JP7410410B2 - 電気炊飯器 - Google Patents

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本願発明は、オートミール炊飯機能を備えた電気炊飯器の構成に関するものである。
一般に電気炊飯器では、炊飯開始後、沸騰に到る昇温過程における所定時間内の内鍋温度の変化(又は所定温度から所定温度以上のある温度に上昇するまでの時間)に基づいて炊飯量を判定し、その時の炊飯メニューと判定された炊飯量に応じた加熱量、加熱パターンを選択して適切な炊飯を行うようになっている(例えば特許文献1、特許文献2を参照)。
すなわち、一般的な白米炊飯メニューでは、内鍋内において所定量の米が同所定量の米よりも十分に量が多い水の中に浸漬された状態にあり、加熱されると水の対流が生じ、同対流によって米の全体が略均一に加熱される。したがって、内鍋の温度の変化は内鍋内の米の量に対応したものとなり、内鍋の温度の変化を見れば略正確に炊飯量を判定することができる。
ところで、最近では粥状の調理物「オートミール」が人気となっており、電気炊飯器においても、例えば「おかゆメニュー」の炊飯制御シーケンスを利用することにより、オートミール炊飯(オートミール調理)を行うことができ、炊飯メニューの一つとして「オートミール」を備えたものも提供されるようになっている(例えば特許文献3を参照)。
オートミールとは、脱穀した燕麦(イネ科カラスムギ族の穀物)を調理しやすく加工したもので、燕麦を半分に切ったスチールカット、燕麦を平たく潰して蒸したロールオート、ロールオートを更に調理しやすく加工したクイックなど、いくつかの種類がある。オートミールのオーツは、全粒穀物であり、ビタミン、ミネラル等の栄養が豊富で、繊維成分も多いため、健康食品としての人気も高まっている。
特開平1-227720号公報 特開平4-99517号公報 特開平7-8189号公報
電気炊飯器でのオートミール炊飯は、内鍋内にオーツ量の倍程度の水(この水量は、一般的な白米炊飯メニューの場合に比べて少ない)を入れて吸水工程(浸し炊き工程)のない炊飯制御シーケンス(昇温~炊き上げ~蒸らし)で炊き上げるが、上記加工したオーツ類は、吸水膨張しやすく、炊飯開始初期から白米炊飯メニューの場合のような水の対流による均一な加熱は期待できない状態にある。したがって、昇温時において、上述した白米炊飯メニューと同様の内鍋温度の変化に基づく炊飯量の判定(合数判定)を行ったとしても、炊飯量の相違に対応した内鍋温度の変化が生じにくく、正確な炊飯量の判定を行うことができない問題がある。
本願発明は、このような問題を解決するためになされたもので、オートミール炊飯開始後、昇温工程において内鍋温度検出手段が所定の温度を検出すると、それまでの加熱量よりも加熱量を小さくすることによって内鍋温度を所定の温度まで低下させ、同加熱量を小さくした時から所定の温度に低下するまでの経過時間に基づいて、また、上記加熱量を小さくした時から同小さくされた加熱量に対応して内鍋の温度が平衡するまでの経過時間に基づいて、さらには、上記加熱量を小さくした後の最高温度と同小さくされた加熱量に対応して生じる内鍋平衡温度との温度差に基づいて、それぞれ炊飯量を判定することにより、オートミール炊飯における適正な炊飯量の判定を可能とした電気炊飯器を提供することを目的とするものである。
本願発明は、以上の課題を解決するために、次のような課題解決手段を備えて構成されている。
(1)本願請求項1の発明の課題解決手段
本願請求項1の発明に係る課題解決手段は、内鍋と、内鍋を加熱する内鍋加熱手段と、内鍋の温度を検出する内鍋温度検出手段と、内鍋加熱手段の加熱量を可変する加熱量可変手段を備え、内鍋温度検出手段により検出された内鍋の温度に応じて加熱量可変手段により内鍋加熱手段の加熱量を変えることにより、昇温、炊き上げ、蒸らしの各工程を経て、オートミールの炊飯を行う電気炊飯器であって、
オートミール炊飯開始後、昇温工程において内鍋温度検出手段が所定値以上の温度を検出すると、加熱量可変手段により内鍋加熱手段の加熱量をそれまでの加熱量よりも小さくして内鍋の温度を所定の温度まで低下させ、同加熱量を小さくした時から所定の温度に低下するまでの経過時間に基づいて炊飯量を判定するようにしたことを特徴としている。
オートミール炊飯では、炊飯開始後、吸水工程を経ることなく昇温工程に入り、フルパワー(加熱量一定)で内鍋を加熱する。その結果、内鍋の温度は速やかに上昇し、そのまま加熱を続ければ、やがて沸騰温度に達する。この昇温工程における内鍋温度の上昇率は、内鍋内の水の流動性が高い白米炊飯メニューの場合には内鍋内の米の量に対応したものとなり、内鍋温度の上昇率により炊飯量を判定することができる。
ところが、オートミールの場合、吸水性が高く、殆どの水がオーツに吸水されるので、内鍋内における水の流動性が低く、白米炊飯メニューのような対流が生じない。したがって、昇温工程において内鍋温度検出手段により検出される内鍋の温度は、吸水膨張した内鍋内底部のオーツと内鍋自体の温度にすぎず、内鍋内オーツ全体の量に対応したものとはなっていない。このため、内鍋温度検出手段により検出される内鍋温度の温度上昇率を見ても正確な炊飯量の判定を行うことができない。
そこで、この発明の課題解決手段では、同昇温工程において、内鍋温度検出手段が所定値以上の温度を検出すると、先ず加熱量可変手段により内鍋加熱手段の加熱量をそれまでの加熱量よりも小さくして内鍋の温度を所定の温度まで低下させる。そして、その後、内鍋の温度が、同加熱量を小さくした時から所定の温度に低下するまでの経過時間に基づいて、炊飯量を判定するようにしている。
内鍋加熱手段の加熱量をそれまでの加熱量よりも小さくした時の内鍋温度の低下は、フルパワー(加熱量一定)での加熱昇温状態の場合と異なって、上記内鍋温度が所定値以上の温度に上昇した時点における内鍋内のオーツがその量に応じて有している熱量の放熱によるものである。したがって、内鍋内のオーツの量に応じて温度の低下率、低下時間が異なってくる。すなわち、炊飯量を反映したものとなる。
そこで、加熱量可変手段により内鍋加熱手段の加熱量をそれまでの加熱量よりも小さくして内鍋温度を低下させ、その後、同加熱量を小さくした時から所定の温度に低下するまでの経過時間を計測し、同経過時間に基づいて炊飯量を判定するようにする。このようにすると、オートミールのようにオーツ自体が吸水膨張し、内鍋内における水の対流が生じにくい炊飯物の場合にも、正確に炊飯量を判定することができるようになる。
この場合、上記昇温工程において内鍋温度検出手段により検出される所定値以上の温度および同温度の検出に対応して加熱量可変手段により小さくされる加熱量は、それぞれ炊飯量判定のための有効な温度低下幅(時間差)を得るためのものであり、それぞれその目的を達成するために有効な数値に設定される。
また、この発明の課題解決手段の場合、昇温工程において内鍋温度検出手段が所定値以上の温度を検出すると、加熱量可変手段により内鍋加熱手段の加熱量をそれまでの加熱量よりも小さくして内鍋温度を低下させるようにしているが、炊飯量の判定だけを考えた場合、例えば内鍋加熱手段の加熱量を小さくするのではなく、内鍋加熱手段自体をOFF(加熱量をゼロ)にすることも可能である。
しかし、そのようにすると、炊飯工程の途中で必要以上に大きく温度を下げることになり、オートミールの仕上がりを悪くし、また所要炊飯時間を長くする、続く昇温工程での加熱量を大きくしなければならない、等の問題が生じるが、以上のように一定の加熱量を保つようにすると、そのような問題は生じない。
ところで、加熱量可変手段により内鍋加熱手段の加熱量をそれまでの加熱量よりも小さくして内鍋温度を低下させた場合、所定温度までは内鍋温度が低下するが、電源OFFではないので、やがて当該小さくされた加熱量に対応して内鍋温度の平衡が生じ、それ以上には内鍋温度が低下しなくなる。そして、この温度平衡が生じる内鍋温度は、その時の内鍋内の炊飯量に対応したものとなる。すなわち、小さくされた加熱量は一定であるから、炊飯量が多いと平衡温度は低くなり、炊飯量が少ないと逆に高くなる。
したがって、上記加熱量を小さくした時からの経過時間を判定する所定の温度には、後述する請求項3の発明の課題解決手段のように、内鍋平衡温度を採用することもできる。しかし、内鍋の温度が平衡状態になるには、相当の時間がかかり、内鍋温度も大きく低下することになる。その結果、炊飯量の判定に時間がかかり、所要炊飯時間の延長を招き、また炊飯量判定後の昇温に余分な加熱量を必要とすることになる。
そこで、上記経過時間を判定する所定の温度(経過時間判定基準温度)には、好ましくは同内鍋平衡温度よりも高い温度が採用される。そのようにすると、内鍋温度が平衡状態になる前の早いタイミングで炊飯量の判定を行うことができるようになり、炊飯量の判定に時間がかかり、所要炊飯時間の延長を招き、また炊飯量判定後の昇温に余分な加熱量を必要とする、などの問題を生じさせなくて済む。
(2)本願請求項2の発明の課題解決手段
本願請求項2の発明に係る課題解決手段は、内鍋と、内鍋を加熱する内鍋加熱手段と、内鍋の温度を検出する内鍋温度検出手段と、内鍋加熱手段の加熱量を可変する加熱量可変手段を備え、内鍋温度検出手段により検出された内鍋の温度に応じて加熱量可変手段により内鍋加熱手段の加熱量を変えることにより、昇温、炊き上げ、蒸らしの各工程を経て、オートミールの炊飯を行う電気炊飯器であって、
オートミール炊飯開始後、昇温工程において内鍋温度検出手段が所定値以上の温度を検出すると、加熱量可変手段により内鍋加熱手段の加熱量をそれまでの加熱量よりも小さくして内鍋温度を低下させ、同加熱量を小さくした時から同小さくされた加熱量に対応して温度平衡が生じるまでの経過時間に基づいて炊飯量を判定するようにしたことを特徴としている。
オートミール炊飯では、炊飯開始後、吸水工程を経ることなく昇温工程に入り、フルパワー(加熱量一定)で内鍋を加熱する。その結果、内鍋の温度は速やかに上昇し、そのまま加熱を続ければ、やがて沸騰温度に達する。この昇温工程における内鍋温度の上昇率は、内鍋内の水の流動性が高い白米炊飯メニューの場合には内鍋内の米の量に対応したものとなり、内鍋温度の上昇率により炊飯量を判定することができる。
ところが、オートミールの場合、吸水性が高く、殆どの水がオーツに吸水されるので、内鍋内における水の流動性が低く、白米炊飯メニューのような対流が生じない。したがって、昇温工程において内鍋温度検出手段により検出される内鍋の温度は、吸水膨張した内鍋内底部のオーツと内鍋自体の温度にすぎず、内鍋内オーツ全体の量に対応したものとはなっていない。このため、内鍋温度検出手段により検出される内鍋温度の温度上昇率を見ても正確な炊飯量の判定を行うことができない。
そこで、この発明の課題解決手段では、同昇温工程において、内鍋温度検出手段が所定値以上の温度を検出すると、先ず加熱量可変手段により内鍋加熱手段の加熱量をそれまでの加熱量よりも小さくして内鍋の温度を低下させる。そして、その後、同加熱量を小さくした時から同小さくされた加熱量に対応して温度平衡が生じるまでの経過時間に基づいて炊飯量を判定するようにしている。
内鍋加熱手段の加熱量をそれまでの加熱量よりも小さくした時の内鍋温度の低下は、フルパワー(加熱量一定)での加熱昇温状態の場合と異なって、上記内鍋温度が所定値以上の温度に上昇した時点における内鍋内のオーツがその量に応じて有している熱量の放熱によるものである。したがって、内鍋内のオーツの量に応じて温度の低下率、低下時間が異なってくる。すなわち、炊飯量を反映したものとなる。
