JP7311724B1 - 積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】接着性及び経時強度にも優れた、セルロース系繊維を含む不織布同士、或いはセルロース系繊維を含む不織布とその他の不織布との接着用に使用される、ホットメルト接着剤と特定のセルロース系繊維を含む不織布との積層体を提供すること。【解決手段】セルロース系繊維を含む不織布αにより構成される不織布層(I)及び任意の不織布により構成される不織布層(II)をこの順に有し、前記不織布層(I)と前記不織布層(II)とはホットメルト接着剤βを介して接着しており、前記不織布αにおける前記ホットメルト接着剤βを介し前記不織布層(II)と接する側の表面の表面粗さの平均偏差(SMD)は2.3以下又は3.0以上であり、前記ホットメルト接着剤βは成分(A)熱可塑性エラストマー、及び成分(B)粘着付与剤を含み、前記ホットメルト接着剤βは、温度50℃、周波数0.05Hz、ひずみ0.05%での損失正接が0.21以上であり、且つ、温度50℃、周波数1.00Hz、ひずみ0.05%での損失正接0.35以上であることを特徴とする、積層体。【選択図】なし

Description

本発明は、積層体に関する。
オムツ及びナプキンといった衛生用品に使用される材料として、現在は主にワンウェイプラスチックが使用されている。しかしながら、今後はこれらの材料は環境に配慮した素材に置き替わりが進んでいくことが予想される。
こうした衛生用品に使用される材料として現在は主に石油系基材による不織布が使用されており、今後はこれが天然系基材による不織布に置き替わっていくものと予想される。
石油系基材による不織布と、天然系基材による不織布とでは、その表面状態が異なる。このため、従来の衛生用品の製造に使用している接着剤を天然系基材による不織布を張り合わせる工程に使用した場合、適切な接着性を得ることができない。
こうした衛生用品に使用される不織布を接着剤により積層していく際には、不織布同士がその場で良好に接着することに加えて、長期間を経てもその接着性が維持される(以下、本明細書において、当該性質を「経時強度」というものとする。)ことが必要である。そのためには、不織布の表面特性に加えて、これに組み合わせる接着剤の選定も重要となる。
特許文献1には、上記のような衛生用品に使用されるような凹凸の多い機材に対しても良好な接着性を有するとするホットメルト接着剤が開示されている。
また、特許文献2には、セルロース系基材及びコットン系基材等の親水性基材に対して、良好な接着性を有するとするホットメルト接着剤が開示されている。
国際公開第2021/039118号明細書 特開2007-169531号公報
しかしながら、特許文献1に開示されるホットメルト接着剤は、天然系基材により製造された不織布に対しても良好な接着剤を示すのか不明なうえ、天然系基材による不織布を接着させた際の経時強度について配慮がなされているのか、不明である。
また、特許文献2に開示されるホットメルト接着剤についても、実施例においてPETフィルムと綿布との接着性については確認されているが、天然基材による不織布同士、或いは天然基材による不織布とその他の不織布との接着性については不明である上、経時強度についても配慮された設計がされているのか不明である。
上記のような事情に鑑み、本発明の目的とするところは、接着性及び経時強度にも優れた、セルロース系繊維を含む不織布同士、或いはセルロース系繊維を含む不織布とその他の不織布との接着用に使用される、ホットメルト接着剤と特定のセルロース系繊維を含む不織布との積層体を見出すことにある。
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、所定の表面粗さを有する、セルロース系繊維を含む不織布と、所定の組成を有するホットメルト接着剤との組合せを採用することにより、優れた接着性及び経時強度を得ることができることを見出した。本発明者は、かかる知見に基づきさらに研究を重ね、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の積層体を提供する。
項1.
セルロース系繊維を含む不織布αにより構成される不織布層(I)及び任意の不織布により構成される不織布層(II)をこの順に有し、前記不織布層(I)と前記不織布層(II)とはホットメルト接着剤βを介して接着しており、
前記不織布αにおける前記ホットメルト接着剤βを介し前記不織布層(II)と接する側の表面の表面粗さの平均偏差(SMD)は2.3以下又は3.0以上であり、
前記ホットメルト接着剤βは成分(A)熱可塑性エラストマー、及び成分(B)粘着付与剤を含み、
前記ホットメルト接着剤βは、温度50℃、周波数0.05Hz、ひずみ0.05%での損失正接が0.21以上であり、且つ、温度50℃、周波数1.00Hz、ひずみ0.05%での損失正接0.35以上であることを特徴とする、積層体。
項2.
前記ホットメルト接着剤βは、温度50℃、周波数1.00Hz、ひずみ0.05%での損失弾性率が10,000Pa以上である、項1に記載の積層体。
項3.
