミニウムの蒸着を開始した。
<比較例1>有機EL素子の作製
比較例1として、白色の波長領域で発光する一層の発光層(以下、白色発光層という場合がある)のみから成る発光部を備える有機EL素子を作製した。白色発光層以外の製造工程は、実施例の有機EL素子の製造工程と同じなので、重複する説明を省略して、白色発光層の製造工程についてのみ説明する。
まず、溶媒としてキシレンを用い、白色発光層を主に構成する材料として、発光材料(サメイション社製、商品名「WP1330」)を用いて塗布液を調合した。塗布液における発光材料の割合は、1.0質量%とした。このようにして得られた塗布液を、正孔注入層が形成された基板上にスピンコートすることによって、正孔注入層上に薄膜を形成した。次に、窒素雰囲気において130℃で20分間加熱して、膜厚が80nmの白色発光層を得た。
<比較例2>有機EL素子の作製
比較例2として、赤色発光層、緑色発光層、および青色発光層の3層の積層順のみが、実施例の有機EL素子とは異なる有機EL素子を作製した。陽極に最も近い層に、青色発光層を配置し、真中の層に、緑色発光層を配置し、陰極に最も近い層に赤色発光層を配置した。赤色発光層、緑色発光層、および青色発光層以外の製造工程は、実施例の有機EL素子の製造工程と同じなので、赤色発光層、緑色発光層、および青色発光層の製造工程についてのみ説明する。
まず青色発光層を正孔注入層上に積層した。塗布液の溶媒としてキシレンを用い、青色発光層を主に構成する材料として、発光材料(サメイション社製、商品名「BP361」)を用い、架橋剤として、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬製、商品名「KAYARAD DPHA」)を用いて塗布液を調合した。発光材料と架橋剤との重量比を、4:1とし、発光材料と架橋剤とを合わせた材料の塗布液における割合を1.0質量%とした。このようにして得られた塗布液を、スピンコートすることによって、正孔注入層上に薄膜を形成した。次に、窒素雰囲気において130℃で20分間加熱して、膜厚が55nmの青色発光層を得た。このような加熱処理を行うことによって、薄膜を乾燥させて溶媒を除去するとともに、架橋剤を作用させて、次に塗布される塗布液に対して青色発光層を不溶化した。
次に緑色発光層を青色発光層に積層した。まず、溶媒としてキシレンを用い、緑色発光層を主に構成する材料として、発光材料(サメイション社製、製品名「Green1300」)を用い、架橋剤として、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬製、商品名「KAYARAD DPHA」)を用いて塗布液を調合した。発光材料と架橋剤との重量比を、4:1とし、発光材料と架橋剤とを合わせた材料の塗布液における割合を1.0質量%とした。このようにして得られた塗布液を、スピンコートすることによって、青色発光層上に薄膜を形成した。次に、窒素雰囲気において200℃で20分間加熱して、膜厚が15nmの緑色発光層を得た。このような加熱処理を行うことによって、薄膜を乾燥させて溶媒を除去するとともに、架橋剤を作用させて、次に塗布される塗布液に対して緑色発光層を不溶化した。
次に赤色発光層を緑色発光層上に積層した。まず、溶媒としてキシレンを用い、赤色発光層を主に構成する材料として、発光材料(サメイション社製、商品名「PR158」)を用いて塗布液を調合した。塗布液における発光材料の割合を1.0質量%とした。このようにして得られた塗布液を、スピンコートすることによって、緑色発光層上に薄膜を形成した。次に、窒素雰囲気において200℃で20分間加熱して、膜厚が10nmの赤色発光層を得た。
作製例1、比較例1、比較例2の各有機EL素子にそれぞれ電圧を印加して、輝度および色度を測定した。測定では、印加する電圧を段階的に変化させ、印加する電圧毎に輝度および色度を測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 0005314409
印加する電圧を変えて輝度を100cd/m2〜10000cd/m2まで変化させたときの、実施例、比較例1、比較例2の各有機EL素子のCIE色度座標における座標値x,yのそれぞれの変化幅を表2に示す。
Figure 0005314409
表1および表2に示すように、実施例1の有機EL素子は、印加する電圧を変えて輝度を100cd/m2〜10000cd/m2まで変化させたときの、取出される光の色度座標における座標値xと、座標値yとの変化の幅が、それぞれ0.016以下であった。
表1に示すように、実施例1の有機EL素子は、3層の発光層を設けることによって、1層の発光層のみからなる比較例1の有機EL素子よりも電流効率の最大値が向上した。
また、実施例1の有機EL素子は、3層の発光層を所定の配置にすることによって、比較例2の有機EL素子よりも電流効率の最大値が向上した。
また、表2に示すように、実施例1の有機EL素子は、3層の発光層を設けることによって、1層の発光層のみからなる比較例1の有機EL素子よりも、電圧の変化に対する色味の変化が少なかった。また、実施例1の有機EL素子は、3層の発光層を所定の配置にすることによって、比較例2の有機EL素子よりも、電圧の変化に対する色味の変化が少なかった。
<放熱性、熱伝導性に関する検証実験等>
