JP5409522B2 - 洗浄剤 - Google Patents

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Description

本発明は、熱可塑性樹脂用成形機内の残留物を除去するための洗浄剤に関する。
一般に、樹脂の着色、混合、成形等に成形機(押出成形機・射出成形機)が用いられる。このような成形機を用いた所定の作業終了時に、当該樹脂そのものや成形材料中に含まれている染顔料等の添加剤、樹脂等から形成された劣化物が成形機内に残留する。この残留物は、次に行われる樹脂の成形時に成形品中に混入し、製品外観不良の原因となる。
従来、このような残留物を成形機内から除去する方法として、人手により成形機の分解掃除をする方法、成形機を停止せずにそのまま次に使用する成形材料を成形機に充填し、これにより残留物を徐々に置換して行く方法、洗浄剤を用いる方法等が実施されている。
その中でも、洗浄剤を用いる方法は、前の成形材料を除去する洗浄力と、次の成形材料への易置換性とに優れることから、近年好まれて用いられるようになってきている。
洗浄性能・易置換性ともに優れる洗浄剤として、熱可塑性樹脂とガラス繊維とを含む洗浄剤、または熱可塑性樹脂とガラス粒とを含む洗浄剤が提案されている(例えば、特許文献1および2参照)。
特許第2561685号明細書 特許第2976143号明細書
一方、近年、金属代替として優れた耐熱性と耐衝撃性とを兼ね備えた成形材料(スーパーエンジニアリングプラスチック)が、車や電気製品の部品に使用される場合も多くなってきている。
これらの成形材料は、従来金属でしか満たせなかった物性を満足でき、且つ成形機で容易に加工できるため、年々使用量が増える傾向にある。
しかしながら、これらの成形材料は溶融粘度が非常に高いため、300℃以上、場合によっては400℃以上という高温で成形加工される場合が多い。このような高温で成形される成形材料を洗浄する場合、従来の洗浄剤を使用すると、洗浄時のせん断発熱により洗浄剤温度が発火温度を超えることがある。そして、洗浄中に洗浄剤が発火して、洗浄操作が危険となるという問題がある。
また、洗浄操作後、そのまま成形機を停止する場合、洗浄剤が若干量成形機内に残った状態となる。そして、残った洗浄剤が滞留している間に、洗浄剤中の樹脂分だけが流出して、洗浄剤中のガラス繊維分が高濃度で成形機内に残存する。ガラス繊維分が高濃度で成形機内に残存すると、成形機のスクリュー稼動が阻害されるという問題が生じる。
本発明の目的は、洗浄性に優れるとともに、高温で使用しても、成形機の稼動に障害を与えたり、発火したりしない、安全性および熱安定性に優れる洗浄剤を提供することである。
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、熱可塑性樹脂と、特定の平均長さのガラスとを含有する洗浄剤が、洗浄性に優れ、安全性および熱安定性に優れることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
[1]
(a)熱可塑性樹脂30〜90質量%と、
(b)平均長さが100μm以下のガラス70〜10質量%と
を含有し、引火温度が400℃以上である洗浄剤。
[2]
発火温度が500℃以上である[1]に記載の洗浄剤。
[3]
前記(b)ガラスがガラス繊維である[1]または[2]に記載の洗浄剤。
[4]
前記(b)ガラスにおける長さ100μm以下のガラス含有量が70質量%以上である[1]〜[3]のいずれかに記載の洗浄剤。
[5]
前記(a)熱可塑性樹脂がポリカーボネートである[1]〜[4]のいずれかに記載の洗浄剤。
本発明の洗浄剤は、成形機内に滞留した場合においても、成形機の作動に悪影響を与えることが少なく、また300℃以上の高温で使用される場合においても、発火等の危険が少ない。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。なお、本発明は、下記の本実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
[1] 洗浄剤
本実施形態に係る洗浄剤は、(a)熱可塑性樹脂30〜90質量%と、(b)平均長さが100μm以下のガラス70〜10質量%とを含有し、引火温度が400℃以上である。
前記引火温度は、450℃以上であることが好ましく、470℃以上であることがより好ましい。
引火温度が前記範囲内である洗浄剤は、高温で成形機の洗浄に使用しても、発火するおそれが少なく、安全性に優れる傾向にある。
