JP5402636B2 - 陽極接合方法及び液滴吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

陽極接合方法及び液滴吐出ヘッドの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、陽極接合方法及び液滴吐出ヘッドの製造方法に関する。
近年半導体などで培われた微細加工技術を用いて製造される微小な機械システム(MEMS(Micro Electro Mechanical System)、マイクロマシンとも称される。)の注目度が高まっている。これらのマイクロマシンのなかで、シリコン基板と可動イオンを含む硼珪酸ガラス基板(以降、ガラス基板と称する。)とを接触させ、この状態で陽極接合によりシリコンウエハとガラス基板とを接合する技術がある。
陽極接合技術を利用する例として、特許文献1のインクジェットヘッドがある。このインクジェットヘッドは、キャビティプレート(中基板)を挟んで上側にノズルプレート(上基板)、下側に電極基板(下基板)が積層された3層構造となっている。中基板はシリコン基板、上基板と下基板はガラス基板とし、下基板と中基板とを密着させて保持し、その上に上基板を非接触状態で保持して加熱昇温後、下基板と上基板とを陽極接合する。この後、上基板を中基板の面上に押圧降下させ、上基板と中基板とを陽極接合している。
また、特許文献2においては、複数のシリコン基板の間にガラス基板を挟んでシリコン基板とガラス基板を陽極接合するものがある。この場合、ガラス基板をシリコン基板より少し大きくしておき、陰極をガラス基板のシリコン基板と重なり合う部分より外側の部分に接触させて接合を行っている。
特開平11−192712号公報 特開平11−87201号公報
特許文献1に記載の陽極接合方法の具体例として、上基板、中基板、下基板の3枚を重ねた時、中基板を下基板、上基板より外側に部分的にはみ出ている状態としている。このはみ出ている部分に電極を設けている。従って、中基板の外周部に電極を設けることになる。中基板はシリコン基板で、ガラス基板と比較して導電性が高いため外周部に電極を設けても電極から離れた接合面でも大きな電圧降下を生じることがない、また下基板、上基板は導電性が低いが接合面の反対面に大きく電極を設けることが出来る。よって、良好に陽極接合をすることが出来る。しかし、中基板をガラス基板とし、上基板、下基板をシリコン基板とすると、ガラス基板はシリコン基板と比較して導電性が低いため、ガラス基板の外周部に設けた電極から接合面が離れるに従って電圧降下が大きくなり良好な陽極接合が困難となる。この陽極接合が困難となるのは、特許文献2の場合も同じである。
また、特許文献2に記載の陽極接合方法では、ガラス基板の周辺部に電極を設けてある。このように周辺部に電極を接触させる場合、接触不良なく十分に接触させるためには、ある程度の押圧力を加える必要がある。この押圧力をガラス基板の周辺部に加えた場合、力を加えた端部の反対側の接合面に浮きが生じたり、重ねた基板の位置にずれが生じたりする。これに対応するために、押圧力を加えるガラス基板の反対側の面を押圧力に対抗する様に支持する部材を設けることも考えられるが、この部材の厚みを接合の都度ガラス基板の下の部材の厚みと合わせる調整が必要になり、作業が煩雑になる。
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、シリコン基板とガラス基板を陽極接合する際に、ガラス基板の接合面の反対側の面に電極を設けることができない場合や接合面が広い場合であっても、位置ずれを生じることも無く良好に陽極接合することが出来る陽極接合方法及びこの陽極接合方法を用いた液滴吐出ヘッドの製造方法を提供することである。
上記の課題は、以下の構成により解決される。
1.ガラス基板とシリコン基板を陽極接合する陽極接合方法において、
前記ガラス基板に貫通穴を設けた前記シリコン基板を重ね合わせる工程と、
重ね合わせた前記シリコン基板の、前記ガラス基板と対向する面の反対面に、陽極電極を接触させるとともに、前記シリコン基板に設けた前記貫通穴を通して前記ガラス基板に、直接電流を印加する金属部と前記金属部と結合し前記ガラス基板に接触するガラス部とで構成する陰極電極を接触させる工程と、
前記ガラス基板と前記シリコン基板を加熱した状態で、前記陽極電極と前記陰極電極に直流電圧を印加する工程と、を有することを特徴とする陽極接合方法。
2. 前記陽極電極及び前記陰極電極は、前記シリコン基板と前記ガラス基板を重ね合わせた面に略垂直な方向から移動して、前記シリコン基板及び前記ガラス基板それぞれに接触させることを特徴とする1に記載の陽極接合方法。
.前記ガラス基板と前記シリコン基板とを陽極接合する範囲の任意の位置から20mm以内に、前記ガラス基板に接触させた前記陰極電極の前記直流電圧を印加する金属部があることを特徴とする1または2に記載の陽極接合方法。
.シリコン基板の間にガラス基板を挟んで、シリコン基板とガラス基板とシリコン基板とを陽極接合する陽極接合方法において、
2つの前記シリコン基板のうち一方のシリコン基板に貫通穴が設けられており、前記陽極接合を行う際の電極である陽極電極プレートの上に他方のシリコン基板と前記ガラス基板と前記貫通穴を設けた前記一方のシリコン基板とをこの順に重ね合わせる工程と、
重ね合わせた前記一方のシリコン基板の、前記ガラス基板と対向する面の反対面に、陽極電極を接触させる工程と、
前記一方のシリコン基板に設けた前記貫通穴を通して前記ガラス基板に、直接電流を印加する金属部と前記金属部と結合し前記ガラス基板に接触するガラス部とで構成する陰極電極を接触させる工程と、
前記他方のシリコン基板と前記ガラス基板と前記一方のシリコン基板を加熱した状態で、前記陽極電極プレートと前記陰極電極の間及び前記陽極電極と前記陰極電極の間に直流電圧を印加する工程と、を有することを特徴とする陽極接合方法。
.前記陽極電極及び前記陰極電極は、前記一方のシリコン基板と前記ガラス基板を重ね合わせた面に略垂直な方向から移動して、前記一方のシリコン基板及び前記ガラス基板それぞれに接触させることを特徴とするに記載の陽極接合方法。
.前記ガラス基板と2つの前記シリコン基板とを陽極接合する範囲の任意の位置から20mm以内に、前記ガラス基板に接触させた前記陰極電極の前記直流電圧を印加する金属部があることを特徴とする4または5に記載の陽極接合方法。
.複数のノズル孔を有するノズルプレートが形成されているシリコン基板を準備する工程と、
前記ノズルプレートが形成されているシリコン基板と接合して、前記ノズル孔にそれぞれ連通する、前記ノズル孔の開口より大きな開口の中間貫通穴を有する中間プレートが形成されているガラス基板を準備する工程と、
