以下に、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。なお、これら実施例は、本発明における最良の実施形態の一例ではあるものの、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
[実施例1]
(1)画像形成装置例の全体的説明
図1の(a)は、本発明に従う画像形成装置の一実施例の断面模式図、(b)は制御系統のブロック図である。この画像形成装置(以下、装置と記す)100は電子写真方式のデジタル−モノクロ画像形成装置であり、複写機、プリンタ、ファクシミリとして機能する複合機である。装置100の内部には、電子写真プロセスにより記録材(記録媒体)Pにモノクロトナー像を形成して出力する画像形成部A、及びコントローラ(制御手段、制御回路部、制御基板部)Bが配設されている。装置100の上面側には、原稿読取り部(イメージスキャナ:以下、スキャナと記す)Cと操作ディスプレイ部(以下、操作部と記す)Dが配設されている。操作部Dは、操作者からのコマンド入力や、操作者への装置状態報知等を行う。コントローラBにはインターフェイスを介してパーソナルコンピュータ・ファクシミリ装置等の外部入力装置(外部ホスト装置)Eが接続されている。コントローラBは、操作部Dやホスト装置Eとの間で各種の電気的情報の授受をすると共に、画像形成部Aの画像形成動作を所定の制御プログラムや参照テーブルに従って統括的に制御する。スキャナCは原稿画像を光電読み取りする装置であり、原稿台ガラス31、そのガラス31に対して開閉可能な原稿押え板32、照明走査用の移動光学系33、光電変換素子(固体撮像素子)であるCCD34などを有する。原稿Oはガラス31の上面に対して読み取りすべき画像面を下向きにして所定の載置基準に従って載置し、その上に押え板32を被せることでセットする。押え板32を原稿自動送り装置(ADF、RDF)にしてガラス31上にシート状の原稿を自動的に給送する構成にすることもできる。読み取り開始信号に基づいて移動光学系33がガラス31の下面に沿って移動駆動されて、原稿Oの下向き画像面が光学的に走査される。その原稿走査光がCCD34に結像されて光電読み取りされる。その読み取り画像信号が画像処理部35に入力して画像処理された画像データ(電気的画像信号)がコントローラBに入力する。
コピーモード(原稿複写モード)である場合は、コントローラBは、スキャナCで光電読み取りされた原稿画像の画像データに対応したトナー像を記録材Pに形成して出力するように画像形成部Aを動作制御する。コピーモードはスキャナCに原稿Oをセットし、操作部Dにより所望のコピー条件を設定した後、コピースタートキー400(図2の(b))を押すことで実行される。プリンタモードである場合は、コントローラBは、ホスト装置Eであるパーソナルコンピュータから入力する画像データに対応したトナー像を記録材Pに形成して出力するように画像形成部Aを動作制御する。ファクシミリ受信モードである場合は、コントローラBは、ホスト装置Eである相手方ファクシミリ装置から入力する画像データに対応したトナー像を記録材Pに形成して出力するように画像形成部Aを動作制御する。ファクシミリ送信モードの場合は、コントローラBは、スキャナCで光電読み取りされた原稿画像の画像データを相手方ファクシミリ装置に送信する。
画像形成部Aは、潜像(静電潜像)が形成される回転可能な像担持体としての電子写真感光ドラム(以下、ドラムと記す)1を有する。ドラム1は矢印の反時計方向R1に所定の周速度(プロセススピード)にて回転駆動される。ドラム1の周囲には、ドラム1に作用する電子写真プロセス手段としての、帯電手段2、露光手段3、現像手段4、転写手段5、ドラムクリーニング手段6がドラム回転方向に沿って順次に配設されている。帯電手段2は、本実施例においては、接触帯電ローラである。ローラ2は、ドラム1にほぼ並行に、そしてドラム1に対して所定の押圧力で接触させて配設されていて、ドラム1の回転に従動して回転する。ローラ2には電源部V2から所定の制御タイミングにて所定の帯電バイアスが印加される。これにより、回転しているドラム1の外周面が所定の極性・電位に一様に帯電される。露光手段3は一様に帯電されたドラム1の表面をデジタル露光して、ドラム面に画像データに対応した潜像を形成する手段である。露光手段3は、本実施例においては、デジタル露光装置としてのレーザー走査機構(レーザースキャナ)であり、図には省略したけれども、光源装置(レーザー)、ポリゴンミラー、反射ミラー、fθレンズなどを有する。光源装置はコントローラBから入力する画像データに対応して変調したレーザー光を発する。機構3は、光源装置から発せられたレーザー光を回転するポリゴンミラーで走査し、その走査光の光束を反射ミラーによって偏向し、fθレンズによりドラム1の母線上に集光してデジタル露光Lする。これによりドラム1の表面に画像データに対応した潜像が形成される。ドラム面に形成された潜像は現像手段4によりブラックトナー像として現像される。現像手段4は、所定の現像バイアスを印加することでドラム1面の潜像を、電荷を保持したトナーにより可視化する手段であり、例えば磁性一成分非接触現像装置である。現像装置4は、現像剤としてのブラックの磁性一成分トナー(荷電着色粒子)を収容した現像容器4aを有する。また、容器4aのドラム1に面する開口部に回転可能に配設された、ドラム1にトナーを供給して潜像を現像するための現像剤担持部材としての現像ローラ(現像スリーブ)4bを有する。また、容器4aにトナーを補充する供給装置4cを有する。現像ローラ4bは矢印の時計方向に所定の周速度で回転駆動される。また、現像ローラ4bには電源部V4から所定の制御タイミングにて所定の現像バイアスが印加される。これにより、所定の極性の電荷を保持したトナーがドラム1の表面に潜像パターンに対応して付着して潜像がトナー像として現像される。トナーは、ポリエステル系の樹脂を使用したトナーを用いた。トナーは粉砕法によって製造することも可能であるが、トナーを製造する方法としては、懸濁重合法・界面重合法・分散重合法等の媒体中で直接トナーを製造する方法(重合法)が好ましく挙げられる。トナーの成分、製造方法はこれに限定されるものではない。現像装置4は、磁性一成分非接触現像方式に限られず、磁性一成分接触現像方式、非磁性一成分非接触現像方式、非磁性一成分接触現像方式、二成分現像方式など現像装置であってもよい。また、ドラム1に対する潜像形成方式と現像方式としては、バックグランド露光方式+正規現像方式と、イメージ露光方式+反転現像方式があり、それぞれの特徴を生かして用いられる。前者は帯電したドラム1の表面に画像情報のバックグランド部に対応して露光し(バックグランド露光方式)、バックグランド部以外の部分を現像する(正規現像方式)。後者は、逆に、画像情報部に対応して露光し(イメージ露光方式)、非露光部を現像する(反転現像方式)。