また、本実施形態に係る洗浄剤は、発火温度が500℃以上であることが好ましく、510℃以上であることがより好ましく、520℃以上であることがさらに好ましい。
発火温度が前記範囲内である洗浄剤は、高温で成形機の洗浄に使用しても、発火するおそれが少なく、安全性に優れる傾向にある。
なお、本実施形態において、引火温度および発火温度は、後述する実施例に記載された測定方法で得られる温度である。
以下、本実施形態に係る洗浄剤を構成する各成分について詳細に説明する。
(1)熱可塑性樹脂(a)
熱可塑性樹脂(a)としては、射出成形や押出成形等で使用される一般の熱可塑性樹脂を広く使用することができる。
本実施形態に用いる熱可塑性樹脂(a)は、洗浄剤の引火温度を400℃以上とし得る熱可塑性樹脂であることが好ましい。
また、本実施形態に用いる熱可塑性樹脂(a)は、洗浄剤の発火温度を500℃以上とし得る熱可塑性樹脂であることが好ましい。
このような熱可塑性樹脂(a)の具体例としては、ポリスチレン、ポリアミド、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリカーボネート等が挙げられる。これらの中でも、引火温度が400℃以上、かつ発火温度が500℃以上の熱可塑性樹脂であるポリカーボネートが好ましい。また、これらに該当する熱可塑性樹脂を2種以上混合して用いてもよい。
本実施形態において、熱可塑性樹脂(a)の引火温度は、JIS−K7193に基づき測定することができる。また、熱可塑性樹脂(a)の発火温度も、JIS−K7193に基づき測定することができる。
熱可塑性樹脂(a)の配合量は、洗浄剤に対して30〜90質量%、好ましくは40〜80質量%、より好ましくは40〜70質量%、最も好ましくは45〜60質量%である。
熱可塑性樹脂(a)としてポリカーボネートを使用した洗浄剤は、300℃以上の高温における成形機の洗浄に好適である。
本実施形態に用いるポリカーボネートは、下記式(1)で表される繰り返し単位からなる主鎖を有する。
式(1)中、Arは、二価の芳香族残基である。前記Arとしては、例えば、フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、ピリジレンや、下記式(2)で表される二価の芳香族残基が挙げられる。
式(2)中、Ar1およびAr2は、それぞれアリーレン基である。前記アリーレン基としては、例えば、フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、ピリジレン等の基が挙げられる。Yは、下記式(3)〜(5)のいずれかで表される、アルキレン基または置換アルキレン基である。
式(3)中、R1およびR2は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6低級アルキル基、炭素数5〜10シクロアルキル基、炭素数6〜30アリール基、炭素数7〜31アラルキル基であって、場合によりハロゲン原子、炭素数1〜10アルコキシ基で置換されていてもよい。
式(4)中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6低級アルキル基、炭素数5〜10シクロアルキル基、炭素数6〜30アリール基、炭素数7〜31アラルキル基であって、場合によりハロゲン原子、炭素数1〜10アルコキシ基で置換されていてもよい。
式(5)中、R5およびR6は、各Xについて個々に選択され、お互いに独立に水素原子、または炭素数1〜6低級アルキル基、炭素数6〜30アリール基であって、場合によりハロゲン原子、炭素数1〜10アルコキシ基で置換されていてもよく、kは3〜11の整数であり、Xは炭素原子を表す。
本実施形態に用いるポリカーボネートは、下記式(6)で示される二価の芳香族残基を共重合体成分として含有していてもよい。
式(6)中、Ar1およびAr2は、上記式(2)と同義である。Zは、単結合、または、−O−、−CO−、−S−、−SO2−、−CO2−、−CON(R1)−(R1は上記式(3)と同義である)等の二価の基である。
前記二価の芳香族残基の例として、下記式で表される基が挙げられる。
上記式中、R7およびR8は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、炭素数1〜10アルキル基、炭素数1〜10アルコキシ基、炭素数5〜10シクロアルキル基または炭素数6〜30アリール基である。mおよびnは1〜4の整数で、mが2〜4の場合、各R7はそれぞれ同一でも異なるものであってもよいし、nが2〜4の場合、各R8はそれぞれ同一でも異なるものであってもよい。