前記ホットメルト接着剤βは、
温度23℃、周波数1.00Hz、ひずみ0.05%での損失弾性率が200,000Pa以上であり、且つ。
温度23℃、周波数1.00Hz、ひずみ0.05%での損失正接が1.40以上である、項1又は2に記載の積層体。
項4.
前記不織布αの目付は15~40g/mである、項1に記載の積層体。
項5.
前記不織布αに含まれるセルロース系繊維がコットン又はレーヨンである、項1又は4に記載の積層体。
項6.
前記ホットメルト接着剤βは吸収性物品用ホットメルト接着剤である、項1又は4に記載の積層体。
以上にしてなる本発明に係る積層体は、接着性及び経時強度にも優れる。
実施例及び比較例の積層体作製の説明図。
本明細書において、「含有」は、「含む(comprise)」、「実質的にのみからなる(consist essentially of)」、及び「のみからなる(consist of)」のいずれも包含する概念である。また、本明細書において、数値範囲を「A~B」で示す場合、A以上B以下を意味する。
(1.積層体)
本発明の積層体は、セルロース系繊維を含む不織布αにより構成される不織布層(I)及び任意の不織布により構成される不織布層(II)をこの順に有し、前記不織布層(I)と前記不織布層(II)とはホットメルト接着剤βを介して接着しており、前記不織布αにおける前記ホットメルト接着剤βを介し前記不織布層(II)と接する側の表面の表面粗さの平均偏差(SMD)は2.3以下又は3.0以上であり、前記ホットメルト接着剤βは成分(A)熱可塑性エラストマー、及び成分(B)粘着付与剤を含み、前記ホットメルト接着剤βは、温度50℃、周波数0.05Hz、ひずみ0.05%での損失正接が0.21以上であり、且つ、温度50℃、周波数1.00Hz、ひずみ0.05%での損失正接0.40以上であることを特徴とするものである。
本発明の積層体に対し、更に別途の一枚又は複数枚の不織布(不織布αと同様の不織布であってもよい。)を別途のホットメルト接着剤(ホットメルト接着剤βと同様のホットメルト接着剤であってもよい。)を使用して接着させることにより、積層することも好ましい実施態様である。
本発明の積層体を構成している不織布が、ホットメルト接着剤を介して接着させる工程の前後において、不織布あるいは積層体に対してエンボス加工、穴あき加工等の加工処理を加える方法も好ましい実施態様である。
(2.不織布層(I))
不織布層(I)は、セルロース系繊維を含む不織布αにより構成される。不織布αにおけるセルロース系繊維の含有量は、不織布α100質量中に5質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることがさらに好ましい。また、セルロース系繊維の含有量は、不織布α100質量%中に100質量%以下であることが好ましい。また、不織布αがセルロース系繊維のみから構成される態様であってもよい。
かかるセルロース系繊維は、公知のものを広く使用することができる。具体的には、コットン、レーヨン、リヨセル等を例示することができ、もちろんこれらに限定されない。
不織布αの目付は、15g/m以上であることが好ましく、25g/m以上であることがより好ましい。不織布αの目付が15g/m以上であることにより、良好な保水効果を付与することができる。また、不織布αの目付は40g/m以下であることが好ましく、35g/m以下であることがより好ましい。不織布αの目付が40g/m以下であることにより、良好な通気性を付与することができる。
不織布層(I)を構成する不織布αにおける、ホットメルト接着剤βを介して不織布層(II)と接する側の表面の表面粗さの平均偏差(SMD)は、2.3以下又は3.0以上である。当該値が2.3より大きい場合、不織布基材に対して接着剤の投錨効果が期待できず、接着強度の低下を招いてしまう。また、当該値が3.0未満の場合、不織布基材と接着剤の接触面積が低下してしまうため、接着強度が低下してしまう。
本明細書において、不織布表面の表面粗さの平均偏差(SMD)は、具体的には下記の通りに計測算出するものと定義する。
測定器としては表面試験機(例えば、カトーテック社製 KES-FB4-A)を使用し、測定条件は温度23℃の環境下、湿度50%環境下、0.5mmの粗さセンサーを厚み変化のセンサーとして、試験対象の不織布の試験片(20cm×20cm)を使用し、SPEEDを1.0mm/sec、粗さ静加重を10.0gf、100gの文鎮を使用して張力を不織布に与え、不織布のMD方向の測定を行う。
試験手順としては、不織布のMD方向とセンサーの移動方向とが同じになるように試験片をセットし、不織布のMD方向に100gの張力を与えて表面粗さの測定を行う。測定は、ランダムに選ばれた不織布中の12ポイントで実施し、その平均値をSMDとして得るものとする。
不織布層(I)を構成する不織布αにおける、ホットメルト接着剤βを介して不織布層(II)と接する側の表面の表面粗さの平均偏差(SMD)は、2.3以下であることが好ましく、2.0以下であることがより好ましく、1.8以下であることがさらに好ましい。また、SMDは、0以上であることが好ましく、1.0以上であることがより好ましい。
一方、不織布層(I)を構成する不織布αにおける、ホットメルト接着剤βを介して不織布層(II)と接する側の表面の表面粗さの平均偏差(SMD)は、3.0以上であることが好ましく、3.2以上であることがより好ましく、3.5以上であることがさらに好ましい。また、SMDは、7.0以下であることが好ましく、6.5以下であることがより好ましい。