検証実験は、図5に示すような試験装置を用いて行った。本発明は、有機EL素子の発光機能部部分の構造には実質的に依存しないと考えられるため、熱源として自作のポイントヒーターを用い、ガラス、熱放射率の高い素材が被覆されたアルミニウムシートなどを用いて評価をおこなった。図5に示すように試験台80の上にはホットプレート81が設けられ、その中央部には、円柱形状の熱伝導部83が設けれられている。熱伝導部83は真鍮製であり、また、熱伝導部83の側面には断熱シート82が巻かれている。熱伝導部83の上端部には試験基板保持ガラス12が設けられている。そして、試験基板保持ガラス12上に、被試験体となる試験基板15が載置される。試験基板15上面部は、その上方からから温度センサー84によって温度が測定される。当該試験基板15の上面部から放射熱を測定する。
図6に、試験基板保持ガラス12上に載置された試験基板15の平面図を示す。試験基板15上に示すA〜Kの符号は、温度センサー84による上方からの測定位置を示す。また、中央部の破線は、試験基板保持ガラス12の下にある熱伝導部83の上端面の位置を示す。このように中央部に熱源を設け、試験基板15の一方の角部から中央部さらに対角にある他方の角部まで複数の位置を測定することにより、試験基板15の熱拡散性を測定することができる。
各試験基板の評価は次の要領にて行った。まず、放熱効果については、最大温度(試験基板の中心部)の低下レベルを指標とした。具体的には、比較試験例1(ガラス基板のみ)における試験基板の最大温度(中心部の温度)を最大温度の最高値とし、この最高値を他の試験基板の中心部の最大温度から引いた差として求めた。最大温度が低く、最大温度の差がマイナス側に大きくなるほど熱放射性が優れることを示す。また、均熱性(熱分散性)については、各試験基板内での測定位置ごとの温度により示される温度分布を指標とした。試験基板内での温度分布に偏りが少ないほど、均熱化に優れることを示す。
<実施試験例1>
実施試験例1として、図7−1に示す試験基板を用いた。実施試験例1の試験基板として、ガラス基板11(厚さ0.7mm)に、熱放射率が高い黒色塗装を施した高熱伝導性アルミニウムシートとガラス基板に接着させるための接着材からなるシート(神戸製鋼社製、商品名:コーべホーネツ・アルミ(KS750)、熱伝導率230W/mK、熱放射率0.86)を設けた基板を作製した。したがって、実施試験例1の試験基板は、試験基板保持ガラス12から順に、ガラス基板11/アルミニウム層63b/黒色系材料層63aが順次積層された積層体として構成されている。
ホットプレートの設定温度は、比較試験例1の試験ガラス基板が90℃になる温度を基準とし、その温度になるように設定して試験基板を加熱した。測定点の温度の揺らぎが±0.2℃の範囲に収まる状態で温度が安定したと判断し、図6に示すA〜Kの位置について温度センサー84を用いて温度を測定した。
<実施試験例2>
試験基板として図7−2に示すものを用いた点以外は、上記実施試験例1と同様にして、試験基板の熱放射性および均熱性について試験をした。実施試験例2の試験基板は、図7−2に示すように、ガラス基板の両面に高熱伝導性および高熱放射性を有する層が貼付されている。すなわち、実施試験例3の試験基板は、試験基板保持ガラス12側から順に、黒色系材料層63a/アルミニウム層63b/ガラス基板11/アルミニウム層63b/黒色系材料層63aが順次積層された積層体として構成されている。
<実施試験例3>
試験基板として図7−3に示すものを用いた点以外は、上記実施試験例1と同様にして、試験基板の熱放射性および均熱性について試験をした。実施試験例3の試験基板は、図7−3に示すように、ガラス基板の外面側(発光機能部が形成される側とは反対側)表面に高熱伝導性および高熱放射性を有する層が貼付され、他方、内面側表面にはアルミニウムシートのみ貼付されている。したがって、実施試験例3の試験基板は、試験基板保持ガラス12側から順に、アルミニウム層63b/ガラス基板11/アルミニウム層63b/黒色系材料層63aが順次積層された積層体で構成されている。
<比較試験例1>
試験基板として図7−4に示すものを用いた点以外は、上記実施試験例1と同様にして、試験基板の熱放射性および均熱性について試験をした。比較試験例3の試験基板としては、図7−4に示すようにガラス基板11単体が用いられた。
<比較試験例2>
試験基板として、図7−5に示すものを用いた点以外は、上記実施試験例1と同様にして、試験基板の熱放射性および均熱性について試験をした。比較試験例2の試験基板は、図7−5に示すように、ガラス基板11の発光機能部が形成される側の表面にアルミニウムシートのみ貼付されている。したがって、比較試験例2における試験基板15は、試験基板保持ガラス12から順に、アルミニウム層63b/ガラス基板11が順次積層された積層体で構成されている。
<評価>
以上の実施試験例1から3、並びに比較試験例1および2についての上記検証試験結果を図8および表3に示す。
Figure 0005314409
表3は最大温度および最大・最小温度差の一覧を示す。最大温度は、各試験基板について最も高い温度を示した値であり、各試験基板の中央部の温度を示す。また括弧内の数値は、各試験基板における最高温度から比較試験例1の最大温度(すなわち、90.0℃)を差し引いた値である。また、最大−最小温度の数値は、同一試験基板内での最大値および最小値の差であり、均熱性(熱分散性)の指標である。
