JP2008013385A - 陽極接合方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】接合位置関係にズレが生じることが無く、気泡が存在しない効率の良い陽極接合方法を提供する。
【解決手段】電極を設けた台の上に可動イオンを含む硼珪酸ガラス基板とSi基板とを重ね合わせ、合わせた部分を尖端を有する押圧部材で押圧してガラス基板とSi基板を密着する押圧工程と、密着したガラス基板とSi基板を加熱する加熱工程と、密着した領域を尖端を有する押圧部材より大きい大きさの電極となる第1の押圧部材で押圧した状態で、Si基板側の電極を陽極、ガラス基板側の電極を陰極として直流電圧を印加して密着領域より大きい領域を接合する第1の陽極接合工程と、前の工程で陽極接合した領域を第1の押圧部材より大きい大きさの電極となる押圧部材で押圧した状態で、少なくとも1回の前の工程で陽極接合した領域より大きい領域を陽極接合する陽極接合工程と、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、陽極接合方法に関する。
近年半導体などで培われた微細加工技術を用いて作製されるマイクロマシンとも称される微小な機械システム、MEMS(Micro Electro Mechanical System)の注目度が高まっている。この中で、シリコン(Si)やガラスなどの基板上に微小な流路、バルブ、ポンプなどを形成して流体を扱うデバイスがある。その具体的な一例として、液滴吐出ヘッドがあり、例えば、液体レジストを液滴として吐出する液滴吐出ヘッド、DNAの試料を液滴として吐出する液滴吐出ヘッドなどがある。
液滴吐出ヘッドを例にすると、流路溝を設けたSi基板にガラス基板を接合して閉じた流路を形成する場合がある。接合方法には、接着剤を設けて行う方法があるが、接合時に流路溝に接着剤が流入することで流路溝が詰まってしまうといった不具合が生じやすい。このため、接着剤等を介在せずSi基板とガラス基板とを接合する方法として以下の接合方法がある。
陽極接合方法において、可動イオンを有するガラス基板に半導体基板(または導電体基板)を陽極接合する場合、次の工程からなる、すなわち、(1)前記半導体基板(または導電体基板)と前記ガラス基板を相対向し、接合する両基板を加熱によって陽極接合温度まで昇温し、この後両基板間に荷重及び電圧を印加し、(2)前記電圧を一度に最大電圧で印加することなく、低電圧から次第に高めていき、すなわち、前記電圧によって生ずる両基板間の静電引力を次第に高めて行き、両基板間の隙間を次第に狭くして行く過程で、該隙間に残存する気体を接合界面から次第に外部に排出し、接合する、上記各工程からなる無気泡の陽極接合方法がある(特許文献1参照)。
特開2004−210565号公報
しかしながら、特許文献1によれば、半導体基板の上にガラス基板を重ねて置いて、加熱し、両基板間に加重及び電圧を印加して、電圧を次第に高めて両基板間の静電引力を次第に高めていき両基板間の隙間を次第に狭くしていくことで、隙間に残存する気体を接合界面から次第に外部に排出して接合するとしているが、陽極接合が開始されるまで両基板の相対位置関係が固定されていないため、両基板に位置ズレが生じてしまうことがある。位置ずれを生じる理由は、明らかではないが、両基板の洗浄等で、特に絶縁体であるガラス基板が帯電することで両基板を重ねた時に両基板間に斥力が働き微視的に薄い空気層を挟んで浮いた状態となると考えられる。このような状態で、何らかの外力が、特に重ねる上側の基板に働いた時に容易に位置ズレが生じると考えられる。
また、部分的でも一旦陽極接合された両基板を元の状態に分離することは困難であり、位置ズレを修正することは困難である。更に、単に電圧を次第に高めて行くだけでは、接合する基板の中央付近から外側に向かって空気を押し出すように接合されるとは限らず、接合面に空気が残る場合がある。
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、接合位置関係にズレが生じることが無く、接合面に気泡が存在しない陽極接合方法を提供することである。
上記の課題は、以下の構成により解決される。
1. 可動イオンを含む硼珪酸ガラス基板とSi基板とを陽極接合する陽極接合方法において、