転写手段5は、本実施例では、中間転写ベルト機構である。機構5は、中間転写体としての可撓性を有する誘電体製のエンドレスベルト7と、ベルト7を懸回張設している駆動ローラ8・2次転写対向ローラ9・テンションローラ10を有する。また、ベルト7を介してドラム1に圧接している1次転写ローラ11を有する。ドラム1とベルト7の当接部が1次転写ニップ部T1である。また、ベルト7を介してローラ9に圧接している2次転写ローラ19を有する。ベルト7とローラ19の当接部が2次転写ニップ部T2である。ローラ10のベルト懸回部にはベルトクリーニング装置12が配設されている。ベルト7はローラ8が回転駆動されることで、ドラム1の回転方向に順方向である矢印の時計方向にドラム1の回転周速度に対応した周速度で循環移動する。ローラ11には電源部V11から所定の制御タイミングにてトナーの帯電極性とは逆極性で所定の電位の1次転写バイアスが印加される。これにより、ニップ部T1において電界とニップ圧によりドラム1上のトナー像がベルト7の表面に対して順次に1次転写される。ベルト7に対するトナー像転写後のドラム1の表面はクリーニング手段6により転写残トナーの除去を受けて繰り返して画像形成に供される。手段6は本実施例においてはブレードクリーニング装置である。ニップ部T1においてベルト7に転写されたトナー像は引き続くベルト7の移動によりニップ部T2に搬送される。一方、機構5の下方に配設されている記録材給送部13の給送ローラ15が所定の制御タイミングにて駆動されて、カセット部14に積載して収納されている記録材Pが一枚分離給送される。その記録材Pが、搬送路16から、レジストローラ18を有する搬送路17を通ってニップ部T2に対して、ベルト7上のトナー像がニップ部T2に至るのに同期して搬送される。記録材Pがニップ部T2を挟持搬送されている間、ローラ19には電源部V19から所定の制御タイミングにてトナーの帯電極性とは逆極性で所定の電位の2次転写バイアスが印加される。これにより、ニップ部T2において電界とニップ圧によりベルト7上のトナー像が記録材Pの表面に対して順次に2次転写される。記録材Pに対するトナー像転写後のベルト7の表面は装置12により転写残トナーの除去を受けて繰り返して画像形成に供される。装置12は本実施例においてはブレードクリーニング装置である。ニップ部T2を通った記録材Pはベルト7から分離され、搬送路20を通って画像を定着する定着手段である定着装置21に導入される。記録材P上の未定着のトナー像は装置21に備えられるヒートローラ21aによる加熱、及び、加圧ローラ21bによる加圧を受けて、記録材面に固着画像として定着される。
上記の画像形成装置において、画像形成手段は、入力画像情報に所定の画像処理を行う画像処理装置と、一様に帯電された像担持体の表面を前記画像処理装置により処理された画像データをもとに露光し潜像を形成する露光手段を有する。また、所定の現像バイアスが印加することで潜像を電荷を保持したトナーにより可視化する現像手段と、トナー像を前記像担持体の表面から中間転写体を介して或いは直接に記録媒体に転写する転写手段と、を有する。画像処理装置とは、画像処理部35とコントローラBを含め画像処理を行う箇所全体を示す。画像処理部35は、リーダで読み込まれた光像を画像信号に変換する処理部で、外部ホスト装置より直接画像信号が入力される場合は経由しない。
画像出力モードとしては、[通常1回定着出力モード]、[部分グロスアップ処理モード]、[部分グロスダウン処理モード]、[両面モード]等がある。通常1回定着出力モードは、記録材に対して1回の画像形成及び定着にて画像形成物を出力する画像形成動作モードである。部分グロスアップ処理モードは、同じ記録材に対して、1回目の画像形成及び定着と、2回目の画像形成及び定着を行うことで、部分的にグロスをアップさせた最終出力画像を形成した画像形成物を出力する画像形成動作モードである。部分グロスダウン処理モードは、同じ記録材に対して、1回目の画像形成及び定着と、2回目の画像形成及び定着を行うことで、部分的にグロスをダウンさせた最終出力画像を形成した画像形成物を出力する画像形成動作モードである。両面モードは記録材の表裏両面に画像を形成した画像形成物を出力する画像形成動作モードである。
[通常1回定着出力モード]の場合は、1回の画像形成及び定着を受けて着装置21を出た記録材Pは搬送路22を通って排出口23から排出トレイ24上に画像形成物として搬出される。また、[部分グロスダウン処理モード]又は[部分グロスアップ処理モード]の場合においては、1回目の画像形成及び定着を受けて定着装置21を出た記録材がフラッパ27により搬送路25側に進路変更されて、搬送路25を通って再搬送路26に導入される。即ち、記録材に対して1回目の画像形成工程と1回目の定着工程を行う第1の画像出力工程により第1出力画像が形成された記録材が、2回目の画像形成工程と2回目の定着工程を行う第2の画像出力工程を受けるべく再搬送路26に導入される。再搬送路26に導入された記録材Pは、再び、レジストローラ18を有する搬送路17に入ってニップ部T2に対して、ベルト7上のトナー像がニップ部T2に至るのに同期して搬送される。そして、ベルト7上の2回目の画像形成工程のトナー像が記録材Pの表面に対して順次に2次転写される。ニップ部T2を通った記録材Pはベルト7から分離され、搬送路20を通って定着装置21に導入されて2回目の定着工程を受ける。即ち、第1の画像出力工程により第1出力画像が形成されている記録材の画像面に対して、2回目の画像形成工程と2回目の定着工程を行う第2の画像出力工程により第2出力画像が形成される。これにより、記録材に部分グロスダウン処理又は部分グロスアップ処理された最終出力画像が形成される。その記録材が定着装置21を出て搬送路22を通って排出口23から排出トレイ24上に部分グロスダウン処理された画像形成物又は部分グロスアップ処理された画像形成物として搬出される。上記の部分グロスダウン処理モードと部分グロスアップ処理モードの詳細は後述する。[両面モード]の場合は、定着装置21を出た一方面に画像形成済みの記録材Pがフラッパ27により搬送路28側に進路変更されて、搬送路28を通ってスイッチバック搬送路29に導入される。そして、その記録材がスイッチバック搬送されることで搬送路30を通って再搬送路26に表裏反転された状態となって導入される。再搬送路26に導入された記録材Pは、再び、レジストローラ18を有する搬送路17に入ってニップ部T2に対して、ベルト7上のトナー像がニップ部T2に至るのに同期して搬送される。そして、ベルト7上の2回目の画像形成工程のトナー像が記録材Pの他方面に対して順次に2次転写される。ニップ部T2を通った記録材Pはベルト7から分離され、搬送路20を通って定着装置21に導入されて2回目の定着工程を受ける。これにより記録材の表裏両面に画像形成がなされる。その記録材が定着装置21を出て搬送路22を通って排出口23から排出トレイ24上に両面画像形成物として搬出される。ここで、ドラム1に形成されたトナー像の記録材Pに対する転写は中間転写体7を介さないで、図2の(b)のように1次転写ローラ11或いは転写ベルトなどの転写手段にて直接に転写する画像形成装置構成にすることもできる。
(2)操作部D