前記ガラス基板と接合して、前記中間貫通穴を介して前記ノズル孔に連通し、アクチュエータの変位による容積の変化により前記ノズル孔から液滴を吐出させる圧力室を形成する圧力室溝が形成されているシリコン基板を準備する工程と、
前記ノズルプレートが形成されているシリコン基板と前記中間プレートが形成されているガラス基板及び前記中間プレートが形成されているガラス基板と前記圧力室溝が形成されているシリコン基板とを接合して、前記ノズル孔に連通する前記圧力室を形成する接合工程と、を有し、
前記接合工程は、1に記載の陽極接合方法を用いることを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
.複数のノズル孔を有するノズルプレートが形成されているシリコン基板を準備する工程と、
前記ノズルプレートが形成されているシリコン基板と接合して、前記ノズル孔にそれぞれ連通する、前記ノズル孔の開口より大きな開口の中間貫通穴を有する中間プレートが形成されているガラス基板を準備する工程と、
前記ガラス基板と接合して、前記中間貫通穴を介して前記ノズル孔に連通し、アクチュエータの変位による容積の変化により前記ノズル孔から液滴を吐出させる圧力室を形成する圧力室溝が形成されているシリコン基板を準備する工程と、
前記ノズルプレートが形成されているシリコン基板と前記中間プレートが形成されているガラス基板及び前記中間プレートが形成されているガラス基板と前記圧力室溝が形成されているシリコン基板とを接合して、前記ノズル孔に連通する前記圧力室を形成する接合工程と、を有し、
前記接合工程は、に記載の陽極接合方法を用いることを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
本発明によれば、シリコン基板とガラス基板を陽極接合する際に、シリコン基板に貫通穴を設けることで、シリコン基板側からガラス基板に陰極電極を接触させることができる。よって、シリコン基板側の一方向、例えば基板に垂直な方向からシリコン基板及びガラス基板にそれぞれ陽極電極、陰極電極を接触させて、両電極間に直流電圧を印加して陽極接合をすることができる。また、接合面が広く、陰極電極の位置から接合部までの距離が長くなり静電力の低下による接合不良が懸念される場合であっても、シリコン基板に複数の貫通穴を設けて複数の陰極電極を設けることで陰極電極と接合部との距離を短くすることができる。
従って、シリコン基板とガラス基板を陽極接合する際に、ガラス基板の接合面の反対側の面に電極を設けることができない場合や接合面が広い場合であっても、位置ずれを生じることも無く良好に陽極接合することが出来る陽極接合方法及びこの陽極接合方法を用いた液滴吐出ヘッドの製造方法を提供することができる。
液滴吐出ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドの構成を示す分解斜視図である。 インクジェット式記録ヘッドの断面を示す図である。 インクジェット式記録ヘッドの圧電素子3を駆動するための配線部及びその周辺を示す図である。 インクジェット式記録ヘッドの製造工程のフローを示す図である。 ボディプレート、中間プレート、ノズルプレートそれぞれ複数個がシリコン基板、ガラス基板に形成されている様子を示す図である。 ボディプレート、中間プレート、ノズルプレートが形成されている各基板を重ね合わせた状態を示す図である。 陽極接合を説明する図である。 陽極接合を行う際の静電力と陰極電極からの距離の関係を求める実験を説明する図である。 陽極接合を行う際の静電力と陰極電極からの距離の関係を示す図である。 良好に接合できる陰極電極からの距離を定める実験を説明する図である。 シリコン基板の代わりにSOI基板を使用する場合の陽極接合を行う例を示す図である。 シリコン基板の代わりにSOI基板を使用する場合の陽極接合を行う例を示す図である。 シリコン基板の代わりにSOI基板を使用する場合の陽極接合を行う例を示す図である。 シリコン基板、ガラス基板及びシリコン基板の3枚の基板を2段階で陽極接合をする例を示す図である。 SOI基板、ガラス基板及びSOI基板の3枚の基板を2段階で陽極接合をする例を示す図である。
符号の説明
100 記録ヘッド
1 ノズルプレート
2 ボディプレート
3 圧電素子
5 中間プレート
11 ノズル孔
12 中間貫通孔
13 吐出面
20 固定台
20a ベース電極
21 インク供給口
22 共通インク室溝
23 インク供給路溝
24 圧力室溝
30 インク供給路
40 共通電極
42 フレキシブル基板
45 撥液膜
50 貫通穴
51 第1のシリコン基板
52 第1のSOI基板
52−1、52−2、54−1、54−2 Si層
52−J、54−J 絶縁層
53 第2のシリコン基板
54 第2のSOI基板
55、81 ガラス基板
71 陰極電極
71a 金属部
71b ガラス部
73、74 陽極電極
75 直流電圧源
77 スイッチ
81、82 ガラス基板
85、86 シリコン基板
A、B、C 曲線
CL 共通配線
CP 導電性接着剤
D、D1,D2、D3 距離
PL 個別配線
U 流路ユニット
P1、P2、P3 点
W ワイヤ
本発明を図示の実施の形態に基づいて説明するが、本発明は該実施の形態に限らない。
本発明に係わる液滴吐出ヘッドの製造方法により製造される液滴吐出ヘッドについて説明する。
図1は液滴吐出ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッド100(以下、記録ヘッド100と称する。)の構成を分解斜視図(配線部は図示していない。)で示している。図1において、1は液滴吐出ヘッド用ノズルプレート(以下、ノズルプレートと称する。)、5は中間プレート、2はボディプレート、3は圧電素子、30はインク供給路を模式的に示している。また、図2は、この記録ヘッド100におけるノズルプレート1のY−Y’、中間プレート5のZ−Z’及びボディプレート2のX−X’の位置で接合した状態での断面を模式的に示している(配線部は図示していない。)。
ノズルプレート1には、インク吐出のためのノズル孔11を複数配列してある。ノズル孔11の液滴を吐出する吐出口を有する面(以降、吐出面と称する。)13には撥液膜45がある。中間プレート5には、ノズル孔11に連通する中間貫通孔12が設けてある。中間貫通孔12の径は、ノズル孔11の径より大きい。