中でも、下記式(7)で表される基が、前記二価の芳香族残基の好ましい一例である。
本実施形態に用いるポリカーボネートとしては、上記式(7)で表される基を二価の芳香族残基とする繰り返しユニットを85モル%以上(ポリカーボネート中の全モノマー単位を基準として)含むポリカーボネートが特に好ましい。
本実施形態に用いるポリカーボネートは、三価以上の芳香族残基を分岐点とする分岐構造を有していてもよい。
ポリカーボネートにおけるポリマー末端の分子構造は特に限定されないが、アリールカーボネート基およびアルキルカーボネート基から選ばれた1種以上の末端基を結合することができる。
アリールカーボネート末端基は、下記式(8)で表される。
式(8)中、Ar3は一価の芳香族残基であり、芳香環は無置換でも置換されていてもよい。
アリールカーボネート末端基の具体例としては、例えば、下記式で表される基が挙げられる。
アルキルカーボネート末端基は下記式(9)で表される。
式(9)中、R9は炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐アルキル基を表す。
アルキルカーボネート末端基の具体例としては、例えば下記式で表されるものが挙げられる。
これらの中で好ましいアルキルカーボネート末端基は、フェノール性水酸基、フェニルカーボネート基、p−t−ブチルフェニルカーボネート基、p−クミルフェニルカーボネートである。
フェノール性水酸基末端と他の末端との比率は、特に限定されないが、優れた機械的強度や耐熱安定性を得る観点からは、フェノール性水酸基末端の比率が全末端基数の20%以上であることが好ましく、20〜80%の範囲にあることが更に好ましい。フェノール性末端基の比率が全末端基数の80%を超えると、溶融時の熱安定性が若干低下する傾向にある。
フェノール性水酸基末端量の測定方法は、一般にNMRを用いて測定する方法(NMR法)や、チタンを用いて測定する方法(チタン法)や、UVもしくはIRを用いて測定する方法(UV法もしくはIR法)で求めることができる。
本実施形態に用いるポリカーボネートの重量平均分子量(Mw)は、一般に5,000〜50,000の範囲にあることが好ましく、より好ましくは10,000〜40,000であり、さらに好ましくは15,000〜30,000であり、特に好ましくは18,000〜25,000である。5,000未満では耐衝撃性が不充分になる傾向があり、また、50,000を超えると、溶融流動性が不充分になる傾向にある。
ポリカーボネートの重量平均分子量(Mw)の測定は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を用いて行い、測定条件は以下の通りである。すなわち、テトラヒドロフランを溶媒とし、ポリスチレンゲルを使用し、標準単分散ポリスチレンの構成曲線から下式(i)による換算分子量較正曲線を用いて求められる。
式(i)中、MPCはポリカーボネートの重量平均分子量、MPSはポリスチレンの重量平均分子量を表す。
本実施形態に用いるポリカーボネートは、公知の方法で製造することができる。具体的には、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体とを反応せしめる方法、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体(例えばホスゲン)とを水酸化ナトリウム水溶液および塩化メチレン溶媒の存在下に反応させる界面重合法(例えばホスゲン法)、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステル(例えばジフェニルカーボネートなど)とを反応させるエステル交換法(溶融法)、ホスゲン法または溶融法で得られた結晶化カーボネートプレポリマーを固相重合する方法(例えば、特開平1−158033号公報(米国特許第4,948,871号明細書に対応))、特開平1−271426号公報、特開平3−68627号公報(米国特許第5,204,377号明細書に対応)に記載の方法)が挙げられる。
好ましいポリカーボネートとしては、2価フェノール(芳香族ジヒドロキシ化合物)と炭酸ジエステルとからエステル交換法にて製造された実質的に塩素原子を含まないポリカーボネートが挙げられる。
異なる構造や分子量の2種以上の異なるポリカーボネートを組み合わせて使用することも可能である。
