JP5409958B2 - 第3級ホスフィンオキシドを触媒の存在下で対応する第3級ホスフィンに還元する方法、及び第3級ホスフィンオキシドを触媒の存在下で還元するための第3級ホスフィンの使用 - Google Patents

第3級ホスフィンオキシドを触媒の存在下で対応する第3級ホスフィンに還元する方法、及び第3級ホスフィンオキシドを触媒の存在下で還元するための第3級ホスフィンの使用 Download PDF

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Description

本発明は、第3級ホスフィンを製造する方法に関する。より詳しくは、本発明は、対応する第3級ホスフィンオキシドを還元することによって第3級ホスフィンを製造する方法に関する。
有機アミンのリン類縁体であるホスフィンは、数多くの分野において幅広い産業上の利用可能性を有する1つの種類の非常に重要な化合物を構成する。第3級ホスフィンは、種々の広範囲に利用されている化学反応、例えばウィッティヒ反応、即ちケトン又はアルデヒド官能基のオレフィン結合への転化、アルコール官能基からC−O、C−N、C−S、又はC−C結合を立体特異的に製造するための光延反応、シュタウディンガー反応、即ちアジドの遊離アミドへの転化、又はアルコールをハロゲン化物に立体特異的に変化させるためのApple反応に関与する。更に、ホスフィンは均一触媒反応においてリガンドとして用いられる。
第3級ホスフィンは、通常は対応するホスフィンオキシドの還元によって製造される。長年にわたって、第3級ホスフィンは非常に多用途で種々の用途のために有用な化合物であるという認識に伴って、これらの有機リン試薬を製造するための数多くの異なるプロセスが開発されている。しかしながら、第3級ホスフィンを製造する実質的に全ての化学プロセスは、例えばコスト、試薬の取扱い性、高い反応温度間隔、厳しい精製の必要性、又は大きな環境影響、並びに反応システムの固有の複雑さに関する1以上の欠点を有する。とりわけ、トリフェニルホスフィンのポリマー類縁体は、徹底的な精製に関連する問題を軽減して特定の化学反応の望ましくない生成物の簡単な濾過ベースの除去を可能にするための手段として報告されている。しかしながら、精製の問題に対する見事な解決策であるにもかかわらず、高い試薬コスト及び相当量の水の必要性に関連する問題点のために、かかる方策の有用性が低下する。
伝えられるところによればおそらくは経済的に実現可能な経路によって得ることができる比較的純粋な第3級ホスフィン生成物を生成させるための別のアプローチがUS−4113783に開示されており、ここでは所望の生成物を得るために、トリフェニルホスフィンオキシドをジアルキルアルミニウムヒドリドと反応させて次に加水分解を行っている。同様のアプローチがUS−4507504に開示されており、ここでは還元剤はトリアルキルアルミニウム/三ハロゲン化ホウ素化合物であり、ここでも第3級ホスフィンへの安価とされる経路が与えられている。主張された第3級ホスフィンへの安価な経路が開示されているにもかかわらず、従来技術の実質的に全ての第3級ホスフィン製造反応の環境影響は、とりわけ厳しい試薬、高い温度、及び/又は相当量の溶媒を使用する結果として非常に高い。更に、従来技術の多数の教示は、比較的頻繁に拡張可能性の欠如が推測される結果として、或いは厳しい試薬を使用する結果として、工業用途に関して低い可能性を有する手順に関しており、これによって安全で環境的に実現可能なプロセスの開発が妨げられている。
米国特許第4113783号明細書 米国特許第4507504号明細書
而して、例えば安価なこと、簡単なこと、拡張可能なこと、取扱いの容易性、及び効率、並びに低い環境影響のような所望の特性を有する、第3級ホスフィンオキシドを対応する第3級ホスフィンに転化させる改良された方法に対する大きな必要性が当該技術において存在する。
最新技術を構成するプロセスに関連する大きな欠点を踏まえて、本発明の目的は、最小の環境影響を有する安価で、簡単で、非常に効率的な化学的プロセスを提供することによってかかる欠点を克服し、存在する要求を満足することである。
したがって、一形態によれば、本発明は、ホスフィンオキシドの還元に対する完全に新規なアプローチを用いて第3級ホスフィンオキシドを対応する第3級ホスフィンに転化させる最適な方法に関する。
而して、本発明は、第3級ホスフィンオキシドから所望の対応する第3級ホスフィンを得るために、第3級ホスフィンオキシドを触媒の存在下で還元性第3級ホスフィンと反応させることを含む、第3級ホスフィンオキシドを対応する第3級ホスフィンに転化させる方法に関する。更に、本発明は、かかる転化プロセス、並びにこの非常に効率的で、簡単で、環境に優しく、拡張可能なプロセスのための種々の使用に関する。
一態様においては、本発明方法は、式(I)の第3級ホスフィンオキシドを、触媒の存在下での還元性第3級ホスフィン(II)との反応によって式(III)の対応する第3級ホスフィンに還元する下記の反応スキームによって表すことができる。
Figure 0005409958
式中、
、R、及びRは、それぞれ独立して、置換又は非置換で分岐又は線状のヒドロカルビル;及び置換又は非置換のカルボシクリル又はヘテロシクリルを含む群から選択され;
Aは連結基であり;
mは0〜2の整数であり;
、R、及びRは、それぞれ独立して、置換又は非置換で分岐又は線状のヒドロカルビル;及び置換又は非置換のカルボシクリル又はヘテロシクリルを含む群から選択され;
Bは連結基であり;そして
nは0〜2の整数である。
本発明方法は、任意の第3級ホスフィンオキシドを対応する第3級ホスフィンに還元するために非常に有利に用いることができる。
更に、還元する第3級ホスフィンオキシド又は還元性第3級ホスフィンのいずれかを、固体担体に結合させることができる。第1の場合においては、この方法は、対応する第3級ホスフィンオキシドからの第3級ホスフィンのin situ生成のために用いることができる。
而して、本発明はまた、第3級ホスフィンオキシドを反応のための触媒の存在下で還元性第3級ホスフィンと接触させることによって、固体担体に結合した第3級ホスフィンオキシドを還元する方法も提供する。
一形態においては、本発明は、第3級ホスフィンオキシドを触媒の存在下で第3級ホスフィンと反応させることによって第3級ホスフィンオキシドを還元するための第3級ホスフィンの使用に関する。
還元剤として用いる第3級ホスフィンは、固体担体に結合させることができる。而して、本発明はまた、第3級ホスフィンオキシドを、触媒の存在下で、固体担体に結合した還元性第3級ホスフィンと接触させることによって第3級ホスフィンオキシドを還元する方法も提供する。
本発明及びその幾つかの態様の更なる形態は、以下の詳細な説明及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
まず最初に、本発明に関して用いる幾つかの用語を定義する。
ヒドロカルビル:
本明細書において用いる「ヒドロカルビル」という用語は、専ら炭素及び水素原子から構成される基を指す。本明細書において定義するヒドロカルビル基は、分岐又は線状であり、脂肪族である。ヒドロカルビル基は、1つ又は幾つかの不飽和、即ち1つ又は幾つかの二重結合、或いは1つ又は幾つかの三重結合、又は両方を含んでいてよい。この基は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20個の炭素原子、例えば1〜10個の炭素原子又は1〜6個の炭素原子を含んでいてよい。
置換ヒドロカルビルは1つ又は幾つかの独立して選択される置換基を有していてよく、還元反応を妨げない任意の置換基が本発明の目的のために可能であると考えられる。当業者であれば、過度の負担なしに置換基の好適性を確認することができると考えられる。例えば、任意の置換基は、独立して、置換又は非置換のカルボシクリル、置換又は非置換のヘテロシクリル、ハロゲン、ヒドロキシ、チオ、アルキルチオ、例えばC〜C10アルキルチオ、アルコキシ、例えばC〜C10アルコキシ、シアノ、ハロアルキル等から選択することができる。
カルボシクリル:
本明細書において用いる「カルボシクリル」という用語は、専ら炭素及び水素原子から構成される環式基を指す。本明細書において定義するカルボシクリル基は、脂肪族又は芳香族の単環又は多環、例えば二環、三環、又は四環の基(橋架又は縮合環、及びスピロ環を含む)であってよい。脂肪族カルボシクリルは1つ又は幾つかの不飽和、即ち1つ又は幾つかの二重結合、或いは1つ又は幾つかの三重結合、又は両方を含んでいてよい。この基は、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20個の炭素原子を含んでいてよい。例えば、ヒドロカルビル基は、多環で例えば10〜20個の炭素原子を含んでいてよく、又は単環で例えば3〜8個の炭素原子を含んでいてよい。カルボシクリルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、ノルボルニル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、フェニル、ナフチル、フルオレニル、アズレニル、インダニル、インデニル、アントリル等である。