また、ボディプレート2には、中間プレート5を介してノズルプレート1を貼り合わせることで、圧力室となる圧力室溝24、インク供給路となるインク供給路溝23及び共通インク室となる共通インク室溝22、並びにインク供給口21が形成されている。
そして、ノズルプレート1のノズル孔11とボディプレート2の圧力室溝24とが一対一で対応するように中間プレート5を挟んでノズルプレート1とボディプレート2と貼り合わせることで流路ユニットUを形成する。ここで、以後、上記で説明に使用した圧力室溝、供給路溝、共通インク室溝の各符号はそれぞれ圧力室、供給路、共通インク室にも使用する。また、インク供給口21に連通するようにインク供給路30を結合してある。インク供給路30と別途準備するインク貯蔵部(図示しない)とをパイプ(図示しない)で接続することで流路ユニットUにインクを供給することができる。
図2が示しているように、流路ユニットUに圧電素子3を圧力室24の容積を変化させてノズル孔11から液滴を吐出させるアクチュエータとして、ボディプレート2のノズルプレート1を有する面と反対の各圧力室24の底部25の面に結合してある。ボディプレート2と圧電素子3との間には、全ての圧電素子3と電気的に接続される共通電極40が設けてある。
図3は、記録ヘッド100の圧電素子3を設けてある側の様子で、圧電素子3を駆動するための配線部及びその周辺を示している。ボディプレート2の底面に、フレキシブル基板42の一方の端部が固定されている。フレキシブル基板42は、個別配線PLと共通配線CLを備えている。各圧電素子3に一対一に対応する個別配線PLを全ての圧電素子3に接続し、共通配線を共通電極40に接続する。共通電極40とフレキシブル基板の共通配線との接続は、銀ペースト等の導電性接着剤CPにより接続してある。また、フレキシブル基板の個別配線PLと各圧電素子3との接続は、ワイヤボンディングによるワイヤWで接続してある。
別途用意する圧電素子3の駆動回路にフレキシブル基板42を接続し、共通配線CLと個別配線PLとの間に駆動パルス電圧を印加することで、各圧電素子3を独立して駆動することができる。駆動した圧電素子3から発生する振動が圧力室24の底部25に伝えられ、この底部25の振動により圧力室24内の圧力を変動させることで圧力室24内の液体をノズル孔11から液滴として吐出できる。
これまで説明した記録ヘッド100を製造することに関して説明する。製造工程のフロー図を図4に示す。図4に沿って記録ヘッド100の製造に関して適宜図面を参照しながら説明する。
(ノズルプレートの準備、ボディプレートの準備、中間プレートの準備)
図1に示す流路ユニットUを構成するノズルプレート1、中間プレート5、ボディプレート2をそれぞれ製造する。ノズルプレート1とボディプレート2を成す材料はSiとし、中間プレート5を成す材料は、可動イオンを含む硼珪酸ガラス(以降、硼珪酸ガラスと称する。)とする。中間プレート5を成す材料は、硼珪酸ガラスの他、アルミナ珪酸ガラスが挙げられが、これらに限らず、後述の接合時の温度に耐え、電圧を印加した際にイオンに分離して移動するナトリウム、カリウム等の金属酸化物を含むガラスであれば良い。各プレートをこれらの材料とすることで陽極接合を容易に行うことができる。
ノズルプレート1にノズル孔11を形成する方法、中間プレート5に中間貫通孔12を形成する方法、ボディプレート2に圧力室溝24等を形成する方法は、公知のフォトリソグラフィー技術(レジスト塗布、露光、現像)及びエッチング技術等を用いることができる。エッチング方法としては、ドライエッチングが好ましい。これらの方法により、ノズルプレート1、ボディプレート2及び中間プレート5を準備する。
図5は、ボディプレート2が第2のシリコン基板53に8個の形成されている様子、中間プレート5がガラス基板55に形成されている様子、及びノズルプレート1が第1のシリコン基板51に形成されている様子を模式的に示している。
第2のシリコン基板53、ガラス基板55及び第1のシリコン基板51それぞれに形成されているボディプレート2、中間プレート5、ノズルプレート1は、これらの基板を位置調整をして重ねて接合すると、図1に示す流路ユニットUを8個構成出来るように、各基板に配置されている。尚、第2のシリコン基板53、ガラス基板55及び第1のシリコン基板51の各基板に、重ね合わせ時に位置調整がしやすい様に十字等の位置合わせのための印を設けてもよい。
これら第2のシリコン基板53、ガラス基板55及び第1のシリコン基板51は、この順に重ねて位置合わせをして接合し、接合の後ダイシングソー等で切り出しすることにより流路ユニットUを8個得ることが出来る。
第1のシリコン基板51には、ノズル孔11に加えて、3枚の基板を重ね合わせて陽極接合する際にガラス基板55に接する電極を設けるための本発明に係わる貫通穴50を5個設けてある。貫通穴50の位置は、流路ユニットを製造する上で問題が生じない位置、例えばガラス基板55に設けるノズル孔11に連通する中間貫通孔12に通じない位置とすることに加え、後述する静電力を配慮して決めることが好ましい。この貫通穴50は、ノズルプレート1のノズル孔11を設ける時に同時に設けることが出来るが、陽極接合するまでに設けてあればよい。尚、3枚の基板を上記と逆に第1のシリコン基板51、ガラス基板55及び第2のシリコン基板53として陽極接合をしても良い。この場合も上記と同様に、貫通穴50の位置は、流路ユニットを製造する上で問題が生じない位置とすることに加え、後述する静電力を配慮して決めることが好ましい。
第1のシリコン基板51、ガラス基板55及び第2のシリコン基板53は、陽極接合をする前に十分に洗浄して乾燥させ、接合面にゴミが無いようにするのが好ましい。また、洗浄及び乾燥するに先だって、第1のシリコン基板51、ガラス基板55及び第2のシリコン基板53の各接合面は、各表面粗さを10nm未満にするのが好ましい。具体的には、例えば各接合面をダイヤモンドペースト(粒径はおおよそ0.1μm〜0.3μmの範囲)等を用いたバフ研磨等により研磨を行う。各接合面の表面粗さを、例えば10nm未満にすることで、3枚のプレートをより良好に密着することができる。
ここで、表面粗さRaは、例えば、触針式表面粗さ計Dektak3030(Sloan Technology Veeco Instruments製、触針:ダイヤモンド製半径12.5μm、針圧:0.05mN)を使用して測定することができる。具体的には、任意の3箇所の各表面粗さを求め、その算術平均値として得ることができる。表面粗さを求める際の測定幅は3mmとする。
(陽極接合)
次に、準備したノズルプレート1を形成した第1のシリコン基板51、中間プレート5を形成したガラス基板55、ボディプレート2を形成した第2のシリコン基板53の3枚の基板を重ね合わせ、陽極接合して流路ユニットUを形成する。この3枚の基板を重ね合わせた様子を図6に示す。