表3に示されるとおり、実施試験例1〜3のいずれも、比較試験例1および2よりも最大温度が低く、最大温度を示す中央部において熱をより多く逃がしていることが明らかになった。また、比較試験例1および2の方が最大−最小温度差の値が大きく、同一基板内での温度差が大きいことが明らかになった。
図8に示されるように、比較例1および2においては、試験基板周辺部の測定位置A〜CおよびI〜Kが約40〜55℃程度であるのに対し、基板中央部の測定位置D〜Hにおいては、約80〜90℃程度と顕著な温度差が認められた。このように比較試験例1および2に供された試験基板は、均熱性(熱分散性)が低いことが明らかとなった。
これに対し、実施試験例1〜3については、測定位置A〜K間における温度分布が、およそ70〜80℃程度の間でなだらかに分布していることが明らかとなった。すなわち、実施試験例1〜3に供された試験基板は、均熱性(熱分散性)が高いことが明らかとなった。
<作製例2>ボトムエミッション型有機EL素子の作製
以下の方法で、ボトムエミッション型有機EL素子を作製した。まず、30x40mmサイズの有機EL素子用のITO透明導電膜パターンおよびCrパターンが複数個形成された200x200mmガラス基板を作製した。ITO透明導電膜はスパッタ法で膜厚約150nm成膜し、Crはスパッタ法で200nmをパターニングした。
次に、ITOおよびCrパターン付きガラス基板に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸(HCスタルク社製、Bytron P TP AI 4083)の懸濁液を用いて、スピンコート法により成膜し、オーブン上で200℃、20分間の乾燥をして60nmの厚さの正孔注入層を形成した。その後で、有機EL素子周囲の不要部分の正孔注入層を水で浸したワイパーで拭き取り除去した。
次に、シクロヘキサノンとキシレンを1:1に混合した溶媒を用いて高分子有機発光材料(ルメーションGP1300、サメイション社製)の1.5重量%の溶液を作製し、この溶液を用いてスピンコート法により、正孔注入層を形成した基板上に塗布し発光層を形成した。その後で素子周辺部の不要部分の発光層を有機溶剤で拭き取った後、真空乾燥(圧力1×10-4Pa以下、温度約170℃、15分加熱)を行った。
その後、蒸着チャンバーに基板を移し、陰極マスクとアライメントしたあとで陰極を蒸着する。陰極は、抵抗加熱法にてBa金属を加熱し蒸着速度約2Å/sec、膜厚50Åにて蒸着、電子ビーム蒸着法を用いてAlを蒸着速度約10Å/sec、膜厚1000Åにて蒸着した。陰極形成後、蒸着室から大気には曝露せず、不活性雰囲気下のグローブボックスに移す。
ついで、黒色塗装が施された高熱伝導性材料からなる材料を貼り付けたガラス封止基板(厚さ0.7mm)を準備した。黒色塗装が施された高熱伝導性材料には、熱放射率が高い黒色塗装を施した高熱伝導性アルミニウムシートとガラス基板に接着させるための接着材からなるシート(神戸製鋼社製、商品名:コーベホーネツ・アルミ(KS750)、熱伝導率230W/mK、熱放射率:0.86)を用いた。黒色塗装が施された高熱伝導性材料のガラス封止基板への接着は、熱硬化性樹脂(Robnor resins社製、商品名:PX681C/NC)を使用し、接着エリアは周辺部とした。全面塗布後、ガラス封止基板を不活性雰囲気下のグローブボックスに入れて、陰極形成された基板と位置合せをしたあとで貼り合せ、さらに真空に保った後で大気圧に戻し、加熱により素子基板と封止基板を固定し高分子有機EL素子を作製した。なお用いた熱硬化性樹脂の硬化前の粘度は50mPa・sであった。
<作製例3>ボトムエミッション型有機EL素子の作製
作製例3では、上記作製例2における素子基板と封止基板の材料組み合わせが反対である。すなわち、支持基板に黒色塗装が施された高熱伝導性材料からなる材料を貼り付けた基板を用い、封止基板にはガラス基板を用い、全面封止を行なっている。これにより封止基板側から光を取り出すいわゆるトップエミッション型の素子において、実施例1と同様に表面温度分布が均一な素子を作製することができる。
本発明の第1の実施形態の有機EL素子の断面図である。 本発明の第2の実施形態の有機EL素子の断面図である。 本発明の第3の実施形態を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態の一変形例を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態の一変形例を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態の一変形例を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態の一変形例を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態の一変形例を示す断面図である。 本発明の第4の実施形態を示す断面図である。 検証実験装置の側面を示す図である。 検証実験装置上に載置される試験基板および測定位置を示す平面図である。 実施試験例1に供された試験基板の断面図を示す図である。 実施試験例2に供された試験基板の断面図を示す図である。 実施試験例3に供された試験基板の断面図を示す図である。 比較試験例1に供された試験基板の断面図を示す図である。 比較試験例2に供された試験基板の断面図を示す図である。 検証試験結果を示す図である。
符号の説明
1、2、3A、3B、4A 有機EL素子
10 支持基板
11 ガラス基板
12 試験基板保持ガラス
