JP5407367B2 - 車両の側部車体構造 - Google Patents

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Description

本発明は、ピラーアウタパネルとピラーインナパネルとの間にピラーレインフォースメントを備えたセンターピラーが、ルーフサイドレールとサイドシルとの間に亘って上下方向に延びるように設置された車両の側部車体構に関する。
従来、下記特許文献1に示されるように、車体側部に上下方向に配置されるセンターピラーを軽合金により形成した車体構造において、上記センターピラーの上下方向中央部よりも下側に強度変化点を設け、この強度変化点よりも上部では部材強度を大きくし、下部では部材強度を小さくすることが行われている。具体的には、センターピラーの上部の板厚を下部よりも厚くし、両者の間で板厚を急変させて所定の強度差をもたせることにより、上記強度変化点を構成している。
特開2001−163257号公報
上記特許文献1に開示された車体構造によれば、センターピラーの下部を上部よりも変形し易くすることにより、車両側突時におけるセンターピラーの変形形状を制御し、センターピラーによる乗員への干渉を防止できるという利点がある。しかしながら、例えば側突時の荷重が比較的大きいような場合には、たとえセンターピラーの変形形状を制御できても、その変形量(車室内側への突出量)自体が増大してセンターピラーが乗員に干渉してしまい、乗員を適正に保護できなくなるおそれがある。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、車両側突時のセンターピラーの変形を効果的に抑制して乗員の安全性をより適正に確保することが可能な車両の側部車体構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためのものとして、本発明は、ピラーアウタパネルとピラーインナパネルとの間にピラーレインフォースメントを備えたセンターピラーが、ルーフサイドレールとサイドシルとの間に亘って上下方向に延びるように設置された車両の側部車体構造であって、上記ピラーレインフォースメントが、上記ルーフサイドレールから上記サイドシルの近傍まで延びる上側部材と、この上側部材と上記サイドシルとの間に設けられた下側部材とを有し、これら上側部材と下側部材とが、両者を所定の上下幅に亘り重ね合わせた重ね合わせ部を介して互いに結合され、上記サイドシルが、アウタパネルおよびインナパネルと、これら両パネルの間に設けられたレインフォースメントとを有し、上記ピラーレインフォースメントの下側部材が上記サイドシルのレインフォースメントに結合され、上記サイドシルのレインフォースメントにおける上記ピラーレインフォースメントの下側部材との結合部に対応する部分に、上記サイドシルのレインフォースメントの上面を所定量下方に凹入させた凹部が設けられたことを特徴とするものである(請求項1)。
本発明によれば、ピラーレインフォースメントの構成部品である上側部材と下側部材とを所定の上下幅に亘り重ね合わせて重ね合わせ部を形成したため、センターピラーの剛性を十分に高めてその耐荷重性を向上させることができ、車両の側突時に上記センターピラーが車幅方向内側に変形するのを効果的に抑制することができる。しかも、上記上側部材がサイドシルの近傍まで延設されていることで、この上側部材と下側部材との重ね合わせ部が上記ピラーレインフォースメントの下方寄りに配置されるため、車両の側突時に最初に荷重が入力される可能性が高い部分を上記重ね合わせ部により効果的に補強することができる。そして、このようなセンターピラーの補強によりその変形を抑制することで、車両の側突時にセンターピラーが車室内側に侵入して乗員と干渉するのを効果的に防止でき、乗員の安全性をより適正に確保できるという利点がある。
また、サイドシルのレインフォースメントのうち、上記センターピラーとの結合部に対応する部分に凹部を設け、この凹部の分だけ上記レインフォースメントの上下幅を小さくすることにより、上記センターピラーとの結合部におけるサイドシルの剛性を相対的に低く設定するようにした。このような構成によれば、側突時の中期以降に、センターピラーの下部の変形が上記サイドシルにより阻害されて所望の変形モードが得られなくという事態を効果的に防止できるという利点がある。
本発明において、好ましくは、上記凹部が設けられた部分における上記サイドシルのレインフォースメントの上面は、上記凹部より前側または後側の部分における上記サイドシルのレインフォースメントの上面よりも水平に近く、上記凹部が設けられた部分における上記サイドシルのレインフォースメントの上面が、上記サイドシルのインナパネルおよび上記ピラーインナパネルに結合されている(請求項2)。
本発明において、好ましくは、上記ピラーレインフォースメントの重ね合わせ部にリヤサイドドアのドアヒンジが取り付けられる(請求項3)。
この構成によれば、センターピラーの側突時の変形をより効果的に抑制しつつ、リヤサイドドアの支持剛性をより高められるという利点がある。
本発明において、好ましくは、上記上側部材に対し下側部材が車幅方向内側から重ね合わせられて上記重ね合わせ部が形成される(請求項4)。
この構成によれば、上側部材の車幅方向内側への変形が、同方向から重ね合わせられた下側部材によって抑えられるため、センターピラーのうち上記上側部材に対応する部分(センターピラーの上部および中間部)が側突時に大きく車室内側に侵入して乗員と干渉するのを効果的に防止でき、乗員の安全性をより適正に確保できるという利点がある。
本発明において、好ましくは、上記上側部材のうち上記重ね合わせ部の上端にほぼ一致する高さ位置に、車両の側突時に折れ変形の起点となる折れ促進部が設けられる(請求項5)。
この構成によれば、例えば車両の側突時に比較的大きな衝突荷重がセンターピラーに入力された場合に、このセンターピラーが上記折れ促進部の設置部を起点に折れ曲がるため、上記センターピラーの上下方向中間部の折れ曲がりを防止して乗員の安全性をより適正に確保できるという利点がある。
本発明において、好ましくは、上記上側部材の材質強度が下側部材よりも高く設定される(請求項6)。
この構成によれば、センターピラーの折れ変形が開始される側突時の中期以降において、下側部材の方が容易に変形し、これよりも高強度な上側部材の変形が抑制されるため、センターピラーの上下方向中間部の折れ曲がりをより効果的に防止できるという利点がある。
この場合、上記上側部材は、熱間プレス成形されることで上記下側部材よりも高強度に形成されることが好ましい(請求項7)。
この構成によれば、センターピラーの重量が増大するのを効果的に防止しながら、上記上側部材と下側部材とに適正な強度差をもたせられるという利点がある。
以上説明したように、本発明の車両の側部車体構造によれば、車両側突時のセンターピラーの変形を効果的に抑制して乗員の安全性をより適正に確保することができる。
本発明の一実施形態にかかる車両の側部車体構造を示す側面図である。 図1の一部拡大図であり、サイドドアを取り外した状態における車体側部を示す図である。 図2のIII−III線に沿った断面図である。 図2のIV−IV線に沿った断面図である。 図2のV−V線に沿った断面図である。 センターピラー、ルーフサイドレール、およびサイドシルの各アウタパネルを取り外した状態における図2相当図である。 図6のVII−VII線に沿った断面図である。 上記センターピラーとサイドシルとの結合部周辺を示す斜視図である。 上記センターピラーが車両の側突時に変形した場合の変形モードを示す模式図である。 図9との比較例として、センターピラーの上下方向中間部が折れ曲がった場合の変形モードを示す模式図である。
図1および図2は本発明の一実施形態にかかる車両の側部車体構造を示している。本図に示される車両の側面部には乗降用開口部1が形成されており、この乗降用開口部1がサイドドア3(図1)により開閉可能に閉止されるようになっている。なお、図例では4ドアセダンタイプの自動車が示されており、後述するセンターピラー5を挟んだ車体の前後2箇所に乗降用開口部1が設けられるとともに、この前後の乗降用開口部1,1がそれぞれサイドドア3によって開閉されるようになっている。ただし、図1では前側のサイドドア(フロントサイドドア)を省略して示しており、図示されたサイドドア3は後側の乗降用開口部1を開閉するリヤサイドドアである。
また、車両の側部には、前後方向に延びるルーフサイドレール7およびサイドシル9が設けられており、これらの部材によって上記乗降用開口部1の上辺部および下辺部が形成されている。また、上記ルーフサイドレール7およびサイドシル9は、その前後方向の中間部どうしが、上下方向に延びるセンターピラー5によって互いに結合されている。