ポリカーボネートを主成分として含有する洗浄剤の場合も、ポリカーボネート以外の熱可塑性樹脂を含有してよい。ポリカーボネート以外の熱可塑性樹脂の例として、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリルースチレン樹脂(AS樹脂)、アクリロニトリルーブタジエンースチレン樹脂(ABS樹脂)、メチルメタクリレートーブタジエンースチレン樹脂(MBS樹脂)、ブチルアクリレートーアクリロニトリルースチレン樹脂(AAS樹脂)、ポリアミド樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリアリレート、フッ素化重合体が挙げられる。ポリカーボネート以外の熱可塑性樹脂としては、特にフッ素化重合体が好ましく、その例として株式会社喜多村製KTシリーズ(例えば、「KT−300M」など)、KTLシリーズが挙げられ、また、アクリル樹脂変性ポリテトラフルオロエチレンも好ましい。アクリル樹脂変性ポリテトラフルオロエチレンとしては、三菱レイヨン(株)製メタブレンA−3000、A−3800が挙げられる。
ポリカーボネート以外の熱可塑性樹脂を使用する場合、その配合量は、ポリカーボネート100質量部に対して、好ましくは100質量部以下、より好ましくは50質量部以下、さらに好ましくは30質量部以下、特に好ましくは20質量部以下である。
(2)ガラス(b)
本実施態様の洗浄剤は、平均長さが100μm以下のガラス(b)を含有する。ガラス(b)の形態は、繊維状、フレーク状、球状等、いずれの形態でもよいが、洗浄力の観点で繊維状であることが好ましい。したがって、ガラス(b)は、ガラス繊維であることが好ましい。ただし、ガラス繊維には一般的に収束剤やカップリング剤が含まれているが、洗浄剤の耐熱性の観点で、収束剤やカップリング剤を含有しないガラス繊維が好ましい。一方で、収束剤やカップリング剤を含有しないガラス繊維は、一般的には非常に嵩高いので、添加量が制限されるが、平均長さが100μm以下であると、嵩高さが緩和され添加量の制限が小さい。
本実施形態に用いるガラス(b)の平均長さは、100μm以下であり、90μm以下であることが好ましく、80μm以下であることがより好ましい。ガラス(b)の平均長さの下限は、50μm以上であることが好ましく、60μm以上であることがより好ましく、70μm以上であることがさらに好ましい。
前記ガラス(b)における長さ100μm以下のガラス含有量は、70質量%以上であることが好ましく、75質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましい。長さ100μm以下のガラス含有量の上限は、特に限定されないが、95質量%以下であることが好ましい。
なお、本実施形態において、ガラス(b)の平均長さは、ガラス(b)が繊維状の場合、拡大鏡等を利用して目視により求めることができ、またレーザー回折法により(例えば、島津製作所製SALD−2000を使用)求めることもできる。ガラス(b)がフレーク状の場合および球状の場合も同様にして平均長さを求めることができる。
また、本実施形態において、ガラス(b)における長さ100μm以下のガラス含有量は、洗浄剤を600℃以上で3時間燃焼した後の残渣ガラスの長さを測定し、該測定結果から残渣ガラスにおける長さ100μm以下のガラス含有量を測定するより求めることができる。
繊維状のガラスの場合は、入手のしやすさという理由で、繊維径が5〜15μmの範囲が好ましい。平均繊維長は、その嵩高さの観点で好ましくは90μm以下、さらに好ましくは80μm以下である。平均繊維長を前記範囲のように短くすることにより、収束剤やカップリング剤を含まない形態であっても、嵩密度を小さくすることができ、洗浄剤を工業的に生産する際の操作性を向上させることができる。
洗浄剤の耐熱性および洗浄性の観点で、本実施形態に用いるガラス(b)の配合量は、洗浄剤に対して、10質量%以上、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上、最も好ましいのは50質量%以上である。本実施形態に用いるガラス(b)の配合量の上限は、70質量%以下であり、65質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましい。
本実施形態に用いるガラス(b)は、上述のように、収束剤やカップリング剤を含まない好ましい態様であるガラス(繊維)とするために、収束剤やカップリング剤を含むガラス(繊維)を500℃以上、好ましくは600℃以上で焼成することが好ましい。
使用したガラス繊維が収束剤やカップリング剤を含むか否かを調べる方法として、例えば、ヘッドスペースサンプラーのあるガスクロマトグラフィーを用いて、洗浄剤を330〜340℃程度に加熱し、発生するガスを解析する方法が挙げられる。発生するガスの解析結果において、収束剤やカップリング剤由来のガスが検出される場合は、使用したガラス繊維が収束剤やカップリング剤を含む。
