JP4736348B2 - 有機el素子の製造方法 - Google Patents

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本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」と略称する。)に関するものであり、中でも発光取出効率に優れる有機EL素子及びその製造方法に関するものである。
有機EL素子は、高効率発光素子として電子ディスプレイや光源としての応用が期待されている。有機EL素子としては、一般に、陽極となるホール注入電極と陰極となる電子注入電極との間にホール輸送層と発光層とが形成された構造(SH−A構造)、またはホール注入電極と電子注入電極との間に発光層と電子輸送層とが形成された構造(SH−B構造)の2層構造、あるいはホール注入電極と電子注入電極との間に、ホール輸送層と発光層と電子輸送層とが形成された構造(DH構造)3層構造のものがある。
いずれの構造の場合でも、有機EL素子はホール注入電極(陽極)から注入されたホールと電子注入電極(陰極)から注入された電子が、発光層とホール(または電子)輸送層の界面、および発光層内で再結合して発光するという原理である。従って、発光機構が衝突勃起型発光である無機EL素子と比べて、有機EL素子は低電圧で発光が可能といった特長を持っており、これからの表示素子として非常に有望である。
図1に典型的なEL素子の構成例を示す。図1に示す有機EL素子は、透明基板10、下部電極層11、発光層12、上部電極層13とから構成されている。従来の有機EL素子は、発光層12から発光される光を透明基板10側から射出させる方式(ボトムエミッション方式)であったが、透明基板側には薄膜トランジスタが設置されるため、光の射出面積が小さくなる。そこで最近では、発光層12から見て透明基板10の反対側から発光光を射出する方式(トップエミッション方式)が、十分な射出面積を得ることができるということで、注目されている。
しかしながら、有機EL素子は特性向上のために陰極として仕事関数が低い材料を使用しているため、空気中の水分や酸素との反応による腐食や酸化を生じやすい。このような陰極の劣化は、発光層内に存在するダークスポットと呼ばれる未発光部を著しく成長させ、有機EL素子における経時的な特性劣化の原因となっている。
また、陰極に限らず、発光層や輸送層等に用いられている有機材料についても、一般に水分や酸素との反応によって構造の変化を生じるため、同様にダークスポットの成長を招く原因となる。
そのため、有機EL素子の耐久性や信頼性を高めるためには、陰極や発光層や輸送層等に用いられている有機材料と水分や酸素との反応を防止するために、有機EL素子全体が封止されている必要がある。
そこで、有機EL素子の封止について、これまで多くの検討が行われている。
例えば、特許文献1には、Si4やダイアモンド様炭素膜等をECRプラズマCVD法により有機EL素子の外表面に形成する方法が開示されている。これによれば、電子注入電極(陰極)の酸化を防止することができ、有機EL素子の耐湿性を向上させることができると記載されている。しかしながら、上記材料は耐湿性を向上させるためには膜厚を大きくする必要があり、その結果内部応力が大きくなり、膜にクラックが発生しやすく、耐湿性が逆に低下する場合がある。
また、特許文献2には、有機物とシリコン窒化酸化物との積層構造体により有機EL素子を封止する方法が開示されている。これによれば、有機EL素子の上部に、ダークスポットの成長を完全に抑制することが可能な膜厚まで形成でき、かつ緻密で外部からの水分、酸素等の進入を防ぐことが可能な保護部を設けることにより信頼性の高い有機ELを提供することができると記載されている。しかしながら、化学構造や成膜法を限定しないと有機物とシリコン窒化酸化物とは密着性が極めて低く、剥離による界面での欠陥が形成するため防湿性が低下する問題がある。
ところで、最近では発光層で発生させた発光光を効率よくEL素子外部へ射出させることも重要な課題となっている。発光光は、EL素子を構成している層界面においてその屈折率の差による内部反射が生じるため、実際に外部へ射出させている割合(光取出効率)は20%以下である。したがってこの内部反射による損失をいかに抑制するかが鍵となっている。
トップエミッション方式の場合、発光層からの発光光は、透明あるいは半透明な上部電極層、封止層を経由して有機EL素子外部へ射出される。この場合、発光光は、主に上部電極層−封止層との界面、及び封止層−外気の界面において反射損失が生じる。例えば、上部電極層が透明導電性を有するITO(インジウムスズオキサイド)としてその屈折率nが2.0、外気の屈折率nが1.0である場合、その反射損失は以下の式(1)から10%以上と推定される。
式(1):反射損失=[(n−n)/(n+n)]
そこで、反射損失を抑えるための検討も行われている。