図2の(b)は操作部Dの平面図である。400は複写開始を指示するコピースタートキー(ボタン)である。401は標準モードに戻すためのリセットキーである。402はガイダンス機能を使用するときに押下するガイダンスキーである。403は設定枚数等の数値を入力するテンキーである。404は数値をクリアするクリアキーである。405は連続コピー中にコピーを停止させるストップキーである。406は各種モードの設定やプリンタの状態を表示する液晶表示部及びタッチパネルである。407は連続コピー中或いはファックスやプリンタとして使用中に割り込んで緊急コピーをとるための割り込みキーである。408は個人別や部門別にコピー枚数を管理するための暗証キーである。409は画像形成装置本体の電源をON/OFFするためのソフトスイッチである。410は画像形成装置の機能を変更するときに使用する機能キーである。411は、オートカセットチェンジのON/OFFや省エネモードに入るまでの設定時間の変更など、予めユーザーが項目を設定するユーザーモードに入るためのユーザーモードキーである。450は光沢処理モード(グロスアップ/ダウン)選択キー、451は両面画像形成モード選択キーである。
原稿を複写するコピーモードにおいて、グロスを部分的にアップ又はダウンさせた画像形成物を出力する場合には、操作部Dにより所望のコピー条件を設定するとともに、光沢処理モード選択キー450を選択する。そうすると、図2の(c)のように、液晶表示部406に、タッチパネルとしての、グロスアップ補正モードキーa、グロスダウン補正モードキーb、OKキーd、キャンセルキーeが表示される。グロスアップ補正モードキーaは部分グロスアップ処理モードを選択するもので、出力する画像に関してユーザーが選択した領域を他の領域よりもグロスをアップさせたい場合に用いる。グロスダウン補正モードキーbは部分グロスダウン処理モードを選択するもので、出力する画像に関してユーザーが選択した領域を他の領域よりもグロスをダウンさせたい場合に用いる。
(3)光沢処理モード
(3−1)本実施例の特徴である光沢処理モード(光沢処理出力モード)について詳細に説明する。まず、画像データ量について説明する。本発明の説明に用いている画像データ量とは、原稿となる画像の画像情報における1画素当たりのデータ量であり、最大の画像データ量を100%として表す。この0〜100%の画像データ量に応じて、画像形成すべきトナー量が計算される。トナー量とは、記録材上に画像形成される1画素当たりのトナーの量である。トナー量も、画像データ量と同様に、0〜100%で表す。1cm2に画像形成した場合のトナーの重量を載り量という。単色で100%のトナー量のときに、その色の最大濃度となる。この最大濃度を基準にして、トナー量の0〜100%に対応して、画像濃度が直線的に0〜100%になるように、現像条件などの本体プロセス条件を決定する。最大濃度は、トナーの特性、定着装置21の定着条件、記録材Pの種類などによって左右され、また、最大濃度をどの濃度にするかといった画像設計によっても異なる。本実施例では、プロセススピードは200mm/sとした。また、本実施例における定着装置21の制御温度(定着温度)は160℃とし、部分グロスアップ処理モード或いは部分グロスダウン処理モードの実行時における1回目の定着工程と2回目の定着工程のどちらの場合においても同様であるとした。このとき、記録材Pとして坪量80g/m2の普通紙(紙グロス6%程度)を用いて、トナーの載り量0.5mg/cm2で濃度1.5が得られた。このトナーの載り量0.5mg/cm2を最大載り量とした。
(3−2)コピーモードにおいては、原稿画像の部分的なグロスの差はスキャナCでは読取れない。そこで、原稿画像において周囲の画像部よりもグロスをアップ若しくはダウンして出力したい画像部分の領域情報(グロスマーク作成領域のパターンと座標)を光沢度領域指定手段によりコントローラBに入力する操作をする。例えば、原稿画像において周囲の画像部よりもグロスをアップ若しくはダウンして出力したい画像部分をグロス指定画像(指定画像部)としてモノクロ2値画像で予め出力しておく。即ち、予め白黒画像として作成したグロス補正領域指定用原稿画像を出力しておく。そして、装置100の動作モードを、その画像がグロス指定画像として認識されるように読取るモードに設定してグロス補正領域指定用原稿(光沢原稿)をスキャナCでスキャンする。これにより、複写すべき原稿画像においてグロスをアップ若しくはダウンして出力したい画像部分の領域情報がコントローラBに入力される。なお、ここでのグロス指定画像とは、文字情報などのオブジェクトとして判別/指定されるものや、ある領域として判別/指定されるものなどに分類され、適宜決定されるものである。
前述したように、コピーモードにおいて光沢処理モード選択キー450が選択されると、図2の(c)のように、液晶表示部406に、グロスアップ補正/グロスダウン補正が表示される。このアップ/ダウンを選択した後、複写すべき原稿画像と、グロス補正領域指定用原稿画像と、をスキャナCにより順次に読み込む操作をする。ここで、便宜上、図3の(a)の模式図において、Oを複写すべき原稿、Gをその原稿の画像とする。(b)の模式図において、OUをグロスアップ指定用原稿、GUをそのグロスアップ指定画像部とする。(c)の模式図において、ODをグロスダウン指定用原稿、GDをそのグロスダウン指定画像部とする。図2の(c)の光沢処理モードの画面にて、グロスアップ補正モードキーa又はグロスダウン補正モードキーbを選択してOKキーdを押す。そうすると、液晶表示部406に、図4の(a)で示すように、複写すべき原稿画像を読み込ませるように指示する画面が表示される。そこで、スキャンCに複写すべき原稿Oをセットして、OKキーfを押す。これにより、原稿Oの画像情報の読み込みが実行されて、コントローラBに原稿画像情報として画像処理装置35で処理された画像データが入力する。そして、スキャンCによる原稿画像情報の読み込みが完了すると、液晶表示部406に、図4の(b)で示すように、グロス補正領域指定用原稿画像を読み込ませるように指示する画面が表示される。そこで、スキャンCにグロスアップ指定用原稿OU或いはグロスダウン指定用原稿ODをセットして、OKキーhを押す。これにより、原稿OU又は原稿ODの画像情報の読み込みが実行されて、コントローラBにグロス指定画像情報として画像処理装置35で処理された画像データが入力する。コントローラBは、以上のような操作がなされることで、原稿画像情報+光沢情報を得て、後述するような部分グロスアップ処理モード或いは部分グロスダウン処理モードを実行する。図3の(d)は、(a)の原稿Oの画像情報と(b)のグロスアップ指定用原稿OUのグロスアップ指定画像情報(光沢情報)に基づく部分グロスアップ処理モードが実行されて出力された画像形成物PUの模式図を示している。PGが形成画像部、PGUがその形成画像部のグロスアップ部(グロスマーク部:部分的に光沢がアップした画像部分)である。また、(e)は、(a)の原稿Oの画像情報と(c)のグロスダウン指定用原稿ODのグロスダウン指定画像情報(光沢情報)に基づく部分グロスダウン処理モードが実行されて出力された画像形成物PDの模式図を示している。PGが形成画像部、PGDがその形成画像部のグロスダウン部(グロスマーク部:部分的に光沢がダウンした画像部分)である。ここで、原稿画像において周囲の画像部よりもグロスをアップ若しくはダウンして出力したい画像部分の領域情報を指定する光沢度領域指定手段としてデジタイザーを用いる画像形成装置構成にすることもできる。
