JP5404958B1 - ホットメルト接着剤組成物及びこれを用いてなる吸水性物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スチレン成分の含有量が15〜35重量%であるスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン成分の含有量が15〜35重量%であるスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、及びスチレン成分の含有量が15〜35重量%であるスチレン−ブタジエン/ブチレン−スチレンブロック共重合体よりなる群から選択される少なくとも一種を含む熱可塑性ブロック共重合体(A)100重量部と、カルボキシル基及び/又はカルボン酸無水物基を分子内に有する液状ゴム(B)0.05〜10重量部と、粘着付与樹脂(C)とを含有していることを特徴とするホットメルト接着剤組成物。
【選択図】なし
Description
カルボキシル基及び/又はカルボン酸無水物基を分子内に有する液状ゴム(B)0.05〜10重量部と、
粘着付与樹脂(C)と、
を含有していることを特徴とする。
熱可塑性ブロック共重合体(A)としては、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、及びスチレン−ブタジエン/ブチレン−スチレンブロック共重合体が挙げられる。これらの共重合体を用いることによって、湿潤状態の親水性多孔質基材に対して優れた接着強度を発現することが可能なホットメルト接着剤組成物を提供することができる。なお、熱可塑性ブロック共重合体は、一種単独で用いられてもよく、二種以上を併用してもよい。
本発明のホットメルト接着剤組成物は、極性基を分子内に有する液状ゴム(B)を含有する。極性基としては、カルボキシル基(−COOH)、及びカルボン酸無水物基(−CO−O−CO−)が挙げられる。液状ゴム(B)は、カルボキシル基及びカルボン酸無水物基のうち、いずれか一方を有していてもよく、双方を有していてもよい。
本発明のホットメルト接着剤組成物は、粘着付与樹脂(C)を含んでいる。粘着付与樹脂(C)としては、天然ロジン、変性ロジン、水添ロジン、天然ロジンのグリセロールエステル、変性ロジンのグリセロールエステル、天然ロジンのペンタエリスリトールエステル、変性ロジンのペンタエリスリトールエステル、水添ロジンのペンタエリスリトールエステル、天然テルペンの共重合体、天然テルペンの3次元ポリマー、水添テルペンの共重合体の水素化誘導体、ポリテルペン樹脂、フェノール系変性テルペン樹脂の水素化誘導体、脂肪族石油炭化水素樹脂、脂肪族石油炭化水素樹脂の水素化誘導体、芳香族石油炭化水素樹脂、芳香族石油炭化水素樹脂の水素化誘導体、環状脂肪族石油炭化水素樹脂、環状脂肪族石油炭化水素樹脂の水素化誘導体が挙げられる。なかでも、脂肪族石油炭化水素樹脂の水素化誘導体が好ましい。
可塑剤(D)としては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、及び芳香族系プロセスオイルなどが挙げられる。なかでも、パラフィン系プロセスオイル、及びナフテン系プロセスオイルがより好ましく、パラフィン系プロセスオイルが特に好ましい。これらの可塑剤によれば、湿潤接着強度に優れたホットメルト接着剤組成物を提供できる。なお、これらの可塑剤は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,4−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルべンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−〔1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル〕フェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ぺンチルフェニル)]アクリレート、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタンなどのヒンダードフェノール系酸化防止剤;ジラウリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)などのイオウ系酸化防止剤;トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトなどのリン系酸化防止剤などが挙げられる。酸化防止剤は、一種単独で用いられてもよく、二種以上を併用してもよい。