そこで、加熱量可変手段により内鍋加熱手段の加熱量をそれまでの加熱量よりも小さくして内鍋温度を低下させ、その後、同加熱量を小さくした時から同小さくされた加熱量に対応して内鍋温度の平衡が生じるまでの経過時間に基づいて炊飯量を判定する。加熱量可変手段により内鍋加熱手段の加熱量をそれまでの加熱量よりも小さくして内鍋温度を低下させた場合、所定温度までは内鍋温度が低下するが、電源OFFではないので、やがて当該小さくされた加熱量に対応して内鍋温度の平衡が生じ、それ以上には内鍋温度が低下しなくなる。この内鍋加熱手段の加熱量を小さくした時から内鍋温度の平衡が生じるまでの時間は、内鍋内の炊飯量に対応している。
したがって、加熱量可変手段により内鍋加熱手段の加熱量をそれまでの加熱量よりも小さくして内鍋温度を低下させ、その後、内鍋加熱手段の加熱量を小さくした時から内鍋温度の平衡が生じるまでの経過時間に基づいて炊飯量を判定するようにすると、オートミールのようにオーツ自体が吸水膨張し、内鍋内における水の対流が生じにくい炊飯物の場合にも、正確に炊飯量を判定することができるようになる。
この場合、上記昇温工程において内鍋温度検出手段により検出される所定値以上の温度および同温度の検出に対応して加熱量可変手段により小さくされる加熱量は、それぞれ炊飯量判定のための有効な温度低下幅(温度差)を得るためのものであり、それぞれその目的を達成するために有効な数値に設定される。
また、この発明の課題解決手段の場合、昇温工程において内鍋温度検出手段が所定値以上の温度を検出すると、加熱量可変手段により内鍋加熱手段の加熱量をそれまでの加熱量よりも小さくして内鍋温度を低下させるようにしているが、炊飯量の判定だけを考えた場合、例えば内鍋加熱手段の加熱量を小さくするのではなく、内鍋加熱手段自体をOFF(加熱量をゼロ)にすることも可能である。
しかし、そのようにすると、炊飯工程の途中で必要以上に大きく温度を下げることになり、オートミールの仕上がりを悪くし、また所要炊飯時間を長くする、続く昇温工程における加熱量を大きくしなければならない、等の問題が生じるが、以上のように一定の加熱量を保つようにすると、そのような問題は生じない。
(3)本願請求項3の発明の課題解決手段
本願請求項3の発明に係る課題解決手段は、内鍋と、内鍋を加熱する内鍋加熱手段と、内鍋の温度を検出する内鍋温度検出手段と、内鍋加熱手段の加熱量を可変する加熱量可変手段を備え、内鍋温度検出手段により検出された内鍋の温度に応じて加熱量可変手段により内鍋加熱手段の加熱量を変えることにより、昇温、炊き上げ、蒸らしの各工程を経て、オートミールの炊飯を行う電気炊飯器であって、
オートミール炊飯開始後、昇温工程において内鍋温度検出手段が所定値以上の温度を検出すると、加熱量可変手段により内鍋加熱手段の加熱量をそれまでの加熱量よりも小さくして内鍋温度を低下させ、上記加熱量を小さくした後の最高温度と同小さくされた加熱量に対応して生じる内鍋平衡温度との温度差に基づいて、炊飯量を判定するようにしたことを特徴としている。
オートミール炊飯では、炊飯開始後、吸水工程を経ることなく昇温工程に入り、フルパワー(加熱量一定)で内鍋を加熱する。その結果、内鍋の温度は速やかに上昇し、そのまま加熱を続ければ、やがて沸騰温度に達する。この昇温工程における内鍋温度の上昇率は、内鍋内の水の流動性が高い白米炊飯メニューの場合には内鍋内の米の量に対応したものとなり、内鍋温度の上昇率により炊飯量を判定することができる。
ところが、オートミールの場合、吸水性が高く、殆どの水がオーツに吸水されるので、内鍋内における水の流動性が低く、白米炊飯メニューのような対流が生じない。したがって、昇温工程において内鍋温度検出手段により検出される内鍋の温度は、吸水膨張した内鍋内底部のオーツと内鍋自体の温度にすぎず、内鍋内オーツ全体の量に対応したものとはなっていない。このため、内鍋温度検出手段により検出される内鍋温度の温度上昇率を見ても正確な炊飯量の判定を行うことができない。
そこで、この発明の課題解決手段では、同昇温工程において、内鍋温度検出手段が所定値以上の温度を検出すると、先ず加熱量可変手段により内鍋加熱手段の加熱量をそれまでの加熱量よりも小さくして内鍋の温度を低下させる。そして、その後、同加熱量を小さくした後の最高温度と同小さくされた加熱量に対応して生じる内鍋平衡温度との温度差に基づいて、炊飯量を判定するようにしている。
内鍋加熱手段の加熱量をそれまでの加熱量よりも小さくした時の内鍋温度の低下は、フルパワー(加熱量一定)での加熱昇温状態の場合と異なって、上記内鍋温度が所定値以上の温度に上昇した時点における内鍋内のオーツがその量に応じて有している熱量の放熱によるものである。したがって、この熱量の放熱度合は、内鍋内のオーツの量に応じて異なったものとなる。また、加熱量可変手段により内鍋加熱手段の加熱量をそれまでの加熱量よりも小さくして内鍋温度を低下させた場合、所定温度までは内鍋温度が低下するが、電源OFFではないので、やがて当該小さくされた加熱量に対応して内鍋温度の平衡が生じ、それ以下には内鍋温度が低下しなくなる。この温度平衡が生じる内鍋温度は、その時の内鍋内の炊飯量に対応したものとなる。すなわち、加熱量は一定であるから、炊飯量が多いほど平衡温度は低く、炊飯量が少ないほど高くなる。
そこで、上記のように、加熱量可変手段により内鍋加熱手段の加熱量をそれまでの加熱量よりも小さくして内鍋温度を低下させ、その後、同加熱量を小さくした後の最高温度と同小さくされた加熱量に対応して生じる内鍋平衡温度との温度差に基づいて、炊飯量を判定するするようにすると、オートミールのようにオーツ自体が吸水膨張し、内鍋内における水の対流が生じにくい炊飯物の場合にも、正確に炊飯量を判定することができるようになる。
この場合、上記昇温工程において内鍋温度検出手段により検出される所定値以上の温度および同温度の検出に対応して加熱量可変手段により小さくされる加熱量は、それぞれ炊飯量判定のための有効な温度低下幅(温度差)を得るためのものであり、それぞれその目的を達成するために有効な数値に設定される。
また、この発明の課題解決手段の場合、昇温工程において内鍋温度検出手段が所定値以上の温度を検出すると、加熱量可変手段により内鍋加熱手段の加熱量をそれまでの加熱量よりも小さくして内鍋温度を低下させるようにしているが、炊飯量の判定だけを考えた場合、例えば内鍋加熱手段の加熱量を小さくするのではなく、内鍋加熱手段自体をOFF(加熱量をゼロ)にすることも可能である。
しかし、そのようにすると、炊飯工程の途中で必要以上に大きく温度を下げることになり、オートミールの仕上がりを悪くし、また所要炊飯時間を長くする、続く昇温工程における加熱量を大きくしなければならない、等の問題が生じるが、以上のように一定の加熱量を保つようにすると、そのような問題は生じない。
(4)本願請求項4の発明の課題解決手段
本願請求項4の発明に係る課題解決手段は、上記請求項1の発明に係る課題解決手段において、内鍋加熱手段の加熱量を小さくした時から内鍋温度が所定の温度に低下するまでの経過時間を、炊飯量判定タイマーにより計測するようにしたこと特徴としている。
内鍋加熱手段の加熱量がそれまでの加熱量よりも小さくされると、それまでの加熱量に基づくオーバーシュート分だけ内鍋温度が上昇したのち、その時の炊飯量に応じた所定の低下率で所定の温度まで低下してゆく。この内鍋加熱手段の加熱量を小さくした時から内鍋温度が所定の温度に低下するまでの経過時間はその時の炊飯量に対応している。
したがって、炊飯量判定タイマーを使用し、同炊飯量判定タイマーにより、上記内鍋加熱手段の加熱量を小さくしてから上記内鍋温度が所定の温度に低下するまでの時間を計測すれば、容易に正確な炊飯量の判定を行うことが可能となる。
(5)本願請求項5の発明の課題解決手段
本願請求項5の発明に係る課題解決手段は、上記請求項2の発明に係る課題解決手段において、内鍋加熱手段の内鍋加熱量を小さくした時から同小さくされた加熱量に対応して内鍋温度の平衡が生じるまでの経過時間を、炊飯量判定タイマーにより計測するようにしたこと特徴としている。
内鍋加熱手段の内鍋加熱量がそれまでの加熱量よりも小さくされると、それまでの内鍋加熱量に基づくオーバーシュート分だけ内鍋温度が上昇したのち、その時の炊飯量に応じた所定の低下率で低下してゆく。そして、小さくされた内鍋加熱量に対応した温度になると略平衡し、それ以下には低下しなくなる。この内鍋温度の平衡が生じるタイミングは、内鍋加熱手段の加熱量を下げてから任意の時間が経過した時であり、この経過時間はその時の炊飯量に対応している。
したがって、炊飯量判定タイマーを使用し、同炊飯量判定タイマーにより、上記内鍋加熱手段の加熱量を小さくした時から上記内鍋温度の平衡が生じるまでの時間を計測すれば、容易に正確な炊飯量の判定を行うことが可能となる。
(6)本願請求項6の発明の課題解決手段
本願請求項6の発明に係る課題解決手段は、上記請求項2,3又は5の発明に係る課題解決手段において、内鍋温度の平衡は、内鍋温度の低下率を演算し、同演算された内鍋温度の低下率が所定の基準低下率以下になったことにより判定するようにしたことを特徴としている。
内鍋加熱手段の内鍋加熱量がそれまでの加熱量よりも小さくされると、それまでの内鍋加熱量に基づくオーバーシュート分だけ内鍋温度が上昇したのち、その時の炊飯量に応じて所定の低下率で低下してゆく。そして、小さくされた内鍋加熱量に対応した温度になると略平衡し、それ以下には低下しなくなる。
したがって、内鍋温度の平衡は、内鍋温度検出手段により検出される内鍋温度の低下率を演算し、同演算された内鍋温度の低下率が所定の低下率以下になったことを基準として容易に判断することができる。
以上の結果、この出願の発明によると、吸水性が高く、オーツ自体が吸水膨張し、内鍋内における水の対流が生じにくいオートミールを炊飯する場合にも確実な炊飯量の判定が可能となり、炊飯量に応じた適切な加熱量、加熱パターンでの良好な炊き分けが可能となる。
本願発明の実施の形態1~3に共通なオートミール炊飯機能を備えた電気炊飯器の炊飯器筐体部分の外部構成を示す正面図である。 同電気炊飯器の炊飯器筐体部分の外部構成を示す斜視図である。 同電気炊飯器の炊飯器筐体部分の内部構成を示す断面図(図1のA-A断面図)である。 同電気炊飯器の炊飯器筐体部前面の銘板部分の構成を示す拡大図である。 同電気炊飯器の炊飯及び保温制御回路の構成を示すブロック図である。 本願発明の実施の形態1に係る電気炊飯器のオートミール炊飯制御シーケンスを示すフローチャートである。 同電気炊飯器のオートミール炊飯制御シーケンスを示すタイムチャートである。 同電気炊飯器のオートミール炊飯時における炊飯量の大小に応じた内鍋検出温度の変化を示す実験データ図である。 本願発明の実施の形態2に係る電気炊飯器のオートミール炊飯制御シーケンスを示すフローチャートである。 同電気炊飯器のオートミール炊飯制御シーケンスを示すタイムチャートである。 同電気炊飯器のオートミール炊飯時における炊飯量の大小に応じた内鍋検出温度の変化を示す実験データ図である。 本願発明の実施の形態3に係る電気炊飯器のオートミール炊飯制御シーケンスを示すフローチャートである。 同電気炊飯器のオートミール炊飯制御シーケンスを示すタイムチャートである。 同電気炊飯器のオートミール炊飯時における炊飯量の大小に応じた内鍋検出温度の変化を示す実験データ図である。