置換カルボシクリルは1つ又は幾つかの独立して選択される置換基を有していてよく、ここでも、還元反応を妨げない任意の置換基が可能であり、当業者であれば、例えば第3級ホスフィンオキシドを対応する第3級ホスフィンに還元するための本明細書に記載する一般的な手順にしたがうことによって、並びに生成物同一性及び生成物収率を確認する通常の分析技術によって、過度の負担なしに置換基の好適性を確認することが十分に可能であると考えられる。例えば、任意の置換基は、独立して、置換又は非置換ヒドロカルビル、カルボシクリル、又はヘテロシクリル、ハロゲン、ヒドロキシ、チオ、アルキルチオ、例えばC〜C10アルキルチオ、アルコキシ、例えばC〜C10アルコキシ、シアノ、ハロアルキル等から選択することができる。
ヘテロシクリル:
本明細書において用いる「ヘテロシクリル」という用語は、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20の環原子を有し、その少なくとも1つ、例えば1、2、3、又は4つ、例えば1つ又は2つが、窒素、酸素、リン、ケイ素、及びイオウ、例えば窒素、酸素、及びイオウから選択されるヘテロ原子である単環又は多環、例えば二、三、又は四環式基を指す。環式基は、1つ又は幾つかの不飽和、即ち1つ又は幾つかの二重結合、或いは1つ又は幾つかの三重結合、又は両方を含んでいてよい。ヘテロシクリルの例は、ピリジル、ピロリル、キノリル、フリル、チエニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、テトラヒドロキノリニル、テトラゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、チオクロマニル、トリアゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、イソキノリニル、ナフチリジニル、イミダゾリル、ピリミジニル、フタラジニル、インドリル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、キノリジニル、キノキサリニル、テトラヒドロイソキノリニル、ピラジニル、インダゾリル、インドリニル、インドリル、ピリミジニル、チオフェネチル、ピラニル、クロマニル、シンノリニル、キノリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾジオキサニル、ベンゾジオキセピニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサジニル、ベンゾキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾモルホリニル、キサンテニル、フェノキサチイニル、フェナジニル、カルバゾリル、アクリジニル、カルボリニル、フェノキサジニル、ベンゾセレナジアゾリル、ベンゾチエニル、プリニル、シンノリニル、プテリジニル、アジリジニル、フェナントリジニル、アゼチジニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロピリジル、ジヒドロピロリル、ジオキソラニル、ジオキサニル、ジチアニル、ジチオラニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、モルホリニル、オキセタニル、オキシラニル、ピロリジニル、ピロリジノニル、ピペリジル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラニル、ピラゾリジニル、キヌクリジニル、スルファロニル、3−スルホレニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジル、チエタニル、チイラニル、チオラニル、チオモルホリニル、トリチアニル、トロパニル等である。
置換ヘテロシクリルは、1つ又は幾つかの独立して選択される置換基を有していてよく、ここでも、還元反応を妨げない任意の置換基が可能であり、当業者であれば、過度の負担なしに置換基の好適性を確認することが十分に可能であると考えられる。例えば、任意の置換基は、独立して、置換又は非置換ヒドロカルビル、カルボシクリル、又はヘテロシクリル、ハロゲン、ヒドロキシ、チオ、アルキルチオ、例えばC〜C10アルキルチオ、アルコキシ、例えばC〜C10アルコキシ、シアノ、ハロアルキル等から選択することができる。
ハロゲン:
本明細書において用いる「ハロゲン」又は「ハロ」という用語は、F、Cl、Br、及びIを指す。
アルキル:
本明細書において用いる「アルキル」という用語は、ヒドロカルビル基を指す。アルキルが飽和している場合には、これは式C2n−1にしたがう基であり、「Cアルキル」と呼ぶ。更に、「C〜C20シクロアルキル−Cアルキル」又は「C〜C20アリール−Cアルキル」のような基は、それぞれ「C〜C20シクロアルキル」及び「C〜C20アリール」を表すことを理解すべきである。
本明細書において定義するアルキルはまた不飽和(即ちアルケニル又はアルキニル)であってもよく、この場合には、1つ又は幾つかの二重結合、或いは1つ又は幾つかの三重結合、或いは両方を含んでいてよい。
アリール:
本明細書において用いる「アリール」という用語は、芳香族である上記で定義するカルボシクリルを指すことを包含する。アリールはしばしばフェニルであるが、2以上の環を有する多環式環系、例えばナフチル、フルオレニル、アズレニル、アントリル、フェナントリル等であってもよい。
ヒドロカルビレン、カルボシクリレン、ヘテロシクリレン、アルキレン、及びアリーレン:
本明細書において用いる「ヒドロカルビレン」、「カルボシクリレン」、「ヘテロシクリレン」、「アルキレン」、及び「アリーレン」という用語は、対応する炭化水素、炭素環、複素環、アルカン(又は不飽和の場合にはアルケン若しくはアルキン)、或いはアレーンから誘導されるジラジカルを指し、ジラジカルであることを除いてここで定義する対応するモノラジカルと実質的に類似している。
本発明は、第3級ホスフィンオキシドを対応する第3級ホスフィンに転化させる方法、かかる転化に関連する複数の態様、並びにこの非常に効率的で、簡単で、環境に優しく、拡張可能なプロセスに関する種々の使用に関する。
本方法は、対応するホスフィンに還元することが所望の第3級ホスフィンオキシドを、還元する第3級ホスフィンオキシドの還元を触媒する触媒の存在下で還元性第3級ホスフィンと反応させることを含む。この反応において、還元性第3級ホスフィンは対応する第3級ホスフィンオキシドに酸化される。
第3級ホスフィンオキシド及び第3級ホスフィン生成物:
本発明方法はいかなる特定の第3級ホスフィンオキシドにも限定されるものではなく、実際に、還元性第3級ホスフィンを適当に選択することにより、本発明方法によって任意の第3級ホスフィンオキシドを還元することができると意図される。
本発明の第3級ホスフィンオキシドは、任意の数の還元するホスフィンオキシド官能基を含んでいてよい。例えば、第3級ホスフィンオキシドは、1〜3個、例えば1又は2個のホスフィンオキシド官能基を含んでいてよい。一態様においては、第3級ホスフィンオキシドは1個のホスフィンオキシド官能基を含む。他の態様においては、第3級ホスフィンオキシドは2個のホスフィンオキシド官能基を含む。
更に、ホスフィンオキシドは他の官能基を更に含んでいてよいと意図される。
一態様においては、第3級ホスフィンオキシドは、式(I):
Figure 0005409958
(式中、
、R、及びRは、それぞれ独立して、置換又は非置換で分岐又は線状のヒドロカルビル;及び置換又は非置換のカルボシクリル又はヘテロシクリルを含む群から選択され;
Aは連結基であり;
mは0〜2の整数である)
の化合物である。
例えば、それぞれのR、R、及びRは、独立して、C〜C20アルキル、C〜C20アリール−C〜C20アルキル、C〜C20シクロアルキル−C〜C20アルキル、5〜20員のヘテロシクリル−C〜C20アルキル;5〜20員のヘテロアリール−C〜C20アルキル;を含む群から選択することができ;ここで、任意のアルキル、シクロアルキル、及びヘテロシクリル基は飽和であっても不飽和であってもよく、任意のアルキル基は分岐又は線状であってよく、任意のアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリール基は、場合によっては1つ又は幾つかの置換基で置換されている。
一態様においては、式(I)の化合物において、任意のC〜C20アルキルはより特にはC〜C10アルキルであってよく;任意のC〜C20アルキルはより特にはC〜C10アルキルであってよく;任意のC〜C20アリールはより特にはC〜C14アリールであってよく;任意の5〜20員のヘテロシクリルはより特には5〜14員のヘテロシクリルであってよく;任意の5〜20員のヘテロアリールはより特には5〜14員のヘテロアリールであってよい。