電極を設けた台の上に前記可動イオンを含む硼珪酸ガラス基板と前記Si基板とを重ね合わせ、重ね合わさった部分を尖端を有する押圧部材で押圧して該可動イオンを含む硼珪酸ガラス基板と前記Si基板とを分子間力で密着する押圧工程と、
密着した前記可動イオンを含む硼珪酸ガラス基板と前記Si基板とを加熱する加熱工程と、
密着した領域を前記尖端を有する押圧部材より大きい大きさの電極となる第1の押圧部材で押圧した状態で、前記Si基板の側の電極を陽極とし、前記可動イオンを含む硼珪酸ガラス基板側の電極を陰極として直流電圧を印加して該密着した領域より大きい領域を陽極接合する第1の陽極接合工程と、
前の工程で陽極接合した領域を前記第1の押圧部材より大きい大きさの電極となる押圧部材で押圧した状態で、前記Si基板の側の電極を陽極とし、前記可動イオンを含む硼珪酸ガラス基板側の電極を陰極として直流電圧を印加して、少なくとも1回の前記前の工程で陽極接合した領域より大きい領域を陽極接合する陽極接合工程と、を含むことを特徴とする陽極接合方法。
2. 前記電極となる押圧部材が陰極である場合、該電極となる押圧部材は、前記可動イオンを含む硼珪酸ガラス基板と同じ材料であることを特徴とする1に記載の陽極接合方法。
3. 前記電極となる第1の押圧部材の大きさは、前記密着した領域とほぼ同じ大きさであることを特徴とする1または2に記載の陽極接合方法。
4. 前記電極となる押圧部材の大きさは、前記前の工程で陽極接合した領域とほぼ同じ大きさであることを特徴とする1乃至3の何れか一つに記載の陽極接合方法。
5. 前記陽極接合工程において、前記電極となる押圧部材が前記Si基板又は前記可動イオンを含む硼珪酸ガラス基板のどちらか小さい方の基板とほぼ同じ大きさとなるまで前記電極となる押圧部材を徐々に大きくしつつ陽極接合を複数回繰り返すことを特徴とする1乃至4の何れか一つに記載の陽極接合方法。
本発明によれば、可動イオンを含む硼珪酸ガラス基板とSi基板とを重ね合わせた後、重ね合わさった部分を尖端を有する押圧部材で押圧して、押圧された部分の両基板間の空気が排除されて、両基板が接触して分子間力で密着する。このため、可動イオンを含む硼珪酸ガラス基板とSi基板との相対位置関係が容易に移動することがなくなり、以降で行う陽極接合時に位置ずれが生じることがなくなる。
分子間力での密着は、両基板に相対的に面内方向に外力を加えることで位置ズレを修正でき、また、両基板を破損すること無く分離できる程度の強度である。このため、位置ずれの修正や再重ね合わせを行うことができる。よって、歩留まり良く好ましい相対位置関係で両基板を密着することができる。
第1の陽極接合工程において、密着した領域を尖端を有する押圧部材より大きい大きさの電極となる第1の押圧部材で押圧した状態で、陽極接合を行うことで、位置ずれを生じることなく分子間力での密着状態から強固な陽極接合状態とするとともに、密着した領域を押圧した状態で陽極接合を行うため、密着領域には気泡はなく、陽極接合が進むに従い接合面に生じる気泡は接合面の外側に向かって押し出される。よって、密着領域より大きい領域を接合面に気泡がない状態で陽極接合することができる。
陽極接合工程において、前の工程、例えば、第1の陽極接合工程で陽極接合した領域を第1の陽極接合工程で接合した領域を第1の押圧部材より大きい大きさの電極となる押圧部材で押圧した状態で陽極接合を行うため、押圧領域には気泡はなく、陽極接合が進むに従い接合面に生じる気泡は接合面の外側に向かって押し出される。よって、第1の陽極接合工程で接合した領域より大きい領域を気泡がない状態で陽極接合することができ、この陽極接合工程を少なくとも1回繰り返して接合することで、接合面の全域を泡がない状態で陽極接合できる。
従って、接合位置関係にズレが生じることが無く、接合面に気泡が存在しない効率の良い陽極接合方法を提供することができる。
本発明に係わるSi基板に可動イオンを含む硼珪酸ガラス基板であるテンパックス(登録商標)ガラスを接合する例を図を用いて説明する。
図1は、Si基板1に可動イオンを含む硼珪酸ガラス基板3としてテンパックス(登録商標)ガラスを陽極接合する工程を模式的に示している。以下、図1に沿って説明する。
Si基板1及び可動イオンを含む硼珪酸ガラス基板(以降、ガラス基板と称する。)3は、十分に洗浄して乾燥させ、接合面にゴミが無いようにする。この洗浄及び乾燥するに先だって、Si基板及びガラス基板の各接合面は、以降で行う分子間力による両基板を密着することができるように、ダイヤモンドペースト(粒径はおおよそ0.1μm〜0.3μmの範囲)等を用いたバフ研磨等により表面粗さRa<10nmになるように研磨を行う。