図3、図4、および図5は、上記センターピラー5、ルーフサイドレール7、およびサイドシル9の各断面図である。このうち、センターピラー5は、図3に示すように、ピラーアウタパネル11と、これよりも車幅方向内側に設けられたピラーインナパネル12と、これら両パネル11,12の間に設けられた補強用のピラーレインフォースメント13とを備えている。同様に、上記ルーフサイドレール7は、図4に示すように、アウタパネル15、インナパネル16、およびレインフォースメント17を備えており、上記サイドシル9は、図5に示すように、アウタパネル19、インナパネル20、およびレインフォースメント21を備えている。
図6は、上記センターピラー5のピラーアウタパネル11と、ルーフサイドレール7のアウタパネル15と、サイドシル9のアウタパネル19とをそれぞれ取り外した状態における図2相当図である。このように各アウタパネル11,15,19が取り外されていることで、図6では、先の図2の場合と異なり、上記センターピラー5、ルーフサイドレール7、およびサイドシル9として、各部品のレインフォースメント13、17、21がそれぞれ外表面に現れている。また、図7は、図6のVII−VII線に沿った断面図である。ただし図7では、上記センターピラー5およびサイドシル9の各アウタパネル11,19を想像線で示している。
これら図6および図7に示すように、上記センターピラー5のピラーレインフォースメント13は、上記ルーフサイドレール7のレインフォースメント17から下方に延びる上側部材23と、上記サイドシル9のレインフォースメント21から上方に延びる下側部材24とを有した上下2分割構造とされている。具体的に、上記上側部材23と下側部材24とは、その上部および下部が所定範囲に亘りオーバーラップするように配置されており、このオーバーラップ部分が例えばスポット溶接等により互いに接合されることで、上記ピラーレインフォースメント13に重ね合わせ部25が形成されている。すなわち、上記上側部材23と下側部材24とは、両者を所定の上下幅に亘り重ね合わせた重ね合わせ部25を介して互いに結合されている。
上記上側部材23は、上記ルーフサイドレール7からサイドシル9の近傍まで延びており、上記下側部材24よりも長い上下寸法を有している。このため、上記上側部材23と下側部材24との重ね合わせ部25は、ピラーレインフォースメント13の上下方向中間部よりも下方に位置するように設けられている。また、上記重ね合わせ部25では、上側部材23よりも下側部材24の方が車幅方向内側に配置されており、このような位置関係で重ね合わせられた上記両部材23,24が互いに接合されることにより上記重ね合わせ部25が形成されている。
ここで、上記上側部材23の材質は、熱間プレス成形(ホットスタンプ)により形成された高張力鋼板とされている。熱間プレス成形とは、鋼板を加熱した状態でダイスによりプレスするというもので、ダイスによる急冷効果により鋼板が焼入れ強化されるため、鋼板の強度を飛躍的に高められるという特徴を有している。これに対し、上記下側部材24は、通常の圧延鋼板等からなり、その強度は上記のような熱間プレス材よりも低く設定されている。すなわち、上記上側部材23と下側部材24とを比較すると、上側部材23の方が下側部材24よりも高強度な材質によって構成されている。
また、上記上側部材23の下端部近傍であって上記重ね合わせ部25の上端にほぼ一致する高さ位置(重ね合わせ部25の直上部)には、車幅方向内側に凹入した断面視円弧状の凹溝部23aが、前後方向に延びるように設けられている。この凹溝部23aは、本発明にかかる折れ促進部に相当し、車両の側突時に折れ変形の起点となるように設けられている。すなわち、車両の側突事故が発生すると、センターピラー5には車幅方向外側から内側に向けて衝突荷重が入力されるが、上記ピラーレインフォースメント13の上側部材23に上記のような凹溝部23aが設けられていれば、この凹溝部23aの設置部が上記のような方向の衝突荷重に対して相対的に脆弱となるため、上記ピラーレインフォースメント13は、上記側突時の荷重に応じて上記凹溝部23aを起点に折れ曲がることになる。