(3.不織布層(II))
不織布層(II)は、任意の不織布により構成される。かかる不織布としては、公知の不織布を広く採用することができ、中でもセルロース系繊維を含む不織布又はセルロース系繊維のみから構成される不織布であることが好ましい。もちろん、上述した不織布αと同様の不織布であってもよい。
それ以外にも、従来から衛生用品に使用されているような、石油系基材により構成される不織布を使用してもよい。
(4.ホットメルト接着剤β)
ホットメルト接着剤βは、成分(A)熱可塑性エラストマー、及び成分(B)粘着付与剤を含む。
(4.1.成分(A)熱可塑性エラストマー)
成分(A)熱可塑性エラストマーは、特に限定されず、例えば、スチレン系ブロック共重合体、オレフィン系ブロック共重合体、ポリウレタン系ブロック共重合体、ポリエステル系ブロック共重合体等が挙げられる。これらの中でも、ホットメルト接着剤の剥離強度をより一層向上させる点から、スチレン系ブロック共重合体が好ましい。
スチレン系ブロック共重合体は、ビニル系芳香族炭化水素と共役ジエン化合物とをブロック共重合して得られるブロック共重合体である。
ビニル系芳香族炭化水素は、ビニル基を有する芳香族炭化水素化合物である。ビニル系芳香族炭化水素としては、具体的には、スチレン、o-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、1,3-ジメチルスチレン、α-メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等が挙げられ、これらの中でもスチレンが好ましい。ビニル系芳香族炭化水素は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
共役ジエン化合物は、少なくとも一対の共役二重結合を有するジオレフィン化合物である。共役ジエン化合物としては、具体的には、1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン(イソプレン)、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、1,3-ヘキサジエンなどが挙げられ、これらの中でも1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン(イソプレン)が好ましい。共役ジエン化合物は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
スチレン系ブロック共重合体は、より良好な剥離強度を発現することができる点から、未水素添加物のスチレン系ブロック共重合体であることが好ましい。該未水素添加物のスチレン系ブロック共重合体としては、例えば、スチレン-ブタジエンブロック共重合体(SB)、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン-ブタジエン-スチレン-ブタジエンブロック共重合体(SBSB)等が挙げられる。これらのスチレン系ブロック共重合体は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのスチレン系ブロック共重合体の中でも、より一層良好な剥離強度を発現することができる点から、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)が好ましい。
スチレン系ブロック共重合体におけるスチレン骨格含有割合は、より良好な剥離強度を発現することができる点から、スチレン系ブロック共重合体100質量%中、10~70質量%が好ましく、30~60質量%がより好ましい。
本明細書において、スチレン系ブロック共重合体中のスチレン骨格含有割合とは、スチレン系ブロック共重合体中のスチレンブロックの含有割合(質量%)をいう。スチレン系ブロック共重合体中のスチレン骨格含有割合の算出方法としては、例えば、JIS K6239に準じたプロトン核磁気共鳴法、赤外分光法等を用いる方法が挙げられる。
本発明において、より良好な剥離強度を発現することができる点から、成分(A)熱可塑性エラストマーはスチレン系ブロック共重合体であり、且つ、スチレン系ブロック共重合体はスチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)を含むことが好ましい。
本発明において、スチレン系ブロック共重合体は、高温で長時間加熱(例えば、160℃で72時間加熱)した場合の加熱安定性をより向上させる点から、非対称スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体を含有しないことが好ましい。
本発明において、成分(A)熱可塑性エラストマーは、スチレン系ブロック共重合体であり、且つ、該スチレン系ブロック共重合体は、非対称スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体を含有しないことが好ましい。
本発明において、スチレン系ブロック共重合体は、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)を含有し、且つ、非対称スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体を含有しないことがより好ましい。
本明細書において、非対称スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体の「非対称」とは、両末端のスチレン相においてスチレン骨格含有割合が異なることを意味する。