ここで、表面粗さRaは、触針式表面粗計Dektak3030(Sloan Technology Veeco Instruments製、触針:ダイヤモンド製半径12.5μm、針圧:0.05mN)を使用して、測定幅3mmとする任意の3箇所における各表面粗さの算術平均値としている。
上記のようにして用意したSi基板1及びガラス基板3を加熱するヒーター(図示しない)と陽極接合を行うための載せる基板より大きいベース電極2aとを備えた基板固定台2の上に、Si基板1、ガラス基板3の順に、研磨面が対峙するように重ね合わせる(図1(a))。図1(a)において、Si基板1とガラス基板3とは、理由は明らかではないが、例えば、Si基板1やガラス基板3の帯電等により両基板間に斥力が働き、薄い空気層(例えば、数μmから10μm程度)を挟んだ状態となっており、ガラス基板3の面内方向に外力を加えると滑るように位置ズレを生じる状態で重なっている。
次に、Si基板1とガラス基板3との位置関係を確認した後、例えば、先端が直径0.5mmから1mm程度の平面形状や球形状等を有する棒状のアルミニウム部材等の尖端を有する押圧部材5で、ガラス基板3を押圧する(図1(b))。押圧部材5の尖端部の形状は、押圧する力にもよるが、力が一点集中するといった鋭利であると基板が破損することが予想されるため好ましくなく、重ね合わせた基板を、例えば、5gから30g程度の力で押圧することで、直径が数ミリ程度の領域が押圧されて両基板が密着して、両基板の位置関係を一時的に仮固定することができるものが好ましく、例えば、先端が直径0.5mmから1mm程度の球形状、平坦な円形状等とするのが好ましい。
押圧部材5で押圧することで、上記の斥力に逆らって両基板間の間隔を狭くして、薄い空気層を周囲に押し出し、空気が押し出された領域は、研磨等で表面粗さがRa<10nmと小さい面同士が、ついには接触して分子間力で密着される。
押圧部材5でガラス基板3を押圧する位置は、両基板間に存在する空気層を周囲に押し出す際に、接合される面の外周までの距離が押圧位置からの方向による偏りがないように、接合される面のほぼ中心部とするのが好ましい。
両基板が接触して密着した領域は、使用したSi基板の本来の色をガラス基板3を通して確認することができ、また密着した周囲にはニュートンリングが観察される領域4が確認され、接触していない状態(密着していない状態)であることが分かる。ここで両基板間の位置ずれが生じたとしても、分子間力の密着状態は、強固なものではなく、例えば、ガラス基板3が破損するような外力を加えること無く位置ずれを修正することができ、更に必要であれば、ガラス基板3をピンセット等でガラス基板3を破損すること無く取り除き再度重ね合わせることができる。従って、両基板の歩留まり良く以降の工程に進むことができる。
次に、電極プローブ6の先端にガラス基板3と同じ材料の電極となる押圧部材7(第1の押圧部材)を設けて、ガラス基板3を押圧し、基板固定台2が備えているヒーター(図示しない)により両基板を加熱する。陽極接合温度まで両基板を加熱し、その後、その温度を維持した状態で、基板固定台2の上面に備えたベース電極2aをプラスとし、電極プローブ6をマイナスとして直流電源9より直流電圧を両基板に印加することで第1の陽極接合を行う(図1(c))。
ガラス基板3を押圧する押圧部材7は、接合されるガラス基板3と同じ材料とするのが好ましい。押圧部材7を金属からなる電極としても陽極接合は可能であるが、ガラス基板3に接した押圧部材7の周囲に、例えば、Na化合物等のアルカリ金属化合物が析出される。押圧部材7を接合されるガラス基板3と同じ材料とすると、押圧部材7とガラス基板3とが接触する周囲等には、この両者が同一材料であることから析出物が生じることがない。従って、以降の工程で、ガラス基板3を押圧する際に、押圧面となるガラス基板3の上面は当初の平面が保たれていることになり、均一な押圧が可能であり、また、析出物を除去することが不要であることから好ましい。尚、押圧部材7を上記のガラス材とすると、押圧部材7と電極プローブ6とが接する周囲に、上記のアルカリ金属化合物が析出されが、以降の接合には問題を生じることはない。