以下、添付の図1~図14の図面を参照して、この出願の発明を実施するための幾つかの形態について詳細に説明する。
<電気炊飯器の炊飯器筐体部分の構成:図1~図4>
まず図1~図4には、この出願の発明の実施の形態1~3に共通な開閉可能な蓋体を備えた電気炊飯器の炊飯器筐体部分の構成が示されている。
この電気炊飯器の炊飯器筐体は、例えば図1~図3に示すように、その基本的な構成部分として、内鍋3を収納した筐体部本体1と、該筐体部本体1上部の開口部後端側に軸支され、該筐体部本体1の開口部を開閉可能に覆う蓋体2との2つの部分から構成されている。
まず筐体部本体1は、米および水を収容する有底筒状の金属製の内鍋3と、該内鍋3を任意に収納セットし得るように形成された内部筐体である有底筒状の内ケース4と、該内ケース4の底部4aの上面側に設置されたヒータプレート6と、該ヒータプレート6内に埋設された環状の主ヒータ(内鍋加熱手段)5と、支持部材15を介して底部11a上方に内ケース4を支持する外部筺体である有底筒状の外ケース11と、該外ケース11の上端と上記内ケース4の上端とを全周に亘って連結一体化する肩部材8とから構成されている。そして、この筐体部本体1上部の開口部には、上記のように同開口部を開閉可能に覆蓋する蓋体2が上記肩部材8の後端側部分で軸支部であるヒンジユニット9を介して軸着され、前後方向(上下方向)に開閉自在に取り付けられている。
筐体部本体1上部の開口部は、上記肩部材8によって周囲を囲繞されており、上記内ケース4の底壁部4a上のヒータプレート6上面には、同開口部を介して収納された内鍋3の底壁部3aが均一に接面するようになっている。ヒータプレート6の中央部には、センターセンサ嵌挿口が形成されており、該センターセンサ嵌挿口を介して下方側からセンターセンサ(内鍋温度検出手段)16が内鍋3の底壁部3aに当接するように臨まされており、これにより後述するオートミール炊飯時における内鍋3の温度が適切に検出されるようになっている。
内ケース4の側壁部4b外周面には、炊飯および保温時において加熱手段として機能する保温ヒータ17が設けられており、炊飯時および保温時において上記内鍋3の側壁部3bの全体を有効かつ均一に加熱するようになっている。
この電気炊飯器の場合、上記外ケース11の側壁部は、上記肩部材8の下端まで伸びる第1の側壁部11bと、後部および側部で上記肩部材8の外周を覆う一方、前部に銘板設置用の円弧形状の凹溝部を有する第2の側壁部11cとの2枚の側壁部からなっている。第1の側壁部11bの前部は、後部および側部に比べて上部側が前方に大きく傾斜していると共に、第2の側壁部11cの前部は、それに対応して上部側が大きく後方に傾斜した幅の広い傾斜壁11dとなっており、同傾斜壁11d部分に銘板設置用の円弧形状の凹溝部を形成している。そして、この円弧形状の凹溝部に対して、図4に示す合成樹脂製の円弧形状の銘板20が嵌め合わせて取り付けられる。
銘板20の後部部分には、フックボタン(蓋開閉ボタン)10に対応した切り欠き部12が設けられており、同切り欠き部12に位置して肩部8の前部8a部分に設けられているフックボタン(蓋開閉ボタン)10が臨まされている。銘板20には、炊飯キー(炊飯スタートキー)20a、保温キー20b、取り消しキー20c、タイマー予約キー20d、タイマー予約用の時設定キー20e、タイマー予約用の分設定キー20f、メニューキー20g、液晶表示窓20h、液晶ディスプレイ20i(液晶表示窓20hの内側)が設けられている。
上記第2の側壁部11cの傾斜壁部11dの内側(銘板20の裏側)には、上記炊飯キー(炊飯スタートキー)20a、保温キー20b、取り消しキー20c、タイマー予約キー20d、タイマー予約用の時設定キー20e、タイマー予約用の分設定キー20f、メニューキー20gの各々に対応したスイッチ部、液晶ディスプレイ20i、図5に示すマイコン制御ユニット40および同マイコン制御ユニット40を中心とする入出力回路を備えたマイコン基板13が設けられている。
マイコン基板13は、上記傾斜壁部11dを利用して固定された所定の深さの電装品収納ボックス14内に収納して設けられており、例えばフレキシブルフラットケーブル(FFC)を介して、上記外ケース11内の所定の個所に設けられている図示しない電源基板に接続されている。
<蓋体部分の構成:図1~図3>
次に、蓋体2は、例えば図1~図3に示されるように、その上部側本体面を構成する外蓋(本体カバー)21と、該外蓋21の内側(下側)に所定の間隔をおいて設けられた内蓋22とから構成されている。
外蓋21は全体が合成樹脂材よりなり、その後端側をヒンジユニット9を介して上記肩部材8後端の蓋体取付部に回動可能に軸着されており、前後方向(上下方向)に開閉可能となっている。そして、その前端部には、上述したフックボタン10との係合部が設けられており、フックボタン10の係合部と係合することにより、閉状態にロックされるようになっている。また、蓋面中央部には、蒸気筒(蒸気排出ユニット)30が設けられている。
蒸気筒30は、外蓋21の中央部下面側に所定の長さの円筒部26を形成し、同円筒部26内の空間を蒸気排出路26aとし、その上壁部分に蒸気排出口26bを形成して構成されている。蒸気排出路26aに流入する蒸気の量は、後述する内蓋22側の蒸気流出量調節部材28によって調節される。なお、この電気炊飯器の場合、内鍋3内の蒸気の発生量を検出する蒸気センサは設けられていない。
内蓋22は、上面側に蓋ヒータ18を有する金属製の放熱板22Aと、該放熱板22Aの外周に設けられ、その内側にゴム製のパッキン23を有する合成樹脂製の内枠部材22Bと、放熱板22Aの中央部分を上記外蓋21の円筒部26に取り付ける流量調節部材28とから構成されている。
金属製の放熱板22Aは上面側の蓋ヒータ18によって加熱され、炊飯時または保温時において、内鍋3の上方を加熱する。放熱板22Aの外周に設けられ、その内側にゴム製のパッキン23を有する合成樹脂製の内枠部材22Bは、外蓋21の外周縁との連結機能を果たすと共に内蓋22の枠体機能を果たす。流量調節部材28は肉厚の筒体構造をなし、中心部に上記外蓋21の蒸気排出路26aに連通する蒸気導出口28a、蒸気導出通路28bを有すると共に外周側に放熱板22Aの中央部分を嵌合支持しており、同嵌合支持部の上端側がパッキン27を介して上記外蓋21の円筒部26内に嵌合係止されるようになっている。そして、上記外蓋21の蒸気排出路26aに連通する蒸気導出口28a、蒸気導出通路28b部分で上記蒸気排出路26aに供給する蒸気流出量を調節すると共に、筒体部本体の円筒部26に対する係合機能により外蓋21に対して内蓋22を固定する。
<銘板部における炊飯メニューの設定方法:図4>
この出願の発明の実施の形態1,2に係る電気炊飯器は、通常の炊飯メニューに加えて、オートミール専用メニューを備えて構成されている。
これら炊飯及びオートミールメニューは、上記銘板部20のメニューキー20gを押すことによって、上記液晶表示窓20h内の液晶ディスプレイ20iの表示面に順次表示し、任意に選択設定することができる。
<炊飯および保温制御回路の構成:図5>
次に図5は、この出願の発明の実施の形態1~3に係る電気炊飯器の炊飯および保温制御回路の構成を示している。
図5中において符号40は、上記マイコン基板13部分に設けられているマイコン制御ユニットであり、この実施の形態に係る電気炊飯器の炊飯および保温制御回路は、同マイコン制御ユニット40を中心として構成されている。
同制御回路では、被駆動部として、上述した主ヒータ5、保温ヒータ17、蓋ヒータ18、液晶ディスプレイ20i、ブザー29、センサ部として、センターセンサ16、操作部として、上述した炊飯、保温、取り消し、タイマー予約、時、分、メニュー等の各種操作キー20a、20b、20c、20d、20e、20f、20gを備えて構成されている。そして、マイコン制御ユニット40は、炊飯、保温、取り消し、タイマー予約、時、分、メニュー等の各種操作キー20a、20b,20c,20d、20e,20f,20gの操作入力に応じて必要な炊飯又は保温御シーケンスの設定を行い、センターセンサ16の内鍋温度検出データに基づいて、主ヒータ5、保温ヒータ17、蓋ヒータ18、液晶ディスプレイ20i、ブザー29を所望に駆動する。
主ヒータ5は主ヒータ駆動回路41を介して、保温ヒータ17は保温ヒータ駆動回路42を介して、蓋ヒータ18は蓋ヒータ駆動回路43を介して、液晶ディスプレイ20iは液晶ディスプレイ駆動回路44を介して、ブザー29はブザー駆動回路45を介して、それぞれ駆動される。
なお、図5の制御回路では、整流回路や平滑回路、ファン駆動回路、その他の後述する炊飯または保温制御に関係のない部分は省略している。
以下、上述の電気炊飯器筐体、炊飯および保温制御回路を備えて構成される電気炊飯器を用いて実行されるこの出願の発明の実施の形態1~3に係る電気炊飯器のオートミール炊飯における炊飯量の判定並びに炊飯制御の内容について各々詳細に説明する。
(1)この出願の発明の実施の形態1に係る電気炊飯器のオートミール炊飯制御シーケンス:図6~図8を参照
次に図6のフローチャートおよび図7のタイムチャートは、炊飯量判定機能を備えた、この出願の発明の実施の形態1に係る電気炊飯器のオートミール炊飯制御シーケンスを示している。また、図8は、同オートミール炊飯制御の炊飯量判定時における炊飯量の大小に応じた内鍋検出温度の変化を実際の測定データに基づいて示している。
この実施の形態では、オートミール炊飯開始後、昇温工程において内鍋温度検出手段が所定の温度を検出すると、それまでの加熱量よりも所定量小さい加熱量に下げて(主ヒータ5の通電率を低減して)内鍋の温度を低下させ、その後、同加熱量を下げた時から所定の温度に低下するまでの経過時間に基づいて炊飯量を判定するようにしたことを特徴とするものである。
以下、同電気炊飯器のオートミール炊飯制御シーケンスの内容について詳細に説明する。
すなわち、このオートミール炊飯制御では、図5の制御回路に電源が供給されており、かつメニューキー20gにより「オートミールメニュー」が選択設定されている場合において、炊飯キー(炊飯スタートキー)20aがON操作されるか、またはタイマー予約炊飯における炊飯開始時刻が到来すると、上述した主ヒータ駆動回路41を作動させて主ヒータ5を駆動し、同主ヒータ5による内鍋3の加熱制御(昇温制御)を開始する。なお、この昇温加熱時には、実際には加熱力を十分に大きくするために、上述した保温ヒータ17や蓋ヒータ18も合わせて駆動される。しかし、以下では説明を簡単にするために、それら保温ヒータ17や蓋ヒータ18の駆動については説明を省略している。
このオートミール炊飯の開始時、上述した内鍋3内には、上述したスチールカット、ロールオート、クイックなどの所定の量のオーツと同オーツの量の2倍程度の量の水が入っており、その時の初期水温に応じた自然な吸水状態(吸水し、ある程度膨張した状態)にある。
そして、炊飯制御が始まると、先ずステップS1の昇温工程1において、上記主ヒータ5への通電率(加熱量)を16/16(100%=フルパワー)にして内鍋3の温度を所定の基準温度Ta℃まで速やかに加熱昇温させる(図7のタイムチャートを参照)。この所定の基準温度Ta℃は、上記主ヒータ5への通電率を16/16(フルパワー)から2/16(12.5%)に低減して炊飯量の判定を行う昇温工程(降温工程)2に移行させるための移行判定温度であり、同温度Ta℃は例えば50℃程度に設定されている(図8参照)。また、上記昇温工程1の加熱制御が始まると、ステップS2で上記センターセンサ16による内鍋3の温度T(Tn)の検出を開始する。内鍋3の温度T(Tn)は図6のフローチャートの制御周期ごとに検出され、順次マイコン制御ユニット40に入力され、そのRAM中にメモリされる。