スチレン系ブロック共重合体としては、公知の市販品を広く用いることができる。市販品としては、例えば、旭化成社製の製品名「アサプレンT-439」(スチレン骨格含有割合:45質量%)、旭化成社製の製品名「アサプレンT-438」(スチレン骨格含有割合:35質量%)、旭化成社製の製品名「アサプレンT-436」(スチレン骨格含有割合:30質量%)、クレイトンポリマー社製の製品名「DX-405」(スチレン骨格含有割合:24質量%)、クレイトンポリマー社製の製品名「D-1155」(スチレン骨格含有割合:40質量%)、クレイトンポリマー社製の製品名「D-1118」(スチレン骨格含有割合:30質量%)、CHIMEI社製「PB5502」(スチレン骨格含有割合:32質量%)等が挙げられる。これらの市販品はそれぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のホットメルト接着剤100質量%中の熱可塑性エラストマー(A)の含有割合は、より良好な剥離強度を発現することができる点から、好ましくは10~35質量%、より好ましくは15~30質量%、さらに好ましくは18~25質量%である。
本発明のホットメルト接着剤100質量%中のスチレン系ブロック共重合体の含有割合は、より一層良好な剥離強度を発現することができる点から、好ましくは10~35質量%、より好ましくは15~30質量%、さらに好ましくは18~25質量%である。
(4.2.成分(B)粘着付与剤)
成分(B)粘着付与剤は、成分(B1)及び成分(B2)を含んで構成されることが好ましい。成分(B)粘着付与剤は、成分(B1)及び成分(B2)のみからなる態様あってもよい。
成分(B1)は、テルペン系粘着付与剤、ロジン系粘着付与剤、又は完全水添炭化水素系粘着付与剤である。
上記テルペン系粘着付与剤としては、テルペン樹脂(モノテルペン、ジテルペン、トリテルペン、ポリペルテン等)、テルペンフェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂等が挙げられる。これらのテルペン系粘着付与剤は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記テルペン系粘着付与剤としては、酸価が15mgKOH/g以下である公知の市販品を広く用いることができる。当該市販品としては、例えば、ヤスハラケミカル社製の製品名「YSレジンTO-105」(酸価:0mgKOH/g)、Kraton社製の製品名「SYLVARES TRM1115」(酸価:0mgKOH/g)等が挙げられる。
上記ロジン系粘着付与剤としては、より良好な粘着性(タック)を発揮できる点から、天然ロジン及び当該天然ロジンのエステル化物(ロジンエステル樹脂)の少なくとも一方を使用すること好ましく、ロジンエステル樹脂を使用することがより好ましい。
上記天然ロジンとしては、例えば、トールロジン、ガムロジン、ウッドロジン等が挙げられる。これらの天然ロジンはそれぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記ロジンエステル樹脂としては、例えば、ロジングリセリンエステル、ロジンペンタエリスリトールエステル、ロジンメチルエステル、ロジンエチルエステル、ロジンブチルエステル、ロジンエチレングリコールエステル等が挙げられる。これらのロジンエステル樹脂はそれぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記ロジン系粘着付与剤としては、酸価が15mgKOH/g以下である公知の市販品を広く用いることができる。当該市販品としては、例えば、荒川化学工業社製の製品名「スーパーエステルA100」(酸価:5mgKOH/g)、荒川化学工業社製の製品名「パインクリスタルKE-100」(酸価:6mgKOH/g)、Kraton社製の製品名「SYLVALITE 9100」(酸価:7mgKOH/g)、荒川化学工業社製の製品名「スーパーエステルA75」(酸価:5mgKOH/g)等が挙げられる。これらの市販品はそれぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記完全水添炭化水素系粘着付与剤としては、例えば、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂、C5C9系石油樹脂、ジシクロペンタジエン系石油樹脂等の石油樹脂に水素を添加した完全水添石油樹脂を例示することができる。なお、C5系石油樹脂とは石油のC5留分を原料とした石油樹脂であり、C9系石油樹脂とは石油のC9留分を原料とした石油樹脂であり、C5C9系石油樹脂とは石油のC5留分とC9留分とを原料とした石油樹脂である。C5留分としては、シクロペンタジエン、イソプレン、ペンタン等が挙げられる。C9留分としては、スチレン、ビニルトルエン、インデン等が挙げられる。
成分(B2)は、未水添炭化水素系粘着付与剤又は部分水添炭化水素系粘着付与剤である。
成分(B2)の粘着付与剤として、具体的には、上記したC5系石油樹脂、C9系石油樹脂、C5C9系石油樹脂、ジシクロペンタジエン系石油樹脂等の石油樹脂の未水添又は部分水添の炭化水素系粘着付与剤を例示することができる。
本明細書において、成分(B)粘着付与剤の環球式軟化点は、JIS K 6863に準拠して測定される温度を意味する。
