JP5409700B2 - 冷凍食品および冷凍食品の製造方法 - Google Patents

冷凍食品および冷凍食品の製造方法 Download PDF

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本発明は、冷凍食品用澱粉組成物と、それを用いた冷凍食品に関する。
餡かけご飯、餡かけラーメン、カレーうどんのように、高い粘度を有するスープと共に喫食する食品が広く普及している。これらの食品のスープに高い粘度を付与するため、水分と熱により澱粉を糊化して得た澱粉糊化液を添加する方法が用いられている。
これらの食品を家庭で調理する場合、澱粉が所謂ダマ(ままこ、とも呼ばれる)となるのを防止するため、水に澱粉を投入し、その後攪拌しながら糊化開始温度まで加温して、糊化液を生成する。十分に粘性を有した澱粉の糊化液に、調味料を加え液体スープを作成し、さらに別途用意した具材と、米飯又は茹でた麺を併せて喫食者に提供される。
これらの食品は、簡便な調理で喫食可能な冷凍食品としても販売されている。冷凍食品の場合、前述のような高い粘度をスープに与えるためには、例えば特許文献1に記載された冷凍麺類のような形態が考えられる。即ち、澱粉の糊化液、調味料等を混和した液体スープを凍結し、この冷凍スープ塊を主食材塊の上に収容した冷凍食品である。
また、特許文献2には、α化澱粉に油脂を添加し、流動層造粒機を用いて顆粒としたものが記載されている。この澱粉顆粒を製品に同封し、冷凍食品の喫食前にスープに添加することで、澱粉がダマとならず均一に分散し、液体スープに高い粘度を与える方法も考えられる。
特許第2610124号公報 特開平8―154606号公報
しかし、澱粉の糊化液を作成するためには多量の水を必要とする。この澱粉の糊化液を凍結した氷塊や、澱粉の糊化液にさらに調味料等を加えた液体スープを凍結して得た冷凍スープ塊は、通常、主食材が凍結された主食材塊と同程度、又はそれ以上の大きさとなる。喫食のため、冷凍主食材塊と冷凍スープ塊を解凍し、さらに喫食に適した温度まで昇温させるためには、長時間の加熱調理を要する。即ちこの製品形態では、短時間調理を求める消費者のニーズに応えることができない。このような氷塊の量を削減するために、粉末状の澱粉を、加熱調理中の、又は喫食前のスープに投入すると、高温と、十分な量の水分によりダマが生じてしまう。
また、特許文献2のように、澱粉に油脂を加えて顆粒とするためには、大規模な装置が必要となり、製造工程が煩雑となる。
そこで本発明は、スープに高い粘度を与えるために配合された澱粉が、加熱調理中や喫食中にダマになることを抑制し、短時間、かつ簡便な加熱調理での喫食を可能とする冷凍食品用澱粉組成物、及びそれを用いた冷凍食品を提供することを目的とする。
本発明者らは、所定量の水を加えて加熱調理後に喫食される冷凍食品において、油脂と澱粉を含む澱粉組成物を、主食材と副食材との何れか又は双方と一体として凍結することで、加熱調理の際に、該澱粉組成物中の油脂が微量ずつ溶融し、油脂により保持されていた澱粉が水中に徐々に拡散するため、澱粉がダマになることを抑制し、加えて短時間の調理で喫食可能である冷凍食品を得ることができることを見出した。
即ち本発明は、澱粉と油脂とを含む澱粉組成物であって、当該澱粉組成物に含まれる澱粉と油脂の質量比が、3:7乃至7:3であり、当該澱粉組成物は、冷凍食品の主食材と副食材との何れか又は双方と一体として凍結されて用いられる、ことを特徴とする澱粉組成物に関する。
本発明は、前記澱粉組成物が、前記主食材と前記副食材との何れか又は双方とが一体として凍結されている、ことを特徴とする冷凍食品に関する。
また、前記主食材が麺類である構成を採用することができる。
本発明は、澱粉と油脂とを、質量比が3:7乃至7:3で混和し澱粉組成物を得る工程と、主食材を凍結用トレーに充填する工程と、当該澱粉組成物を、凍結用トレー中の当該主食材に充填する工程と、当該澱粉組成物と当該主食材とを、一体として凍結する工程とを含む、冷凍食品の製造方法に関する。