そして、その後、ステップS3で、同センターセンサ16により検出される内鍋3の温度T(Tn)が上記所定の基準温度Ta℃以上に上昇したか否かを判定する。その結果、YESと判定されると、同所定の基準温度Ta℃になった時点で、ステップS4の昇温工程2に移行する。他方、NOの場合には、YESとなるまでステップS2の内鍋温度T(Tn)の検出、ステップS3の基準温度Ta℃への到達判定動作を継続する。
すなわち、この実施の形態の場合、昇温工程1から昇温工程2への移行は工程タイマーによる工程時間経過の判定ではなく、上記センターセンサ16により検出される内鍋3の温度T(Tn)が所定の基準温度Ta℃以上に上昇したか否かで決まる。
昇温工程2では、それまでの昇温工程1に比べて大きく通電率を下げ、同低通電率で内鍋3を加熱する。この実施の形態の場合、同昇温工程2における通電率は、上記のように昇温工程1の通電率16/16(100%)の1/8の2/16(12.5%)程度に設定している。この通電率(加熱量)は、主ヒータ5への通電を完全にOFFにする場合に比べて、オートミール炊飯完了までの所要時間を大きく延長させず、かつ適切な炊飯量の判定を可能とするための有効な温度低下幅(温度低下時間)を確保できる値のものに設定されている。
主ヒータ5への通電率(加熱量)を昇温工程1の通電率の1/8の2/16に下げると、例えば図7および図8に示すように、その後所定時間はそれまでの16/16(フルパワー)の大きな加熱量により上記基準温度Ta℃よりも所定温度高い最高温度Tb℃(例えば70℃前後)まで温度が上がるが(オーバーシュート)、その後所定の低下率ΔTで温度が下がり、やがて上記通電率2/16の加熱量に釣り合う所定温度Tc℃時点で平衡化する。すなわち、内鍋加熱量の低減により内鍋3内のオーツ全体が冷める速度と同オーツ全体が通電率2/16の加熱量により温められる速度とが釣り合い、内鍋3の温度低下率ΔTが所定の基準低下率ΔTs以下になる。
この通電率低減による内鍋温度Tの平衡化(ΔT≦ΔTs)は、その時の炊飯量に依存し、炊飯量(内鍋3内のオーツ量)が少ないほど早く(高い温度で)生じる。例えば、図8のグラフにおけるAは炊飯量大(2カップ)の場合の内鍋温度Tの低下、Bは炊飯量小(1カップ)の場合の内鍋温度Tの低下を示している。これら炊飯量大の場合Aと炊飯量小の場合Bの通電率低減後の温度変化(平衡化)を見ると、炊飯量小(1カップ)のBの場合には、上記通電率を低減したt0時点より所定時間t3が経過した時点で、炊飯量大(2カップ)のAの場合には、上記通電率を低減したt0時点より所定時間t4が経過した時点で平衡化する。つまり、炊飯量の大小によって、通電率低減時から平衡温度に低下するまでの経過時間が異なる(t3<t4)。
ところで、上記図8のグラフの経過時間0~900(秒)は、上述した炊飯開始時からの経過時間を示している(初期水温20℃~39℃までの経過は省略)。そこで、この時間軸上で見ると、上記通電率低減時t0時点は、炊飯を開始してから約140秒経過時点、上記小炊飯量Bのt3経過時点は、炊飯を開始してから約520秒経過時点、上記大炊飯量Aのt4経過時点は、炊飯を開始してから約600秒経過時点である。これを上記通電率低減時t0時点からの経過時間(140秒減算)で見ると、上記小炊飯量Bの所要経過時間t3は380秒(520秒-140秒)、上記大炊飯量Aの所要経過時間t4は460秒(600秒-140秒)であり、その差は80秒ある。そして、この内鍋加熱手段である主ヒータ5への通電率(加熱量)を低減してから内鍋温度の平衡が生じるまでの時間(経過時間)は、明らかに炊飯量の大小に対応している。図8の例では、炊飯量が大小2つの場合で示しているが、上記の相関関係は最大炊飯量から最小炊飯量までの間の複数ランクの炊飯量についても同様である。したがって、上記昇温工程2に移行し、上記主ヒータ5への通電率を16/16から2/16に下げた時点t0から上記炊飯量に応じた内鍋温度の平衡が生じるまでの経過時間tn(t3~t4)を計測すれば炊飯量を判定することができる。この主ヒータ5への通電率を2/16に下げた時点から上記炊飯量(オーツ量)に応じた内鍋温度Tの平衡が生じるまでの経過時間tn(t3~t4)は、例えば炊飯量判定タイマーを使用し、上記主ヒータ5への通電率を2/16に下げた時点で同タイマーの計時動作をスタートさせ、内鍋温度の平衡が生じた時点で停止させれば容易に計測することができる。
しかし、図8のグラフから分かるように、内鍋3の温度T(Tn)が平衡するまで待って経過時間tnを計測するようにした場合、上述の如く炊飯量が少ないBの場合で380秒、炊飯量が多いAの場合だと460秒かかっており、低通電率2/16の状態が長く続くことになる。したがって、炊飯効率の点では若干の課題がある。
そこで、この実施の形態では、図7及び図8に示すように、炊飯量判定タイマーの計時動作を停止させる炊飯量判定用の基準温度を上記内鍋3の平衡温度Tc℃ではなく、上記内鍋3の平衡温度Tc℃よりも所定温度以上高く、かつ各炊飯量(小~大)に共通な所定の基準温度Tx℃(例えば66℃)に設定して、上記主ヒータ5への通電率を16/16から2/16に下げた時点t0から同基準温度Tx℃に低下するまでの経過時間tnを計測することにより、炊飯量を判定するようにしている。
このようにすると、図8から明らかなように、内鍋の温度T(Tn)が平衡する前の可能な限り早い段階で炊飯量判定タイマーの計時動作を停止させることができ、可能な限り低通電率2/16の状態を短くして速やかな炊飯量の判定を行うことができるようになる。その結果、炊飯効率を向上させることができる。
この実施例では、上述のように昇温開始後内鍋3の温度TnがTa℃(例えば50℃)になった時点で、ステップS4の昇温工程(降温工程)2に移行し、上述のように主ヒータ5の通電率をそれまでの16/16(100%)から2/16(12.5%)に大きく低減して降温状態を形成するようになっている。
そこで、この主ヒータ5の通電率を16/16(100%)から2/16(12.5%)に低減した時(ステップS4の昇温工程2に移行したとき)をt0(炊飯量判定用の経過時間ゼロ)と規定し、炊飯量判定タイマーのタイマー動作をスタートさせる(ステップS5)。このt0時点は、炊飯開始時点からの経過時間で見ると、上述のように約140秒である。
一方、炊飯量判定のための所定の基準温度Tx℃は、例えば図8のように66℃に設定されており、炊飯量小のBの場合に同温度66℃に低下する時点t1は、通電率低減時点t0から250秒経過時点(炊飯開始時から390秒経過時点)、炊飯量大のAの場合に同温度66℃に低下する時点t2は、通電率低減時点t0から300秒経過時点(炊飯開始時から440秒経過時点)であり、上記炊飯量小のBの場合に平衡温度(例えば64℃)に低下するまでの経過時間t3の380秒(炊飯開始時から520秒)、炊飯量大のAの場合に平衡温度(例えば62℃)に低下するまでの経過時間t4の460秒(炊飯開始時から600秒)に比べて、それぞれ130秒、160秒早く炊飯量を判定することができる。したがって、炊飯効率は高い。
図6のフローチャートのステップS5~ステップS9は、そのような構成を採用したこの実施の形態の昇温工程(降温工程)2における炊飯量の判定動作を示している。
すなわち、上述のようにして昇温工程2に移行すると、同工程において、上述のように主ヒータ5への通電率が大きく低減され、その後オーバーシュートにより内鍋3の温度がそれまでで最も高い最高温度Tb℃まで上昇し、その後、低減後の通電率に見合った平衡温度Tc℃まで低下して安定する(図8の温度特性を参照)。
そこで、先ず上記のようにしてステップS4の昇温工程2に移行すると、主ヒータ5への通電率を16/16から2/16(フルパワーの12.5%)に大きく低減すると同時に、ステップS5で上記炊飯量判定タイマーをセットし、その計時動作をスタートさせる。また、それと同時にステップS6で制御周期毎の内鍋温度T(Tn)の検出を開始する。検出された内鍋3の温度T(Tn)は、順次マイコン制御ユニット40に入力され、付属のRAM中にメモリされる。
そして、次にステップS7に進んで、同検出された内鍋3の温度T(Tn)が所定の基準温度温度Tx℃以下となったか否かを順次判定する。この所定の基準温度Tx℃は、例えば図8のグラフに示されるように、上述した内鍋平衡温度Tc℃よりも所定値以上高い温度に設定されており、内鍋3の温度が通電率2/16の加熱量との関係で平衡状態になる前の段階で内鍋3の温度T(Tn)が所定の温度Tx℃以下となったか否かを判定できるように構成されている。すなわち、この実施例の場合、上述のように、例えばTx=66℃程度に設定することにより、炊飯量大の場合Aの内鍋平衡温度(例えば62℃)および炊飯量小の場合Bの内鍋平衡温度(例えば64℃)の何れよりも高く設定されている。これにより、その時の炊飯量如何にかかわらず内鍋3の温度が平衡するよりも相当に前の段階で内鍋3の温度T(Tn)が所定の温度Tx℃以下となったか否かを判定することができる。
ステップS7の判定結果がNOの場合、すなわち、未だ内鍋3の温度T(Tn)が上記所定の基準温度温度Tx℃以下に低下していない場合には、YESとなるまで同ステップS7の判定動作を繰り返す。そして、同判定結果がYESになると、ステップS8に進んで上記炊飯量判定タイマーの計時動作を停止させる。
そして、その上でステップS9の炊飯量判定動作に進む。ステップS9の炊飯量判定動作では、上記計時動作停止時点における炊飯量判定タイマーのカウント時間(経過時間)tnを炊飯量判定用のパラメータとしてマイコン制御ユニット40に入力し、そのRAM中に記憶されている経過時間に対応した炊飯量データ(ランクデータ)を読み出すことによってなされる。そして、以後の昇温工程3、炊き上げ工程、蒸らし工程の通電率、通電パターンを同読み出された炊飯量データに対応したものに設定する。
このようにしてステップS9で具体的にオートミール炊飯量が判定され、それに対応して昇温工程3、炊き上げ工程、蒸らし工程各々の通電率、通電パターンが設定されると、次にステップS10の昇温工程3に進んで、上記主ヒータ5への通電率を再び16/16(100%)に戻し、内鍋3をフルパワー(100%)で加熱する。この結果、センターセンサ16により検出される内鍋3の温度T(Tn)が速やかに上昇し、やがて上記昇温工程2における最高温度Tb℃以上の温度に達する(図7のタイムチャートを参照)。そして、同昇温工程3においてセンターセンサ16により検出される内鍋3の温度T(Tn)が例えば上述した昇温工程2における最高温度Tb℃(一例)に達すると、同温度Tb℃に達した時点で、ステップS11の炊き上げ工程に移行し、上記主ヒータ5への通電率を例えば10/16(62.5%)程度に下げて、所定時間内十分に炊き上げる。この炊き上げ時間は、例えば工程タイマーにより設定されている。
そして、同タイマー設定されている炊き上げ時間が経過すると、最終的にステップS12の蒸らし工程に移行し、上記主ヒータ5への通電率を上記炊き上げ工程1の通電率10/16(62.5%)よりも低い2/16(12.5%)に下げ、焦げ付かせないようにして所定時間内の適切な蒸らし加熱を実行し、最終的にオートミール中の水分量を適切な量に調整する。この蒸らし加熱時間も工程タイマーにより設定されている。そして、同タイマー設定されている蒸らし加熱時間が経過すると、当該オートミールの炊飯制御を終了し、炊飯完了を報知して待機状態に移行する。