また、プリンタモードにおいては、外部ホスト装置Eであるパーソナルコンピュータで光沢情報が扱える画像ソフトを用いて、出力したい画像を作成する。そして、作成された画像データをもとに、RIP(Raster Image Processor)部で、画像情報+光沢情報に変換される。このとき、作成したグロス指定領域画像のグロスをアップさせたいか、或いはダウンさせたいかをソフト上で指定できるようにしておく。画像情報+光沢情報に変換された画像データは、プリンタドライバによって、出力機器に合わせた画像情報に変換して、コントローラBに送られる。コントローラBは入力した画像情報+光沢情報に基づいて部分グロスアップ処理モード或いは部分グロスダウン処理モードを実行する。これにより、図3の(d)又は(e)の模式図に示すような、部分的に光沢をアップ又はダウンさせた画像部分PGU又はPGDを具備させた画像形成物PU又はPDが出力される。
(3−3)光沢処理モード選択時の画像形成工程及び定着工程
光沢処理(グロスアップ補正/グロスダウン補正)を行うモードにおいては、上記したように、入力された画像情報+光沢情報を元にコントローラBにより以下に説明する制御を行い、画像形成・定着を行う。コントローラBは入力され画像情報の全ての画素について、光沢情報において光沢制御を行う画素であるかどうかの判別を行う。即ち、画像情報の各画素において、光沢制御を行う光沢制御対象画素GMと光沢制御を行わない非光沢制御対象画素GNに判別し、それぞれに対し、異なる画像形成工程を行う。ここで、光沢制御対象画素GMがグロスダウン又はグロスアップを指定された画素群であり、指定された領域の画像部である指定画像部である。非光沢制御対象画素GNがグロスダウン又はグロスアップを指定されていない画素群であり、指定画像部以外の指定外画像部である。部分グロスアップ処理モードと部分グロスダウン処理モードのどちらも、記録材Pに対する画像形成・定着は、第1の画像出力工程と第2の画像出力工程とによりなされる。第1の画像出力工程は、記録材に対して1回目の画像形成工程と1回目の定着工程により第1出力画像を形成する工程である。第2の画像出力工程は、第1出力画像が形成された記録材に対して2回目の画像形成工程と2回目の定着工程により第2出力画像を形成する工程である。
1)グロスダウン補正モード:まず、コントローラBが、入力された画像情報+光沢情報より、上記の光沢制御対象画素群GMをグロスダウンする場合についてする。図4の(c)はコントローラBの詳細図である。コピーモード、プリントモードにおいてユーザーにより指定され、それぞれ画像処理を行われた画像情報及び光沢情報は、コントローラB内の光沢制御画素判別部200に入力される。判別部200においては、上記したように、画像情報の各画素を光沢制御対象画素群GMと光沢制御を行わない非光沢制御対象画素GNに判別し、レーザー露光制御部202に送る。RAM201には、光沢制御対象画素GMにおける入力画像情報とレーザー露光強度のルックアップテーブルGMLUT(0)、及び非光沢制御対象画素GNにおける入力画像情報とレーザー露光強度のルックアップテーブルGNLUT(0)が保存されている。テーブルGMLUT(0)には、第1の画像出力工程における1回目の画像形成工程において使用するテーブルGMLUT(0)_1と、第2の画像出力工程における2回目の画像形成工程において使用するテーブルGMLUT(0)_2の2種類が保存されている。テーブルGNLUT(0)には、第1の画像出力工程における1回目の画像形成工程において使用するテーブルGNLUT(0)_1と、第2の画像出力工程における2回目の画像形成工程において使用するテーブルGNLUT(0)_2の2種類が保存されている。制御部202は上記のテーブルを用い、1回目の画像形成工程においては、光沢制御対象画素GMではテーブルGMLUT(0)_1、非光沢制御対象画素GNではテーブルGNLUT(0)_1により画像形成を行うようレーザー走査機構3の制御を行う。また、同様に2回目の画像形成工程においては、光沢制御対象画素GMではテーブルGMLUT(0)_2、非光沢制御対象画素GNではテーブルGNLUT(0)_2により画像形成を行うようレーザー走査機構3の制御を行う。
図5は本実施例における、上記テーブルGMLUT(0)_1、GNLUT(0)_1、GMLUT(0)_2、GNLUT(0)_2を示した図である。(a)はテーブルGMLUT(0)_1を、(b)はテーブルGNLUT(0)_1を、(c)はテーブルGMLUT(0)_2を、(d)はテーブルGNLUT(0)_2を示している。これらテーブルは、図6の(a)に示す、レーザー露光強度と記録材上(紙上)のトナー載り量の相関により決定される。前述のように、本実施例の画像形成装置においては、濃度1.5が得られる記録材上のトナー載り量0.5mg/cm^2が最大トナー載り量であり、そのときのレーザー露光強度を100%の出力としている。従って、光沢制御対象画素GMにおいては、上記のテーブルGMLUT(0)_1により、1回目の画像形成工程で最大トナー載り量0.5mg/cm^2の半分のトナー量である0.25mg/cm^2を最大トナー載り量とした画像形成が行われる。さらに、1回目の定着工程により定着された後、2回目の画像形成工程で、テーブルGMLUT(0)_2により、残りの半分のトナー量0.25mg/cm^2を最大トナー載り量とした画像形成が行われる。その後2回目の定着工程により、最終出力画像となる。また、非光沢制御対象画素GNにおいては、上記のテーブルGNLUT(0)_1により、1回目の画像形成工程で最大トナー載り量0.5mg/cm^2を最大トナー量とした画像形成が行われる。しかし、1回目の定着工程により定着された後の、2回目の画像形成工程においては、テーブルGNLUT(0)_2に示すように、トナーによる画像形成を行わない、いわゆる白地部の画像形成を行う。その後2回目の定着工程により、最終出力画像となる。上記のように、光沢制御対象画素GMにおいては、2回の画像形成工程に分けてトナーを紙に載せ、非光沢制御対象画素GNにおいては、1回目の画像形成工程で全てのトナー量を載せるようにする。これにより、光沢制御対象画素GMのグロスが、非光沢制御対象画素GNにおけるグロスよりも低くなる。即ち、指定された領域であるグロスダウン補正領域のみグロスの低い最終出力画像を得ることができる。ここで、本実施例においてのグロスの測定方法は、日本電色工業株式会社製ハンディ型光沢計(PG−1M)を用いた(JIS Z 8741 鏡面光沢度−測定方法に準拠)。図6の(b)は上記光沢制御対象画素GMの集合したグロスダウン補正領域と、それ以外の非光沢制御対象画素GNの集合体であるグロス補正を行わない領域のグロス差を示したグラフである。横軸は最終出力画像の紙状のトナー載り量、縦軸は、非光沢制御対象画素GNに対する光沢制御対象画素GMのグロスの差分を表している。見てわかるように、グロスダウン補正を指定された光沢制御対象画素GMのグロスが、その他の画像領域である非光沢制御対象画素GNのグロスに対して、トナー量0.5mg/cm^2においては7%程度ダウンしている。このときの、上記光沢制御対象画素GM領域と、上記非光沢制御対象画素GN領域と、グロスの絶対値を図7の(a)に示す。
