JP5403505B2 - 自己集積型金属錯体結晶の製造方法 - Google Patents

自己集積型金属錯体結晶の製造方法 Download PDF

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この発明は、自己集積型金属錯体、自己集積型金属錯体の製造方法及び触媒材に関する。
金属イオンと有機配位子からなる二次元格子構造を単位モチーフとして3次元的に積層した骨格構造を有する、自己集積型の有機金属錯体が提案され(特許文献1参照)、メタン、窒素、水素等のガス吸着材として注目されている。特に、フマル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等のジカルボン酸を有機配位子として用いた多孔性の自己集積型金属錯体が、ガス吸蔵材として好適であることが見出されている(特許文献2、特許文献3、非特許文献1及び非特許文献2参照。)。また、この自己集積型金属錯体は、均一な細孔を持ち、周期的に分散状態で金属が存在しているため、触媒材として期待されている(非特許文献3参照)。
特開2001−348361号公報 米国特許出願公開第2003/0004364号明細書 特開2003−342260号公報
森和亮、大村哲賜、佐藤智彦,「カルボン酸金属錯体の気体吸蔵とその応用」,ペトロテック(PETROTECH),「社団法人石油学会」,2003年,第26巻,第2号,p.105−112 エム・エダウディ(M.Eddaoudi),エイチ・リー(H.Li), オウ・エム・ヤギ(O.M.Yaghi)著,「ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ(J.Am.Chem.Soc.)」,2000年,第122号,p.1391−1397 Shuichi Naito, Tomonori Tanibe, Emiko Saito, Toshihiro Miyao and Wasuke Mori著、「Chemistry Letters」、Vol. 30 (2001) , No. 11 p.1178‐1179
このような自己集積型金属錯体は、金属塩及び有機配位子となる化合物を、それぞれアルコール等の有機溶媒に溶解し、得られた溶液を混合することで合成される。この合成において、反応は有機配位子であるカルボン酸の脱プロトン化と金属塩の金属イオン化により進行し、自己集積により目的構造が構築される。
反応は自己集積によるため、結晶析出までに時間を要する。自己集積が進行している間に温度等の結晶化環境が変化すると、自己集積に乱れが生じる。結晶化環境を完全に一定に保つことは難しく、自己集積の乱れは結晶化環境の変化が僅かであっても生じるため、結晶構造に歪みができやすく、均一な目的構造を得にくい。高純度の自己集積型金属錯体を得るためには、時間をかけて結晶析出させる必要があることから、工業的に純度の高い目的物を生産することは難しい。また、特に触媒能が期待される金属種の中には反応が進みにくいものがあり、反応性を上げるため高温にしたり、反応時間を長くしたりすると、金属の遊離や副反応が起こりやすく、目的物の生産性が低い。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明に係る自己集積型金属錯体結晶の製造方法は、中心金属と、中心金属に配位し、カルボキシレート基を有する有機配位子とを備える金属錯体の三次元的骨格構造を含む自己集積型金属錯体結晶の製造方法であって、中心金属の塩を第1の溶媒に溶解した第1の溶液と、有機配位子となる化合物を第2の溶媒に溶解した第2の溶液とを混合して室温で反応させる反応工程を含み、上記中心金属の塩は酢酸銅であり、上記有機配位子となる化合物はテレフタル酸であり、反応工程において、有機配位子を有する金属錯体結晶を添加することを特徴とする。
本発明に係る自己集積型金属錯体は、上記本発明に係る多孔性金属錯体の製造方法により得られ、中心金属と、有機配位子とを備える金属錯体の三次元的骨格構造を含むことを特徴とする。
本発明に係る触媒材は、上記本発明に係る自己集積型金属錯体を含むことを特徴とする。
