JP5408118B2 - 炊飯器 - Google Patents

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Description

本発明は、米飯等の被加熱物を入れた鍋状容器を本体内に収容して加熱調理する炊飯器に関する。
近年は炊飯終了後に自動的に所定温度(60〜70℃)で保温する炊飯器が普及し、いつでも温かい状態の米飯を食べることができるようになっている。しかし、保温した米飯は炊きたてのものに比べて黄ばみや乾燥、特有の臭い(保温臭)などで美味しさが損なわれることが知られている。上記のような食味の低下は保温温度が高ければ高いほど、また保温時間が長ければ長いほど起こりやすい。そして、米飯を保温するためには多くの電力が必要である。このように、保温は便利な反面、美味しさや省エネには反する。
また、保温するよりも冷凍するほうが長期間保存でき、保温条件によっては冷凍して再加熱するほうが省エネであったり、食味の低下を防ぐことができることから、米飯を冷凍保存する人が増えている。米飯を冷凍保存する人にとっては、炊飯後に自動的に再加熱されて保温されるような機能は、この後に冷凍することを考えると余分な熱が加えられただけでなく省エネにも反し、不必要だといえる。
そこで従来の炊飯器には、米飯を長時間保温する場合、内容器保温温度を、通常保温温度と、該通常保温温度よりも低い低温保温温度とで保温制御する米飯の保温制御方法において、低温保温制御から通常保温制御に復帰した場合、手動操作によっては低温保温制御に移行しないようにする米飯の保温制御方法を有するものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、炊飯終了後において加熱手段である保温ヒータへの通電時間を短縮した省エネ保温制御を実行する炊飯器がある(例えば、特許文献2参照)。
特開平07−313354号公報(0024、0025) 特開2006−271666号公報(要約、図4)
しかしながら、従来の炊飯器では、省エネ保温制御あるいは低温保温制御において加熱手段への通電を1回または所定回数行った後に保温を終了としているため、少なからず電力を消費するので、省エネの観点では十分とは言えなかった。
本発明に係る炊飯器は、被加熱物を入れる鍋状容器と、前記鍋状容器を加熱し炊飯および保温を行なう加熱手段と、前記鍋状容器の温度を検知する温度検知手段と、前記加熱手段に通電せずに行う自然冷却制御と、前記加熱手段を駆動制御して前記鍋状容器を余熱保温終了よりも高い温度に保つ高温保温制御と、前記加熱手段を駆動制御して前記鍋状容器を余熱保温終了時以下の温度に保つ低温保温制御の少なくともいずれかを実行する制御手段と、前記制御手段に信号を送る操作部と、を備え、炊飯終了後の余熱保温中に前記温度検知手段が所定温度を検知する、または余熱保温開始から所定時間を経過すると、前記制御手段は、前記操作部により高温保温制御が選択されていると判断した場合は、高温保温制御を行い、前記操作部により高温保温制御が選択されていないと判断した場合は、余熱保温終了から所定時間は保温を保留し、前記操作部にて行なわれた設定に基づいて前記低温保温制御と、前記自然冷却制御のいずれか一つを選択する。

本発明に係る炊飯器は、被加熱物を入れる鍋状容器と、鍋状容器を加熱し炊飯および保温を行なう加熱手段と、鍋状容器の温度を検知する温度検知手段と、加熱手段に通電せずに行う自然冷却制御および加熱手段を駆動制御して鍋状容器を余熱保温終了よりも高い温度に保つ高温保温制御を実行する制御手段と、制御手段に信号を送る操作部と、を備え、炊飯終了後の余熱保温中に温度検知手段が所定温度を検知する、または余熱保温開始から所定時間を経過すると、制御手段は、操作部にて行なわれた設定に基づいて高温保温制御および自然冷却制御のいずれかを選択する。
本発明に係る炊飯器によれば、炊飯後の余熱保温による自然冷却後の保温制御の種類を高温保温制御、低温保温制御、自然冷却制御の中から選択することによって、必要以上に加熱手段に通電しないため、より省エネな保温制御を実行することができる。