図6(a)は、3枚の基板を重ね合わせた状態を最上の基板である第1のシリコン基板51側から見た図であり、図6(b)は、図6(a)におけるF−F’における断面を示している。20は接合を行うために3枚のプレートを固定するための固定台、20aは第2のシリコン基板53より大きいベース電極であり、固定台20には、接合する各基板を加熱するヒーター(図示しない)が設けてある。図6に示す通り、ベース電極20a側から、第2のシリコン基板53、ガラス基板55、第1のシリコン基板51の順に各接合する面を対向させ、接合することで流路ユニットUが構成出来る様に位置関係を調整して重ね合わせる。
次に第1のシリコン基板51、ガラス基板55それぞれに電極を設け、直流電圧を印加して陽極接合を行う。これに関して図7を用いて説明する。図7(a)において、71は陰極電極、73は陽極電極、75は直流電圧源、77はスイッチ(開いた状態)を示している。陽極電極73は、例えばAu、Cu、Al、Niやこれらの合金等の金属が挙げらるが、後述の加熱に対する耐熱性が良好で且つ導電性が良好なものであればこれらに限定されない。陰極電極71は、金属部71aとガラス部71bとで構成している。直流電圧源75は、第1のシリコン基板51に接する陽極電極73及び第2のシリコン基板53に接するベース電極20aにプラス(+)、ガラス基板55に接する陰極電極71にマイナス(−)の電圧が印加できる様にスイッチ77を介して接続している。図7では、第1のシリコン基板51とガラス基板55を陽極接合する電源と第2のシリコン基板53とガラス基板55とを陽極接合する電源を共通の直流電圧源75としているが、別々に設けてもよい。また、直流電圧源を別々に設けた場合、接合効率の観点からは同時に通電する方が好ましいが、必ずしも同時に通電を行う必要はない。
次に図7(b)に示すように、第1のシリコン基板51に陽極電極73、ガラス基板55に陰極電極71をそれぞれ接触させる。陰極電極71は、第1のシリコン基板51に設けた貫通穴50を通してガラス基板55に接触させる。陽極接合時は、各基板間に印加する直流電圧により発生する静電力により各基板が密着する力が働くため、各基板を固定台20に対して押圧しなくても良い。
ガラス基板55に設ける陰極電極71は、金属部71aのみではなくガラス部71bを介してガラス基板55に接触させるのが好ましい。これは、ガラス基板55が、例えば、0.5mm程度と薄い場合、ガラス部71bを介在させることで金属部71aのみとする陰極電極とこれに対向する第2のシリコン基板53との間の放電の発生を抑え、陽極接合を良好に行うためである。また、ガラス基板55に金属の陰極電極を直接接触させると、ガラス基板55中のNa+イオンが陰極電極周辺に析出し、ガラス基板55の表面を汚染する現象が生じる。よって、ガラス基板55に接触する陰極電極にガラス部71bを介在させることで上記の汚染を抑える効果もある。
尚、ガラス部71bの材料は接合するガラス基板55と同じ材料又は同様な硼珪酸ガラスが好ましいが、後述の陽極接合時に加熱する温度に耐え、硼珪酸ガラスと同程度の導電性を示すものであれば良い。また、陰極電極71を、金属部71aとガラス部71bとで構成する方法は、例えばガラス部71bの一方の端部にスパッタリング法等によりAl、Au等の金属膜を形成する方法としても良いが、これに限定されない。
ガラス基板55に陰極電極71及び第2のシリコン基板51に陽極電極73を接触させる際、接合するために重ね合わせた各基板の面(接合面)に対して各電極を略垂直(概ね90°±10°)方向に移動して接触するのが好ましい。これは、各電極を接合面に対して略垂直な方向に移動して接触させることにより、重ね合わせた状態の各基板の接合面に対して平行な力が加わることがなく、各基板間の相対的な位置ずれや接触面での基板の浮きが生じないためである。
第1のシリコン基板51に陽極電極73を設ける位置は、ガラス基板55に対して導電率が十分に大きいためノズルプレート1が形成されていない場所、特にノズル孔近傍等の液滴の吐出に影響を与えない場所であれば特に限定しない。このため、以降で説明するガラス基板55に設ける陰極電極71の配置等を考慮し適宜決めれば良い。
ガラス基板55に陰極電極を設ける位置は、ガラス基板55の導電率を考慮して決めるのが好ましい。ガラス基板55は、後述の加熱により導電率が大きくなるが、シリコン基板と比較して導電率が小さいため、ガラス基板55に電圧が印加される位置と陽極接合する接合面とが離れるに従い、接合する基板同士に十分な静電力が働かなくなり陽極接合が次第に良好に行い難くなる。
陽極接合を行う際、シリコン基板とガラス基板が接合しようとする静電力と陰極電極からの距離の関係を検討した。これに関して図8、図9を用いて説明する。図8において、図7で説明した固定台20及びベース電極20aの上に、シリコン基板85、ガラス基板81及び両基板の一方の端に絶縁物83を挟んで設け、ガラス基板81の他方の端に陰極電極71を設けた。この状態で、ガラス基板81とシリコン基板85を加熱した状態で、ベース電極20aにプラス(+)、陰極電極71にマイナス(−)の電圧を直流電圧源75により印加して陽極接合を行った。
陽極接合の条件は、以下である。
接合面の温度:400℃
印加電圧:1kV
ガラス基板81:厚み0.1mm、幅3mm(テンパックス(登録商標)ガラス)
陰極電極71のガラス部71bの長さd0:1mm(テンパックス(登録商標)ガラス)
絶縁物83:厚み0.05mmの石英ガラス
この実験の結果を図9に示す。図9の横軸は、ガラス基板81に接している陰極電極71から陽極接合がなされて進む陽極接合の最先端部までの距離を示している。また、縦軸は陽極接合が進むにつれてガラス基板81とシリコン基板85との接触し難さを、ガラス基板81の撓みモーメントで示している。
陰極電極71から絶縁物83までの距離Dにガラス部71bの長さd0を加えた距離をそれぞれD1(=20mm)、D2(=30mm)、D3(=50mm)と変え、ガラス基板81とシリコン基板85とが接触する位置を変化させた場合の撓みモーメントMをシミュレーションした結果を、図9の曲線A、B、Cで示す。陰極電極71の金属部71aとガラス部71bとの境界から絶縁物83までの距離をそれぞれD1、D2、D3として、実際に陽極接合を行い、陽極接合が出来た限界位置を曲線A、B、C上にそれぞれ点P1、P2、P3で示す。この結果より、陰極電極から接合面までの距離が離れるにしたがって、両基板を密着させようとする静電力が弱まり、陽極接合し難くなることが分かる。