本発明によれば、純度の高い自己集積型金属錯体が高効率で、安価に大量に得られる。また、本発明によれば、本発明に係る自己集積型金属錯体を用いるので、高効率な吸着材が安価に大量に得られる。
(a)自己集積型金属錯体を製造する際に添加する他の自己集積型金属錯体の結晶構造を示す図である。(b)本発明の実施の形態に係る自己集積型金属錯体の結晶構造を示す図である。 本発明の実施の形態に係る反応の一例を示す図である。 自己集積型金属錯体のXRDパターンを示す図である。 (a)実施例1の表面形態を示す図である。(b)比較例1の表面形態を示す図である。
以下、本発明の実施の形態に係る自己集積型金属錯体、自己集積型金属錯体の製造方法及び触媒材を説明する。
図1(a)に、本発明の実施の形態に係る自己集積型金属錯体の原料の一つである他の自己集積型金属錯体(この例では、テレフタル酸Cu(銅)。)の結晶構造1を、図1(b)に本発明の実施の形態に係る自己集積型金属錯体(この例では、テレフタル酸Rh(ロジウム)の結晶構造11を模式的に示す。結晶構造1を有する自己集積型金属錯体は、2個のCuイオンを中心金属2とした二核錯体であり、中心金属2の周りにはカルボン酸イオンが有機配位子として配位されて配位結合部3を形成している。各カルボン酸イオンはカルボキシレート基を有し、このカルボキシレート基の2つの酸素原子を介して中心金属2であるCuイオンに配位することにより、2つのCuイオンを4つの格子点とする環(空隙)が縮合した格子状の二次元格子構造(芳香族カルボン酸金属錯体)M1が形成される。この二次元格子構造M1を単位モチーフ、つまり、基本的繰り返しパターンとして中心金属2とカルボキシレート基の酸素間との結合による集積により積層することにより、自己集合による三次元的多孔性骨格構造が形成されている。この構造では、複数の二次元構造の各空隙列が一列に整列するため、一次元のチャネルを複数形成している。
同様に、結晶構造11を有する自己集積型金属錯体は、2個のRhイオンを中心金属12とした二核錯体であり、中心金属12の周りにはカルボン酸イオンが有機配位子として配位されて配位結合部13を形成している。各カルボン酸イオンはカルボキシレート基を有し、このカルボキシレート基の2つの酸素原子を介して中心金属12であるRhイオンに配位することにより、2つのRhイオンを4つの格子点とする環(空隙)が縮合した格子状の二次元格子構造(カルボン酸金属錯体)M2が形成される。この二次元格子構造M2を単位モチーフ、つまり、基本的繰り返しパターンとして中心金属12とカルボキシレート基の酸素間との結合による集積により積層することにより、自己集合による三次元的多孔性骨格構造が形成されている。この構造では、複数の二次元構造の各空隙列が一列に整列するため、一次元のチャネルを複数形成している。
このような構造を有する自己集積型金属錯体は、中心金属の塩を第1の溶媒に溶解した第1の溶液と、有機配位子となる化合物を第2の溶媒に溶解した第2の溶液とを混合して反応させる反応工程を含み、反応工程において、有機配位子を有する金属錯体を添加する方法により製造する。例えば、図2に示すように、中心金属の塩である酢酸銅一水和物を第1の溶媒であるエタノールに溶解して第1の溶液と、有機配位子となるテレフタル酸を第2の溶媒であるメタノールに溶解した第2の溶液とを混合して、カルボン酸金属塩と有機配位子とを直接反応させる。反応の際、有機配位子を有する金属錯体としてテレフタル酸Cuを添加して自己集積型金属錯体である目的のテレフタル酸Cuを得る。
目的の自己集積型金属錯体を得るために、中心金属の塩と有機配位子となる化合物を、それぞれアルコール等の有機溶媒に溶解し、その溶液を混合することで合成する。この合成において、反応は有機配位子であるカルボン酸の脱プロトン化と中心金属の塩の金属イオン化により進行する。反応の際、触媒能が期待される金属種、例えばRh等は反応が進みにくい。このため、反応性を上げるために、高温、高圧下で反応を行う。反応時間が長くなると、金属の遊離や副反応が多く起こり、収率が下がって不純物が多くなり、得られた自己集積型金属錯体の表面積も下がる。また、反応は自己集積によるため、カルボン酸の脱プロトン化と中心金属の塩の金属イオン化が比較的起こりやすいCu等を含む金属塩を用いた場合であっても、結晶析出までに時間を要する。自己集積が進行している間に温度等の結晶化環境が変化すると、自己集積に乱れが生じ、結晶構造に歪みができやすく、均一な目的構造を得にくい。