例えば、特許文献3には、上部電極層上に反射防止膜を形成することで反射損失を抑えられることが開示されている。しかしながら、反射防止膜は低屈折率材料の単層体あるいは高屈折率材料と低屈折率材料との積層体で構成されるため、低屈折率材料単層を用いると外気との屈折率差は小さいが上部電極とのそれは大きくなり、また高屈折率材料と低屈折率材料の積層体を用いると積層体内部で反射損失が生じてしまう。また反射防止膜が封止性(ガスバリア性)を有しない場合、反射防止膜の下に封止層を形成する必要があり、その分反射損失が大きくなる可能性がある。
特許文献4には、封止層に屈折率差が小さい膜の積層体を用いることで反射損失を抑えることが開示されている。しかしながら、トップエミッション方式の素子をディスプレイ用途で使用する場合は、封止層側が画面となる。そのため、特許文献4で得られる封止層は、耐擦傷性が不十分であり、封止層に傷が入ったり、その傷により反射損失が起こったりする可能性がある。
また、当出願人は、特許文献5において、パーフルオロオレフィンの分解重合物からなる有機EL素子用封止膜を提案している。これによれば、周囲の酸素や水分により有機EL素子の劣化を抑制して、該素子の光取出効率を効果的に向上させ得るとともに、素子の小型化や薄型化にも対応することができると記載されている。しかしながら上記重合物のみで有機EL素子に適用するには封止性が不十分であり、さらになる改善が求められている。
特開平10−261487号公報 特開2002−25765号公報 特開2003−303685号公報 特開2003−203771号公報 特開2002−056971号公報
したがって、本発明の目的は、従来のものよりも水蒸気バリア性、耐擦傷性に優れ、かつ発光取出効率に優れる有機EL素子を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、封止層を特定の重合体とし、かつ、封止層の屈折率を上部電極層の屈折率及び封止層の外側の雰囲気の屈折率に対して特定の範囲にすることにより、上記目的を達成しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば、
(1)透明基板と、前記基板上に下部電極層、発光層、上部電極層、及び封止層をこの順に積層させた積層構造体であって、
前記封止層がフッ素原子を含む化合物と金属原子を含む化合物との重合体からなり、
前記上部電極層の屈折率をn、封止層の屈折率をn、封止層の外側の雰囲気の屈折率をnとしたとき、n>n>nであることを特徴とする有機EL素子、
(2)前記封止層が、フッ素原子を含む化合物と金属原子を含む化合物との重合体の積層膜からなり、上部電極層から透明基板と反対側へ順次積層された封止層を構成する各層の屈折率を上部電極層から近い順にn、n、・・・nとしたとき、n>n>n>・・・>n>nである(1)記載の有機EL素子、
(3)前記封止層の水蒸気透過速度が、0.1g/m/24hr以下である(1)又は(2)に記載の有機EL素子、
(4)前記封止層が、透明基板又は下部電極層の少なくとも一方と接触している(1)〜(3)のいずれか1項に記載の有機EL素子、
(5)透明基板と、前記基板上に下部電極層、発光層、及び上部電極層を形成させた積層体の上に、封止層を積層する有機EL素子の製造方法であって、
前記封止層を、フッ素原子を含む化合物及び金属原子を含む化合物を原料として用い、これらを真空下で混合させて重合することにより形成することを特徴とする有機EL素子の製造方法、
(6)透明基板と、前記基板上に下部電極層、発光層、及び上部電極層を形成させた積層体の上に、封止層を積層する有機EL素子の製造方法であって、
前記封止層がフッ素原子を含む化合物及び金属原子を含む化合物を原料として用い、これらを真空下で混合させて重合することにより得られる膜の積層膜であり、かつ上部電極層から透明基板と反対側へ順次積層された封止層を構成する各層の金属原子を含む化合物の混合比率をm、m、・・・mとしたとき、m>m>・・・・>mとなるように積層することを特徴とする有機EL素子の製造方法、
(7)(1)〜(4)のいずれか1項に記載の有機EL素子を用いたことを特徴とする面状光源、
(8)(1)〜(4)のいずれか1項に記載の有機EL素子を用いたことを特徴とするドットマトリックス表示装置、
及び、
(9)(1)〜(4)のいずれか1項に記載の有機EL素子をバックライトとすることを特徴とする液晶表示装置、
がそれぞれ提供される。
本発明の有機EL素子は、反射損失を抑制し発光取出効率を向上させることができ、水蒸気バリア性や表面の耐擦傷性に優れるので、面状光源、セグメント表示装置、ドットマトリックス表示装置、液晶表示装置のバックライト等として有用である。
本発明の有機EL素子の製造方法によれば、水蒸気バリア性、耐擦傷性を有し、あらゆる屈折率を有する封止層を容易に形成することができる。