一態様においては、式(I)の化合物において、任意のC〜C20アルキルはより特にはC〜Cアルキルであってよく;任意のC〜C20アルキルはより特にはC〜Cアルキルであってよく;任意のC〜C20アリールはより特にはC〜C10アリールであってよく;任意の5〜20員のヘテロシクリルはより特には5〜10員のヘテロシクリルであってよく;任意の5〜20員のヘテロアリールはより特には5〜10員のヘテロアリールであってよい。
例えば、R、R、及びRは、それぞれ独立して、置換又は非置換のC〜C20アリール−C〜C20アルキル、及びC〜C20ヘテロアリール−C〜C20アルキル、例えば置換又は非置換のC〜C20アリール及びC〜C20ヘテロアリール、例えば置換又は非置換のフェニル、ナフチル、及びフリル、特に置換又は非置換のフェニルを含む群から選択することができる。
より特には、R、R、及びRは、それぞれ独立して、置換又は非置換のC〜C20アリール−C〜C20アルキル、例えば置換又は非置換のC〜C20アリール、例えば置換又は非置換のフェニル又はナフチル、特に置換又は非置換のフェニルを含む群から選択することができる。
一態様においては、R、R、及びRは全て、置換又は非置換のフェニルである。
式(I)における整数mは、0〜2の整数、例えば0又は1である。
一態様においては、式(I)におけるmは0であり、この場合には本発明の第3級ホスフィンオキシドは、式(I’):
Figure 0005409958
(式中、R、R、及びRは上記で定義した通りである)
によって表すことができる。
他の態様においては、式(I)におけるmは1であり、本発明の第3級ホスフィンオキシドは、したがって式(I”):
Figure 0005409958
(式中、R、R、R、及びAは上記で定義した通りである)
によって表すことができる。
一態様においては、式(I)の化合物において、R、R、及びRは全て同一であり、例えば全て置換又は非置換フェニルである。
式(I)の化合物に関して本明細書において行う任意の記載は、他に示しているか又は記載から明らかでない限りにおいて、式(I’)又は(I”)の化合物も指すと理解すべきである。
連結基Aは、任意の数の介在結合を介してホスフィン(オキシド)官能基の2つのリン原子を互いに結合させることができる任意のジラジカルであってよい。連結基Aは、置換又は非置換のヒドロカルビレン、或いは置換又は非置換の単環若しくは多環のカルボシクリレン又はヘテロシクリレン、及び場合によっては1つ又は幾つかの官能基、例えばエーテル又はチオエーテル官能基を含んでいてよい。
式(I)におけるmが1より大きい場合には、Aはそれぞれの箇所で独立して選択される。一態様においては、Aは多環式ジラジカル、例えば2〜8個の環基、例えば2〜6個、又は2〜4個の環基を含むジラジカルであり、ここではそれぞれの環基は、独立して、5又は6員の、飽和又は不飽和、芳香族又は非芳香族の炭素環又は複素環基から選択され、環基は、互いに縮合しているか、又は例えば共有タイプ若しくはメタロセンタイプの1つ又は幾つかの介在結合、例えば共有結合、エーテル官能基、チオエーテル官能基、場合によっては置換されているアルキレン基、例えばメチレン又はエチレン基、或いはフェロセンタイプの結合を介して互いに結合している。この態様においては、2つのホスフィンオキシド官能基は、好ましくは異なる環基に結合している。
他の態様においては、Aは、置換又は非置換のヒドロカルビレン、カルボシクリレン、又はヘテロシクリレンであってよい。連結基Aまた、置換又は非置換のメタロセニレン、即ちメタロセン、即ち正電荷の金属中心(M)に結合している2つのシクロペンタジエニルアニオンから構成される一般式:(CMを有する化合物から誘導されるジラジカルであってもよい。例として、Aは置換又は非置換のフェロセニレンであってよい。
一態様においては、Aは、置換又は非置換で、飽和又は不飽和で、分岐又は線状のC〜C20アルキレン、C〜C20カルボシクリレン、例えばC〜C20アリーレン、5〜20員のヘテロシクリレン、例えば5〜20員のヘテロアリーレン、C〜C40ビシクリレン、例えばC12〜C40ビアリーレン、10〜40員のビヘテロシクリレン、例えば10〜40員のビヘテロアリーレン、及びC10〜C30フェロセニレンの群から選択される非置換又は置換ジラジカルである。
例えば、Aは、C〜C20アリーレン、5〜20員のヘテロシクリレン、5〜20員のヘテロアリーレン、C12〜C40ビアリーレン、10〜40員のビヘテロシクリレン、10〜40員のビヘテロアリーレン、及びC10〜C30フェロセニレンの群から選択される非置換又は置換ジラジカルであってよい。
一態様においては、Aは、C12〜C40ビアリーレン、5〜20員のヘテロシクリレン、及びC10〜C30フェロセニレン、例えばビナフチル、例えば2,2’−ビナフチル;キサンテニレン、例えば4,5−キサンテニレン;及び(C10)フェロセニレン、例えば1,1’−フェロセニレンの群から選択される非置換又は置換ジラジカルである。
本発明にしたがって還元することができる第3級ホスフィンオキシドの例は、トリフェニルホスフィンオキシド、2,2’−ビス(ジフェニルオキシホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、ビス(2−ジフェニルオキシホスフィノ)フェニルエーテル、9,9−ジメチル−4,6−ビス(ジフェニルオキシホスフィノ)キサンテン、1,1’−ビス(ジフェニルオキシホスフィノ)フェロセン、トリス(4−クロロフェニル)ホスフィンオキシド、ビス(2−メチルフェニル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2−メチルフェニル)フェニルホスフィンオキシド、或いは固体及び/又はポリマー担体に結合している任意のこれらの化合物である。
しかしながら、上記に示すように、本発明方法は非常に有利には実質的に任意の第3級ホスフィンオキシドに適用することができ、本発明による還元反応によって対応するホスフィンオキシドから製造することができる第3級ホスフィンの幾つかの例は、
ジ(tert−ブチル)フェニルホスフィン、ジ(1−メチルブチル)フェニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルプロピル)フェニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルブチル)フェニルホスフィン、ジ(tert−ブチル)−2−メトキシフェニルホスフィン、ジ(1−メチルブチル)−2−メトキシフェニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルプロピル)−2−メトキシフェニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルブチル)−2−メトキシフェニルホスフィン、ビス(トリメチルシリル)−2−メトキシフェニルホスフィン、ジ(tert−ブチル)−4−メトキシフェニルホスフィン、ジ(1−メチルブチル)−4−メトキシフェニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルプロピル)−4−メトキシフェニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルブチル)−4−メトキシフェニルホスフィン、ジ(tert−ブチル)−2,4−ジメトキシフェニルホスフィン、ジ(1−メチルブチル)−2,4−ジメトキシフェニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルプロピル)−2,4−ジメトキシフェニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルブチル)−2,4−ジメトキシフェニルホスフィン、ジ(tert−ブチル)−2,4,6−トリメトキシフェニルホスフィン、ジ(1−メチルブチル)−2,4,6−トリメトキシフェニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルプロピル)−2,4,6−トリメトキシフェニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルブチル)−2,4,6−トリメトキシフェニルホスフィン、ジ(tert−ブチル)−2−メチルフェニルホスフィン、ジ(1−メチルブチル)−2−メチルフェニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルプロピル)−2−メチルフェニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルブチル)−2−メチルフェニルホスフィン、ジ(tert−ブチル)−4−メチルフェニルホスフィン、ジ(1−メチルブチル)−4−メチルフェニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルプロピル)−4−メチルフェニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルブチル)−4−メチルフェニルホスフィン、ジ(tert−ブチル)−2,4−ジメチルフェニルホスフィン、ジ(1−メチルブチル)−2,4−ジメチルフェニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルプロピル)−2,4−ジメチルフェニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルブチル)−2,4−ジメチルフェニルホスフィン、ジ(tert−ブチル)−2,4,6−トリメチルフェニルホスフィン、ジ(1−メチルブチル)−2,4,6−トリメチルフェニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルプロピル)−2,4,6−トリメチルフェニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルブチル)−2,4,6−トリメチルフェニルホスフィン、ジ(tert−ブチル)ペンタフルオロフェニルホスフィン、ジ(1−メチルブチル)ペンタフルオロフェニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルプロピル)ペンタフルオロフェニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルブチル)ペンタフルオロフェニルホスフィン、ジ(tert−ブチル)−2,4−ジフルオロフェニルホスフィン、ジ(1−メチルブチル)−2,4−ジフルオロフェニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルプロピル)−2,4−ジフルオロフェニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルブチル)−2,4−ジフルオロフェニルホスフィン、ジ(tert−ブチル)−3,5−ジフルオロフェニルホスフィン、ジ(1−メチルブチル)−3,5−ジフルオロフェニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルプロピル)−3,5−ジフルオロフェニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルブチル)−3,5−ジフルオロフェニルホスフィン、ジ(tert−ブチル)−4−フルオロフェニルホスフィン、ジ(1−メチルブチル)−4−フルオロフェニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルプロピル)−4−フルオロフェニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルブチル)−4−フルオロフェニルホスフィン、ジ(1,2−ジメチルブチル)−4−フルオロフェニルホスフィン、ジ(tert−ブチル)−4−クロロフェニルホスフィン、ジ(1−メチルブチル)−4−クロロフェニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルプロピル)−4−クロロフェニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルブチル)−4−クロロフェニルホスフィン、ジ(tert−ブチル)−4−ブロモフェニルホスフィン、ジ(1−メチルブチル)−4−ブロモフェニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルプロピル)−4−ブロモフェニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルブチル)−4−ブロモフェニルホスフィン、ジ(tert−ブチル)−4−(tert−ブチル)フェニルホスフィン、ジ(1−メチルブチル)−4−(tert−ブチル)フェニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルプロピル)−4−(tert−ブチル)フェニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルブチル)−4−(tert−ブチル)フェニルホスフィン、ビス(トリメチルシリル)−4−(tert−ブチル)フェニルホスフィン、ジ(tert−ブチル)−2,4,6−トリ(tert−ブチル)フェニルホスフィン、ジ(1−メチルブチル)−2,4,6−トリ(tert−ブチル)フェニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルプロピル)−2,4,6−トリ(tert−ブチル)フェニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルブチル)−2,4,6−トリ(tert−ブチル)フェニルホスフィン、ジ(tert−ブチル)−4−トリフルオロメチルフェニルホスフィン、ジ(1−メチルブチル)−4−トリフルオロメチルフェニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルプロピル)−4−トリフルオロメチルフェニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルブチル)−4−トリフルオロメチルフェニルホスフィン、ジ(tert−ブチル)−3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルホスフィン、ジ(1−メチルブチル)−3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルプロピル)−3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルブチル)−3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルホスフィン、ジ(tert−ブチル)−2−ビフェニルホスフィン、ジ(1−メチルブチル)−2−ビフェニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルブチル)−2−ビフェニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルブチル)−2−ビフェニルホスフィン、ジ(1,2−ジメチルブチル)−2−ビフェニルホスフィン、ビス(トリメチルシリル)−2−ビフェニルホスフィン、ジ(tert−ブチル)−3−ビフェニルホスフィン、ジ(1−メチルブチル)−3−ビフェニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルプロピル)−3−ビフェニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルブチル)−3−ビフェニルホスフィン、ジ(tert−ブチル)−1−ナフチルホスフィン、ジ(1−メチルブチル)−1−ナフチルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルプロピル)−1−ナフチルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルブチル)−1−ナフチルホスフィン、ジ(tert−ブチル)−2−ナフチルホスフィン、ジ(1−メチルブチル)−2−ナフチルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルプロピル)−2−ナフチルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルブチル)−2−ナフチルホスフィン、ジ(tert−ブチル)−5−アセナフチルホスフィン、ジ(1−メチルブチル)−5−アセナフチルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルプロピル)−5−アセナフチルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルブチル)−5−アセナフチルホスフィン、ジ(tert−ブチル)−9−フルオレニルホスフィン、ジ(1−メチルブチル)−9−フルオレニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルプロピル)−9−フルオレニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルブチル)−9−フルオレニルホスフィン、ジ(tert−ブチル)−9−アントラセニルホスフィン、ジ(1−メチルブチル)−9−アントラセニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルプロピル)−9−アントラセニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルブチル)−9−アントラセニルホスフィン、ジ(tert−ブチル)−9−フェナントリルホスフィン、ジ(1−メチルブチル)−9−フェナントリルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルプロピル)−9−フェナントリルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルブチル)−9−フェナントリルホスフィン、ジ(tert−ブチル)−1−ピレニルホスフィン、ジ(1−メチルブチル)−1−ピレニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルプロピル)−1−ピレニルホスフィン、ジ(1,1−ジメチルブチル)−1−ピレニルホスフィン、1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ベンゼン、1,2−,1,2−ビス(ジ−1−メチルブチルホスフィノ)ベンゼン、1,2−ビス[ジ(1,1−ジメチルプロピル)ホスフィノ]ベンゼン、1,2−ビス[ビス(1,2−ジメチルブチル)ホスフィノ]ベンゼン、1,2−ビス[ビス(トリメチルシリル)メチルホスフィノ)ベンゼン、1,3−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ベンゼン、1,3−ビス[ビス(トリメチルシリルホスフィノ)]ベンゼン、1,3−ビス(ジ−1−メチルブチルホスフィノ)ベンゼン、1,3−ビス[ジ(1,1−ジメチルプロピル)ホスフィノ]ベンゼン、1,3−ビス[ビス(1,1−ジメチルブチル)ホスフィノ]ベンゼン、1,3−ビス[ビス(トリメチルシリル)メチルホスフィノ)ベンゼン、1,4−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ベンゼン、1,4−ビス(ジ−1−メチルブチルホスフィノ)ベンゼン、1,4−ビス[ジ(1,1−ジメチルプロピル)ホスフィノ]ベンゼン、1,4−ビス[ビス(1,1−ジメチルブチル)ホスフィノ]ベンゼン、1,4−ビス[ビス(トリメチルシリル)メチルホスフィノ]ベンゼン、1,4−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)シクロヘキサン、1,4−ビス(ジ−1−メチルブチルホスフィノ)シクロヘキサン、1,4−ビス[ジ(1,1−ジメチルプロピル)ホスフィノ]シクロヘキサン、1,4−ビス[ビス(1,1−ジメチルブチル)ホスフィノ]シクロヘキサン、1,4−ビス[ビス(トリメチルシリル)メチルホスフィノ)シクロヘキサン、1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセン、1,1’−ビス(ジ−1−メチルブチルホスフィノ)フェロセン、1,1’−ビス[ジ(1,1−ジメチルプロピル)ホスフィノ]フェロセン、1,1’−ビス[ビス(トリメチルシリル)メチルホスフィノ)フェロセン、1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセン、1,2−ビス(ジ−1−メチルブチルホスフィノ)フェロセン、1,2−ビス[ジ(1,1−ジメチルプロピル)ホスフィノ]フェロセン、1,2−ビス[ビス(1,1−ジメチルブチル)ホスフィノ]フェロセン、1,2−ビス[ビス(トリメチルシリル)メチルホスフィノ)フェロセン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリネオペンチルホスフィン、トリス(トリメチルシリル)ホスフィン、トリ(1−メチルブチル)ホスフィン、トリ(1−エチルプロピル)ホスフィン、トリ(1,1−ジメチルプロピル)ホスフィン、トリス(1,2−ジメチルプロピル)ホスフィン、トリ(1−メチルペンチル)ホスフィン、トリス(1,1−ジメチルブチル)ホスフィン、トリス(1,2−ジメチルブチル)ホスフィン、トリス(1,3−ジメチルブチル)ホスフィン、トリ(1−エチルブチル)ホスフィン、トリス(1,1,2−トリメチルプロピル)ホスフィン、トリス(1,2,2−トリメチルプロピル)ホスフィン、トリ(1−エチル−1−メチルプロピル)ホスフィン、トリス[(トリメチルシリル)メチル]ホスフィン、トリ(tert−ブチル)ホスフィン、トリネオペンチルホスフィン、2,2’−ビス[ビス(3,5−ジメチルフェニル)ホスフィノ]−1,1’−ビナフチル、2,2’−ビス[ビス(4−メトキシフェニル)ホスフィノ]−1,1’−ビナフチル、2,2’−ビス[ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ホスフィノ]−1,1’−ビナフチル、2,2’−ビス[ビス(4−フルオロフェニル)ホスフィノ]−1,1’−ビナフチル、2,2’−ビス[ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェニル)ホスフィノ]−1,1’−ビナフチル、2,2’−ビス(
ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、2,2’−ビス[ビス(2−メチルフェニル)ホスフィノ]−1,1’−ビナフチル、2,2’−ビス[ビス(3−メチルフェニル)ホスフィノ]−1,1’−ビナフチル、2,2’−ビス[ビス(4−メチルフェニル)ホスフィノ]−1,1’−ビナフチル、2,2’−ビス[ビス(4−tert−ブチルフェニル)ホスフィノ]−1,1’−ビナフチル、2,2’−ビス[ビス(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィノ]−1,1’−ビナフチル、2,2’−ビス[ビス(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)ホスフィノ]−1,1’−ビナフチル、2,2’−ビス[ビス(4−クロロフェニル)ホスフィノ]−1,1’−ビナフチル、2,2’−ビス[ビス(1,3−ベンゾジオキソル−5−イル)ホスフィノ]−1,1’−ビナフチル、2,2’−ビス[ビス(2−ナフチル)ホスフィノ]−1,1’−ビナフチル、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−6,6’−ジフェニル−1,1’−ビナフチル、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−7,7’−ジメトキシ−1,1’−ビナフチル、並びに固体及び/又はポリマー担体に結合した任意のこれらのホスフィン、例えばポリスチレン樹脂上の4−ジフェニルホスフィノメチル、及びJandaJel−トリフェニルホスフィン(JandaJelはSigma-Aldrich Co.から入手できるポリスチレン樹脂である)などである。
本発明の化合物は(R)形態及び(S)形態を有する1つ又は幾つかの原子を含んでいてよく、この場合には、その全ての形態及びそれらの組合せ、並びに任意の異性体の任意の混合物は、本発明の範囲内に包含されると意図される。
還元性第3級ホスフィン:
還元性第3級ホスフィンは1つ又は幾つかの第3級ホスフィン官能基を含んでいてよく、それぞれのホスフィン官能基のリン原子は、上記で定義した置換又は非置換で分岐又は線状のヒドロカルビル;並びに置換又は非置換のカルボシクリル又はヘテロシクリルから選択される基に結合していてよい。
例えば、還元性第3級ホスフィンは1つ〜3つのホスフィン官能基を含んでいてよい。一態様においては、還元性第3級ホスフィンは1つ又は2つのホスフィン官能基を含む。1つの特定の態様においては、還元性第3級ホスフィンは1つのホスフィン官能基を含む。
更に、還元性第3級ホスフィンは他の官能基を更に含んでいてもよいことが意図される。
一態様においては、還元性第3級ホスフィンは式(II):
Figure 0005409958
(式中、R、R、及びRは、それぞれ独立して、置換又は非置換で分岐又は線状のヒドロカルビル;及び置換又は非置換の脂肪族又は芳香族カルボシクリル又はヘテロシクリルを含む群から選択され;
Bは連結基であり;そして
nは0〜2の整数、例えば0又は1である)
によって表される。
例えば、R、R、及びRは、置換又は非置換で分岐又は線状のC〜C20ヒドロカルビル、例えばC〜C10ヒドロカルビル、例えばC〜Cヒドロカルビル;並びに置換又は非置換の脂肪族又は芳香族のC〜C20カルボシクリル、例えばC〜C10カルボシクリル、又はC〜Cカルボシクリル、或いは5〜20員のヘテロシクリル、例えば5〜10員のヘテロシクリル、又は5〜6員のヘテロシクリルを含む群から選択することができる。
一態様においては、R、R、及びRは、独立して、置換又は非置換で分岐又は線状のC〜C20ヒドロカルビル、例えばC〜C10ヒドロカルビル、例えばC〜Cヒドロカルビル;並びに置換又は非置換の脂肪族C〜C20カルボシクリル、例えばC〜C10カルボシクリル、又はC〜Cカルボシクリルを含む群から選択される。例えば、任意のヒドロカルビル基はアルキルであってよく、任意のカルボシクリル基はシクロアルキルであってよい。
一態様においては、R、R、及びRは全て同一であるが、これらは同様に互いに異なっていてもよい。
式(II)の化合物におけるホスフィン官能基の数は好適には1〜3の範囲であってよく、即ち式(II)における整数nは0〜2である。一態様においては、式(II)におけるnは0であり、この場合には本発明の還元性第3級ホスフィンは、式(II’):
Figure 0005409958