ここで、上記のように、グロスダウン補正を要求された領域の画像形成工程を2回に分けて行うことで、グロスダウンさせることができる理由を簡単に述べる。図7の(b)乃至(e)は、グロスダウン補正モードにおいて、記録材上に載った光沢制御対象画素GM領域と非光沢制御対象画素GN領域におけるトナーの様子を示した模式図である。(b)は1回目の画像形成工程後のトナーの様子である。(c)は1回目の定着工程後のトナーの様子である。(d)は2回目の画像形成工程後のトナーの様子である。(e)は2回目の定着工程後のトナーの様子である。(b)は1回目の画像形成工程を行い、光沢制御対象画素GM領域に0.25mg/cm^2の未定着トナーが載り、非光沢制御対象画素GN領域に0.5mg/cm^2の未定着トナーが載っている様子を示している。その後、1回目の定着工程により、(c)に示すように定着される。ここで、1回目の定着工程においては、記録材上に載ったトナー層は溶融し、記録材に定着しているものの、その表層部((c)でのF1部)は、トナー形状による凹凸が残ったままになっている。その記録材は、その後、2回目の画像形成を受けるために再搬送路26を経由して再び転写ニップ部T2(図1の(a))又はT1(図2の(a))に導入される。そして、2回目の画像形成工程により今度は光沢制御対象画素GM領域にのみに0.25mg/cm^2の未定着トナーが載ったものを示したのが(d)である。さらにその後、2回目の定着工程が行われ、(e)のような最終出力画像となる。ここで、光沢制御対象画素GM領域のトナー層表層部F2と非光沢制御対象画素GN領域のトナー層表層部F3を比較する。F2部においては、表層部は定着工程を1度しか通っておらず、(c)におけるF1部と同様の表層形状をなしている。しかしながらF3部においては定着工程を2度通っているため、凹凸のほとんどない平坦な形状をなしている。従って、光沢制御対象画素GM領域のグロスを、非光沢制御対象画素GN領域のグロスよりも低くでき、グロスダウン補正モードにおいて指定された領域のグロスを下げた最終出力画像を得ることができた。
また、上記においては、非光沢制御対象画素GN領域において、1回目の画像形成工程で0.5mg/cm^2のトナー量による画像形成を記録材上に行う。そして、2回目の画像形成工程においては0mg/cm^2のトナー量による画像形成、即ち、いわゆる白地部の画像形成を行っている。しかし、非光沢制御対象画素GN領域においても、光沢制御対象画素GM領域においてのように、1回目の画像形成工程と2回目の画像形成工程にトナー量を分けて、記録材上に画像形成を行っても良い。ただし、この場合、非光沢制御対象画素GN領域において1回目の画像形成工程で記録材上に画像形成するトナー量をN1mg/cm^2とする。また、2回目の画像形成工程で記録材上に画像形成するトナー量をN2mg/cm^2とする。このときの比率:N2/N1については次のようにする必要がある。即ち、光沢制御対象画素GM領域において1回目の画像形成工程で記録材上に画像形成するトナー量をM1mg/cm^2とする。また、2回目の画像形成工程で記録材上に画像形成するトナー量をM2mg/cm^2とする。このときの比率:M2/M1よりも上記の比率:N2/N1は小さくする必要がある。図8は、上記M1=0.25mg/cm^2、M2=0.25mg/cm^2、N1=0.375mg/cm^2、N2=0.125mg/cm^2のような画像形成工程を行う場合のルックアップテーブルである。(a)はテーブルGMLUT(4)_1を、(b)はテーブルGNLUT(4)_1を、(c)はテーブルGMLUT(4)_2を、(d)はテーブルGNLUT(4)_2を示している。
上記のグロスダウン補正モードを実行する画像形成装置をまとめると次のとおりである。光沢度領域指定手段によって指定された領域の画像部である指定画像部の光沢度をそれ以外の画像部である指定外画像部の光沢度よりもダウンさせた画像を記録媒体に形成する画像形成装置である。記録媒体に未定着のトナー像を形成する画像形成手段と、トナー像を定着する定着手段と、を有する。画像形成手段と定着手段により指定画像部のトナー量をM1、前記指定外画像部のトナー量をN1とした未定着のトナー像を記録媒体に形成して定着する第1の画像出力工程を実行する。第1の画像出力工程を経た記録媒体に対して、再度、画像形成手段と定着手段により前記指定画像部のトナー量をM2、前記指定外画像部のトナー量をN2とした未定着のトナー像を形成して定着する第2の画像出力工程を実行する。そして、前記トナー量の相互関係が、M2/M1>N2/N1、であることを特徴とする。また、上記のグロスダウン補正モードを実行する画像形成方法をまとめると次のとおりである。指定された領域の画像部である指定画像部の光沢度をそれ以外の画像部である指定外画像部の光沢度よりもダウンさせた画像を記録媒体に形成する画像形成方法である。指定画像部のトナー量をM1、指定外画像部のトナー量をN1とした未定着のトナー像を記録媒体に形成して定着する第1の画像出力工程を有する。第1の画像出力工程を経た記録媒体に対して、再度、指定画像部のトナー量をM2、指定外画像部のトナー量をN2とした未定着のトナー像を形成して定着する第2の画像出力工程を有する。そして、前記トナー量の相互関係が、M2/M1>N2/N1、であることを特徴とする。以上により、クリアトナーを用いることなく、コピーモード及びプリンタモードにおいて、出力画像の任意の領域について光沢を制御してグロスダウンさせることが可能となった。
2)グロスアップ補正モード:次に、コントローラBに入力された画像情報+光沢情報より、上記の光沢制御対象画素群GMをグロスアップする場合についてする。制御の概要は1)のグロスダウン補正モードと同様であり、ここでは異なる部分だけを説明する。RAM201には、光沢制御対象画素GMにおける入力画像情報とレーザー露光強度のルックアップテーブルGMLUT(1)、及び非光沢制御対象画素GNにおける入力画像情報とレーザー露光強度のルックアップテーブルGNLUT(1)が保存されている。テーブルGMLUT(1)には、1回目の画像形成工程において使用するテーブルGMLUT(1)_1と、2回目の画像形成工程において使用するテーブルGMLUT(1)_2の2種類が保存されている。テーブルGNLUT(1)には、1回目の画像形成工程において使用するテーブルGNLUT(1)_1と、2回目の画像形成工程において使用するテーブルGNLUT(1)_2の2種類が保存されている。図9は本実施例における、上記テーブルGMLUT(1)_1、GNLUT(1)_1、GMLUT(1)_2、GNLUT(1)_2を示した図である。(a)はテーブルGMLUT(1)_1を、(b)はテーブルGNLUT(1)_1を、(c)はテーブルGMLUT(1)_2を、(d)はテーブルGNLUT(1)_2を示している。図8と図6の(a)より、光沢制御対象画素GMにおいては、上記のテーブルGMLUT(1)_1により、1回目の画像形成工程で最大トナー載り量0.5mg/cm^2を最大トナー量とした画像形成が行われる。しかし、1回目の定着工程により定着された後の、2回目の画像形成工程においては、テーブルGMLUT(1)_2に示すように、トナーによる画像形成を行わない、いわゆる白地部の画像形成を行う。その後2回目の定着工程により、最終出力画像となる。また、非光沢制御対象画素GNにおいては、テーブルGNLUT(1)_1により、1回目の画像形成工程で最大トナー載り量0.5mg/cm^2の半分のトナー量である0.25mg/cm^2を最大トナー載り量とした画像形成が行われる。さらに、1回目の定着工程により定着された後、2回目の画像形成工程で、テーブルGNLUT(1)_2により、残りの半分のトナー量0.25mg/cm^2を最大トナー載り量とした画像形成が行われる。その後2回目の定着工程により、最終出力画像となる。上記のように、光沢制御対象画素GMにおいては、1回目の画像形成工程で全てのトナー量を載せ、非光沢制御対象画素GNにおいては、2回の画像形成工程に分けてトナーを記録材に載せるようにする。これにより、光沢制御対象画素GMのグロスが、非光沢制御対象画素GNにおけるグロスよりも高くなり、即ち、指定された領域である、グロスアップ補正領域のみグロスの高い最終出力画像を得ることができる。