電極となる押圧部材7の大きさは、押圧部材5で分子間力により密着した領域(ニュートンリングが確認される内側の領域)に対して面積差が±10%程度のほぼ同じ領域を押圧することができる大きさが好ましい。密着した領域を押圧して陽極接合を行うことで、位置ずれを生じることなく分子間力で密着している領域を強固な陽極接合状態とするとともに、密着した領域を押圧し陽極接合を行うことから密着領域に気泡はなく、また、密着領域から外側に向かって気泡を外側に押し出す様に両基板間の間隔が狭くなり、ついには接触して、陽極接合が周囲に向かって進行するため、密着領域より大きい領域を接合面に気泡がない状態で陽極接合することができる。
接合された領域は、使用したSi基板の本来の色がガラス基板3を通して確認することができ、またその周囲には、未接合状態であることを示すニュートンリングが観察される領域4aが確認される。
次に、電極プローブ6の先端に取り付けてある押圧部材7を電極となる押圧部材11に交換して、以降は上記と同様に押圧部材11によりガラス基板3を押圧し、基板固定台2の上の両基板を陽極接合温度まで加熱、維持した状態で、基板固定台2の上面に備えたベース電極2aをプラスとし、電極プローブ6をマイナスとして直流電源9より直流電圧を印加することで第2の陽極接合を行う(図1(d))。押圧部材11は、押圧部材7と同じく、接合されるガラス基板3と同じ材料とするのが好ましい。
押圧部材11の大きさは、押圧部材7より大きく、且つ押圧部材7で接合された領域に対して面積差が±10%程度以内となるほぼ同じ領域を押圧することができる大きさが好ましい。押圧部材7で接合された領域を押圧して陽極接合を行うことで、押圧領域に気泡を生じることなく、また、押圧領域から外側に向かって気泡を外側に押し出す様に陽極接合が進行するため、気泡が生じること無く接合領域を押圧部材7を用いて接合された領域より大きくすることができる。
接合された領域は、ガラス基板3を通して使用したSi基板の本来の色が確認されることで接合されている状態であることを確認することができ、また、その周囲にニュートンリングが観察される領域4bが確認されることで、まだ接触していない状態であることが分かる。
まだ接触していない状態であることから、Si基板1とガラス基板3とを全面で陽極接合するためには、押圧部材11の代わりに、押圧部材11より大きく、且つ上記の説明と同様に、押圧部材11で接合された領域に対して面積差がほぼ同じ領域を押圧することができる大きさの押圧部材を用いて陽極接合を行う。
このように、接合する両基板の大きさに応じて上記の電極となる押圧部材を次第に大きくして順次交換して陽極接合を繰り返し行うことで、接合面に気泡がない状態でSi基板1とガラス基板3との陽極接合を完了することができる(図1(e))。
最後の陽極接合を行う押圧部材の大きさは、接合するSi基板1又はガラス基板3のどちらか小さい方の基板の大きさの80%から同じ程度の大きさとするのが好ましい。この大きさにすることで、接合する両基板の接合面全域を気泡が無い状態で陽極接合することができる。
押圧部材7及び11で接合する陽極接合領域は、押圧部材7及び11で押圧された押圧領域より大きくすることができるが、そのためには、例えば、接合時間以外の条件を同じとすると、接合時間をより長くすることでより大きい領域とすることができる。これは、押圧領域より離れるに従い接合される両基板間の間隔が上記で説明した帯電等による基板間の斥力により接触し難く、また、両基板間の間隔が広がっている傾向があり、接合領域が進行するに従って、両基板間隔が次第に狭くなり接合が進むためであると考えられる。従って、陽極接合時間は、接合面全域の接合終了までの、使用する押圧部材の大きさ、押圧部材の交換回数等を考慮して適宜決めればよい。
上記の陽極接合温度とは、ガラス基板3の中のNa+等の可動イオンが移動可能になる温度範囲ということから、350℃から550℃の範囲が好ましい。この温度範囲を超えて接合を行う場合、接合ができない又は接合が十分でないといった不都合が生じやすくなる。例えば、550℃以上では、印加電圧にもよるが、可動イオンが一気に流れ出して、ガラス基板3が白濁して劣化が生じ、結果的に強固な接合ができない場合がある。また、350℃以下では、可動イオンが移動しにくい状態であり、これを移動しやすくするためには、印加電圧を大きくすることが必要である。印加電圧を大きくする結果、Si基板1とガラス基板3との間で短絡が発生し、結果として陽極接合が十分できない場合がある。