<実施の形態1のオートミール炊飯制御シーケンスにおける炊飯量判定の特徴>
上述のように、オートミール炊飯の炊飯制御シーケンスでは、吸水工程(浸し炊き工程)を経ることなく、炊飯を開始すると直ちに昇温工程1に入り、通電率を16/16(100%)のフルパワーにして炊き上げるようになっている。このように昇温工程1において主ヒータ5への通電率を16/16(100%)にして内鍋3を加熱すると、内鍋3の温度が速やかに上昇し、そのまま放置すると、やがて沸騰温度100℃に達するようになる。この時の内鍋3の単位時間当たりの温度の上昇率は、白米炊飯時における米の場合には、水量も多く、米自体が吸水膨張することもないので、内鍋3内における水の流動性が高く、効率よく対流が生じるので、その時の炊飯量(米の量)に応じたものとなる。
しかし、オートミールの場合は、内鍋3内にオーツの量の2倍程度の少な目の水を入れて炊き上げるようになっており、加工した燕麦類は、吸水膨張しやすく、炊飯開始初期においても白米炊飯のような内鍋内における水の流動性、対流は期待できない状態にある。したがって、内鍋3からオーツ部分全体への熱の伝導性は良好ではなく、白米炊飯の場合のような炊飯量(米の量)の相違による内鍋温度の変化は生じにくく、正確な炊飯量の判定を行うことができない。
そこで、この実施の形態1では、上述のように昇温工程1では主ヒータ5への通電率を16/16(100%)にして内鍋3を加熱し、内鍋3の温度を速やかに上昇させるが、所定の基準温度(炊飯量判定用昇温工程2への移行温度)Ta℃になったら、直ちに炊飯量判定工程である昇温工程2に移行し、主ヒータ5への通電率を2/16(12.5%)に大きく下げて、内鍋3の温度を速やかに低下させ、その後、同主ヒータ5への通電率を2/16(12.5%)に下げてから、内鍋平衡温度よりも高い所定の基準温度Tx℃に低下するまでの経過時間に基づいて炊飯量を判定するようにしている。この経過時間は炊飯量判定タイマーにより計測する。
図8の温度特性A(炊飯量大/2カップ)およびB(炊飯量小/1カップ)を見れば明らかなように、内鍋3内における水の流動性が低く、対流も生じないオートミール炊飯の場合、通電率16/16のフルパワーで加熱した場合、内鍋3部分の温度は内部のオーツ量に余り影響されることなく速やかに上昇し、底部部分の温度変化のみがセンターセンサ16によって検出される。したがって、この昇温過程における温度変化の相違を利用した炊飯量(オーツ量)の判定は難しい。
しかし、上述のように、一旦主ヒータ5への通電率をフルパワーにして所定温度Ta℃まで加熱し、その後、同主ヒータ5への通電率を所定値以下に低減してから内鍋温度が所定の温度Tx℃に低下するまでの時間(経過時間)は、炊飯量の大小に対応したものとなる。
すなわち、オートミール炊飯の場合、内鍋3内にオーツに対する熱伝達用の水が無いため、内鍋3の底部3aから内鍋3内のオーツ全体への熱の伝達が悪く、加熱量一定フルパワーでの昇温過程(温め過程)においては炊飯量の多寡による温度変化の相違が生じにくい。しかし、他方、通電率をフルパワー16/16(100%)から2/16(12.5%)に低減した降温過程(冷却過程)においては有効に炊飯量による温度変化の相違が生じる。つまり、冷め方(冷める速度/温度の低下速度)は、炊飯量に応じて異なる(図8の温度特性を参照)。
この実施の形態では、このような特性を利用して、上述のように炊飯量判定タイマーで炊飯量を判定するようにしている。このようにすると、オートミールのようにオーツ自体が吸水膨張し、内鍋内における水の対流が生じにくい炊飯物の場合にも、正確に炊飯量を判定することができる。
なお、以上の場合において、昇温工程1において所定の基準温度Ta℃まで昇温させた時点で、主ヒータ5への通電を完全にOFF(通電率ゼロ)にすることも可能である。図8のグラフのC,Dはそのようにした場合の温度変化を示しており、Cが炊飯量大(2カップ)、Dが炊飯量小(1カップ)の場合である。この場合、全く加熱源がないために内鍋3の温度の低下速度は早くなり、より大きく低下する。そして、通電OFF後所定温度以下まで低下する経過時間は、炊飯量の大小によって異なってくる。したがって、通電OFFの時点から所定温度まで低下する経過時間を計測すれば、同様に炊飯量を判定することは可能である。
しかし、図8のC、Dのように、昇温工程1での昇温後、主ヒータ5への通電を完全にOFFにして内鍋3の温度を下げた場合、相当に大きく温度が下がらないと炊飯量の差に応じた温度低下率の差が生じない。したがって、内鍋3の温度を大きく低下させることなく、例えば60℃以上のレベルで炊飯量を判定しようとすると、炊飯量(ランク)の相違に応じた有効な経過時間の差(主ヒータ5への通電をOFFにしてから60℃になるまでの時間の差)を得ることができず、正確な炊飯量の判定を行うことができない。
一方、例えば50℃レベルまで内鍋3の温度を大きく低下させると、炊飯量(ランク)に応じた十分な時間差を確保することができるが、そのようにした場合、続く昇温工程3における加熱量、加熱時間の増大を招き、炊飯完了までの時間を長くすることになり、比較的短時間での炊き上げ性能が求められるオートミールメニューには適していない。また、一旦大きく昇温させた炊飯工程の途中で大きく温度を下げることは、内鍋内オーツの糊化不良を招き、良好なオートミール炊飯機能を阻害する。特に、炊飯量判定後の各工程に応じた適切な加熱量、加熱パターンの設定を困難にする。
そのため、この実施の形態では、上述のように主ヒータ5への通電率を2/16に下げるだけで内鍋3自体への必要な加熱量は必ず維持するようにしており、炊飯完了までの時間を大きく延長することなく、適切な炊飯量の判定を可能とし、かつ良好なオートミール炊飯(炊き分け)を可能としている。
主ヒータ5への通電率を2/16に下げるということは、数値的に見ると一見OFFに近い制御を行っているように見えるが、しかし、OFFにした場合に比べて遥かに高い一定の内鍋温度(60℃以上)に維持することができている。したがって、以後の昇温工程3、炊き上げ工程、蒸らし工程に与える影響も小さく、炊飯量判定後の各工程に応じた適切な加熱量、加熱パターンの設定(炊き分け)が可能である。
(2)この出願の発明の実施の形態2に係る電気炊飯器のオートミール炊飯制御シーケンス:図9~図11を参照
次に図9のフローチャートおよび図10のタイムチャートは、炊飯量判定機能を備えた、この出願の発明の実施の形態2に係る電気炊飯器のオートミール炊飯制御シーケンスを示している。また、図11は、同オートミール炊飯制御の炊飯量判定時における炊飯量の大小に応じた内鍋検出温度の変化を実際の測定データに基づいて示している。
この実施の形態では、オートミール炊飯開始後、昇温工程において内鍋温度検出手段が所定の温度を検出すると、それまでの加熱量よりも所定量小さい加熱量に下げて内鍋温度を低下させ、その後、同加熱量を下げた時から同下げられた加熱量に対応して温度平衡が生じるまでの経過時間に基づいて炊飯量を判定するようにしたことを特徴とするものである。
以下、同電気炊飯器のオートミール炊飯制御シーケンスの内容について詳細に説明する。
すなわち、このオートミール炊飯制御では、図5の制御回路に電源が供給されており、かつメニューキー20gにより「オートミールメニュー」が選択設定されている場合において、炊飯キー(炊飯スタートキー)20aがON操作されるか、またはタイマー予約炊飯における炊飯開始時刻が到来すると、上述した主ヒータ駆動回路41を作動させて主ヒータ5を駆動し、同主ヒータ5による内鍋3の加熱制御(昇温制御)を開始する。なお、この昇温加熱時には、実際には加熱力を十分に大きくするために、上述した保温ヒータ17や蓋ヒータ18も合わせて駆動される。しかし、以下では説明を簡単にするために、それら保温ヒータ17や蓋ヒータ18の駆動については説明を省略している。
このオートミール炊飯の開始時、上述した内鍋3内には、上述したスチールカット、ロールオート、クイックなどの所定の量のオーツと同オーツの量の倍程度の量の水が入っており、その時の初期水温に応じた自然な吸水状態にある。
そして、炊飯制御が始まると、先ずステップS1の昇温工程1において、上記主ヒータ5への通電率(加熱量)を16/16(100%=フルパワー)にして内鍋3の温度を所定の基準温度Ta℃まで速やかに加熱昇温させる(図10のタイムチャートを参照)。この所定の基準温度Ta℃は、上記主ヒータ5への通電率を16/16(フルパワー)から2/16(12.5%)に低減して炊飯量の判定を行う昇温工程(降温工程)2に移行させるための移行判定温度であり、この実施の形態の場合、同温度Ta℃は例えば50℃程度に設定されている(図11を参照)。また、上記昇温工程1の加熱制御が始まると、ステップS2で上記センターセンサ16による内鍋3の温度T(Tn)の検出を開始する。内鍋3の温度T(Tn)は図9のフローチャートの制御周期ごとに検出され、順次マイコン制御ユニット40に入力され、そのRAM中にメモリされる。
そして、その後、ステップS3で、同センターセンサ16により検出される内鍋3の温度T(Tn)が上記所定の基準温度Ta℃以上に上昇したか否かを判定する。その結果、YESと判定されると、同所定の基準温度Ta℃になった時点で、ステップS4の昇温工程(降温工程)2に移行する。他方、NOの場合には、YESとなるまでステップS2の内鍋温度T(Tn)の検出、ステップS3の所定基準温度Ta℃への到達判定動作を継続する。
すなわち、この実施の形態の場合、昇温工程1から昇温工程2への移行は工程タイマーによる工程時間経過の判定ではなく、上記センターセンサ16により検出される内鍋3の温度T(Tn)が所定の基準温度Ta℃以上に上昇したか否かで決まる。
昇温工程2では、それまでの昇温工程1に比べて大きく通電率を下げ、同低通電率で内鍋3を加熱する。この実施の形態の場合、同昇温工程2における通電率は、上記昇温工程1の通電率16/16(100%)の1/8の2/16(12.5%)程度に設定している。この通電率(加熱量)は、主ヒータ5への通電を完全にOFFにする場合に比べてオートミール炊飯完了までの所要時間を大きく延長させず、かつ適切な炊飯量の判定を可能とするための有効な温度低下幅(温度低下時間)を確保できる値のものに設定されている。
主ヒータ5への通電率(加熱量)を昇温工程1の通電率の1/8の2/16に下げると、例えば図10および図11に示すように、その後所定時間はそれまでの16/16(フルパワー)の大きな加熱量により上記基準温度Ta℃よりも所定温度高い最高温度Tb℃(例えば70℃前後)まで温度が上がるが(オーバーシュート)、その後所定の低下率ΔTで温度が下がり、やがて上記通電率2/16の加熱量に釣り合う所定温度Tc℃時点で平衡化する。すなわち、内鍋加熱量の低減により内鍋3内のオーツ全体が冷める速度と同オーツ全体が通電率2/16の加熱量により温められる速度とが釣り合い、内鍋3の温度低下率ΔTが所定の基準低下率ΔTs以下になる。
この通電率低減による内鍋温度T(Tn)の平衡化は、炊飯量(内鍋3内のオーツ量が少ないほど早く生じる。例えば、図11のグラフにおけるAは炊飯量大(2カップ)の場合の内鍋温度の低下、Bは炊飯量小(1カップ)の場合の内鍋温度の低下を示している。