図1および図2に示すように、上記センターピラー5には、リヤサイドドア3を開閉可能に支持するための上下一対のドアヒンジ31,32が取り付けられている。このうち、下側のドアヒンジ32は、図6および図7に示すように、上記ピラーレインフォースメント13の重ね合わせ部25に対応する高さ位置に設けられている。具体的には、図7に示すように、上記ピラーレインフォースメント13の重ね合わせ部25と上記ピラーアウタパネル11とが車幅方向に近接配置されることで合計3枚のパネル材が重ね合わせられ、このような3枚重ねの部分に、図外のボルト等を介して上記ドアヒンジ32が取り付けられている。言い換えると、上記ドアヒンジ32は、ピラーアウタパネル11を間に挟み込んだ状態で上記ピラーレインフォースメント13の重ね合わせ部25に取り付けられている。
図8は、センターピラー5とサイドシル9との結合部周辺を示す斜視図である。ただしこの図8では、図6と同様にセンターピラー5およびサイドシル9の各アウタパネル11,19を取り外すとともに、さらにピラーレインフォースメント13の下側部材24を取り外した状態で上記結合部周辺を示している。
この図8および先の図7に示すように、上記サイドシル9のレインフォースメント21のうち、センターピラー5との結合部に対応する部分には、上記レインフォースメント21の上面を所定量下方に凹入させた凹部21aが形成されている。この凹部21aは、図8に示すように、センターピラー5の前後幅に対応する範囲に亘って形成されており、当該範囲における上記レインフォースメント21の上下幅寸法X(図7参照)が、上記凹部21aの凹入代ΔXの分だけ、他の部分(センターピラー5より前側または後側の部分)よりも小さくなるように構成されている。
以上説明したように、当実施形態の車両の側部車体構造では、ピラーアウタパネル11とピラーインナパネル12との間にピラーレインフォースメント13を備えたセンターピラー5が、ルーフサイドレール7とサイドシル9との間に亘って上下方向に延びるように設置されている。そして、上記ピラーレインフォースメント13が、上記ルーフサイドレール7から上記サイドシル9の近傍まで延びる上側部材23と、この上側部材23と上記サイドシル9との間に設けられた下側部材24とを有するとともに、これら上側部材23と下側部材24とが、両者を所定の上下幅に亘り重ね合わせた重ね合わせ部25を介して互いに結合されている。このような構成によれば、車両側突時のセンターピラー5の変形量を効果的に抑制して乗員の安全性をより適正に確保できるという利点がある。
すなわち、上記実施形態では、ピラーレインフォースメント13の構成部品である上側部材23と下側部材24とを所定の上下幅に亘り重ね合わせて重ね合わせ部25を形成したため、センターピラー5の剛性を十分に高めてその耐荷重性を向上させることができ、車両の側突時に上記センターピラー5が車幅方向内側に変形するのを効果的に抑制することができる。しかも、上記上側部材23がサイドシル9の近傍まで延設されていることで、この上側部材23と下側部材24との重ね合わせ部25が上記ピラーレインフォースメント13の下方寄りに配置されるため、自動車のバンパーとほぼ同一高さ位置にあたるセンターピラー5の下部、つまり、車両の側突時に最初に荷重が入力される可能性が高い部分を上記重ね合わせ部25により効果的に補強することができる。そして、このようなセンターピラー5の補強によりその変形を抑制することで、車両の側突時にセンターピラー5が車室内側に侵入して乗員と干渉するのを効果的に防止でき、乗員の安全性をより適正に確保できるという利点がある。
特に、上記実施形態では、図6および図7に示したように、ピラーレインフォースメント13の重ね合わせ部25にリヤサイドドア3のドアヒンジ32が取り付けられているため、センターピラー5の側突時の変形をより効果的に抑制しつつ、リヤサイドドア3の支持剛性をより高められるという利点がある。
すなわち、車両の側突時にリヤサイドドア3に入力された荷重は、主に、上下一対のドアヒンジ31,32を介してセンターピラー5に入力されるが、このうち、下側のドアヒンジ32が上記重ね合わせ部25に取り付けられていれば、このドアヒンジ32を介して入力される側突荷重を高剛性な重ね合わせ部25で受け止めることにより、センターピラー5の耐荷重性をより向上させてその変形を効果的に抑制することができる。しかも、高剛性な重ね合わせ部25に取り付けられた上記ドアヒンジ32を介してリヤサイドドア3を開閉可能に支持することにより、リヤサイドドア3の支持剛性を効果的に高めることができる。