以下に、図面も参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の有機EL素子は、透明基板と、前記基板上に下部電極層、発光層、上部電極層、及び封止層をこの順に積層させた積層構造体であって、前記封止層がフッ素原子を含む化合物と金属原子を含む化合物との重合体からなり、
前記上部電極層の屈折率をn、封止層の屈折率をn、封止層の外側の雰囲気の屈折率をnとしたとき、n>n>nである。
本発明の一実施態様としての有機EL素子の断面図を図2及び図3に示す。
図2は、本発明の有機EL素子を構成する封止層が1層からなる場合の一例の断面図である。図2の有機EL素子は、透明基板10、下部電極層11、発光層12、上部電極層13、及び封止層14とから構成されており、透明基板10の上に下部電極層11、発光層12、上部電極層13が順次積層され、下部電極層11、発光層12及び上部電極層13が、封止層14により封止されている。そして、この封止層14が、フッ素原子を含む化合物と金属原子を含む化合物との重合体からなり、上部電極層13の屈折率をn、封止層14の屈折率をn、封止層14の外側の雰囲気の屈折率をnとしたとき、n>n>nとなっている。
図3は、本発明の有機EL素子を構成する封止層が複数層からなる場合の一例の断面図である。図3の有機EL素子は、透明基板10、下部電極層11、発光層12、上部電極層13、及び封止層14とから構成されており、透明基板10の上に下部電極層11、発光層12、上部電極層13が順次積層され、下部電極層11、発光層12及び上部電極層13が、封止層14により封止されている。そして、この封止層14が、フッ素原子を含む化合物と金属原子を含む化合物との重合体の積層膜(14−1、14−2、14−3)からなり、上部電極層13の屈折率をn、封止層を構成する各層14−1、14−2、14−3の屈折率をそれぞれn、n、n、封止層14の外側の雰囲気の屈折率をnしたとき、n>n>n>n>nとなっている。
封止層を構成するフッ素原子を含む化合物としては、フッ素原子を含む有機化合物及びフッ素原子を含む無機化合物が挙げられる。
フッ素原子を含む有機化合物としては、フッ素化炭素化合物やフッ素化炭化水素化合物が挙げられる。これらの化合物の構造としては、鎖状、環状あるが特に制限されない。
フッ素化炭素化合物は、炭素原子及びフッ素原子のみから構成される飽和又は不飽和の化合物をいう。その炭素数は1〜8、好ましくは1〜7である。
飽和のフッ素化炭素化合物としては、テトラフルオロメタン、ヘキサフルオロエタン、オクタフルオロプロパン、デカフルオロブタン、ドデカフルオロペンタンなどが挙げられる。
不飽和のフッ素化炭素化合物としては、テトラフルオロエチレンなどの炭素数が2である不飽和フッ素化炭素化合物;ヘキサフルオロプロペン、テトラフルオロプロピン、テトラフルオロシクロプロペンなどの炭素数が3の不飽和フッ素化炭素化合物;ヘキサフルオロ-2-ブチン、ヘキサフルオロ-1-ブチン、ヘキサフルオロシクロブテン、ヘキサフルオロ-1,3-ブタジエン、ヘキサフルオロ-(1-メチルシクロプロペン)、オクタフルオロ-1-ブテン、オクタフルオロ-2-ブテンなどの炭素数が4の不飽和フッ素化炭素化合物;オクタフルオロ-1-ペンチン、オクタフルオロ-2-ペンチン、オクタフルオロ-1,3-ペンタジエン、オクタフルオロ-1,4-ペンタジエン、オクタフルオロシクロペンテン、オクタフルオロイソプレン、ヘキサフルオロビニルアセチレン、オクタフルオロ-(1-メチルシクロブテン)、オクタフルオロ-(1,2-ジメチルシクロプロペン)などの炭素数が5の不飽和フッ素化炭素化合物;ドデカフルオロ-1-ヘキセン、ドデカフルオロ-2-ヘキセン、ドデカフルオロ-3-ヘキセン、デカフルオロ-1,3-ヘキサジエン、デカフルオロ-1,4-ヘキサジエン、デカフルオロ-1,5-ヘキサジエン、デカフルオロ-2,4-ヘキサジエン、デカフルオロシクロヘキセン、ヘキサフルオロベンゼン、オクタフルオロ-2-ヘキシン、オクタフルオロ-3-ヘキシン、オクタフルオロシクロ-1,3-ヘキサジエン、オクタフルオロシクロ-1,4-ヘキサジエンなどの炭素数が6の不飽和フッ素化炭素化合物;ウンデカフルオロ-1-ヘプテン、ウンデカフルオロ-2-ヘプテン、ウンデカフルオロ-3-ヘプテン、ドデカフルオロシクロヘプテンなどの炭素数が7の不飽和フッ素化炭素化合物;が挙げられる。
フッ素化炭化水素化合物は、炭素とフッ素と水素から構成される飽和又は不飽和の化合物をいう。その炭素数は1〜8、好ましくは1〜7である。
飽和のフッ素化炭化水素化合物としては、CxHyFz(xは1〜7の整数である。y及びzは整数である。ただし化合物が鎖状の場合はy+z=2x+2、環状の場合はy+z=2xである。)で表される化合物が挙げられる。具体的には、トリフルオロメタン、ジフルオロメタン、トリフルオロエタン、テトラフルオロエタン、ペンタフルオロプロパン、ヘキサフルオロプロパン、ヘプタフルオロプロパン;ヘキサフルオロシクロプロパン、オクタフルオロシクロブタン、デカフルオロシクロペンタンなどが挙げられる。