また、上記の直流電圧は、ガラス基板3の中のNa+等の可動イオンの濃度によって若干異なるが、0.5kVから2kVの範囲が好ましく、より好ましくは0.8kVから1.5kV程度である。0.5kV以下であると可動イオンの動きが遅く、接合に時間がかかってしまう。2kV以上では、高電圧に対する絶縁の確保だけでなく周囲の環境(たとえば湿度など)の条件によっては、接合するガラスを貫通する形で放電が起こる場合があり、接合不良となる。
接合されるガラス基板3は、特に自重で撓む程度に薄い、例えば、50μmから300μm程度の厚みとすると上記の陽極接合を良好に行うことができる。
陽極接合は、陽極接合温度でガラス基板の中の可動イオンが高電界に引かれて移動拡散する現象であり、この現象が顕著なガラスが好ましい。好ましいガラスとしてテンパックス(登録商標)ガラス及びパイレックス(登録商標)ガラスがある。テンパックス(登録商標)ガラス及びパイレックス(登録商標)ガラスは、Na+を可動イオンとして持っており、Na2Oが高温時にNa+とO2-になって、O2-が相手側に拡散することで接合が成立する。
また、接合する両基板の熱膨張係数が近いことが好ましい。例えば、上記のガラスの他に通称ソーダガラス(青板ガラスとも称する。)を用いてもSi基板との陽極接合は可能であるが、互いの熱膨張係数の差により、接合後の室温までの冷却過程で生じる応力により割れ等の破損が生じてしまう。
上記では、Si基板にガラス基板を重ねて接合する工程を例にして説明したが、ガラス基板にSi基板を重ねて接合することができる。この場合、接合されるSi基板は、ガラス基板の場合と同様に、特に自重で撓む程度に薄い、例えば、50μmから300μm程度の厚みとすると陽極接合を良好に行うことができる。尚、押圧に用いる押圧部材は、上記で説明したような析出物を考慮する必要がないため接合する材料であるSiと同じSi板とする必要はなく、電極となる材料であれば特に限定されない。ガラス基板側から観察できるように、基板固定台及び電極を観察可能な光が透過できる材料で構成することで、上記のガラス基板が上側となる場合と同じく、ニュートンリングの状態等の密着状態、接合状態を直接観察しながら接合することができる。また、実験等により、押圧するための荷重、印加電圧や接合時間等の接合条件を予め決めておくことで、密着または接合する都度、密着状態、接合状態を観察、確認できなくても良好に接合を行うことができる。
(実施例1)
大きさ20mm×20mmで厚さ200μmのSi基板に、厚さ100μmのテンパックス(登録商標)ガラス(以降、ガラス基板と称する。)基板を10組陽極接合した例を図1に示す工程に沿って説明する。
(1)Si基板1とガラス基板3の接合面を研磨して表面粗さRa<10nmとした後、十分に洗浄して乾燥させた。その後、ヒーター(図示しない)、及び接合のためのベース電極2aを備えた基板固定台2の上に、Si基板1及びガラス基板3を位置あわせをして重ねて置いた(図1(a))。
(2)基板固定台2の上に重ねて置いたガラス基板3の中心部を先端が直径1mm程度の球状の丸みを帯びたアルミニウム製の押圧部材5でもって垂直方向に押圧した(図1(b))。押圧することで、Si基板1とガラス基板3とは分子間力により密着した。密着した部分の周囲にニュートンリングが観察される領域4が見え、また、密着した部分は使用したSi基板の本来の色になっていることで、押圧部分が空隙がなく密着していることが確認できた。
(3)電極プローブ6の先端に、テンパックス(登録商標)ガラスを材料とする上記の分子間力で密着された領域とほぼ同じ大きさ3mm×3mmで、厚さ0.75mmの押圧部材7を設け、ガラス基板3に接触させ、基板固定台2のヒーターによりSi基板1とガラス基板3とを約450℃に加熱してこの温度を維持し、電極プローブ6に100gの荷重を加え、押圧部材7をガラス基板3に対し押圧した状態で、直流電源9により直流1.2kVの電圧を印加して、分子間力による密着領域を含む領域を陽極接合した(図1(c))。約17mm×17mmの領域より内側が使用したSi基板の本来の色なっていることで、この領域は空隙がなく接合していることが確認できた。また使用したSi基板の本来の色の領域の外側の周囲は、ニュートンリングが観察される領域4aがあることで、まだ未接合状態であることが分かる。