また、本実施形態に用いるガラス(b)の平均長さを100μm以下にするためには、焼成前、または後に粉砕機等を使用して粉砕することにより得ることができる。
ガラス(b)の加熱減量は、好ましくは0.5%以下、より好ましくは0.3%以下、最も好ましくは0.2%以下である。このような加熱減量のガラス(b)を用いることで、洗浄剤の熱劣化を抑制し、スクリュー動作異常やノズル詰まり等、成形機動作に障害を生じにくくすることができる。加熱減量とは一定の速度で昇温し、所定時間後の減量率である。加熱減量は、一般の熱分析装置、例えば株式会社島津製作所製ミクロ熱重量測定装置TGA−50で測定できる。具体的には、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態において、ガラス(b)は、一種単独で用いてもよく、二種以上併用してもよい。
(3) その他の成分
本実施形態に係る洗浄剤は、必要に応じて、難燃剤、滴下防止剤、染顔料、熱安定剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、滑剤、加工助剤、分散剤、離型剤、増粘剤、酸化防止剤、帯電防止剤、発泡剤を含有してもよい。
[2] 洗浄剤の製造方法
本実施形態に係る洗浄剤は、押出機等の溶融混練装置を用いて、上述した各成分を溶融混練することにより得ることが出来る。
例えば、ガラス(b)と、熱可塑性樹脂(a)とを一緒に予備混合した後、同時に押出機等の溶融混練装置に供給して溶融混練してもよいが、ガラス(b)を熱可塑性樹脂(a)よりも後から押出機等の溶融混練装置に供給することが好ましい。
各構成成分の混合および溶融混練は一般に使用されている装置、例えば、タンブラー、リボンブレンダー、スーパーミキサー等の予備混合装置、重量式供給機、単軸押出機や二軸押出機、コニーダー等の溶融混練装置を使用することが出来る。また溶融混練する際は開放脱揮、必要に応じて減圧脱揮を行うことが望ましい。
溶融混錬する際のシリンダー設定温度は350℃以下に設定することが好ましく、320℃以下がより好ましく、300℃以下が更に好ましく、290℃以下が特に好ましい。溶融樹脂の滞留時間はできるだけ短くすることが望ましい。
[3] 洗浄剤の使用方法
本実施形態に係る洗浄剤は、成形機に投入して、成形機をほぼ通常通り作動させることで洗浄効果を発揮する。本実施形態に係る洗浄剤は、射出成形機、押出成形機に対して用いると、特に有効に洗浄効果を発揮する。射出成形機や押出成形機と同様に樹脂を加熱溶融させて混練するシリンダー部を有する装置であれば広く使用することができる。
以下、実施例および比較例により本実施形態をより具体的に説明するが、本実施形態はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例あるいは比較例においては、洗浄剤の原料として以下の成分を使用した。
《原料成分》
(1)熱可塑性樹脂として、以下の成分(A)(成分(A−1)〜(A−3)のいずれか)を用いた。
(A−1)ポリカーボネート
ビスフェノールAとジフェニルカーボネートとから、溶融エステル交換法により製造された、ビスフェノールA系ポリカーボネート(台湾国旭美化成(股)有限公司製「ワンダーライトPC−108(登録商標)」)
(A−2)スチレン−アクリロニトリル共重合体
旭化成ケミカルズ株式会社製「スタイラック783」
(A−3)ポリエチレン
旭化成ケミカルズ株式会社製「サンテックHD S160S」
(2)ガラスとして、以下の成分(B)(成分(B−1)または(B−2))を用いた。
(B−1)焼成され、平均繊維径が9μm、平均繊維長が70μmのガラス繊維(日本電気硝子株式会社製「ミルドファイバーEPG70M−01N」)。ガラス(B−1)における長さ100μm以下のガラス含有量は78質量%であった。
(B−2)収束剤、カップリング剤を含み、平均繊維径が13μm、平均繊維長が3000μmのガラス繊維(日本電気硝子株式会社製「ECS03T−351」)。ガラス(B−2)における長さ100μm以下のガラス含有量は0質量%であった。
なお、ガラスの加熱減量を以下のように測定した。当該測定結果を表1に示す。
〈ガラスの加熱減量の測定方法〉
株式会社島津製作所製ミクロ熱重量測定装置「TGA−50」を使用し、ガラスを、加熱速度10℃/分で600℃まで昇温した際の初期重量からの減量率を加熱減量とした。