不飽和のフッ素化炭化水素化合物としては、CxHyFz(xは1〜7の整数である。y及びzは整数である。ただし、化合物が鎖状の場合はy+z=2x、環状の場合はy+z=2x−2である。)で表される化合物が挙げられる。具体的には、ジフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、ジフルオロプロペン、トリフルオロプロペン、テトラフルオロプロペン、ペンタフルオロプロペン、ヘキサフルオロプロペン、ヘキサフルオロブテン、オクタフルオロブテン;ジフルオロシクロプロペン、トリフルオロシクロプロペン、ジフルオロシクロブテン、トリフルオロシクロブテン、テトラフルオロシクロブテン、ペンタフルオロシクロブテンなどが挙げられる。
中でも重合が容易でかつ成膜速度も高い点で、不飽和のフッ素化炭素化合物や不飽和のフッ素化炭化水素化合物が好ましく、不飽和のフッ素化炭素化合物がさらに好ましい。
フッ素原子を含む無機化合物としては、BaF、CaF、MgF、LiFなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属元素のフッ素化物が挙げられる。
金属原子を含む化合物としては、元素周期表の第4族〜第14族の金属原子を含む有機化合物や無機化合物が挙げられるが、第4族、第13族、第14族の金属原子を含む無機化合物や有機化合物が好ましく、チタン原子、アルミニウム原子、ケイ素原子からなる群から選ばれる少なくとも一つを含む有機化合物や無機化合物がさらに好ましく、チタン原子、アルミニウム原子、ケイ素原子からなる群から選ばれる少なくとも一つを含む有機化合物が特に好ましい。チタン原子、アルミニウム原子、ケイ素原子からなる群から選ばれる少なくとも一つを含む有機化合物を用いると無機化合物に比べ、柔軟性に優れる膜を形成しやすいので内部応力が小さく、封止性(ガスバリア性)低下の原因となるクラックが形成しにくいという利点を有する。
チタン原子を含む有機化合物としては、チタニウムテトラエトキシド、チタニウムテトラメトキシド、チタニウムイソプロポキシド、テトラキス(ジメチルアミノ)チタニウム、テトラキス(ジエチルアミノ)チタニウムなどが挙げられる。
アルミニウム原子を含む有機化合物としては、トリ(イソプロポキシド)アルミニウム、トリ(エトキシ)アルミニウム、アルミニウムブトキサイド、アルミニウムフェノキサイドなどが挙げられる。他にも、アルミニウムの有機錯体化合物、例えば、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウムアセト酢酸エチル、アルミニウムメタクリレート、アルミニウムペンタンジオネート等が挙げられる。
ケイ素原子を含む有機化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシランなどの有機モノシラン化合物;ヘキサメチルジシラン、1,2−ジフェニルテトラメチルジシラン、ヘキサメトキシジシランなどの有機ポリシラン化合物;ヘキサメチルジシロキサン、テトラメチルジシロキサンなどの有機シロキサン化合物;テトラメチルジシラザン、ヘキサメチルジシラザンなどの有機シラザン化合物;などが挙げられる。
無機化合物としては、酸化物、窒化物、窒素酸化物などが挙げられ、好ましくは酸化物や窒化物である。具体的には酸化物としては、SiO、SiO、Al、TiO、TiO、Ti;窒化物としては、Si、AlN、TiN;が挙げられる。
本発明の有機EL素子においては、前記上部電極層の屈折率をn、封止層の屈折率をn、封止層の外側の雰囲気の屈折率をnとしたときn>n>nであり、好ましくは前記封止層が、フッ素原子を含む化合物と金属原子を含む化合物との混合重合体の積層膜からなり、上部電極層から透明基板と反対側へ順次積層された封止層を構成する各層の屈折率を上部電極層から近い順にn、n、・・・・nとしたとき、n>n>n>・・・>n>nである。封止層を積層体構造にし、かつ封止層の構成する積層体の各層の屈折率を上部電極層から遠ざかるに従って小さくすることにより、発光光が上部電極層から外気に射出されるまでの反射損失を抑制できる。
本発明の有機EL素子においては、前記nとnとの差、及びnとnとの差は0.5以下であることが好ましい。また、封止層が積層体構造である場合には、n、n・・・・nの隣接する層間の屈折率差は0.3以下であることが好ましい。
本発明の有機EL素子において、封止層の水蒸気透過速度が0.1g/m/24hr以下であることが好ましく、0.09g/m/24hr以下であることがさらに好ましい。これにより十分な封止が可能となり、発光材料の劣化が抑制される。水蒸気透過速度は、JIS−K7129のB法に準拠して、市販の水蒸気透過速度測定器を用いて測定できる。なお、封止層が積層体構造である場合は、積層体全体の水蒸気透過速度を意味する。
本発明の有機EL素子において、封止層の厚さは好ましくは10nm〜1μm、さらに好ましくは100nm〜500nmである。