ホットメルト接着剤βの100質量%中の成分(B)粘着付与剤の含有割合は、剥離強度をより一層向上させる点から、好ましくは30~65質量%、より好ましくは35~60質量%、さらに好ましくは40~55質量%である。
成分(B)粘着付与剤の含有量は、剥離強度をより一層向上させる点から、成分(A)熱可塑性エラストマー100質量部に対して、好ましくは150~350質量部、より好ましくは200~300質量部である。
本発明において、成分(A)熱可塑性エラストマーの質量部をA、及び成分(B)粘着付与剤の質量部をBとした場合に、B/Aで示される比率が、好ましくは1.5~3.5、より好ましくは2.0~3.0である。
また、成分(B1)及び(B2)の総量100質量%における成分(B1)の配合量は、良好な粘着性を得るために、50質量%以下とすることが好ましく、40質量%以下とすることがより好ましい。
一方、成分(B1)及び(B2)の総量100質量%における成分(B1)の配合量は、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。成分(B1)の配合量が5質量%以上であることにより、優れた経時強度をえることができる。
(4.3.各種添加剤)
ホットメルト接着剤βは、本発明の目的を本質的に妨げない範囲で、必要に応じて各種添加剤を含んでいてもよい。各種添加剤としては、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、液状ゴム、ワックス、及び微粒子充填剤等が挙げられる。
可塑剤としては、例えば、ナフテン系プロセスオイル、パラフィン系プロセスオイル等が挙げられ、加熱安定性剥離強度をより向上させる点から、ナフテン系プロセスオイルが好ましい。これらの可塑剤は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
可塑剤としては、公知の市販品を広く用いることができる。
ナフテン系プロセスオイルの市販品としては、例えば、ペトロチャイナ社製の製品名「KN4010」、出光興産社製の製品名「ダイアナフレシアN28」、出光興産社製の製品名「ダイアナフレシアU46」、Nynas社製の製品名「Nyflex222B」等が挙げられる
パラフィン系プロセスオイルの市販品としては、例えば出光興産社製の製品名「ダイアナプロセスオイルPW32」、製品名「ダイアナプロセスオイルPW90」、製品名「ダイアナプロセスオイルPS32」、製品名「ダイアナプロセスオイルPS90」;ウィトコ社製の製品名「Kaydol」等が挙げられる。
ホットメルト接着剤βが可塑剤を含む場合、当該ホットメルト接着剤100質量%中の可塑剤の含有割合の上限値は、好ましくは40質量%、より好ましくは30質量%、より一層好ましくは25質量%である。
ホットメルト接着剤βが可塑剤を含む場合、当該ホットメルト接着剤100質量%中の可塑剤(C)の含有割合の下限値は好ましくは1質量%、より好ましくは5質量%である。
酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤を広く使用でき、例えば、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、n-オクタデシル-3-(4’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-ブチルフェニル)プロピオネート、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、2,4-ビス(オクチルチオメチル)-o-クレゾール、2-t-ブチル-6-(3-t-ブチル-2-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)-4-メチルフェニルアクリレート、2,4-ジ-t-アミル-6-〔1-(3,5-ジ-t-アミル-2-ヒドロキシフェニル)エチル〕フェニルアクリレート、2-[1-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ペンチルフェニル)]アクリレート、テトラキス〔メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン等のフェノール系酸化防止剤;ジラウリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3-ラウリルチオプロピオネート)等のイオウ系酸化防止剤;トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト等のリン系酸化防止剤等が挙げられる。これらの酸化防止剤は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの酸化防止剤の中でも、加熱安定性をより向上させる点から、フェノール系酸化防止剤が好ましい。
酸化防止剤としては、公知の市販品を広く用いることができる。フェノール系酸化防止剤の市販品としては、例えば、EVERSPRING CHEMICAL社製の製品名「Evernox10」等が挙げられる。
ホットメルト接着剤βが酸化防止剤を含む場合、当該ホットメルト接着剤100質量%中の酸化防止剤の含有割合の上限値は、好ましくは5質量%、より好ましくは4質量%、さらに好ましくは3質量%である。
ホットメルト接着剤βが酸化防止剤を含む場合、当該ホットメルト接着剤100質量%中の酸化防止剤の含有割合の下限値は、好ましくは0.1質量%、より好ましくは0.5質量%、さらに好ましくは1質量%である。