これに対し、本発明の実施の形態に係る方法では、図2に示すように、中心金属の塩と有機配位子となる化合物とを反応させる際に、目的物である自己集積型金属錯体と同じ配位子を有する他の自己集積型金属錯体を添加する。目的物と同じ配位子を有する錯体を添加することで、この錯体が種晶となって核形成が不要となる。このため、結晶析出時間が短縮され、さらに種晶上へ自己集積が行われるため、自己集積の乱れも減少する。そして、結果として従来法により合成した種晶上に、均一な目的構造を持つ高純度結晶が形成され、目的の自己集積型金属錯体が得られる。このように、本発明の実施の形態に係る製造方法では、従来法に比べて、短時間に、純度の高い自己集積型金属錯体が得られる。また、単位時間当たりの生産性及び収率が増加し、製造コストを削減できる。
中心金属の塩は、2〜4価の金属を含む金属群から選択された第1の金属を含む。特に、第1の金属は、2価又は3価の金属を含むことが好ましく、第1の金属は、Mg、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Rh、Ru、Mo、Re、Al、Pd、Cd、Tb、W及びPtを含む金属群から選択される金属を含むことが好ましい。添加する錯体は、目的物を構成する金属を含む錯体に限られず、目的物と同じ配位子を持つ金属錯体であれば核となり、目的物の核形成が省略されるため、自己集積の乱れが減少する。このため、Rh等の反応が進みにくい金属を含む場合であっても、目的の自己集積型金属錯体が効率良く得られる。また、目的物に含まれる金属と異なる金属の塩を用いることで、得られる自己集積型金属錯体に含まれる金属の組成を調節することができる。これにより、対象化合物に対する吸着・分離・触媒としての機能を変化させることができる。
有機配位子は、次の一般式(I)
(HOOC)n1−R1−(COOH)n2 ・・・(I)
(ただし、R1はアルキレン基、アルキニレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を示し、前記R1は置換基を含んでもよく、n1及びn2は整数を示し、1≦n1≦8、0≦n2≦8である。)で表されるカルボン酸を含むことが好ましい。この場合、
2≦n1+n2≦4であることがより好ましく、R1は、次の一般式(II)〜(XI)
のいずれか一つで表される置換基を含むことが好ましい。このように、異なるカルボン酸を有機配位子として用いることができるため、水素とのアフィニティや細孔の形、径を変化させた高純度なカルボン酸金属錯体を大量合成することができる。
また、R1は、炭素原子をヘテロ元素に置換した複素環を含むことが好ましい。また、R1は、環骨格内にN、O、S、P、B、As、Si、Sb及びHgを含む元素群から選択される元素を含むことが好ましい。特に、R1は、次の一般式(XII)〜(XXVII)
のいずれか一つで表される置換基を含むことが好ましい。異なる複素環カルボン酸を有機配位子として用いることで、水素とのアフィニティや細孔の形、径を変化させた高純度な複素環カルボン酸金属錯体を大量合成することができる。
金属錯体は、2〜4価の金属を含む金属群から選択された第2の金属を含むことが好ましく、第2の金属は、2価又は3価の金属を含むことが好ましい。中でも、第2の金属は、Cuを含むことがより好ましい。目的物の金属によらず、目的物と同じ配位子を持つ金属錯体は種晶として用いることができるため、安価な金属種を含む金属錯体を種晶として用いることで、安価に高純度な目的物を合成することができる。