本発明の澱粉組成物は、冷凍食品の主食材と副食材との何れか又は双方と一体として凍結されて用いられる。かかる構成によれば、該澱粉組成物を備える冷凍食品を、所定量の水を加えて加熱調理する際、凍結されている澱粉組成物中の油脂が、該澱粉組成物の周囲の水、主食材塊等の昇温により微量ずつ溶融する。該溶融と同時に、油脂により保持されていた澱粉が水中に徐々に拡散するため、該澱粉が所謂ダマになることを抑制でき、かつスープに良好な粘性を与えることができる。
また、本発明に係る澱粉組成物を備える冷凍食品は、前述の澱粉の糊化液を含む冷凍スープ塊を作成する必要がない。よって製品全体としての氷塊の量が少ないため、短時間の加熱調理で喫食が可能である。
本発明の澱粉組成物は、冷凍食品の主食材と副食材との何れか又は双方と一体として凍結されているため、凍結工程後の包装工程や、製品の輸送等においての摺動による壊れを防止できるので、製品の品質維持に有効である。
また、主食材が麺類である場合、長時間の加熱調理により生じる麺の伸びを防止し、コシを維持することができる。同時に、麺線へのスープの浸透を低減できるため、麺の味も良好に保つことができる。該麺類がアルカリ剤を含む場合、麺線からのアルカリ成分の溶出によるスープの風味の低下を防止することも可能である。
本発明の1実施例に係る澱粉組成物付き麺塊の模式的な平面図である。 前記図1に係る澱粉組成物付き麺塊の模式的な側面図である。 前記図1のA―A線に沿った断面図である。
以下、本発明の澱粉組成物と当該澱粉組成物を用いた冷凍食品及びその製造方法の好適実施形態について詳述するが、本発明はそれらの記載に限定されるものではない。
澱粉組成物
本発明に係る澱粉組成物は、油脂を融点以上に加熱して溶融後、澱粉を加え、均一に分散するよう充分混和して作成する。例えば油脂としてラードを用いる場合は、50〜60℃に加熱し、溶融させ、その後攪拌しながら澱粉を加え作成する。混和には、通常の液体スープ作成のための混和装置ならばいずれも使用可能である。澱粉組成物中の澱粉と油脂との質量比は、3:7乃至7:3であり、生産適性等の観点からは、好ましくは4:6乃至7:3である。
澱粉と油脂の質量比が、7:3よりも、油脂の比率が小さくなると、澱粉組成物は固い糊状となり、澱粉と油脂との混和、そして、得られた澱粉組成物の主食材、副食材への充填が困難となる。また、澱粉組成物を備える冷凍食品の加熱調理の際に、澱粉がダマになり易くなる。一方、澱粉と油脂の質量比が、3:7よりも油脂の比率が大きくなると、澱粉組成物の流動性が増し、凍結用トレーに充填された米飯集合体、又は麺線集合体の上から充填すると、米飯、若しくは麺線をすり抜け、一体として冷凍することが困難になる。
なお、本発明において澱粉として、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉などの澱粉およびこれらにα化、エーテル化、エステル化、酸化処理などの処理を施した加工澱粉などが使用可能である。さらにこれらのうち少なくとも二種を混合して使用することも可能である。
本発明の油脂としては、食用に用いられる固形油脂、液体油脂のいずれも使用可能である。固形油脂とは、常温で固体である油脂であるものを指し、本発明において常温とは、5〜40℃である。前記ラード以外では、例えばヘット、バター、マーガリン、パーム油、カカオバター、水素添加硬化油脂等が使用できる。また液体油脂とは、常温で液体である油脂をいい、例えば、コーン油、菜種油、胡麻油、オリーブ油等が挙げられる。
使用する油脂は、水分が3質量%以下であることが好ましい。このように水分が少ない油脂を使用することで、本発明の澱粉組成物中の澱粉がダマとなるのを抑制する効果を高めることができる。