この発明の実施の形態1に係る炊飯器の構成を示す断面模式図である。 この発明の実施の形態1に係る炊飯器の保温工程の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に係る保温中の鍋状容器の鍋底温度の推移と加熱コイルへ通電する電力を示すグラフである。 この発明の実施の形態1に係る炊飯器の保温工程の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2に係る炊飯器の保温工程の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2に係る炊飯器の構成を示す断面模式図である。 この発明の実施の形態2に係る炊飯器の保温工程の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2に係る炊飯器の保温工程の動作を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る炊飯器の実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る炊飯器の構成を示す断面模式図である。
図1において、炊飯器100は、例えば外観が有底筒状に形成された本体1と、外蓋10aと内蓋10bとで構成される蓋体10とを備える。本体1は、容器カバー2と、加熱手段として加熱コイル3と、鍋底温度センサ4と、蓋体を開閉自在に支持するヒンジ部6と、制御手段8と、を備えている。なお、加熱手段として、加熱コイル3に代えてシーズヒーターを設けてもよい。
容器カバー2は、有底筒状に形成されていて、その内部に鍋状容器5が着脱自在に収容される。鍋状容器5の中には被加熱物である米15が入れられており、水16を規定量まで注がれる。容器カバー2の底部中央には、鍋底温度センサ4を挿入させる孔部2aが設けられている。鍋底温度センサ4は、例えばサーミスタからなる。
外蓋10aは、上面に操作/表示部13が設けられているとともに、内蓋10bまで貫通するカートリッジ12が着脱自在に取り付けられている。このカートリッジ12には、炊飯中に発生する蒸気圧に応じて上下動する弁を備えた蒸気取入口12aと、蒸気取入口12aの弁を通過した蒸気を外部へ排出する蒸気排出口12bとが設けられている。
内蓋10bは、外蓋10aの本体1側の面に係止材11を介して取り付けられている。内蓋10bの周縁部には、鍋状容器5の上端部外周に形成されたフランジ部5aとの密閉性を確保するためのシール材の蓋パッキン9が取り付けられている。また、内蓋10bには、鍋状容器5内の温度を検知する例えばサーミスタからなる内部温度センサ14が取り付けられている。
制御手段8は、鍋底温度センサ4、操作/表示部13、及び含水率検知手段からの出力に基づいて加熱コイル3へ通電する高周波電流を制御するほか、炊飯器の動作全般を制御する。制御手段8は、その機能を実現する回路デバイスのようなハードウェアで構成することもできるし、マイコンやCPUのような演算装置と、その上で実行されるソフトウェアとにより構成することもできる。
次に、本実施の形態1に係る炊飯器の保温工程の動作について説明する。
図2は、実施の形態1に係る炊飯器の炊飯工程を示すフローチャートである。
まず、炊飯工程が終了するとステップS1で保温工程が開始される。保温が開始すると、余熱保温工程に入る。余熱保温工程は炊飯終了時の余熱のみで鍋状容器5を保温し、加熱コイル3への通電は行なわない。換言すると、余熱保温工程では鍋状容器5を自然冷却する。その後S2で鍋底温度センサ4の検知温度Tが所定温度T1より低いか判定する。ステップS2にて、検知温度Tが所定温度T1よりも低いと判定されると、ステップS3で余熱保温工程終了を報知する。この際の報知方法は、例えば操作/報知部13にてLEDを点灯させればよい。なお、所定温度T1はあらかじめ任意の値を制御手段8に設定可能である。
なお制御手段8は、S2で温度による判定を行う代わりに、炊飯終了後の余熱保温開始からの経過時間を計時し、経過時間が所定値を越えたときに余熱保温工程終了と判定することも可能である。この場合は、あらかじめ制御手段8に該判断を行う経過時間を設定しておけばよい。
余熱保温工程終了後は第2の保温工程に入る。そしてステップS4で制御手段5中の時間計測手段により時間が計測され、ステップS5で制御手段8は操作/表示部13で鍋状容器5の温度を高温で保温する高温保温制御が選択されているかどうか判定する。なお、高温保温制御が選択されているかを判定する方法としては、例えばユーザがあらかじめ操作/表示部13にて操作選択し、その設定を制御手段8が記憶し、実行する方法が考えられる。なお、このあらかじめ行う操作は炊飯前から余熱保温終了までのどのタイミングでも行うことができ、選択後も別の制御への変更やどちらも選んでいない状態にするリセット等を自由に行うことができる。