反応に用いる溶媒は、N,N’−ジメチルホルムアミド、N,N’-ジエチルホルムアミド、水、アルコール類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、アセトン及びアセトニトリルを含む溶媒群から選択された溶媒を含むことが好ましい。また、中でも、溶媒として、アルコール類又はアセトンを含む溶媒を用いることが好ましい。この場合には、原料の溶解度の高い溶媒を選択できるため、純度の高い自己集積型金属錯体の大量合成が可能となる。
この自己集積型金属錯体の製造方法により、特に、加熱・加圧を行うことなく、溶媒を除去するだけで従来に比べて高純度で表面積の高い自己集積型金属錯体が得られる。生成した自己集積型金属錯体は、中心金属とカルボキシレート基を有する有機配位子とを備え、中心金属の周りに有機配位子が配位される。各有機配位子は1つのカルボキシレート基を有し、各カルボキシレート基がそれぞれ2つの酸素原子を介して異なる中心金属に配位することにより、中心金属を格子点とする環(空隙)が縮合した格子状の二次元構造が形成される。各有機配位子はπ−π相互作用、水素結合などの比較的弱い結合により結合され、この二次元格子構造を単位モチーフ、つまり、基本的繰り返しパターンとして積層することにより三次元的多孔性骨格構造が形成される。この自己集積型金属錯体において、二次元格子構造の単位モチーフを積層した三次元的多孔性骨格構造は空隙を画成する骨格部であり、各空隙の細孔径は0.3〜2.0nmの大きさである。そして、この細孔径より小さな気体又は液体分子を骨格構造に取り込むことが可能である。また、有機配位子が比較的弱い結合により結合されているため、圧力、熱などの外部環境に応じてその結合がずれることにより骨格構造は可撓性を有した柔軟な構造を形成する。外部からの熱又は圧力によって骨格構造を変形させることにより、空隙は変形可能である。なお、この自己集積型金属錯体は上記したカルボン酸を残留物として含む。この場合には、原料としてカルボン酸を用いたことが示される。また、この自己集積型金属錯体において、BET比表面積が100m /g以上であることが好ましく、BET比表面積が700m /g以上であることがより好ましい。この場合には、高い水素吸蔵能を有する。なお、上記したように、目的物と異なる金属や有機配位子を含む金属錯体を種晶として用いることで、得られる自己集積型金属錯体が2種類以上の結晶構造を含む場合もある。
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る自己集積型金属錯体の製造方法では、純度及び表面積の高い自己集積型金属錯体の製造が可能となり、更には安価に大量に得られる。また、この製造方法により、純度及び表面積の高い自己集積型金属錯体が安価に大量に得られ、この自己集積型金属錯体を用いて吸着材、分離材、ガス吸着材及び水素吸着材を製造した場合には、従来に比べて高効率な吸着材、分離材、ガス吸着材及び水素吸着材が安価に大量に得られる。
以下、実施例1及び比較例1により本発明の実施の形態に係る自己集積型金属錯体の製造方法について更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
1.試料の調製
実施例1 {Cu(OOC−C−COO)}の合成
図2に示すように、有機配位子としてテレフタル酸を、金属塩として酢酸銅一水和物を用いた。酢酸銅一水和物0.30gをエタノール45mLに溶解・攪拌して得られた溶液と、テレフタル酸0.25gを触媒である蟻酸3mL存在下で1−メチル−2−ピロリジノン20mLに溶解・攪拌して得られた溶液とを混合し、室温でさらに攪拌した。24時間後、比較例1に従い調製した{Cu(OOC−C−COO)}を種晶として添加した。析出した固体を回収し、脱水メタノールで洗浄した。その後、常温で真空乾燥を行い、目的物である{Cu(OOC−C−COO)}を得た。
比較例1 {Cu(OOC−C−COO)}の合成
有機配位子としてテレフタル酸を、金属塩として酢酸銅一水和物を用いた。酢酸銅一水和物0.30gをエタノール45mLに溶解・攪拌して得られた溶液と、テレフタル酸0.25gを、触媒である蟻酸3mL存在下で1−メチル−2−ピロリジノン20mLに溶解・攪拌して得られた溶液とを混合し、室温でさらに攪拌した。析出した固体を回収し、脱水メタノールで洗浄した。その後、常温で真空乾燥を行い、目的物である{Cu(OOC−C−COO)}を得た。