紫外線吸収剤としては、公知の紫外線吸収剤を広く使用でき、例えば、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-t-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-ブチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;サリチル酸エステル系紫外線吸収剤;シアノアクリレート系紫外線吸収剤;ヒンダードアミン系光安定剤が挙げられる。これらの紫外線吸収剤は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
液状ゴムとしては、公知の液状ゴムを広く使用でき、例えば、液状ポリブテン、液状ポリブタジエン、液状ポリイソプレン及びこれらの水添樹脂が挙げられる。これらの液状ゴムは、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
微粒子充填剤としては、公知の微粒子充填剤を広く使用でき、例えば、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、酸化チタン、雲母、スチレンビーズ等が挙げられる。これらの微粒子充填剤は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ホットメルト接着剤βが上記各種添加剤を含む場合、当該ホットメルト接着剤100質量%中の上記各種添加剤の含有割合は、好ましくは5質量%以下である。
本発明の積層体に使用する不織布は、定法により、製造することができる。
ホットメルト接着剤βについても、定法により製造すればよく、その製造方法に特に限定はない。例えば、成分(A)、(B)、そして必要に応じて上記各種添加剤を、加熱装置を備えた撹拌混練機中に投入し、加熱しながら混練する方法等が挙げられる。
混練の際の加熱温度は特に限定されず、好ましくは100~200℃、より好ましくは120~180℃である。混練時間は特に限定されず、好ましくは40~140分、より好ましくは60~120分である。
積層体を得るに際し、ホットメルト接着剤βを塗工する方法としても、公知の塗工方法を広く使用でき、例えば、スパイラルスプレー塗工、スロットコーター塗工、カーテンスプレー塗工、ロールコーター塗工、オメガ塗工、ドット塗工、ビード塗工等が挙げられる。
ホットメルト接着剤βを接着部分に塗工する際の塗工装置としては、公知の塗工装置を広く使用でき、例えば、ホットメルトアプリケーター等が挙げられる。ホットメルトアプリケーターとしては、例えば、サンツール社製の製品名「REKA ハンドガン TR80LCD(スプレー)」等が挙げられる。
ホットメルト接着剤βは、セルロース系材料、コットン系素材等の天然素材からなる孔質構成基材;親水不織布等に対して優れた接着性を発揮することができることから、吸水性物品の製造において被着体同士を接着させるために好適に用いられる。吸収性物品は、ホットメルト接着剤βを用いて構成されていることが好ましい。
吸水性物品は、血液、尿、汗、膿、胃液、唾液、鼻分泌粘液等の体液を吸収することを目的としたものである。吸水性物品としては、例えば、紙おむつ、生理用ナプキン、パンティーライナー、失禁用パッド、携帯用トイレ、携帯用汚物処理袋、動物用屎尿処理シート、病院用ガウン、手術用白衣、創傷被覆材、救急絆創膏、肉や魚等の鮮度保持材等が挙げられる。これらの中でも、本発明のホットメルト接着剤は紙おむつ、生理用ナプキン、パンティーライナー等に好適に用いられる。
紙おむつは、ポリオレフィン系樹脂フィルム等からなる液不透過性バックシートと、不織布等からなる液透過性トップシートと、トップシートから透過してきた液を拡散させる液拡散シートと、液拡散シートと液不透過性バックシートとの間に配置された吸収体とから基本的に構成されている。吸収体が尿等を吸収した後にベタツキが発生することを抑制するために、吸収体はその表面をティッシュ等の吸水紙で覆われた状態で使用される。また、吸水性物品では、ゴム等の弾性部材が伸縮自在に取り付けられることによって、着用者の脚周りや腰周りにフィットさせて排泄物が漏れ出すことを防止する構造が採用されている。
ホットメルト接着剤βは、このような紙おむつの製造において、例えば、セルロース系孔質構成基材同士を接着により一体化するために、セルロース系孔質構成基材と不織布等の他の孔質基材とを接着により一体化するために、好適に用いられる。
ホットメルト接着剤βによって不織布層(I)及び(II)を接着して積層体とする方法としては、特に制限されず公知の方法を用いることができる。例えば、加熱溶融させたホットメルト接着剤βを、不織布層(I)又は(II)に塗工した後に、塗工したホットメルト接着剤にもう一方の不織布層を重ね合わせた後、これらを圧着する方法などが用いられる。
(4.4.ホットメルト接着剤βの動的粘弾性)
本発明で使用するホットメルト接着剤βの動的粘弾性は、所定の温度及び所定のひずみの条件下において、当該ホットメルト接着剤βにかける周波数(ひずみを与える頻度)を変更した際の粘弾性測定を行った際に算出される損失正接が所定の範囲内となる。
ホットメルト接着剤βは、温度50℃において実施される動的粘弾性測定試験において、所定の測定値を有する。具体的には、温度50℃、周波数0.05Hz、ひずみ0.05%での損失正接が0.21以上であり、且つ、温度50℃、周波数1.00Hz、ひずみ0.05%での損失正接0.35以上である。