本発明の有機EL素子に用いる透明基板としては、400〜700nmの可視領域の光の透過率が50%以上で、平滑であり、かつ電極や該素子の各層を形成する際に変化しないものであればよい。このような透明基板としては、ガラス板、高分子フィルム等が挙げられる。
透明基板の厚さは、通常30μm〜3mmであり、好ましくは50μm〜2mmである。
本発明の有機EL素子に用いる上部電極層を構成する材料としては、上部電極層から光を射出させるための材料が挙げられ、具体的には導電性の金属酸化物や半透明の金属またはその積層体が挙げられる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、およびそれらの複合体であるインジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等からなる導電性ガラス(NESAなど)や、金、白金、銀、銅等が用いられ、中でもITO、インジウム・亜鉛・オキサイド、酸化スズが好ましい。また上部電極層として、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェンなどの有機の透明導電膜を用いてもよい。
上部電極層の厚さは、光の透過性と電気伝導度とを考慮して、適宜選択することができるが、通常10nm〜10μmであり、好ましくは100〜500nmである。
本発明の有機EL素子に用いる発光層を構成する材料としては、特に制限はなく、従来有機EL素子における発光材料として公知のものを用いることができる。このような発光材料の具体例としては、ベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系、ベンゾオキサゾール系などの蛍光増白剤や、金属キレート化オキシノイド化合物、スチリルベンゼン系化合物、ジスチリルピラジン誘導体、芳香族ジメチリジン化合物などが挙げられる。
発光層の厚さは、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、通常1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmである。
本発明の有機EL素子においては、発光層に2種類以上の発光材料を混合して使用してもよく、2層以上の発光層が積層されていてもよい。
本発明の有機EL素子に用いる下部電極層を構成する材料としては、仕事関数の小さい材料が好ましく、発光層から下部電極層側に向かう発光光を反射させ、封止層側に向かわせるため鏡面体であることがさらに好ましい。具体的には、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウムなどの金属、およびそれらのうち2つ以上の合金、あるいはそれらのうち1つ以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1つ以上との合金、グラファイトまたはグラファイト層間化合物等が用いられる。合金の例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金などが挙げられる。下部電極層を2層以上の積層構造としてもよい。
上部電極層の厚さは、電気伝導度や耐久性を考慮して、適宜選択することができるが、通常10nm〜10μmであり、好ましくは100〜500nmである。
本発明の有機EL素子においては、透明基板と、下部電極層、発光層、上部電極層、及び封止層のほかに他の層を有していてもよい。
他の層としては、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層が挙げられる。
正孔注入層とは、下部電極に隣接して設ける層であり、下部電極からの正孔注入効率を改善する機能を有する層をいう。正孔注入層の厚さは、通常1nm〜100nmであり、好ましくは2nm〜50nmである。
正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有する層をいう。正孔輸送層の厚さは、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと、素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。したがって、正孔輸送層の厚さは、通常1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmである。
正孔注入層や正孔輸送層に用いる材料としては、従来有機EL素子における正孔伝達化合物として公知のものが挙げられる。
電子輸送層とは、電子を輸送する機能を有する層をいう。
電子輸送層の厚さは、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと、素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。したがって、電子輸送層の厚さは、通常1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmである。