2.結晶構造の確認
合成した試料を、マックスサイエンス社製X線回折装置(MXP 18VAHF)を用い、電圧40kV、電流300mA、X線波長CuKαで測定した。
3.表面形態の確認
合成した試料を、カールツァイス社製電子線表面イメージング顕微鏡(ULTRA55)を用い、加速電圧3.0kV(二次電子像:SE2モード)で観察した。
4.BET比表面積の確認
合成した試料を、マイクロメリティックス社製、比表面積・細孔分布測定装置(ASAP−2020)を用い、窒素吸着BET多点法にて評価した。測定前に60℃で15時間の減圧脱ガス処理を行った。
実施例1で得られた結晶のXRDパターンを図3に示す。図3において、3Aは実施例1で得られたテレフタル酸銅を、3Bは比較例1で得られたテレフタル酸銅を示す。3Bで示す比較例1で得られたテレフタル酸銅は、3bで示す回折角2θ=8°のピークがブロードである。これに対し、3Aで示す実施例1で得られたテレフタル酸銅は、3aで示す回折角2θ=8°のピークがシャープになっている。このことから、種晶としてテレフタル酸銅を添加して結晶析出を行った場合には、純度の高い結晶が得られることがわかった。
次に、実施例1及び比較例1で得られたれた試料のBET比表面積を表1に示す。
また、図4(a)、(b)に、実施例1及び比較例1で得られた試料の表面形態を示す。実施例1で得られた試料は、図4(a)の4Aに示すように結晶面が多く見られた。これに対し、比較例1で得られた試料は、図4(b)の4Bに示すように結晶面が少なかった。BET比表面積は、実施例1では740m /gであるのに対し、比較例1では480m /gであり、種晶を添加して結晶析出させると、種晶よりもBET比表面積が高くなり、結晶面も多くなることがわかった。このように、実施例1及び比較例1では、同じテレフタル酸銅を得ることを目的としているが、比較例1で得られたテレフタル酸銅を種晶として用いることで、実施例1ではBET比表面積が高くなったため、結果として水素吸蔵能も高くなるものと考えられる。また、図3より実施例1では純度も上がったことから、種晶を加えることで、効率良く純度の高い結晶が得られることがわかった。
なお、今回は種晶と同じ種類の金属を含む金属錯体を用いたが、同じ配位子であれば得られる金属錯体は同じ骨格を有するため、含まれる金属の種類によらず種晶として用いることができる。このため、特に安価で合成しやすい、Cu等の金属を中心金属として含む金属錯体を種晶とすることで、これまで合成が難しかったRh等を中心金属とする金属錯体を、短時間で高純度に合成できる。このように、本実施例では、種晶を用いることで、純度の高い自己集積型金属錯体の大量合成が可能となり、高効率で安価に得ることができた。
以上、本実施の形態について説明したが、上記実施の形態の開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解するべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
1、11 自己集積型金属錯体の結晶構造
2、12 中心金属
3、13 配位結合部
M1、M2 二次元格子構造

Claims (1)

  1. 中心金属と、前記中心金属に配位し、カルボキシレート基を有する有機配位子とを備える金属錯体の三次元的骨格構造を含む自己集積型金属錯体結晶の製造方法であって、
    前記中心金属の塩を第1の溶媒に溶解した第1の溶液と、前記有機配位子となる化合物を第2の溶媒に溶解した第2の溶液とを混合して室温で反応させる反応工程を含み、
    前記中心金属の塩は酢酸銅であり、
    前記有機配位子となる化合物はテレフタル酸であり、
    前記反応工程において、前記有機配位子を有する金属錯体結晶を添加することを特徴とする自己集積型金属錯体結晶の製造方法。
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