本発明においては、冷凍前の主食材、副食材への充填適性や、冷凍食品全体の風味を考慮して、これらの油脂を二種以上組み合わせて使用することができる。さらには固形油脂と液体油脂とを混合して使用可能であることは勿論である。
本発明の澱粉組成物は、後述するように、冷凍食品の主食材と副食材との何れか又は双方と一体として凍結される。
主食材及び副食材
本発明においては、主食材として、米飯や、麺類が挙げられる。
米飯としては、例えば白米、玄米等であって、常法どおり炊飯等によりα化処理をしたものが用いられる。また、それらのα化処理した白米、玄米等を炒めて焼き飯としたものも使用可能である。
麺類としては、例えば中華麺、うどん、そば、若しくはスパゲッティ等のパスタ類が挙げられる。これらの麺類は、例えば常法により生麺線を形成した後、所定長に裁断し、茹でによりα化処理して得ることができる。また、常法により生麺線を形成した後、蒸しによりα化処理し、所定長に裁断することにより得ることもできる。さらに、蒸しによりα化処理した中華麺を炒めて焼そばとしたものも使用可能である。
次に本発明の具体的な例として冷凍餡かけラーメンを挙げ、当該冷凍餡かけラーメンに用いられる澱粉組成物付き麺塊を図を用いて説明する。
図1、図2、図3に示すように、当該澱粉組成物付き麺塊は平面形状が円形、楕円形又は略長方形等の所定の厚さを有する主食材塊、即ち麺塊1と、該麺塊1と一体となって凍結された澱粉組成物2とで構成される。また図示はしないが、副食材として、豚肉、キャベツ等を麺塊、澱粉組成物と一体として凍結してもよい。
澱粉組成物の充填
続けて、冷凍餡かけラーメンを例として、澱粉組成物の充填について説明する。
常法により得られた主食材である中華麺を凍結用トレーに充填した後、澱粉組成物を、ノズルを介して凍結用トレーの中華麺の麺線集合体に充填する。その後、澱粉組成物と中華麺とを一体として−40〜−30℃で凍結し、澱粉組成物付き麺塊を得る。図3に示すように、澱粉組成物2の一部が麺塊1の麺線間に混入し、麺塊1と澱粉組成物2は一体として凍結されている。そのため、その後の製造工程や、製品の輸送工程において、摺動による壊れを防止できるので、製品の品質維持に有効である。
また、副食材を主食材、澱粉組成物と併せて凍結することもできる。かかる場合、副食材を凍結用トレーに充填する工程と、澱粉組成物を、凍結用トレー中の副食材に充填する工程と、当該澱粉組成物を充填した当該副食材の上に、主食材を充填する工程と、澱粉組成物と、当該主食材と、当該副食材とを、一体として凍結する工程を経ることが好ましい。これらの工程を経ることで、副食材が澱粉組成物と中華麺の麺線集合体の重量により押圧され、より密着して冷凍されるため、製品全体としてコンパクトになる。かつ、その後の製造工程や、製品形態での輸送において、冷凍食品からの副食材の分離を防止することができる。次に、本発明の冷凍食品の加熱調理について説明する。
加熱調理
本発明の冷凍餡かけラーメンは、澱粉組成物付き冷凍麺塊に所定量の水を加えて加熱調理後に喫食する。所定量の水を加えて加熱調理をする際、凍結されている澱粉組成物中の油脂が、周囲の水、主食材等の昇温により微量ずつ溶融する。該溶融と同時に、油脂により保持されていた澱粉が水中に徐々に拡散するため、該澱粉が所謂ダマとなることを防止でき、かつスープに良好な粘性を与えることができる。
本発明の冷凍餡かけラーメンは、製品全体としての氷塊の量が少ないため、短時間の加熱調理で喫食可能である。加えて、長時間の加熱調理により生じる麺の伸びを防止し、コシを維持することができる。同時に、麺線へのスープの浸透を低減できるため、麺の味も良好に保つことができる。また、該冷凍餡かけラーメンは、麺線の配合中にアルカリ剤を含んでおり、該アルカリ成分の溶出によるスープの風味の低下を防止することが可能である。