図3は保温中の鍋状容器5の保温温度の推移と加熱コイル3への通電される電力を示すグラフである。(a)は余熱保温および高温保温と低温保温時の鍋状容器5の温度と時間の関係をあらわしており、縦軸は温度、横軸は時間となっている。(b)は高温保温制御時に加熱コイル3に通電する際に制御手段5が行う制御である。縦軸は投入電力、横軸は時間である。(c)は低温保温制御時に加熱コイル3に通電する際に制御手段5が行う制御である。縦軸は投入電力、横軸は時間である。
ステップS5で高温保温制御が選択されていると判定したら、ステップS6で制御手段5は加熱コイル3への通電・遮断を繰り返し、鍋状容器温度Tが所定温度T1よりも高い温度T2となるように鍋状容器内の米飯を保温する。このとき、LEDを点灯させるなどして高温保温制御を行っていることを表示しても良い。ステップS7において保温終了操作がされるとステップS11にて加熱コイル3への通電を止め高温保温制御が終了する。保温制御終了後は待機状態へと移行する。待機状態中に操作/表示部13にて操作が行われると、待機状態を終了し入力された操作を実行する。
ステップS5で高温保温制御が選択されていないと判定されると、ステップS8にて所定時間保温判定保留する。この際、所定時間t1のあいだ加熱コイル3への通電は行わない。これにより、あらかじめ操作/表示部13で行った設定から別の保温制御を選択するための猶予をユーザに与えることができる。所定時間t1経過後に、まだ高温保温制御が選択されていないと判定されると、ステップS9の低温保温制御に進む。低温保温制御では、加熱コイル3への通電・遮断を繰り返すことによって、鍋状容器温度Tが所定温度T1以下の温度T3となるように鍋状容器5内の米飯を保温する。このときの所定温度T3は高温保温制御にて保温される所定温度T2よりも小さい。ステップS10において保温終了操作がされるとステップS11にて加熱コイル3への通電を止め低温保温制御が終了する。保温制御終了後は待機状態へと移行する。待機状態中に操作/表示部13にて操作が行われると、待機状態を終了し入力された操作を実行する。
ところで、本実施の形態ではステップS8にて余熱保温終了から所定時間経過後、低温保温制御にて加熱コイル3へ通電・遮断を繰り返して保温したが、所定時間内に保温制御の選択がされていない場合は所定時間経過後、加熱コイル3への通電を行わず自然冷却する制御を行うこともできる。
図4は低温保温制御において、加熱コイル3への通電を行わず自然冷却する制御を行う際のフローチャートである。
図4において、ステップS21〜ステップS27までは、本実施の形態において述べたステップS1〜ステップS7と同一であるため、説明を省略する。ステップS25で高温保温制御が選択されていないと判定されると、ステップS28にて所定時間保温判定保留する。この際、所定時間t1のあいだ加熱コイル3への通電は行わない。その後、所定時間内に高温保温も低温保温も選択されなかった場合は、保温制御を終了し、そのまま加熱コイル3への通電を行わない自然冷却制御へ移行する。自然冷却制御中は待機状態であり、操作/表示部13にて操作が行われた際は待機状態を終了し、入力された操作を実行する。
以上のように、本実施の形態では、保温開始初期の余熱保温工程では余熱を利用し、加熱コイル3への通電をせずに保温することで電力の消費を確実に抑えることができ、炊きあがり後に必要以上に再加熱しないことで米飯の食味低下を抑えることができる。
また、高温保温制御するか低温保温制御するか自然冷却制御するかが選択可能であることで、ユーザの所望どおりの保温制御を実行することができる。この際、低温保温は米飯の食味の低下を抑制することができ、省エネであるという特徴があり、高温保温は腐敗菌の増殖の危険性をより長時間抑制することができるという特徴があるため、省エネ意識の高いユーザや美味しさを重視するユーザは低温保温を、できるだけ長時間保温しておきたいユーザは高温保温を選択可能にすることで、利便性の高い保温制御を提供することができる。また、余熱保温終了からの所定時間経過後、加熱コイルへの通電を行わない自然冷却制御に移行することによって、鍋状容器5内の米飯量が極めて少ないときに、加熱しすぎて米飯が乾燥することを防ぎ、また、電力の消費を確実に抑え省エネとなるので、より一層ユーザのニーズにあった保温制御を提供することができる。