上記の温度50℃において実施される動的粘弾性測定試験は、下記のように実施される。ホットメルト接着剤βを150℃で加熱溶融して、離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム上の離型層側の面に気泡がはいらない様に滴下する。次いで、離型処理された別のポリエチレンテレフタレートフィルムをホットメルト接着剤上に、離型層側の面がホットメルト接着剤に接触するようにして積層する。さらに、得られた積層体を熱プレスで圧縮し、ホットメルト接着剤の厚みが3mmとなるように調整された気泡が実質状存在していない積層体を得る。当該積層体をポリエチレンテレフタレートフィルム間に挟んだ状態で23℃にて24時間静置させた後、長さ10mm、幅10mmに試験片をカットして動的粘弾性測定用のサンプルを調製する。
調製したサンプルを動的粘弾性測定装置(ティーエーインスツルエント社製ローテェーショナルレオメーター、製品名「DHR-10」)に装着し、以下の測定条件で動的粘弾性測定を行うことにより、温度50℃における損失正接tanδ及び温度50℃における貯蔵弾性率G’(Pa)及び温度50℃における損失弾性率G’’(Pa)を得ることができる。
<50℃の動的粘弾性測定の測定条件>
・周波数範囲:0.01Hz~10.00Hz
・測定温度:50℃
・ひずみ:0.05%
・下部プレート:直径25mmのパラレルプレート
・上部プレート:直径8mmのクロスハッチプレート
ホットメルト接着剤βの、温度50℃、周波数0.05Hz、ひずみ0.05%での損失正接は0.21以上であり、0.22以上であることが好ましく、0.23以上であることがより好ましい。当該値が0.21に満たない場合、積層体の十分な経時的接着性を得ることができない。また、ホットメルト接着剤βの、温度50℃、周波数0.05Hz、ひずみ0.05%での損失正接は0.60以下であることが好ましく、0.48以下がより好ましい。
また、ホットメルト接着剤βの、温度50℃、周波数1.00Hz、ひずみ0.05%での損失正接は0.35以上であり、0.40以上であることが好ましく、0.50以上であることがより好ましい。当該値が0.35に満たない場合、積層体の十分な経時的接着性を得ることができない。また、ホットメルト接着剤βの、温度50℃、周波数1.00Hz、ひずみ0.05%での損失正接は2.50以下であることが好ましく、0.65以下がより好ましい。
ホットメルト接着剤βの、温度50℃、周波数1.00Hz、ひずみ0.05%での損失弾性率は10,000Pa以上であることが好ましく、12,000Pa以上であることがより好ましく、15,000Pa以上であることがさらに好ましい。当該値が10,000Pa以上であることにより、積層体の十分な経時的接着性を得ることができる。
ホットメルト接着剤βは、温度23℃において実施される動的粘弾性測定試験において、所定の測定値を有することが好ましい。ホットメルト接着剤βを150℃で加熱溶融して、離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム上の離型層側の面に滴下する。次いで、離型処理された別のポリエチレンテレフタレートフィルムをホットメルト接着剤上に、離型層側の面がホットメルト接着剤に接触するようにして積層する。さらに、得られた積層体を熱プレスで圧縮し、ホットメルト接着剤の厚みが3mmとなるように調整された積層体を得る。当該積層体をポリエチレンテレフタレートフィルム間に挟んだ状態で23℃にて24時間静置させた後、長さ10mm、幅10mmに試験片をカットして動的粘弾性測定用のサンプルを調製する。
調製したサンプルを動的粘弾性測定装置(ティーエーインスツルエント社製ローテェーショナルレオメーター、製品名「DHR-10」)に装着し、以下の測定条件で動的粘弾性測定を行うことにより、温度23℃における損失正接tanδ及び温度23℃における貯蔵弾性率G’(Pa)及び温度23℃における損失弾性率G’’(Pa)を得ることができる。
<23℃の動的粘弾性測定の測定条件>
・測定温度範囲:-20℃~130℃
・周波数:1.00Hz
・昇温速度:5℃/分
・ひずみ:0.05%
・下部プレート:直径25mmのパラレルプレート
・上部プレート:直径8mmのクロスハッチプレート
ホットメルト接着剤βの、温度23℃、周波数1.00Hz、ひずみ0.05%での損失弾性率は200,000Pa以上であることが好ましく、300,000Pa以上であることがより好ましく、400,000Pa以上であることがさらに好ましい。当該値が200,000Pa以上であることにより、積層体の十分な経時的接着性を得ることができる。
ホットメルト接着剤βの、温度23℃、周波数1.00Hz、ひずみ0.05%での損失正接は1.40以上であることが好ましく、1.50以上であることがより好ましく、2.00以上であることがさらに好ましい。当該値が1.40以上であることにより、積層体の十分な経時的接着性を得ることができる。また、ホットメルト接着剤βの、温度23℃、周波数1.00Hz、ひずみ0.05%での損失正接は6.00以下であることが好ましく、4.50以下であることがより好ましい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
以下、実施例に基づき、本発明の実施形態をより具体的に説明するが、本発明がこれらに限定されるものではない。
ホットメルト接着剤βの製造
下記表1及び2に示す通りの熱可塑性エラストマー、粘着付与剤、可塑剤、酸化防止剤及び各種添加剤を、加熱装置を備えた撹拌混錬機中に投入し、145℃で加熱、90分間に亘って混錬してホットメルト接着剤の製造例1~11を得た。