また、本実施例において、成分(B−1)における長さ100μm以下のガラス含有量は、成分(B−1)の各ガラスの長さを測定し、該測定結果から成分(B−1)における長さ100μm以下のガラス含有量を測定することにより求めた。また、成分(B−2)のガラスにおける長さ100μm以下のガラス含有量は、成分(B−2)を、600℃以上で3時間燃焼させた後の残渣ガラスの長さを測定し、該測定結果から成分(B−2)のガラスにおける長さ100μm以下のガラス含有量を測定することにより求めた。
(3)熱可塑性樹脂として、以下の成分(C)フッ素化合物(成分(C−1)または(C−2))を用いた。
(C−1)
株式会社喜多村製「KT−300M」
(C−2)
三菱レイヨン株式会社製「メタブレンA−3000」
[実施例1〜4]
<洗浄剤の製造>
各原料成分を、表1に示す量(単位は質量部)で二軸押出機に供給し、溶融混練することにより洗浄剤を得た。
なお、実施例3および4において、熱可塑性樹脂である、成分(A)および成分(C)は、溶融混練前に予めタンブラーブレンダーを用いて3分間予備混合を行って混合物とした。
前記二軸押出機としては、Werner&Pfleiderer社製の二軸押出機(ZSK−25、L/D=37)を使用した。前記溶融混練条件は、シリンダー設定温度250℃、スクリュー回転数250rpm、吐出速度10kg/Hrとした。
各原料成分の供給順序は、熱可塑性樹脂(成分(A)、または成分(A)と成分(C)との混合物)を、ガラス(成分(B))とは別の重量式供給機により押出機最前部の供給口から押出機へ投入し、ガラス(成分(B))を押出機途中の供給口から供給した。
<洗浄剤の評価>
(1)引火温度および発火温度
上記溶融混練により得られた洗浄剤を、ストランド状に押出し、さらにペレタイズして、ペレットとした。
得られたペレットについて、JIS−K7193に基づき、引火温度および発火温度を測定した。引火温度および発火温度を測定した結果を表1に示す。
(2)加熱減量が1%となる温度
洗浄剤の加熱減量が1%となる温度を以下のとおり測定した。
上記(1)で得られたペレットを、株式会社島津製作所製ミクロ熱重量測定装置「TGA−50」を使用し、加熱速度10℃/分で600℃まで昇温し、初期重量からの減量率、すなわち加熱減量が1%となる温度を測定した。当該測定結果を表1に示す。当該温度が高いほど、洗浄剤の熱劣化を抑制し、スクリュー動作異常やノズル詰まり等、成形機動作に障害を生じにくくすることができる。
(3)洗浄性
黒色に着色されたポリフェニレンサルファイド(出光興産株式会社製C−140MG.SF)を射出成形機(名機製作所製M−100C)に2kg投入してパージを実施した。その後、当該射出成形機に、上記で得られた洗浄剤を投入し、洗浄した際にノズルから排出される洗浄剤の色調を目視にて観察することにより、洗浄が完了するまで洗浄剤を排出し、排出された洗浄剤量を天秤で測定した。当該排出されたパージ屑量が少ないほど、洗浄性に優れる。なお、洗浄した際にノズルから排出されるパージ屑の色調が、黒色から白色に変わったときを、洗浄完了とした。
(4)安全性
上記(3)の洗浄性の評価の際、ノズル先端から発火の有無を目視にて観察し、次の基準により洗浄剤の安全性について評価した。
(基準)
○:発火が認められない。
×:発火が認められる。
(5)熱安定性
上記(3)の洗浄性の評価後、洗浄剤を射出成形機内に1時間滞留した後、成形機の作動性を確認し、次の基準により洗浄剤の熱安定性について評価した。
(基準)
○:成形機が正常に作動する。
×:成形機が正常に作動しない。
[比較例1〜4]
実施例と同様にして、各原料成分を、表2に示す量(単位は質量部)で二軸押出機に供給し、溶融混練することにより洗浄剤を得た。
得られた洗浄剤について、実施例と同様の手法により評価を実施した。結果を表2に示す。
本発明の洗浄剤は、洗浄性能に優れている上、洗浄時の安全性および熱安定性に優れることから、特に300℃以上の高温領域で成形機を洗浄する際には有用である。

Claims (4)

  1. (a)熱可塑性樹脂30〜90質量%と、
    (b)平均長さが100μm以下のガラス繊維70〜10質量%と
    を含有し、引火温度が400℃以上である成形機用洗浄剤。
  2. 発火温度が500℃以上である請求項1に記載の成形機用洗浄剤。
  3. 前記(b)ガラス繊維における長さ100μm以下のガラス繊維含有量が70質量%以上である請求項1または2に記載の成形機用洗浄剤。
  4. 前記(a)熱可塑性樹脂がポリカーボネートである請求項1〜のいずれか一項に記載の成形機用洗浄剤。
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