図11のグラフの横軸(時間軸)は、炊飯開始時を経過時間ゼロとして示している(初期水温20℃~39℃までの温度特性は省略)。この実施の形態の場合、上述のように昇温開始後内鍋温度T(Tn)が所定の基準温度Ta℃(例えば50℃)になった時点で、ステップS4の昇温工程(降温工程)2に移行し、上述のように主ヒータ5の通電率をそれまでの16/16(100%)から2/16(12.5%)に大きく低減して降温状態を形成するようになっている。
そこで、この主ヒータ5の通電率を16/16(100%)から2/16(12.5%)に低減した時(ステップS4の昇温工程2に移行したとき)をt0(炊飯量判定用の経過時間ゼロ)と規定し、炊飯量判定タイマーのタイマー動作をスタートさせる(ステップS5)。このt0時点は、炊飯開始時点からの経過時間で見ると、約140秒である。
図11のAとBの通電率低減後(t0時点で通電率低減)の温度変化(平衡化)を見ると、炊飯量大(2カップ)のAの場合には、t1時点(通電率低減後380秒/炊飯開始後520秒経過時点)では未だ平衡化せず、t2時点(通電率低減後460秒/炊飯開始後600秒経過時点)で初めて平衡化する。他方、炊飯量小(1カップ)のBの場合には、それよりも早いt1時点(通電率低減後380秒/炊飯開始後520秒経過時点)で平衡化する。その差は80秒あり、内鍋加熱手段である主ヒータ5への通電率(加熱量)を低減してから内鍋温度の平衡が生じるまでの時間(経過時間)は、明らかに炊飯量の大小に対応している。図11の例では、炊飯量が大小2つの場合で示したが、上記の相関関係は最大炊飯量から最小炊飯量までの全ての量(ランク)の炊飯量についても同様である。
したがって、上記昇温工程2に移行し、主ヒータ5への通電率を2/16に下げた時点から上記炊飯量に応じた内鍋温度の平衡が生じるまでの経過時間tnを計測すれば炊飯量を判定することができる。主ヒータ5への通電率を2/16に下げた時点から上記炊飯量に応じた内鍋温度の平衡が生じるまでの経過時間tnは、炊飯量判定タイマーを使用し、主ヒータ5への通電率を2/16に下げた時点で同タイマーの計時動作をスタートさせ、内鍋温度の平衡が生じた時点で停止させれば容易に計測することができる。内鍋温度の平衡は、内鍋温度の低下率ΔTを演算し、同演算された内鍋温度の低下率ΔTが所定の基準低下率ΔTs以下になったことにより容易に判定することができる。昇温工程2における内鍋温度の低下は、内鍋3の温度を検出し、通電率低減直後のオーバーシュートによる上昇状態から低下に転じた時を基準として判定することができる。そして、同判定後の低下率ΔTを演算すればよい。
図9のフローチャートのステップS5~ステップS11は、そのような構成を採用したこの実施の形態の昇温工程2における炊飯量の判定動作を示している。
すなわち、上述のようにして昇温工程2に移行すると、同工程において、上述のように主ヒータ5への通電率が大きく低減され、その後オーバーシュートにより内鍋3の温度がそれまでで最も高い最高温度Tb℃まで上昇し、その後、低減後の通電率に見合った平衡温度Tc℃まで低下する(図10参照)。
そこで、ステップS4の昇温工程2に移行すると、主ヒータ5への通電率を2/16に低減すると同時に、ステップS5で上記炊飯量判定タイマーをセットし、その計時動作をスタートさせる。また、それと同時にステップS6で内鍋温度の検出を開始する。内鍋3の温度は図9のフローチャートの制御周期ごとに検出され、順次マイコン制御ユニット40に入力され、RAM中にメモリされる。
そして、次にステップS7に進んで、今回検出された内鍋3の温度Tnが前回検出された温度Tn-1より低下しているか否かを判定する。その判定結果がNOの場合には、YESとなるまで上記ステップS5~S7の動作を繰り返す。他方、同判定結果がYESになると、上記オーバーシュートによる温度の上昇が終わって内鍋温度が低下し始めたことを示しているので、続いてステップS8に進み、温度平衡を検出するための内鍋温度Tの低下率ΔTの演算を開始する。この内鍋温度の低下率ΔTの演算は、例えば所定周期内にどれだけ温度が低下したかで算出する。
ここで演算される内鍋温度Tの低下率は、この実施の形態1の場合、主ヒータ5への通電を完全にOFFにするのではなく、少なくとも2/16(12.5%)の通電量は維持していることから、次第に小さくなり、やがて当該主ヒータ5への通電量2/16による内鍋の発熱量と釣り合う段階で最小になり、それ以上には低下しなくなる。すなわち、温度が平衡する。そこで、この平衡状態に対応する最小の温度低下率ΔTsを平衡状態判定用の基準値として、次のステップS9で実際に演算された温度低下率ΔTと比較し、実際に演算された温度低下率ΔTが基準となる最小の温度低下率ΔTs以下となったか否かを判定する。その結果、NOの場合には、ステップS8による内鍋温度低下率ΔTの演算、ステップS9による基準温度低下率ΔTs以下への低下判定を繰り返す。他方、YESの場合には、内鍋温度が平衡状態になったと判定し、ステップS10に進んで上記炊飯量判定タイマーの計時動作を停止させる。
そして、その上でステップS11の炊飯量判定動作に進む。ステップS11の炊飯量判定動作では、上記計時動作停止時点における炊飯量判定タイマーのカウント時間(経過時間)tnを炊飯量判定用のパラメータとしてマイコン制御ユニット40に入力し、そのRAM中に記憶されている経過時間に対応した炊飯量データを読み出す。そして、以後の昇温工程3、炊き上げ工程、蒸らし工程の通電率、通電パターンを同読み出された炊飯量データに対応したものに設定する。
このようにしてステップS11で具体的にオートミール炊飯量が判定されると、次にステップS12の昇温工程3に進んで、上記主ヒータ5への通電率を再び16/16(100%)に戻し、内鍋3をフルパワーで加熱する。この結果、センターセンサ16により検出される内鍋3の温度Tが速やかに上昇し、やがて上記昇温工程2における最高温度Tb℃以上の温度に達する。そして、同昇温工程3においてセンターセンサ16により検出される内鍋3の温度Tが例えば上述した昇温工程2における最高温度Tb℃(一例)に達すると、同温度Tb℃に達した時点で、ステップS13の炊き上げ工程に進み、上記主ヒータ5への通電率を例えば10/16(62.5%)程度に下げて、所定時間内十分に炊き上げる。この炊き上げ時間は、例えば工程タイマーにより設定されている。
そして、同タイマー設定されている炊き上げ時間が経過すると、最終的にステップS14の蒸らし工程に進み、上記主ヒータ5への通電率を上記炊き上げ工程1の通電率10/16(62.5%)よりも低い2/16(12.5%)に下げ、焦げ付かせないようにして所定時間内の蒸らし加熱を実行し、最終的にオートミール中の水分量を適切に調整する。この蒸らし加熱時間も工程タイマーにより設定されている。そして、同タイマー設定されている蒸らし加熱時間が経過すると、オートミールの炊飯制御を終了し、炊飯完了を報知して待機状態に移行する。
<実施の形態2のオートミール炊飯制御シーケンスにおける炊飯量判定の特徴>
上述のように、オートミール炊飯の炊飯制御シーケンスでは、吸水工程(浸し炊き工程)を経ることなく、炊飯を開始すると直ちに昇温工程1に入り、通電率を16/16(100%)のフルパワーにして炊き上げるようになっている。このように昇温工程1において主ヒータ5への通電率を16/16(100%)にして内鍋3を加熱すると、内鍋3の温度が速やかに上昇し、そのまま放置すると、やがて沸騰温度100℃に達するようになる。この時の内鍋3の単位時間当たりの温度の上昇率は、白米炊飯時における米の場合には、水量も多く、米自体が吸水膨張することもないので、内鍋3内における水の流動性が高く、効率よく対流が生じるので、その時の炊飯量(米の量)に応じたものとなる。
しかし、オートミールの場合は、内鍋3内にオーツの量の2倍程度の少な目の水を入れて炊き上げるようになっており、加工した燕麦類は、吸水膨張しやすく、炊飯開始初期においても白米炊飯のような内鍋内における水の流動性、対流は期待できない状態にある。したがって、内鍋3からオーツ部分全体への熱の伝導性は良好ではなく、白米炊飯の場合のような炊飯量(米の量)の相違による内鍋温度の変化は生じにくく、正確な炊飯量の判定を行うことができない。
そこで、この実施の形態2では、上述のように昇温工程1では主ヒータ5への通電率を16/16(100%)にして内鍋3を加熱し、内鍋3の温度を速やかに上昇させるが、所定の基準温度(炊飯量判定用昇温工程2への移行温度)Ta℃になったら、直ちに炊飯量判定工程である昇温工程2に移行し、主ヒータ5への通電率を2/16(12.5%)に大きく下げて、内鍋3の温度を速やかに低下させ、その後、同主ヒータ5への通電率を2/16(12.5%)に下げてから、同下げられた主ヒータ5の通電率に対応して温度平衡が生じるまでの経過時間に基づいて炊飯量を判定するようにしている。この経過時間は炊飯量判定タイマーにより計測する。
図11の温度特性A(炊飯量大/2カップ)およびB(炊飯量小/1カップ)を見れば明らかなように、内鍋内における水の流動性が低く、対流も生じないオートミール炊飯の場合、通電率16/16のフルパワーで加熱した場合、内鍋3部分の温度は内部のオーツ量に余り影響されることなく速やかに上昇し、底部の温度変化のみがセンターセンサ16によって検出されることになる。したがって、この昇温過程における温度変化の相違を利用した炊飯量(オーツ量)の判定は難しい。
すなわち、オートミール炊飯の場合、内鍋3内にオーツに対する熱伝達用の水が無いため、内鍋3の底部3aから内鍋3内のオーツ全体への熱の伝達が悪く、加熱量一定フルパワーでの昇温過程(温め過程)においては炊飯量の多寡による温度変化の相違が生じにくい。しかし、他方、通電率をフルパワー16/16(100%)から2/16(12.5%)に低減した降温過程(冷却過程)においては有効に炊飯量による温度変化の相違が生じる。つまり、冷め方(冷める速度/温度の低下速度)は、炊飯量に応じて異なる(図11の温度特性を参照)。
したがって、主ヒータ5への通電率を2/16(12.5%)に下げてから、同下げられた主ヒータ5の通電率に対応して温度平衡が生じるまでの経過時間tnの大小は、炊飯量の大小を示す。この実施の形態では、このような特性を利用して、上述のように炊飯量判定タイマーで炊飯量を判定するようにしている。このようにすると、オートミールのようにオーツ自体が吸水膨張し、内鍋内における水の対流が生じにくい炊飯物の場合にも、正確に炊飯量を判定することができる。
なお、以上の場合において、昇温工程1において所定の基準温度Ta℃まで昇温させた時点で、主ヒータ5への通電を完全にOFF(通電率ゼロ)にすることも可能である。そのようにすると、例えば図11の温度特性C(炊飯量大/2カップ)、D(炊飯量小/1カップ)に示すように、加熱源がないために内鍋3の温度の低下は早くなり、より大きく低下する。そして、通電OFF後所定温度以下まで低下する経過時間は、炊飯量の大小によって異なってくる。したがって、通電OFFの時点から所定温度Tx℃以下まで低下する経過時間を計測すれば、同様に炊飯量を判定することは可能である。
しかし、図11のC、Dのように、昇温工程1での昇温後、主ヒータ5への通電を完全にOFFにして内鍋3の温度を下げた場合、相当に大きく温度が下がらないと炊飯量の差に応じた温度低下時間の差が生じない。したがって、内鍋3の温度を大きく低下させることなく、例えば60℃以上のレベルで炊飯量を判定しようとすると、炊飯量(ランク)の相違に応じた有効な経過時間の差(主ヒータ5への通電をOFFにしてから60℃になるまでの時間の差)を得ることができず、正確な炊飯量の判定を行うことができない。