また、所定時間内に高温保温も低温保温も選択されなかった場合に自然冷却制御へ移行することによって、ユーザは保温制御を選択する必要が無いので、操作の簡略化が可能となる。
また、音声出力やLED点灯表示などによって余熱保温工程終了を報知することで、その後保温を延長するならば電力を消費するような保温状態になるとユーザが認識することができ、省エネ意識の向上につながる。
また、余熱保温工程終了の判定を、鍋底温度センサ4の検知温度Tではなく、炊飯終了からの経過時間とすることによって、第2の保温工程に移行するタイミングがユーザにもあらかじめ分かるため、意図しない間に保温が延長される、もしくは保温が切れるといった問題を回避することができる。
また、第2の保温工程での低温保温制御において鍋状容器5の保温温度T3は、余熱保温工程終了を判定する所定温度T1と同じとすることで、第2の保温工程に移行したときに、鍋状容器5を再加熱する必要がなく、省エネである。また、再加熱などで鍋状容器5の単位時間あたりの温度変化が大きくなると、米飯の乾燥や内蓋10bへの結露など米飯が劣化しやすくなるが、保温温度T3を所定温度T1と同じとすることで上記の問題を回避することができる。
また、保温判定を所定時間t1のあいだ加熱コイル3に通電しないで待つことによって、あらかじめ操作/表示部13で行った設定から別の保温制御を選択するための猶予をユーザに与えることができる。さらに、この間加熱コイル3へ通電しないので、例えば所定時間t1を長めに取った場合、さらに省エネを促進することができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、余熱保温工程終了後に行う保温の種類の選択を操作部の設定で決めたが、本実施の形態は、その選択を余熱保温工程中の鍋状容器の状態、例えば鍋状容器中の米飯量に基づいて判定するものである。
なお、本実施の形態では実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同一のものには同一の符号を付す。
本実施の形態に係る炊飯器の構成は実施の形態1と同様のため、説明を省略する。
図5は、実施の形態2に係る炊飯器の保温工程を示すフローチャートである。
炊飯工程が終了するとステップS31で保温工程が開始される。保温が開始すると、余熱保温工程に入る。余熱保温工程では加熱コイル3への通電をせずに鍋状容器5を自然冷却する。そしてステップS32で制御手段8中の時間計測手段により時間が計測され、ステップS33で鍋底温度センサ4の検知温度Tが所定温度T1、例えば70℃よりも低いと判定されると、ステップS34で余熱保温終了を報知する。
余熱保温工程終了後はステップS35の所定温度到達時間判定に移行する。ステップS35で検知温度Tが所定温度T1に到達するまでの時間tが所定時間ta以上の場合は、ステップS36に進む。
ステップS36では高温保温制御として鍋状容器温度Tが余熱保温終了時以上である所定温度T2となるように加熱コイル3への通電・遮断を繰り返し、鍋状容器内の米飯を保温する。その後ステップS37において保温終了操作がされるとステップS40で加熱コイル3への通電を止めて高温保温制御が終了する。ステップS35で所定温度T1に到達するまでの時間tが所定時間taより小さい場合は、ステップS38に進む。ステップ38では低温保温制御として鍋状容器温度Tが余熱保温終了時より低い所定温度T3となるように加熱コイル3への通電・遮断を繰り返し、鍋状容器内の米飯を保温する。その後ステップS39において保温終了操作がされるとステップS40で加熱コイル3への通電を止めて低温保温制御が終了する。
このように本実施の形態では、米飯重量を余熱保温工程中に鍋底温度センサが所定温度を検知するまでの時間にて推測する。つまり検知するまでの時間が長ければ米飯量が多く、短ければ米飯量が少ないと判定する。ここで、鍋状容器5内に入っている米飯の量が少ない場合、鍋状容器5内の空気層(ヘッドスペース)が大きくなるため、乾燥が進みやすく食味の低下が起こりやすい傾向がある。そのため、米飯量が少ないほど、低温保温制御に移行したほうが好ましいといえる。したがって米飯量が少ないと推定されうる場合には、制御手段8はユーザによる操作/表示部13の設定に依らずとも自動的に低温保温制御に移行する。