尚、撓みモーメントMは、以下の式(1)より求めた。
撓みモーメントM=3×E×I×y/(L×L) (1)
E:ガラス基板81のヤング率
I:ガラス基板81の断面2次モーメント
y:絶縁物83の厚み
L:未接合部の長さ(=D−x)
x:接合された長さ
実際の接合においては、接合面間に絶縁物83に該当する様な大きな異物はないが、各基板の接合面が持つうねり等により接合面に隙間が生じている場合がある。この隙間を密着するように作用する静電力が弱まると陽極接合が進まなくなる。ここで図10に示すように、50mm角のシリコン基板とガラス基板とを実際に陽極接合を行い、陽極接合を実用的に行うことができる陰極電極からの距離を実験により求めた。
この実験の陽極接合時のシリコン基板とガラス基板との配置を模式的に図10(a)に示す。また、図10(b)から(d)は、それぞれ50mm角のシリコン基板86、ガラス基板82をこの順で、図10(a)に示した固定台20の上のベース電極20aに重ねて配置した状態をシリコン基板86側(上側から)から見た図である。シリコン基板86とガラス基板82の接合面のある1つの頂点P1、P2、P3からそれぞれ20mm、30mm、50mm離れた位置に陰極電極71の金属部71aとガラス部71bとの境界があるように、シリコン基板86に直径φ3mmの貫通穴50を設けた。この貫通穴50を通してガラス基板82に陰極電極71(直径φ2mm)をシリコン基板86に触れないようにして接続している。
図10(b)から(d)において、ガラス部71bの長さ(高さ)が1mmで、図10中のD10、D20、D30がそれぞれ、19mm、29mm、49mmであり、陰極電極71の金属部71aとガラス部71bとの境界から頂点P1、P2、P3までの距離をそれぞれ20mm、30mm、50mmとしている。接合部を400℃に加熱し、この状態でベース電極20aと陰極電極71との間に直流電圧1kVを30分間印加して陽極接合を各20回行った。この結果、各頂点P1、P2、P3まで接合が達している割合は、距離20mm、30mm、50mmに対してそれぞれ100%、70%、40%であった。この実験結果より、陰極電極71の金属部71aとガラス部71bとの境界から接合が確実にできる最大距離は20mm以下とすることが好ましいことが分かる。よって、陽極接合を確実に行うためには、陽極接合位置から20mm以内に陰極電極の金属部があるようにすることが好ましい。尚、接合が成されているか否かは、接合領域を赤外線顕微鏡を用いて目視確認することによって判断した。
陽極接合を行う上で、主な条件として陽極接合温度と印加する直流電圧がある。陽極接合温度は、350℃から550℃の範囲が好ましい。この温度範囲とすることで、ガラス基板55の中のNa+等の可動イオンを移動可能にすることができる。
また、直流電圧は、ガラス基板55の中のNa+等の可動イオンの濃度によって若干異なるが、0.5kVから2kVの範囲が好ましく、より好ましくは0.8kVから1.5kV程度である。0.5kV以下であると可動イオンの動きが遅く、接合に時間がかかってしまう。2kV以上では、高電圧に対する絶縁の確保だけでなく周囲の環境(たとえば湿度など)の条件によっては、接合する中間プレート5を貫通する形で放電が起こる場合があり、接合不良となる。
陽極接合は、陽極接合温度でガラス基板55の中の可動イオンが高電界に引かれて移動拡散する現象であり、この現象が顕著なガラスが好ましい。好ましいガラスとしてテンパックス(登録商標)及びパイレックス(登録商標)がある。テンパックス(登録商標)及びパイレックス(登録商標)は、Na+を可動イオンとして持っており、Na2Oが高温時にNa+とO2-になって、O2-が相手側に拡散することで接合が成立する。
また、接合する3枚のプレートの熱膨張係数が近いことが好ましい。例えば、上記のガラスの他に通称ソーダガラス(青板ガラスとも称する。)を用いてもSiプレートとの陽極接合は可能であるが、互いの熱膨張係数の差により、接合後の室温までの冷却過程で生じる応力により割れ等の破損が生じてしまう場合がある。
また、ノズルプレート1やボディプレート2を製造する基板にシリコン基板に代えて3層構造(Si/SiO2/Si)を持つSOI(Silicon On Insulator)基板を使用する場合がある。SiO2層はSi層とエッチングレートが異なるため、このSiO2層をエッチング停止層として利用して、エッチングの深さを精度良く行うことが出来る。例えば、2段構造のノズルを備えたノズルプレートを製造する場合、液滴を吐出する側のノズルの長さを精度良く製造することが出来る。また液滴を吐出するための圧力を発生する振動板を備えたボディプレートを製造する場合、振動板の厚みを精度良く製造することが出来る。このようなSOI基板をシリコン基板の代わりに使用する場合、SOI基板の内層の絶縁性が高い(例えば、SiO2層が厚い)場合は、シリコン基板の表面にベース電極20aや陽極電極73を接するだけでは、陽極接合を良好に行うことが出来ない場合がある。
ノズルプレート1を形成した第1のシリコン基板51の代わりにSOI基板を使用する場合の陽極接合を行う例を図11に示す。図11において、52はノズルプレート1を形成した第1のSOI基板、52−Jは、第1のSOI基板52の内部にあるSiO2の絶縁層、52−1、52−2はそれぞれ絶縁層52−Jを挟むSi層を示している。第1のSOI基板52をガラス基板55と接合する場合、ガラス基板55と接している第1のSOI基板52のSi層52−1に達する窪み91を設け、この窪み91に陽極電極73を接するのが好ましい。また、第1のSOI基板52には、上記の第1のシリコン基板51と同様に貫通穴50を設け、この貫通穴50を通して陰極電極71をガラス基板55に接する。
このように窪み91を設けることにより、第1のSOI基板52とガラス基板55を陽極接合する際に、陰極電極71と同様に、陽極電極73を第1のSOI基板52とガラス基板55を重ね合わせた面(接合面)に対して略垂直の方向に移動してSi層52−1に接触させることが出来る。このため、接合面に平行な力が加わることがなく、基板間の相対的な位置ずれや接合面での基板の浮きが生じない。よって、良好な陽極接合を行うことが出来る。
図11では、SOI基板を第1のシリコン基板51の代わりとしているが、第1のシリコン基板51の代わりに第2のシリコン基板53をSOI基板としても同様にして接合することが出来る。