本発明において、アルカリ剤としては、通常冷凍麺類に用いられるアルカリ剤の何れも使用可能であり、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸3カリウム、リン酸2カリウム、リン酸3ナトリウム、リン酸2ナトリウム等が挙げられる。さらに、これらを二種以上適宜混合して使用することができる。
なお、本発明の加熱調理において、加熱調理の際に加える水の質量は、特に限定されないが、概ね冷凍食品の質量に対し、60〜180%程度が好ましい。
また、加熱調理の方法としては、電子レンジ調理、煮炊き調理が挙げられるが、調理中に澱粉がダマになることを抑制する観点から、加熱しながら箸等で攪拌可能である煮炊き調理が好ましい。加熱調理終了後、調味料、粉末スープ、若しくは濃縮液体スープ等を適宜加え、喫食状態とする。
なお、上記においては、冷凍餡かけラーメンについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、冷凍餡かけ御飯、冷凍餡かけ焼き飯、冷凍粥等の冷凍米飯であってもよい。冷凍米飯である場合、凍結された米飯塊上に、凍結された澱粉組成物が、前述の冷凍麺の場合と同様に配置される。これらの冷凍米飯であっても、前述の冷凍餡かけラーメン同様、所定量の水を加えて加熱調理され、喫食される。
以下、本願発明の実施例を示すが、本願発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実験1)
澱粉組成物中の澱粉と固形油脂の比率を変更し、適正な該比率を検討した。
澱粉としては、馬鈴薯澱粉、油脂としては、固形油脂であるラード(融点40℃)を用いた。
実施例1−1
ラードを処理槽に投入後、攪拌しながら60℃になるまで加熱した。該処理槽に、馬鈴薯澱粉とラードの質量比が3:7になるよう馬鈴薯澱粉を投入し、30℃を維持しながら30分間混和し、実施例1−1の澱粉組成物を得た。
実施例1−2
馬鈴薯澱粉とラードを、質量比4:6で実施例1−1と同条件で混和し、実施例1−2の澱粉組成物を得た。
実施例1−3
馬鈴薯澱粉とラードを、質量比5:5で実施例1−1と同条件で混和し、実施例1−3の澱粉組成物を得た。
実施例1−4
馬鈴薯澱粉とラードを、質量比6:4で実施例1−1と同条件で混和し、実施例1−4の澱粉組成物を得た。
実施例1−5
馬鈴薯澱粉とラードを、質量比7:3で実施例1−1と同条件で混和し、実施例1−5の澱粉組成物を得た。
比較例1−1
馬鈴薯澱粉とラードを、質量比1:9で実施例1−1と同条件で混和し、比較例1−1の澱粉組成物を得た。
比較例1−2
馬鈴薯澱粉とラードを、質量比9:1で実施例1−1と同条件で混和し、比較例1−2の澱粉組成物を得た。
生産適正評価
上記の実施例、比較例の澱粉組成物について、常温(30℃)において、澱粉とラードの混和し易さ(混和容易性)を評価した。
さらに、これらの実施例、比較例の澱粉組成物を、常法により得られ、凍結用トレー内の茹で中華麺の麺線集合体170gに、上方からノズルを介して充填した際の充填し易さ(充填適性)、について評価した。評価は熟練したパネラーによって、表1の基準に従い5〜1の5段階で行われた。なお、澱粉組成物の充填量は、全てのサンプルにおいて馬鈴薯澱粉の量を6g/食に統一するため、それぞれ表2の量を充填した。
Figure 0005409700
Figure 0005409700
調理評価
上述のようにして得られた澱粉生成物を、常法により得られた凍結用トレー内の中華麺の麺線集合体170gに充填後、−35℃で40分間冷凍し、澱粉組成物付き麺塊を得た。
得られた澱粉組成物付き麺塊を、350mLの沸騰した水に投入し、加熱調理中の澱粉の分散性、及び加熱調理時間を評価した。これらの項目の評価基準を表3に示す。なお、加熱調理時間については5段階評価とせず、加熱調理中、30秒毎に表3の評価基準に合致するかを確認し、各実施例、比較例の加熱調理時間を定めた。








Figure 0005409700
官能評価
得られた澱粉組成物付きの麺塊を加熱調理後、後述する実施例3−1の液体スープ34g