以上のように、本実施の形態では、実施の形態1の効果に加えて、余熱保温後に行う保温の種類の選択を余熱保温工程中に鍋底温度センサが所定温度を検知するまでの時間に基づいて判定することで鍋状容器5の状態にあった保温制御を実行することができる。つまり、ユーザが余熱保温工程後の動作をわざわざ設定する必要がなく、手間を省くことができる。なお、本実施の形態にて余熱保温工程終了を余熱保温開始からの経過時間によって判定する場合は、米飯量による鍋状容器5温度の単位時間当たりの温度勾配に対応したデータを制御手段8に設定し、それを参照し制御手段8にて余熱保温判定を行う経過時間を決定すればよい。
なお、本実施の形態では、余熱保温工程終了後に高温保温制御を実行するか低温保温制御を実行するかの判定を余熱保温工程中に鍋底温度センサが所定温度を検知するまでの時間に基づいて判定したが、その選択を、鍋状容器5内の米飯の重量を重量センサで測定した結果に基づいて行っても良い。
図6は重量センサを設けた炊飯器の構成である。
図6において、炊飯器200の下部には重量センサ17が設けられている。なお、重量センサ17は本発明の重量検知手段に相当する。重量センサ17は炊飯器200の総重量を検知し、その結果に基づいて制御手段8は、重量センサが検知した炊飯器200の総重量と、あらかじめ入力されている炊飯器200の総重量との差分量を鍋状容器5に入れられた米飯の重量と判断する。なお、重量センサ17を直接鍋状容器5の重量が測定できる位置に設けた場合は、制御手段8は重量センサが検知した鍋状容器5の総重量と、あらかじめ入力されている鍋状容器5の総重量との差分量を鍋状容器5に入れられた米飯の重量と判断する。
図7は、重量センサ17によって米飯重量を判定する炊飯器の保温工程を示すフローチャートである。
炊飯工程が終了するとステップS41で保温工程が開始される。保温が開始すると、余熱保温工程に入る。ステップS42で鍋底温度センサ4の検知温度Tが所定温度T1、例えば70℃よりも低いと判定されると、ステップS43で余熱保温終了を報知する。
ステップS44では鍋状容器5内の米飯等の被加熱物の重量を検知する重量センサ17が動作し、検知した重量Wが所定値W1以上の場合は、ステップS45に進む。なお所定値W1は、例えば鍋状容器5にて炊飯可能な最大米飯重量の3分の2とする。ステップS45では高温保温制御として鍋状容器温度Tが余熱保温終了時以上である所定温度T2となるように加熱コイル3への通電・遮断を繰り返し、鍋状容器内の米飯を保温する。ステップS46において保温終了操作がされるとステップS49にて加熱コイル3への通電を終了し高温保温制御が終了する。ステップS44で検知重量Wが所定値W1より小さい場合は、S47に進み、低温保温制御として鍋状容器温度Tが余熱保温終了時より低い所定温度T3となるように加熱コイル3への通電・遮断を繰り返し、鍋状容器内の米飯を保温する。S48において保温終了操作がされるとステップS49にて加熱コイル3への通電を終了し低温保温制御が終了する。なお所定値W1のひとつの例として炊飯可能な最大米飯重量の3分の2を挙げたが、鍋状容器5の容量によっては、もっと細かいあるいは大まかな所定値を設定しても当然よい。
以上のように、余熱保温後に行う保温の種類の選択を鍋状容器5内の米飯重量で判定することによっても、鍋状容器5の状態にあった保温制御を実行することができる。つまり、ユーザが余熱保温工程後の動作をわざわざ設定する必要がなく、手間を省くことができる。
また、余熱保温後に行う保温の種類の選択を、米飯重量を直接検知する重量センサ17によって行うことで、余熱保温工程中に鍋底温度センサが所定温度を検知するまでの時間に基づいて米飯量を推定する方法と比べてより精度よく判定することができる。
なお、低温保温制御選択時に、制御手段8は、さらに米飯の量によって低温保温制御か、加熱コイル3へ通電せずに自然冷却制御を行うかを選択してもよい。以下に米飯重量によって低温保温制御か、加熱コイル3へ通電せずに自然冷却制御を行うかを選択する動作について説明する。
図8は低温保温制御において、米飯重量によって低温保温制御か、加熱コイル3へ通電せずに自然冷却制御を行うかを選択する制御を行う際のフローチャートである。