Figure 0007311724000001
Figure 0007311724000002
不織布の準備
コットン不織布I~III、レーヨン不織布及びポリエチレンおよびポリプロピレン系繊維で構成されるエアスルー不織布を準備した。各不織布における表面粗さの平均偏差(SMD)については、表面試験機(例えば、カトーテック社製 KES-FB4-A)を用いて計測を行った結果、コットン不織布Iが1.623、コットン不織布IIが3.179、コットン不織布IIIが6.931、レーヨン不織布が4.857、エアスルー不織布が2.676と計測された。
積層体の作製
図1に示す通り、上記不織布I~III及びレーヨン不織布を、MD方向に70mm、CD方向に50mmのサイズに切り抜き(基材A)、上記した各種の接着シートの離型紙をはがして不織布のSMD測定を実施した面に貼り付け、その上に500gのロールを置いて5mm/secの速度で一往復させた。更に、接着シートの離型フィルムをはがし、むき出しになった接着面に対し、もう一枚用意した不織布(基材B)を、SMD測定を実施した面を貼り付けた。各実施例及び比較例共に、接着シートを挟む2つの不織布は、同一の素材の不織布の組み合わせとした。得られた積層体の上に、100gのロールを置き、5mm/secの速度で一往復させた。
動的粘弾性測定試験
上記した方法に基づき、上記製造例1~11のホットメルト接着剤の動的粘弾性の測定を実施した。得られた値は、下記表3の通りであった。
Figure 0007311724000003
経時的接着性評価試験
図1に示すように引張試験機(島津製作所社製 AGS-X)を使用し、各実施例及び比較例の積層体における不織布を、基材Bを固定し、基材AをMD方向に引張強度100mm/minでT型剥離試験を実施し、凸最大試験力を計測した。計測は3回実施し、その平均値を凸最大試験力の試験結果として採用した。当該計測は、各実施例及び比較例を製造後、温度23℃、湿度50%環境下で24時間静置後、50℃環境下で2週間静置後の2ポイントで実施した。尚、本明細書ではこれ以降、上記24時間静置後の測定結果を「初期強度」、2週間静置後の測定結果を、「2W強度」というものとする。また、評価基準としては、上記凸最大試験力測定を3回実施して得られる平均値に関して、下記の基準で評価した。下記評価基準で〇又は◎となった場合に、十分な接着性が得られていると判断した。
<評価基準>
2.00N未満 ×
2.00N以上2.50N未満 △
2.50N以上3.00N未満 〇
3.00N以上 ◎
評価試験結果
下記表4~18に示す通り、各実施例1~40の積層体では、2週間経過後においても優れた接着性が確認できたのに対し、各比較例1~15の積層体ではそのような優れた接着性が確認されなかった。
Figure 0007311724000004
Figure 0007311724000005
Figure 0007311724000006
Figure 0007311724000007
Figure 0007311724000008
Figure 0007311724000009
Figure 0007311724000010
Figure 0007311724000011
Figure 0007311724000012
Figure 0007311724000013
Figure 0007311724000014
Figure 0007311724000015
Figure 0007311724000016
Figure 0007311724000017
Figure 0007311724000018

Claims (5)

  1. セルロース系繊維を含む不織布αにより構成される不織布層(I)及び任意の不織布により構成される不織布層(II)をこの順に有し、前記不織布層(I)と前記不織布層(II)とはホットメルト接着剤βを介して接着しており、
    前記不織布αにおける前記ホットメルト接着剤βを介し前記不織布層(II)と接する側の表面の表面粗さの平均偏差(SMD)は2.3以下又は3.0以上であり、
    前記ホットメルト接着剤βは成分(A)熱可塑性エラストマー、及び成分(B)粘着付与剤を含み、
    前記ホットメルト接着剤βは、温度50℃、周波数0.05Hz、ひずみ0.05%での損失正接が0.21以上であり、且つ、温度50℃、周波数1.00Hz、ひずみ0.05%での損失正接0.35以上であることを特徴とする、積層体。
  2. 前記ホットメルト接着剤βは、温度50℃、周波数1.00Hz、ひずみ0.05%での損失弾性率が10,000Pa以上である、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記ホットメルト接着剤βは、
    温度23℃、周波数1.00Hz、ひずみ0.05%での損失弾性率が200,000Pa以上であり、且つ、
    温度23℃、周波数1.00Hz、ひずみ0.05%での損失正接が1.40以上である、請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 前記不織布αの目付は15~40g/mである、請求項1に記載の積層体。
  5. 前記不織布αに含まれるセルロース系繊維がコットン又はレーヨンである、請求項1又は4に記載の積層体。
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