電子注入層とは、上部電極層に隣接して設けた層であって、上部電極からの電子注入効率を改善する機能を有し、素子の駆動電圧を下げる効果を有するものをいう。
電子注入層の厚さは、通常1nm〜100nmであり、好ましくは2nm〜50nmである。
電子輸送層、電子注入層に用いる材料としては、従来有機EL素子における電子伝達化合物として公知のものが挙げられる。
本発明の有機EL素子においては、上部電極層が透明又は半透明であることが、発光を透過するため、発光の取出し効率がよく好都合である。
本発明の有機EL素子においては、封止層が、透明基板又は下部電極層の少なくとも一方と接触していることが好ましく、透明基板及び下部電極層の両方と接触していることがさらに好ましい。封止層を前記の構造をすることにより、側面から侵入する水分やガスを遮蔽できる。
本発明の有機EL素子の好ましい第1の製造方法(以下、「第1の製造方法」と記す)は、透明基板と、前記基板上に下部電極層、発光層、及び上部電極層を形成させた積層体の上に、封止層を積層する有機EL素子の製造方法であって、
前記封止層を、フッ素原子を含む化合物及び金属原子を含む化合物を原料として用い、これらを真空下で混合させて重合することにより形成することを特徴とする。
さらに、本発明の有機EL素子の好ましい第2の製造方法(以下、「第2の製造方法」と記す)は、透明基板と、前記基板上に下部電極層、発光層、及び上部電極層を形成させた積層体の上に、封止層を積層する有機EL素子の製造方法であって、
前記封止層がフッ素原子を含む化合物及び金属原子を含む化合物を原料として用い、これらを真空下で混合して重合することにより得られる膜の積層膜であり、かつ上部電極層から透明基板と反対側へ順次積層された封止層を構成する各層の金属原子を含む化合物の混合比率をm、m、・・・mとしたとき、m>m>・・・・>mとなるように積層することを特徴とする。
本発明の第1〜第2の製造方法で使用する透明基板、下部電極層、発光層、上部電極層、その他の層については、本発明の有機EL素子の欄で説明したものと同じものが挙げられる。
本発明の第1〜第2の製造方法において、下部電極層の作成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法などが挙げられる。
発光層の作成方法としては、真空蒸着法、キャスト法などが挙げられる。
上部電極層の作成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、金属薄膜を熱圧着するラミネート法が挙げられる。
その他の層の作成方法としては、スピンコート法、キャスト法、真空蒸着法などが挙げられる。
本発明の第1〜第2の製造方法で使用するフッ素原子を含む化合物及び金属原子を含む化合物としては、本発明の有機EL素子で説明したものと同様のものが挙げられる。
本発明の第1〜第2の製造方法においては、フッ素原子を含む化合物及び金属原子を含む化合物を原料として用い、真空下で混合させて、重合することにより成膜する方法であればよく特に制限されないが、中でもスパッタリング法やイオンプレーティング法、CVD法で成膜することが好ましく、さらにはプラズマ、電子ビーム、イオンビーム、レーザーをアシストとしたCVD法により成膜することがさらに好ましい。これらのCVD法により封止層を成膜すると、フッ素原子を含む化合物及び金属原子を含む化合物の混合比を容易に変えることができるので、封止層の屈折率の制御が容易となる。
上記CVD法の中でプラズマCVD法が最も簡易的で良く知られた方法である。プラズマCVD法の手法としては、従来から知られている、例えば特開平9−237783号公報に記載されている手法をとることができる。プラズマCVDに用いる装置としては、平行平板型CVD装置が一般的であるが、マイクロ波CVD装置、ECR−CVD装置、および高密度プラズマCVD装置(ヘリコン波プラズマ、誘導結合プラズマなどを用いることができる。
原料であるフッ素原子を含む化合物及び金属原子を含む化合物は、チャンバー内の圧力を0.1Pa以下まで排気した後にチャンバー内へ導入する。
原料が固体の場合は加熱、電子ビームを用いて蒸発させたり、高電圧を印加してスパッタリングさせたりしてチャンバー内へ導入する。原料が液体の場合は、真空中との蒸気圧差を利用して蒸発させるか、または原料を入れた容器をマントルヒータなどで加熱して蒸発させてチャンバー内へ導入する。原料が気体の場合は、そのままチャンバー内へ導入する。
原料をチャンバー内へ導入した後、直流または交流(10kHz〜100MHz)電圧を出力(10W〜10kW)にて印加させ電極間にプラズマを発生させ、所定の素子上に封止層を形成する。そのときの基板温度は500℃以下で、透明基板が樹脂などの耐熱性が弱い場合は加熱をしない方が好ましい。成膜時の系内の圧力は1×10−2〜1×10Paとするのが好ましい。