紫外線吸収剤としては、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤;サリチル酸エステル系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤;ヒンダードアミン系光安定剤が挙げられる。紫外線吸収剤は、一種単独で用いられてもよく、二種以上を併用してもよい。
充填剤としては、例えば、雲母、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、酸化チタン、ケイソウ土、尿素系樹脂、スチレンビーズ、焼成クレー、澱粉等が挙げられる。
本発明のホットメルト接着剤組成物は、織布、不織布、ティッシュ、弾性部材、ポリオレフィン系樹脂フィルムなどの各種部材を接着するために用いられる。本発明のホットメルト接着剤組成物は、上述した通り、セルロース系材料やコットン系素材等の天然素材からなる多孔質基材(ティッシュなど)や親水化処理が施された不織布などの親水性多孔質基材に対しても優れた湿潤接着性を発揮することができることから、吸水性物品の製造において構成部材を接着させるために好適に用いられる。
・スチレン‐イソプレン‐スチレンブロック共重合体(A1)[極性基なし、スチレン成分含有量16重量%、重量平均分子量(Mw)171,000、日本ゼオン社製、製品名「Quintac3433N」]
・スチレン‐イソプレン‐スチレンブロック共重合体(A2)[極性基なし、スチレン成分含有量25重量%、重量平均分子量(Mw)125,000、日本ゼオン社製、製品名「Quintac3280」」]
・スチレン‐イソプレン‐スチレンブロック共重合体(A3)[極性基なし、スチレン成分含有量14重量%、重量平均分子量(Mw)125,000、日本ゼオン社製、製品名「Quintac3421」]
・スチレン‐イソプレン‐スチレンブロック共重合体(A4)[極性基なし、スチレン成分含有量48重量%、重量平均分子量(Mw)100,000、日本ゼオン社製、製品名「Quintac3390」]
・スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(A5)[極性基なし、スチレン成分含有量30重量%、重量平均分子量(Mw)122,300、旭化成ケミカルズ社製、製品名「AsapreneT−436」]
・スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(A7)[極性基なし、スチレン成分含有量45重量%、重量平均分子量(Mw)70,000、旭化成ケミカルズ社製、製品名「AsapreneT−439」]
・スチレン−ブタジエン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(A8)[極性基なし、スチレン含有量30重量%、重量平均分子量(Mw)100,000、旭化成ケミカルズ社製、製品名「タフテック P1500」]
・スチレン−ブタジエン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(A9)[極性基なし、スチレン含有量67重量%、重量平均分子量(Mw)100,000、旭化成ケミカルズ社製、製品名「タフテック P2000」]
・スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体(A10 )[極性基なし、スチレン含有量30重量%、重量平均分子量(Mw)55,000、クラレ社製、製品名「セプトン 2002」]
・スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(A11 )[極性基なし、スチレン含有量30重量%、重量平均分子量(Mw)200,000、旭化成ケミカルズ社製、製品名「タフテック H1041」]
・カルボキシル基を有する液状ポリイソプレン(B1)[主鎖がポリイソプレンからなり且つ主鎖の末端又は側鎖にカルボキシル基を有する液状ゴム:数平均分子量(Mn)30,000、23℃、1.01×105Pa(1atm)にて液体状、融点0℃以下、クラレ社製、製品名「クラプレン LIR−410」]
・カルボン酸無水物基を有する液状ポリイソプレン(B2)[主鎖がポリイソプレンからなり且つ主鎖の末端又は側鎖にカルボン酸無水物基を有する液状ゴム:数平均分子量(Mn)34,000、23℃、1.01×105Pa(1atm)にて液体状、融点0℃以下、クラレ社製、製品名「クラプレン LIR−403」]
・カルボン酸無水物基を有する液状ポリブタジエン(B3)[主鎖がポリブタジエンからなり且つ主鎖の末端又は側鎖にカルボン酸無水物基を有する液状ゴム:数平均分子量(Mn)31,000、23℃、1.01×105Pa(1atm)にて液体状、融点0℃以下、クレイバレー社製、製品名「Ricon 130MA20」]