ノズルプレート1を形成した基板として第1のシリコン基板51の代わりにSOI基板を使用し、更にボディプレート2を形成した基板として第2のシリコン基板53の代わりにSOI基板を使用する場合の陽極接合を行う例を図12、13に示す。シリコン基板は、ガラス基板と比較して導電性が良いため、ガラス基板の様に電極を設ける位置と接合面との距離を考慮する必要がない。よって、例えば図12に示すように、ノズルプレート1を形成した第1のSOI基板52、ガラス基板55それぞれに、流路ユニットUを構成する上で問題とならない位置で、重ねた際に連通する貫通穴93a、93bを設ける。この貫通穴93a、93bを通して、ボディプレート2を形成した第2のSOI基板54のSi層54−1に接触する陽極電極74を設ければよい。尚、54−2はSi層、54−JはSiO2層を示す。
また、シリコン基板の良好な導電性から、陽極電極74を第2のSOI基板54のSi層54−1の端に設けることが出来る。例えば、図13に示すように第1のSOI基板52及びガラス基板55の端の一部を切り欠いて、第2のSOI基板54のSi層54−1の一部を露出させ、この露出部分に陽極電極74を設ければよい。
図12、図13何れの場合においても、陰極電極71、陽極陰極73、74の何れもガラス基板55と、第1のSOI基板52、第2のSOI基板54を重ね合わせた面(接合面)に対して略垂直の方向に移動させて接触させることが出来る。このため、第1のSOI基板52、ガラス基板55、第2のSOI基板54の接合面に平行な力が加わることがなく、基板間の相対的な位置ずれや接触面での基板の浮きが生じない。よって、良好な陽極接合を行うことが出来る。
これまでの例では、ボディプレート2と中間プレート5とノズルプレート1をそれぞれ形成したシリコン基板、SOI基板及びガラス基板とを陽極接合法により同時に貼り合わせる場合を説明した。3つの基板を同時に接合することで製造工程を簡略化、製造時間の短縮等の製造効率を良好とすることできる。その一方で、製造の都合上、ボディプレート2を形成した第2の基板53と中間プレート5を形成したガラス基板55を接合し、次にガラス基板55とノズルプレート1を形成した第1のシリコン基板51を接合する、又はボディプレート2とノズルプレート1を入れ替えた順で順次陽極接合を行って流路ユニットUを製造する場合も考えられる。例えば、図14に示すように、ガラス基板55に第2のシリコン基板53をまず接合し(図14(a))、次に第2のシリコン基板が接合されたガラス基板55の反対面に第1のシリコン基板51を接合して(図14(b))流路ユニットUを製造する場合がある。この場合、図14(a)に示すように、従来の陽極接合方法で、第2のシリコン基板53とガラス基板55を接合する。次に、図14(b)に示すように、第2のシリコン基板53が接合されたガラス基板55の反対面に貫通穴50を設けた第1のシリコン基板51を重ね、貫通穴50を通して陰極電極71をガラス基板55に接触させ陽極接合をすることが出来る。このように、第1のシリコン基板51に貫通穴50を設けることで、ガラス基板55の接合面と反対側の面がベース電極20aと接触できるような露出した状態でなくても、良好に陽極接合をすることが出来る。
図14の第1のシリコン基板51、第2のシリコン基板53の代わりに第1のSOI基板52、第2のSOI基板54をガラス基板55に順次陽極接合を行う例を図15に示す。図15(a)に示すように、陽極接合方法で、第2のSOI基板54とガラス基板55を接合する。この時、ガラス基板55に接する第2のSOI基板54のSi層54−1に達する窪み131を設け、この窪み131に陽極電極73を接する。次に、第2のSOI基板54が接合されたガラス基板55の反対面に、貫通穴133及び上記と同じように窪み135を設けた第1のSOI基板52を重ね合わせ、貫通穴133を通して陰極電極71をガラス基板55に接触させることが出来る。尚、窪み131、135は、図15に示すような、円筒状の側壁を持つ様な窪みにする必要はなく、図13に示すような周辺部の切り欠きとしてもよい。
よって、シリコン基板又はSOI基板とガラス基板とを陽極接合をする際に、ガラス基板の接合面と反対側の面にシリコン基板が接合されているといった既に構造物がある等で適切に電極を設けることが出来ない場合、陽極接合するシリコン基板又はSOI基板に貫通穴を設け、この穴を通してガラス基板に陰極電極を接触させる本発明の陽極接合方法は良好な接合を行う上で有力な方法である。
陽極接合後、接合による歪みを緩和するためのアニールを行っても良い。
陽極接合を終了した後、接合した基板より、ボディプレート2、中間プレート5、ノズルプレート1を陽極接合して形成した流路ユニットUをダイシングソー等により個々に分離する。
(洗浄)
次に、ボディプレート2、中間プレート5、ノズルプレート1を陽極接合した流路ユニットU、特に撥液膜45を設けるノズルプレート1の吐出面13を十分に、例えば超音波洗浄等を用いてRCA洗浄法等で清浄にする。清浄した吐出面に撥液膜45を形成することで、吐出面13に対する撥液膜45の密着力を十分に確保することができ、耐久性を向上することができる。記録ヘッド稼働時に吐出面13の清掃のためヘッドクリーナーで擦って拭いても撥液膜が容易に剥がれることがなくなり、良好な液滴の吐出性能を長期に亘って維持することができる。超音波洗浄後、更に酸素プラズマによるアッシング処理(酸素プラズマ処理とも称する。)を行ってもよい。
(撥液膜形成)
次に吐出面に設ける撥液膜に関して説明する。図2に示すノズルプレート1の吐出面13に撥液膜45を設ける。撥液膜45を設けることで、ノズル孔11から液体が吐出面13に馴染むことによる染み出しや広がりを抑制することができる。具体的に撥液膜45には、例えば液体が水性であれば撥水性を有する材料が用いられ、液体が油性であれば撥油性を有する材料が用いられる。一般に、FEP(四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン)、PTFE(ポリテトラフロロエチレン)、フッ素化シロキサン、フルオロアルキルシラン、アモルファスパーフルオロ樹脂等のフッ素樹脂等が用いられることが多く、塗布方法、真空蒸着方法、浸漬方法で吐出面13に成膜する。撥液膜45の厚みは、撥液膜45の材料、形成方法により適宜決めればよい。
撥液膜45は、ノズルプレート1の吐出面13に直接成膜することができるが、撥液膜45の密着性を向上させるために下地層、例えば、TEOS(テトラエトキシシラン)膜を介して成膜するのが好ましい。TEOS膜は、プラズマCVD法でTEOSガスを用いて形成することができる。
尚、撥液膜45を形成する際に、吐出口をマスキングするのが好ましい。マスキングすることで、撥液膜が吐出口を塞ぐことがなくなり、撥液膜の形成後に吐出口部分の撥液膜を除去することなく良好な吐出口を得ることができる。