15 試験基板
20 発光機能部
21 陽極
22 陰極
23 複層発光部
23a 赤色発光層
23b 緑色発光層
23c 青色発光層
30、31 封止基板
40 接着部
60、61 放熱層
63 高熱伝導性を備える2層構造放熱層
63a 黒色系材料層
63b アルミニウム層
64 3層で構成される、高熱伝導性を備える3層構造放熱層
80 試験台
81 ホットプレート
82 断熱シート
83 熱伝導部(熱源、真鍮)
84 温度センサー
A〜K(図6において) 測定位置

Claims (18)

  1. 陽極と、
    陰極と、
    前記陽極および陰極の間において、発光する光のピーク波長のより長い発光層ほど前記陽極により近い位置に配置されている複数の発光層が積層されて成る複層発光部と、
    前記陽極、前記陰極および前記複層発光部を含む積層体が搭載される支持基板と、
    該支持基板と対向して配置され、前記支持基板とともに前記積層体を挟む封止基板と、
    前記支持基板の少なくとも一方の主面、または、前記封止基板の少なくとも一方の主面に配置され、かつ熱放射率が0.70以上である放熱層と、
    を備え、
    陽極側から陰極に向けて、HOMOの絶対値に負号を付した値およびLUMOの絶対値に負号を付した値が順次高くなるように各発光層が配置される有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記複層発光部が、赤色の光を発する発光層と、緑色の光を発する発光層と、青色の光を発する発光層との3層からなる、請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 発光層が、発光性高分子有機化合物を含む層である、請求項1または2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 陽極と陰極との間に印加する電圧を変化させたときの、外に取出される光の色度座標における座標値xと、座標値yとの変化の幅が、それぞれ0.05以下である、請求項1から3のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記放熱層の熱放射率が0.85以上である、請求項1から4のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 前記放熱層の熱伝導率が1W/mK以上である、請求項1から5のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 前記放熱層の熱伝導率が200W/mK以上である、請求項1から6のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 前記放熱層が、黒色系材料を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  9. 前記放熱層が、高熱伝導性層と黒色系材料層とを含む積層構造を有する、請求項8に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  10. 前記高熱伝導性層が、アルミニウム、銅、銀、セラミックス材料、およびこれらから選ばれる2種以上の合金からなる群より選ばれる無機材料、または高熱伝導性の樹脂で形成されてなる、請求項9に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  11. 前記支持基板がガラス基板であり、当該ガラス基板の少なくとも一方の主面に、前記放熱層が設けられる、請求項1から10のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  12. 前記ガラス基板の前記積層体が搭載される主面とは反対側の主面に、前記放熱層が設けられる、請求項11に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  13. 前記ガラス基板の両主面に、前記放熱層が設けられる、請求項11に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  14. 前記ガラス基板の前記積層体が搭載される主面とは反対側の主面に前記放熱層が設けられ、かつ、前記ガラス基板の前記積層体側の主面に高熱伝導性層が設けられる、請求項11に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  15. 前記封止基板がガラス基板であり、当該ガラス基板の少なくとも一方の主面に、前記放熱層が設けられる、請求項1から14のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  16. 請求項1から15のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備える面状光源。
  17. 請求項1から15のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備える照明装置。
  18. 請求項1から15のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備える表示装置。
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