図8において、ステップS51〜ステップS56までは、本実施の形態において述べたステップS41〜ステップS46と同一であるため、説明を省略する。ステップS54で米飯重量Wが所定値W1より小さい場合は、ステップS60に移行する。ステップS60では米飯重量Wが所定値W2以上の場合はステップS57に移行する。なお。ステップS54で判定する米飯重量の所定値W1とステップS60で判定するW2の関係はW1>W2である。なお所定値W2は、例えば鍋状容器5にて炊飯可能な最大米飯重量の3分の1とする。ステップS57では加熱コイル3へ通電・遮断を繰り返し、余熱保温終了時より低い温度にて鍋状容器5内の米飯を保温する。ステップS58において保温終了操作がされるとステップS59にて加熱コイル3への通電を終了し保温が終了する。
ステップS60で米飯重量Wが所定値W2より小さい場合は、ステップS61に移行する。ステップS61では加熱コイル3へ通電せず保温制御を終了し、そのまま加熱コイル3への通電を行わない自然冷却制御へ移行する。自然冷却制御中は待機状態であり、操作/表示部13にて操作が行われた際は自然冷却制御を終了し、入力された操作を実行する。なお所定値W2の例の一つとして、鍋状容器5にて炊飯可能な最大米飯重量の3分の1を挙げたが、鍋状容器5の容量によっては、もっと細かいあるいは大まかな所定値を設定しても当然よい。
以上のように、低温保温制御選択時に、制御手段8は、さらに米飯の量によって低温保温制御か、加熱コイル3へ通電しない自然冷却制御を行うかを選択することによって、鍋状容器5内の米飯量が極めて少ないときに、加熱しすぎて米飯が乾燥することを防ぎ、また、電力の消費を確実に抑え省エネとなるので、より一層ユーザのニーズにあった保温制御を提供することができる。
さらに、米飯重量を直接検知する重量センサによって行うため、より精度よく米飯量を検知することができ、その結果、低温保温制御を行うか自然冷却制御を行うかというような少ない米飯量を基準とする選択の際も、より精度よく判定することができる。また、ユーザは保温制御を選択する必要が無いので、操作の簡略化が可能となる。
なお、余熱保温開始から所定温度を検知するまでの時間にて行う米飯量推定が十分に精度が高い場合においても、制御手段8は、さらに米飯の量によって低温保温制御か、加熱コイル3へ通電しない自然冷却制御を行うかを選択することが可能であるのは言うまでもない。
1 本体、2 容器カバー、2a 孔部、3 加熱コイル、4 鍋底温度センサ、5 鍋状容器、5a フランジ部、6 ヒンジ部、8 制御手段、9 蓋パッキン、10 蓋体、10a 外蓋、10b 内蓋、11 係止材、12 カートリッジ、12a 蒸気取入口、12b 蒸気排出口、13 操作/表示部、14 内部温度センサ、15 米飯、16 水、17 重量センサ。

Claims (3)

  1. 被加熱物を入れる鍋状容器と、
    前記鍋状容器を加熱し炊飯および保温を行なう加熱手段と、
    前記鍋状容器の温度を検知する温度検知手段と、
    前記加熱手段に通電せずに行う自然冷却制御と、前記加熱手段を駆動制御して前記鍋状容器を余熱保温終了よりも高い温度に保つ高温保温制御と、前記加熱手段を駆動制御して前記鍋状容器を余熱保温終了時以下の温度に保つ低温保温制御の少なくともいずれかを実行する制御手段と、
    前記制御手段に信号を送る操作部と、を備え、
    炊飯終了後の余熱保温中に前記温度検知手段が所定温度を検知する、または余熱保温開始から所定時間を経過すると、
    前記制御手段は、前記操作部により高温保温制御が選択されていると判断した場合は、高温保温制御を行い、前記操作部により高温保温制御が選択されていないと判断した場合は、余熱保温終了から所定時間は保温を保留し、前記操作部にて行なわれた設定に基づいて前記低温保温制御と、前記自然冷却制御のいずれか一つを選択することを特徴とする炊飯器。
  2. 前記制御手段は、少なくとも前記自然冷却制御を備え、前記高温保温制御または前記低温保温制御のどちらも選択されなかった場合、前記自然冷却制御を選択することを特徴とする請求項1に記載の炊飯器。
  3. 前記鍋状容器中の被加熱物の重量を検知する重量検知手段を備えるとともに、
    前記制御手段は、少なくとも前記低温保温制御を備え、
    前記制御手段が前記低温保温制御を選択した場合、さらに前記重量検知手段が検知した被加熱物の重量に基づいて前記低温保温制御または前記自然冷却制御のいずれかを選択することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の炊飯器。
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