(式中、R、R、及びRは、上記に定義した通りである)
によって表すことができる。
他の態様においては、式(II)におけるnは1又は2である。
一態様においては、式(II)の化合物において、R、R、及びRは全て同一であり、例えば全てが置換又は非置換のC〜Cアルキル又はC〜Cシクロアルキルである。
連結基Bは、任意の数の介在結合を介してホスフィン(オキシド)官能基の2つのリン原子を互いに結合させることができる任意のジラジカルであってよい。連結基Bは、置換又は非置換のヒドロカルビレン、単環若しくは多環のカルボシクリレン又はヘテロシクリレン、及び場合によっては1つ又は幾つかの官能基、例えばエーテル又はチオエーテル官能基を含んでいてよい。
式(II)におけるnが1より大きい場合には、Bはそれぞれの箇所で独立して選択される。
一態様においては、Bは多環式ジラジカル、例えば2〜8個の環基、例えば2〜6個、又は2〜4個の環基を含むジラジカルであり、ここではそれぞれの環基は、独立して、5又は6員の、飽和又は不飽和、芳香族又は非芳香族の炭素環又は複素環基から選択され、環基は、互いに縮合しているか、又は例えば共有タイプ又はメタロセンタイプの1つ又は幾つかの介在結合、例えば共有結合、エーテル官能基、チオエーテル官能基、場合によっては置換されているアルキレン基、例えばメチレン又はエチレン基、或いはフェロセンタイプの結合を介して互いに結合している。この態様においては、2つのホスフィンオキシド官能基は、好ましくは異なる環基に結合している。
他の態様においては、Bは、置換又は非置換のヒドロカルビレン、カルボシクリレン、又はヘテロシクリレンであってよい。連結基Bまた、置換又は非置換のメタロセニレン、即ちメタロセン、即ち正電荷の金属中心(M)に結合している2つのシクロペンタジエニルアニオンから構成される一般式:(CMを有する化合物から誘導されるジラジカルであってもよい。例として、Bは置換又は非置換のフェロセニレンであってよい。
一態様においては、Bは、置換又は非置換で、飽和又は不飽和で、分岐又は線状のC〜C20アルキレン、C〜C20カルボシクリレン、例えばC〜C20アリーレン、5〜20員のヘテロシクリレン、例えば5〜20員のヘテロアリーレン、C〜C40ビシクリレン、例えばC12〜C40ビアリーレン、10〜40員のビヘテロシクリレン、例えば10〜40員のビヘテロアリーレン、及びC10〜C30フェロセニレンの群から選択される非置換又は置換ジラジカルである。
例えば、Bは、C〜C20アリーレン、5〜20員のヘテロシクリレン、5〜20員のヘテロアリーレン、C12〜C40ビアリーレン、10〜40員のビヘテロシクリレン、10〜40員のビヘテロアリーレン、及びC10〜C30フェロセニレンの群から選択される非置換又は置換ジラジカルであってよい。
一態様においては、Bは、C12〜C40ビアリーレン、5〜20員のヘテロシクリレン、及びC10〜C30フェロセニレン、例えばビナフチル、例えば2,2’−ビナフチル;キサンテニレン、例えば4,5−キサンテニレン;及び(C10)フェロセニレン、例えば1,1’−フェロセニレンの群から選択される非置換又は置換ジラジカルであってよい。
還元性第3級ホスフィンの塩基性度は、好ましくは生成物のホスフィンの塩基性度よりも大きい。これは、より塩基性のホスフィンがより塩基性の低いホスフィンよりもより容易に酸化されるからである。しかしながら、当業者であれば、例えば反応混合物に過剰の還元性第3級ホスフィンを加えることによって、本発明による反応を所望の方向に更に推進することができることを認識するであろう。
本明細書において用いる「塩基性度」という用語は、実質的に、電子対を供与する、即ちルイス酸として作用するホスフィンの能力を指し;関与する電子対はホスフィン−リンのものである。
還元性ホスフィンの塩基性度は、主として、1つ又は複数のホスフィン官能基に結合している基、即ち主として式(II)における基R、R、及びRによって決定する。例えば、R、R、及びRがC〜Cアルキル及びC〜Cシクロアルキルから選択される式(II)の化合物、例えばトリ−tert−ブチルホスフィン及びトリシクロプロピルホスフィンは非常に塩基性の化合物であり、これらはこのままで本発明方法において用いるための還元性第3級ホスフィンとして有利である。
而して、第3級還元性ホスフィンは、好ましくは第3級ホスフィンオキシド還元生成物よりも強い塩基性であるように選択される。第3級還元性ホスフィンを選択するための更なるパラメーターは、例えば取扱いの容易さ、入手可能性、及び低いコストである可能性がある。
還元性第3級ホスフィンの酸化生成物は、通常はプロセスの副生成物とみなされる。しかしながら、所望の場合には、この酸化生成物も回収して、例えば還元を経て再循環するか、或いは任意の他の方法で使用することができることを認識すべきである。
本発明方法のために好適な還元性第3級ホスフィンの非限定的な例は、トリブチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、及び他の同様のホスフィンを含む群から選択することができる。
還元性第3級ホスフィンは、好ましくは、第3級ホスフィンオキシドのホスフィンオキシド−リンに対して少なくとも1モル当量の還元性第3級ホスフィンのホスフィン−リンに相当する量で存在させる。例えば、還元性第3級ホスフィンは、好適には、還元する第3級ホスフィンオキシドの1つ又は複数のホスフィンオキシド官能基に対する還元性第3級ホスフィンの1つ又は複数のホスフィン官能基のモル比が約1〜約10、例えば約1.2〜約5、例えば約1.5〜約2.5、又は約2になるような量で存在させることができる。
一態様においては、還元性第3級ホスフィンを、ホスフィンオキシドと比べて過剰に存在させる。この態様においては、還元性第3級ホスフィンは、好適には、還元する第3級ホスフィンオキシドの1つ又は複数のホスフィンオキシド官能基に対する還元性第3級ホスフィンの1つ又は複数のホスフィン官能基のモル比が約2〜約10、例えば約3〜約8、又は約4〜約6になるような量で存在させることができる。
一態様においては、還元性第3級ホスフィンは固体担体に結合させる。この態様においては、還元性第3級ホスフィンは、使用後に、例えばそれを、固相に結合させた還元性第3級ホスフィンよりも塩基性であってよく、或いは再生する結合させた還元性ホスフィンを有する固相を含む反応媒体に過剰に加える還元性第3級ホスフィンのような還元剤と反応させることによって再生することができる。
触媒:
本発明によれば、触媒は本発明の反応を触媒することができる任意のタイプの化学種であってよい。好ましくは、触媒は少なくとも1つのハロゲン原子を含む。触媒は、とりわけ、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、例えばI及びBr;ハロアルカン、特にテトラハロメタン、例えばテトラクロロメタン、テトラブロモメタン、テトラヨードメタン、テトラフルオロメタン、例えばCCl;二ハロゲン化ホスフィン、例えば二ハロゲン化第3級ホスフィン、例えばトリフェニルホスフィンジクロリド、トリフェニルホスフィンジブロミド、トリフェニルホスフィンジヨージド、トリフェニルホスフィンジフルオリド、例えばトリフェニルホスフィンジクロリド、及び/又はこれらの任意のトリアルキル、シクロアルキル、又はアリール類縁体を含む群から選択することができる。
触媒は触媒量でしか存在させる必要はないが、試薬及び溶媒中に存在する意図されない水が触媒を消費する可能性があるので、最適の触媒装填量は、還元する第3級ホスフィンオキシドの例えば0.02〜0.5モル当量、特に0.05〜0.2モル当量、例えば0.08〜0.12モル当量、及び好適には約0.1モル当量であってよい。実際には、触媒の量を示される範囲よりも多く増加させても反応に対する大きな効果があるとは思われない。しかしながら、用いる触媒によっては、より高い/より低いモル当量が適切である可能性があり、而して、触媒の量を増加/減少させることも本発明の範囲内である。
触媒は任意の物理的形態で存在させることができるが、試薬及び/又は反応条件の特定の組合せのために当業者に公知の好適な形態が当然に好ましい。
いかなる特定の理論にも縛られることは望まないが、本発明方法の反応メカニズムは、触媒と還元性第3級ホスフィンとの間の初期相互作用に依っており、場合によってはこれらの2つの分子の少なくとも幾つかの成分の間に中間錯体が形成されると推測される。その後、第3級ホスフィンオキシドが対応する第3級ホスフィンに還元され、この反応は触媒及び還元性第3級ホスフィンから生成する中間錯体によって促進される。理論的には、本発明方法は、而して、全体で、第3級ホスフィンオキシドの対応する第3級ホスフィンへの還元、還元性第3級ホスフィンの対応する第3級ホスフィン酸化物への酸化、及び触媒の再生を与える。
反応媒体:
第3級ホスフィンオキシドを対応するホスフィンに転化させる方法は、プロセスの環境影響を更に減少させるために無溶媒条件下で行うことができる。本発明方法は試薬及び反応を行う条件を選択することによって著しく低い環境影響を有するが、無溶媒反応条件を用いる可能性によって、本発明の環境に優しい特徴が更に最適化される。しかしながら、本方法は、例えばトルエン、ヘキサン、テトラヒドロフラン(THF)、アセトニトリル、ジエチルエーテル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル、酢酸エチル、及びこれらの混合物、例えばテトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジエチルエーテル、プロピオニトリル、トルエン、酢酸エチル、及びこれらの混合物のような1種類又は複数の無水非プロトン性溶媒中で行うこともできる。本発明方法のために好ましい溶媒は、アセトニトリル、及びアセトニトリルとTHFとの1:1混合物を含む群から選択することができる。
反応成分の添加順序はプロセスに対して影響を与えないが、スケールアップ及び取扱いに関連する障害を最小にすることができることが暗示される。更に、本発明の有利な特徴の結果として、本方法は実質的に任意のタイプの反応容器内で行うことができ、これにより特に産業的観点からの本発明の多用途性が更に増加する。
本発明方法は、上記に言及したように、安価性、低い環境影響、拡張可能性、及び取扱いの容易性に関係する数多くの有利性を有する。本発明の更なる有利な形態は、例えば、プロセスを任意の温度において、最も好都合には雰囲気温度において行うことができ、反応混合物の濃度がプロセスに影響を与えないということに関する。更に、本方法は非常に温和であり、而して敏感な反応システムのために非常に好適である。例えば、本発明方法は、ポリマーキャリア又は骨格に結合させた第3級ホスフィンオキシドの還元において、ポリマーキャリア又は骨格に結合させた第3級ホスフィンが再生されるように用いるのに申し分なく好適である。例えば、本発明方法はポリスチレン上のトリフェニルホスフィンの再生において用いることができる。かかる使用、及び固体担体に結合している第3級ホスフィンを再生させるための更なる使用は、再生された試薬を繰り返し用いることができ、これによって特により工業的なスケールの用途に関してコストが最小になり且つプロセスが最適になることを暗示する。
固体担体:
上記に示したように、第3級ホスフィンオキシド又は還元性第3級ホスフィンのいずれかを固体担体に結合させることができる。かかる固体担体の例は、Sigma-Aldrich Co.によってJandaJelの商品名で販売されているもののようなポリスチレン材料である。他の可能な固相担体は、例えばシリカゲル、開環オレフィンメタセシス重合(ROMP)ゲル等である。
当業者であれば、例えばSteinkeらの米国特許7,491,779(その内容は参照として本明細書中に包含される)に記載されているもののような種々の他の可能な固体担体を認識するであろう。
固体担体への結合は、このタイプの化合物を固相に結合させるための周知の化学技術を用いることによって行われ、当業者であれば適当な反応条件及び反応物質を選択することが十分に可能である。例えば、ポリスチレンに結合しているトリフェニルホスフィンは、ジフェニルスチリルホスフィンとスチレンとの共重合によるか、又はジフェニルホスフィンとポリ(4−ブロモスチレン)との共重合によって製造することができる。
本発明方法の他の特徴:
例示目的のみを意図し、本発明の範囲を限定するようには解釈されない以下の実施例から認識することができるように、本発明方法は、非常に有利なことに、低い反応温度、例えば室温(例えば18〜25℃)において行うことができ、好ましくは不活性雰囲気、例えば窒素雰囲気下で行う。非常に有利なことに、反応時間は非常に短く、即ち1時間未満、例えば10分間〜30分間に保持することができ、これによって例えば90モル%より高く99モル%以下、又は更には殆ど定量的収率の非常に高い生成物収率が与えられる。
本発明方法の一態様においては、第3級ホスフィンオキシド、還元性第3級ホスフィン、及び触媒を、場合によっては無水の非プロトン性溶媒中で混合する。混合物を、不活性雰囲気下において適当量の時間撹拌する。反応混合物は、好適には次に例えば水を加えることによってクエンチする。
生成物は、例えば実施例において記載する手順にしたがって抽出、精製、及び結晶化することができる。例えば、一態様においては、反応の完了時において必要な場合には反応媒体を希釈し、飽和NaHCOのような弱塩基性緩衝溶液で数回洗浄する。例えばNaSOを用いて溶液を乾燥し、濾過し、その後に溶媒を蒸発させる。蒸発残渣を高温の溶媒、例えばEtOH中に再溶解し、例えば冷蔵庫内に保持することによって結晶化させる。次に、生成物結晶を濾別し、洗浄し、乾燥する。勿論、この手順の多くの変形及びそれへの修正は、それ自体当業者に示され、全ては本発明の範囲内であると考えられる。
実施例1:
100mg(0.153ミリモル)の2,2’−ビス(ジフェニルオキシホスフィノ)−1,1’−ビナフチルを、1mLのアセトニトリル/THF(1:1 v/v)中の4mg(16マイクロモル)のI及び150μL(0.6ミリモル)のトリブチルホスフィンで処理した。混合物を、窒素雰囲気下において室温で10分間撹拌し、その後HO(100μL)でクエンチした。反応混合物を酢酸エチル(10mL)で希釈し、飽和NaHCOで数回(3×5mL)洗浄した。NaSOを用いて有機フラクションを乾燥し、濾過し、溶媒を真空下で蒸発させた。得られた残渣をEtOHから再結晶し、得られた結晶を濾過し、洗浄し、真空中で乾燥して、88mg(0.141ミリモル、92%)の2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)を得た。
実施例2:
100mg(0.186ミリモル)のビス(2−(ジフェニルオキシホスフィノ)フェニルエーテルを、1mLのアセトニトリル/THF(1:1 v/v)中の5mg(20マイクロモル)のI及び185μL(0.74ミリモル)のトリブチルホスフィンで処理した。混合物を、窒素雰囲気下において室温で10分間撹拌し、その後HO(100μL)でクエンチした。反応混合物を酢酸エチル(10mL)で希釈し、飽和NaHCOで数回(3×5mL)洗浄した。NaSOを用いて有機フラクションを乾燥し、濾過し、溶媒を真空下で蒸発させた。得られた残渣を1−プロパノールから再結晶し、得られた結晶を濾過し、洗浄し、真空中で乾燥して、94mg(0.175ミリモル、94%)のビス(2−(ジフェニルホスフィノ)フェニルエーテル(DPEphos)を得た。
実施例3:
100mg(0.164ミリモル)の9,9−ジメチル−4,6−ビス(ジフェニルオキシホスフィノ)キサンテンを、1mLのアセトニトリル/THF(1:1 v/v)中の4mg(16マイクロモル)のI及び162μL(0.65ミリモル)のトリブチルホスフィンで処理した。混合物を、窒素雰囲気下において室温で10分間撹拌し、その後HO(100μL)でクエンチした。反応混合物を酢酸エチル(10mL)で希釈し、飽和NaHCOで数回(3×5mL)洗浄した。NaSOを用いて有機フラクションを乾燥し、濾過し、溶媒を真空下で蒸発させた。得られた残渣を1−プロパノールから再結晶し、得られた結晶を濾過し、洗浄し、真空中で乾燥して、90mg(0.156ミリモル、95%)の9,9−ジメチル−4,6−ビス(ジフェニルオキシホスフィノ)キサンテン(Xanthphos)を得た。
実施例4:
100mg(0.171ミリモル)の1,1’−ビス(ジフェニルオキシホスフィノ)フェロセンを、1mLのアセトニトリル/THF(1:1 v/v)中の4mg(16マイクロモル)のI及び170μL(0.68ミリモル)のトリブチルホスフィンで処理した。混合物を、窒素雰囲気下において室温で10分間撹拌し、その後HO(100μL)でクエンチした。反応混合物を酢酸エチル(10mL)で希釈し、飽和NaHCOで数回(3×5mL)洗浄した。NaSOを用いて有機フラクションを乾燥し、濾過し、溶媒を真空下で蒸発させた。得られた残渣をエタノールから再結晶し、得られた結晶を濾過し、洗浄し、真空中で乾燥して、89mg(0.160ミリモル、94%)の1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf)を得た。
実施例5:
100mg(0.262ミリモル)のトリス(4−クロロフェニル)ホスフィンオキシドを、1mLのアセトニトリル/THF(1:1 v/v)中の6mg(26マイクロモル)のI及び130μL(0.52ミリモル)のトリブチルホスフィンで処理した。混合物を、窒素雰囲気下において室温で10分間撹拌し、その後HO(100μL)でクエンチした。反応混合物を酢酸エチル(10mL)で希釈し、飽和NaHCOで数回(3×5mL)洗浄した。NaSOを用いて有機フラクションを乾燥し、濾過し、溶媒を真空下で蒸発させた。得られた残渣をメタノール(2mL)から再結晶し、得られた結晶を濾過し、洗浄し、真空中で乾燥して、95mg(0.260ミリモル、99%)のトリス(4−クロロフェニル)ホスフィンを得た。
実施例6:
100mg(0.359ミリモル)のトリフェニルホスフィンオキシドを、1mLのアセトニトリル/THF(1:1 v/v)中の9mg(35マイクロモル)のI及び180μL(0.72ミリモル)のトリブチルホスフィンで処理した。混合物を、窒素雰囲気下において室温で10分間撹拌し、その後HO(100μL)でクエンチした。反応混合物を酢酸エチル(10mL)で希釈し、飽和NaHCOで数回(3×5mL)洗浄した。NaSOを用いて有機フラクションを乾燥し、濾過し、溶媒を真空下で蒸発させた。得られた残渣をメタノールから再結晶し、得られた結晶を濾過し、洗浄し、真空中で乾燥して、88mg(0.334ミリモル、93%)のトリフェニルホスフィンを得た。
実施例7:
ポリスチレン担体(31P−NMR、bs,24.5ppm)上に結合した3g(0.12〜0.18ミリモル)のトリフェニルホスフィンオキシドポリマーを、12mLのアセトニトリル/THF(1:1 v/v)中の270mg(1.07ミリモル)のI及び2mL(8ミリモル)のトリブチルホスフィンで処理した。混合物を、窒素雰囲気下において室温で4時間撹拌し、その後、固体担体を濾別し、THF(10mL)で洗浄した。固体担体を31P−NMRによって分析したところ、トリフェニルホスフィンオキシドの信号は見ることができず、ポリスチレン担体上に結合しているトリフェニルホスフィンポリマー(31P−NMR,bs,−6.9ppm)のみが見ることができた。
実施例8:
実施例6にしたがう基本手順を用いて、100mg(0.359ミリモル)のトリフェニルホスフィンオキシドを、1mLのアセトニトリル/THF(1:1 v/v)中の9mg(35マイクロモル)のI及び180μL(0.72ミリモル)のトリブチルホスフィンで処理した。実施例6と実質的に同じ結果が得られた。
実施例9:
実施例6にしたがう基本手順を用いて、100mg(0.359ミリモル)のトリフェニルホスフィンオキシドを、1mLのアセトニトリル/ジエチルエーテル(1:1 v/v)中の9mg(35マイクロモル)のI及び180μL(0.72ミリモル)のトリブチルホスフィンで処理した。実施例6と実質的に同じ結果が得られた。
実施例10:
実施例6にしたがう基本手順を用いて、100mg(0.359ミリモル)のトリフェニルホスフィンオキシドを、1mLのアセトニトリル/EtOAc(1:1 v/v)中の9mg(35マイクロモル)のI及び180μL(0.72ミリモル)のトリブチルホスフィンで処理した。実施例6と実質的に同じ結果が得られた。
実施例11:
実施例6にしたがう基本手順を用いて、100mg(0.359ミリモル)のトリフェニルホスフィンオキシドを、1mLのアセトニトリル中の9mg(35マイクロモル)のI及び106μL(0.72ミリモル)のトリエチルホスフィンで処理した。実施例6と実質的に同じ結果が得られた。
実施例12:
100mg(0.431ミリモル)のトリ(2−フリル)ホスフィンオキシド(31P−NMR,s,−15.4)を、室温において、2mLのアセトニトリル/THF(1:1 v/v)中の11mg(43マイクロモル)のI及び180μL(0.70ミリモル)のトリブチルホスフィンで19時間処理して、約50%のトリ(2−フリル)ホスフィン(31P−NMR,s,−76.5)の31P−NMR積分転化率を与えた。
実施例13:
実施例6にしたがう基本手順を用いて、100mg(0.359ミリモル)のトリフェニルホスフィンオキシドを、1mLのアセトニトリル中の9mg(35マイクロモル)のI及び202mg(0,72ミリモル)のトリシクロヘキシルホスフィンで処理した。実施例6と実質的に同じ結果が得られた。
実施例14:
実施例6にしたがう基本手順を用いて、100mg(0.359ミリモル)のトリフェニルホスフィンオキシドを、1mLのアセトニトリル中の2μL(35マイクロモル)のBr及び180μL(0.72ミリモル)のトリブチルホスフィンで処理した。実施例6と実質的に同じ結果が得られた。
実施例15:
100mg(0.359ミリモル)のトリフェニルホスフィンオキシドを、室温において、1mLのアセトニトリル中の12mg(35マイクロモル)のトリフェニルホスフィンジクロリド及び180μL(0.72ミリモル)のトリブチルホスフィンで48時間処理した。実施例6と実質的に同じ結果が得られた。
実施例16:
実施例6にしたがう基本手順を用いて、100mg(0.359ミリモル)のトリフェニルホスフィンオキシドを、1mLのアセトニトリル中の3μL(35マイクロモル)のCCl及び180μL(0.72ミリモル)のトリブチルホスフィンで処理した。実施例6と実質的に同じ結果が得られた。

Claims (13)

  1. 第3級ホスフィンオキシドを、転化を触媒する触媒としてハロゲン含有化合物の存在下で還元性第3級ホスフィンと反応させることを含む、第3級ホスフィンオキシドを対応する第3級ホスフィンに転化させる方法であって、
    前記ハロゲン含有化合物が、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ハロアルカン、および二ハロゲン化ホスフィンからなる群より選択され、かつ
    前記還元性第3級ホスフィンが、式(II):
    Figure 0005409958
    (R 、R 、及びR は、独立して、C1〜C6アルキルまたはC3〜C6シクロアルキルであり、
    Bは連結基であり、
    nは0〜2の整数である)
    で表される、
    前記方法
  2. 式(I):
    Figure 0005409958
    (式中、
    それぞれのR、R、及びRは、独立して、置換又は非置換で分岐又は線状のヒドロカルビル;及び置換又は非置換のカルボシクリル又はヘテロシクリルを含む群から選択され;
    Aは連結基であり;
    mは0〜2の整数である)
    の第3級ホスフィンオキシドを、前記触媒の存在下で、前記式(II)
    の還元性第3級ホスフィンと反応させることによって式(III):
    Figure 0005409958
    (式中、R、R、R、A、及びmは上記に定義した通りである)
    の対応する第3級ホスフィンに転化させる、請求項1に記載の方法。
  3. それぞれのA及びBが、独立して、置換又は非置換のヒドロカルビレン、置換又は非置換の単環又は多環カルボシクリレン、置換又は非置換の単環又は多環ヘテロシクリレン、及び置換又は非置換のメタロセニレンから選択される、請求項2に記載の方法。
  4. 触媒が、塩素、臭素、ヨウ素、テトラハロメタン、及び二ハロゲン化ホスフィンを含む群から選択される、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 無溶媒条件下又は無水非プロトン性溶媒中で行う、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 無水非プロトン性溶媒が、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジエチルエーテル、プロピオニトリル、トルエン、酢酸エチル、及びこれらの混合物を含む群から選択される、請求項5に記載の方法。
  7. 還元性第3級ホスフィンを、第3級ホスフィンオキシドの1つ又は複数のホスフィンオキシド官能基に対する還元性第3級ホスフィンの1つ又は複数のホスフィン官能基のモル比として少なくとも1で反応混合物に加える、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 還元性第3級ホスフィンの塩基性度が生成物の第3級ホスフィンの塩基性度よりも大きい、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 還元する第3級ホスフィンオキシドを固体担体に結合させる、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 還元性第3級ホスフィンを固体担体に結合させる、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 第3級ホスフィンオキシドを触媒としてハロゲン含有化合物の存在下で第3級ホスフィンと反応させることによって第3級ホスフィンオキシドを還元するための第3級ホスフィンの使用であって、
    前記ハロゲン含有化合物が、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ハロアルカン、および二ハロゲン化ホスフィンからなる群より選択され、かつ
    前記還元性第3級ホスフィンが、式(II):
    Figure 0005409958

    (R 、R 、及びR は、独立して、C1〜C6アルキルまたはC3〜C6シクロアルキルであり、
    Bは連結基であり、
    nは0〜2の整数である)
    で表される、
    前記使用
  12. 第3級ホスフィンを固体担体に結合させる、請求項11に記載の使用。
  13. 前記ハロゲン含有化合物の量が、前記還元する第3級ホスフィンオキシドの0.02〜0.5モル当量である、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
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