(電極形成)
次に、洗浄が終わった流路ユニットUの背面(ノズルプレート1がある側と反対側の面)の圧力室24の位置に該当する部分(所謂振動板として機能する部分)に共通電極40を設ける(図2及び図3参照)。共通電極40は、この上に接して設ける全ての圧電素子3に電圧を印加して駆動するための一方の電極となる。この共通電極40を成す材料は、電極となる材料であれば特に限定することはなく、例えば、Al、Au、Cu、Agが挙げられる。また、密着性を良くするためのCr等の下地層を設けてもよい。共通電極40を形成する方法は、特に限定することはなく、例えば公知のスパッタリングや真空蒸着がある。
(圧電素子結合)
次に、共通電極40の上に別途用意する圧電素子3を結合する。圧電素子3に電圧を印加する2つの面には、予めAu等の電極が設けてあり、この電極の一方の面を銀ペースト等の導電性接着剤を用いて共通電極40に結合する。
(配線)
次に、流路ユニットUに結合した各圧電素子3に電圧を供給するための配線を行う。図3に示す様なフレキシブル基板42を流路ユニットUの背面に接着剤等で固定する。フレキシブル基板42は、共通電極40に接続する共通配線CLと各圧電素子3に接続する個別配線PLとを含んでいる。共通配線CLは、銀ペースト等の導電性接着剤CPで共通電極40と電気的に接続し、各圧電素子3と個別配線PLとは、例えばAu線をワイヤWとしたワイヤボンディングにて接続する。
(インク供給路結合)
流路ユニットUに開口しているインク供給口21にインクを供給するためのインク供給路30を接着剤等で結合する。インク供給路30を流路ユニットUに設けることで、インク供給路30と別途設けるインク貯蔵部(図示しない)とをパイプで接続することができ、流路ユニットUにインクを供給することができる。
図1に示す記録ヘッド100を製造した。記録ヘッド100には、図3で示すフレキシブル基板42を設け、フレキシブル基板42と全ての圧電素子3とを電気的に接続し駆動可能とした。これに関して図4に示すフロー図に沿って図1、2、3、5、6、7を参照しながら説明する。
(ノズルプレートを準備する工程、ボディプレートを準備する工程、中間プレートを準備する工程)
図1に示すノズルプレート1、中間プレート5、ボディプレート2を公知のフォトリソグラフィー技術(レジスト塗布、露光、現像)とエッチング技術を用いて形成し各8個を準備した。ノズルプレート1及びボディプレート2は、それぞれの厚みを300μm及び500μm、直径3インチの第1及び第2のシリコン基板51、53を使用した。ノズルプレート1には、直径φ15μmのノズル孔11を128個設けた。ボディプレート2には、ノズル孔11に対応する圧力室となる圧力室溝24、インク供給路となるインク供給路溝23及び共通インク室となる共通インク室溝22、並びにインク供給口21を形成した。中間プレート5は、厚み350μm、直径3インチのテンパックス(登録商標)ガラスをガラス基板55として、直径φ60μmの中間貫通穴をノズル孔11に連通するように128個設けた。各基板に図5に示すように、ノズルプレート1、中間プレート5、ボディプレート2を各8個ずつ形成した。各基板51、55、53におけるノズルプレート1、中間プレート5、ボディプレート2それぞれ位置は、各基板を図6に示すように重ねて接合することにより流路ユニットUを形成することができる様に配置されている。また、第1のシリコン基板51には、流路ユニットUを形成する必要がある範囲の任意の位置から20mm以内に陰極電極71の金属部71aとガラス部71bとの境界があるように、直径φ3mmの貫通穴50を設けた。この貫通穴50は、中間プレート5に設けるノズル孔11に連通する直径φ60μmの貫通穴に連通しない位置とした。
(接合)
次に、ノズルプレート1と中間プレート5とボディプレート2とを陽極接合法を用いて接合した。陽極接合するために、それぞれの接合面をダイヤモンドペーストを用いたバフ研磨により研磨し、各接合面の表面粗さRaを10nm未満とした。表面粗さRaの測定は、触針式表面粗さ計Dektak3030(Sloan Technology Veeco Instruments製、触針:ダイヤモンド製半径12.5μm、針圧:0.05mN)を使用した。測定幅を3mmとし、任意の3箇所で表面粗さを測定し、この算術平均値を表面粗さRaとした。
次に、研磨を完了したノズルプレート1と中間プレート5とボディプレート2を備えた第1のシリコン基板51、ガラス基板55及び第2のシリコン基板53を十分に洗浄・乾燥した。この後、図7に示す様にヒーター(図示しない)を備えた固定台20の上にベース電極20aを設け、このベース電極20aの上に順に第2のシリコン基板53、ガラス基板55、第1のシリコン基板51を位置調整を行って重ね合わせた。
次に、第1のシリコン基板51の上に電極73を載せた。また、ガラス基板55には、貫通穴50を通して陰極電極71を設けた。陰極電極71は、直径φ2mm、長さ1mmのテンパックス(登録商標)ガラスをガラス電極部分71bと、これの一方の端にスパッタリングによりアルミニウムを設けて金属部71aとで構成した。
直流電圧源75は、第1のシリコン基板51に接する陽極電極73及び第2のシリコン基板53に接するベース電極20aにプラス(+)、ガラス基板55に接する陰極電極71にマイナス(−)の電圧が印加できる様にスイッチ77を介して接続した。
ヒーターにより接合部が400℃となるように加熱し、この温度を維持した状態で直流電圧源75を用いて電圧1kVを30分間印加し、陽極接合を行った。この電圧の印加時間は、十分に陽極接合が成される時間として予め実験により決めた。
接合完了後、ダイシングソーにて、流路ユニット8個を接合された基板より切り出した。
(超音波洗浄)
次に陽極接合を完了したボディプレート2、中間プレート5、ノズルプレート1で構成される流路ユニットUを超音波洗浄した。超音波洗浄は次のように行った。
(1)高周波超音波洗浄器(周波数0.7MHz)の液槽に70℃のアルカリ洗浄液を満たし、この洗浄液槽に流路ユニットUを15分間浸漬した。
(2)高周波超音波洗浄器(周波数0.7MHz)の液槽に70℃の純水を満たしアルカリ洗浄液から取りだした流路ユニットUを純水槽に10分間浸漬した。
次に、純水槽から取りだした流路ユニットUを70℃のオーブンに20分間入れ乾燥させた。次に、オーブンから取りだした流路ユニットUを酸素プラズマ(高周波電力300W)中に30分間置いて、アッシング処理を行った。
(撥液膜形成)
次に、撥水膜の下地膜としてTEOS膜を設けた。TEOSガスを用いたプラズマCVD法により、流路ユニットUを構成するノズルプレート1の吐出面に厚み1μmのTEOS膜を設けた。