また、上記実施形態では、上側部材23に対し下側部材24が車幅方向内側から重ね合わせられることで上記重ね合わせ部25が形成されている。このような構成によれば、上側部材23の車幅方向内側への変形が、同方向から重ね合わせられた下側部材24によって抑えられるため、センターピラー5のうち上記上側部材23に対応する部分(センターピラー5の上部および中間部)が側突時に大きく車室内側に侵入して乗員と干渉するのを効果的に防止でき、乗員の安全性をより適正に確保できるという利点がある。
さらに、上記実施形態では、上記上側部材23の下端部近傍であって上記重ね合わせ部25の上端にほぼ一致する高さ位置に、車両の側突時に折れ変形の起点となる折れ促進部としての凹溝部23aが形成されている。このような構成によれば、例えば車両の側突時に比較的大きな衝突荷重がセンターピラー5に入力された場合に、このセンターピラー5が上記凹溝部23aの設置部を起点に折れ曲がることにより、上記センターピラー5の上下方向中間部が折れ曲がって車室内側に大きく突出するといった事態が回避され、上記センターピラー5による乗員への干渉をより効果的に防止できるという利点がある。
この点に関し図9の模式図を用いて詳しく説明する。図9では、通常時のセンターピラー5を実線で、比較的大きな側突荷重を受けて変形したときのセンターピラー5を1点鎖線で示している。なお、破線は、センターピラー5が1点鎖線のように折れ曲がる前の状態(折れ変形を除いた変形モード)を仮想的に示すものである。この図9に示すように、センターピラー5に比較的大きな側突荷重が入力された場合、センターピラー5は、その下部に設けられた上記凹溝部23aの設置部(図9においてAで示す部分)を起点として折れ曲がろうとする。これに対し、例えば図10に示すように、センターピラー5の上下方向中間部が折れ曲がったような場合には、当該部が大きく車室内側に突出することにより、センターピラー5が乗員に干渉してしまうおそれがある。そこで、このような問題を解消すべく、上記実施形態では、上側部材23の下端部近傍に凹溝部23aを設け、この部分で折れ変形を生起させるようにしている。これにより、センターピラー5の車幅方向内側への最大変形量D(図9)が、上下方向中間部が折れ曲がった場合の最大変形量D’(図10)と比べて小さく抑えられるため、センターピラー5の車室内側への侵入量を効果的に低減して乗員の安全性をより適正に確保することができる。
また、上記実施形態では、ピラーレインフォースメント13の上側部材23を熱間プレス成形により高強度に形成することで、上記上側部材23の強度を下側部材24よりも高くするようにした。このような構成によれば、センターピラー5の折れ変形が開始される側突時の中期以降において、下側部材24の方が容易に変形し、これよりも高強度な上側部材23の変形が抑制されるため、上記センターピラー5の上下方向中間部の折れ曲がりがより効果的に防止され、図9の1点鎖線に示すような変形モードがより得られ易くなるという利点がある。
さらに、上記実施形態では、サイドシル9のレインフォースメント21のうち、上記センターピラー5との結合部に対応する部分に凹部21aを設け、この凹部21aの分だけ上記レインフォースメント21の上下幅を小さくすることにより、上記センターピラー5との結合部におけるサイドシル9の剛性を相対的に低く設定するようにした。このような構成によれば、側突時の中期以降に、センターピラー5の下部の変形が上記サイドシル9により阻害されて所望の変形モードが得られなくという事態を効果的に防止できるという利点がある。
すなわち、図9の1点鎖線に示すような変形モードでセンターピラー5が変形するには、側突時の中期以降に、センターピラー5の下部(下側部材24に対応する部分)が車幅方向内側に大きく変位しかつ傾く必要があり、これに合わせてサイドシル9も比較的大きく変形する必要がある。ただし、この場合において、サイドシル9の剛性が高過ぎると、その変形が必要以上に抑制されることにより、上記のような態様でのセンターピラー5の変形が阻害されるおそれがある。これに対し、上記実施形態では、上記センターピラー5との結合部におけるサイドシル9の剛性を相対的に低く設定したため、必要なサイドシル9の変形を促進し、図9の1点鎖線に示すようなモードでセンターピラー5を確実に変形させることが可能である。