を加えて喫食し、麺のコシ、スープの風味について評価した。評価基準を表4に示す。
Figure 0005409700
生産適性評価、調理評価、官能評価の評価結果を表5に示す。




















Figure 0005409700
比較例1−1、比較例1−2は、均一な充填が困難であったため、生産適性がないとし、調理評価、官能評価は実施しなかった。
馬鈴薯澱粉とラードの質量比率が3:7〜7:3で十分生産可能であり、かつ求める澱粉の分散効果を得ることができた。効率良い生産の観点からは、特に4:6〜7:3が好ましかった。また、澱粉組成物のラードの量が多ければ多いほど、加熱調理中の澱粉の分散性は良好であった。
(実験2)
澱粉組成物中の澱粉と液体油脂の比率を変更し、適正な該比率について検討した。
澱粉としては、馬鈴薯澱粉、液体油脂としては、菜種油(融点−16℃)を用いた。
実施例2−1
菜種油を処理槽に投入後、攪拌しながら60℃になるまで加熱した。該処理槽に、馬鈴薯澱粉と菜種油の質量比が3:7になるよう馬鈴薯澱粉を投入し、30℃を維持しながら10分間混和し、実施例2−1の澱粉組成物を得た。
実施例2−2
馬鈴薯澱粉と菜種油を、質量比率で4:6で実施例2−1と同条件で混和し、実施例2−2の澱粉組成物を得た。
実施例2−3
馬鈴薯澱粉と菜種油を、質量比率で5:5で実施例2−1と同条件で混和し、実施例2−3の澱粉組成物を得た。
実施例2−4
馬鈴薯澱粉と菜種油を、質量比率で6:4で実施例2−1と同条件で混和し、実施例2−4の澱粉組成物を得た。
実施例2−5
馬鈴薯澱粉と菜種油を、質量比率で7:3で実施例2−1と同条件で混和し、実施例2−5の澱粉組成物を得た。
比較例2−1
馬鈴薯澱粉と菜種油を、質量比率1:9で実施例2−1と同条件で混和し、比較例2−1の澱粉組成物を得た。
比較例2−2
馬鈴薯澱粉と菜種油を、質量比率で9:1で実施例1−1と同条件で混和し、比較例2−2の澱粉組成物を得た。得られた澱粉組成物について、実験1と同様の手法で、生産適性評価、調理評価、官能評価を実施した。表6に結果を示す。


























Figure 0005409700
実験1同様、比較例2−1、比較例2−2は、均一な充填が困難であったため、生産適性がないとし、調理評価、官能評価は実施しなかった。澱粉組成物の充填量は、各実施例、比較例において実験1の表2と同量とした。
馬鈴薯澱粉と菜種油の質量比率が3:7〜7:3で十分生産可能であり、かつ求める澱粉の分散効果を得ることができた。効率良い生産の観点からは、実験1同様、特に4:6〜7:3が充填適性において好ましかった。
澱粉の分散性は、澱粉と菜種油の質量比が3:7〜7:3の範囲においては、固形油脂であるラードを用いた実験1と異なり、菜種油の量が多ければ多いほど、ダマが生じやすかった。菜種油の融点はラードに比べ極めて低く、澱粉組成物付き麺塊の熱湯への投入後、澱粉組成物中の菜種油の溶融は即時に進行し、それに伴い澱粉も湯中に拡散する。即ち菜種油の量が多い澱粉組成物ほど、該油の溶融と同時に、澱粉を短時間で湯中に放出することとなり、ダマが生じやすくなると考えられる。また、ラードを用いた実験1と比較すると、加熱調理時間が短縮された。これは、上述のように菜種油の融点はラードに比べ極めて低く、澱粉組成物中の澱粉が、加熱調理開始後早期に湯中に放出されるため、スープの粘性が生じるために要する時間が短縮されるからであると考えられる。
(実験3)
次に、本発明の澱粉組成物を冷凍麺に使用した場合の有用性について検討した。
実施例3−1