(4)電極プローブ6の先端の押圧部材7を、テンパックス(登録商標)ガラスを材料とする上記(3)で陽極接合された領域とほぼ同じ大きさ17mm×17mmで、厚さ0.75mmの押圧部材11に交換し、(3)と同様にガラス基板3に接触させ、Si基板1とガラス基板3とを450℃に加熱してこの温度を維持し、電極プローブ6に100gの荷重を加え、押圧部材11をガラス基板3に対し押圧した状態で、直流電源9により直流1.2kVの電圧を印加して陽極接合した(図1(d))。
製造した10組とも大きさ20mm×20mmの接合領域全域が使用したSi基板の本来の色となり、ニュートンリング等の干渉縞が観察できないことから全域が接合されていることが確認できた(図1(e))。また、顕微鏡を用いて接合面を観察したところ気泡がなく接合されていることが確認できた。
(比較例1)
実施例1において、実施例1の工程(2)、(3)を省いて、(1)の通り、Si基板1とガラス基板3とを基板固定台2の上に重ねて置いた後、(4)の通り、大きさ17mm×17mm、厚さ0.75mmのガラス基板を電極プローブ6の先端の押圧部材11として陽極接合を10組試みた。陽極接合の結果、10組とも顕微鏡での観察をするまでもなく、ニュートンリングを伴った複数の気泡が点在していることが確認することができ、気泡がない良好な陽極接合ができなかった。
本発明に係わる陽極接合をする工程を模式的に示している図である。
符号の説明
1 Si基板
2 基板固定台
2a ベース電極
3 可動イオンを含む硼珪酸ガラス基板
4、4a、4b ニュートンリングが観察される領域
5 尖端を有する押圧部材
6 電極プローブ
7、11 電極となる押圧部材
9 直流電源

Claims (5)

  1. 可動イオンを含む硼珪酸ガラス基板とSi基板とを陽極接合する陽極接合方法において、
    電極を設けた台の上に前記可動イオンを含む硼珪酸ガラス基板と前記Si基板とを重ね合わせ、重ね合わさった部分を尖端を有する押圧部材で押圧して該可動イオンを含む硼珪酸ガラス基板と前記Si基板とを分子間力で密着する押圧工程と、
    密着した前記可動イオンを含む硼珪酸ガラス基板と前記Si基板とを加熱する加熱工程と、
    密着した領域を前記尖端を有する押圧部材より大きい大きさの電極となる第1の押圧部材で押圧した状態で、前記Si基板の側の電極を陽極とし、前記可動イオンを含む硼珪酸ガラス基板側の電極を陰極として直流電圧を印加して該密着した領域より大きい領域を陽極接合する第1の陽極接合工程と、
    前の工程で陽極接合した領域を前記第1の押圧部材より大きい大きさの電極となる押圧部材で押圧した状態で、前記Si基板の側の電極を陽極とし、前記可動イオンを含む硼珪酸ガラス基板側の電極を陰極として直流電圧を印加して、少なくとも1回の前記前の工程で陽極接合した領域より大きい領域を陽極接合する陽極接合工程と、を含むことを特徴とする陽極接合方法。
  2. 前記電極となる押圧部材が陰極である場合、該電極となる押圧部材は、前記可動イオンを含む硼珪酸ガラス基板と同じ材料であることを特徴とする請求項1に記載の陽極接合方法。
  3. 前記電極となる第1の押圧部材の大きさは、前記密着した領域とほぼ同じ大きさであることを特徴とする請求項1または2に記載の陽極接合方法。
  4. 前記電極となる押圧部材の大きさは、前記前の工程で陽極接合した領域とほぼ同じ大きさであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の陽極接合方法。
  5. 前記陽極接合工程において、前記電極となる押圧部材が前記Si基板又は前記可動イオンを含む硼珪酸ガラス基板のどちらか小さい方の基板とほぼ同じ大きさとなるまで前記電極となる押圧部材を徐々に大きくしつつ陽極接合を複数回繰り返すことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の陽極接合方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103130180A (zh) * 2011-12-02 2013-06-05 中国科学院微电子研究所 一种晶圆级阳极键合方法

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