一方、例えば50℃レベルまで内鍋3の温度を大きく低下させると、炊飯量(ランク)に応じた十分な時間差を確保することができるが、そのようにした場合、続く昇温工程3における加熱量、加熱時間の増大を招き、炊飯完了までの時間を長くすることになり、比較的短時間での炊き上げ性能が求められるオートミールメニューには適していない。また、一旦大きく昇温させた炊飯工程の途中で大きく温度を下げることは、内鍋内オーツの糊化不良を招き、良好なオートミール炊飯を阻害する。特に、炊飯量判定後の各工程に応じた適切な加熱量、加熱パターンの設定を困難にする。
そのため、この実施の形態では、上述のように主ヒータ5への通電率を2/16に下げるだけで内鍋3自体への必要な加熱量は必ず維持するようにしており、炊飯完了までの時間を大きく延長することなく、適切な炊飯量の判定を可能とし、かつ良好なオートミール炊飯(炊き分け)を可能としている。
主ヒータ5への通電率を2/16に下げるということは、数値的に見ると一見OFFに近い制御を行っているように見えるが、しかし、図11の温度特性A、BとC、Dの相違を見れば明らかなように、OFFにした場合に比べて遥かに高い一定の内鍋温度(60℃以上)に維持することができている。 したがって、以後の昇温工程3、炊き上げ工程、蒸らし工程に与える影響も小さく、炊飯量判定後の各工程に応じた適切な加熱量、加熱パターンの設定(炊き分け)が可能である。
(3)この出願の発明の実施の形態3に係る電気炊飯器のオートミール炊飯制御シーケンス:図12~図14を参照
次に、図12のフローチャートおよび図13のタイムチャートは、上記実施の形態1、2のものと同様の炊飯量判定機能を備えた、この出願の発明の実施の形態3に係る電気炊飯器のオートミール炊飯制御シーケンスを示している。また、図14は、同オートミール炊飯制御の炊飯量判定時における炊飯量の大小に応じた内鍋検出温度の変化を実際の測定データに基づいて示している。
この実施の形態では、オートミール炊飯開始後、昇温工程において内鍋温度検出手段が所定の温度を検出すると、それまでの加熱量よりも所定量小さい加熱量に下げて内鍋温度を低下させ、その後、その時の加熱量に対応して温度平衡が生じるタイミングで検出される内鍋温度と上記所定量小さい加熱量での最高内鍋温度との温度差に基づいて炊飯量を判定することを特徴とするものである。
以下、同電気炊飯器のオートミール炊飯制御シーケンスの内容について詳細に説明する。
すなわち、このオートミール炊飯制御では、図5の制御回路に電源が供給されており、かつメニューキー20gにより「オートミールメニュー」が選択設定されている場合において、炊飯キー(炊飯スタートキー)20aがON操作されるか、またはタイマー予約炊飯における炊飯開始時刻が到来すると、上述した主ヒータ駆動回路41を作動させて主ヒータ5を駆動し、同主ヒータ5による内鍋3の加熱制御を開始する。なお、この昇温加熱時には、実際には加熱力を十分に大きくするために、上述した保温ヒータ17や蓋ヒータ18も合わせて駆動される。しかし、以下では説明を簡単にするために、それら保温ヒータ17や蓋ヒータ18の駆動については説明を省略している。
このオートミール炊飯の開始時、上述した内鍋3内には、上述したスチールカット、ロールオート、クイックなどの所定の量のオーツと同オーツの量の倍程度の量の水が入っており、その時の初期水温に応じた自然な吸水状態にある。
そして、炊飯制御が始まると、先ずステップS1の昇温工程1において、上記主ヒータ5への通電率を16/16(100%=フルパワー)にして内鍋3を所定の基準温度Ta℃まで速やかに加熱昇温させる(図13のタイムチャートを参照)。この実施の形態の場合、この所定の基準温度Ta℃は、例えば50℃程度に設定されている(図14を参照)。また、それと同時に、ステップS2で上記センターセンサ16による内鍋3の温度T(Tn)の検出を開始する。内鍋3の温度は制御周期ごとに検出され、マイコン制御ユニット40のRAM中に入力され、メモリされる。
そして、その後、ステップS3で、上記センターセンサ16により検出される内鍋3の温度T(Tn)が所定の基準温度Ta℃以上に上昇したか否かを判定する。そして、その結果、YESと判定されると、同所定の基準温度Ta℃になった時点で、ステップS4の昇温工程2に移行する。他方、NOの場合は、YESとなるまでステップS2の内鍋温度の検出、ステップS3の基準温度Ta℃への到達判定動作をYESになるまで繰り返す。
すなわち、この実施の形態の場合、昇温工程1から昇温工程2への移行は工程タイマーによる工程時間経過の判定ではなく、上記センターセンサ16により検出される内鍋3の温度T(Tn)が所定の基準温度Ta℃以上に上昇したか否かで決まる。
昇温工程2では、それまでの昇温工程1に比べて大きく通電率を下げ、同低通電率で内鍋3を加熱する。この実施の形態の場合、昇温工程2における通電率は、例えば昇温工程1の通電率16/16(100%)の1/8の2/16(12.5%)程度に設定している。この通電率は、主ヒータ5への通電を完全にOFFにする場合に比べてオートミール炊飯完了までの所要時間を大きく延長させず、かつ適切な炊飯量の判定を可能とするための内鍋3の必要な温度低下度合を確保できる値のものに設定されている。
主ヒータ5への通電率を昇温工程1の通電率の1/8の2/16に下げると、例えば図13および図14に示すように、その後所定時間はそれまでの16/16(フルパワー)の大きな加熱量により上記基準温度Ta℃よりも所定温度高い最高温度Tb℃(例えば70℃前後)まで温度が上がるが(オーバーシュート)、その後所定の低下率ΔTで温度が下がり、やがて上記通電率2/16の加熱量に釣り合う所定温度Tc℃時点で平衡化する。すなわち、内鍋3の温度低下率ΔTが所定の基準低下率ΔTs以下になる。
この昇温工程2での通電率低減による内鍋検出温度の変化、すなわちオーバーシュートによる昇温値(最高温度)およびその後の温度低下による平衡化は、炊飯量(オーツ量)によって異なるものとなる。例えば図14のグラフにおけるAは炊飯量大(2カップ)の場合の内鍋検出温度の変化、Bは炊飯量小(1カップ)の場合の内鍋検出温度の変化をそれぞれ示している。これらAとBの通電率低減後の温度の変化を見ると、その最高温度Tb℃および平衡温度Tc℃共に相違し、最高温度Tb℃と平衡温度Tc℃との温度差も炊飯量に応じて明確に異なっている。
すなわち、炊飯量大の場合の最高温度Tb℃と平衡温度Tc℃との差は十分に大きく、炊飯量小の場合の最高温度Tb℃と平衡温度Tc℃との差は小さい。しかし、これらの差は相対的なもので、実験の結果によると、最小炊飯量の場合にも、十分に有効な最高温度Tb℃と平衡温度Tc℃との温度差を得ることができることが確認された。
したがって、上記昇温工程2に移行した後、内鍋3の温度T(Tn)を常時検出し、同温度T(Tn)が上昇から低下に転じた時の低下前の温度を最高温度Tb℃として記憶させて置き、その後、さらに内鍋温度T(Tn)の検出を続けると共に、内鍋温度T(Tn)の低下率ΔTを演算し、上記炊飯量の差に応じた平衡化温度、すなわち内鍋温度の低下率ΔTが所定の基準低下率ΔTs以下になった時の内鍋温度Tc℃と上記最高温度Tb℃の差から炊飯量を判定することができる。
図12のフローチャートのステップS5~ステップS12は、このような炊飯量判定工程である昇温工程2における内鍋温度T(Tn)の検出、内鍋最高温度の判定・記憶、内鍋温度の低下判定、内鍋温度低下率の演算、内鍋温度の平衡化判定、内鍋平衡温度の記憶、内鍋平衡温度と内鍋最高温度との温度差の演算、同演算値に基づく炊飯量の判定動作を示している。
すなわち、上述のようにして昇温工程2に移行すると、同工程において、上述のように主ヒータ5への通電率が大きく低減され、その後オーバーシュートにより内鍋3の温度がそれまでで最も高い最高温度Tb℃まで上昇し、その後、炊飯量に応じて上記平衡温度Tc℃まで低下する。
そこで、上述のように昇温工程2に入ると、先ずステップS5で改めて内鍋の温度T(Tn)の検出を開始する。この内鍋温度T(Tn)の検出は図12のフローチャートの制御周期毎に繰り返される。そして、さらにステップS6に進み、今回検出された内鍋3の検出温度T(Tn)が前回検出された内鍋3の温度T(Tn-1)よりも低下したか否かを判定する。その結果、NOの場合には未だオーバーシュートによる昇温状態にあると判断して、ステップS5~S6の動作を繰り返す。他方、今回検出された内鍋3の検出温度Tnが前回検出された内鍋3の温度Tn-1よりも低下したYESの場合には、続くステップS7に進んで、前回検出された内鍋温度Tn-1を炊飯量判定用の内鍋最高温度Tb℃として記憶する。
今回検出された内鍋の検出温度Tnが前回検出された内鍋温度Tn-1よりも低下したということは、上述した通電率低減後のオーバーシュートが終了して内鍋3の温度が低下し始めたことを示している。そこで、次にステップS8に進み、今度は内鍋温度の低下による温度平衡を検出するために、内鍋温度の低下率ΔTの演算を開始する。内鍋温度の低下率ΔTの演算は、例えば所定周期内にどれだけ温度が低下したかで算出する。
この内鍋温度Tの低下率は、この実施の形態3の場合、主ヒータ5への通電を完全にOFFにするのではなく、少なくとも2/16(12.5%)の通電量は維持していることから、次第に小さくなり、やがて当該主ヒータ5への通電量2/16による内鍋の発熱量と釣り合う段階で最小になり、それ以上は低下しなくなる。すなわち、温度が平衡する。そこで、次にステップS9に進み、この平衡状態に対応する最小の温度低下率ΔTsを温度平衡判定用の基準値として、実際に演算された温度低下率ΔTと比較し、実際に演算された温度低下率ΔTが基準となる最小の温度低下率ΔTs以下となったか否かを判定する。その結果、NOの場合には、ステップS8による内鍋温度低下率ΔTの演算、ステップS9による基準温度低下率ΔTs以下への低下判定を繰り返す。他方、YESの場合には、ステップS10に進んで、その時(基準となる最小の温度低下率ΔTs以下となった時/内鍋温度平衡時)の内鍋3の検出温度Tを炊飯量判定用の平衡温度Tc℃として記憶する。
そして、次にステップS11に進み、ステップS10で記憶した内鍋3の平衡温度Tc℃と上記ステップS7で記憶したオーバーシュートによる最高温度Tb℃との差を演算する。先に述べたように、この平衡温度Tc℃と最高温度Tb℃との差は、オートミール炊飯時の内鍋3内のオーツ量を示しており、上記図5のマイコン制御ユニット40のRAM中には、当該電気炊飯器の炊飯容量に応じて炊き上げることができるオートミールの炊飯量(最大~最小までの複数のランク)に応じた実験結果による演算データがメモリされている。これら演算データは上記ステップS11で演算された温度差を読み出しパラメータとして任意に読み出すことができる。
そこで、続くステップS12の炊飯量の判定では、上記ステップS12で演算された温度差をパラメータとして任意に同温度差に対応する炊飯量データを読み出し、それによって炊飯量の判定を行う。そして、それにより判定された炊飯量に応じた以後の昇温工程3、炊き上げ工程、蒸らし工程各々の主ヒータ通電量、通電パターンを適切に設定する。