図10の(a)は上記光沢制御対象画素GMの集合したグロスアップ補正領域と、それ以外の非光沢制御対象画素GNの集合体であるグロス補正を行わない領域のグロス差を示したグラフである。見てわかるように、グロスアップ補正を指定された光沢制御対象画素GMのグロスが、その他の画像領域である非光沢制御対象画素GNのグロスに対して、トナー量0.5mg/cm^2においては7%程度アップしていることがわかる。ここで、上記のように、グロスアップ補正を要求された領域以外の領域の画像形成工程を2回に分けて行うことで、指定された領域のグロスをアップさせることができる理由を簡単に述べる。図10の(b)乃至(e)は、グロスアップ補正モードにおいて、記録材上に載った光沢制御対象画素GM領域と非光沢制御対象画素GN領域におけるトナーの様子を示した模式図である。(b)は1回目の画像形成工程後のトナーの様子である。(c)は1回目の定着工程後のトナーの様子である。(d)は2回目の画像形成工程後のトナーの様子である。(e)は2回目の定着工程後のトナーの様子である。見てわかるように、定着工程を1度しか通っていない非光沢制御対象画素GN領域のトナー表層部よりも、2度定着部を通っている光沢制御対象画素GM領域のトナー表層部の方が凹凸のほとんどない平坦な形状をなしている。従って、光沢制御対象画素GM領域のグロスを、非光沢制御対象画素GN領域のグロスよりも高くでき、グロスアップ補正モードにおいて指定された領域のグロスを上げた最終出力画像を得ることができた。
また、上記においては、光沢制御対象画素GM領域において、1回目の画像形成工程で0.5mg/cm^2のトナー量による画像形成を記録材上に行う。そして、2回目の画像形成工程においては0mg/cm^2のトナー量による画像形成、即ちいわゆる白地部の画像形成を行っている。しかし、光沢制御対象画素GM領域においても、非光沢制御対象画素GN領域においてのように、1回目の画像形成工程と2回目の画像形成工程にトナー量を分けて、記録材上に画像形成を行っても良い。ただし、この場合、光沢制御対象画素GM領域において1回目の画像形成工程で記録材上に画像形成するトナー量をM3mg/cm^2とする。また、2回目の画像形成工程で記録材上に画像形成するトナー量をM4mg/cm^2とする。このときの比率:M4/M3については次のようにする必要がある。即ち、非光沢制御対象画素GN領域において1回目の画像形成工程で記録材上に画像形成するトナー量をN3mg/cm^2とする。また、2回目の画像形成工程で記録材上に画像形成するトナー量をN4mg/cm^2とする。このときの比率:N4/N3よりも上記の比率:M4/M3は小さくする必要がある。図11は、上記M3=0.375mg/cm^2、M4=0.125mg/cm^2、N3=0.25mg/cm^2、N4=0.25mg/cm^2のような画像形成工程を行う場合のルックアップテーブルである。(a)はテーブルGMLUT(5)_1を、(b)はテーブルGNLUT(5)_1を、(c)はテーブルGMLUT(5)_2を、(d)はテーブルGNLUT(5)_2を示している。また、これらのテーブルは、図6の(a)に示すレーザー露光強度と紙上のトナー載り量の相関により決定される。
上記のグロスアップ補正モードを実行する画像形成装置をまとめると次のとおりである。光沢度領域指定手段によって指定された領域の画像部である指定画像部の光沢度をそれ以外の画像部である指定外画像部の光沢度よりもアップさせた画像を記録媒体に形成する画像形成装置である。記録媒体に未定着のトナー像を形成する画像形成手段と、トナー像を定着する定着手段と、を有する。画像形成手段と定着手段により指定画像部のトナー量をM3、前記指定外画像部のトナー量をN3とした未定着のトナー像を記録媒体に形成して定着する第1の画像出力工程を実行する。第1の画像出力工程を経た記録媒体に対して、再度、画像形成手段と定着手段により前記指定画像部のトナー量をM4、前記指定外画像部のトナー量をN4とした未定着のトナー像を形成して定着する第2の画像出力工程を実行する。そして、前記トナー量の相互関係が、M4/M3<N4/N3、であることを特徴とする。また、上記のグロスアップ補正モードを実行する画像形成方法をまとめると次のとおりである。指定された領域の画像部である指定画像部の光沢度をそれ以外の画像部である指定外画像部の光沢度よりもアップさせた画像を記録媒体に形成する画像形成方法である。指定画像部のトナー量をM3、指定外画像部のトナー量をN3とした未定着のトナー像を記録媒体に形成して定着する第1の画像出力工程を有する。第1の画像出力工程を経た記録媒体に対して、再度、指定画像部のトナー量をM4、指定外画像部のトナー量をN4とした未定着のトナー像を形成して定着する第2の画像出力工程を有する。そして、前記トナー量の相互関係が、M4/M3<N4/N3、であることを特徴とする。以上により、クリアトナーを用いることなく、コピーモード及びプリンタモードにおいて、出力画像の任意の領域について光沢を制御してグロスアップさせることが可能となった。
[実施例2]
本実施例においては、実施例1と略同一の画像形成動作、本体装置構成をなしているため異なる部分についてその説明を行う。本実施例においては、グロスアップ補正モード、及びグロスダウン補正モードにおいて、補正のレベルを指定でき、さらにそのレベルに従って画像形成条件を変更するというものである。即ち、指定画像部の光沢度レベルを指定できる光沢度指定手段を有し、指定された光沢度レベルにより、指定画像部に関する第1の画像出力工程における画像形成条件及び第2の画像出力工程における画像形成条件が変更されることを特徴とする。
コピーモードにおいて、上記レベルの補正を行う方法は次のとおりである。即ち、実施例1において、図2の(b)と(c)、図4の(a)と(b)により説明したと同じ操作要領により、グロスの補正方向(アップ/ダウン)の選択と、原稿画像/グロス指定用原稿画像の読み込みまで行う。その後に、操作部Dにおいて、上記レベルの指定を行う。図12の(a)はそのレベル指定を行う液晶表示部406の画面である。レベル1乃至レベル3の選択キーj・k・lのどれかを選択し、OKキーmを押す。ここで、上記レベル2の補正レベルとは、実施例1に示した指定された領域のグロスを、トナー載り量0.5mg/cm^2において、7%程度アップ又はダウンさせる場合(図6の(b)、図10の(a))の補正レベルを示している。従って、レベル2を選択した場合、実施例1に示したように、グロスダウン補正モードの場合は、図5に示したようなテーブルGMLUT(0)_1、GNLUT(0)_1、GMLUT(0)_2、GNLUT(0)_2を用いて画像形成工程が実行される。また、グロスアップ補正モードの場合は、図9に示したようなテーブルGMLUT(1)_1、GNLUT(1)_1、GMLUT(1)_2、GNLUT(1)_2を用いて画像形成工程が実行される。また、レベル1とは、指定した領域のグロスアップ及びグロスダウンの幅をレベル2(実施例1)よりも小さくする場合である。また、レベル3とは指定した領域のグロスアップ及びグロスダウンの幅をレベル2(実施例1)よりも大きくする場合である。これらが選択された場合においては、上記したルックアップテーブルとは異なるルックアップテーブルを使用し、画像形成工程を行う。ここで、実施例2は図2の(b)と(c)、図4の(a)と(b)の操作を実施した後に、図12の(a)の画面が自動的に出てくる実施例としている。グロス補正のレベル指定を行うまでは、実施例1と同様であるため、図2と図4及び操作手順を引用している。