また、フッ素原子を含む化合物及び金属原子を含む化合物の混合比は、両者の供給量比を変えることにより調整できる。ここでいう供給量とは原料が固体の場合は蒸発速度、液体か気体の場合は蒸発流量のことである。
本発明の有機EL素子は、面状光源、セグメント表示装置、ドットマトリックス表示装置、液晶表示装置のバックライト等として用いることができる。
本発明の有機EL素子を用いて面状の発光を得るためには、面状の陽極(上部電極)と陰極(下部電極)が重なり合うように配置すればよい。また、パターン状の発光を得るためには、前記面状の発光素子の表面にパターン状の窓を設けたマスクを設置する方法、非発光部の有機物層を極端に厚く形成し実質的に非発光とする方法、陽極または陰極のいずれか一方、または両方の電極をパターン状に形成する方法がある。これらのいずれかの方法でパターンを形成し、いくつかの電極を独立にOn/OFFできるように配置することにより、数字や文字、簡単な記号などを表示できるセグメントタイプの表示素子が得られる。更に、ドットマトリックス素子とするためには、陽極と陰極をともにストライプ状に形成して直交するように配置すればよい。複数の種類の発光色の異なる重合体を塗り分ける方法や、カラーフィルターまたは蛍光変換フィルターを用いる方法により、部分カラー表示、マルチカラー表示が可能となる。ドットマトリックス素子は、パッシブ駆動でも、アモルファスシリコンや低温ポリシリコンを用いた薄膜トランジスタなどと組み合わせたアクティブ駆動でもよい。これらの表示素子は、コンピュータ、テレビ、携帯端末、携帯電話、カーナビゲーション、ビデオカメラのビューファインダーなどの表示装置として用いることができる。さらに、前記面状の発光素子は、自発光薄型であり、液晶表示装置のバックライト用の面状光源、あるいは面状の照明用光源として好適に用いることができる。また、フレキシブルな基板を用いれば、曲面状の光源や表示装置としても使用できる。
本発明を、実施例及び比較例を示しながら、さらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
なお部及び%は特に断りのない限り重量基準である。
本実施例における評価は、以下の方法によって行う。
(1)屈折率
エリプソメーター(日本分光社製)を用いて、波長633nmの光により測定する。
(2)発光輝度L
有機EL素子に駆動電圧5Vを印加し、封止層から射出した光の正面方向の発光輝度を輝度計(大塚電子社製、MCPD−7000)を用いて測定する。
(3)発光寿命T
有機EL素子を20℃、40%RH環境下において、初期発光輝度を100cd/mとなる条件で定電流連続駆動させ、発光輝度が初期発光輝度の半分に低下するまでに要する時間を測定する。時間が長いほど発光寿命に優れる。
(4)耐擦傷性
封止層の表面を♯0000のスチールウールを用いて、0.05MPaの荷重をかけて3往復擦った後、表面についた傷の本数を目視で数える。傷の本数が少ないほど耐擦傷性に優れる。
(5)密着性
JIS D0202−1988に準拠してクロスカット粘着テープ試験により、封止層の表面部分を100ピースにカットし、カットした各ピースに粘着テープを貼った後、剥がした際の剥離していないピース数を数える。ピース数が少ないほど、密着性に優れる。
(6)水蒸気透過速度
JIS K7129のB法(赤外センサー法)に準拠して、水蒸気透過速度測定器(MOCON社製、「Permatran」)を用いて、40℃、90%RH環境下で測定する。
なお、水蒸気透過速度を測定する際には、基材フィルムとしてPETフィルム(厚さ100μm)を用い、この上に封止層を形成させた積層体を用いる。そして、以下の式(2)より封止層の水蒸気透過速度を算出する。別途基材フィルムのみの水蒸気透過速度も測定しておく。
式(2):P/d=(d/P+d/P−1
上記式(2)において、P、P、Pはそれぞれ積層体、封止層、基材フィルムの水蒸気透過速度を表し、d、d、dはそれぞれ積層体、封止層、基材フィルムの厚さを表す。水蒸気透過速度が小さいほど、水蒸気バリア性に優れる。
(実施例1)
ガラス基板(40mm角×1mm厚、屈折率n=1.5)上に、下部電極層としてDCスパッタリング法により100nmの膜厚で成膜したAl膜(屈折率3.0)、発光層として蒸着法により200nmの膜厚で成膜したトリス(8−キノリノール)アルミニウム(=Alq)膜、上部電極層としてDCスパッタリング法により膜厚100nmで成膜したITO膜(屈折率2.0)を積層した積層体1を用意した。なお、基板の強制加熱は行わなかった。