なお、上記実施形態では、ピラーレインフォースメント13の上側部材23を熱間プレス成形することで、この上側部材23を下側部材24よりも高強度に形成するようにしたが、上記上側部材23の材質強度を高めるための手法はこれに限られない。例えば、上側部材23および下側部材24の材質自体は同一とした上で、上記上側部材23の板厚を下側部材24よりも厚くすることにより、上記上側部材23を下側部材24よりも高強度に形成することも可能である。しかしながら、上記実施形態のように上側部材23を熱間プレス成形で形成した方が、この上側部材23の重量を特に増やすことなくその強度を高めることができるため、センターピラー5の重量が増大するのを効果的に防止しながら、上記上側部材23と下側部材24とに適正な強度差をもたせられるという点で有利である。
また、上記実施形態では、車両の側突時に折れ変形の起点となる折れ促進部を、上側部材23に設けられた凹溝部23aによって構成したが、例えば上記上側部材23の板厚を部分的に薄くし、この板厚を薄くした部分により上記折れ促進部を構成してもよい。
3 サイドドア(リヤサイドドア)
5 センターピラー
7 ルーフサイドレール
9 サイドシル
11 ピラーアウタパネル
12 ピラーインナパネル
13 ピラーレインフォースメント
23 上側部材
23a 凹溝部(折れ促進部)
24 下側部材
25 重ね合わせ部
32 ドアヒンジ

Claims (7)

  1. ピラーアウタパネルとピラーインナパネルとの間にピラーレインフォースメントを備えたセンターピラーが、ルーフサイドレールとサイドシルとの間に亘って上下方向に延びるように設置された車両の側部車体構造であって、
    上記ピラーレインフォースメントが、上記ルーフサイドレールから上記サイドシルの近傍まで延びる上側部材と、この上側部材と上記サイドシルとの間に設けられた下側部材とを有し、これら上側部材と下側部材とが、両者を所定の上下幅に亘り重ね合わせた重ね合わせ部を介して互いに結合され
    上記サイドシルが、アウタパネルおよびインナパネルと、これら両パネルの間に設けられたレインフォースメントとを有し、
    上記ピラーレインフォースメントの下側部材が上記サイドシルのレインフォースメントに結合され、
    上記サイドシルのレインフォースメントにおける上記ピラーレインフォースメントの下側部材との結合部に対応する部分に、上記サイドシルのレインフォースメントの上面を所定量下方に凹入させた凹部が設けられたことを特徴とする車両の側部車体構造。
  2. 請求項1記載の車両の側部車体構造において、
    上記凹部が設けられた部分における上記サイドシルのレインフォースメントの上面は、上記凹部より前側または後側の部分における上記サイドシルのレインフォースメントの上面よりも水平に近く、
    上記凹部が設けられた部分における上記サイドシルのレインフォースメントの上面が、上記サイドシルのインナパネルおよび上記ピラーインナパネルに結合されていることを特徴とする車両の側部車体構造。
  3. 請求項1または2記載の車両の側部車体構造において、
    上記ピラーレインフォースメントの重ね合わせ部にリヤサイドドアのドアヒンジが取り付けられたことを特徴とする車両の側部車体構造。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両の側部車体構造において、
    上記上側部材に対し下側部材が車幅方向内側から重ね合わせられて上記重ね合わせ部が形成されたことを特徴とする車両の側部車体構造。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両の側部車体構造において、
    上記上側部材のうち上記重ね合わせ部の上端にほぼ一致する高さ位置に、車両の側突時に折れ変形の起点となる折れ促進部が設けられたことを特徴とする車両の側部車体構造。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両の側部車体構造において、
    上記上側部材の材質強度が下側部材よりも高く設定されたことを特徴とする車両の側部車体構造。
  7. 請求項6に記載の車両の側部車体構造において、
    上記上側部材が熱間プレス成形されることで上記下側部材よりも高強度に形成されたことを特徴とする車両の側部車体構造。
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