以下にルックアップテーブルの説明を行うが、ここでは、グロスダウン補正モードの場合の補正レベル、レベル1、及びレベル3が選択された場合についてのみの説明を行う。RAM201には、レベル1を選択した場合の、光沢制御対象画素GMにおける入力画像情報とレーザー露光強度のテーブルGMLUT(2)、及び非光沢制御対象画素GNにおける入力画像情報とレーザー露光強度のテーブルGNLUT(2)が保存されている。上記テーブルGMLUT(2)には、1回目の画像形成工程において使用するテーブルGMLUT(2)_1と、2回目の画像形成工程において使用するGMLUT(2)_2の2種類が保存されている。また、上記テーブルGNLUT(2)には、1回目の画像形成工程において使用するテーブルGNLUT(2)_1と、2回目の画像形成工程において使用するテーブルGNLUT(2)_2の2種類が保存されている。図12の(b)乃至(e)は本実施例において、グロスダウン補正モードの補正レベル1を選択した場合の上記テーブルGMLUT(2)_1、GNLUT(2)_1、GMLUT(2)_2、GNLUT(2)_2を示した図である。(a)はテーブルGMLUT(2)_1を、(b)はテーブルGNLUT(2)_1を、(c)はテーブルGMLUT(2)_2を、(d)はテーブルGNLUT(2)_2を示している。
従って、図12の(b)乃至(e)と図6の(a)より、光沢制御対象画素GMにおいては、上記のテーブルGMLUT(2)_1により次のような画像形成が行われる。即ち、1回目の画像形成工程で最大トナー載り量0.5mg/cm^2の3/4のトナー量である0.375mg/cm^2を最大トナー載り量とした画像形成が行われる。さらに、1回目の定着工程により定着される。そして、2回目の画像形成工程で、テーブルGMLUT(2)_2により、残りの1/4のトナー量0.125mg/cm^2を最大トナー載り量とした画像形成が行われ、その後2回目の定着工程により、最終出力画像となる。また、非光沢制御対象画素GNにおいては、上記のテーブルGNLUT(2)_1により、1回目の画像形成工程で最大トナー載り量0.5mg/cm^2を最大トナー量とした画像形成が行われる。しかし、1回目の定着工程により定着された後の、2回目の画像形成工程においては、テーブルGNLUT(2)_2に示すように、トナーによる画像形成を行わない、いわゆる白地部の画像形成を行う。その後2回目の定着工程により、最終出力画像となる。
図13は本実施例において、グロスダウン補正モードの補正レベル3を選択した場合の上記テーブルGMLUT(3)_1、GNLUT(3)_1、GMLUT(3)_2、GNLUT(3)_2を示した図である。(a)はテーブルGMLUT(3)_1を、(b)はテーブルGNLUT(3)_1を、(c)はテーブルGMLUT(3)_2を、(d)はテーブルGNLUT(3)_2を示している。従って、図13と図6の(a)より、光沢制御対象画素GMにおいては、上記のテーブルGMLUT(3)_1により次のような画像形成が行われる。即ち、1回目の画像形成工程で最大トナー載り量0.5mg/cm^2の1/4のトナー量である0.125mg/cm^2を最大トナー載り量とした画像形成が行われる。さらに、1回目の定着工程により定着される。そして、2回目の画像形成工程で、テーブルGMLUT(3)_2により、残りのトナー量0.375mg/cm^2を最大トナー載り量とした画像形成が行われ、その後2回目の定着工程により、最終出力画像となる。また、非光沢制御対象画素GNにおいては、上記のテーブルGNLUT(3)_1により、1回目の画像形成工程で最大トナー載り量0.5mg/cm^2を最大トナー量とした画像形成が行われる。しかし、1回目の定着工程により定着された後の、2回目の画像形成工程においては、テーブルGNLUT(3)_2に示すように、トナーによる画像形成を行わない、いわゆる白地部の画像形成を行う。その後2回目の定着工程により、最終出力画像となる。
図14の(a)は、上記レベル1、レベル3、及び実施例1に示したレベル2の補正レベルにより、それぞれに対応したルックアップテーブルを使用したときのグロス差を示したグラフである。即ち、各レベルにおいて、光沢制御対象画素GMの集合したグロスアップ補正領域と、それ以外の非光沢制御対象画素GNの集合体であるグロス補正を行わない領域のグロス差を示したグラフである。グロスダウン補正を指定された光沢制御対象画素GMのグロスが、その他の画像領域である非光沢制御対象画素GNのグロスに対してグロスダウンしている。即ち、トナー量0.5mg/cm^2においては、レベル1では3%程度、レベル2では7%程度、レベル3では10%程度、グロスダウンしている。ここで、上記のように、グロスダウン補正レベルを異ならせる場合に、光沢制御対象画素GMにおけるルックアップテーブルを上記のように変更することで、グロスダウン幅を変えられる理由は次のとおりである。即ち、定着工程を1度しか通らない光沢制御対象画素GMの2回目に画像形成されるトナー量を制御することで、定着工程でのトナー層表面の平坦な形状を制御するためである。つまり、1度しか定着工程を通らないトナー層の層厚が厚いほど1度の定着工程で、平滑な表面を形成することができない。そのため、補正レベル3のようにグロス差の大きい補正が選択された際には、光沢制御対象画素GMの2回目の画像形成工程で載せるトナー量を相対的に増やしている。
以上は、グロスダウン補正モードの説明であるが、グロスアップ補正モードにおいても、実施例1と同様に異なるルックアップテーブルを用いることで実行可能であるため、ここでは説明を省略する。以上のような、グロス補正レベルに対して複数のルックアップテーブルを用意し、レベルによって使い分けることで、グロスアップ及びグロスダウンのレベルの制御を、クリアトナーを用いない画像形成装置において可能となった。図14の(b)は、本実施例における、グロスアップ補正領域及びグロスダウン補正領域の形成方法、及びレベル補正の仕方を示すフローチャートである。
[実施例3]
実施例1、及び2については、モノクロ画像形成装置による例を示した。本発明は、カラー画像形成装置においても、カラー画像におけるグロスアップ領域/及びグロスダウン領域の存在する出力画像の形成が可能である。即ち、実施例1及び2において説明してきたような入力画像信号に対するレーザー露光強度のルックアップテーブルの使い分けを、各色の画像形成部において実行する。これにより、カラー画像におけるグロスアップ領域/及びグロスダウン領域の存在する出力画像の形成が可能である。本実施例においては、カラー画像形成装置における、本発明の適用例の説明を行う。