次に、TEOS膜の上に撥水膜として厚み40nmのフッ素化シロキサン系撥水膜であるメルク社の撥水性蒸着材料「Evaporation substance WR1:パーフルオロアルキルシラン」を真空蒸着法により形成した。
(電極形成)
次に、図3で示す様にAlからなる共通電極40をスパッタ法により設けた後、共通電極40の上に銀ペーストからなる導電性接着剤を用いて圧電素子3を接着した。
次に、流路ユニットUにフレキシブル基板42を接着した。このフレキシブル基板42の共通配線CLと共通電極40とを銀ペーストからなる導電性接着剤CPで電気的に接続し、個別配線PLと各圧電素子3の電極とをAu線をワイヤWとしてワイヤボンディングにて電気的に接続した。
(圧電素子結合、配線、インク供給路結合)
次に、流路ユニットUにインク供給路30を接着剤にて結合した。以上により記録ヘッド100を完成した。完成した記録ヘッド100のフレキシブル基板42に、別途用意した圧電素子3を駆動する駆動回路を接続し、インク供給路30とインク貯蔵部とをパイプで接続し、インク(水溶性)が吐出できるようにした。
(試験及び結果)
製造した8個の記録ヘッド100を用いて、それぞれ1000万回インクの吐出を行った。8個の記録ヘッド100は試験当初と試験終了後でインク吐出状態の変化は見られず、貼り合わせ部分からのインク漏れ等の流路ユニットUに関する不具合はなく良好であった。

Claims (8)

  1. ガラス基板とシリコン基板を陽極接合する陽極接合方法において、
    前記ガラス基板に貫通穴を設けた前記シリコン基板を重ね合わせる工程と、
    重ね合わせた前記シリコン基板の、前記ガラス基板と対向する面の反対面に、陽極電極を接触させるとともに、前記シリコン基板に設けた前記貫通穴を通して前記ガラス基板に、直流電圧を印加する金属部と前記金属部と結合し前記ガラス基板に接触するガラス部とで構成する陰極電極を接触させる工程と、
    前記ガラス基板と前記シリコン基板を加熱した状態で、前記陽極電極と前記陰極電極の前記金属部の間に直流電圧を印加する工程と、を有することを特徴とする陽極接合方法。
  2. 前記陽極電極及び前記陰極電極は、前記シリコン基板と前記ガラス基板を重ね合わせた面に略垂直な方向から移動して、前記シリコン基板及び前記ガラス基板それぞれに接触させることを特徴とする請求項1に記載の陽極接合方法。
  3. 前記ガラス基板と前記シリコン基板とを陽極接合する範囲の任意の位置から20mm以内に、前記ガラス基板に接触させた前記陰極電極の前記直流電圧を印加する金属部があることを特徴とする請求項1または2に記載の陽極接合方法。
  4. シリコン基板の間にガラス基板を挟んで、シリコン基板とガラス基板とシリコン基板とを陽極接合する陽極接合方法において、
    2つの前記シリコン基板のうち一方のシリコン基板に貫通穴が設けられており、
    前記陽極接合を行う際の電極である陽極電極プレートの上に他方のシリコン基板と前記ガラス基板と前記貫通穴を設けた前記一方のシリコン基板とをこの順に重ね合わせる工程と、
    重ね合わせた前記一方のシリコン基板の、前記ガラス基板と対向する面の反対面に、陽極電極を接触させる工程と、
    前記一方のシリコン基板に設けた前記貫通穴を通して前記ガラス基板に、直流電圧を印加する金属部と前記金属部と結合し前記ガラス基板に接触するガラス部とで構成する陰極電極を接触させる工程と、
    前記他方のシリコン基板と前記ガラス基板と前記一方のシリコン基板を加熱した状態で、前記陽極電極プレートと前記陰極電極の間及び前記陽極電極と前記陰極電極の前記金属部の間に直流電圧を印加する工程と、を有することを特徴とする陽極接合方法。
  5. 前記陽極電極及び前記陰極電極は、前記一方のシリコン基板と前記ガラス基板を重ね合わせた面に略垂直な方向から移動して、前記一方のシリコン基板及び前記ガラス基板それぞれに接触させることを特徴とする請求項4に記載の陽極接合方法。
  6. 前記ガラス基板と2つの前記シリコン基板とを陽極接合する範囲の任意の位置から20mm以内に、前記ガラス基板に接触させた前記陰極電極の前記直流電圧を印加する金属部があることを特徴とする請求項4または5に記載の陽極接合方法。
  7. 複数のノズル孔を有するノズルプレートが形成されているシリコン基板を準備する工程と、
    前記ノズルプレートが形成されているシリコン基板と接合して、前記ノズル孔にそれぞれ連通する、前記ノズル孔の開口より大きな開口の中間貫通穴を有する中間プレートが形成されているガラス基板を準備する工程と、
    前記ガラス基板と接合して、前記中間貫通穴を介して前記ノズル孔に連通し、アクチュエータの変位による容積の変化により前記ノズル孔から液滴を吐出させる圧力室を形成する圧力室溝が形成されているシリコン基板を準備する工程と、
    前記ノズルプレートが形成されているシリコン基板と前記中間プレートが形成されているガラス基板及び前記中間プレートが形成されているガラス基板と前記圧力室溝が形成されているシリコン基板とを接合して、前記ノズル孔に連通する前記圧力室を形成する接合工程と、を有し、
    前記接合工程は、請求項1に記載の陽極接合方法を用いることを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
  8. 複数のノズル孔を有するノズルプレートが形成されているシリコン基板を準備する工程と、
    前記ノズルプレートが形成されているシリコン基板と接合して、前記ノズル孔にそれぞれ連通する、前記ノズル孔の開口より大きな開口の中間貫通穴を有する中間プレートが形成されているガラス基板を準備する工程と、
    前記ガラス基板と接合して、前記中間貫通穴を介して前記ノズル孔に連通し、アクチュエータの変位による容積の変化により前記ノズル孔から液滴を吐出させる圧力室を形成する圧力室溝が形成されているシリコン基板を準備する工程と、
    前記ノズルプレートが形成されているシリコン基板と前記中間プレートが形成されているガラス基板及び前記中間プレートが形成されているガラス基板と前記圧力室溝が形成されているシリコン基板とを接合して、前記ノズル孔に連通する前記圧力室を形成する接合工程と、を有し、
    前記接合工程は、請求項4に記載の陽極接合方法を用いることを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
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