小麦粉800g、澱粉200gを混合した原料粉に、塩10gおよび、炭酸ナトリウム10g及び水360gから成る練水を加えてミキサーで15分間混練した。前記混練した混合物を圧延ロールにより圧延し、厚み1.5mmの麺帯とした。次いで♯20角の切刃により切り出し、得られた生麺線をカットした。前記カットした生麺線を茹で槽内で茹で、冷却し茹で麺線を得た。一方、馬鈴薯澱粉とラードを質量比6:4、30℃下で30分間混和し、澱粉組成物を得た。別途調理済みの副食材60g(キャベツ20g、豚肉20g、人参10g、椎茸10g)を凍結用トレーに充填し、次いで澱粉組成物を、ノズルを介して10g、当該トレー中の副食材に充填した。さらに、前記茹で麺線170gを副食材と澱粉組成物の上から凍結用トレーに充填した。これらをー35℃で40分間凍結し、本発明に係る澱粉組成物付き麺塊を得た。これに凍結した表7の別添液体スープ34gとを併せて、実施例3−1の冷凍餡かけラーメンとした。
比較例3−1
実施例3−1同様の副食材60gを凍結用トレーに充填し、さらに茹で麺線170gを計量して、凍結用トレーに充填した後、−35℃で40分間凍結した。
得られた副食材塊付き麺塊と、凍結した表7の別包装の液体スープ34g、馬鈴薯澱粉を含む粉末スープ10gとを併せて比較例3−1の冷凍餡かけラーメンとした。
比較例3−2
実施例3−1同様の副食材60gを凍結用トレーに充填し、さらに茹で麺線170gを計量して、凍結用トレーに充填した。
一方、30℃の水100gに、澱粉6gを加えた後、攪拌しながら80℃まで加温し、澱粉糊化液を得た。この澱粉糊化液に、実施例3−1の液体スープと同様の配合物を添加し均一になるまで混合した。
得られた表7の液体スープを、1食分133g、凍結用トレー中の茹で麺線集合体の上に充填し、−35℃で40分間凍結した。得られた冷凍餡かけラーメンを比較例3−2とした。




















Figure 0005409700
調理方法
実施例3−1
沸騰した350mLの水の入った鍋に澱粉組成物付き麺塊を投入し、麺をほぐしながら鍋を直火で熱し、加熱調理した。加熱調理終了後、液体スープ34gを投入してよくかき混ぜ、調理終了とした。
比較例3−1
沸騰した350mLの水の入った鍋に麺塊を投入し、麺をほぐしながら鍋を直火で熱し、加熱調理した。加熱調理開始2分後に、粉末スープ10gを投入し、さらに加熱調理終了後に液体スープ34gを投入してよくかき混ぜ、調理終了とした。
比較例3−2
沸騰した300mLの水の入った鍋に冷凍餡かけラーメンを投入し、麺をほぐしながら鍋を直火で熱し、加熱調理した。加熱調理終了を以って、調理終了とした。
評価
調理終了後、実施例3−1、比較例3−1、3−2について官能評価を実施した。さらに、加熱調理中、及び加熱調理終了後の、調理の簡便性についても5〜3の3段階で評価した。評価基準を表8に、結果を表9に示す。
Figure 0005409700
Figure 0005409700
実施例3−1は、ダマも生じず、短時間での加熱調理が可能であった。また麺の味とコシ、スープの風味も良好であった。
比較例3−1は、加熱調理終了後、ダマが散見された。
比較例3−2は、加熱調理に長時間を要し、喫食時、麺のコシがなく、スープもぼやけた味となった。
1 麺塊
2 澱粉組成物

Claims (4)

  1. 澱粉と油脂の質量比が、3:7乃至7:3である澱粉組成物の一部が、主食材と副食材との何れか又は双方の間隙に混入した状態で一体として凍結されている冷凍食品。
  2. 前記主食材が麺類である、請求項1に記載の冷凍食品。
  3. 澱粉と油脂とを、質量比が3:7乃至7:3で混和し澱粉組成物を得る工程と、
    主食材を凍結用トレーに充填する工程と、
    当該澱粉組成物を、凍結用トレー中の当該主食材に充填する工程と、
    当該澱粉組成物と当該主食材とを、当該澱粉組成物の一部が当該主食材の間隙に混入した状態で、一体として凍結する工程と、を含む、冷凍食品の製造方法。
  4. 前記主食材が麺類である、請求項3に記載の冷凍食品の製造方法。
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