・液状ポリイソプレン(B4)[極性基なし:数平均分子量(Mn)54,000、23℃、1.01×105Pa(1atm)にて液体状、融点0℃以下、クラレ製 製品名「クラプレン LIR−50」]
・カルボン酸無水物基を有するポリエチレン(PE)ワックス[数平均分子量(Mn)1,400、23℃、1.01×105Pa(1atm)にて固体、融点104℃、イノスペック社製、製品名「Viscowax261」]
・脂肪族石油炭化水素樹脂の水素化誘導体(C1)[軟化点100℃、荒川化学製、製品名「Arkon M−100」]
・脂肪族石油炭化水素樹脂の水素化誘導体(C2)[軟化点80℃、ゼネラル製、製品名「E5380」]
・脂肪族石油炭化水素樹脂の水素化誘導体(C3)[軟化点120℃、出光興産製、製品名「アイマーブP120」]
・パラフィン系プロセスオイル(D1)(数平均分子量(Mn)980、出光石油社製、製品名「ダイアナプロセスオイルPW−90」)
・ナフテン系プロセスオイル(D2)(数平均分子量(Mn)100〜1500、シェル化学社製、製品名「シェルフレックス371N」)
フェノール系酸化防止剤(BASF社製 製品名「IRGANOX1010」)
上述した熱可塑性ブロック共重合体(A1)〜(A11 )、液状ゴム(B1)〜(B4)、ワックス、粘着付与樹脂(C1)〜(C3)、可塑剤(D1)〜(D2)、及び酸化防止剤を、それぞれ表1及び2に示した配合量で、加熱装置を備えた攪拌混練機中に投入した後、150℃で1時間に亘って加熱しながら混練することにより、ホットメルト接着剤組成物を製造した。
実施例及び比較例で作製したホットメルト接着剤組成物について、下記に示す要領に従って、湿潤接着強度、及び熱安定性について評価した。これらの結果を表1及び2に示す。
ホットメルト接着剤組成物を140℃に加熱することにより溶融させた後、スパイラルスプレーによってティッシュペーパー(坪量18〜21g/m2、厚さ70〜90μm)の一面に3g/m2の塗布量で塗布し、塗布してから1秒後に、このティッシュペーパーのホットメルト接着剤組成物を塗布した面に、他のティッシュペーパーを積層した。その後、これらを23℃、圧力50gf/cm2で0.01秒間、プレスして圧着させることによって、積層体を得た。この積層体を切断することによって、幅20mm×長さ150mmの短冊状の試験片を得た。
ホットメルト接着剤組成物を140℃に加熱することにより溶融させた後、加熱試験前のホットメルト接着剤組成物の着色度合いについて、JIS K0071で規定される化学製品の色試験方法に準拠してガードナー色数を測定した。次に、ホットメルト接着剤組成物20gをガラス瓶に入れて、ガラス瓶に蓋をしないまま、190℃の熱風乾燥機に入れ、72時間に亘って放置した後、ホットメルト接着剤組成物の着色度合いについて、JIS K0071で規定される化学製品の色試験方法に準拠してガードナー色数を測定した。190℃での加熱前後のガードナー色数の差を表1及び2に示した。
ホットメルト接着剤組成物を140℃に加熱することにより溶解させたホットメルト接着剤組成物50gをガラス瓶に入れて、ガラス瓶に蓋をしないまま、190℃の熱風乾燥機に入れ、1週間に亘って放置した後、加熱試験後のホットメルト接着剤組成物を目視で確認し、ゲル化や炭化の発生の有無を確認した。表1及び2において、「良」「不良」はそれぞれ下記の通りである。
「良」 :ゲル化及び炭化の発生がなかった。
「不良」:ゲル化又は炭化の発生があった。
Claims (3)
- スチレン成分の含有量が15〜35重量%であるスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン成分の含有量が15〜35重量%であるスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、及びスチレン成分の含有量が15〜35重量%であるスチレン−ブタジエン/ブチレン−スチレンブロック共重合体よりなる群から選択される少なくとも一種を含む熱可塑性ブロック共重合体(A)100重量部と、
カルボキシル基及び/又はカルボン酸無水物基を分子内に有する液状ゴム(B)0.05〜10重量部と、
粘着付与樹脂(C)と、
を含有していることを特徴とするホットメルト接着剤組成物。 - 粘着付与樹脂(C)の軟化点が80〜120℃であることを特徴とする請求項1に記載のホットメルト接着剤組成物。
- 請求項1に記載の接着剤組成物を用いてなることを特徴とする吸水性物品。
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