図15は本実施例におけるカラー画像形成装置100の断面模式図である。この装置100は、ブラック(K)トナー、シアン(C)トナー、マゼンタ(M)、イエロー(Y)によるフルカラートナー像を形成する、電子写真方式のデジタル−カラー画像形成装置である。図1の(a)のデジタル−モノクロ画像形成装置と共通する構成部材・部分については同じ符号を付して再度の説明を省略する。画像形成部Aには図面上右側から左側に第1乃至第4の画像形成部AK・AC・AM・AYの4つの画像形成部が配設されている。各画像形成部は、それぞれ、図1の(a)の画像形成装置の画像形成部Aと同様の電子写真画像形成機構である。第1の画像形成部AKにおいてはドラム1にKトナー像が形成される。第2の画像形成部ACにおいてはドラム1にCトナー像が形成される。第3の画像形成部AMにおいてはドラム1にMトナー像が形成される。第4の画像形成部AYにおいてはドラム1にYトナー像が形成される。そして、各画像形成部のドラム上に形成されたトナー像が中間転写ベルト7に対して所定に重畳されて順次に1次転写される。これにより、ベルト7上にKトナー、Cトナー、Mトナー、Yトナーによるフルカラートナー像が合成されて形成される。そのフルカラートナー像が2次転写ニップ部T2にて記録材Pに一括して2次転写される。その記録材Pが定着装置21に導入されてトナー像の定着を受けてフルカラー画像形成物として出力される。
部分グロスダウン処理モード或いは部分グロスアップ処理モードにおいては、実施例1と同様に、1回目の画像形成工程と1回目の定着工程を受けた記録材が再搬送路26に導入されて、再び2次転写ニップ部T2に導入される。このニップ部T2で、2回目の画像形成工程にてベルト7上に形成されたトナー像の転写を受け、再度定着装置21に導入されて2回目の定着工程を受け、最終出力画像として出力される。本実施例の光沢処理モード(部分グロスダウン処理モード、部分グロスアップ処理モード)における1回目、及び2回目の画像形成工程は次のように実行している。即ち、実施例1及び2において説明してきたような入力画像信号に対するレーザー露光強度のルックアップテーブルの使い分けを、各色の画像形成部において実行する。これにより、カラー画像におけるグロスアップ領域/及びグロスダウン領域の存在する出力画像の形成を行っている。ここでは、YトナーとMトナーの2次色画像形成領域の選択された領域において、部分グロスダウンモードが選択された場合について、簡単に説明する。実施例1と同様に、上記選択された領域における各画素を光沢制御対象画素GMとし、その他の領域における各画素を非光沢制御対象画素GNとする。Y色の光沢制御対象画素GMの入力画像情報とレーザー露光強度のルックアップテーブルGM−Y−LUT(0)がコントローラBのRAM(不図示)に保存されている。Y色の非光沢制御対象画素GNの入力画像情報とレーザー露光強度のルックアップテーブルGN−Y−LUT(0)もRAMに保存されている。また、M色の光沢制御対象画素GMの入力画像情報とレーザー露光強度のルックアップテーブルGM−M−LUT(0)、及び非光沢制御対象画素GNの入力画像情報とレーザー露光強度のルックアップテーブルGN−M−LUT(0)もRAMに保存されている。また、上記テーブルGM−Y−LUT(0)には、1回目の画像形成工程において使用するテーブルGM−Y−LUT(0)と、2回目の画像形成工程において使用するテーブルGM−Y−LUT(0)_2の2種類が保存されている。また、上記テーブルGN−Y−LUT(0)には、1回目の画像形成工程において使用するテーブルGN−Y−LUT(0)_1と、2回目の画像形成工程において使用するテーブルGN−Y−LUT(0)_2の2種類が保存されている。また、上記テーブルGM−M−LUT(0)には、1回目の画像形成工程において使用するテーブルGM−M−LUT(0)_1と、2回目の画像形成工程において使用するテーブルGM−M−LUT(0)_2の2種類が保存されている。また、上記テーブルGN−M−LUT(0)には、1回目の画像形成工程において使用するテーブルGN−M−LUT(0)_1と、2回目の画像形成工程において使用するテーブルGN−M−LUT(0)_2の2種類が保存されている。
図16は本実施例における上記の各テーブルを示した図である。(a)はテーブルGM−Y−LUT(0)_1、(b)はテーブルGN−Y−LUT(0)_1、(c)はテーブルGM−M−LUT(0)_1、(d)はテーブルGN−M−LUT(0)_1を示している。また、(e)はテーブルGM−Y−LUT(0)_2、(f)はテーブルGN−Y−LUT(0)_2、(g)はテーブルGM−M−LUT(0)_2、(h)はテーブルGN−M−LUT(0)_2を示している。図16より、光沢制御対象画素GMにおいては次のような画像形成が行われる。即ち、テーブルGM−Y−LUT(0)_1、GM−M−LUT(0)_1により、1回目の画像形成工程でY色及びM色とも最大トナー載り量0.5mg/cm^2の半分のトナー量である0.25mg/cm^2を最大トナー載り量とした画像形成が行われる。さらに、1回目の定着工程により定着される。2回目の画像形成工程で、テーブルGN−Y−LUT(0)_2、GN−M−LUT(0)_2により、残りの半分のトナー量0.25mg/cm^2を最大トナー載り量とした画像形成が行われ、その後2回目の定着工程により、最終出力画像となる。また、図16より、非光沢制御対象画素GNにおいては次のような画像形成が行われる。テーブルGN−Y−LUT(0)_1、GN−M−LUT(0)_1により、1回目の画像形成工程でY色及びM色とも最大トナー載り量0.5mg/cm^2、2色合計1.0mg/cm^2を最大トナー量とした画像形成が行われる。しかし、1回目の定着工程により定着された後の、2回目の画像形成工程においては、テーブルGM−Y−LUT(0)_2、GM−M−LUT(0)_2に示すように、Y色及びM色ともトナーによる画像形成を行わない、いわゆる白地部の画像形成を行う。その後2回目の定着工程により、最終出力画像となる。
上記のように、光沢制御対象画素GMにおいては、2回の画像形成工程に分けてトナーを記録材に載せ、非光沢制御対象画素GNにおいては、1回目の画像形成工程で各色とも全てのトナー量を載せるようにする。これにより、光沢制御対象画素GMのグロスが、非光沢制御対象画素GNにおけるグロスよりも低くなる。即ち、指定された領域である、グロスダウン補正領域のみグロスの低い最終出力画像を得ることができる。図17は、グロスダウン補正モードにおいて、記録材上に載った光沢制御対象画素GM領域と非光沢制御対象画素GN領域におけるトナーの様子を示した模式図である。(a)は1回目の画像形成工程後のトナーの様子である。(b)は1回目定着工程後のトナーの様子である。(c)は2回目の画像形成工程後のトナーの様子である。(d)は2回目の定着工程後のトナーの様子である。見てわかるように、2度定着部を通っている非光沢制御対象画素GN領域のトナー表層部よりも、定着工程を1度しか通っていない光沢制御対象画素GM領域のトナー表層部の方が凹凸のある、即ちグロスの低い形状をなしている。従って、光沢制御対象画素GM領域のグロスを、非光沢制御対象画素GN領域のグロスよりも低くでき、グロスダウン補正モードにおいて指定された領域のグロスを下げた最終出力画像を得ることができた。