このようにしてオートミール炊飯量が判定され、それに応じた適切な加熱量、加熱パターンが設定されると、次にステップS13の昇温工程3に進んで、上記主ヒータ5への通電率を再び16/16(100%)に戻し、内鍋3をフルパワーで加熱する。この結果、センターセンサ16により検出される内鍋3の温度Tが速やかに上昇し、やがて上記昇温工程2における最高温度Tb℃以上の温度に達する。そして、センターセンサ16により検出される内鍋3の温度が同昇温工程2における最高温度Tb℃に達すると、同温度Tb℃に達した時点で、ステップS14の炊き上げ工程に進み、上記主ヒータ5への通電率を例えば10/16(62.5%)に下げて、焦げ付かないようにして所定時間内十分に炊き上げる。この炊き上げ時間は、例えば工程タイマーにより設定されている。
そして、同タイマー設定されている炊き上げ時間が経過すると、最終的にステップS15の蒸らし工程に進み、上記主ヒータ5への通電率を上記炊き上げ工程1の通電率10/16(62.5%)よりも低い2/16(12.5%)に下げて、所定時間内の蒸らし加熱を実行し、最終的にオートミール中の水分量を適切に調整する。この蒸らし加熱時間も工程タイマーにより設定されている。そして、同タイマー設定されている蒸らし加熱時間が経過すると、炊飯の完了を報知してオートミールの炊飯制御を終了し、待機状態に移行する。
<実施の形態3のオートミール炊飯制御シーケンスにおける炊飯量判定の特徴>
上述のように、オートミール炊飯の炊飯制御シーケンスでは、吸水工程(浸し炊き工程)を経ることなく、炊飯を開始すると直ちに昇温工程1に入り、通電率を16/16(100%)のフルパワーで炊き上げるようになっている。このように昇温工程1においてヒータ5への通電率を16/16(100%)にして内鍋3を加熱すると、内鍋3の温度が速やかに上昇し、そのまま放置すると、やがて沸騰温度100℃に達するようになる。この時の内鍋3の単位時間当たりの温度の上昇率は、白米炊飯時における米の場合には、水量も多く、オーツのようには吸水膨張せず、内鍋3内における水の流動性が高く、効率よく対流が生じるので、その時の炊飯量(米の量)に応じたものとなる。
しかし、オートミールの場合は、内鍋3内にオーツの量の2倍程度の少な目の水を入れて炊き上げるようになっており、加工した燕麦類は、吸水膨張しやすく、炊飯開始初期から白米炊飯メニューの場合のような水の対流による均一な加熱は期待できない状態にある。したがって、内鍋3からオーツ部分全体への熱の伝導性は良好ではなく、白米炊飯の場合のような炊飯量(米の量)の相違による内鍋温度の変化は生じにくく、正確な炊飯量の判定を行うことができない。
そこで、この実施の形態3では、上述のように昇温工程1では通電率を16/16(100%)にして内鍋3を加熱し、内鍋3の温度を速やかに上昇させるが、所定の基準温度Ta℃になったら、直ちに炊飯量判定用の昇温工程2に移行し、主ヒータ5への通電率を2/16(12.5%)に大きく下げて、内鍋3の温度を速やかに低下させるようにし、その時の炊飯量の差に応じた温度低下幅の相違によって炊飯量を判定するようにしている。
図14の温度特性A(炊飯量大/2カップ)およびB(炊飯量小/1カップ)を見れば明らかなように、吸水膨張しやすくて、内鍋内における水の流動性がなく、対流が生じにくいオートミール炊飯の場合、通電率16/16のフルパワー(100%)で加熱した場合、内鍋3の温度は内鍋3内部のオーツ量そのもの(全体量)に余り影響されることなく速やかに上昇し、内鍋3底部部分の温度変化がセンターセンサ16によって検出されるだけである。したがって、この昇温過程における温度変化の相違を利用した炊飯量(オーツ量)の判定は難しい。
このようにオートミール炊飯の場合、内鍋3内にオーツに対する熱伝達用の水が無いため、内鍋3の底部3aから内鍋3内のオーツ全体への熱の伝達が悪く、加熱量一定フルパワーでの昇温過程(温め過程)においては炊飯量の多寡による温度変化の相違が生じにくい。しかし、他方、通電率をフルパワー16/16(100%)から2/16(12.5%)に低減した降温過程(冷却過程)においては有効に炊飯量による温度変化の相違が生じる。つまり、冷め方(冷める速度/温度の低下速度)は、炊飯量に応じて異なる(図14の温度特性を参照)。
そして、このように通電率をフルパワー16/16(100%)から2/16(12.5%)に低減して内鍋3の温度を低下させた場合、所定の温度までは内鍋3の温度が低下するが、この場合電源がOFFではないので、やがて当該2/16の通電率での加熱量に対応して内鍋温度の平衡が生じるようになり、それ以上には内鍋3の温度が低下しなくなる。この温度平衡が生じる内鍋温度は、その時の内鍋3内の炊飯量に対応したものとなる。すなわち、低減された通電率2/16は一定であるから、炊飯量が多いと温度平衡が生じる内鍋温度は低くなり、炊飯量が少ないと温度平衡が生じる内鍋温度は高くなる(図14の温度特性参照)。
そこで、この実施の形態では、このような特性を利用して、オートミール炊飯開始後、昇温工程において内鍋温度検出手段が所定の基準温度Ta℃を検出すると、それまでの加熱量よりも所定量小さい加熱量に下げて内鍋温度を低下させ、その後、その時の加熱量に対応して温度平衡が生じるタイミングで検出される内鍋温度(内鍋平衡温度)Tc℃と上記所定量小さい加熱量での最高内鍋温度Tb℃との温度差Tb-Tcに基づいて、正確に炊飯量を判定するようにしている。
なお、この実施の形態3の場合においても、上述した実施の形態1,2の場合と同様に、昇温工程1において所定の基準温度Ta℃まで昇温させた時点で、主ヒータ5への通電を完全にOFF(通電率ゼロ)にすることが考えられる。そのようにすると、例えば図14の温度特性C(炊飯量大/2カップ)、D(炊飯量小/1カップ)に示すように、加熱源がないために内鍋3の温度の低下は早くなり、より大きく低下する。したがって、通電OFF後のオーバーシュートによる内鍋最高温度Tb℃と、その後、所定時間経過後の所定低下温度との温度差自体は大きく取ることができる(この場合は温度平衡が生じないので)。したがって、炊飯量の判定だけを考えると、一応通電OFFによる炊飯量の判定も可能である。
しかし、一旦大きく昇温させた炊飯工程の途中で大きく温度を下げることは、内鍋内オーツの糊化不良を招き、良好なオートミール炊飯を阻害する。また、炊飯量判定後の各工程(昇温~炊き上げ~蒸らし)に応じた適切な加熱量、加熱パターンの設定を困難にし、所要炊飯時間を長くすることになる。
そのため、この実施の形態3の場合にも、上記実施の形態1,2の場合と同様に、上記主ヒータ5への通電率を2/16に下げるだけで内鍋3自体への必要な加熱量は必ず維持するようにしており、炊飯完了までの時間を大きく延長することなく、適切な炊飯量の判定を可能とし、かつ良好なオートミール炊飯(炊き分け)を可能としている。
すなわち、主ヒータ5への通電率を2/16に下げるということは、数値的に見るとOFFに近い制御を行っているように見えるが、しかし、図14の温度特性A、BをC、Dと対比すれば明らかなように、OFFにした場合に比べて遥かに高い一定の内鍋温度(60℃以上)に維持することができる。したがって、以後の昇温工程3、炊き上げ工程、蒸らし工程に与える影響も小さく、炊飯量判定後の各工程に応じた適切な加熱量、加熱パターンの設定(炊き分け)が可能である。
<その他の実施の形態>
上述の実施の形態2の構成では、図9のフローチャートに示すように、炊飯量判定のための経過時間を主ヒータ5への通電率を低減した時点から内鍋温度の平衡が生じた時点までの経過時間に基づいて行うようにしたが、この経過時間は、例えば実施の形態3と同様の方法で主ヒータ5への通電率低減後の内鍋の最高温度Tb℃を検出し、同最高温度Tb℃を検出した時点から内鍋温度の平衡が生じたTc℃時点までの経過時間に基づいて行うようにしても良い。
また、上述の実施の形態1~3の構成では、図6、図9、図12のフローチャートに示すように、いずれの場合にも蒸らし工程が終了すると、そのままオートミールの炊飯制御を終了して待機状態に移行するように構成したが、オートミール炊飯メニューの場合にも白米炊飯メニューの場合と同様に保温機能があれば便利である。
そこで、それぞれ上記蒸らし工程に続いて、保温工程を設ける構成も必要に応じて採用される。
1:炊飯器筐体
2:蓋体
3:内鍋
5:主ヒータ
6:ヒータプレート
16:センターセンサ
17:保温ヒータ
18:蓋ヒータ
20a:炊飯キー
40:マイコン制御ユニット
41:主ヒータ駆動回路
42:保温ヒータ駆動回路
43:蓋ヒータ駆動回路

Claims (6)

  1. 内鍋と、内鍋を加熱する内鍋加熱手段と、内鍋の温度を検出する内鍋温度検出手段と、内鍋加熱手段の加熱量を可変する加熱量可変手段を備え、内鍋温度検出手段により検出された内鍋の温度に応じて加熱量可変手段により内鍋加熱手段の加熱量を変えることにより、昇温、炊き上げ、蒸らしの各工程を経て、オートミールの炊飯を行う電気炊飯器であって、
    オートミール炊飯開始後、昇温工程において内鍋温度検出手段が所定値以上の温度を検出すると、加熱量可変手段により内鍋加熱手段の加熱量をそれまでの加熱量よりも小さくして内鍋の温度を所定の温度まで低下させ、同加熱量を小さくした時から所定の温度に低下するまでの経過時間に基づいて炊飯量を判定するようにしたことを特徴とする電気炊飯器。
  2. 内鍋と、内鍋を加熱する内鍋加熱手段と、内鍋の温度を検出する内鍋温度検出手段と、内鍋加熱手段の加熱量を可変する加熱量可変手段を備え、内鍋温度検出手段により検出された内鍋の温度に応じて加熱量可変手段により内鍋加熱手段の加熱量を変えることにより、昇温、炊き上げ、蒸らしの各工程を経て、オートミールの炊飯を行う電気炊飯器であって、
    オートミール炊飯開始後、昇温工程において内鍋温度検出手段が所定値以上の温度を検出すると、加熱量可変手段により内鍋加熱手段の加熱量をそれまでの加熱量よりも小さくして内鍋温度を低下させ、同加熱量を小さくした時から同小さくされた加熱量に対応して温度平衡が生じるまでの経過時間に基づいて炊飯量を判定するようにしたことを特徴とする電気炊飯器。
  3. 内鍋と、内鍋を加熱する内鍋加熱手段と、内鍋の温度を検出する内鍋温度検出手段と、内鍋加熱手段の加熱量を可変する加熱量可変手段を備え、内鍋温度検出手段により検出された内鍋の温度に応じて加熱量可変手段により内鍋加熱手段の加熱量を変えることにより、昇温、炊き上げ、蒸らしの各工程を経て、オートミールの炊飯を行う電気炊飯器であって、
    オートミール炊飯開始後、昇温工程において内鍋温度検出手段が所定値以上の温度を検出すると、加熱量可変手段により内鍋加熱手段の加熱量をそれまでの加熱量よりも小さくして内鍋温度を低下させ、上記加熱量を小さくした後の最高温度と同小さくされた加熱量に対応して生じる内鍋平衡温度との温度差に基づいて、炊飯量を判定するようにしたことを特徴とする電気炊飯器。
  4. 内鍋加熱手段の加熱量を小さくした時から内鍋温度が所定の温度に低下するまでの経過時間を、炊飯量判定タイマーにより計測するようにしたことを特徴とする請求項1記載の電気炊飯器。
  5. 内鍋加熱手段の加熱量を小さくした時から同小さくされた加熱量に対応して内鍋温度の平衡が生じるまでの経過時間を、炊飯量判定タイマーにより計測するようにしたこと特徴とする請求項2記載の電気炊飯器。
  6. 内鍋温度の平衡は、内鍋温度の低下率を演算し、同演算された内鍋温度の低下率が所定の基準低下率以下になったことにより判定するようにしたことを特徴とする請求項2,3又は5記載の電気炊飯器。
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