この積層体1を平行平板電極を有するプラズマCVD装置内の真空チャンバー内に装着し、チャンバー内の圧力を0.1Paにした後、封止層を構成する材料としてテトラフルオロエチレン(以下、「C」と記す。)を50sccm(=0.0845Pa・m/s)、及びヘキサメチルジシラザン(以下、「HMDS」と記す。)を50sccm(=0.0845Pa・m/s)の蒸発流量で真空チャンバー内へ導入した。次いで、電極に13.56MHzの高周波放電を出力200Wで印加し、チャンバー内の圧力30Paで上部電極層上に100nmの膜厚で成膜を行い、透明基板及び下部電極層と接触するように封止されている有機EL素子1を得た。得られた有機EL素子1の評価結果を表1に示す。
(実施例2)
封止層を、第1層としてCを25sccm(=0.0443Pa・m/s)、及びHMDSを75sccm(=0.127Pa・m/s)の蒸発流量で真空チャンバー内へ導入して、100nmの膜厚で成膜を行い、次いで第2層としてCを50sccm(=0.0845Pa・m/s)、HMDSを50sccm(=0.0845Pa・m/s)の蒸発流量に変更して100nmの膜厚で成膜を行った他は、実施例1と同様にして成膜を行い、封止層が透明基板及び下部電極層と接触するように封止されている有機EL素子2を得た。得られた有機EL素子2の評価結果を表1に示す。
(実施例3)
封止層を、第1層としてCを25sccm(=0.0443Pa・m/s)、及びHMDSを75sccm(=0.127Pa・m/s)の蒸発流量で真空チャンバー内へ導入して、100nmの膜厚で成膜を行い、次いで第2層としてCを50sccm(=0.0845Pa・m/s)、HMDSを50sccm(=0.0845Pa・m/s)の蒸発流量に変更して100nmの膜厚で成膜を行い、さらに第3層としてCを75sccm(=0.127Pa・m/s)、HMDSを25sccm(=0.0443Pa・m/s)の蒸発流量に変更して100nmの膜厚で成膜を行った他は、実施例1と同様に成膜を行い、封止層が透明基板及び下部電極層と接触するように封止されている有機EL素子3を得た。得られた有機EL素子3の評価結果を表1に示す。
(実施例4)
封止層を構成する材料の内、フッ素原子を含む化合物としてCのかわりにテトラフルオロメタン(以下、「CF」と記す)を用いた他は実施例1と同様に成膜を行い、封止層が透明基板及び下部電極層と接触するように封止されている有機EL素子4を得た。得られた有機EL素子4の評価結果を表1に示す。
(比較例1)
封止層を構成する材料として、Cのみを100sccm(=0.169Pa・m/s)の蒸発流量で真空チャンバー内に導入した他は実施例1と同様に100nmの膜厚で成膜を行い、封止層が透明基板及び下部電極層と接触するように封止されている有機EL素子5を得た。得られた有機EL素子5の評価結果を表1に示す。
(比較例2)
封止層を構成する材料として、HMDSのみを100sccm(=0.169Pa・m/s)の蒸発流量で真空チャンバー内へ導入した他は実施例1と同様に100nmの膜厚で成膜を行い、封止層が透明基板及び下部電極層と接触するように封止されている有機EL素子6を得た。得られた有機EL素子6の評価結果を表1に示す。
(比較例3)
封止層を構成する材料として、CFのみを100sccm(=0.169Pa・m/s)の蒸発流量で真空チャンバー内に導入した他は実施例1と同様に100nmの膜厚で成膜を行い、封止層が透明基板及び下部電極層と接触するように封止されている有機EL素子7を得た。得られた有機EL素子7の評価結果を表1に示す。
Figure 0004736348
表1の結果から以下のことがわかる。
実施例に示すように、本発明の有機EL素子は、発光強度、発光寿命、耐擦傷性、密着性及び水蒸気バリア性に優れている。
一方、比較例に示すように、封止層としてフッ素原子を含む化合物のみを用いたもの(比較例1)は、耐擦傷性は優れるが、発光強度、発光寿命、密着性及び水蒸気バリア性に劣る。また封止層として金属原子を含む化合物のみを用いたもの(比較例2)は、密着性に優れるが、発光強度、発光寿命、耐擦傷性及び水蒸気バリア性に劣る。
図1は、典型的な有機EL素子構造の断面図である。 図2は、本発明の有機EL素子を構成する封止層が1層からなる場合の一例の断面図である。 図3は、本発明の有機EL素子を構成する封止層が複数層からなる場合の一例の断面図である。
符号の説明
10:透明基板、11:下部電極層、12:発光層、13:上部電極層、14,14−1,14−2,14−3:封止層

Claims (1)

  1. 透明基板と、前記基板上に下部電極層、発光層、及び上部電極層を形成させた積層体の上に、封止層を積層する有機EL素子の製造方法であって、
    前記封止層がフッ素原子を含む化合物及びケイ素原子を含む有機化合物を原料として用い、これらを真空下で混合させて重合することにより得られる膜の積層膜であり、かつ上部電極層から透明基板と反対側へ順次積層された封止層を構成する各層のケイ素原子を含む有機化合物の混合比率をm1、m2、・・・mXとしたとき、m1>m2>・・・・>mXとなるように積層することを特徴とする有機EL素子の製造方法。
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